JP5083173B2 - 処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Description
ところで、各素子間を接続する配線、各素子に対する電気的コンタクトを図る配線層の下層には、基板のSiと配線材料との相互拡散を抑制する目的で、或いは下地層との剥離を防止する目的でバリヤメタルが用いられるが、このバリヤメタルとしては、電気抵抗が低いことは勿論のこと、密着性、耐熱性、耐バリヤ性、耐腐食性に優れた材料を用いなければならない。このような要請に対応できるバリヤメタルの材料として、特に、TiN膜が多用される傾向にある。
上記したような成膜処理を行う場合、処理装置内における半導体ウエハを載置する載置台の表面には、このウエハの熱的面内均一性を保持し、且つ載置台等に含まれる金属元素に起因する金属汚染等を防止する目的で、TiN膜よりなるプリコート層が予め形成される。このプリコート層は、成膜装置内をクリーニングする毎に除去されてしまうので、クリーニングした場合に、実際にウエハに成膜するに先立って前処理として載置台の表面にプリコート層を堆積させ、その後に、NH3 ガスでプリコート膜の安定化処理を行っている。従来技術としてはTi膜やTiN膜のプリコート層を載置台の表面に形成する技術は本出願人より先に出願した特許文献1、或いは特許文献2に開示されている。
また特許文献3には、アイドリング後の成膜処理において、最初の1枚目が不安定となり、再現性及び面間膜厚均一性が劣化する課題が記載されている。それを解決する手段として、アイドリング後に、原料ガスまたは還元ガスのいずれか一方を短時間だけ、1枚目の成膜処理する直前に流すことで改善している点が開示されている。
しかるに、従来の処理装置にあっては、装置自体の稼働率を高めるために薄いプリコート層を形成して、成膜処理を行っていた。例えば前述したプラズマCVDによる非常に薄いTi膜の堆積と、このTi膜の窒化処理とよりなるサイクルを18回程度行って、全体で例えば0.36μm程度の厚さのプリコート層を形成していた。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、載置台と被処理体との間に被処理体の表面の特性を部分的に劣化させる異常放電が発生することを阻止することができる処理方法及び処理装置を提供することにある。本発明の関連技術の目的は、載置台上に薄膜を形成させて、載置台を熱的に安定化させることにより、成膜プロセスの再現性を良好にすることができる載置台、処理装置を提供することにある。
このように、載置台の表面に、その膜厚が変化しても輻射熱量が略一定となって変化しないような厚さのプリコート層を形成すようにしたので、被処理体に対する成膜処理が進んでも載置台を熱的に安定化させることで、成膜プロセスの再現性が向上し、この結果、被処理体間における膜厚及び比抵抗等の面間及び面内の均一性、及び再現性を向上させることが可能となる。
このように、載置台の表面に、その膜厚が変化しても輻射熱量が略一定となって変化しないような厚さのプリコート層を形成すようにしたので、被処理体に対する成膜処理が進んでも載置台を熱的に安定化させることで、成膜プロセスの再現性が向上し、この結果、被処理体間における膜厚及び比抵抗等の面内及び面間均一性、及び再現性を向上させることが可能となる。
また例えば前記プリコート層はTiNを含む膜であり、前記プリコート層の厚さの下限値は0.5μmである。
また例えば前記成膜処理に必要なプラズマを発生させるプラズマ発生手段を有している。
このように、載置台の表面に、その膜厚が変化しても輻射熱量が略一定となって変化しないような厚さのプリコート層を形成すようにしたので、被処理体に対する成膜処理が進んでも載置台を熱的に安定化させることで、成膜プロセスの再現性が向上し、この結果、被処理体間における膜厚や比抵抗等の面内、面間の均一性、及び再現性を向上させることが可能となる。
また例えば前記プリコート層はTiNを含む膜であり、前記プリコート層の厚さの下限値は0.5μmである。
また例えば前記プリコート工程は、プラズマCVDによりTi膜を形成する成膜ステップと、前記Ti膜を窒化する窒化ステップとを含む。
また例えば前記プリコート工程は、熱CVDによりTiN膜を形成する成膜ステップを含む。
これによれば、プリコート工程の場合と実際に被処理体に対して成膜処理を行う場合とでシャワーヘッド部に温度差がほとんど生じないので、特に、プリコート工程終了後に行う1枚目の被処理体に堆積する膜厚及び比抵抗の面内均一性及び再現性を向上させることができる。
また例えば請求項3に規定するように、前記成膜処理はプラズマを用いて金属膜、或いは金属含有膜を形成する処理である。
また例えば請求項4に規定するように、前記プリコート工程は、プラズマCVDにより金属膜を形成する成膜ステップと、前記金属膜を窒化する窒化ステップとを含む。
また例えば請求項5に規定するように、前記金属膜はTi膜である。
請求項6に規定する発明は、真空引き可能になされた処理容器と、該処理容器内に設けられて被処理体を載置するための載置台と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、前記処理容器内へTiが含まれた金属含有材料ガスを含む処理ガスを導入するガス導入手段と、前記処理容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、を有して前記被処理体に対して成膜処理を施すようにした処理装置において、前記処理容器内の状態を安定化させるために厚さが0.5〜0.9μmのTi含有膜よりなるプリコート層を形成した後に、前記被処理体に成膜処理を実行する際に前記成膜処理の直前に、前記Tiが含まれた金属含有材料ガスを除く処理ガスを前記処理容器内へ供給しつつプラズマを用いて前記載置台の表面を安定化させるように構成したことを特徴とする処理装置である。
本発明によれば、処理容器内の状態を安定化させるために厚さが0.5〜0.9μmのTi含有膜よりなるプリコート層を形成するプリコート工程を行い、プリコート工程を行った後に被処理体に成膜処理を実行する際に成膜処理の直前に、Tiが含まれた金属含有材料ガスを除く処理ガスを処理容器内へ供給しつつプラズマを用いて載置台の表面を安定化させる載置台安定化処理を行なうようにしたので、この載置台の表面に例えば電荷が蓄積されずに電気的に中和されるようになり、従って、その後にこの載置台に被処理体を載置してプラズマ処理を行っても被処理体と載置台との間の電位差が過度に大きくなることを防止できるので、載置台と被処理体との間に被処理体の表面の特性を部分的に劣化させる異常放電が発生することを阻止することができる。
本発明の関連技術によれば、載置台の表面に、その膜厚が変化しても輻射熱量が略一定となって変化しないような厚さのプリコート層を形成すようにしたので、被処理体に対する成膜処理が進んでも載置台を熱的に安定化させることができ、この結果、被処理体間における膜厚及び比抵抗の面内、面間の均一性、及び再現性を向上させることができる。
また本発明の関連技術によれば、プリコート工程の場合と実際に被処理体に対して成膜処理を行う場合とでシャワーヘッド部に温度差がほとんど生じないので、特に、プリコート工程終了後に行う1枚目の被処理体に堆積する膜厚及び比抵抗の面内均一性及び再現性を向上させることができる。
図1は本発明の成膜方法を実施する処理装置を示す構成図、図2はプリコート層が形成された載置台の一例を示す断面図である。本実施例では、処理装置によりプラズマCVDと窒化処理とを用いて、或いは熱CVDを用いてTiNを含む膜のプリコート層を形成する場合を例にとって説明する。
図示するように、処理装置2は、例えばAl、又はAl合金材料等により円筒体状に成形された処理容器4を有している。この処理容器4の底部6の中央部に排気孔7が形成され、この排気孔7の下方側より凹部状の排気室9が形成されている。この凹部の排気室9の側壁には、容器内の雰囲気を排出するための排気口8が設けられており、この排気口8には真空引きポンプ10を介設した排気系12が接続されて、処理容器4内を底部周辺部から均一に真空引きできるようになっている。
ここでこのプリコート層28は、この装置で半導体ウエハWに対して成膜するソースガスと同じソースガスで成膜され、すなわちここではTiNを含む膜よりなり、その厚さT1は載置台の温度を実質的に略一定とした時にその膜厚が変化してもこの載置台16から放出される輻射熱量が略一定となるような範囲の厚さ、例えば0.4μm以上、好ましくは0.5μm以上の厚さで形成されている。このTiNを含む膜の形成方法及び0.5μmの根拠については後述する。
そして、このシャワーヘッド部30内は2つの空間30A、30Bに分離区画されている。また上記空間30A、30Bはそれぞれ上記各噴射孔36A、36Bに連通される。このシャワーヘッド部30の上部には、ヘッド内の各空間30A、30Bにそれぞれのガスを導入するガス導入ポート38A、38Bが設けられており、このガス導入ポート38A、38Bにはガスを流す供給通路40A、40Bがそれぞれ接続されている。この供給通路40A、40Bには、それぞれ複数の分岐管42A、42Bが接続される。
まず、処理容器4内の載置台16上には、半導体ウエハWを何ら載置していない状態とし、処理容器4内を密閉する。この処理容器4内は、例えば成膜処理工程の後にクリーニング処理されて不要な膜が全て除去された状態、又はメンテナンスされた状態であり、従って、載置台16の表面には何らプリコート層がついておらず、載置台16の素材が剥き出し状態、或いは新しい装置が立上がった状態にあって処理容器4内が処理されていない状態にある。
そして、処理容器4内を密閉したならば、Arガス及びH2 ガスを所定量で流した状態とし、それぞれシャワーヘッド部30から所定の流量で処理容器4内に導入し、且つ真空引きポンプ10により処理容器4内を真空引きし、所定の圧力に維持する。
この場合、プリコート層28の厚さは、これ以上厚くしても載置台16からの輻射熱量は変化せずに略一定となるが、換言すればウエハに対する成膜処理によりTiNを含む膜が載置台16に付着しても輻射熱量は変化しないが、スループットを考慮すれば、プリコート層28の最大値は例えば2μm程度、好ましくは1.0μm未満である。
ここで上記プリコート工程の具体的なプロセス条件の一例を表1に示す。
次に、ステップ4の”AFT Depo”ではRFを停止し、原料ガス導入配管内の原料ガスを排出する。次に、ステップ5の”Gas Chang”ではH2 ガスの流量を4000sscmから2000sccmまで減少させ、処理容器4内の処理ガスを置換排気する。次に、ステップ6の”Pre NH3 ”ではプラズマを生成する前にNH3 ガスを流し始めてこの流量を500〜3000sccmの範囲、例えば1500sccmに設定して処理容器4内に導入して安定化させる。
この一連の動作によるプリコート工程を1サイクルとして、以後、同様な一連の操作を複数回、例えば50回繰り返すことで積層プリコートが形成される。次に製品ウエハを処理容器4内に搬入して、ウエハ上にプラズマでTi膜を形成する形成工程が行われる。
図3(B)に示されるフローチャートは、処理容器4内にウエハを搬入してない状態で処理容器4内に付着した不要な付着物をクリーニング処理後に、プラズマを用いないで熱CVDにより直接的にTiN膜を形成している。この時の成膜ガスはTiCl4 ガスとNH3 ガスとN2 ガスを用いる。この熱CVDによるTiN膜の形成は、反応速度が速いため成膜レートが高くて短時間でプリコート工程を行うことができ、しかもステップカバレジも良好(速いため)なので、載置台16の上面のみならず、側面や裏面にも十分にTiN膜を施すことができる。この熱CVDによるTiN膜のプリコート膜の形成では、図3(A)に示したように繰り返しを行うことなく一度に0.5μmの厚さのプリコート層28を短時間で形成することができる。この場合、プリコート層28の膜厚は、載置台16からの輻射熱量の変化しない0.4〜2μmが好ましい。またスループットを考慮すれば1μm未満、例えば0.5〜0.9μmの範囲がより好ましい。
この時のプロセス条件は、TiCl4 ガスの流量が例えば5〜100sccmの範囲内、NH3 ガスの流量が例えば50〜5000sccmの範囲内、N2 ガスの流量が例えば50〜5000sccmの範囲内である。また、圧力及び載置台16の温度及びプリコート膜厚は、図3(A)を参照して説明した場合とそれぞれ同じである。
また更に、図3(D)に示すフローチャートのように、図3(B)にて説明した熱CVDによりTiN膜を直接的に形成した後に、図3(A)にて示すプラズマCVDによるTi膜の成膜ステップと、このTi膜を窒化処理してTiNを含む膜とする窒化ステップとを少なくとも1サイクルだけ施すようにして、プリコート層28の表面を安定化させるようにしてもよい。
従来は、処理容器内にウエハを搬入しないで、載置台の表面に1回で所望の膜厚のTi膜を形成し、窒化してプリコート膜を形成後、ウエハを搬入して半導体ウエハの表面にプラズマCVDによりTi膜を形成し、このTi膜を窒化する工程でTi膜を成膜すると、処理開始の当初ではウエハ処理の枚数が増加するに従って、シャワーヘッド部30の温度も上昇してある程度の枚数に到達すると温度は略一定となる。これは処理空間Sに発生するプラズマにより、発生する熱量と、載置台16から放出される輻射熱量の変化に起因して、このシャワーヘッド部30の温度が大きく変化してしまう。そして、この部分で消費されるTiCl4 ガスのプリカーサ(TiClx:x1〜3)の量が変化し、結果的にウエハ上のTiN膜の膜厚及び比抵抗の均一性及び再現性を悪くさせてしまう。従って、載置台16の温度が略一定の場合、この載置台16から放出される輻射熱量を一定化させることが、TiN膜の成膜プロセスの再現性を向上させるために必要となる。
図4に示すように、プリコート層の膜厚が薄い範囲では、膜厚の変化に対して抵抗加熱ヒータ18の消費電力も大きく変動している。これは、載置台16の温度を650℃に一定に維持していることから、載置台16から放出される輻射熱量が大きく変動していることを意味する。そして、プリコート層の膜厚が0.5μmに達すると、消費電力は略安定してきて一定の変動範囲内となってきている。すなわち、プリコート層の膜厚が0.5μm以上では載置台16から放出される輻射熱量は略一定となっていることが理解できる。
図5は上述のようにプリコート層の膜厚を変化させた時のマッチング回路60のロード位置とチューン位置の変化を示すグラフである。ここでロード位置とはバリアブルインダクタの整合位置であり、チューン位置とはバリアブルコンデンサの整合位置である。尚、マッチング回路60とは、所定の電力の高周波電力を印加している時に、反射波がゼロになるように自動的にインピーダンスが調整されるものであり、その時にロード位置及びチューン位置が変動する。
以上のような結果に基づいて、本願発明による処理装置(方法)と従来の処理装置(方法)とを用いて50枚の製品ウエハに対して実際にTi膜を成膜処理したのでその結果について評価する。
図6は本発明の処理装置と従来の処理装置とを用いて製品ウエハを処理した時の比抵抗の変化を示すグラフである。
図示するように、各曲線A〜C共に、製品ウエハの処理枚数が増加するに従って、比抵抗が僅かずつ上昇している。この場合、従来の処理装置を示す曲線Aの変化は大きくて、ウエハ間の比抵抗値の均一性は3.1%であり、あまり良好ではない。
このように、プラズマCVDを用いた曲線Bよりも熱CVDを用いた曲線Cの特性が良好な理由は、熱CVDによる成膜処理はステップカバレジが良好なために載置台16の裏面にまで十分にプリコート層28が付着し(図2参照)、製品ウエハの処理時における載置台16からの輻射熱量の放出が小さくなり、その変化がより小さくなるからである。
また図7はプリコート層の形成時の温度とウエハの成膜温度との関係が、プリコート膜厚及び面間均一性に及ぼす影響を示すグラフである。ここではプリコート層の形成時の温度とウエハ成膜温度とを同一に設定した場合(曲線X)と、プリコート層の形成時の温度をウエハ成膜温度よりも高く(例えば10〜30℃、好ましくは15〜25℃高い)設定した場合(曲線Y)を示す。このグラフから明らかなように、曲線Yに示すように、ウエハ成膜時の温度よりもプリコート層の形成時の方の温度を僅かに、例えば20℃程度高くした方が、膜厚や比抵抗値等の面内均一性、すなわち再現性を向上できることが判明した。
このような現象を抑制するために、短時間、或いは長時間に亘ってアイドリング運転をした後に成膜処理を再開する時には、製品ウエハを流す直前に図3(A)に示すような、プラズマCVDによりTi膜を形成する成膜ステップと、このTi膜を窒化してTiNを含む膜とする窒化ステップとよりなる1サイクルを少なくとも1回行うようにする。また、これに代えて図3(B)〜図3(D)に示すプリコート工程を、この工程中の熱CVDによるTiN膜の成膜ステップを短時間だけ、例えば数秒間程度行うようにして少なくとも1回実行するようにしてもよい。
図8は処理装置を長時間に亘ってアイドリング状態にした状態から成膜を開始した時の1枚目の製品ウエハにおける堆積膜の比抵抗を示すグラフである。図8において、前半が従来装置による実験結果を示し、後半が本発明装置(1サイクルのプリコートを実施)による実験結果を示す。図示例に示すように、適当な時期にクリーニング操作が行われており、各プロットの直前は長時間、例えば数時間のアイドリング運転が行われている。
この載置台安定化処理は、製品ウエハに対して成膜処理を行う時に用いる処理ガスから、金属含有材料ガスを除いた他の処理ガスを処理容器4内へ供給しつつプラズマを立てることにより行う。具体的には、本実施例の場合には、金属含有材料ガスであるTiCl4 ガスを除いた他の処理ガス、すなわちNH3 ガスとH2 ガスとArガスとを供給しつつプラズマを立て、これにより載置台16の表面の薄膜を窒化乃至改質すると共に、載置台16の表面の電荷(帯電量)を抑制する。ここで、N2 、NH3 、MMHの内の少なくとも1つのガスと、Arガスの混合ガスでプラズマ処理を行ってもよい。
まず、載置台16が略所定のプロセス温度に達しているものとすると、第1ステップの”Pre Heat”ではArガスとH2 ガスとを流し、各ガスの流量を安定化させる。この時の各ガスのガス流量はArガスが500〜3000sccmの範囲、例えば1600sccm、H2 ガスが1000〜5000sccmの範囲、例えば4000sccmである。次に、第2ステップの”Gas Chang”では、次のステップでNH3 ガスを供給するための準備としてH2 ガスの流量を4000sccmから2000sccmに減少させる。次に、第3ステップの”Pre NH3 ”ではNH3 ガスを流し始めてこのガス流量を安定化させる。このNH3 ガス流量は500〜3000sccmの範囲、例えば1500sccmである。
尚、この第1〜第5ステップを1サイクルとして場合、このサイクルを複数回繰り返し行ってもよいし、1サイクル行うだけでもよく、この載置台安定化処理後に直ちに通常の製品ウエハの成膜処理を行うことになる。
ここで上記した載置台安定化処理を行わなかった場合と行った場合の実験を行って評価をしたので、その評価結果について説明する。図11はその評価結果を示す図である。図11(A)は載置台安定化処理を行っていない時の1枚目の製品ウエハの比抵抗の分布を示し、図11(B)は載置台安定化処理を行った時の1枚目の製品ウエハの比抵抗の分布を示す。
上記した載置台安定化処理は図3(A)〜図3(D)の全ての成膜方法において加えることができる。また製品ウエハに対してプラズマCVDにより金属膜を成膜する場合のみならず、プラズマCVDにより金属含有膜を成膜する場合、或いは熱CVDにより金属膜や金属含有膜を成膜する場合にも上記載置台安定化処理を行うようにしてもよい。
更には半導体ウエハのサイズも6インチ(150mm)、8インチ(200mm)、12インチ(300mm)、及び12インチ以上(14インチ等)のいずれも用いることができる。
また、加熱手段として、抵抗発熱ヒータに限らず、ランプ加熱を用いた装置にも本発明を適用できる。更に、被処理体としては、半導体ウエハに限定されず、ガラス基板、LCD基板等にも適用することができる。
4 処理容器
16 載置台
18 抵抗加熱ヒータ(加熱手段)
28 プリコート層
30 シャワーヘッド部(ガス導入手段)
56 プラズマ用高周波電源(プラズマ発生手段)
W 半導体ウエハ(被処理体)
Claims (6)
- ガス導入手段より真空引き可能になされた処理容器内へTiが含まれた金属含有材料ガスを含む処理ガスを導入しつつ載置台上の被処理体の表面にプラズマを用いて成膜処理を施すようにした処理装置を用いた処理方法において、
前記処理容器内の状態を安定化させるために厚さが0.5〜0.9μmのTi含有膜よりなるプリコート層を形成するプリコート工程と、
前記プリコート工程を行った後に前記被処理体に成膜処理を実行する際に前記成膜処理の直前に、前記Tiが含まれた金属含有材料ガスを除く処理ガスを前記処理容器内へ供給しつつプラズマを用いて前記載置台の表面を安定化させる載置台安定化処理と、
を行うようにしたことを特徴とする処理方法。 - 前記載置台安定化処理は、NH3 ガスとH2 ガスと不活性ガスとの存在下でプラズマを立てることにより行われることを特徴とする請求項1記載の処理方法。
- 前記成膜処理はプラズマを用いて金属膜、或いは金属含有膜を形成する処理であることを特徴とする請求項1または2記載の処理方法。
- 前記プリコート工程は、プラズマCVDにより金属膜を形成する成膜ステップと、前記金属膜を窒化する窒化ステップとを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の処理方法。
- 前記金属膜はTi膜であることを特徴とする請求項3または4記載の処理方法。
- 真空引き可能になされた処理容器と、
該処理容器内に設けられて被処理体を載置するための載置台と、
前記被処理体を加熱する加熱手段と、
前記処理容器内へTiが含まれた金属含有材料ガスを含む処理ガスを導入するガス導入手段と、
前記処理容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
を有して前記被処理体に対して成膜処理を施すようにした処理装置において、
前記処理容器内の状態を安定化させるために厚さが0.5〜0.9μmのTi含有膜よりなるプリコート層を形成した後に、前記被処理体に成膜処理を実行する際に前記成膜処理の直前に、前記Tiが含まれた金属含有材料ガスを除く処理ガスを前記処理容器内へ供給しつつプラズマを用いて前記載置台の表面を安定化させるように構成したことを特徴とする処理装置。
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