JP5083004B2 - トリクロロシラン製造装置 - Google Patents
トリクロロシラン製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5083004B2 JP5083004B2 JP2008103592A JP2008103592A JP5083004B2 JP 5083004 B2 JP5083004 B2 JP 5083004B2 JP 2008103592 A JP2008103592 A JP 2008103592A JP 2008103592 A JP2008103592 A JP 2008103592A JP 5083004 B2 JP5083004 B2 JP 5083004B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- trichlorosilane
- reaction vessel
- gas
- vessel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Silicon Compounds (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Description
4SiHCl3 → Si+3SiCl4+2H2 ・・・(2)
SiCl4+H2 → SiHCl3+HCl ・・・(3)
このトリクロロシランを製造する装置として、例えば特許文献1には、発熱体に囲まれた反応室が、同心配置の2つの管によって形成された外室と内室をもった二重室設計とされ、この反応室の下部に設けられた熱交換器を介して反応室に下方から水素とテトラクロロシランとの供給ガスを供給すると共に反応室の下方から反応生成ガスを排出する反応器が提案されている。この反応器では、外室に導入された供給ガスが発熱体により加熱されて反応生成ガスに転換されつつ、上部円盤を介して内側の内室に通された後に排出されるようになっている。
すなわち、上記従来のトリクロロシランの製造装置では、外室に導入された供給ガスが上部円盤で流れ方向を逆向きに変えて内室を流れた後に排出されるため、ガス流路が短く、十分な転換反応を得るために必要な十分な保持時間と加熱とが得難い構造となっている。この構造で、ガス流路を長くするには、反応器を構成する二重の管をさらに長く設定する必要があるが、この場合、装置全体が大型化してしまう不都合がある。さらに、反応容器と収納容器は異なる性質の材料が用いられていることから、高温環境下における両者の熱膨張差に起因した応力が問題となり、反応容器の変形等を生じるおそれがある。
この場合、反応容器における各反応筒壁は上下方向に熱膨張するが、その下端面を支持する収納容器の底板部は、反応容器等を支持する剛構造のものであるので、反応筒壁の熱膨張力を受けても変形等が生じることはない。
なお、流通用貫通部としては、後述の実施形態における反応筒壁に形成した貫通孔の他、反応筒壁の上端部又は下端部に形成した切欠き等が含まれる。
反応容器はトリクロロシランに直接接するものであるのに対して、収納容器は反応容器を収納するものであるから、これらの構成部材に要求される性能は一般には異なるものとなり、そのため、異なる材料が使用され、両者の間で熱膨張差が生じ易い。本発明の構成においては、反応容器における各反応筒壁の下端面が収納容器の底板部の上面で摺動自在とされていることから、両者の熱膨張差に起因する応力の発生を防止することができる。
さらに、本発明のトリクロロシラン製造装置は、前記カーボンの表面が、炭化珪素でコーティングされていることを特徴とする。すなわち、トリクロロシラン製造装置では、炭化珪素(SiC)でコーティングされたカーボンで反応容器が構成されているので、カーボンと供給ガス及び反応生成ガス中の水素、クロロシラン及び塩化水素(HCl)とが反応してメタン、メチルクロロシラン、炭化珪素等が生成されて不純物となることを防ぎ、純度の高いトリクロロシランを得ることができる。
そして、このように反応容器を構成する部材にカーボンを使用した場合でも、収納容器の構成部材(たとえばステンレス鋼)との間の熱膨張差を吸収し得て、カーボンに割れ等が発生することを防止することができる。
すなわち、本発明に係るトリクロロシラン製造装置によれば、複数枚の反応筒壁に、内側から順に上部と下部とに交互に流通用貫通部が形成されているので、ガスが上方向、下方向へと交互に流れ方向を繰り返し変えることで、反応容器内に長い反応流路が確保されると共に複数枚の反応筒壁で伝熱面積が増大される。したがって、反応容器全体を大型化することなく、長い反応流路を確保可能で、供給ガスが反応するために必要な十分な保持時間及び加熱を確保することができ、テトラクロロシランのトリクロロシランへの転換率をより向上させることができる。
また、その反応容器における反応筒壁の下端面を収納容器の底板部の上面に支持したことにより、反応筒壁の熱膨張力により変形等が生じることはなく、安定した操業を行わせることができる。
本実施形態のトリクロロシラン製造装置は、図1に示すように、テトラクロロシランと水素との供給ガスが内部に供給されて転換反応によりトリクロロシランと塩化水素との反応生成ガスが生成される反応容器1と、反応容器1の周囲に配され該反応容器1を加熱する加熱機構2と、反応容器1内に供給ガスを供給するガス供給管3と、反応容器1から反応生成ガスを外部に排出する複数のガス排気管4と、反応容器1及び加熱機構2の周囲を覆うように配された断熱材5と、反応容器1、加熱機構2及び断熱材5を収納する収納容器6と、収納容器6内にアルゴン(Ar)を供給するアルゴン供給機構7とを備えている。
そして、ガス供給管3及びガス排気管4の上端が収納容器6の底板部11の下面に固定され、ガス供給管3は底板部11の中心孔11aを介して第1反応筒壁9aの内側の小空間8aに連通され、ガス排気管4は、外側貫通孔11bを介して外側の小空間8dに連通されている。この場合、外側貫通孔11b及びガス排気管4は、図2に示すように、周方向に等間隔に8個配置されている。
この場合、筒状断熱材5bの上に上部断熱材5aを載せるようにして組み立てられており、この上部断熱材5aの下面に、反応容器1の上部支持円板12が固定され、この上部支持円板12と収納容器6の天板部26との間に上部断熱材5aが介在されるようになっている。
また、この反応容器1の各反応筒壁9a〜9dは、収納容器6の底板部11に載置されているだけであるから、各反応筒壁9a〜9dの下端面が収納容器6の底板部11の上面で摺動することができ、両者の熱膨張差に起因する応力の発生を防止することができる。
また、このリング状溝は各反応筒壁を同心状に位置合わせして配置する機能をも有するものであるが、このリング状溝を収納容器の底板部の上面にも形成してもよく、その場合に、反応筒壁9a〜9dが熱膨張によって摺動し得るように、反応筒壁9a〜9dの厚さよりも大きい幅のリング状溝とするとよい。
さらに、各反応筒壁9a〜9dの下端部の間に相互位置関係を保持するためのリング状のスペーサを介在させる構成としてもよく、そのスペーサを断熱材によって構成してもよい。外側貫通孔11bが形成されている外側小空間にスペーサを設ける場合は、外側貫通孔11bに連通する貫通孔を形成しておけばよい。
なお、このように筒状断熱材5bの上端で上部断熱材5aを支持する場合に、反応容器1を上部断熱材5aに固定して、該反応容器1を上方からも吊り下げ状態に支持することにより、反応容器1の荷重を筒状断熱材5bが収納容器6の底板部11とともに二分して負担する構成としてもよい。収納容器6の底板部11への荷重負担を軽減するとともに、熱膨張時の摺動を円滑に行わせることができる。
Claims (5)
- テトラクロロシランと水素とを含む供給ガスが内部に供給されてトリクロロシランと塩化水素とを含む反応生成ガスが生成される反応容器と、
前記反応容器の内部を加熱する加熱機構と、
前記反応容器内に前記供給ガスを供給するガス供給部と、
前記反応容器から前記反応生成ガスを外部に排出するガス排気部と、
前記反応容器及び前記加熱機構を収納する収納容器とを備え、
前記反応容器の内部には、ほぼ同心配置された内径の異なる複数の反応筒壁によって仕切られた複数の小空間を、これら反応筒壁の下部と上部とに交互に形成した流通用貫通部によって内側から順に連通状態としてなる反応流路が形成され、
該反応流路に前記ガス供給部及びガス排気部が接続され、
前記反応容器における各反応筒壁は、その下端面を前記収納容器における底板部の上面に接触させた状態に支持されていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。 - 請求項1に記載のトリクロロシラン製造装置において、
前記反応容器における各反応筒壁の下端面は、前記収納容器における底板部の上面で摺動自在とされていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。 - 請求項1又は2に記載のトリクロロシラン製造装置において、
前記反応容器の上端に設けられる上部支持板と前記収納容器の天板部との間に断熱材が設けられていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のトリクロロシラン製造装置において、
前記反応容器を構成する部材が、カーボンで形成されていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。 - 請求項4に記載のトリクロロシラン製造装置において、
前記カーボンの表面が、炭化珪素でコーティングされていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008103592A JP5083004B2 (ja) | 2008-04-11 | 2008-04-11 | トリクロロシラン製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008103592A JP5083004B2 (ja) | 2008-04-11 | 2008-04-11 | トリクロロシラン製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009256114A JP2009256114A (ja) | 2009-11-05 |
JP5083004B2 true JP5083004B2 (ja) | 2012-11-28 |
Family
ID=41384051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008103592A Expired - Fee Related JP5083004B2 (ja) | 2008-04-11 | 2008-04-11 | トリクロロシラン製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5083004B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0649569B2 (ja) * | 1985-11-25 | 1994-06-29 | 高純度シリコン株式会社 | トリクロルシランの製造方法およびその装置 |
US5906799A (en) * | 1992-06-01 | 1999-05-25 | Hemlock Semiconductor Corporation | Chlorosilane and hydrogen reactor |
JP3529070B2 (ja) * | 1995-12-01 | 2004-05-24 | 電気化学工業株式会社 | カーボン製反応容器 |
-
2008
- 2008-04-11 JP JP2008103592A patent/JP5083004B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009256114A (ja) | 2009-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5205910B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置 | |
JP5428146B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置 | |
JP5428145B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置 | |
JP5205906B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置 | |
KR20120127413A (ko) | 사염화규소를 트리클로로실란으로 전환시키기 위한 플랜트의 통합 부분으로서의 가압 세라믹 열 교환기의 용도 | |
JP5083004B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置 | |
JP2008150277A (ja) | 耐熱耐食性部材及びトリクロロシラン製造装置 | |
JP5160181B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置 | |
JP5637018B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置 | |
US8372346B2 (en) | Apparatus for producing trichlorosilane | |
JP5637013B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置及び製造方法 | |
JP5316284B2 (ja) | トリクロロシラン製造装置 | |
JP5436454B2 (ja) | 発熱装置 | |
JP2011157223A (ja) | トリクロロシラン製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110330 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120730 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120807 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120820 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5083004 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |