JP5083004B2 - トリクロロシラン製造装置 - Google Patents

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本発明は、テトラクロロシランをトリクロロシランに転換するトリクロロシラン製造装置に関する。
高純度のシリコン(Si:珪素)を製造するための原料として使用されるトリクロロシラン(SiHCl)は、テトラクロロシラン(SiCl:四塩化珪素)を水素と反応させて転換することで製造することができる。
すなわち、シリコンは、以下の反応式(1)(2)によるトリクロロシランの還元反応と熱分解反応で生成され、トリクロロシランは、以下の反応式(3)による転換反応で生成される。
SiHCl+H → Si+3HCl ・・・(1)
4SiHCl → Si+3SiCl+2H ・・・(2)
SiCl+H → SiHCl+HCl ・・・(3)
このトリクロロシランを製造する装置として、例えば特許文献1には、発熱体に囲まれた反応室が、同心配置の2つの管によって形成された外室と内室をもった二重室設計とされ、この反応室の下部に設けられた熱交換器を介して反応室に下方から水素とテトラクロロシランとの供給ガスを供給すると共に反応室の下方から反応生成ガスを排出する反応器が提案されている。この反応器では、外室に導入された供給ガスが発熱体により加熱されて反応生成ガスに転換されつつ、上部円盤を介して内側の内室に通された後に排出されるようになっている。
特許第3781439号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記従来のトリクロロシランの製造装置では、外室に導入された供給ガスが上部円盤で流れ方向を逆向きに変えて内室を流れた後に排出されるため、ガス流路が短く、十分な転換反応を得るために必要な十分な保持時間と加熱とが得難い構造となっている。この構造で、ガス流路を長くするには、反応器を構成する二重の管をさらに長く設定する必要があるが、この場合、装置全体が大型化してしまう不都合がある。さらに、反応容器と収納容器は異なる性質の材料が用いられていることから、高温環境下における両者の熱膨張差に起因した応力が問題となり、反応容器の変形等を生じるおそれがある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、装置全体を大型化しなくても、転換反応に要する長いガス流路が得られ、十分な保持時間と加熱とを得ることができ、さらに反応容器と収納容器の熱膨張差に起因する応力を抑制し、安定的な操業を行うことが可能なトリクロロシラン製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のトリクロロシラン製造装置は、テトラクロロシランと水素とを含む供給ガスが内部に供給されてトリクロロシランと塩化水素とを含む反応生成ガスが生成される反応容器と、前記反応容器の内部を加熱する加熱機構と、前記反応容器内に前記供給ガスを供給するガス供給部(実施形態ではガス供給管3)と、前記反応容器から前記反応生成ガスを外部に排出するガス排気部(実施形態ではガス排気管4)と、前記反応容器及び前記加熱機構を収納する収納容器とを備え、前記反応容器の内部には、ほぼ同心配置された内径の異なる複数の反応筒壁によって仕切られた複数の小空間を、これら反応筒壁の下部と上部とに交互に形成した流通用貫通部(実施形態では流通用貫通孔10)によって内側から順に連通状態としてなる反応流路が形成され、該反応流路に前記ガス供給部及びガス排気部が接続され、前記反応容器における各反応筒壁は、その下端面を前記収納容器における底板部の上面に接触させた状態に支持されていることを特徴とする。
このトリクロロシラン製造装置では、反応筒壁内の反応流路に供給された供給ガスが加熱されながら流通用貫通部を介して反応筒壁を隔てた外側又は内側の小空間に順次流れつつ反応して反応生成ガスとなる。この際、上記各反応筒壁に、内側から順に上部と下部とに交互に流通用貫通部が形成されているので、ガスは外側又は内側の小空間に移動する度に上部から下部へ、下部から上部へと交互に流れ方向を繰り返し変える。したがって、反応容器内に長い反応流路が確保されると共に複数枚の反応筒壁で伝熱面積が増大されることで、供給ガスが反応するために必要な十分な保持時間及び加熱を確保することができ、転換率をより向上させることができる。また、反応流路が上下に折り返し連続して構成されることで、反応容器全体を小型化することができると共に、反応容器全体の熱放散を低くすることが可能になる。
この場合、反応容器における各反応筒壁は上下方向に熱膨張するが、その下端面を支持する収納容器の底板部は、反応容器等を支持する剛構造のものであるので、反応筒壁の熱膨張力を受けても変形等が生じることはない。
なお、流通用貫通部としては、後述の実施形態における反応筒壁に形成した貫通孔の他、反応筒壁の上端部又は下端部に形成した切欠き等が含まれる。
また、本発明のトリクロロシラン製造装置において、前記反応容器における各反応筒壁の下端面は、前記収納容器における底板部の上面に摺動自在とされている構成としてもよい。
反応容器はトリクロロシランに直接接するものであるのに対して、収納容器は反応容器を収納するものであるから、これらの構成部材に要求される性能は一般には異なるものとなり、そのため、異なる材料が使用され、両者の間で熱膨張差が生じ易い。本発明の構成においては、反応容器における各反応筒壁の下端面が収納容器の底板部の上面で摺動自在とされていることから、両者の熱膨張差に起因する応力の発生を防止することができる。
また、本発明のトリクロロシラン製造装置において、前記反応容器の上端に設けられる上部支持板(実施形態では上部支持円板12)と前記収納容器の天板部との間に断熱材が設けられている構成としてもよい。これらの間に断熱材を介在させることにより、両者の熱膨張差を断熱材によって吸収することが可能になり、反応容器等の破損を防止することができる。
また、本発明のトリクロロシラン製造装置は、反応容器を構成する部材が、カーボンで形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明のトリクロロシラン製造装置は、前記カーボンの表面が、炭化珪素でコーティングされていることを特徴とする。すなわち、トリクロロシラン製造装置では、炭化珪素(SiC)でコーティングされたカーボンで反応容器が構成されているので、カーボンと供給ガス及び反応生成ガス中の水素、クロロシラン及び塩化水素(HCl)とが反応してメタン、メチルクロロシラン、炭化珪素等が生成されて不純物となることを防ぎ、純度の高いトリクロロシランを得ることができる。
そして、このように反応容器を構成する部材にカーボンを使用した場合でも、収納容器の構成部材(たとえばステンレス鋼)との間の熱膨張差を吸収し得て、カーボンに割れ等が発生することを防止することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るトリクロロシラン製造装置によれば、複数枚の反応筒壁に、内側から順に上部と下部とに交互に流通用貫通部が形成されているので、ガスが上方向、下方向へと交互に流れ方向を繰り返し変えることで、反応容器内に長い反応流路が確保されると共に複数枚の反応筒壁で伝熱面積が増大される。したがって、反応容器全体を大型化することなく、長い反応流路を確保可能で、供給ガスが反応するために必要な十分な保持時間及び加熱を確保することができ、テトラクロロシランのトリクロロシランへの転換率をより向上させることができる。
また、その反応容器における反応筒壁の下端面を収納容器の底板部の上面に支持したことにより、反応筒壁の熱膨張力により変形等が生じることはなく、安定した操業を行わせることができる。
以下、本発明に係るトリクロロシラン製造装置の一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。
本実施形態のトリクロロシラン製造装置は、図1に示すように、テトラクロロシランと水素との供給ガスが内部に供給されて転換反応によりトリクロロシランと塩化水素との反応生成ガスが生成される反応容器1と、反応容器1の周囲に配され該反応容器1を加熱する加熱機構2と、反応容器1内に供給ガスを供給するガス供給管3と、反応容器1から反応生成ガスを外部に排出する複数のガス排気管4と、反応容器1及び加熱機構2の周囲を覆うように配された断熱材5と、反応容器1、加熱機構2及び断熱材5を収納する収納容器6と、収納容器6内にアルゴン(Ar)を供給するアルゴン供給機構7とを備えている。
上記反応容器1は、図1及び図2に示すように、その内部空間を複数の小空間8a〜8dに区画するための内径の異なる円筒状の第1〜第4反応筒壁9a〜9dを備えている。すなわち、反応容器1内の空間(最も外側の第4反応筒壁9dより内側の空間)は、3つの第1〜第3反応内壁9a〜9cにより、中央に1つの円柱状の小空間8aと、その外側に3つの円筒状の小空間8b〜8dとに仕切られている。また、最も内側の第1反応筒壁9aの内側空間である円柱状の小区間8aの下部にガス供給管3が連通されていると共に、最も外側の小空間8dにガス排気管4が接続されている。
また、これら第1〜第3反応筒壁9a〜9cには、内側から順に上部と下部とに交互に流通用貫通孔10が形成されている。すなわち、第1反応筒壁9aには、上部に複数の流通用貫通孔10が周方向に間隔をあけて形成され、第2反応筒壁9bには、下部に複数の流通用貫通孔10が周方向に間隔をあけて形成されている。また、第3反応筒壁9cには、上部に複数の流通用貫通孔10が形成されている。そして、これら流通用貫通孔10によって各小空間8a〜8dを内側から順次連通状態とした反応流路20が構成される。
したがって、第1反応筒壁9aの内側の小空間8aに供給された供給ガスが加熱されながら複数の流通用貫通孔10を介して外側の小空間8b〜8dに順次流れつつ反応して反応生成ガスとなるように設定されている。そして、内側から順に反応筒壁の上部と下部とで交互に配された流通用貫通孔10間をガスが流れることで、上方向と下方向とにガスの流れ方向が繰り返し変わるように設定されている。なお、図中において、ガスの流れ方向を矢印で示している。
上記第1〜第4反応筒壁9a〜9dは、その下端面が収納容器6の底板部11の上面に直接支持されているとともに、上端部は上部支持円板12の下面のリング状溝22にはめ込まれて支持されている。該上部支持円板12の上部は、反応容器1の上方位置の上部断熱材5aに固定されている。
収納容器6の底板部11には、その中心位置に、第1反応筒壁9aの内側の小空間(最も内側の小空間)8aに連通する中心孔11aが形成されるとともに、外周部に、第3反応筒壁9cと第4反応筒壁9dとの間の小空間(最も外側の小空間)8dに連通する外側貫通孔11bが周方向に間隔をあけて複数形成されている。
そして、ガス供給管3及びガス排気管4の上端が収納容器6の底板部11の下面に固定され、ガス供給管3は底板部11の中心孔11aを介して第1反応筒壁9aの内側の小空間8aに連通され、ガス排気管4は、外側貫通孔11bを介して外側の小空間8dに連通されている。この場合、外側貫通孔11b及びガス排気管4は、図2に示すように、周方向に等間隔に8個配置されている。
ガス供給管3には、供給ガスの供給源(図示略)が接続されている。ガス排気管4においては、管内の圧力差によって反応生成ガスが外部に排出されるが、排気用ポンプを接続してもよい。
反応容器1を構成する部材、この実施形態の場合は第1〜第4反応筒壁9a〜9d及び上部支持円板12等は、それぞれカーボンで形成されていると共に、該カーボンの表面に炭化珪素がコーティングされている。
上記収納容器6は、底板部11と、その上で反応容器1を囲む筒状壁25と、その上方を閉塞する天板部26とから構成され、例えばステンレス鋼により形成される。
上記加熱機構2は、反応容器1の周囲に反応容器1を囲うように配された発熱体であるヒータ部15と、該ヒータ部15の下部に接続されヒータ部15に電流を流すための電極部16とを備えている。この電極部16は、図示しない電源に接続されている。上記ヒータ部15は、カーボンで形成されている。また、加熱機構2は、反応容器1内が800℃〜1400℃の範囲内の温度になるように加熱制御を行う。なお、反応容器1内を1200℃以上に設定すれば、転換率が向上する。また、ジシラン類を導入し、シラン類を取り出してもよい。
上記断熱材5は、例えばカーボンで形成され、収納容器6の底板部11の上面を除く内面に内貼りされるように、天板部26の下方に設けられる上部断熱材5a及び筒状壁25の内壁面を覆う筒状断熱材5b、さらに底板部11上において反応容器1の外側に環状に配置される底部断熱材5cとから構成されている。
この場合、筒状断熱材5bの上に上部断熱材5aを載せるようにして組み立てられており、この上部断熱材5aの下面に、反応容器1の上部支持円板12が固定され、この上部支持円板12と収納容器6の天板部26との間に上部断熱材5aが介在されるようになっている。
なお、上記上部支持円板12の下面には、反応流路20の最も外側の小空間8内に突出した温度センサSが固定されている。この温度センサSで温度を測定しながら、加熱機構2により温度制御を行う。
上記アルゴン供給機構7は、収納容器6の下部及び断熱材5を貫通して収納容器6内に先端が突出したアルゴン供給管17と、アルゴン供給管17に接続されたアルゴン供給源18とを備えている。なお、このアルゴン供給機構7は、収納容器6内が所定の加圧状態となるようにアルゴンの供給制御を行っている。なお、収納容器6の上部には、内部雰囲気の置換やアルゴンの排気を行うための容器用ポンプ(図示略)が接続されている。
このように本実施形態では、第1〜第3反応筒壁9a〜9cに、内側から順に上部と下部とに交互に流通用貫通孔10が形成されているので、ガスは反応流路20の外側に移動する度に上部から下部へ、下部から上部へと交互に流れ方向を変える。したがって、反応容器1内に長い反応流路20が確保されると共に複数枚の第1〜第4反応筒壁9a〜9dで伝熱面積が増大されることで、供給ガスが反応するために必要な十分な保持時間及び加熱を確保することができ、転換率をより向上させることができる。
また、反応流路20が上下に折り返し連続して構成されることで、反応容器1全体を小型化することができると共に、反応容器1全体の熱放散を低くすることが可能になる。
また、最も内側の第1反応筒壁9aの内側の小空間8aにガス供給管3が連通されていると共に、最も外側の小空間8dに複数のガス排気管4が接続されているので、高温状態の反応生成ガスを、外部と複数本で熱交換して冷却効果の高いガス排気管4から排出することで、急冷することができる。すなわち、上記複数のガス排気管4からの排出により反応生成ガスを急冷することで、テトラクロロシランの転換の逆反応を抑制し、転換率を向上させることができる。
特に、外側の加熱機構2により最も高温状態とされた反応生成ガスが最も外側の小空間8dから複数のガス排気管4へと導かれるので、最も高温状態とされた反応生成ガスが、複数のガス排気管4内で急冷されることで、より急激な冷却作用が得られ、安定した転換反応を得ることができる。
また、アルゴン供給機構7により収納容器6内にアルゴンが供給されるので、反応容器1周囲をアルゴンにより加圧状態にすることで、反応容器1から供給ガスや反応生成ガスが漏洩することを防ぐことができる。これにより、反応容器1から漏洩した供給ガスや反応生成ガスが反応容器1外側の加熱機構2等に使用されるカーボンと反応することを防ぐことができる。
なお、アルゴンをパージガスとして供給する場合には、アルゴン供給機構7では、収納容器6の下部からアルゴンを供給するので、ヒータ部15による加熱で自然対流が上向きに生じる。そして、収納容器6上部に接続された容器用ポンプから吸引することで、パージガスが下から上へとスムーズに流れて抜けることで、高いパージ効果を得ることができる。
また、炭化珪素でコーティングされたカーボンで反応容器1の構成部材(第1〜第4反応筒壁9a〜9d及び上部支持円板12等)が構成されているので、カーボンと供給ガス及び反応生成ガス中の水素、クロロシラン及び塩化水素(HCl)とが反応してメタン、メチルクロロシラン、炭化珪素等が生成されて不純物となることを防ぎ、純度の高いトリクロロシランを得ることができる。
また、反応容器1は高温に加熱されるため、熱膨張が生じるが、その下端面を支持する収納容器6の底板部11は、ステンレス鋼により形成され、反応容器1等を支持する剛構造のものであるので、反応筒壁9a〜9dの軸方向に熱膨張力を受けても変形等が生じることはない。一方、反応容器1の上方には上部断熱材5aが設けられており、この断熱材5aが反応筒壁9a〜9dの軸方向上方への熱膨張力を吸収することができる。
また、この反応容器1の各反応筒壁9a〜9dは、収納容器6の底板部11に載置されているだけであるから、各反応筒壁9a〜9dの下端面が収納容器6の底板部11の上面で摺動することができ、両者の熱膨張差に起因する応力の発生を防止することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、4つの第1〜第4反応筒壁9a〜9dを用いたが、3又は5以上の反応筒壁を採用しても構わない。なお、反応筒壁の枚数が多いと、伝熱面積が増えてエネルギー効率が高くなる反面、加熱機構2による輻射熱が内側に伝わり難くなって加熱効果が低下するため、反応筒壁は、ガス流量及び装置全体の大きさに応じて適切な枚数に設定される。
また、上記実施形態では、上述したように、供給ガスを反応容器1内の反応流路20の最も内側から供給して上下に流れ方向を繰り返し変更しながら徐々に流通用貫通孔10を介して外側へと流れるように設定することが好ましいが、逆に供給ガスを外側から供給して徐々に内側へと流れるように設定しても構わない。
また、収納容器5の壁内部に水等の冷媒を流通させる冷媒路を形成し、冷却機構を付加しても構わない。
さらに、互いの周面間に流路を形成する両反応筒壁の流通用貫通孔10は、上下位置だけでなく互いに周方向にずれて形成されていても構わない。この場合、流通用貫通孔10間の流路をより長くすることができる。また、貫通孔でなくともよく、反応筒壁の上端部又は下端部に形成した切欠による構成としてもよい。本発明の流通用貫通部は貫通孔、切欠のいずれをも含むものである。
また、上部支持円板12のリング状溝22に反応筒壁9a〜9dをはめ込む構成としたが、そのリング状溝は図1に示される断面矩形のものだけでなく、反応筒壁の端面を断面半円形にして、リング状溝も断面半円形のものとしてもよい。
また、このリング状溝は各反応筒壁を同心状に位置合わせして配置する機能をも有するものであるが、このリング状溝を収納容器の底板部の上面にも形成してもよく、その場合に、反応筒壁9a〜9dが熱膨張によって摺動し得るように、反応筒壁9a〜9dの厚さよりも大きい幅のリング状溝とするとよい。
さらに、各反応筒壁9a〜9dの下端部の間に相互位置関係を保持するためのリング状のスペーサを介在させる構成としてもよく、そのスペーサを断熱材によって構成してもよい。外側貫通孔11bが形成されている外側小空間にスペーサを設ける場合は、外側貫通孔11bに連通する貫通孔を形成しておけばよい。
さらに、上部断熱材5aを反応容器1の上部支持円板12と収納容器6の天板部33との間に介在したが、前述したように筒状断熱材5bの上に上部断熱材5aを載置状態に支持し、この上部断熱材5aと収納容器6の天板部33との間に、反応容器1と収納容器6との軸方向の熱膨張差を吸収できるだけの隙間を形成するようにしてもよい。その場合でも、上部断熱材5aと収納容器6の天板部33との間に形成される空間部も断熱作用があるので、全体としての断熱機能が損なわれることはない。
なお、このように筒状断熱材5bの上端で上部断熱材5aを支持する場合に、反応容器1を上部断熱材5aに固定して、該反応容器1を上方からも吊り下げ状態に支持することにより、反応容器1の荷重を筒状断熱材5bが収納容器6の底板部11とともに二分して負担する構成としてもよい。収納容器6の底板部11への荷重負担を軽減するとともに、熱膨張時の摺動を円滑に行わせることができる。
本発明に係るトリクロロシラン製造装置の一実施形態を示す簡略的な断面図である。 図1のA−A線に沿う矢視断面図である。
符号の説明
1…反応容器、2…加熱機構、3…ガス供給管、4…ガス排気管、5…断熱材、5a…上部断熱材、5b…筒状断熱材、5c…底部断熱材、6…収納容器、7…アルゴン供給機構、8a〜8d…小空間、10…流通用貫通孔(流通用貫通部)、9a〜9d…第1〜第4反応筒壁、11…底板部、11a…中央孔、11b…外側貫通孔、12…上部支持円板(上部支持板)、20…反応流路、22…リング状溝、25…筒状壁、26…天板部

Claims (5)

  1. テトラクロロシランと水素とを含む供給ガスが内部に供給されてトリクロロシランと塩化水素とを含む反応生成ガスが生成される反応容器と、
    前記反応容器の内部を加熱する加熱機構と、
    前記反応容器内に前記供給ガスを供給するガス供給部と、
    前記反応容器から前記反応生成ガスを外部に排出するガス排気部と、
    前記反応容器及び前記加熱機構を収納する収納容器とを備え、
    前記反応容器の内部には、ほぼ同心配置された内径の異なる複数の反応筒壁によって仕切られた複数の小空間を、これら反応筒壁の下部と上部とに交互に形成した流通用貫通部によって内側から順に連通状態としてなる反応流路が形成され、
    該反応流路に前記ガス供給部及びガス排気部が接続され、
    前記反応容器における各反応筒壁は、その下端面を前記収納容器における底板部の上面に接触させた状態に支持されていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。
  2. 請求項1に記載のトリクロロシラン製造装置において、
    前記反応容器における各反応筒壁の下端面は、前記収納容器における底板部の上面で摺動自在とされていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載のトリクロロシラン製造装置において、
    前記反応容器の上端に設けられる上部支持板と前記収納容器の天板部との間に断熱材が設けられていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のトリクロロシラン製造装置において、
    前記反応容器を構成する部材が、カーボンで形成されていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。
  5. 請求項4に記載のトリクロロシラン製造装置において、
    前記カーボンの表面が、炭化珪素でコーティングされていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。
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