JP5316284B2 - トリクロロシラン製造装置 - Google Patents
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Description
すなわち、シリコンは、以下の反応式(1)(2)によるトリクロロシランの還元反応と熱分解反応で生成され、トリクロロシランは、以下の反応式(3)による転換反応で生成される。
SiHCl3+H2 → Si+3HCl ・・・(1)
4SiHCl3 → Si+3SiCl4+2H2 ・・・(2)
SiCl4+H2 → SiHCl3+HCl ・・・(3)
一方、特許文献2には、反応容器を複数の同心状の円筒壁と、これら円筒壁の間の小空間の上下を閉塞する円板とにより構成するとともに、各小空間を連続的に連通させて反応室とし、最も内周位置の円筒壁の内側に発熱体を設けたトリクロロシラン製造装置を提案している。
この場合、電極部も反応容器内に設置されることから、この電極部とヒータ部との接続面の周辺が原料ガスに晒されることになる。このため、その接続面の導電部と高温の原料ガスとが反応すると不純物が発生するおそれがあるが、ガス分散板によってガス導入室と反応室とを区画し、そのガス導入室に電極部を配置したことから、ガス供給部から供給される比較的低温の原料ガスが電極部に接触するとともに、電極部が高温の反応室から遮蔽されることになり、不純物の発生を防止することができる。
すなわち、トリクロロシラン製造装置では、炭化珪素(SiC)でコーティングされたカーボンで反応容器、電極部及びヒータ部が構成されているので、カーボンと原料ガス及び反応生成ガス中の水素、クロロシラン及び塩化水素(HCl)とが反応してメタン、メチルクロロシラン、炭化珪素等が生成されて不純物となることを防ぎ、純度の高いトリクロロシランを得ることができる。
この場合、電極部とヒータ部との接合面は導電部であるため、低抵抗であることが必要となり、高抵抗材料である炭化珪素をコーティングすることができないが、前述したように、その接合面付近には比較的低温の原料ガスが供給されるので、不純物の発生を有効に防止することができる。多数のヒータ部を設置する場合に、電極部との接合面も多数配置されることになるため、特に有効である。
ガス導入室内においては、原料ガスが電極部とヒータ部との接合面よりも上方位置から導入され、その大部分が接合面を避けるようにガス分散板の貫通孔に向けて流れることになり、不純物の混入防止効果をより高めることができる。
ガス導入室に供給された原料ガスが反応室内に導入される際に、ヒータ部を挿入状態としているガス分散板の貫通孔を通ることにより、上下方向に沿って立設されたヒータ部に対して上方に向けて流通する原料ガスがいわゆるショートパス状態とならずに、確実にヒータ部に接触するので、加熱効率がよい。
反応容器が高温となるので、その外面から放出される熱を有効利用するのである。
本実施形態のトリクロロシラン製造装置は、図1に示すように、テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスが内部に供給されて転換反応によりトリクロロシランと塩化水素とを含む反応生成ガスが生成される反応容器1と、反応容器1の内部を加熱する加熱機構2と、反応容器1内に原料ガスを供給するガス供給部3と、反応容器1から反応生成ガスを外部に排出するガス排出部4と、反応容器1の外側を覆う収納容器5とを備えている。
なお、上側のガス分散板18に設けられている貫通孔20は、適宜の大きさ、間隔で分散して設けられるが、なるべく下側のガス分散板17の貫通孔19と上下方向に一致させずに水平方向にずれた配置とする、あるいは下側のガス分散板17の貫通孔19よりも小さい貫通孔として均等に分散配置するとよい。
なお、反応容器2を構成する部材(外側筒壁12、内側筒壁14、両ガス分散板17,18、天板部13等)はカーボンによって形成されるとともに、収納容器5において予熱室46に接する内面にはカーボンのライニングが施されており、これらカーボンの表面には炭化珪素がコーティングされている。
そして、ガス導入室21においては、原料ガスが電極部31とヒータ部32との接合面C付近にも流れることになるが、このときの原料ガスは予熱されてはいるが、700〜750℃程度であり、カーボンと原料ガス中の水素との反応温度(約850℃)よりは低いので、メチルクロロシラン等の不純物の発生を防止することができる。しかも、電極部31とヒータ部32との接合面Cはガス導入口15よりも下方に配置されていることから、ガス導入口15から導入された原料ガスの大部分は、電極部31とヒータ部32との接合面Cに向かうことなく、図3(b)の矢印で示すように上方のガス分散板17の各貫通孔19へと流れるので、不純物が発生しにくい配置となっている。
この場合、炭化珪素でコーティングされたカーボンで反応容器1の構成部材(外側筒壁12、内側筒壁14、両ガス分散板17,18等)やヒータ部32が構成されているので、カーボンと供給ガス及び反応生成ガス中の水素、クロロシラン及び塩化水素(HCl)とが反応してメタン、メチルクロロシラン、炭化珪素等が生成されて不純物となることを防ぎ、純度の高いトリクロロシランを得ることができる。
また、反応室23を大型化する場合、ヒータ部32の列を増やすことにより、大型の反応室にも均等にヒータ部を配置することができ、大型化への対応も容易で、大量生産にも適している。
このトリクロロシラン製造装置は、ガス供給部(原料ガス供給管)55及びガス排出部4が底板部11に接続されているので、これらの配管系を底板部11の下方に集中させることができ、一実施形態の場合に比べて配管の取り回しを容易にすることができる。
例えば、上記実施形態では、下側のガス分散板の貫通孔をヒータ部の発熱体が挿入する貫通孔としたが、同心状に配置されているヒータ部の間に貫通孔を配置してもよい。
また、ヒータ部は、複数の発熱体を筒状に構築して、これを同心状に配置したが、各発熱体を分散して配置する構成としてもよい。
また、内側筒壁の上端と天板部との間に空間を形成して、反応室の上方にガス導出案内室を構成するようにしたが、内側筒壁を外側筒壁と同じ高さに設定して、上側のガス分散板を廃止することにより、反応室を天板部の直下まで延長し、その内側筒壁の上端部に貫通孔又は切欠を形成することにより、反応室を内側筒壁の内部空間に連通させる構成としてもよい。
2 加熱機構
3 ガス供給部
4 ガス排出部
5 収納容器
11 底板部
12 外側筒壁
13 天板部
14 内側筒壁
15 ガス導入口
16 ガス導出口
17,18 ガス分散板
19,20 貫通孔
21 ガス導入室
22 ガス導出案内室
23 反応室
31 電極部
32 ヒータ部
33 発熱体
34 脚部
35 支持台部
41 筒状外壁
42 天板部
43,44 スペーサ部
45 連通部
46 予熱室
51 反応容器
52 収納容器
53 天板部
54 予熱室
55 原料ガス供給管(ガス供給部)
56 筒状壁
57,58 筒状空間
59 連通部
C 接合面
h 高さの差
Claims (5)
- テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスが内部に供給されてトリクロロシランと塩化水素とを含む反応生成ガスが生成される反応容器と、前記反応容器の内部を加熱する加熱機構と、前記反応容器内に前記原料ガスを供給するガス供給部と、前記反応容器から前記反応生成ガスを外部に排出するガス排出部とを備えたトリクロロシラン製造装置であって、
前記加熱機構は、前記反応容器の内底部に設けられ外部の電源に接続された電極部と、該電極部に保持され反応容器内に上下方向に沿って立設されたヒータ部とからなり、前記反応容器内には、該反応容器の内部空間を前記ヒータ部が配置される反応室と、その下方で前記電極部が配置されるガス導入室とに区画するとともに前記反応室とガス導入室とを複数の貫通孔により連通状態としたガス分散板が設けられ、前記ガス供給部は、前記ガス導入室を経由して前記反応室に原料ガスを供給するように接続されていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。 - 反応容器を構成する部材、電極部及びヒータ部が、カーボンにより形成され、該カーボンの表面が、炭化珪素によりコーティングされている請求項1記載のトリクロロシラン製造装置。
- 前記ガス導入室のガス供給口は、前記電極部と前記ヒータ部との接合面よりも上方位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のトリクロロシラン製造装置。
- 前記ヒータ部は、前記ガス分散板の貫通孔内に、その内周縁と間隔を開けて挿入されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のトリクロロシラン製造装置。
- 前記反応容器の外側に、該反応容器を囲む収納容器が設けられるとともに、該収納容器と前記反応容器との間に、前記ガス供給部から供給される原料ガスを前記ガス導入室に案内しつつ前記反応容器の外面からの熱により予熱するガス予熱室が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のトリクロロシラン製造装置。
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