JP5082931B2 - 水分を含む粉体の輸送方法および輸送システム - Google Patents

水分を含む粉体の輸送方法および輸送システム Download PDF

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Description

本発明は、埋め立て処分した都市ゴミ焼却灰を掘り起こした掘り起こし土などの水分を含む粉体の輸送方法および輸送システムに関する。
都市ゴミ焼却灰をはじめとする各種の焼却灰は、一般的に処分場に埋立て処分されているが、最近、処分場の容量が逼迫し、さらに新設用地の確保の困難性から、この埋立地を掘り起こして、埋め立てた焼却灰(以降、埋立灰と記載)をセメント原料として再資源化し、処分場の延命化を図ることが検討されている。
一方、埋立灰には有害なダイオキシンが含まれる事もあるため、埋立灰が飛散等しないように、密閉した輸送方法で輸送を行う必要がある。また、埋立灰は屋外で雨などにさらされており、15乃至35重量%の水分を含んでいるため、焼却場から直接排出された灰と違って、輸送用空気の気流には同伴し難いため空気輸送は難しい。
そのため、埋立灰の輸送機としては、一般的には密閉型のチェンコンベアや垂直ベルトコンベアなどの輸送機を使用することが多い。しかし、これらの輸送機は配置に制限や設置には広い空間が必要であった。また、埋立灰は焼却灰以外に石や非鉄金属などの異物が含まれており、機械的な噛込みやベルトの損傷などのトラブルが懸念されるなどの問題点があった。
また、配管にて空気輸送すると、図3右図に配管の断面図を示すように、輸送配管7と輸送管内の埋立灰21との付着が発生し管内が閉塞などのトラブルが発生して、輸送が困難となっていた。輸送距離が20乃至50メートル以上の遠方であれば、配管が閉塞する問題が特に顕著であった。これは、埋立灰が一般の焼却灰よりも水分が多く付着性が高いことが理由と考えられる。
特許文献1には、水を多量に混入して、即ち、スラリー化して長距離を輸送するものが開示されている。しかし、水を多量に使用すると水分の蒸発、加熱に要する熱損失が増大する。また、運用上、輸送配管7の閉塞防止の為、配管への残留物を除去する為の洗浄が頻発するなどの課題がある。
以上のとおり、水分を含む粉体を適切に処理するためには、設置上、輸送上、運転上の課題が多く存在していた。
特開2004−97865号公報
本発明は、水分を含む粉体を輸送する際に、粉塵発生などの環境問題を防止できて、また、輸送配管内における閉塞等のトラブルがない密閉式輸送手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、注水機構を設置することで水分を含む粉体と配管の内壁との摩擦抵抗を低減させ、圧送ピストンポンプと配管の組合せを鋭意検討し、前記課題を解決に至った。
すなわち本発明は、水分を含む粉体を圧送ピストンポンプで処理設備まで輸送するための水分を含む粉体の輸送方法において、前記圧送ピストンポンプの出口から前記水分を含む粉体の流れ方向に1乃至5メートル離れた位置の輸送配管の内壁に注水しながら前記水分を含む粉体を輸送することを特徴とする水分を含む粉体の輸送方法であって、前記注水の後、前記輸送配管の途中で、配管径を元の径の70〜80%に縮小し、縮小した配管と元の配管とを、前記元の配管径の10倍の長さを有するテーパー管で接続し、前記輸送配管先端部から排出された前記粉体に、20乃至40メートル/秒の空気噴流を当てることを特徴とする水分を含む粉体の輸送方法である。
前記注水は、前記輸送配管の複数箇所から行われることが好ましい。
また、注水は、前記圧送ピストンポンプの出口から前記処理設備までの輸送配管の複数箇所に行われることが好ましい。
さらに、前記処理設備は、セメントキルンの窯尻部であることが好ましい。
また、別の発明としては、圧送ピストンポンプと、ポンプの出口に設けられた開閉弁と、開閉弁と水分を含む粉体の処理設備とを接続する輸送配管とを備えた水分を含む粉体の輸送システムであって、ポンプの出口から前記水分を含む粉体の流れ方向に1乃至5メートル離れた位置の輸送配管に開口部が設けられ、開口部と注水配管が接続されてなる水分を含む粉体の輸送システムであって、前記輸送配管の径は、前記開口部よりも下流側において、配管径を元の配管径の70〜80%に縮小され、縮小した配管と元の配管とを、前記元の配管径の10倍の長さを有するテーパー管で接続し、前記輸送配管先端部に、この輸送配管から排出される前記粉体に対し、20乃至40メートル/秒の空気噴流を当てる空気噴流手段を設けたことを特徴とする粉体の輸送システム。

本発明によれば、水分を含む粉体である焼却灰を主体とした埋立灰について、長距離輸送であっても、注入する水量の最低限の使用で、密閉輸送が容易で閉塞とのトラブルがなく安定して輸送できるようになった。また、粉塵発生等による広範囲の環境問題を起こすことのない完全に密閉化して輸送することができた。また、従来で多く採用されていた密閉型コンベアの設置に較べて、配管方式においては、狭い空間に自由自在に設置することができるようになった。
以下に、水分を含む粉体として都市ゴミ焼却灰の埋立灰、埋立灰を処理する処理設備としてセメント製造装置を例に本発明を説明する。
都市ゴミ焼却灰を主とする最終処分場の埋立て物は、一部の物についてセメントクリンカの原燃料として再資源化が可能である。この埋立て物を掘り起こし、現地にて、篩い装置によってサイズを40ミリメートル以下に篩い、セメントクリンカの原燃料に利用可能なサイズの粉粒体とする。その際に、選別機などで樹脂の燃えガラ、石、コンクリート、非磁性金属などの異物をまた磁選機によって鉄などの磁性金属を可能な限り除去する。このサイズが40ミリメートル以下に篩われた埋立灰を、ダンプトラックなどの車両に積載し、セメント工場へ搬入する。
図4に埋立灰を受入れてセメント製造装置で処理する概略図を示す。受入れタンク22には掻き出し装置25が設置されている。この掻き出し装置25は、クサビ形の断面をもつフレームが水平方向に往復運動をする装置で、埋立灰をタンク22の中央へ掻き寄せ、また受入れタンク22の下部の埋立灰を流動化させることができる。これにより、流動性の悪い埋立灰を受入れタンク22の底から抜出しスクリュフィーダ23へ安定して供給することができる。
次に、図2に埋立灰のセメント焼成装置での処理の概略フローの一例を示す。搬入した埋立灰はホッパー2へ受入れ、圧送ピストンポンプ3によって押し出し、輸送配管7、円筒管16を経て、セメントキルン8の窯尻部9の高温域へ投入し処理する。
図1に示すように、セメント工場の受入れタンクなどの貯蔵設備に受入れられた埋立灰1は、含有水分が15乃至35重量%であって、ホッパー2から、圧送ピストンポンプ3のストロークにて吸引されると同時に、ピストン駆動器3bの間欠的な動作によってピストンロッド3aがピストンシリンダ3cに押し込められ、埋立灰1は密閉式の輸送配管7内に押込まれる。この直後、輸送配管7の入口のゲート4がゲート駆動器4aによって閉められる。圧送ピストンポンプ3は、埋立灰の圧送量が調整できるようにピストンシリンダ3cの速度が無段階に制御可能となるものが好ましい。
次に、ピストンロッド3aは、始動位置に戻り、次の押込みの準備をする。このストロークの間に、ホッパー2からの埋立灰1は、ピストンシリンダ3cの空洞部に落下し、充填される。この充填が終ったらゲート4がゲート駆動器4aの駆動によって開き、その後、ピストンロッド3aが再び、輸送配管7に向けて押込みを行う。ゲート4により、ピストンロッド3aがピストン駆動器3bの側に引かれて、ピストンシリンダ3c内に埋立灰を吸引する時に、輸送配管7から埋立灰を逆流しないようになっている。このピストンロッド3aのストロークの往復動作を繰り返すことによって、埋立灰は輸送配管7内を輸送される。なお、ピストンポンプの圧送圧力は、4乃至5メガパスカル(MPa)である。
ゲート4から輸送配管7の流れ方向に1乃至6メートル下流に位置に、好ましくは1乃至5メートル下流の位置に設置された注水器6によって、圧送ピストンポンプ3から吐出される埋立灰の重量の2乃至8重量%の水5が輸送配管7の内壁周辺に注入される。
図5に一例を示すように、注水器6の1台当たりの注水口は、配管の周囲に等間隔で4個設置しているが、3乃至6個設置してもよい。輸送配管7に注水される水5は、図3左図に該配管断面を示すように、該配管の内壁の周囲近くに水膜20を偏在滞留し、輸送配管7と輸送管内の埋立灰21との摩擦抵抗を低減させる効果を高めることができる。注水位置は、輸送配管7の直管部分に設置することが好ましい。輸送配管7の屈曲部で注水すると、注水が管周で均一にならず水膜20の形成効果が低減すると推定されるからである。
一般に、圧送ピストンポンプ3は、地下か地表面の1階に設置する設備配置の場合が多い。このため、高層階のセメント製造装置への長距離輸送を行う場合には、必ず配管の屈曲部を圧送ピストンポンプ3の近くに設置することが多く、屈曲部での内部摩擦抵抗は前記のように非常に大きくなるので、圧送ピストンポンプ3の出口近くに注水器6を設置することが好ましい。
また、注水位置は、輸送配管7の長さによって前記圧送ピストンポンプ3の出口から前記処理処理までの輸送配管の複数箇所に行われることが好ましい。これにより、前記圧送ピストンポンプ3の出口から前記処理処理までの輸送配管における水膜の形成を維持することができる。例えば、50乃至150メートルごとに、好ましくは50乃至100メートルごとに注水器6を設置する。直管部での注水による効果的な摩擦低減効果により、埋立灰をセメントキルン8の窯尻部9までゆっくりと外部から密閉して輸送させることができる。注水は、図5に示すように輸送配管の円周方向の複数箇所から行うことができる。
この時の注水量は、埋立灰輸送量の2乃至5重量%程度が好ましい。2重量%未満であれば、水膜の形成が十分に行われず、輸送配管内の閉塞が頻繁に起こるおそれがあり、5重量%を越えると、埋立灰の輸送能力の減少が顕著になってゆくおそれがあるからである。なお、配管の屈曲部はできるだけ屈曲半径を大きくする方がよい。
また、実験において、圧送される埋立灰は輸送配管7の中で、圧送ピストンポンプ3の高圧力によって埋立灰内部の水分が搾り出され、埋立灰含有の水分により水膜20を形成することが確認できた。水分の搾り出しの為、埋立灰の体積が減少するためこれに合わせて配管径を小さくすることが好ましい。輸送配管7の配管径は元の配管径の80乃至70%程度直径を小さくするのが好ましい。なお、配管径の違う部分は配管径の10倍程度の長さを有するテーパー管で接続する。この理由は、急激に配管径を小さくすると、その部分で埋立灰が閉塞しやすくなるからである。
また、配管内の水の搾り出しはゆっくりと起こる為、配管径を小さくする位置は、配管の水平換算距離が100メートル以上の長距離では、輸送配管7の中間部付近が好ましい。さらに、配管径の小径化によって、高圧配管の設置工事費用を低減することもできる。
図1と図2に示すように、埋立灰1は、圧送ピストンポンプ3によって専用の輸送配管7でセメントキルン8の窯尻部9へ移送される。この移送中に配管内では、埋立灰1の周囲に水5を包囲しながら、最終的には、遠方の窯尻部9に取り付けた専用の円筒管16から噴出され、セメントキルン8に投入される。セメントキルン8の窯尻部9への円筒管16の投入角度は水平方向が好ましいが、水平からの下向き方向角度が0乃至70度の範囲であってもよい。また、埋立灰の投入時の分散性を向上させるために円筒管16の先端部に出てきた埋立灰に20乃至40メートル/秒の空気噴流が当たるようにエアーノズル26を設置することがより好ましい。エアーノズル26は、先端風速が得られる断面積を有した管で良く、流量が少ない場合はチップなどを取り付けて調整しても良い。また、埋立灰の分散状況に応じてエアーノズル26を複数本(例えば1乃至4本)設定しても良い。
キルンバーナー15と仮焼炉バーナー14の燃焼による燃焼排ガスは、排ガスファン17から排出されるので、窯尻部9の雰囲気温度は、一般には温度が1000乃至1200℃である。そのため、窯尻部9に投入された埋立灰に含有する水分もすぐに蒸発する。セメントキルン8内に投入された埋立灰は、セメント原料入口11から投入されたセメント原料と窯尻部9で一緒になって、キルンバーナー15の燃焼熱によって徐々に昇温しながら焼成されて、セメントキルン8の出口ではセメントクリンカ13の一部となる。
埋立灰の投入位置については、基本的には温度が800℃以上の雰囲気領域であればよい。温度が800℃未満の雰囲気の温度領域へ投入すると、投入物中に可燃物が含まれる場合は、投入物中の可燃物の燃焼速度が遅くなり、燃え切らないうちに排気ファン17へ排出され、燃料資源を有効に利用せずに無駄にしてしまう。また、埋立灰に含むダイオキシンを主とする有害物は、雰囲気温度が800℃以上で完全に分解してしまうので、環境衛生上の問題は一切ない処分が可能である。
物理的には埋立灰を投入した後、比較的大きなサイズの埋立灰が炉内を落下して窯尻部9に着地するような炉の構造であれば、最下段サイクロンシュート12、またはライジングダクト18、または仮焼炉バーナー14が燃焼する仮焼炉19に投入してもよい。好ましくは、セメントキルン8の窯尻部9へ直接、投入した方がよい。このようにして、セメントキルン8に投入された埋立灰は、セメントクリンカ製造の原燃料として有効利用される。
上記においては、水分を含む粉体として都市ゴミ焼却灰の埋立灰を例にして説明したが、本発明による方法は、建設残土や汚染土壌、他の汚泥などであってもよく、ダイオキシンなどの有害物が含有していても、密閉輸送方法とセメントキルンでの高温処理によって、安全で無害に処理することができる。
[実施例1]
最長部のサイズが10ミリメートル以下の都市ゴミ焼却灰を、25乃至35重量%の湿分に調整したものを使用した。テスト装置は、図1に示すように、輸送配管7の直径がφ200ミリメートルで輸送距離が6メートルの鋼管を水平方向に設置して行った。輸送用のポンプはピストンポンプ式で吐出圧力が4メガパスカル(MPa)、シリンダ径がφ150ミリメートル、ストロークが500ミリメートルのものを使用した。都市ゴミ焼却灰の供給量は、1トン/時間とした。
ゲート4の位置から輸送配管7に沿って距離が2300ミリメートルの位置に図5で示す注水器6を取り付け、注水を実施した。注水量はトータルで36キログラム/時間とした。ポンプ出口部の圧力を測定し、距離が6メートルの輸送配管7の圧力損失を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
注水を行わなかったこと以外は、実施例1と同じ装置、条件で輸送テストを実施した。結果を表1に示す。
この結果、実施例1に圧力損失は、比較例1のそれの1/4となり、長距離の輸送が可能であることが確認できた。
Figure 0005082931
[実施例2]
都市ゴミ焼却灰の代わりに、最長部のサイズが40ミリメートル以下の建設廃土を、25乃至35重量%の湿分に調整したものを使用し、注水量を60キログラム/時間とした以外は、実施例1と同じ装置、条件で輸送テストを実施した。結果を表1に示す。
[比較例2]
注水を行わなかったこと以外は、実施例2と同じ装置、条件で輸送テストを実施した。結果を表1に示す。
この結果、実施例2に圧力損失は、比較例2のそれの約2割となり、長距離の輸送が可能であることが確認できた。
[実施例3]
実施例1および2の知見を基に、図4に示すフローにて都市ごみ焼却灰の埋立灰をセメント工場に受入れて処理できるか否かを確認した。埋立灰は、埋立て処分場で異物を除去及び篩い装置でサイズが40ミリメートル以下に篩われたものを使用した。埋立灰の含有水分は30重量%であった。埋立灰は、セメント工場にダンプトラックにて搬入され、受入れタンク22に受入れられた。埋立灰は、計量式供給器で抜出し量を調整して、掻き出し装置25を設置している受入れタンク22から抜き出された。
次に、埋立灰は1軸の抜出しスクリュフィーダ23及び2軸のオーガフィーダ24を経て圧送ピストンポンプ3に押込まれた。
圧送ピストンポンプ3は、図1で示されるものを使用した。シリンダ内径がφ350ミリメートル、吐出圧力が4.0メガパスカル(MPa)、ストロークが700ミリメートルのものを使用した。である。圧送ピストンポンプ3の出口には、輸送配管7から埋立灰を逆流しないようにゲート4が設置されている。
埋立灰の輸送は、以下のようなサイクルを繰り返して行われた。まず、ゲート4がゲート駆動器4aにより全閉になったら、ピストンロッド3aがピストン駆動器3bの側に引かれ、圧送ピストンポンプ3のピストンシリンダ3cの中に、オーガフィーダ23から埋立灰が充填される。次に、ゲート4を全開させてピストンロッド3aをピストンシリンダ3cに押込むことによって、輸送配管7内に埋立灰が押し込められる。そして、ゲート4を全閉にして次の埋立灰の吸引を行う準備をする。
ゲート4に接続された輸送配管7は、内径がφ350ミリメートルの鋼管であって、ゲート4との接続面から2メートルの位置に注水器6を設置した。注水器6は、図5に示すように、注水ノズル28の個数は管の周囲に等間隔で4個取り付けられている。
注水器6は、内径がφ350ミリメートルであって、輸送配管7の途中にフランジ27で両端を接続されている。注水器6には、周囲を注水管29で均圧された水5が流れて、口径がφ9.4ミリメートルの空洞直管形状の注水ノズル28から輸送配管7へ直角方向の内部に注入された。注水管6の材質はステンレス管を本実施例では使用したが、一部の曲がり部については、耐圧ホースを使用した。注水量は、60キログラム/時間であった。
埋立灰を窯尻部9へ投入するまでの水平換算距離は、圧送ピストンポンプ3から174メートルであった。輸送配管7の距離が90メートルの位置から内径がφ250ミリメートルの鋼管になっている。内径φ350ミリメートルと内径φ250ミリメートルの鋼管の接続については、長さが3メートルの徐々に口径を変化させる形状のテーパー管で接続している。2番目の注水器は該テーパー管の端面から2メートルの下流位置に設置した。2番目の注水器の形態および注水量は、最初のそれと同じとした。
輸送配管7から輸送された埋立灰は、窯尻部9からセメントキルン8の軸中心方向に向けて、かつ水平から下向き角度45度で投入された。投入部分の形状は、内径がφ250ミリメートルのステンレス製の円筒管16である。該円筒管16の先端には、コンプレッサからの圧縮空気ノズル26が、円筒管16の軸方向斜めに3箇所設けられており、円筒管16の閉塞防止と、窯尻部9の内部への埋立灰の投入を分散化させ、窯尻部9での熱交換を効率的に行うことができた。
本実施例では、セメントキルンにおいて、埋立灰を、2.0トン/時間で輸送して処理することができた。また、発塵等がなく、安全でかつ高温処理により無害化でき、製品の品質問題や環境問題などを一切起こさないことが確認できた。この結果、埋立灰をセメント工場に受入れて処理できることを確認した。
本発明は、水分を含んだ粉体を配管で輸送するに際して、輸送を適用する分野に利用が可能である。
本発明における圧送ピストンポンプによる輸送方法の概略図を示す。 本発明のセメント製造装置における全体的な概略図を示す。 左図は、本発明の輸送配管内で注水部分の管内状態を示す断面図である。また、右図は従来の輸送方法の管内の状態を示す断面図である。 本発明の埋立灰を受入れてセメント製造装置で処理する概略図を示す。 本発明の実施例で使用する注水器の概略図を示す。
符号の説明
1 埋立灰
2 ホッパー
3 圧送ピストンポンプ
3a ピストンロッド
3b ピストン駆動器
3c ピストンシリンダ
4 ゲート
4a ゲート駆動器
5 水
6 注水器
7 輸送配管
8 セメントキルン
9 窯尻部
10 プレヒーター
11 セメント原料投入口
12 最下段サイクロン
13 セメントクリンカ
14 仮焼炉バーナー
15 キルンバーナー
16 円筒管
17 排気ファン
18 ライジングダクト
19 仮焼炉
20 水膜
21 輸送管内の埋立灰
22 受入れタンク
23 抜出しスクリュフィーダ
24 オーガフィーダ
25 掻き出し装置
26 圧縮空気ノズル
27 フランジ
28 注水ノズル
29 注水管

Claims (5)

  1. 水分を含む粉体を圧送ピストンポンプで処理設備まで輸送するための水分を含む粉体の輸送方法において、前記圧送ピストンポンプの出口から前記水分を含む粉体の流れ方向に1乃至5メートル離れた位置の輸送配管の内壁に注水しながら前記水分を含む粉体を輸送することを特徴とする水分を含む粉体の輸送方法であって、
    前記注水の後、前記輸送配管の途中で、配管径を元の径の70〜80%に縮小し、縮小した配管と元の配管とを、前記元の配管径の10倍の長さを有するテーパー管で接続し、
    前記輸送配管先端部から排出された前記粉体に、20乃至40メートル/秒の空気噴流を当てること
    を特徴とする水分を含む粉体の輸送方法。
  2. 注水は、前記圧送ピストンポンプの出口から前記処理設備までの輸送配管の複数箇所に行われる請求項1記載の水分を含む粉体の輸送方法。
  3. 前記水分を含む粉体は、焼却灰等を埋め立てたものを掘り起こした粉体であることを特徴とする請求項1または2記載の水分を含む粉体の輸送方法。
  4. 前記処理設備は、セメントキルンの窯尻部である請求項1から3のいずれか1項に記載の水分を含む粉体の輸送方法。
  5. 圧送ピストンポンプと、ポンプの出口に設けられた開閉弁と、開閉弁と水分を含む粉体の処理設備とを接続する輸送配管とを備えた水分を含む粉体の輸送システムであって、ポンプの出口から前記水分を含む粉体の流れ方向に1乃至5メートル離れた位置の輸送配管に開口部が設けられ、開口部と注水配管が接続されてなる水分を含む粉体の輸送システムであって、
    前記輸送配管の径は、前記開口部よりも下流側において、配管径を元の配管径の70〜80%に縮小され、縮小した配管と元の配管とを、前記元の配管径の10倍の長さを有するテーパー管で接続し、
    前記輸送配管先端部に、この輸送配管から排出される前記粉体に対し、20乃至40メートル/秒の空気噴流を当てる空気噴流手段を設けたこと
    を特徴とする粉体の輸送システム。
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