JP5082892B2 - 電力変換制御装置、及び電力変換システム - Google Patents

電力変換制御装置、及び電力変換システム Download PDF

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Description

本発明は、給電手段及び回転機間に接続されるインバータを備える電力変換回路に適用され、前記インバータの高電位側入力端子及び低電位側入力端子間を短絡状態とするように前記インバータを操作する処理を行う電力変換制御装置、及びこれを備える電力変換システムに関する。
例えば3相電動機に電力を供給する際には、通常、直流電圧を交流電圧に変換する3相インバータが用いられる。これにより、3相電動機の各相に交流電圧を印加することができる。このインバータの出力電圧の最大値は、直流電源の電圧によって制限される。このため、直流電源とインバータとの間に昇圧回路を備えることも周知である。ただし、昇圧回路を備える場合、昇圧回路のスイッチング素子をオンオフ操作するドライバ等を備えることとなり、部品点数の増加も無視できない。
そこで従来は、例えば下記特許文献1に見られるように、インバータと直流電源との間にインピーダンスネットワークを備えることも提案されている。これによれば、インバータの上下アームを短絡させることで、インピーダンスネットワークを構成するインダクタを用いて直流電源の電圧を昇圧することができる。したがって、インバータのスイッチング素子の操作のみによって、昇圧動作を行うことができることとなり、部品点数の増加を抑制することができる。
ただし、上下アームを短絡させる処理を行う際には、インバータの出力電圧がゼロとなる。これに対し、下記非特許文献1には、インバータの操作状態がゼロベクトル期間となる際に上下アームを短絡させる処理を行うことが提案されている。
米国特許第7130205号明細書 Fang Zheng Peng,"Z−Source Inverter"IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS,VOL.39,NO.2,MARCH/APRIL 2003
ところで、近年、例えばパラレル・シリーズハイブリッド車等、インバータ及びこれに接続される回転機を複数備える電力変換システムが実用化されている。ここにおいても、インバータの出力電圧の最大値が直流電源によって制約を受けないように昇圧回路を備えることも行われている。こうした状況下、昇圧動作を行いつつも部品点数の増加を抑制する観点から、昇圧回路に代えて、上記インピーダンスネットワークを備えることが望ましい。
しかし、インピーダンスネットワークを用いて昇圧動作を行う場合、任意のインバータを操作して上下アームを短絡させる処理時には、他のインバータの出力電圧もゼロとなってしまう。このため、回転機の制御性が低下するおそれがある。
なお、上記複数のインバータを備えるものに限らず、上下アームを短絡させる処理を行うものにあっては、その処理を行う際にインバータの出力電圧がゼロとなることに起因して回転機の制御性が低下するこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、給電手段及び回転機間に接続されるインバータを備える電力変換回路に適用され、前記インバータの高電位側入力端子及び低電位側入力端子間を短絡状態とするように前記インバータを操作する処理を行う場合であれ、回転機の制御性を高く維持することのできる電力変換制御装置、及びこれを備える電力変換システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、給電手段及び複数の回転機のそれぞれの間に接続されるインバータを備える電力変換回路に適用され、前記インバータの高電位側入力端子及び低電位側入力端子間を短絡状態とするように前記インバータを操作する処理を行う電力変換制御装置において、任意の回転機に接続されるインバータを操作することで前記短絡状態とする処理と、他の回転機に接続されるインバータの操作とを互いに連関させる連関手段を備え、前記電力変換回路は、前記高電位側入力端子及び前記給電手段の正極端子間に接続されるインダクタ及び前記低電位側入力端子及び前記給電手段の負極端子間に接続されるインダクタからなる一対のインダクタと、前記一対のインダクタのそれぞれについて、当該インダクタ及び前記インバータ間と他方のインダクタ及び前記給電手段間との間に接続されるキャパシタとを備えて構成されるインピーダンスネットワークを備え、前記連関手段は、前記他の回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間と、前記任意の回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間とを同期させる同期手段を備えることを特徴とする。
上述したように、任意のインバータにおいて上記短絡状態とする処理を行う場合、他のインバータの出力電圧もゼロとなる。このため、複数のインバータを互いに独立に操作しつつ、この操作の一環として上記短絡状態とする処理を行ったのでは、実際にはインバータの操作によって意図した出力電圧が実現できないおそれがある。この点、上記発明では、連関手段を備えることで、複数のインバータが互いに独立に操作されることに起因する上述した不都合を抑制又は回避することができ、ひいては、回転機の制御性を高く維持することができる。
なお、上記他の回転機は、前記複数の回転機のうちの前記任意の回転機を除いた残りの全ての回転機であることが望ましい。
ところで、短絡状態とする処理を行う場合、この処理を行うために操作したインバータの出力電圧もゼロとなる。このため、任意の回転機に接続されるインバータを操作することで短絡状態とする処理を行う場合には、任意の回転機の制御性も低下するおそれがある。ここで、上記発明では、同期手段を備えるために、任意の回転機及び他の回転機のそれぞれに接続されるインバータの双方の要求操作状態がゼロベクトルとなっている際に、実際の操作状態を短絡状態とするための操作状態とすることができる。このため、他の回転機及び任意の回転機の双方の制御性を、短絡状態とする処理にかかわらず高く維持することができる。
なお、上記要求操作状態とは、回転機の制御から要求される操作状態のことである。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記複数のインバータのそれぞれは、これに接続される回転機に対する電圧の指令値と搬送波との大小関係に基づき操作されるものであり、前記同期手段は、前記複数の回転機のそれぞれに関する搬送波同士の周波数を同一として且つ位相を同一又は逆とする手段であることを特徴とする。
ゼロベクトルは、搬送波の山又は谷において生じる。ここで、上記発明によれば、各回転機に関する搬送波の山同士、谷同士、又は山と谷とを一致させることができる。このため、インバータに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間を同期させることができ、同期手段を簡易且つ適切に構成することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記複数のインバータのそれぞれは、これに接続される回転機に対する電圧の指令値と搬送波との大小関係に基づき操作されるものであり、前記同期手段は、前記複数の回転機のそれぞれに関する搬送波の周波数の比を整数とする手段であることを特徴とする。
ゼロベクトルは、搬送波の山又は谷において生じる。ここで、上記発明によれば、各回転機に関する搬送波の山同士、谷同士、又は山と谷とを所定周期で一致させることができる。このため、インバータに対する要求操作状態をゼロベクトルとなる期間を同期させることができ、同期手段を簡易且つ適切に構成することができる。
請求項記載の発明は、給電手段及び複数の回転機のそれぞれの間に接続されるインバータを備える電力変換回路に適用され、前記インバータの高電位側入力端子及び低電位側入力端子間を短絡状態とするように前記インバータを操作する処理を行う電力変換制御装置において、任意の回転機に接続されるインバータを操作することで前記短絡状態とする処理と、他の回転機に接続されるインバータの操作とを互いに連関させる連関手段を備え、前記電力変換回路は、前記高電位側入力端子及び前記給電手段の正極端子間に接続されるインダクタ及び前記低電位側入力端子及び前記給電手段の負極端子間に接続されるインダクタからなる一対のインダクタと、前記一対のインダクタのそれぞれについて、当該インダクタ及び前記インバータ間と他方のインダクタ及び前記給電手段間との間に接続されるキャパシタとを備えて構成されるインピーダンスネットワークを備え、前記複数のインバータのそれぞれは、これに接続される回転機に対する電圧の指令値と搬送波との大小関係に応じた変調処理に基づき操作されるものであり、前記連関手段は、前記変調処理の変調率が最も大きいものを前記任意の回転機として且つ該回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルである期間において前記短絡状態とする処理を行う
変調率が最も大きいものは、ゼロベクトル期間が最も短い。このため、上記発明を、請求項の発明特定事項を有するものに適用する場合には、他の回転機に接続されるインバータの操作状態がゼロベクトルである際に任意の回転機に接続されるインバータの操作によって短絡状態とする処理を行うことができ、任意の回転機及び他の回転機の双方の制御性を高く維持することができる。
また、請求項記載の発明特定事項である同期手段を備えない場合であっても、他の回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる1回の期間において、短絡状態とする処理による電圧の減少分を補償することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記連関手段は、前記他の回転機に接続されるインバータの操作状態がゼロベクトルである場合に前記任意の回転機に接続されるインバータを操作することで前記短絡状態とする処理を行うことを特徴とする。
任意の回転機に接続されるインバータを操作することで短絡状態とする処理を行う際には、他の回転機に接続されるインバータの出力電圧は、他の回転機に接続されるインバータの操作状態にかかわらず、ゼロとなる。ただし、他の回転機に接続されるインバータの操作状態がゼロベクトルであるなら、任意の回転機に接続されるインバータを操作することで短絡状態とする処理がなされるか否かによって、他の回転機に接続されるインバータの出力電圧が影響を受けることはない。上記発明では、この点に鑑み、他の回転機の制御性を妨げることなく、任意の回転機に接続されるインバータを操作することで短絡状態とする処理を行うことができる。
請求項記載の発明は、給電手段及び複数の回転機のそれぞれの間に接続されるインバータを備える電力変換回路に適用され、前記インバータの高電位側入力端子及び低電位側入力端子間を短絡状態とするように前記インバータを操作する処理を行う電力変換制御装置において、任意の回転機に接続されるインバータを操作することで前記短絡状態とする処理と、他の回転機に接続されるインバータの操作とを互いに連関させる連関手段を備え、前記電力変換回路は、前記高電位側入力端子及び前記給電手段の正極端子間に接続されるインダクタ及び前記低電位側入力端子及び前記給電手段の負極端子間に接続されるインダクタからなる一対のインダクタと、前記一対のインダクタのそれぞれについて、当該インダクタ及び前記インバータ間と他方のインダクタ及び前記給電手段間との間に接続されるキャパシタとを備えて構成されるインピーダンスネットワークを備え、前記連関手段は、前記他の回転機に接続されるインバータの操作状態がゼロベクトルでない場合に前記任意の回転機に接続されるインバータを操作して前記短絡状態とする処理がなされる場合、前記短絡状態とする処理による前記他の回転機に印加すべき電圧の減少分を補償する補償手段を備えることを特徴とする。
他の回転機に接続されるインバータの操作状態がゼロベクトルでない場合に任意の回転機に接続されるインバータを操作して短絡状態とする処理がなされる場合、他の回転機に接続されるインバータの出力電圧はゼロとなる。このため、他の回転機に接続されるインバータの出力電圧は、その操作状態から想定されるものに対して減少することとなる。この点、上記発明では、補償手段を備えることで、他の回転機の制御性を回復させることができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記補償手段は、前記インピーダンスネットワークの出力端子間の電圧に基づき、前記補償する処理を行うことを特徴とする。
短絡状態とする処理がなされる場合、インピーダンスネットワークの出力端子間の電圧がゼロとなる。上記発明では、この点に着目し、出力端子間の電圧を利用することで、他の回転機に接続されるインバータの操作状態がゼロベクトルでない場合に任意の回転機に接続されるインバータの操作によって短絡状態とする処理がなされているか否かを判断することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記連関手段は、前記複数の回転機のそれぞれに接続されるインバータのうち前記短絡状態とする処理を行うために操作対象とするインバータを可変とすることを特徴とする。
上記発明では、特定のインバータに限ってこれを操作することで短絡状態とする処理を行う場合と比較して、短絡状態とする処理の頻度を向上させることが可能となる。また、短絡状態とする処理を行うために操作対象とするインバータを時分割的に割り当てることで、各インバータの操作に対して短絡状態とする処理によって課せられる制約を低減させることもできる。
請求項1記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の電力変換制御装置と、前記電力変換回路とを備えることを特徴とする電力変換システムである。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる電力変換制御装置及び電力変換システムをパラレル・シリーズハイブリッド車に適用した第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態のシステム構成を示す。図示されるように、本実施形態では、第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bの2つの3相回転機と、これらに対応した各別のインバータIV1,IV2とを備えている。これら第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bは、3相の電動機兼発電機である。第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bは、インバータIV1、IV2及びインピーダンスネットワークINを備える電力変換回路を介して、高圧バッテリ12に接続されている。高圧バッテリ12は、所定の高電圧(例えば「288V」)の電圧を印加する2次電池である。
上記第1モータジェネレータ10aに接続されるインバータIV1は、スイッチング素子Sup1,Sun1の直列接続体と、スイッチング素子Svp1,Svn1の直列接続体と、スイッチング素子Swp1,Swn1の直列接続体との並列接続体を備えて構成されている。ここで、スイッチング素子Sup1及びスイッチング素子Sun1の接続点は第1モータジェネレータ10aのU相に接続されており、スイッチング素子Svp1及びスイッチング素子Svn1の接続点は第1モータジェネレータ10aのV相に接続されており、スイッチング素子Swp1及びスイッチング素子Swn1の接続点は第1モータジェネレータ10aのW相に接続されている。
同様に、第2モータジェネレータ10bに接続されるインバータIV2は、スイッチング素子Sup2,Sun2の直列接続体と、スイッチング素子Svp2,Svn2の直列接続体と、スイッチング素子Swp2,Swn2の直列接続体との並列接続体を備えて構成されている。なお、これらスイッチング素子Sup1,Sun1、Svp1,Svn1、Swp1,Swn1、Sup2,Sun2、Svp2,Svn2、Swp2,Swn2は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)にて構成されている。そして、これらにはそれぞれ逆並列にダイオードDup1,Dun1、Dvp1,Dvn1、Dwp1,Dwn1,Dup2,Dun2、Dvp2,Dvn2、Dwp2,Dwn2が接続されている。
インピーダンスネットワークINは、上記高圧バッテリ12の正極端子側及びインバータIVの高電位側の入力端子間に接続されるインダクタ20と、上記高圧バッテリ12の負極端子側及びインバータIVの低電位側の入力端子間に接続されるインダクタ22とを備えている。更に、インピーダンスネットワークINは、インバータIVの高電位側の入力端子及びインダクタ20間と高圧バッテリ12の負極端子及びインダクタ22間とを接続するコンデンサ24と、高圧バッテリ12の正極端子及びインダクタ20間とインバータIVの低電位側の入力端子及びインダクタ22間とを接続するコンデンサ26とを備えている。
なお、高圧バッテリ12の正極端子及びインダクタ20間には、逆流防止用の整流手段としてのダイオード30と、回生制御用のスイッチング素子32とが接続されている。
中央処理装置(CPU40)は、高圧システム内の各種センサの検出値や、ユーザによる要求トルク等に基づき、第1モータジェネレータ10aや、第2モータジェネレータ10bに印加する電圧を指令電圧とすべく、インバータIV1,IV2を操作する。換言すれば、上記スイッチング素子Sup1,Sun1、Svp1,Svn1、Swp1,Swn1、Sup2,Sun2、Svp2,Svn2、Swp2,Swn2を操作する。特に、CPU40は、第1モータジェネレータ10aや第2モータジェネレータ10bに印加する電圧を指令電圧とすべくPWM処理によってインバータIV1、IV2を操作する。
更に、この操作に際して、上側アーム及び下側アームの双方のスイッチング素子をオン状態とする処理(スイッチング素子Sup1,Sun1の直列接続体と、スイッチング素子Svp1,Svn1の直列接続体と、スイッチング素子Swp1,Swn1の直列接続体と、スイッチング素子Sup2,Sun2の直列接続体と、スイッチング素子Svp2,Svn2の直列接続体と、スイッチング素子Swp2,Swn2の直列接続体とのうちの少なくとも1つを短絡状態とする処理(shoot-through:以下、短絡処理))を行う。これは、インバータIV1、IV2の出力電圧を昇圧するための処理である。すなわち、短絡処理を行った後これを解除することでインダクタ20、22に逆起電力が生じる現象を利用して、インピーダンスネットワークINの出力電圧を、高圧バッテリ12の電圧よりも高電圧とすることができる。なお、上記特許文献1には、インダクタ20,22のインダクタンスを互いに等しいとして且つ、コンデンサ24,26の静電容量を互いに等しいとする条件の下、上記直列接続体のスイッチング周期T、短絡処理時間T0、高圧バッテリ12の電圧Voを用いて、出力電圧が「Vo・T/(T−T0)」まで昇圧されることの説明がある。更に、変調率Mを用いて、第1モータジェネレータ10aや第2モータジェネレータ10bに印加される交流電圧が、「M・Vo・T/{2・(T−T0)}」となると記載されている。
上記短絡処理を行うことで、インピーダンスネットワークINの出力電圧を昇圧することができ、ひいてはインバータIV1、IV2の出力電圧を昇圧することができる。ただし、短絡処理時には、インバータIV1、IV2の出力電圧がゼロとなってしまう。このため、第1モータジェネレータ10aや第2モータジェネレータ10bに印加する電圧を指令電圧とするようにPWM処理に従ってスイッチング操作を行っても、短絡処理によってインバータIV1、IV2の実際の出力電圧が指令電圧とならなくなるおそれがある。こうした事態は、要求される操作状態のゼロベクトル期間において短絡処理を行うことで回避することができる。ゼロベクトル期間とは、図2に示すように、上側アームのスイッチング素子Sup1,Svp1,Swp1(Sup2,Svp2,Swp2)が全てオン状態となるゼロベクトルV7期間と、下側アームのスイッチング素子Sun1,Svn1,Swn1(Sun2,Svn2,Swn2)の全てがオン状態となるゼロベクトルV0期間とのことである。換言すれば、各相のそれぞれについて上側アーム及び下側アームのいずれか一方ずつがオン状態となることを表現する8つの電圧ベクトルのうちの2つのベクトル期間である。ゼロベクトル期間では、インバータIV1、IV2から電圧が出力されないため、この期間を利用して短絡処理を行っても、第1モータジェネレータ10aや第2モータジェネレータ10bに印加する電圧に変化はない。
しかし、本実施形態のように2つのインバータIV1,IV2を備える場合、通常、図3に示すように、これら双方の要求操作状態がゼロベクトルとなるタイミングは、互いに独立している。このため、いずれか一方の要求操作状態がゼロベクトルである際に短絡処理を行ったとしても、このときに他方の要求操作状態がゼロベクトルとなるとは限らない。そして、他方の要求操作状態がゼロベクトルでないにもかかわらず、短絡処理がなされる場合には、他方のインバータ出力電圧が指令電圧とならなくなる。
そこで本実施形態では、インバータIV1、IV2のそれぞれに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間を同期させる。これは、図4に示す態様にて、三角波PWM処理におけるキャリアを互いに連関させて設定することで行うことができる。
図4(a1)、図4(b1)、図4(c1)及び図4(d1)は、キャリアの一設定例である。ここで、図4(a1)は、インバータIV1側のキャリア及び指令電圧Vuc,Vvc,Vwcを示し、図4(b1)は、インバータIV1においてなされる短絡処理を示し、図4(c1)は、インバータIV2側のキャリア及び指令電圧Vuc,Vvc,Vwcを示し、図4(d1)は、インバータIV2においてなされる短絡処理を示す。図示されるように、ここでは、インバータIV1側とインバータIV2側とでキャリアの山及び谷を一致させて且つ、これらを互いに同周期としている。これにより、インバータIV1,IV2に対する各要求操作状態がゼロベクトルとなる期間を同期させることができる。特に、変調率が大きい側であるインバータIV1側において、その要求操作状態のゼロベクトル期間に短絡処理を行うことで、双方の要求操作状態のゼロベクトル期間において短絡処理を行うことができる。
一方、図4(a2)、図4(b2)、図4(c2)及び図4(d2)は、キャリアの別の設定例である。ここで、図4(a2)、図4(b2)、図4(c2)及び図4(d2)は、先の図4(a1)、図4(b1)、図4(c1)及び図4(d1)に対応している。図示されるように、ここでは、インバータIV1側とインバータIV2側とでキャリアを同一周期として且つ位相を逆としている。これにより、一方のキャリアの山と他方のキャリアの谷とが一致するため、インバータIV1,IV2に対する各要求操作状態がゼロベクトルとなる期間を同期させることができる。特に、変調率が大きい側であるインバータIV1側において、その要求操作状態のゼロベクトル期間に短絡処理を行うことで、双方の要求操作状態のゼロベクトル期間において短絡処理を行うことができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)第1モータジェネレータ10aに接続されるインバータIV1に対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間と、第2モータジェネレータ10bに接続されるインバータIV2に対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間とを同期させた。これにより、インバータIV1,IV2の双方の要求操作状態がゼロベクトルとなっている際に、短絡状態とする処理を行うことができる。このため、第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bの双方の制御性を、短絡状態とする処理にかかわらず高く維持することができる。
(2)第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bのそれぞれに対する電圧の指令値とキャリアとの大小関係に基づきインバータIV1,IV2のそれぞれを操作するに際し、キャリア同士の周波数を同一として且つ位相を同一又は逆とした。これにより、要求操作状態がゼロベクトルとなる期間を簡易且つ適切に同期させることができる。
(3)第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bのそれぞれに対する電圧の指令値とキャリアとの大小関係に応じた変調処理に基づきインバータIV1,IV2のそれぞれを操作するに際し、変調処理の変調率が大きい側に対する要求操作状態がゼロベクトルである期間において短絡処理を行った。これにより、インバータIV1,IV2の双方に対する要求操作状態がゼロベクトルである際に短絡処理がなされることとなり、第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bの双方の制御性を高く維持することができる。
(4)インバータIV1を操作する手段と、インバータIV2を操作するための手段とを、共通のハードウェア手段(CPU40)とした。これにより、第1モータジェネレータ10aに接続されるインバータIV1に対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間と、第2モータジェネレータ10bに接続されるインバータIV2に対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間とを簡易に同期させることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図5に、本実施形態にかかるキャリアの設定態様を示す。ここで、図5(a)、図5(b)、図5(c)、及び図5(d)は、先の図4(a1)、図4(b1)、図4(c1)及び図4(d1)のそれぞれに対応している。図示されるように、本実施形態では、インバータIV2側のキャリアの周波数を、インバータIV1側のキャリアの周波数の2倍として且つ位相を調節することで、これら2つのキャリアの山同士又は山と谷とが周期的に一致するようにした。これにより、インバータIV1側のキャリアの山及び谷においては、常にインバータIV2側のキャリアが山又は谷となるようにすることができる。したがって、互いのゼロベクトル期間を同期させることができる。そして、変調率が大きい側であるインバータIV1側において、そのゼロベクトル期間に短絡処理を行うことで、双方のゼロベクトル期間において短絡処理を行うことができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)及び(3)、(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(5)第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bのそれぞれに対する電圧の指令値とキャリアとの大小関係に基づきインバータIV1,IV2のそれぞれを操作するに際し、キャリアの周波数の比を整数とした。これにより、キャリアの山同士、谷同士、又は山と谷とを所定周期で一致させることができる。このため、要求操作状態がゼロベクトルとなる期間を同期させることができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、インバータIV1、IV2のうち変調率が大きい方のゼロベクトル期間において短絡処理を行いつつも、インバータIV1、IV2のゼロベクトル期間を同期させる設定を取らない。具体的には、互いのキャリアを独立に設定する。これにより、互いのキャリアのそれぞれを、スイッチング損失やノイズの低減、共振周波数の回避等の様々な要求に沿った最適な周波数に設定することができる。ただし、この場合、インバータIV1,IV2の一方を操作対象として短絡処理のなされる際に他方の操作状態がゼロベクトルとならないおそれがある。そしてこの場合、他方のインバータ出力電圧が減少する。そこで、本実施形態では、こうした状況下、短絡処理による出力電圧の減少分を補償する処理を行う。
図6に、本実施形態にかかる短絡処理及び上記電圧の補償処理の態様を示す。詳しくは、図6(a)に、インバータIV1側のキャリア及び指令電圧Vuc、Vvc,Vwcの推移を示し、図6(b)に、インバータIV1側の短絡処理を示し、図6(c)に、インバータIV2側のキャリア及び指令電圧Vuc、Vvc,Vwcの推移を示し、図6(d)に、インバータIV2における電圧補償期間を示す。
図6に示す例では、変調率の大きい側であるインバータIV1側において、ゼロベクトル期間の全てについて短絡処理を行う例を示している。そして、短絡処理のなされる期間であって、インバータIV2の操作状態がゼロベクトルでない期間におけるインバータIV2の出力電圧の減少分を補償すべく、インバータIV2に対する要求操作状態のゼロベクトル期間であって且つ短絡処理のなされていない期間において、電圧を補償する処理を行う。
図7に、電圧の補償処理の詳細を示す。詳しくは、図7(a)は、インバータIV1側のキャリア及び指令電圧Vuc、Vvc,Vwcの推移を示しており、図7(b)は、PWM処理によって要求されるインバータIV1の操作状態(電圧ベクトル)の推移を示しており、図7(c)は、インバータIV1側の短絡処理期間を示している。また、図7(d)は、PWM処理によって要請されるインバータIV2の操作状態(電圧ベクトル)の推移を示しており、図7(e)は、インバータIV2側の電圧の補償処理を示しており、図7(f)は、インバータIV2側のキャリア及び指令電圧Vuc、Vvc,Vwcの推移を示している。
図7では、PWM処理によるインバータIV1の操作状態に対する要求がゼロベクトルV7である期間に渡って短絡処理を行って且つ、この期間におけるPWM処理によるインバータIV2の操作状態に対する要求が非ゼロベクトルV1及びゼロベクトルV7である例を示している。この場合、PWM処理によるインバータIV2の操作状態に対する要求がゼロベクトルV7であって且つ短絡処理がなされていない期間において、実際の操作状態を非ゼロベクトルV1とすることで、電圧の減少分を補償する。これにより、短絡処理のなされないインバータIV2側においても、出力電圧を指令電圧に制御することができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(6)一方のインバータの操作状態がゼロベクトルでない場合に他方のインバータを操作して短絡処理がなされる場合、短絡処理による一方のインバータ側の出力電圧の減少分を補償した。これにより、第1モータジェネレータ10b及び第2モータジェネレータ10bの制御性を高く維持することができる。
(7)一方のインバータの操作状態がゼロベクトルでない場合に他方のインバータを操作して短絡処理がなされる場合、一方のインバータの操作状態に対するPWM処理の要求がゼロベクトルであって且つ短絡処理がなされていない期間に、補償処理を行った。これにより、補償処理を適切に行うことができる。
(8)インバータIV1を操作する手段と、インバータIV2を操作するための手段とを、共通のハードウェア手段(CPU40)とした。これにより、一方のインバータの操作状態がゼロベクトルでない場合に他方のインバータを操作して短絡処理がなされる状況を簡易に把握することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第3の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、インバータIV1、IV2のうちの変調率が大きい方のゼロベクトル期間と、非ゼロベクトル期間との双方において短絡処理を行うことで、短絡処理の頻度を増大させる。これは、電力変換回路を小型化するための設定である。すなわち、電力変換回路(より詳しくは、インピーダンスネットワークIN)を小型化すべくインダクタ20,22を小型化するほど、短絡処理を所定時間行った際に流れる電流が増加する。これは、電流がインダクタ20,22のインダクタンスに反比例するためである。このため、電力変換回路に過度の電流が流れることを回避する観点から、短絡処理時間を長時間とすることができなくなる。一方、インピーダンスネットワークINの流出入エネルギ量は、短絡処理時間を短くするほど少量となり、また、インダクタンスを小さくするほど少量となる。このため、インピーダンスネットワークINを小型化しつつもエネルギ量を確保すべく、短絡処理の頻度を増大させる。
図8に、本実施形態にかかる短絡処理の態様を示す。詳しくは、図8(a)に、インバータIV1側のキャリア及び指令電圧Vuc,Vvc,Vwcの推移を示し、図8(b)〜図8(g)に、インバータIV1の各スイッチング素子Sup1、Svp1,Swp1,Sun1、Svn1、Swn1の操作信号gup1、gvp1,gwp1,gun1,gvn1,gwn1の推移を示す。図8(h)に、インバータIV1の操作状態に対するPWM処理による要求(電圧ベクトル)の推移を示し、図8(i)に、インバータIV1の操作による短絡処理のタイミングを示し、図8(j)に、インバータIV2の操作状態に対するPWM処理による要求 (電圧ベクトル)の推移を示す。図8(k)に、インバータIV2側のキャリア及び指令電圧Vuc,Vvc,Vwcの推移を示し、図8(i)〜図8(q)に、インバータIV2の各スイッチング素子Sup2、Svp2,Swp2,Sun2、Svn2、Swn2の操作信号gup2、gvp2,gwp2,gun2,gvn2,gwn2の推移を示す。
図示されるように、本実施形態では、変調率の大きい方であるインバータIV1側におけるゼロベクトルV0,V7期間のみならず、これらゼロベクトルV0及びゼロベクトルV7の間の期間においてもインバータIV1を操作して短絡処理を行う。これにより、ゼロベクトル期間のみに限って短絡処理を行う場合と比較して、短絡処理の頻度を増大させることができ、ひいては一回の短絡処理の時間を短縮したとしても、インピーダンスネットワークINの流出入エネルギ量を確保することができる。このため、インダクタ20,22を適切に小型化することができる。
ただし、この場合、非ゼロベクトル期間において短絡処理がなされる場合には、インバータIV1、IV2の出力電圧が指令電圧に対して減少することとなる。このため、本実施形態では、インバータIV1やインバータIV2に対する要求操作状態のゼロベクトル期間であって且つ短絡処理がなされていない期間において、上記減少分を補償する処理を行う。図8には、インバータIV1側の電圧補償処理については、要求操作状態のゼロベクトル期間のうちの短絡処理のなされるタイミングの前後に均等な期間を設けて電圧を補償する処理を行う例を示した。
以上説明した本実施形態によれば、先の第3の実施形態の上記(6)〜(8)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(9)インバータIV1、IV2のうちの変調処理によって要求される変調率が大きい方の操作状態がゼロベクトルとされる期間及びゼロベクトルとされない期間の双方において短絡処理を行った。これにより、上記操作状態がゼロベクトルとされる期間に限って短絡状態とする処理が行われる場合と比較して、短絡状態とする処理の頻度を増大させることができる。このため、単位時間当たりにインピーダンスネットワークINから出力(入力)されるエネルギ量を要求に見合ったものとしつつも、インダクタ20,22を小型化することができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第4の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図9に、本実施形態にかかる短絡処理態様を示す。詳しくは、図9(a)は、インバータIV1側のキャリア及び指令電圧Vuc,Vvc,Vwcの推移を示し、図9(b)は、インバータIV1を操作対象とする短絡処理のタイミングを示し、図9(c)は、インバータIV2側のキャリア及び指令電圧Vuc,Vvc,Vwcの推移を示し、図9(d)は、インバータIV2を操作対象とする短絡処理のタイミングを示す。
図示されるように、本実施形態では、短絡処理を行うための操作対象を、インバータIV1,IV2の双方とする。更に、これらを操作する際のPWM処理のキャリアを同一周期としつつもキャリアの山同士、谷同士、山及び谷のいずれもが一致しないように、キャリアの位相をずらす。そして、インバータIV1の操作状態に対するPWM処理の要求がゼロベクトルである際にインバータIV1を操作して短絡処理をして且つ、インバータIV2の操作状態に対するPWM処理の要求がゼロベクトルである際にインバータIV2を操作して短絡処理を行う。これにより、短絡処理の頻度をいっそう向上させることができる。
なお、インバータIV1、IV2の一方を操作して短絡処理を行う際の他方における電圧の減少分は、他方についてのPWM処理の要求によるゼロベクトル期間であって且つ短絡処理をしてない期間に補償するようにすればよい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第3の実施形態の上記(6)〜(8)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(10)短絡処理を行うための操作対象を、インバータIV1,IV2の双方とした。これにより、特定のインバータに限ってこれを操作することで短絡処理を行う場合と比較して、短絡状態とする処理の頻度を向上させることが可能となる。また、短絡処理を行うために操作対象とするインバータを時分割的に割り当てることで、各インバータの操作に対して短絡処理によって課せられる制約を低減させることもできる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第3〜5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態のシステム構成を示す。図示されるように、本実施形態では、インバータIV1を操作する手段と、インバータIV2を操作する手段とを、各別のハードウェア手段(CPU40a、40b)とする。この場合、インバータIV1,IV2のうちの一方を操作対象とする手段により、他方が操作されて短絡処理がなされているか否かを把握することを必要とする。そこで本実施形態では、インピーダンスネットワークINの出力端子間の電圧を検出する電圧センサ50の検出値Vpnに基づき、他方が操作されて短絡処理がなされているか否かを把握する。これにより、インバータIV1を操作する手段と、インバータIV2を操作する手段とを、各別のハードウェア手段としつつも、先の第3〜第5の実施形態と同様の処理を行うことができる。なお、先の第3、第4の実施形態の処理を行う際には、インバータIV1側とインバータIV2側のいずれの変調率が大きいかを比較することが必要であるが、これは、信号線L1にてCPU40a、40b間で情報を授受することで行われる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第3〜第5の実施形態の上記(8)以外の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(11)インピーダンスネットワークINの出力端子間の電圧(検出値Vpn)を取り込むことで、CPU40a,40bの一方が、他方の操作対象の操作によって短絡処理がなされているか否かを判断することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態においては、ゼロベクトルV0、V7の双方で毎回短絡処理を行ったがこれに限らない。例えば、変調率の大きい方について、ゼロベクトルV0,V7のいずれか一方に限って短絡処理を行ってもよく、また例えば、ゼロベクトルV0において短絡処理を行った後、これに引き続くゼロベクトルV7、V0においては短絡処理を行わず、その次のゼロベクトルV7において短絡処理を行ってもよい。
・上記第2の実施形態では、インバータIV2側のキャリアの山を、インバータIV1側のキャリアの山及び谷と周期的に一致させるように設定したがこれに限らない。例えば、インバータIV2側のキャリアの谷を、インバータIV1側のキャリアの山及び谷と周期的に一致させるように設定してもよい。また、インバータIV2側の周波数をインバータIV1側の周波数の「2倍」とするものに限らない。例えば、「3倍」「4倍」、「1/2倍」等であってもよい。
・上記第1、第2の実施形態において、インバータIV1を操作する手段と、インバータIV2を操作する手段とを、先の図10に例示したように各別の手段としてもよい。この場合であっても、信号線L1を介して双方のキャリアを連関させることはできる。
・上記第3の実施形態では、インバータIV1、IV2のうちの変調率が大きい方のゼロベクトル期間に短絡処理を行ったが、これに限らない。例えば変調率の小さい方のゼロベクトル期間に短絡処理を行う場合であっても、短絡処理期間を、変調率の大きい方のゼロベクトル期間以下に制限することで、変調率の大きい方の1回のゼロベクトル期間において1回の短絡処理による電圧の減少分を補償する処理を行うことはできる。
・上記第4の実施形態では、インバータIV1、IV2のうちの変調率が大きい方のゼロベクトルV0,V7の期間及びこれら期間の中央のタイミングにおいて短絡処理を行ったが、これに限らない。例えば、インバータIV1,IV2間でキャリアを同一周期で同位相又は逆位相として且つ、インバータIV1、IV2のうちの変調率が大きい方のゼロベクトルV0,V7の期間及び、インバータIV1、IV2のうちの変調率が小さい方のゼロベクトル期間の端部において、短絡処理を行ってもよい。これにより、インバータIV1、IV2のうちの変調率が小さい方については、短絡処理によって電圧が減少することがないため、電圧補償処理を行う必要がない。
また、上記第4の実施形態において、インバータIV1、IV2のうちの変調率が小さい方のゼロベクトル期間の両端部で1回ずつ短絡処理を行うようにしてもよい。この場合、インバータIV1、IV2のうちの変調率が大きい方のゼロベクトル期間において、上記短絡処理による電圧の減少分を補償する処理を行う。
・上記第5の実施形態において、キャリアを同一周期且つ同位相又は逆位相として且つ、短絡処理を行うように操作するインバータを、インバータIV1とインバータIV2とに交互に切り替えてもよい。この場合、短絡処理を行う周波数は上記第5の実施形態の場合と比較して小さくなるものの、各インバータIV1,IV2の操作状態を、極力通常のPWM処理どおりとすることはできる。
・上記第6の実施形態では、互いに相違する各CPU40a、40bによってインバータIV1,IV2のそれぞれが操作されるようにした場合に、他方のインバータにおいて短絡処理がなされているか否かを把握するためにインピーダンスネットワークINの出力端子間の電圧(検出値Vpn)を用いたが、これに限らない。例えば、図11に示すように、単一のCPU40によってインバータIV1,IV2の双方が操作されるようにした場合であっても、インピーダンスネットワークINの出力端子間の電圧(検出値Vpn)に基づき、他方のインバータにおいて短絡処理がなされているか否かを把握するようにしてもよい。
・インピーダンスネットワークINとしては、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば、「Z-Source Inverter for Fuel Cell Vehicles submitted to Oak Ridge National Laboratory Engineering Science and Technology Division Power Electrics Electric Machinery Research Center August 31 2005」のFig.3.4に記載されているように、先の図1に示したものにいくつかのダイオード及びコンデンサを追加接続した構成であってもよい。
・回転機に指令電圧を印加するための処理としては、指令電圧に基づきキャリアを変調するPWM処理に限らない。例えば、特開平10−4696号公報等に例示されているいわゆる空間ベクトル変調処理等であってもよい。
・回転機としては、3相回転機に限らない。例えば単相回転機であってもよい。
・ハイブリッド車としては、パラレル・シリーズハイブリッド車に限らない。例えば、シリーズハイブリッド車やパラレルハイブリッド車等であってもよい。この場合であっても、変調処理によって要求されるインバータの操作状態がゼロベクトルでない場合においても短絡処理を行う代わりに、ゼロベクトル期間において電圧を補償する処理を行うことは有効である。特に、こうした処理によって、変調処理によって要求されるインバータの操作状態がゼロベクトル期間と非ゼロベクトル期間との双方において短絡処理を行うなら、短絡処理を行う周波数を増大させることができ、ひいてはインピーダンスネットワークINの流出入エネルギを大きくしつつも、インダクタ20,22を小型化することができる。
また、ハイブリッド車に限らず、例えば電気自動車の電力変換回路に本発明を適用してもよい。更に、電力変換回路としては、回転機が1個又は2個接続されるものに限らず、3個以上接続されるものであってもよい。また、給電手段としては、2次電池に限らず、例えば1次電池等であってもよい。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 電圧ベクトルを示す図。 上記システムのはらむ問題点を説明するためのタイムチャート。 上記実施形態にかかる搬送波の設定及び短絡処理の態様を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる搬送波の設定及び短絡処理の態様を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかる短絡処理の態様及び電圧補償処理の態様を示すタイムチャート。 上記実施形態にかかる電圧補償処理の態様を示すタイムチャート。 第4の実施形態にかかる短絡処理の態様及び電圧補償処理の態様を示すタイムチャート。 第5の実施形態にかかる短絡処理の態様を示すタイムチャート。 上記第6の実施形態にかかるシステム構成図。 上記第6の実施形態の変形例にかかるシステム構成図。
符号の説明
10a…第1モータジェネレータ(回転機の一実施形態)、10b…第2モータジェネレータ(回転機の一実施形態)、12…高圧バッテリ(給電手段の一実施形態)、IV1,IV2…インバータ、IN…インピーダンスネットワーク。

Claims (10)

  1. 給電手段及び複数の回転機のそれぞれの間に接続されるインバータを備える電力変換回路に適用され、前記インバータの高電位側入力端子及び低電位側入力端子間を短絡状態とするように前記インバータを操作する処理を行う電力変換制御装置において、
    任意の回転機に接続されるインバータを操作することで前記短絡状態とする処理と、他の回転機に接続されるインバータの操作とを互いに連関させる連関手段を備え
    前記電力変換回路は、前記高電位側入力端子及び前記給電手段の正極端子間に接続されるインダクタ及び前記低電位側入力端子及び前記給電手段の負極端子間に接続されるインダクタからなる一対のインダクタと、前記一対のインダクタのそれぞれについて、当該インダクタ及び前記インバータ間と他方のインダクタ及び前記給電手段間との間に接続されるキャパシタとを備えて構成されるインピーダンスネットワークを備え、
    前記連関手段は、前記他の回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間と、前記任意の回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間とを同期させる同期手段を備えることを特徴とする電力変換制御装置。
  2. 前記複数のインバータのそれぞれは、これに接続される回転機に対する電圧の指令値と搬送波との大小関係に基づき操作されるものであり、
    前記同期手段は、前記複数の回転機のそれぞれに関する搬送波同士の周波数を同一として且つ位相を同一又は逆とする手段であることを特徴とする請求項記載の電力変換制御装置。
  3. 前記複数のインバータのそれぞれは、これに接続される回転機に対する電圧の指令値と搬送波との大小関係に基づき操作されるものであり、
    前記同期手段は、前記複数の回転機のそれぞれに関する搬送波の周波数の比を整数とする手段であることを特徴とする請求項記載の電力変換制御装置。
  4. 給電手段及び複数の回転機のそれぞれの間に接続されるインバータを備える電力変換回路に適用され、前記インバータの高電位側入力端子及び低電位側入力端子間を短絡状態とするように前記インバータを操作する処理を行う電力変換制御装置において、
    任意の回転機に接続されるインバータを操作することで前記短絡状態とする処理と、他の回転機に接続されるインバータの操作とを互いに連関させる連関手段を備え、
    前記電力変換回路は、前記高電位側入力端子及び前記給電手段の正極端子間に接続されるインダクタ及び前記低電位側入力端子及び前記給電手段の負極端子間に接続されるインダクタからなる一対のインダクタと、前記一対のインダクタのそれぞれについて、当該インダクタ及び前記インバータ間と他方のインダクタ及び前記給電手段間との間に接続されるキャパシタとを備えて構成されるインピーダンスネットワークを備え、
    前記複数のインバータのそれぞれは、これに接続される回転機に対する電圧の指令値と搬送波との大小関係に応じた変調処理に基づき操作されるものであり、
    前記連関手段は、前記変調処理の変調率が最も大きいものを前記任意の回転機として且つ該回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルである期間において前記短絡状態とする処理を行うことを特徴とする電力変換制御装置。
  5. 給電手段及び複数の回転機のそれぞれの間に接続されるインバータを備える電力変換回路に適用され、前記インバータの高電位側入力端子及び低電位側入力端子間を短絡状態とするように前記インバータを操作する処理を行う電力変換制御装置において、
    任意の回転機に接続されるインバータを操作することで前記短絡状態とする処理と、他の回転機に接続されるインバータの操作とを互いに連関させる連関手段を備え、
    前記電力変換回路は、前記高電位側入力端子及び前記給電手段の正極端子間に接続されるインダクタ及び前記低電位側入力端子及び前記給電手段の負極端子間に接続されるインダクタからなる一対のインダクタと、前記一対のインダクタのそれぞれについて、当該インダクタ及び前記インバータ間と他方のインダクタ及び前記給電手段間との間に接続されるキャパシタとを備えて構成されるインピーダンスネットワークを備え、
    前記連関手段は、前記他の回転機に接続されるインバータの操作状態がゼロベクトルでない場合に前記任意の回転機に接続されるインバータを操作して前記短絡状態とする処理がなされる場合、前記短絡状態とする処理による前記他の回転機に印加すべき電圧の減少分を補償する補償手段を備えることを特徴とする電力変換制御装置。
  6. 前記連関手段は、前記他の回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間と、前記任意の回転機に接続されるインバータに対する要求操作状態がゼロベクトルとなる期間とを同期させる同期手段を備えることを特徴とする請求項4または5記載の電力変換制御装置。
  7. 前記連関手段は、前記他の回転機に接続されるインバータの操作状態がゼロベクトルである場合に前記任意の回転機に接続されるインバータを操作することで前記短絡状態とする処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電力変換制御装置。
  8. 記補償手段は、前記インピーダンスネットワークの出力端子間の電圧に基づき、前記補償する処理を行うことを特徴とする請求項記載の電力変換制御装置。
  9. 前記連関手段は、前記複数の回転機のそれぞれに接続されるインバータのうち前記短絡状態とする処理を行うために操作対象とするインバータを可変とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電力変換制御装置。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電力変換制御装置と、
    前記電力変換回路とを備えることを特徴とする電力変換システム。
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