JP5082382B2 - 6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの製造法 - Google Patents

6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの製造法 Download PDF

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本発明は、種々の化学品原料や医農薬中間体等として有用な6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの製造法に関する。
6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンは、種々の化学品原料や医農薬中間体等として有用な化合物である。(例えば、特許文献1参照。)
かかる6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの製造法としては、3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸またはそのエステルを経る方法が知られている。例えば、4,5−エポキシ−3,3−ジメチルペンタン酸メチルとヘキサメチルジシラザンリチウムとの反応による方法(例えば、非特許文献1参照。)、2−アセトキシメチル−3,3−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルとナトリウムエチラートとの反応による方法(例えば、特許文献2参照。)、3−ハロメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルをアルカリ処理する方法(例えば、特許文献3参照。)等が挙げられる。
しかしながら、非特許文献1や特許文献2の方法では、目的物である6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンと、副生物である3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルのトランス体との分離が容易ではなく、また、特許文献3の方法では、反応時間として数日もの期間を要する、等の点で問題があり、これらの方法は、必ずしも工業的に満足できるものではなかった。
Heterocycles,23,2589(1985) 特開昭61−183239号公報 特開昭56−87533号公報 特開平6−145163号公報
このような状況の下、本発明者らは、3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸またはそのエステルを経て、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを工業的に有利に製造する方法について鋭意検討したところ、3−アシロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルを加水分解反応に付し、得られた反応混合物を、有機層と水層とを分離する処理を含む後処理に付すことにより、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを製造することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、式(1)
Figure 0005082382
(式中、Rはアルキル基を表し、Rはアルキル基もしくはハロアルキル基またはアルキル基で置換されていてもよいアリール基を表す。Rがアルキル基の場合、RとRは互いに同一であっても相異なっていてもよい。)
で示されるシクロプロパン化合物をアルカリ加水分解反応後、酸処理する反応に付した後に、水層を除去する6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの製造法を提供するものである。
本発明によれば、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを収率よく得ることができ、簡便な後処理を施すことにより副生物との分離を容易に行うことができるため、工業的に有利である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、式(1)で示されるシクロプロパン化合物(以下、シクロプロパン化合物(1)と略記する。)について説明する。
式(1)において、RおよびRで示されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分岐状または環状の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
で示されるハロアルキル基としては、例えばクロロメチル基、トリクロロメチル基等が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。これらのアリール基は、上述したアルキル基で置換されていてもよく、かかるアルキル基で置換されたアリール基としては、例えば2,4,6−トリメチルフェニル基等が挙げられる。
シクロプロパン化合物(1)の具体例としては、例えば3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸n−プロピル、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸n−ブチル、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸n−プロピル、3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸n−ブチル、3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、3−ピバロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、3−ピバロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、3−ピバロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸n−プロピル、3−ピバロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3−ピバロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸n−ブチル、3−ピバロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、3−ピバロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸n−プロピル、3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸n−ブチル、3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチルや3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル等が挙げられる。
かかるシクロプロパン化合物(1)の製造法は、特に限定されず、例えば、式(2)
Figure 0005082382
(式中、Rは上記と同一の意味を表す。)
で示されるジアゾ酢酸エステルと、式(3)
Figure 0005082382
(式中、Rは上記と同一の意味を表す。)
で示されるオレフィン化合物とを、金属触媒の存在下に反応させる方法等が挙げられる。
上記式(2)で示されるジアゾ酢酸エステル(以下、ジアゾ酢酸エステル(2)と略記する。)としては、例えばジアゾ酢酸メチル、ジアゾ酢酸エチル、ジアゾ酢酸n−プロピル、ジアゾ酢酸イソプロピル、ジアゾ酢酸n−ブチル、ジアゾ酢酸イソブチル、ジアゾ酢酸sec−ブチル、ジアゾ酢酸tert−ブチル、ジアゾ酢酸n−ヘキシル、ジアゾ酢酸n−オクチル、ジアゾ酢酸シクロヘキシル、ジアゾ酢酸メンチル等が挙げられる。
ジアゾ酢酸エステル(2)は、例えば、対応するアミノ酢酸エステルと亜硝酸ナトリウム等のジアゾ化剤とを反応させることにより製造することができる。
上記式(3)で示されるオレフィン化合物(以下、オレフィン(3)と略記する。)としては、例えば1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン、1−プロピオニルオキシ−3−メチル−2−ブテン、1−ブチリルオキシ−3−メチル−2−ブテン、1−ピバロキシ−3−メチル−2−ブテン、1−クロロアセトキシ−3−メチル−2−ブテン、1−トリクロロアセトキシ−3−メチル−2−ブテン、1−ベンゾイルオキシ−3−メチル−2−ブテン等が挙げられる。
オレフィン(3)は、3−メチル−2−ブテン−1−オールと、対応するカルボン酸ハロゲン化物あるいは対応するカルボン酸無水物とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。また、市販品を用いてもよい。
金属触媒としては、
周期律表第8族金属または該金属元素を含む化合物;
周期律表第9族金属または該金属元素を含む化合物;
周期律表第10族金属または該金属元素を含む化合物;
モリブデン金属またはモリブデン元素を含む化合物;
銅金属または銅元素を含む化合物;
からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属または化合物(以下、金属または化合物と略記することもある。)を用いることができる。
周期律表第8族金属としては鉄、ルテニウム等が挙げられ、第9族金属としてはコバルト、ロジウム等が挙げられ、第10族金属としてはニッケル、パラジウム等が挙げられる。
上記各金属元素を含む化合物としては、無機金属化合物および有機金属化合物が挙げられる。無機金属化合物としては、例えば、上記各金属のハロゲン化物、炭酸塩、水酸化物、酸化物、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、一酸化炭素塩等が挙げられる。また、有機金属化合物としては、例えば、上記各金属のシアノ化物;酢酸塩、プロピオン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩、ステアリン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリメチル酢酸塩、トリフェニル酢酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、N−保護アミノ酸塩類等カルボン酸塩;トリフルオロメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;アセチルアセトナト錯体、トリフルオロアセチルアセトナト錯体、ヘキサフルオロアセチルアセトナト錯体、ベンゾイルアセトナト錯体等のアシルアセトナト錯体;フタロシアニン錯体、ヘキサデカフルオロフタロシアニン錯体、2,3−ナフタロシアニン錯体等のフタロシアニン錯体類;ビス(シクロペンタジエニル)錯体、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)錯体、ビス(ジフェニルホスフィノシクロペンタジエニル)錯体等のシクロペンタジエニル錯体類;等が挙げられる。
金属または化合物は、市販のものを用いることもできるし、任意の公知の方法により製造して用いてもよい。
また、上記金属または化合物と、配位性の化合物とを反応させてなる錯体を金属触媒として用いることもできる。かかる配位性の化合物としては、例えば、
1,2−ジフェニルエチレンジアミノ−N,N’−ビスサリチリデン、1,2−ジフェニルエチレンジアミノ−N,N’−ビス(5−tert−ブチルサリチリデン)、1,2−シクロヘキサンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)等のビスサルドイミン化合物;
2,2’−メチレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−フェニル−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,6−ビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン等のビスオキサゾリン化合物;
4−イソプロピル−2−オキサゾリジノン、4−ベンジル−2−オキサゾリジノン、4−フェニル−2−オキサゾリジノン、2−ピロリドン−5−カルボン酸メチル等のアミド化合物;
1,2−ジフェニルエチレンジアミノ−N,N’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニルメチル)等のジアミン化合物;
トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル等のホスフィン化合物;
および後述するサルドイミン化合物等が挙げられる。
本発明の目的を効率よく達成するためには、シクロプロパン化合物(1)はシス体に富む方が好ましい。かかるシス体に富むシクロプロパン化合物(1)を得る目的において、より好ましい上記金属触媒は、酢酸ロジウム、トリフルオロ酢酸ロジウム、トリメチル酢酸ロジウム、トリフェニル酢酸ロジウム等のロジウムのカルボン酸塩;サルドイミン化合物と銅化合物とを反応させてなる銅錯体;である。
サルドイミン化合物としては、例えば式(6)
Figure 0005082382
(式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはシアノ基を表し、Rはアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。また、該化合物が光学活性体である場合に*は不斉中心を表す。)
で示されるサルドイミン化合物(以下、サルドイミン化合物(6)と略記する。)が挙げられる。
およびRで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。フルオロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基を構成する一つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された基が挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基が挙げられる。トリアルキルシリル基とは、同一または相異なる3つの上記アルキル基で置換されたシリル基であり、例えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。
で示されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル基、トリチル基等が挙げられる。
およびRで示されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
かかるサルドイミン化合物(6)としては、例えばN−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、
N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、
N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−メトキシカル
ボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、
N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、
N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
N−(3−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−(3−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジフェニル−1−プロパノール、N−(3−メトキシ−5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジフェニル−1−プロパノール、N−(3,5−ジニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジフェニル−1−プロパノール、N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(2−メトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(3,5−ジクロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(2−メトキシフェニル)−1−プロパノール、N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(2−メトキシフェニル)−3−メチル−1−ブタノール、N−(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(2−メトキシフェニル)−1−プロパノール等が挙げられる。
かかるサルドイミン化合物(6)は、ラセミ体、光学活性体のいずれを用いてもよい。6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを光学活性体として得ることを所望する場合、サルドイミン化合物(6)は光学活性体を用いることが好ましい。光学活性サルドイミン化合物(6)には、R体とS体の二つの光学異性体が存在するが、本発明にはそのいずれを用いてもよく、所望の光学活性6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンに応じて、適宜選択すればよい。
サルドイミン化合物(6)は、例えば、Tetrahedron Lett.,16,1707(1975)や、特開2001−278853号公報等に記載の方法によって、製造することができる。
サルドイミン化合物(6)と反応させる銅化合物としては、一価または二価の銅化合物が用いられ、例えば酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、ナフテン酸銅(I)、ナフテン酸銅(II)、オクチル酸銅(I)、オクチル酸銅(II)等の炭素数2〜15のカルボン酸銅、例えば塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)等のハロゲン化銅、硝酸銅(I)、硝酸銅(II)、例えばメタンスルホン酸銅(I)、メタンスルホン酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)等のスルホン酸銅等が挙げられる。かかる銅化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。また、これら銅化合物は無水物であってもよいし、水和物であってもよい。
サルドイミン化合物(6)と銅化合物との反応による銅錯体の調製は、例えば、特開2001−278853号公報等に記載の方法に準じて実施することができる。
次に、金属触媒存在下におけるジアゾ酢酸エステル(2)とオレフィン(3)との反応(以下、シクロプロパン化反応と記載することもある。)について説明する。
オレフィン(3)の使用量は、ジアゾ酢酸エステル(2)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特になく、オレフィン(3)が反応条件下で液体である場合は、オレフィン(3)を溶媒として、大過剰量用いてもよい。
金属触媒の使用量は、ジアゾ酢酸エステル(2)に対して、金属換算で、通常0.01〜10モル%である。
シクロプロパン化反応は、通常、金属触媒、ジアゾ酢酸エステル(2)およびオレフィン(3)を接触、混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されず、例えば金属触媒とオレフィン(3)の混合物に、ジアゾ酢酸エステル(2)を加えてもよいし、金属触媒に、オレフィン(3)およびジアゾ酢酸エステル(2)を加えてもよい。オレフィン(3)やジアゾ酢酸エステル(2)は、連続的に加えてもよいし、間欠的に加えてもよい。シクロプロパン化反応は、常圧条件下で行ってもよいし、加圧条件下で行ってもよい。反応温度は、通常−20℃〜150℃、好ましくは−10〜100℃の範囲である。
また、より反応をスムーズに進行させるため、例えばフェニルヒドラジン等の還元剤を共存させてもよい。金属触媒として、サルドイミン化合物(6)と銅化合物とを反応させてなる銅錯体を用いる場合は、その錯体調製時に、かかる還元剤を加えておいてもよい。還元剤の使用量は、金属触媒に対して、通常0.1〜3モル倍、好ましくは0.9〜1.2モル倍の範囲である。
本反応は、通常、溶媒の存在下に実施され、溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、モノクロロベンゼンやジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;等が挙げられ、その使用量は特に制限されないが、経済性、容積効率等を考慮すると、実用的には、ジアゾ酢酸エステル(2)に対して、100重量倍以下である。また、上記したように、オレフィン(3)が、反応条件下で液体である場合には、該オレフィン(3)を溶媒として用いてもよい。
反応終了後、必要に応じて濾過処理や水洗処理等を施して不溶物を除去することにより、シクロプロパン化合物(1)を含む混合物が得られる。シクロプロパン化合物(1)の加水分解反応には、該混合物をそのまま供してもよいし、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィー等の通常の後処理を施すことにより単離したシクロプロパン化合物(1)を加水分解反応に供してもよい。
次に、シクロプロパン化合物(1)の加水分解反応について説明する。
本発明における加水分解反応は、シクロプロパン化合物(1)が有する2つのエステル結合を、ともに加水分解しうる反応であれば、特に限定されず、アルカリ加水分解反応であっても、酸加水分解反応であってもよい。また、中性条件下で酵素等を用いて実施する加水分解反応であってもよい。好ましくは、アルカリ加水分解反応である。
アルカリ加水分解反応に用いられる塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;等が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属水酸化物が用いられる。
塩基の使用量は、シクロプロパン化合物(1)に対して、通常2〜20モル倍、好ましくは3〜10モル倍の範囲である。
酸加水分解反応に用いられる酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸;トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の有機酸;等が挙げられる。
酸の使用量は、シクロプロパン化合物(1)に対して、通常2〜20モル倍、好ましくは3〜10モル倍の範囲である。
酵素加水分解反応に用いられる酵素としては、シクロプロパン化合物(1)のエステル結合に対して加水分解能を有する酵素であればよく特に制限されるものではないが、例えばリパーゼ、エステラーゼ等のエステル加水分解酵素が挙げられる。これらは市販品であっても、あるいは該酵素の起源となる微生物もくしはこれらの処理物等であってもよい。
加水分解反応の操作は、水もしくは水と有機溶媒との混合溶媒中で、上記塩基、酸または酵素と、シクロプロパン化合物(1)とを攪拌、混合することにより実施される。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;およびこれらの混合物等が挙げられる。
水の使用量は、シクロプロパン化合物(1)に対して、通常0.5〜100重量倍、好ましくは1〜20重量倍の範囲である。有機溶媒の使用量は、シクロプロパン化合物(1)に対して、通常0〜50重量倍、好ましくは0〜10重量倍の範囲である。
反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは10〜100℃の範囲である。反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
上記加水分解反応後に得られる反応混合物を、有機層と水層とを分離する処理を含む後処理に付すことにより、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを選択的に取り出すことができる。以下、かかる後処理について説明する。
本発明の後処理は、有機層と水層とを分離する処理を1回以上実施する処理であればよく、これに加えて、濾過処理、抽出処理、水洗処理、濃縮処理等の通常の後処理を含んでいてもよい。
加水分解反応が、酸加水分解または酵素加水分解である場合、通常、反応混合物は有機層と水層との2層に分離し、有機層に6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンが存在する。これをそのまま、もしくは、必要により水および/または水と相溶性のない有機溶媒と混合した後に、有機層と水層とを分離すれば、有機層として、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを取り出すことができる。
加水分解反応がアルカリ加水分解反応である場合、主生成物は、通常、3−ヒドロキシメチル−2,2−シクロプロパンカルボン酸の塩として水層に存在する。この加水分解反応後の反応混合物を酸処理すれば、3−ヒドロキシメチル−2,2−シクロプロパンカルボン酸のシス体が分子内環化し、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンが生成する。反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。かかる酸処理としては、例えば、加水分解後の反応混合物と、酸と、必要により水とを混合する処理、あるいは、加水分解反応後の反応混合物から分取した水層と、酸と、必要により水および/または水と相溶性のない有機溶媒とを混合する処理等が挙げられる。好ましくは、加水分解反応後の反応混合物から分取した水層と、酸と、必要により水および/または水と相溶性のない有機溶媒とを混合する処理である。酸処理時のpHは、通常6以下、好ましくは0〜5の範囲である。かかる酸処理に用いる酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸等の有機酸;等が挙げられる。好ましくは無機酸である。
アルカリ化水分解反応後の酸処理により得られる混合物は、通常、有機層と水層との2層に分離し、有機層に6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンが存在する。これをそのまま、もしくは、必要により水および/または水と相溶性のない有機溶媒と混合した後に、有機層と水層とを分離すれば、有機層として、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを取り出すことができる。
上記の6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを取り出すために有機層と水層とを分離する処理において、水層のpHが高すぎると6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンが加水分解するおそれがあり、低すぎると3−ヒドロキシメチル−2,2−シクロプロパンカルボン酸が有機層に多く含まれるおそれがある。したがって、当該処理時の水層のpHは、通常0〜10、好ましくは6〜8の範囲である。該pH調整には酸や塩基を適宜使用することができる。
上記pH調整に用いる酸としては、上記酸処理に用いる酸として例示されたものが挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩;リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;アンモニア;等が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属水酸化物である。
水と相溶性のない有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキエタン等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;等が挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素溶媒であり、より好ましくはトルエンである。これらの溶媒は、2種以上を混合して用いてもよい。
上記後処理時の温度は、通常0〜100℃、好ましくは10〜50℃の範囲である。
上記後処理により得られた6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを含む有機層に、濃縮等の通常の単離処理を施すことにより、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを単離することができる。
上記単離処理後の処理物に、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンとともに、不純物として3−ヒドロキシメチル−2,2−シクロプロパンカルボン酸が含まれる場合は、蒸留処理により6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを精製することもできる。蒸留処理は、もちろん精留により実施してもよいが、工業的により簡便に実施可能な単蒸留でも十分精製可能である。蒸留処理時の圧力は特に限定されないが、通常0.01〜20KPaの範囲である。蒸留温度は上記圧力条件により異なるが、通常50〜300℃の範囲である。
また、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンよりも沸点の高い溶媒の存在下で上記蒸留処理を行うことも可能である。かかる溶媒の存在下に蒸留操作を行うことにより、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの回収率を向上させることが可能となり、工業的に有利である。かかる目的で用いる溶媒としては、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンよりも沸点の高い溶媒であれば、特に限定されず、例えば、流動パラフィン、ミネラルオイル、高級脂肪酸や高級脂肪酸エステル等が挙げられる。具体的には、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。
シクロプロパン化合物(1)としてラセミ体を用いれば、通常、ラセミの6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンが得られ、シクロプロパン化合物(1)として光学活性体を用いれば、通常、光学活性な6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンが得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例1
(1R,3S)−cis−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
酢酸銅(II)と(S)−N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノールとを反応せしめてなる銅錯体0.834kg(1.20mol)と1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン30.8kg(240mol)を酢酸エチル47.2kgに溶解させ、10℃に調整した後、フェニルヒドラジン0.16kg(1.45mol)を加えて0.5時間攪拌した。この溶液にジアゾ酢酸エチル13.7kg(120mol)を含むトルエン溶液35.0kgを同温度で9時間かけて滴下し、同温度で2時間保温した。この溶液に1l当り0.5molのエチレンジアミン四酢酸−3ナトリウム塩を含む水溶液の21.9kgを加えて混合、分液し、有機層にさらに水11.0kgを加えて混合、分液した。得られた有機層における溶媒を減圧条件下に留去後、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル19.3kg(ジアゾ酢酸エチルに対する収率75.0%)を含む溶液30.5kgを得た。cis体/trans体比は83.4/16.6であり、(1R)−cis体の光学純度は93.4%eeであった。
3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルの定量およびcis/trans比は、ガスクロマトグラフィーにより求めた。カラムは、J&J社製のDB−WAX(0.25μm)、0.25mmφ×30mを使用した。
一方、光学純度は高速液体クロマトグラフィーにより求めた。カラムは、ダイセル社製のCHIRALCEL OJ−R、4.6mmφ×15cm(2本)を使用した。
(1R,3S)−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルの沸点及びH−NMR(CDCl使用)の結果を以下に示す。
沸点:112〜116℃(1.0KPa)
:δ=4.49dd(2H),4.40dd(2H),4.11q(2H),2.05s(3H),1.59d(1H),1.44dt(1H),1.27s(3H),1.26t(3H),1.20s(3H)
実施例2
(1S,3R)−cis−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
酢酸銅(II)と(R)−N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノールとを反応せしめてなる銅錯体30mg(0.039mmol)を酢酸エチル1.2gに溶解させ、フェニルヒドラジン0.0044mg(0.041mmol)と酢酸エチル4.5gからなる溶液を加えた。この溶液を20℃に調整し、ジアゾ酢酸エチル0.46g(4.03mmol)と1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン5.15g(40.2mmol)からなる溶液を2時間かけて滴下した。同温で0.5時間保温の後、溶媒を留去後、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル0.46g(ジアゾ酢酸エチルに対する収率53%)を含む溶液を得た。cis体/trans体比は77/23であり、(1S)−cis体の光学純度は86%eeであった。
実施例3
(1S,3R)−cis−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
実施例2の銅錯体に代えて、酢酸銅(II)と(R)−N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノールとを反応せしめてなる銅錯体27mg(0.039mmol)を使用した以外は、実施例2と同様にして3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル0.59g(ジアゾ酢酸エチルに対する収率68%)を含む溶液を得た。cis体/trans体比は75/25であり、(1S)−cis体の光学純度は91%eeであった。
実施例4
ラセミ−cis−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
トリフェニル酢酸ロジウム6.78mg(0.01mmol)を酢酸エチル9.0gに溶解させ、1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン2.56g(20.0mmol)を加えた後、50℃に昇温した。この溶液にジアゾ酢酸エチル1.14g(10.0mmol)と酢酸エチル3.6gからなる溶液を2時間かけて滴下し、同温度で0.5時間保温した。この溶液に1l当り0.5molのエチレンジアミン四酢酸−3ナトリウム塩を含む水溶液を加えて混合、分液し、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル1.82g(ジアゾ酢酸エチルに対する収率84.8%)を含む溶液を得た。cis体/trans体比は72/28であった。
実施例5
(1R,5S)−6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの合成:
実施例1で得られた3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル8.53kg(39.8mol、cis体/trans体比は83.4/16.6、(1R)−cis体の光学純度は93.4%ee)を含む溶液13.5kgに水9.1kgを加え50℃まで昇温後、28%水酸化ナトリウム水溶液24.2kgを4時間かけて滴下し、同温度で2時間保温した。3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルが消失し、3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸に変換されたことを確認した後、この溶液にトルエン25.6kgを加え混合、分液して有機層を除去した。さらに水層にトルエン17.1kgを加え混合、分液し同様に有機層を除去した。得られた水層に35%塩酸21.8kgを20℃で加え3時間保温した。cis−3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンに変換されたことを確認した後、28%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し溶液のpHを7とした。この溶液からトルエン17.1kgを用いて3回抽出操作を行い、得られたトルエン溶液3つを合一して6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン4.05kg(32.1mol、cis−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルに対する収率96.7%)を含むトルエン溶液55.7kgを得た。このトルエン溶液中にはtrans−3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸は検出されなかった。
実施例7
(1R,5S)−6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの合成:
3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル512.1g(2.39mol、cis体/trans体比は80.3/19.7、(1R)−cis体の光学純度は93.3%ee)を含む溶液747gを50℃まで昇温後、20%水酸化ナトリウム水溶液1975gを滴下し、同温度で10時間保温した。この溶液にトルエン1536gを加え混合、分液して有機層を除去した。
さらに水層にトルエン1024gを加え混合、分液して有機層を除去した。得られた水層に35%塩酸1277gを加え50℃で1時間保温した。
得られた溶液4041gのうち、20.1gを用いて以降のcis体/trans体分離操作を行った。この溶液20.1gに20%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、溶液のpHを3とした。この溶液からトルエン7.8gを用いて3回抽出操作を行い、得られた有機層を合一した。次いで、トルエンを留去後、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン1.17g(9.27mmol、cis−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルに対する収率97.2%、(1R,5S)−体の光学純度92.8%ee)を含む溶液1.49gを得た。このトルエン溶液にはtrans−3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が0.057g(0.39mmol)存在した。
この溶液はさらに実施例6と同様の蒸留をすることで完全にtrans−3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンとを分離精製できた。
実施例8
(1R,5S)−6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの合成:
実施例7の6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンのトルエンによる抽出時のpHを1とした以外は実施例7と同様にして、6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン1.20g(9.49mmol、cis−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルに対する収率99.4%、(1R,5S)−体の光学純度92.8%ee)を含む溶液1.46gを得た。このトルエン溶液中にはtrans−3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が0.062g(0.43mmol)存在した。
この溶液はさらに実施例6と同様の蒸留をすることによって、trans−3−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンとに分離できた。
実施例9
(1R,3S)−cis−3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
酢酸銅(II)と(S)−N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノールとを反応せしめてなる銅錯体278mg(0.40mmol)を1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン15.75g(122.9mmol)に溶解させた。この溶液を10℃に調整し、フェニルヒドラジン0.053g(0.48mmol)と1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン0.46g(3.6mmol)からなる溶液を加え、同温度で5分間保温した後、ジアゾ酢酸エチル4.56g(40.0mmol)と1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン5.33g(41.6mmol)とトルエン3.60gからなる溶液を10時間かけて滴下した。同温度で0.5時間本後、この溶液に1l当り0.5molのエチレンジアミン四酢酸−3ナトリウム塩を含む水溶液の8.0gを含む水溶液の8.0gを加えて混合、分液し、3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル6.81g(ジアゾ酢酸エチルに対する収率79.5%)を含む溶液33.23gを得た。cis体/trans体比は83.1/16.9であり、(1R)−cis体の光学純度は90.8%eeであった。

Claims (12)

  1. 式(1)
    Figure 0005082382
    (式中、Rはアルキル基を表し、Rはアルキル基もしくはハロアルキル基またはアルキル基で置換されていてもよいアリール基を表す。Rがアルキル基の場合、RとRは互いに同一であっても相異なっていてもよい。)
    で示されるシクロプロパン化合物をアルカリ加水分解反応後、酸処理する反応に付した後に、水層を除去する6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの製造法。
  2. アルカリ加水分解反応が、アルカリ金属水酸化物の存在下に実施する加水分解反応である請求項1に記載の製造法。
  3. 除去する水層のpHが、0〜10の範囲である請求項1または2に記載の製造法。
  4. 除去する水層のpHが、6〜8の範囲である請求項1または2に記載の製造法。
  5. 水層の除去を、水と相溶性のない有機溶媒の存在下に実施する請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
  6. 水と相溶性のない有機溶媒が、芳香族炭化水素溶媒である請求項5に記載の製造法。
  7. 芳香族炭化水素溶媒が、トルエンである請求項6に記載の製造法。
  8. 式(1)で示されるシクロプロパン化合物が、式(2)
    Figure 0005082382
    (式中、Rは上記と同一の意味を表す。)
    で示されるジアゾ酢酸エステルと、式(3)
    Figure 0005082382
    (式中、Rは上記と同一の意味を表す。)
    で示されるオレフィン化合物とを、金属触媒の存在下に反応させて得られるシクロプロパン化合物である請求項1〜7のいずれかに記載の製造法。
  9. 金属触媒が、ロジウムのカルボン酸塩である請求項8に記載の製造法。
  10. 金属触媒が、式(6)
    Figure 0005082382
    (式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはシアノ基を表し、Rはアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。また、該化合物が光学活性体である場合に*は不斉中心を表す。)
    で示されるサルドイミン化合物と銅化合物とを反応させてなる銅錯体である請求項8に記載の製造法。
  11. 式(6)で示されるサルドイミン化合物が、N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノールまたはN−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノールである請求項10に記載の製造法。
  12. 式(6)で示されるサルドイミン化合物が、光学活性体であり、得られる6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンが、光学活性体である請求項10または11に記載の製造法。
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