JP5081770B2 - 画像処理装置、画像処理プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Description
(注1)sRGB:IEC(国際電気標準会議)が1998年に策定した色空間の国際標準規格汎用の色空間である。
(注2)AdobeRGB:Adobe Systemsによって提唱された色空間定義であり、sRGBよりも遥かに広いRGB色再現領域を持ち、DTPなどの分野では標準的に使用されている。
(注3)CIELAB:国際照明学会(CIE)が定め、JISにも規定されている均等色空間の国際標準。
(注4)CIECAM02:Colour Appearance Model 2002の略であり、CIELAB同様、CIEから2004年に発行された色の見えモデル。
C=√(a*×a*+b*×b*) 式(1)
H=atan2(a*、b*)×180/π 式(2)
ただし、a*=b*=0のとき、H=0
H<0のとき、H=360+H
sRGBからCIECAM02への変換式は省略するが、変換によりJ、aC、bCのデータが得られ、JはCIELABのL*、aCはa*、b*はbCにそれぞれ対応している。したがって、式(1)、(2)によりCIECAM02色空間にける彩度C、色相Hを同様に求めることができる。
図13(a)のカラー画像表示装置等の入力ガマット(実線で示した領域)上にある点sを、カラー画像出力装置等の出力ガマット(点線で示した領域)上の点tへ貼り付ける処理をガマット圧縮という。入力ガマットの点sを出力ガマットのどこに対応させるかによって色再現の良し悪しが決まる。代表的な方法として、明度Jを保存する明度保存法、距離最小の点に貼り付ける色差最小法、彩度Cを保存する彩度保存法がある(図13(b))。入力ガマット内の点に対し、前記点が出力ガマット内なら出力ガマット内部のどの点と対応させるのか、出力ガマット外ならどの様にガマット圧縮を行うのか、これらを調整することによって、カラープリンタで出力するための色変換パラメータを生成する。また、色変換パラメータはイメージ、グラフィックス、テキストといったオブジェクト毎に異なり、例えばイメージは階調性に優れた色再現、グラフィックスは鮮やかな色再現が実現できるように各社工夫を施している。
即ち、特許文献1には、予め、前記明度保存法、色差最小法、彩度保存法といった複数のガマット圧縮法を持ち、各ガマット圧縮方式による入出力画像の色分布体積の変化量、彩度レンジの変化量、明度レンジの変化量からなる特徴量を抽出し、その評価結果から最も評価が高いガマット圧縮方法を選択する。しかし、特許文献1は複数のガマット圧縮方法、複数のガマット圧縮方向が予め決められており、処理対象のオブジェクトに対し、最も評価が高いガマット圧縮方法及び方法を選択するものである。
また、特許文献3には、画像データの特徴量として階調色の方向とヒストグラムを用いている。前者を利用してどの方向に圧縮するかの方向を決定し、後者を利用して画像データ出力装置の色再現範囲(=出力ガマット)へのクリッピングか、内部まで圧縮するガマット圧縮なのかを切り替えることが開示されている。
一方、入力画像の特徴を活かしたガマット圧縮方法ではないが、用紙等の各種印刷条件に対応した色補正方法が特許文献4に開示されている。特許文献4は、入力画像に対し、オブジェクト毎に適した色再現を実現する色変換テーブルで色変換(RGB→CMYK)を行った後に、画質、定着温度、トナー総量、用紙、トレイ、プロセススピードとリンクした出力補正テーブルでCMYKからCMYKへの補正を行うもので、これにより、用紙の種類によって異なる出力ガマットの差異を吸収するものである。
また、特許文献1〜3に開示されている従来技術は、用紙の違いによるガマット圧縮方法、方向の調整については言及していない。
また、特許文献4に開示されている従来技術は、特許文献1から3にある入力画像に応じたガマット圧縮方法ではないため、入力画像の特徴を活かし、かつ、用紙の種類によって異なる出力ガマットを加味した色変換はできないといった課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、用紙による出力ガマットの差を加味し、かつ、入力画像に応じたガマット圧縮を行うことにより、ガマット外のデータが多いクラスタに対して適切なガマット圧縮を行うことができ、且つ、記録媒体のガマットに応じてガマット圧縮方向を決定するので、記録媒体ガマット境界での階調の飛びが発生せず、彩度不足を低減した画像処理装置を提供することを目的とする。
請求項2は、前記クラスタを変位させた後、前記第2ガマットへのガマット圧縮は、入力ガマット上にある点を出力ガマット上の最小距離点に貼り付ける色差最小法であることを特徴とする。
請求項3は、前記第1ガマットと第2ガマットの最高彩度点の差に応じて、クラスタの移動量を算出し、前記クラスタの変位方向は前記第2ガマットの稜線で、且つ彩度が高くなる方向であることを特徴とする。
請求項5は、クラスタリングの際、明度軸から所定の彩度以下の画像データを除外することを特徴とする。
請求項6は、入力する画像データが定義された入力色空間の白色点及び出力する記録媒体の紙白に完全順応することを特徴とする。
請求項7は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像処理装置に係る画像処理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする。
請求項8は、請求項7に記載の画像処理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
図1は本発明に係る画像処理装置の機能ブロックの一例を示す図である。このカラーMFP(画像処理装置)1は、紙や書籍などを載置し、画像を取り込むカラー画像読取部10と、装置に設定されている情報などを表示する、あるいは装置へ情報を入力する表示・操作・入力部11と、記録媒体である紙やフィルムなどにカラー画像を形成するカラー画像形成部12と、読み取った画像、外部から入力された画像の画像処理を行う画像処理部13と、装置外部機器との通信を担う外部I/F14と、これらが装置の各種制御を行う制御部15と、を備えて構成されている。
カラーMFP1とPC(Personal Computer)17はユニークなアドレスが設定されており、ネットワーク16を経由し、これら装置間で各種データの送受信が行われる。PC17に蓄積されているドキュメントデータや各種アプリケーションソフトウェアを利用して作成したイメージ、グラフィックス、テキストといったオブジェクトから構成されるドキュメントデータは、PC17にインストールされているカラーMFP1専用のプリンタドライバの設定に基づき、カラー画像形成部12からプリントアウトされる。プリンタドライバで設定する情報はプロセス系と画質系の2系統に大別できる。記録媒体の種類(例えば、上質紙、コート紙、アート紙など)や紙厚(メートル坪量g/m^2など)の情報(=記録媒体情報)により、カラー画像形成部12で記録媒体に適した印刷速度、定着温度などのプロセス制御が行われる。オブジェクトの種類、記録媒体の種類などからは色補正パラメータ、ディザ、色材の総量規制といった画像制御が行われる。
ところで、入力ガマットと出力ガマットとの差は大きい。そこで、この差を吸収するには、図示しないが、後述する記録媒体の第1ガマットを包含する仮想ガマットを置き、その仮想ガマットへ一旦適切なガマット圧縮方法を適用してガマット圧縮を行い、ガマットの差を狭めておくとより効果的である。ここで、仮想ガマットは記録媒体のガマットを包含するガマットであれば良く、仮想ガマットに対するガマット圧縮方法も特に限定はしない。
クラスタ変位部104では各クラスタの塊ごと知覚色空間上で変位(=移動)させる。変位後、図13(b)記載の色差最小法でガマット圧縮を行い、第2出力ガマットの最外殻へクリッピングを行い、そのJaCbCを入力としプリンタシミュレータを用いてCMYKを算出する。クラスタの変位については、後述するガマット圧縮決定部105でより詳細に説明する。
ΔC=C1max−C2max 式(3)
となる。この用紙の最高彩度の差を利用し、クラスタを変位させる。変位量Tは、
T=k・ΔC 式(4)
ただし、0<k≦1
とし、その方向はC2maxが広がる方向、具体的には点u0から点u1に向かうベクトルに準じる。結果、図6(a)のクラスタは楕円点線に変位する。変位後、第2ガマットへの色差最小方向と第2ガマットとの交点u0’、u1’を求める(図6(b))。最終的に、図6(c)の様に、クラスタの点sは点u0’、点s1は点u1’に対応する様にガマット圧縮方向が決定される。
ガマット圧縮後、画像処理部106で第2ガマットのプリンタシミュレータを用いてJaCbCからCMYKへ変換し、カラー画像形成部12でプリント可能なデータへ変換する。
J(C1max)−ΔL≦J(CL)≦J(C1max)+ΔL 式(5)
のときの処理例である。式(5)の条件に合致する場合、変位量Tは式(4)であるが、その方向を点C1maxから点C2maxへ向かうベクトルに準じて変位させる。楕円のグレー領域は楕円点線へと変位し、第2ガマットへの色差最小法でのガマット圧縮点u0’、u1’vを求め(図8(b))、最終的に、図8(c)の様に、クラスタの点sは点u0’、点s1は点u1’にガマット圧縮方向が決定される。
画像処理部13の他の実施例を図10に示す。図2と異なる部分のみ説明する。クラスタリング部101へ入力するデータとして、
彩度C>Cgray 式(6)
Cgray:予め設定しておくグレーの彩度上限値を満足するデータのみとし、満たさない場合はガマット圧縮決定部105へ入力する。
画像処理部13の他の実施例を図11に示す。図2と異なる部分のみ説明する。記録媒体情報で出力ガマットDB102にアクセスし、該当する紙白三刺激値Xp、Yp、Zpを画像処理部100にセットする。記録媒体情報例を図12に示す。
ただし、Fは周囲の観察条件によって決まっている定数、Laも定数で順応輝度を表す。
そして、ガマット圧縮決定部105でのガマット圧縮後、画像処理部B106ではCIECAM02空間のデータJaCbCを図5(b)の記録媒体の特性情報でCMYKに変換する。この特性情報を生成する際、JaCbCからDファクタ=1で三刺激値XYZへ変換し、紙白の三刺激値Xp、Yp、Zpを介し、CMYKを生成しておく。
Claims (8)
- 画像データの特徴量に基づいて、ガマット圧縮方向を決定する画像処理装置において、
画像形成に用いる記録媒体の特性に関する記録媒体情報を設定する媒体情報設定手段と、
1つ以上の前記記録媒体情報を記録保持する記録保持手段と、
前記記録媒体情報を用いて前記記録保持手段から記録媒体の特性情報を設定する特性情報設定手段と、
画像データの特徴量を任意の色空間におけるクラスタリングにより算出する特徴量算出手段と、
前記特徴量と、基準となる記録媒体の第1ガマットと指定された記録媒体の第2ガマットとの差に基づいてクラスタを変位させ、ガマット圧縮方向を決定するガマット圧縮決定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記クラスタを変位させた後、前記第2ガマットへのガマット圧縮は、入力ガマット上にある点を出力ガマット上の最小距離点に貼り付ける色差最小法であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記第1ガマットと第2ガマットの最高彩度点の差に応じて、クラスタの移動量を算出し、前記クラスタの変位方向は前記第2ガマットの稜線で、且つ彩度が高くなる方向であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタの重心が所定の第1ガマットの最高彩度点を基準とする所定の明度範囲内にある場合、前記クラスタの変位方向は前記第1ガマットの最高彩度点から前記第2ガマットの最高彩度点を結ぶ方向であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- クラスタリングの際、明度軸から所定の彩度以下の画像データを除外することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 入力する画像データが定義された入力色空間の白色点及び出力する記録媒体の紙白に完全順応することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像処理装置に係る画像処理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする画像処理プログラム。
- 請求項7に記載の画像処理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
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