JP2024008264A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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孝大 村澤
Kota Murasawa
隆 中村
Takashi Nakamura
英嗣 香川
Hidetsugu Kagawa
明彦 仲谷
Akihiko Nakaya
顕季 山田
Akitoshi Yamada
健太郎 矢野
Kentaro Yano
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Abstract

【課題】本発明は、色の弁別性を考慮して色縮退をより効果的に低減させるマッピングを実現する画像処理装置を提供することを目的とする。【解決手段】画像処理装置は、第1画像データを入力する入力手段と、前記第1画像データの第1色域を、前記第1画像データを出力するデバイスの第2色域に変換する変換手段を用いて、前記第1画像データから第2画像データを生成する生成手段と、前記第1色域から前記第2色域への変換結果に基づいて、前記変換手段を補正する補正手段と、を備える。前記生成手段は、前記補正手段により前記変換手段を補正した場合、前記補正した変換手段を用いて、前記第1画像データから第3画像データを生成し、前記第3画像データにおいては、前記補正した変換手段による変換によって、前記第2画像データ上での明度差が大きくなるように補正され、前記明度差は、前記第2画像データ上の第1色情報と第2色情報との間の明度差である。【選択図】図2

Description

本発明は、カラーマッピングを実行可能な画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
所定の色空間で記述されたデジタル原稿を受け取り、その色空間中の各色についてプリンタで再現可能な色域へのマッピングを行い、出力を行う画像処理装置が知られている。特許文献1には、「知覚的」(Perceptual)なマッピングと、「絶対的測色的」(Absolute Colorimetric)なマッピングについて記載されている。また、特許文献2には、入力したカラー画像信号に対する、色空間圧縮の有無および圧縮方向の決定について記載されている。
特開2020-27948号公報 特開平07-203234号公報
例えば、第1色相範囲にある第1色と、第1色相範囲から十分に離れた第2色相範囲にある第2色を含む画像データをデバイス色空間にガマットマッピングする際に、第1色と第2色との間に十分な色差があったとしても、デバイス色空間への色域圧縮に伴う低彩度側への移動により第1色と第2色が無彩色に近くなり、その結果、第1色と第2色の弁別性が低下してしまう。
そこで、本発明は、色の弁別性を考慮して色縮退をより効果的に低減させるマッピングを実現する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像処理装置は、第1画像データを入力する入力手段と、前記第1画像データの第1色域を、前記第1画像データを出力するデバイスの第2色域に変換する変換手段を用いて、前記第1画像データから第2画像データを生成する生成手段と、前記第1色域から前記第2色域への変換結果に基づいて、前記変換手段を補正する補正手段と、を備え、前記生成手段は、前記補正手段により前記変換手段を補正した場合、前記補正した変換手段を用いて、前記第1画像データから第3画像データを生成し、前記第3画像データにおいては、前記補正した変換手段による変換によって、前記第2画像データ上での明度差が大きくなるように補正され、前記明度差は、前記第2画像データ上の第1色情報と第2色情報との間の明度差である、ことを特徴とする。
本発明によれば、色の弁別性を考慮して色縮退をより効果的に低減させることができる。
画像処理装置の構成を示すブロック図である。 画像処理を示すフローチャートである。 色縮退補正後テーブルの作成処理を示すフローチャートである。 色縮退を説明するための図である。 S202の色縮退判定処理を説明するための図である。 S205の色縮退補正処理を説明するための図である。 明度補正テーブルを示す図である。 S205の色縮退補正処理を説明するための図である。 領域毎に色縮退補正処理を行う処理を示すフローチャートである。 原稿ページを説明するための図である。 領域設定をタイル単位で行う処理を示すフローチャートである。 原稿ページのタイル設定のイメージを示す図である。 領域設定終了後の各タイル領域を示す図である。 記録ヘッド周辺の構成を示す図である。 UI画面を示す図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1実施形態]
本明細書で使用する用語について、あらかじめ以下のように定義する。
(色再現域)
「色再現域」は、色再現範囲、色域、ガマットともいう。一般的には、「色再現域」は、任意の色空間における再現可能な色の範囲のことを指す。また、この色再現域の広さを表す指標として、色域体積がある。色域体積は、任意の色空間での3次元の体積のことである。色再現域を構成する色度点が離散的であることがある。例えば、特定の色再現域をCIE-L*a*b*上の729点をもって代表させ、その間の点については、四面体補間や立方体補間などの公知の補間演算を用いて求めることがある。このような場合には、対応する色域体積は補間演算方法に対応して、色再現域を構成する四面体や立方体などのCIE-L*a*b*上の体積を求めて累積したものを使用することができる。本実施形態における色再現域や色域も特定の色空間に限られるものではないが、本実施形態では、CIE-L*a*b*空間での色再現域を一例として説明している。また、本実施形態中での色再現域の数値は、四面体補間を前提としてCIE-L*a*b*空間で累積計算した場合の体積を示している。
(ガマットマッピング)
ガマットマッピングとは、異なる色域間を変換する処理のことであり、例えば、入力色域をプリンタ等のデバイスの出力色域にマッピングすることである。ICCプロファイルのPerceptual、Saturation、Colorimetric等が一般的である。マッピング処理は、例えば、3次元ルックアップテーブル(3DLUT)による変換で実現されても良い。また、標準色空間に色空間変換後、マッピング処理を行っても良い。例えば、入力色空間がsRGBであった場合、CIE-L*a*b*色空間に変換し、そして、CIE-L*a*b*色空間上で、出力色域にマッピング処理を行う。マッピング処理は、3DLUTによる変換でも良いし、変換式を用いても良い。また、入力時の色空間と出力時の色空間の変換を同時に行っても良い。例えば、入力時はsRGB色空間であり、出力時はプリンタ固有のRGB値またはCMYK値に変換しても良い。
(原稿データ)
原稿データとは、処理対象の入力デジタルデータ全体のことをいう。原稿データは、1ページから複数ページを含んで構成されている。各単ページは、画像データとして保持されても良いし、描画コマンドとして表現されても良い。描画コマンドで表現されている場合、レンダリングを行い、画像データに変換してから処理が行われても良い。画像データは、複数の画素が2次元に並んで構成されている。画素は、色空間内の色を表す情報を保持している。色を表す情報としては、例えば、RGB値、CMYK値、K値、CIE-L*a*b*値、HSV値、HLS値などがある。
(色縮退)
本実施形態において、任意の2つの色に対して、ガマットマッピングを行う際に、所定の色空間におけるマッピング後の色間の距離がマッピング前の色間の距離より小さくなることを色縮退と定義する。具体的には、デジタル原稿における色Aと色Bがあり、プリンタの色域にマッピングすることで色Aが色Cに、色Bが色Dに変換されたとする。その場合、色Cと色Dの色間の距離が色Aと色Bの色間の距離より小さくなっていることを色縮退と定義する。色縮退が起こると、デジタル原稿において異なる色だと認識していたものが、印刷すると同じ色として認識してしまう。例えば、グラフは、異なる項目を異なる色にすることにより異なる項目であることを認識させている。色縮退が起こることにより、異なる色が同じ色と認識され、グラフの異なる項目も同じ項目であると誤認させてしまう可能性がある。ここでの色間の距離を算出する所定の色空間は、任意の色空間で良い。例えば、sRGB色空間、Adobe RGB色空間、CIE-L*a*b*色空間、CIE-LUV色空間、XYZ表色系色空間、xyY表色系色空間、HSV色空間、HLS色空間などである。
図1は、本実施形態における画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置101として、例えば、PCやタブレット、サーバや記録装置が用いられる。図1は、画像処理装置101が記録装置108と別に構成された一例を示している。CPU102は、HDDやROMなどの記憶媒体104に記憶されているプログラムをワークエリアとしてのRAM103に読み出して実行することにより各種画像処理を実行する。例えば、CPU102は、Human Interface Device(HID)I/F(不図示)を介してユーザからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドや、記憶媒体104に記憶されているプログラムに従って、各種画像処理を実行する。また、CPU102は、データ転送I/F106を介して取得した原稿データに対し、記憶媒体104に記憶されているプログラムに従って所定の処理を行う。そして、CPU102は、その結果や様々な情報をディスプレイ(不図示)に表示し、データ転送I/F106を介して送信する。
画像処理アクセラレータ105は、CPU102よりも高速に画像処理を実行可能なハードウェアである。画像処理アクセラレータ105は、CPU102が画像処理に必要なパラメータとデータをRAM103の所定のアドレスに書き込むことにより起動される。画像処理アクセラレータ105は、上記のパラメータとデータを読み込んだ後、そのデータに対して画像処理を実行する。但し、画像処理アクセラレータ105は必須な要素ではなく、同等の処理をCPU102で実行するようにしても良い。画像処理アクセラレータは、具体的には、GPUや専用に設計された電気回路である。上記のパラメータは、記憶媒体104に記憶されても良いし、データ転送I/F106を介して外部から取得しても良い。
記録装置108では、CPU111は、記憶媒体113に記憶されているプログラムをワークエリアとしてのRAM112に読み出して実行することにより記録装置108を統括的に制御する。画像処理アクセラレータ109は、CPU111よりも高速に画像処理を実行可能なハードウェアである。画像処理アクセラレータ109は、CPU111が画像処理に必要なパラメータとデータをRAM112の所定のアドレスに書き込むことにより起動される。画像処理アクセラレータ109は、上記のパラメータとデータを読み込んだ後、そのデータに対して画像処理を実行する。但し、画像処理アクセラレータ109は必須な要素ではなく、同等の処理をCPU111で実行するようにしても良い。上記のパラメータは記憶媒体113に記憶されても良いし、フラッシュメモリやHDDなどのストレージ(不図示)に記憶されても良い。
ここで、CPU111または画像処理アクセラレータ109が行う画像処理について説明する。画像処理は、例えば、取得した記録データに基づいて、記録ヘッド115による各走査でのインクのドット形成位置を示すデータを生成する処理である。CPU111または画像処理アクセラレータ109は、取得した記録データの色変換処理と量子化処理を行う。
色変換処理は、記録装置108で扱うインク濃度に色分解する処理である。例えば、取得した記録データには、画像を示す画像データが含まれる。画像データがモニタの表現色であるsRGB等の色空間座標で画像を示すデータである場合、そのsRGBの色座標(R、G、B)で画像を示すデータは、記録装置108で扱うインクデータ(CMYK)に変換される。色変換方法は、マトリクス演算処理や3DLUT、4DLUTを用いた処理等によって実現される。
本実施形態では、記録装置108は、一例として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを記録に用いる。そのため、RGB信号の画像データは、K、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像データに変換される。各色の色信号は各インクの付与量に対応する。また、インク色の数としてはK、C、M、Yの4色を例に挙げたが、画質向上の為に、蛍光インク(F)、濃度の薄いライトシアン(Lc)やライトマゼンタ(Lm)やグレー(Gy)のインクなど、他のインク色が用いられても良い。その場合、それらのインクに応じた色信号が生成される。
色変換処理の後、インクデータに対して量子化処理を行う。量子化処理は、インクデータの階調のレベル数を下げる処理である。本実施形態では、各画素についてインクデータの値と比較するための閾値を配列したディザマトリックスを用いて量子化を行う。量子化処理を経て、最終的には、各ドット形成位置にドットを形成するかしないかを示す二値データが生成される。
画像処理が行われた後、記録ヘッドコントローラ114によって、記録ヘッド115へ二値データが転送される。同時に、CPU111は、記録ヘッドコントローラ114を介して、記録ヘッド115を動作させるキャリッジモータ(不図示)を動作させ、さらに、記録媒体を搬送する搬送モータを動作させるよう記録制御を行う。記録ヘッド115は、記録媒体上を走査し、同時に、記録ヘッド115によってインク滴が記録媒体上に吐出されることにより、画像が形成される。
画像処理装置101と記録装置108との間は、通信回線107を介して接続されている。本実施形態では、通信回線107の一例としてローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を説明するが、USBハブ、無線のアクセスポイントを用いた無線通信ネットワーク、WiFiダイレクト通信機能を用いた接続等であっても良い。
以下、記録ヘッド115が、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ-(Y)、ブラック(K)の4色のカラーインクのノズル列を有するものとして説明する。
図14は、本実施形態における記録ヘッド115を説明するための図である。本実施形態では、1ノズル列分の単位領域に対して、N回の複数回走査で画像が記録される。記録ヘッド115は、キャリッジ116と、ノズル列115k、115c、115m、115yと、光学センサ118とを有する。5つのノズル列115k、115c、115m、115yと光学センサ118とを搭載したキャリッジ116は、ベルト117を介して伝達されるキャリッジモータの駆動力によって、図中X方向(主走査方向)に沿って往復移動可能である。キャリッジ116が、記録媒体に対し相対的にX方向に移動するとともに、ノズル列の各ノズルからインク滴が記録デ-タに基づいて重力方向(図中-z方向)に吐出される。これにより、プラテン119上に載置された記録媒体に主走査1/N回分の画像が記録される。1回分の主走査が完了すると、記録媒体は主走査1/N回分の幅に対応する距離だけ、主走査方向と交差する搬送方向に沿って(図中-y方向)搬送される。これらの動作により、N回の複数走査で1ノズル列分の幅の画像が記録される。このような主走査と搬送動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に徐々に画像が形成される。このようにして、所定領域に対する画像記録を完成させるように制御が行われる。
図2は、本実施形態における画像処理装置101の画像処理を示すフローチャートである。本実施形態では、図2の処理により、色縮退する色の組み合わせに対して、所定の色空間における色間の距離を大きくすることができる。その結果、色縮退の度合を低減することができる。図2の処理は、例えば、CPU102が記憶媒体104に記憶されているプログラムをRAM103に読み出して実行することにより実現される。また、図2の処理は、画像処理アクセラレータ105により実行されても良い。
S101において、CPU102は、原稿データを入力する。例えば、CPU102は、記憶媒体104に保存されている原稿データを取得する。また、CPU102は、データ転送I/F106を介して原稿データを取得しても良い。CPU102は、入力された原稿データから色情報を含む画像データを取得する(色情報の取得)。画像データは、所定の色空間で表現された色を表す値を含んでいる。色情報の取得では、色を表す値が取得される。色を表す値には、例えば、sRGBデータ、Adobe RGBデータ、CIE-L*a*b*データ、CIE-LUVデータ、XYZ表色系データ、xyY表色系データ、HSVデータ、HLSデータである。
S102において、CPU102は、記憶媒体104に予め記憶された色変換情報を用いて、画像データに対して色変換を行う。本実施形態における色変換情報は、ガマットマッピングテーブルであり、画像データの各画素の色情報に対してガマットマッピングを行う。ガマットマッピング後の画像データは、RAM103または記憶媒体104に記録される。具体的には、ガマットマッピングテーブルは、3DLUTである。3DLUTによって、入力画素値(Rin,Gin,Bin)の組み合わせに対して、出力画素値(Rout,Gout,Bout)の組み合わせを算出することができる。入力値であるRin、Gin、Binがそれぞれ256諧調を持つ場合、256×256×256の合計16,777,216組の出力値を持つテーブルTable1[256][256][256][3]を用いることが好ましい。CPU102は、ガマットマッピングテーブルを用いて色変換を行う。具体的には、S101において入力された画像データのRGB画素値で構成される画像の各画素に対して、下記の処理をすることで実現される。
Rout=Table1[Rin][Gin][Bin][0] ・・・(1)
Gout=Table1[Rin][Gin][Bin][1] ・・・(2)
Bout=Table1[Rin][Gin][Bin][2] ・・・(3)
また、LUTのグリッド数を256グリッドから例えば16グリッドに減らし、複数のグリッドのテーブル値を補間して出力値を決定する等、テーブルサイズを小さくするようにしても良い。
S103において、CPU102は、S101で入力された画像データと、S102で行ったガマットマッピング後の画像データと、ガマットマッピングテーブルとを用いて、色縮退補正後テーブルを作成する。色縮退補正後テーブルの形式は、ガマットマッピングテーブルの形式と同様である。S103については後述する。
S104において、CPU102は、S103で作成された色縮退補正後テーブルを用いて、S101で入力された画像データに適用(演算)することで、色縮退補正が行われた補正後画像データを生成する。生成された色縮退補正後画像データは、RAM103または記憶媒体104に記憶される。
S105において、CPU102は、S104で生成された色縮退補正後画像データをデータ転送I/F106を介して出力する。ガマットマッピングは、sRGB色空間から記録装置108の色再現色域へのマッピングであっても良い。その場合には、記録装置108の色再現色域内へのガマットマッピングによる色縮退を抑制することができる。
S103の色縮退補正後テーブル作成処理について、図3を用いて詳細に説明する。図3の処理は、例えば、CPU102が記憶媒体104に記憶されているプログラムをRAM103に読み出して実行することにより実現される。また、図3の処理は、画像処理アクセラレータ105により実行されても良い。
S201において、CPU102は、S101で入力された画像データが有するユニーク色を検出する。本実施形態において「ユニーク色」の用語は、画像データで使用されている色を表すものとする。例えば、白地で黒字のテキストデータであれば、ユニーク色は、白と黒である。また、例えば、写真等の画像であれば、ユニーク色は、その写真で使用されている色である。CPU102は、検出結果をRAM103または記憶媒体104にユニーク色リストとして記憶する。ユニーク色リストは、S201の開始時に初期化されている。CPU102は、検出処理を画像データの画素ごとに繰り返し、画像データに含まれる全ての画素について、各画素の色が、それまでに検出されたユニーク色と異なる色であるか否かを判定する。ユニーク色であると判定した場合には、当該色をユニーク色リストにユニーク色として記憶する。
判定方法としては、対象画素の色がそれまでに作成されているユニーク色リストに含まれている色であるか否かを判定し、含まれていないと判定した場合、ユニーク色リストへ色情報を新たに追加することでも良い。こうすることで、画像データに含まれるユニーク色リストを検出することができる。例えば入力画像データがsRGBデータであった場合、それぞれ256諧調を持つため、256×256×256の合計16,777,216色のユニーク色が検出される。この場合、色数が膨大になり、処理速度が低下する。そのため、離散的にユニーク色を検出しても良い。例えば、256階調を16階調に減色してからユニーク色を検出しても良い。減色する場合、最も近いグリッドの色に減色しても良い。このように、16×16×16の合計4,096色のユニーク色を検出することができ、処理速度を向上させることができる。
S202において、CPU102は、S201で検出されたユニーク色リストに基づいて、画像データに含まれるユニーク色の組み合わせの中で、色縮退している色の組み合わせ数を検出する。図4は、色縮退を説明するための図である。色域401は、入力画像データの色域である。色域402は、S102におけるガマットマッピング後の色域である。言い換えれば、色域402は、デバイスの色域に相当する。色403と色404は、入力画像データ内に含まれる色である。色405は、色403に対してガマットマッピングを行ったときの色である。色406は、色404に対してガマットマッピングを行ったときの色である。色405と色406の色差408が、色403と色404の色差407に比べて小さい場合に色縮退していると判定される。CPU102は、その判定処理をユニーク色リストの色の組み合わせ数分繰り返す。色差の算出方法としては、例えば、色空間におけるユークリッド距離を用いる。本実施形態では、好適な例としてCIE-L*a*b*色空間におけるユークリッド距離(以降、色差ΔEと記載)を用いて説明する。CIE-L*a*b*色空間は視覚均等な色空間であるため、ユークリッド距離を色の変化量と近似することができる。そのため、人はCIE-L*a*b*色空間上のユークリッド距離が小さくなると色が近づいていると知覚し、大きくなると色が離れていると知覚する。CIE-L*a*b*色空間における色情報は、それぞれL*とa*とb*の3軸の色空間で表される。例えば、色403は、L403、a403、b403で表される。色404は、L404、a404、b404で表される。色405は、L405、a405、b405で表される。色406は、L406、a406、b406で表される。入力画像データが他の色空間で表されている場合、CIE-L*a*b*色空間に変換される。色差ΔE407と色差ΔE408は、以下の式(4)、(5)により算出される。
Figure 2024008264000002
CPU102は、色差ΔE408が色差ΔE407に比べ、小さい場合、色縮退していると判定する。さらに、CPU102は、色差ΔE408が色差を識別できるだけの大きさが無かった場合、色縮退していると判定する。これは、色405と色406が、人の視覚特性に基づき、異なる色だと識別できる程度の色差があれば、色差を補正する必要が無いからである。視覚特性上、異なる色だと識別できる色差ΔEとしては、例えば所定値として2.0が用いられても良い。つまり、色差ΔE408が色差ΔE407に比べ小さい場合で且つ色差ΔE408が2.0より小さい場合に色縮退していると判定するようにしても良い。
S203において、CPU102は、S202で色縮退していると判定された色の組み合わせ数がゼロであるか否かを判定する。色縮退していると判定された色の組み合わせ数がゼロであると判定された場合、S204に進み、CPU102は、色縮退補正が不要な画像データであると判断し、図3及び図2の処理を終了する。その後、CPU102は、S102で行ったガマットマッピング後の画像データをデータ転送I/F106を介して出力する。一方、S203で色縮退していると判定された色の組み合わせ数がゼロでないと判定された場合、S205に進み、色縮退補正(色差補正)を行う。
色縮退補正は色が変化することになるため、色縮退していない色の組み合わせに対しても色変化してしまい、不要な色変化となる。そのため、ユニーク色の組み合わせの総数と色縮退している色の組み合わせ数とに基づく割合等を、色縮退補正の必要性を判定する条件としても良い。具体的には、色縮退している色の組み合わせ数が、ユニーク色の組み合わせの総数の過半数の場合に色縮退補正を必要であると判定しても良い。こうすることにより、過剰な色縮退補正による色変化を抑制することができる。
S205において、CPU102は、入力画像データとガマットマッピング後の画像データとガマットマッピングテーブルとに基づいて、色縮退する色の組み合わせに対して色縮退補正を行う。
色縮退補正を図4を用いて詳細に説明する。色403と色404は、入力画像データに含まれる入力色である。色405は、色403をガマットマッピングにより色変換した後色である。色406は、色404をガマットマッピングにより色変換した後の色である。図4において、色403と色404の色の組み合わせは、色縮退していることを表している。そこで、色405と色406を所定の色空間上の色間距離を引き離すことによって、色縮退を補正することができる。具体的には、色405と色406が、人の視覚特性に基づいて異なる色だと識別できる色間距離以上に、色間距離を大きくする補正処理を行う。視覚特性上、異なる色だと識別できる色間距離は、色差ΔEが、2.0以上である。より好適には色405と色406の色差が、色差ΔE407と同程度であることが望ましい。CPU102は、色縮退補正の処理を、色縮退する色の組み合わせ数分、繰り返す。色の組み合わせ数分の色縮退補正の結果は、補正前の色情報と補正後の色情報をテーブルで保持する。図4においては、色情報はCIE-L*a*b*色空間における色情報である。そのため、入力画像データと出力時の画像データの色空間に変換しても良い。その場合、入力画像データの色空間での補正前の色情報と、出力画像データの色空間での補正後の色情報をテーブルで保持する。
次に、色縮退補正の処理について詳細に説明する。色差ΔE408から色差ΔEを広げる色差補正量409を求める。視覚特性上、異なる色だと認識できる色差ΔEである2.0と色差ΔE408との差分が色差補正量409である。より好適には、色差ΔE407と色差ΔE408との差分が色差補正量409である。色406から色405のCIE-L*a*b*色空間における延長線上に、色405を色差補正量409だけ補正した結果が、色410である。色410は、色406から色差ΔE408と色差補正量409を合わせた色差分離れている。上記では色406から色405の延長線上であったが、本実施形態では、これに限るものではない。色406と色410の色差ΔEが、色差ΔE408と色差補正量409を合わせた色差分離れているのであれば、CIE-L*a*b*色空間における、明度方向、彩度方向、色相角方向のどの方向であっても良い。また、一方向だけでなく、明度方向、彩度方向、色相角方向のそれぞれの組み合わせであっても良い。さらに、上記では色405を変更することで、色縮退を補正したが、色406を変更しても良い。また、色405と色406の両方を変更しても良い。色406を変更する場合、色域402の外側に変更することができないため、色406は色域402の境界面上を移動させて変更する。その場合、不足した色差ΔE分については、色405を変更することによって色縮退補正を行っても良い。
S206において、CPU102は、S205の色縮退補正の結果を用いてガマットマッピングテーブルを変更する。変更前のガマットマッピングテーブルは、入力色である色403を出力色である色405へ変換するテーブルである。S205の結果により、入力色である色403の出力色が色410へ変換するテーブルに変更される。このように、色縮退補正後テーブルを作成することができる。CPU102は、ガマットマッピングテーブルの変更を、色縮退する色の組み合わせ数分、繰り返す。
以上のように、色縮退補正後のガマットマッピングテーブルを入力画像データに適用することで、入力画像データが有するユニーク色の組み合わせに対して、色縮退する色の組み合わせに対して、色間の距離を大きくする補正を行うことができる。その結果、色縮退する色の組み合わせに対して、色縮退を効率的に低減することができる。例えば、入力画像データがsRGBデータであった場合、ガマットマッピングテーブルが、入力画像データが16,777,216色を有することを前提として作成されているとする。この前提のもとに作成されたガマットマッピングテーブルは、実際には入力画像データが有さない色に対してまで、色縮退や彩度を考慮して作成されている。本実施形態では、入力画像データが有する色を検出することにより、入力画像データに対して適応的にガマットマッピングテーブルを補正することができる。そして、入力画像データが有する色を対象としたガマットマッピングテーブルを作成することができる。この結果、入力画像データに対して好適な適応的ガマットマッピングを行うことができるため、色縮退を効率的に低減することができる。
本実施形態では、入力画像データが1ページであった場合の処理を述べた。入力画像データは、複数ページであっても良い。入力画像データが複数ページであった場合、図2の処理フローを全ページに渡って行っても良いし、図2の処理をページ毎に行っても良い。このように、入力画像データが複数ページであった場合でも、ガマットマッピングによる色縮退の度合いを低減することができる。
本実施形態では、色縮退補正後のガマットマッピングテーブルを入力画像データに適用したが、ガマットマッピング後の画像データに対して、色縮退補正を行う補正テーブルを作成しても良い。その場合、S205における色縮退補正の結果に基づいて、補正前の色情報から補正後の色情報へ変換する補正テーブルを生成しても良い。生成された補正テーブルは、図4における色405から色410へ変換するテーブルである。S105において、CPU102は、ガマットマッピング後の画像データに対して、生成された補正テーブルを適用する。このように、ガマットマッピング後の画像データを補正することで、ガマットマッピングによる色縮退の度合いを低減することができる。
本実施形態において、色縮退補正処理を実行するか否かの指示をユーザから入力可能としても良い。その場合、画像処理装置101または記録装置108に搭載されている表示部(不図示)に、図15のようなUI画面を表示して、ユーザ指示を受付可能なようにしても良い。図15に示すUI画面においては、ユーザに対して、色補正の種類をトグルボタンによって選択させることが可能である。さらには、本実施形態で説明した処理を示す「適応的ガマットマッピング」を実行するか否かのONとOFFをトグルボタンによって選択させることが可能である。このような格構成により、ユーザの指示に従って、適応的ガマットマッピングを実行するか否かを切り換えることが可能である。その結果、ユーザが色縮退の度合いを低減させたいときに、本実施形態で説明したガマットマッピングを実行することができる。
[第2実施形態]
以下、第1実施形態と異なる点について第2実施形態を説明する。第1実施形態では、単色について色縮退補正を行うことを説明した。そのため、入力画像データが有する色の組み合わせによっては、色縮退の度合いは低減するものの、色味の変化が起こり得る。具体的には、色相角が異なる二つの色に対して、色縮退補正を行う場合、色相角の変化によって色を変化させてしまうと、入力画像データにおける色の色味と異なってしまう。例えば、青色と紫色の色に、色相角の変化による色縮退補正を行った場合、紫色が赤色に変化してしまう。色味が変化すると、ユーザにインクの吐出不良のような装置弊害を想起させてしまう可能性がある。
また、第1実施形態では、入力画像データが有するユニーク色の組み合わせ数に対して色縮退補正を繰り返すことを説明した。そのため、色間の距離を確実に広げることができる。しかしながら、入力画像データが有するユニーク色の数が多くなった場合、色間の距離を大きくするために色を変化させた結果、変化した先で別のユニーク色に対して色間の距離が小さくなってしまうことが起こり得る。そのため、CPU102は、入力画像データが有するユニーク色の組み合わせの全てにおいて、期待する色間の距離を有するように、S205の色縮退補正を繰り返し実行する必要がある。色間の距離を大きくする処理が膨大な量になるため、処理時間が増大してしまう。
そこで、本実施形態では、所定の色相角毎に、複数のユニーク色を一つの色群として同一方向に色縮退補正を行う。複数のユニーク色を一つの色群として補正するために、本実施形態では、色群の中から基準となるユニーク色(後述)を選択する。また、補正方向を明度方向に限定することで色味の変化を抑制することができる。また、複数のユニーク色を一つの色群として明度方向に補正することで、入力画像データが有する色の組み合わせすべてで処理する必要がなくなり、処理時間を削減することができる。
図5は、本実施形態におけるS202の色縮退判定処理を説明するための図である。図5は、CIE-L*a*b*色空間における、a*軸とb*軸の2軸を平面で表した図である。色相範囲501は、所定の色相角内の複数のユニーク色を一つの色群とする範囲を表している。図5においては、色相角360度を6等分しているため、色相範囲501は0度から60度までの範囲を表している。色相範囲は、同一の色として認識できる色相範囲が好ましい。例えば、CIE-L*A*B*色空間における色相角が30度からの60度単位で決定される。60度単位で決定される場合には、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローの6色を切り分けることができる。30度単位で決定される場合には、60度単位で切り分けた色と色の間の色でさらに切り分けることができる。色相範囲は、図5のように、固定で決定されても良い。また、入力画像データに含まれるユニーク色によって動的に決定されても良い。
CPU102は、色相範囲501内で、入力画像データが有するユニーク色の組み合わせに対して、第1実施形態と同様に、色縮退している色の組み合わせ数を検出する。図5における、色504、色505、色506、色507は、入力色を表している。その場合、CPU102は、色504、色505、色506、色507の4つの色の組み合わせに対して、色縮退しているか否かを判定する。そして、CPU102は、この処理をすべての色相範囲で繰り返す。このようにして、色相範囲毎に色縮退している色の組み合わせ数を検出する。
図5においては、例えば、色の組み合わせ数が6個検出される。本実施形態では、色相角度が60度ごとに色相範囲が決定されているが、これに限られない。例えば、色相角度が30度ごとに色相範囲が決定されても良いし、等分せずに色相範囲が決定されても良い。好適には、視覚均等となるように色相角度の範囲を色相範囲として決定する。そのような構成により、同一色群内の色が、視覚的に同じ色として知覚されるため、同じ色に対して色縮退補正を行うことができる。さらに、色相範囲毎に隣接した2つの色相範囲を含めた色相範囲で色縮退している色の組み合わせ数の検出を行っても良い。
図6は、本実施形態におけるS205の色縮退補正処理を説明するための図である。図6は、CIE-L*a*b*色空間におけるL*軸とC*軸の2軸を平面で表した図である。L*は明度、C*は彩度を表している。図6では、色601、色602、色603、色604は、入力色である。色601、色602、色603、色604は、図5における色相範囲501の範囲内に含まれる色を表している。そして、色605は、色601をガマットマッピングにより色変換した後の色である。色606は、色602をガマットマッピングにより色変換した後の色である。色607は、色603をガマットマッピングにより色変換した後の色である。色604は、ガマットマッピングによる色変換後の色が同じ色であることを表している。
まず、CPU102は、色相範囲毎に色縮退補正処理の基準となるユニーク色(基準色)を決定する。本実施形態では、最大明度色と最低明度色と最大彩度色を基準色として決定する。図6では、色601が最大明度色、色602が最小明度色、色603が最大彩度色である。
次に、CPU102は、色相範囲毎に対象となる色相範囲における、ユニーク色の組み合わせ数と色縮退している色の組み合わせ数とから、補正率Rを算出する。好適な算出式を以下に示す。
補正率R=色縮退している色の組み合わせ数/ユニーク色の組み合わせ数
補正率Rは、色縮退している色の組み合わせ数が少ないほど小さくなり、多いほど大きくなる。このように、色縮退している色の組み合わせ数が多いほど、強く色縮退補正をかけることができる。図6では、図5における色相範囲501の範囲内に4色あることを表している。そのため、ユニーク色の組み合わせ数は6通りある。例えば、6通りのうち色縮退している色の組み合わせは、4通りであるとする。その場合の補正率は、0.667である。図6では、全ての組み合わせでガマットマッピングによって色縮退している例を示している。しかしながら、ガマットマッピングによる色変換後であっても、識別可能な最小色差より大きい場合には色縮退している色の組み合わせとしない。そのため、色604と色603、色604と色602の組み合わせは色縮退している色の組み合わせとしない。ここで、識別可能な最小色差ΔEは、例えば2.0である。
次に、CPU102は、色相範囲毎に補正率Rと、最大明度色、最小明度色、最大彩度色の色情報とから補正量を算出する。CPU102は、補正量として、最大彩度色より明るい側の補正量Mhと最大彩度色より暗い側の補正量Mlをそれぞれ算出する。第1実施形態と同様に、CIE-L*a*b*色空間における色情報は、それぞれL*とa*とb*の3軸の色空間で表される。最大明度色である色601は、L601、a601、b601と表す。最小明度色である色602は、L602、a602、b602と表す。最大彩度色である色603は、L603、a603、b603と表す。好適な補正量Mhは、最大明度色と最大彩度色の色差ΔEに補正率Rを乗算した値である。好適な補正量Mlは最大彩度色と最小明度色の色差ΔEに補正率Rを乗算した値である。補正量Mhと補正量Mlは、以下の式(6)、(7)により算出される。
Figure 2024008264000003
このように、ガマットマッピング後に保持すべき色差ΔEを算出する。ガマットマッピング後に保持すべき色差ΔEは、ガマットマッピング前の色差ΔEである。図6では、補正量Mhは色差608に補正率Rを乗算した値であり、補正量Mlは色差ΔE609に補正率Rを乗算した値である。また、ガマットマッピング前の色差ΔEが識別可能な最小色差より大きい場合、保持すべき色差ΔEは、識別可能な最小色差ΔEより大きければよい。このように処理を行うことで、ガマットマッピングによって低下した色差ΔEを、識別可能な色差ΔEまで回復することができる。さらに、保持すべき色差ΔEは、ガマットマッピング前の色差ΔEであっても良い。この場合は、ガマットマッピング前の識別しやすさに近づけることができる。さらに、保持すべき色差ΔEは、ガマットマッピング前の色差より大きくても良い。この場合は、ガマットマッピング前より識別しやすくすることができる。
次に、CPU102は、色相範囲毎に明度補正テーブルを生成する。明度補正テーブルは、最大彩度色の明度、補正量Mhと補正量Mlに基づき、明度方向に色間の明度を拡張するためのテーブルである。図6において、最大彩度色の明度は、色603の明度L603である。補正量Mhは、色差ΔE608と補正率Rに基づく値である。補正量Mlは、色差ΔE609と補正率Rに基づく値である。明度方向に明度を拡張するための明度補正テーブルの作成方法を以下で説明する。
明度補正テーブルは、1DLUTである。1DLUTにおいては、入力明度は補正前の明度であり、出力明度は補正後の明度である。補正後の明度は、補正後の最小明度、ガマットマッピング後の最大彩度色の明度、補正後の最大明度の3点に基づく特性で決定される。補正後の最大明度は、ガマットマッピング後の最大彩度色の明度に補正量Mhを加算した明度である。補正後の最小明度は、ガマットマッピング後の最大彩度色の明度から補正量Mlを減算した明度である。明度補正テーブルでは、補正後の最小明度とガマットマッピング後の最大彩度色の明度との間はリニアに変化する特性として規定される。また、ガマットマッピング後の最大彩度色の明度と補正後の最大明度との間はリニアに変化する特性として規定される。図6においては、補正前の最大明度は、最大明度色である色605の明度L605である。補正前の最小明度は、最小明度色である色606の明度L606である。ガマットマッピング後の最大彩度色の明度は、色607の明度L607である。補正後の最大明度は、明度L607に補正量Mhである色差ΔE608を加算した明度L610である。言い換えれば、最大明度色と最大彩度色との間の色差を明度差に変換したものといえる。補正後の最小明度は、明度L607から補正量Mlである色差609を減算した明度L611である。言い換えれば、最小明度色と最大彩度色との間の色差を明度差に変換したものといえる。
図7は、図6における明度方向に明度を拡張するための明度補正テーブルの一例を示す図である。本実施形態では、色差ΔEを明度差に変換することで色縮退補正を行っている。視覚特性上、明度差は感度が高い。そのため、彩度差も明度差に変換することで、視覚特性上、小さな明度差であっても色差ΔEが付いたように感じさせることができる。また、sRGB色域と記録装置108の色域の関係上、明度差は彩度差に比べて小さい。そのため、明度差に変換することで、狭い色域を有効に活用することができる。また、本実施形態では、最大彩度色の明度は変化させない。本実施形態では、最も彩度の高い色の明度を変化させることがないため、最大彩度色の明度を維持したまま色差ΔEを補正することができる。最大明度より大きい値と最小明度未満の値の補正については、入力画像データに含まれていないため不定としても良い。また、明度補正テーブルを補完しても良く、その場合は、図7に示すように、リニアな変化になるように値を補完しても良い。このように、明度補正テーブルのグリッド数を少なくすることが可能となって容量を削減することができ、明度補正テーブルの転送にかかる処理時間を削減することができる。
また、補正後の最大明度が、ガマットマッピング後の色域の最大明度を超える場合、CPU102は、最大値クリップ処理を行う。最大値クリップ処理は、補正後の最大明度とガマットマッピング後の色域の最大明度の差分を明度補正テーブル全体で減算する処理である。言い換えれば、明度補正テーブル全体を、ガマットマッピング後の色域の最大明度を補正後の最大明度となるまで、低明度方向にシフトさせる。この場合、ガマットマッピング後の最大彩度色の明度も低明度側に移動させる。このように、入力画像データが有するユニーク色が高明度側に偏っていた場合、低明度側の明度階調域を利用することで、色差ΔEを向上させて色縮退を低減させることができる。一方、補正後の最小明度が、ガマットマッピング後の色域の最小明度を下回る場合、CPU102は、最小値クリップ処理を行う。最小値クリップ処理は、補正後の最小明度とガマットマッピング後の色域の最小明度の差分を明度補正テーブル全体で加算する。言い換えれば、明度補正テーブル全体を、ガマットマッピング後の色域の最小明度を補正後の最小明度となるまで、高明度方向にシフトさせる。このように、入力画像データが有するユニーク色が低明度側に偏っていた場合、高明度側の明度階調域を利用することで、色差ΔEを向上させて色縮退を低減させることができる。
次に、CPU102は、色相範囲毎に作成した明度補正テーブルをガマットマッピングテーブルに適用する。まず、CPU102は、ガマットマッピングの出力値が有する色情報から、どの色相角の明度補正テーブルを適用するかを決定する。例えば、ガマットマッピングの出力値の色相角が25度の場合、図5における色相範囲501の明度補正テーブルを適用すると決定する。そして、CPU102は、ガマットマッピングテーブルの出力値に、決定した明度補正テーブルを適用して補正する。CPU102は、補正後の色情報を、新たなガマットマッピング後の出力値とする。例えば図6でいえば、CPU102は、ガマットマッピングテーブルの出力値である色605に、決定した明度補正テーブルを適用し、色605の明度を補正する。そして、CPU102は、補正後の色612の明度を、新たなガマットマッピング後の出力値とする。
以上のように、本実施形態では、基準色によって作成した明度補正テーブルを色相範囲501内の基準色以外の色にも適用する。そして、明度補正後の色、例えば色612について、後述するように、色相を変化させないように色域616へのマッピングが行われる。つまり、色相範囲501においては、色縮退補正の方向が明度方向に限定される。そのような構成により、色味の変化を抑制することができる。さらに、入力画像データが有するユニーク色の組み合わせすべてで色縮退補正処理を行う必要がなく、処理時間を低減することができる。
さらに、ガマットマッピングの出力値の色相角によって、隣接する色相範囲の明度補正テーブルを合成しても良い。例えば、ガマットマッピングの出力値の色相角がHn度の場合、色相範囲501の明度補正テーブルと、色相範囲502の明度補正テーブルを合成する。具体的には、ガマットマッピング後の出力値の明度値を、色相範囲501の明度補正テーブルで補正して明度値Lc501を得る。また、ガマットマッピング後の出力値の明度値を、色相範囲502の明度補正テーブルで補正して明度値Lc502を得る。その際、色相範囲501の中間色相角の角度は、色相角H501であり、色相範囲502の中間色相角の角度は、色相角H502である。この場合、補正後明度値Lc501と補正後明度値Lc502を補完することによって、補正後の明度値Lcを算出する。補間後の明度値Lcは、以下の式(8)により算出される。
Figure 2024008264000004
このように、色相角によって、適用する明度補正テーブルを合成することにより、色相角の変化での補正強度の急峻な変化を抑制することができる。
補正後の色情報の色空間が、ガマットマッピング後の出力値の色空間と異なっている場合、色空間を変換してガマットマッピング後の出力値とする。例えば、補正後の色情報の色空間が、CIE-L*a*b*色空間であった場合、ガマットマッピング後の出力値となるように以下の探索を行う。
明度補正後の値が、ガマットマッピング後の色域を超えていた場合、ガマットマッピング後の色域へのマッピングを行う。例えば、図6の色612は、ガマットマッピング後の色域616を超えている。その場合、色612から色614へのマッピングが行われる。ここで用いられるマッピング方法は、明度と色相を重視した色差最小マッピングである。明度と色相を重視した色差最小マッピングでは、以下式によって色差ΔEが算出される。CIE-L*a*b*色空間において、ガマットマッピング後の色域を超えた色の色情報をLs、as、bsとする。ガマットマッピング後の色域内の色の色情報をLt、at、btとする。明度差をΔLとし、彩度差をΔCとし、色相差をΔHとする。明度の重みをWl、彩度の重みをWc、色相角の重みをWhとし、重みづけ色差をΔEwとする。
Figure 2024008264000005
ΔH=ΔE-(ΔL+ΔC) ・・・(12)
ΔEw=Wl×ΔL+Wc×ΔC+Wh×ΔH ・・・(13)
明度方向に色差ΔEを変換して拡張したため、明度を彩度より重視してマッピングする。つまり、明度の重みWlは、彩度の重みWcより大きい。さらに、色相は色味に対する影響が大きいため、色相は、明度及び彩度より重視してマッピングする方が補正前後で色味の変化を最小限に抑えることができる。つまり、色相の重みWhは、明度の重みWl以上であり、且つ、彩度の重みWcより大きい。このように、本実施形態では、色味を維持しつつ色差ΔEを補正することができる。
さらに、色差最小マッピングを行う際に色空間を変換しても良い。CIE-L*a*b*色空間は、彩度方向の色変化が等色相となっていないことが知られている。そのため、色相の重みを大きくすることで色相角の変化を抑えると、等色相の色にマッピングされない。そのため、彩度方向の色変化が等色相になるように色相角を曲げた色空間に変換しても良い。このように、重みづけによる色差最小マッピングを行うことで、色味の変化を抑制することができる。
図6においては、色601のガマットマッピング後である色605は、明度補正テーブルによって、色612に補正される。色612は、ガマットマッピング後の色域616を超えているため、色域616へのマッピングが行われる。即ち、色612は、色614へマッピングされる。結果、本実施形態において、補正後のガマットマッピングテーブルは、入力が色601であった場合、出力は色614となる。
本実施形態では、色相範囲一つずつについて明度補正テーブルを作成することを説明した。しかしながら、隣接する色相範囲と合わせて明度補正テーブルを作成しても良い。具体的には、図5における色相範囲501と色相範囲502を合わせた色相範囲において、色縮退した色の組み合わせ数を検出する。次に、色相範囲502と色相範囲503を合わせた色相範囲において、色縮退した色の組み合わせ数を検出する。つまり、一つの色相範囲をオーバーラップして検出を行っていくことにより、色相範囲を跨いだ時の色縮退している色の組み合わせ数の急峻な変化を抑制することができる。この場合の好適な色相範囲は、二つの色相範囲を合わせて、同一の色として認識できる色相角範囲が好ましい。例えば、CIE-L*a*b*色空間における色相角が30度である。つまり、一つの色相角範囲は15度となる。こうすることで、色相範囲を跨いで色縮退の補正強度が急峻に変化することを抑制することができる。
本実施形態では、複数のユニークな色を一つの群として明度方向に色差ΔEを補正することを説明した。視覚特性として、彩度によって明度差の感度が異なることが知られており、低彩度の明度差は高彩度の明度差より感度が高くなる。そのため、明度方向の補正量を彩度値によって制御してもよい。つまり、低彩度では、明度方向の補正量が小さくなるように制御し、高彩度では、上述した明度方向の補正量で補正を行う。具体的には、明度補正テーブルによる明度の補正を行う際に、補正前の明度値Lnと補正後の明度値Lcを、彩度補正率Sで内分する。彩度補正率Sは、ガマットマッピング後の出力値の彩度値Snと、ガマットマッピング後の出力値の色相角におけるガマットマッピング後の色域の最大彩度値Smとに基づいて以下の式により算出される。
S=Sn/Sm ・・・(14)
Lc'=S×Lc+(1-S)×Ln ・・・(15)
つまり、ガマットマッピング後の色域の最大彩度値Smに近いほど、彩度補正率Sは1に近くなり、Lc'は、明度補正テーブルにより得られる補正後の明度値Lcに近づく。一方、ガマットマッピング後の出力値の彩度値Snが低彩度となるほど、彩度補正率Sは0に近くなり、Lc'は、補正前の明度値Lnに近づく。言い換えれば、ガマットマッピング後の出力値の彩度値Snが低彩度となるほど、明度の補正量は小さくなる。また、低彩度の色域においては補正量をゼロにしても良い。このような構成により、グレー軸付近の色変化を抑えることができる。また、視覚感度に合わせた色縮退補正を行うことができるため、過補正を抑制することができる。
[第3実施形態]
以下、第1及び第2実施形態と異なる点について第3実施形態を説明する。入力画像データが有する色が異なる色相角である場合、ガマットマッピング後の識別性が低下することがある。例えば、高彩度で補色関係にある色のように、色相角が十分に異なることで十分な色間の距離を保っていたとしても、ガマットマッピング後に明度差が低下することがある。また、低彩度側にマッピングされる場合には、明度差の低下による識別性の低下が顕著になることが想定される。本実施形態では、ガマットマッピング後の明度差が所定色差ΔE以下に低下している場合、明度差を大きくする補正を行う。そのような構成によって、識別性の低下を抑制することができる。
本実施形態におけるS202の色縮退判定処理を説明する。S202においてCPU102は、S201で検出されたユニーク色リストに基づいて、画像データに含まれるユニーク色の組み合わせの中で、明度縮退している色の組み合わせ数を検出する。図8の模式図を用いて説明する。
図8における縦軸は、CIE-L*a*b*色空間における明度Lである。横軸は、任意の色相角面に射影したものである。色域801は、入力画像データの色域である。色域802は、S102におけるガマットマッピング後の色域である。色803と色804は、入力画像データ内に含まれる色である。色805は、色803をガマットマッピングにより色変換した後の色である。色806は、色804をガマットマッピングにより色変換した後の色である。CPU102は、色805と色806の明度差808が、色803と色804の明度差807に比べて小さい場合に、明度差が低下していると判断する。CPU102は、画像データに含まれるユニーク色の組み合わせ数分、上記の検出処理を繰り返す。好適には、CIE-L*a*b*色空間における明度差が縮退している色の組み合わせ数を検出する。CIE-L*a*b*色空間における色情報は、それぞれL*とa*とb*の3軸の色空間で表される。色803は、L803、a803、b803で表される。色804は、L804、a804、b804で表される。色805は、L805、a805、b805で表される。色806は、L806、a806、b806で表される。入力画像データが他の色空間で表されている場合、既知の技術を用いてCIE-L*a*b*色空間に変換するようにしても良い。明度差ΔL807と明度差ΔL808の算出式は、下記である。
Figure 2024008264000006
CPU102は、明度差ΔL808が明度差ΔE807に比べ、小さい場合に明度差が低下していると判断する。さらに、CPU102は、明度差ΔL808が色差を識別可能な大きさで無かった場合、色縮退していると判断する。これにより、色805と色806の明度差が人の視覚特性上、異なる色であると識別可能な明度差であれば、明度差を補正する処理を行わなくてすむ。視覚特性上、異なる色であると識別可能な明度差ΔLとしては、2.0があげられる。つまり、明度差ΔL808が明度差ΔL807に比べ小さい場合でかつ、明度差ΔL808が2.0より小さい場合、CPU102は、明度差が低下していると判断しても良い。
次に、本実施形態におけるS205の色縮退補正処理を図8を用いて説明する。CPU102は、入力画像データにおけるユニーク色の組み合わせ数と明度差が低下している色の組み合わせ数とから、補正率Tを算出する。好適な算出式を下記に示す。
補正率T=明度差が低下している色の組み合わせ数/ユニーク色の組み合わせ数
補正率Tは、明度差が低下している色の組み合わせ数が少ないほど小さくなり、多いほど大きくなる。このように、明度差が低下している色の組み合わせ数が多いほど、強く色縮退補正をかけることができる。
次に、補正率Tとガマットマッピング前の明度に基づいて明度差補正を行う。明度差補正後の明度Lcは、ガマットマッピング前の明度Lmとガマットマッピング後の明度Lnの間を補正率Tで内分した値となる。即ち、明度Lmは色804の明度であり、明度Lnは色806の明度である。計算式は下記である。
Lc=T×Lm+(1-T)×Ln
CPU102は、上記の明度差補正を入力画像データにおけるユニーク色数分、繰り返す。図8においては、色803の明度L803と色805の明度L805を補正率Tで内分するように明度差補正を行う。明度差補正の結果、色809となる。また、色809は、ガマットマッピング後の色域の外側であれば、第2実施形態で説明した探索を行い、ガマットマッピング後の色域内の色810へのマッピングが行われる。色804に対しても、上記と同様の処理が行われる。
以上のように、本実施形態によれば、画像データに含まれる色に対して、明度差を広げるように補正したガマットマッピングを行うことができ、ガマットマッピングによる色縮退の度合いを低減させることができる。
本実施形態では、色803と色804について説明した。色803と色804についての明度差補正処理を他の色について適用するようにしても良い。例えば、本実施形態の明度差補正処理を、色縮退補正処理の基準色に対して行うようにし、他の色についても適用するようにしても良い。例えば、色803と色804についての明度差補正処理を、色803が含まれる所定の色相範囲の色と、色804が含まれる所定の色相範囲の色とについて適用するようにしても良い。このように、ガマットマッピングによる色縮退の低減と明度差の低下を低減させるとともに、色味の変化も低減させることができる。
[第4実施形態]
以下、第1~第3実施形態と異なる点について第4実施形態を説明する。入力画像データに含まれる色において、同じ色であっても異なる意味を持つ色がある。例えば、グラフに使われている色とグラデーションの一部として使われている色では、識別における意味が異なっている。グラフに使われている色であれば、グラフ内の別の色との識別が重要になる。そのため、色縮退補正を強く行う必要がある。一方、グラデーションの一部として使われている色であれば、周囲の画素の色との階調性が重要になる。そのため、色縮退補正を弱く行う必要がある。それらの二つの色が同じ色であり、かつ、同時に色縮退補正を行うことを想定する。その場合、グラフ内の色の色縮退補正を重視して入力画像データにおいて一律に行うとすると、グラデーションについて色縮退補正が強くかかり、グラデーション内の階調性が損なわれてしまう。一方、グラデーション内の階調性を重視してグラデーションについての色縮退補正を入力画像データにおいて一律に行うとすると、グラフについて色縮退補正が弱くかかり、グラフ内の色の識別性が損なわれてしまう。さらには、ユニーク色の組み合わせ数が多くなり、色縮退の低減効果が低下してしまう。以上のことは、入力画像データが複数ページであり、複数ページ全体で色縮退補正処理を一律に行う場合でも、入力原稿データが1ページでありページ内の全体で色縮退補正処理を一律に行う場合であっても、同様である。
本実施形態では、入力画像データが複数ページであっても1ページであっても、複数領域を設定することで、領域毎に独立して色縮退補正処理を行う。その結果、色縮退補正処理を、周囲の色に合わせて、領域ごとの適切な補正強度で行うことができる。例えば、グラフ内の色は識別性を重視して補正することができ、グラデーション内の色は階調性を重視して補正することができる。
図9は、本実施形態における、単一ページに対して領域を設定した後、領域毎に色縮退補正処理を行う処理を示すフローチャートである。
S301、S302、S307は、図2のS101、S102、S105における説明と同じであるので、それらの説明を省略する。即ち、入力画像データに複数の領域が含まれているとしても、一旦、入力画像データ全体に対してガマットマッピングが行われる。
S303において、CPU102は、入力画像データに領域を設定する。S304において、CPU102は、S303で設定された領域毎に、上述した色縮退補正後のガマットマッピングテーブルの作成処理を行う。即ち、領域ごとに用いられているユニーク色の数が異なるので、図3の処理により作成される色縮退補正後のガマットマッピングテーブルは領域ごとに異なることになる。色縮退補正後のガマットマッピングテーブルは、各領域について第1~第3実施形態で説明したように作成される。
S305において、CPU102は、S304で作成された色縮退補正後のガマットマッピングテーブルを領域毎に適用していく。S306において、CPU102は、S303で設定された領域に対して、S304及びS305の処理が行われたか否かを判定する。全ての領域で行われていないと判定された場合、S304及びS305の処理が行われていない領域に着目し、S304からの処理を行う。全ての領域で行われていると判定された場合、S307へ移行する。
S303の領域設定処理について、詳細に説明する。図10は、本実施形態における、図9のS301で入力された画像データ(以下、原稿データとよぶ)のページの一例を説明するための図である。ここで、文書データはPDLで記述されているものとする。PDLとはページ記述言語(Page Description Language)の略であり、ページ単位で描画命令の組から構成される。描画命令の種類は、PDL仕様毎に定義されているが、本実施形態では一例として以下の3種類を用いる。
命令1)TEXT描画命令(X1,Y1,色,フォント情報,文字列情報)
命令2)BOX描画命令(X1,Y1,X2,Y2,色,塗り形状)
命令3)IMAGE描画命令(X1,Y1,X2,Y2,画像ファイル情報)
他にも、点を描くDOT描画命令、線を描くLINE描画命令、円弧を描くCIRCLE描画命令等、用途に応じて適宜描画命令が用いられる場合がある。例えば、Adobe社提案のPortableDocumentFormat(PDF)や、MicroSoft社提案のXPS、HP社提案のHP-GL/2等の一般的なPDLが用いられても良い。
図10の原稿ページ1000が原稿データの1ページを表し、一例として、画素数は、横幅600画素、縦幅800画素とする。以下、図10の原稿ページ1000の文書データに対応するPDLの例を示す。
<PAGE=001>
<TEXT>50,50,550,100,BLACK,STD-18,"ABCDEFGHIJKLMNOPQR"</TEXT>
<TEXT>50,100,550,150,BLACK,STD-18,"abcdefghijklmnopqrstuv"</TEXT>
<TEXT>50,150,550,200,BLACK,STD-18,"1234567890123456789"</TEXT>
<BOX>50,350,200,550,GRAY,STRIPE</BOX>
<IMAGE>250,300,580,700,"PORTRAIT.jpg"</IMAGE>
</PAGE>
1行目の<PAGE=001>は、本実施形態におけるページ数を表すタグである。通常、PDLは、複数ページを記述可能に設計されているので、PDL中にページの区切りを示すタグが記述されている。本例では、</PAGE>までが1ページ目であることを表す。本実施形態では、図10の原稿ページ1000に相当する。2ページ目が存在する場合には、上記PDLに続いて<PAGE=002>が記述されることとなる。
2行目の<TEXT>から3行目の</TEXT>までが描画命令1であり、図10の領域1001の1行目に相当する。最初の2座標が描画領域左上である座標(X1,Y1)を示し、続く2座標が描画領域右下である座標(X2,Y2)を示す。続いて、色はBLACK(黒色:R=0,G=0,B=0)で、文字のフォントが"STD"(標準)であること、その文字サイズが18ポイントであること、記述すべき文字列が"ABCDEFGHIJKLMNOPQR"であること、が記述されている。
4行目の<TEXT>から5行目の</TEXT>までが描画命令2であり、図10の領域1001の2行目に相当する。最初の4座標及び2つの文字列はそれぞれ、命令1と同様に、描画領域、文字色及び文字のフォントを表し、記述すべき文字列が"abcdefghijklmnopqrstuv"であること、が記述されている。
6行目の<TEXT>から7行目の</TEXT>までが描画命令3であり、図10の領域1001の3行目に相当する。最初の4座標及び2つの文字列はそれぞれ、描画命令1及び描画命令2と同様に、描画領域、文字色及び文字のフォントを表し、記述すべき文字列が"1234567890123456789"であること、が記述されている。
8行目の<BOX>から</BOX>までが描画命令4であり、図10の領域1002に相当する。最初の2座標が描画開始点である左上座標(X1,Y1)を示し、続く2座標が描画終了点である右下座標(X2,Y2)を示す。続いて、色はGRAY(灰色:R=128,G=128,B=128)で、塗り形状は縞模様であるSTRIPE(縞模様)が指定されている。本実施形態では、縞模様の向きについては右下方向への線としたが、線の角度や周期等をBOX命令中で指定可能であっても良い。
続いて、9行目及び10行目のIMAGE命令が、図10の領域1003に相当する。ここでは、当該領域に存在する画像のファイル名が"PORTRAIT.jpg"である旨が記載されており、これは、一般的に普及している画像圧縮フォーマットであるJPEGファイルであることを表す。そして、11行目に記載の</PAGE>で当該ページの描画が終了したことを示す。
実際のPDLファイルとしては、上記の描画命令群に加えて、"STD"フォントデータ、"PORTRAIT.jpg"画像ファイルを含めて一体となっているケースがある。これは、フォントデータや画像ファイルを別にして管理する場合、描画命令だけでは文字部分と画像部分が形成できず、図10の画像を形成するのに情報が不十分となるからである。また、図10中の領域1004は、描画命令の存在しない領域であり、空白となる。
図10の原稿ページ1000のようにPDLで記述された原稿ページの場合、図9のS303における領域設定処理は、上記のPDLを解析することによって実現可能である。具体的には、各描画命令は、描画Y座標の始点と終点がそれぞれ以下のようであり、領域的に連続している。
描画命令 Y始点 Y終点
第一TEXT命令 50 100
第二TEXT命令 100 150
第三TEXT命令 150 200
BOX命令 350 550
IMAGE命令 300 700
また、BOX命令とIMAGE命令は、いずれもTEXT命令とはY方向に100画素離れていることが分かる。
次に、BOX命令とIMAGE命令では、描画X座標の始点と終点がそれぞれ以下のようであり、X方向に50画素離れていることが分かる。
描画命令 X始点 X終点
BOX命令 50 200
IMAGE命令 250 580
以上のことから、以下のように3つの領域が設定可能である。
領域 X始点 Y始点 X終点 Y終点
第一領域 50 50 550 200
第二領域 50 350 200 550
第三領域 250 300 580 700
上記のようにPDLを解析して領域設定する構成の他、描画結果を用いて領域設定するように構成しても良い。以下、その構成について説明する。
図11は、S303における領域設定処理をタイル単位で行う処理を示すフローチャートである。S401において、CPU102は、原稿ページを単位タイルに分割して設定する。本実施形態では、原稿ページを縦横いずれも30画素のタイルに分割して設定するとする。ここで、まず、各タイルに対して領域番号を設定する変数をArea_number[20][27]として設定する。本原稿ページは、前述の通り600×800画素としている。よって、縦横各30画素で構成されるタイルは、X方向に20個、Y方向に27個存在することとなる。
図12は、本実施形態における原稿ページのタイル分割のイメージを示す図である。図12の原稿ページ1200が原稿ページ全体を表す。図12の領域1201はTEXT描画された領域、領域1202はBOX描画された領域、領域1203はIMAGE描画された領域、領域1204はいずれも描画されていない領域である。
S402において、CPU102は、タイル毎に空白タイルか否かを判定する。これは、上述のように、描画命令のXY座標の始点と終点に基づいて判定しても良いし、実際の単位タイル内の画素値が全てR=G=B=255であるタイルを検出しても良い。描画命令に基づいて判定するかもしくは画素値に基づいて判定するかは、処理速度と検出精度に基づいて決定されるようにしても良い。
S403において、CPU102は、以下のように、各値の初期値を設定する。
・S402で空白タイルとして判定されたタイルに対して領域番号「0」を設定
・上記以外(非空白)のタイルに対して領域番号「-1」を設定
・領域番号最大値に「0」を設定
具体的には、以下のように設定する。
空白タイル(x1,y1) area_number[x1][y1]=0
非空白タイル(x2,y2) area_number[x1][y1]=-1
領域番号最大値 max_area_number=0
即ち、S403の処理の完了時点では、全てのタイルに「0」または「-1」が設定される。
S404において、CPU102は、領域番号が「-1」であるタイルを検索する。具体的には、x=0~19、y=0~26の範囲に対して、以下のように判定が行われる。
if(area_number[x][y]=-1) →検出された
else →検出されない
最初に領域番号が「-1」のエリアが検出された時点でS405へ進む。その際、S405において、CPU102は、領域番号「-1」のタイルが存在していると判定し、S406へ進む。全てのエリアの領域番号が「-1」でない場合に、S405で領域番号「-1」のタイルが存在していないと判定する。この場合は、S410へ進む。
S406において、CPU102は、領域番号最大値を+1インクリメントし、当該タイルの領域番号を、更新された領域番号最大値に設定する。具体的には、検出されたエリア(x3,y3)に対して、以下のように処理する。
max_area_number=max_area_number+1
area_number[x3][y3]=max_area_number
例えば、ここでは、初めてS406の処理が実行されて初めて検出が行われた領域であるので領域番号最大値は「1」となり、よって当該タイルの領域番号を「1」とする、ということである。以後、再びS406を処理する度に、1ずつ領域数が増えていく。以降、S407~S409で、連続する非空白領域を同じ領域として拡張する処理を行う。
S407において、CPU102は、領域番号が領域番号最大値のタイルの隣接タイルであり、且つ領域番号「-1」のタイルを検索する。具体的には、x=0~19、y=0~26の範囲に対して、以下の判定が行われる。
if (area_number[x][y]=max_area_number)
if((area_number[x-1][y]=-1)or
(area_number[x+1][y]=-1)or
(area_number[x][y-1]=-1)or
(area_number[x][y+1]=-1)) →検出された
else →検出されない
最初に領域番号「-1」である隣接エリアが検出された時点で、S408において、CPU102は、領域番号「-1」である隣接エリアが検出されたと判定し、S409に進む。一方、全てのエリアの領域番号が「-1」でない場合には、S408において、CPU102は、領域番号「-1」である隣接エリアが検出されなかったと判定し、S405に進む。
S409において、CPU102は、隣接タイルで領域番号「-1」のタイルの領域番号を領域番号最大値に設定する。具体的には、検出された隣接タイルに対して、注目タイル位置を(x4,y4)として、以下のように処理することで実現される。
if((area_number[x4-1][y4]=-1)
area_number[x4-1][y4]=max_area_number
if((area_number[x4+1][y4]=-1)
area_number[x4+1][y4]=max_area_number
if((area_number[x4][y4-1]=-1)
area_number[x4][y4-1]=max_area_number
if((area_number[x4][y4+1]=-1)
area_number[x4][y4+1]=max_area_number
S409で隣接タイルの領域番号の更新が行われると、S407へ戻り、他に隣接している非空白タイルが存在するかの検索が続けられる。そして、非空白の隣接タイルが存在しない状況になると、つまり当該最大領域番号を付与すべきタイルが存在しなくなれば、S404へ戻る。
全てのエリアの領域番号が「-1」でない状態、つまり全てのエリアが空白エリアであるか、いずれかの領域番号が設定された場合には、領域番号「-1」のタイルが存在していないと判定する。S405において、CPU102は、領域番号「-1」のタイルが存在していないと判定した場合、S410に進む。
S410において、CPU102は、領域番号最大値を領域数として設定する。すなわち、これまでに設定した領域番号最大値が当該原稿ページに存在する領域数となる。以上により、当該原稿ページ内の領域設定処理を終了する。
図13は、領域設定終了後の各タイル領域を示す図である。図13の原稿ページ1300が原稿ページ全体を表す。図13の領域1301は、TEXT描画された領域、領域1302はBOX描画された領域、領域1303はIMAGE描画された領域、領域1304はいずれの描画もされていない領域である。よって、領域設定の結果は以下のようになる。
・領域数=3
・領域番号=0 空白領域1304
・領域番号=1 テキスト領域1301
・領域番号=2 ボックス領域1302
・領域番号=3 イメージ領域1303
図13に示すように、それぞれの領域は少なくとも1つの空白タイルを介して空間的に離間している。言い換えれば、1つの空白タイルをも介さない複数タイル同士は隣接しているとして、同一領域として処理される。
人間の視覚は、空間的に隣接、若しくは極めて近い場所に存在する2色の違いは相対的に知覚され易いが、空間的に離間している場所に存在する2色の違いは相対的に知覚されにくいという特性を持つ。つまり、上記の「異なる色で出力される」結果は、空間的に隣接、または極めて近い場所に存在する同一色に対して行われる場合には知覚され易く、空間的に離間している場所に存在している同一色に対して行われる場合には知覚されにくいこととなる。
本実施形態では、異なる領域とみなす領域間が、紙面上に所定の距離以上に離れていることとなる。言い換えれば、背景色を挟んで紙面上に所定の距離未満の画素が同一領域とみなされる。ここで、背景色の例としては、白色、黒色、グレー色である。また、原稿データ内に定義されている背景色の場合もある。好適にはA4サイズの用紙に対して印刷された場合、例えば0.7mm以上である。印刷される用紙サイズによって、好適な距離を変えても良い。また、想定される観察距離によっても変えても良い。さらに、紙面上で所定の距離分離れていなかったとしても、異なるオブジェクトであれば、異なる領域としても良い。例えば、イメージ領域とボックス領域が所定の距離分離れていなかったとしても、オブジェクト種類が異なるため、異なる領域として設定しても良い。
本実施形態では、以上のように領域分割を行うことによって、色縮退補正処理の対象となる色の組み合わせ数を領域ごとに検出することができる。色の組み合わせ数を領域ごとに検出することにより、異なる領域それぞれについて、各色分布に応じた色縮退補正が行われることになる。一方、色の組み合わせ数を領域ごとに検出することにより、異なる領域であっても、同じ色分布となっている領域には、同じ色縮退補正が行われることになる。その結果、例えば、領域として離れているが同じ色分布であるグラフについての色縮退補正処理の結果を同じ補正結果にすることができる。
さらに、色縮退補正処理の対象となる色の組み合わせ数を領域ごとに検出することによって、ユニーク色の組み合わせ数が多くなることでの色縮退の低減効果が低下してしまうことを防ぐことができる。
以上のように、本実施形態では、同一の原稿ページ内であっても、空間的に離間している部分を別領域として設定し、それぞれに適したガマットマッピングを行うことで、階調性の低下と色縮退補正の低下の両方を防ぐことができる。
本実施形態では、原稿データの1ページにおいて複数の領域を設定する例を説明したが、原稿データの複数ページに含まれるページ群を本実施形態において説明した「領域」として、本実施形態の動作を適用しても良い。即ち、S303における「領域」を、複数ページのうちのページ群としても良い。なお、ここでのページ群とは、複数ページのみならず、単体のページを含むものとする。
印刷対象となる原稿データは、複数ページから構成される文書データとする。その複数ページに対してどのようなまとまりを、上述した色縮退補正後のガマットマッピングテーブルの作成対象とするかを考える。例えば、文書データが第1ページから第3ページで構成されているとする。各ページを色縮退補正後のガマットマッピングテーブルの作成対象とするのであれば、第1ページ、第2ページ、第3ページのそれぞれが作成対象となる。また、第1ページ及び第2ページのまとまりを作成対象とし、第3ページを他の作成対象としても良い。また、作成対象は、文書データに含まれるページ単位でのまとまりに限られない。例えば、第1ページの一部分の領域を作成対象としても良い。S303では、予め定められたまとまりに従って、原稿データを複数の作成対象に設定しても良い。なお、作成対象となるまとまりはユーザにより指定可能であっても良い。
このように、本実施形態では、複数ページ内であっても、ページ群を作成対象として設定し、作成対象ごとに色縮退補正後のガマットマッピングテーブルを適用することで、階調性の低下と色縮退補正の低下の両方を防ぐことができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本実施形態の開示は、以下の画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムを含む。
(項目1)
第1画像データを入力する入力手段と、
前記第1画像データの第1色域を、前記第1画像データを出力するデバイスの第2色域に変換する変換手段を用いて、前記第1画像データから第2画像データを生成する生成手段と、
前記第1色域から前記第2色域への変換結果に基づいて、前記変換手段を補正する補正手段と、を備え、
前記生成手段は、前記補正手段により前記変換手段を補正した場合、前記補正した変換手段を用いて、前記第1画像データから第3画像データを生成し、
前記第3画像データにおいては、前記補正した変換手段による変換によって、前記第2画像データ上での明度差が大きくなるように補正され、
前記明度差は、前記第2画像データ上の第1色情報と第2色情報との間の明度差である、
ことを特徴とする画像処理装置。
(項目2)
前記補正手段は、前記変換結果として前記第2画像データ上での前記明度差が所定の明度差よりも小さい場合、前記第2画像データ上での前記明度差が大きくなるように前記変換手段を補正する、
ことを特徴とする項目1に記載の画像処理装置。
(項目3)
前記所定の明度差は、ユーザの視覚特性に基づいて、前記第1色情報と前記第2色情報を識別できる明度差である、
ことを特徴とする項目2に記載の画像処理装置。
(項目4)
前記補正手段は、前記第1色域の第3色情報に対して前記変換手段による変換が行われた結果得られる前記第2色域の第4色情報を明度の方向に移動させた第5色情報を特定し、前記第1色域から前記第2色域への色差最小マッピングに基づいて前記第5色情報から第6色情報を特定し、
前記第3色情報から前記第6色情報に変換が行われるように、前記変換手段を補正する、
ことを特徴とする項目1から3のいずれか一項目に記載の画像処理装置。
(項目5)
前記色差最小マッピングでは、明度、彩度、及び色相のそれぞれについて重みが設定されており、前記明度と前記色相の重みは前記彩度の重みより大きく設定されている、
ことを特徴とする項目4に記載の画像処理装置。
(項目6)
前記第2色域は、前記デバイスの色再現色域である、
ことを特徴とする項目1から5のいずれか一項目に記載の画像処理装置。
(項目7)
前記補正手段は、前記第2画像データ上での前記明度差が前記所定の明度差よりも小さい色同士の組み合わせの数が多いほど、前記第2画像データ上での前記明度差が大きくなるように前記変換手段を補正する、
ことを特徴とする項目2に記載の画像処理装置。
(項目8)
前記第3画像データを前記デバイスに出力する出力手段を備える、
ことを特徴とする項目1から7のいずれか一項目に記載の画像処理装置。
(項目9)
前記デバイスは、前記出力手段から出力された前記第3画像データに基づいて、画像を記録媒体に記録する記録装置である、
ことを特徴とする項目8に記載の画像処理装置。
(項目10)
前記第1色情報を含む第1色相範囲と第2色情報を含む第2色相範囲は互いに十分に離れている、
ことを特徴とする項目1に記載の画像処理装置。
(項目11)
第1画像データを入力する入力工程と、
前記第1画像データの第1色域を、前記第1画像データを出力するデバイスの第2色域に変換する変換手段を用いて、前記第1画像データから第2画像データを生成する生成工程と、
前記第1色域から前記第2色域への変換結果に基づいて、前記変換手段を補正する補正工程と、を備え、
前記生成工程では、前記補正工程により前記変換手段を補正した場合、前記補正した変換手段を用いて、前記第1画像データから第3画像データを生成し、
前記第3画像データにおいては、前記補正した変換手段による変換によって、前記第2画像データ上での明度差が大きくなるように補正され、
前記明度差は、前記第2画像データ上の第1色情報と第2色情報との間の明度差である、
ことを特徴とする画像処理方法。
(項目12)
項目11に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
101 画像処理装置: 108 記録装置: 102、111 CPU: 103、112 RAM: 104、113 記憶媒体

Claims (12)

  1. 第1画像データを入力する入力手段と、
    前記第1画像データの第1色域を、前記第1画像データを出力するデバイスの第2色域に変換する変換手段を用いて、前記第1画像データから第2画像データを生成する生成手段と、
    前記第1色域から前記第2色域への変換結果に基づいて、前記変換手段を補正する補正手段と、を備え、
    前記生成手段は、前記補正手段により前記変換手段を補正した場合、前記補正した変換手段を用いて、前記第1画像データから第3画像データを生成し、
    前記第3画像データにおいては、前記補正した変換手段による変換によって、前記第2画像データ上での明度差が大きくなるように補正され、
    前記明度差は、前記第2画像データ上の第1色情報と第2色情報との間の明度差である、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記補正手段は、前記変換結果として前記第2画像データ上での前記明度差が所定の明度差よりも小さい場合、前記第2画像データ上での前記明度差が大きくなるように前記変換手段を補正する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記所定の明度差は、ユーザの視覚特性に基づいて、前記第1色情報と前記第2色情報を識別できる明度差である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記補正手段は、前記第1色域の第3色情報に対して前記変換手段による変換が行われた結果得られる前記第2色域の第4色情報を明度の方向に移動させた第5色情報を特定し、前記第1色域から前記第2色域への色差最小マッピングに基づいて前記第5色情報から第6色情報を特定し、
    前記第3色情報から前記第6色情報に変換が行われるように、前記変換手段を補正する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記色差最小マッピングでは、明度、彩度、及び色相のそれぞれについて重みが設定されており、前記明度と前記色相の重みは前記彩度の重みより大きく設定されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記第2色域は、前記デバイスの色再現色域である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記補正手段は、前記第2画像データ上での前記明度差が前記所定の明度差よりも小さい色同士の組み合わせの数が多いほど、前記第2画像データ上での前記明度差が大きくなるように前記変換手段を補正する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  8. 前記第3画像データを前記デバイスに出力する出力手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記デバイスは、前記出力手段から出力された前記第3画像データに基づいて、画像を記録媒体に記録する記録装置である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記第1色情報を含む第1色相範囲と第2色情報を含む第2色相範囲は互いに十分に離れている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  11. 第1画像データを入力する入力工程と、
    前記第1画像データの第1色域を、前記第1画像データを出力するデバイスの第2色域に変換する変換手段を用いて、前記第1画像データから第2画像データを生成する生成工程と、
    前記第1色域から前記第2色域への変換結果に基づいて、前記変換手段を補正する補正工程と、を備え、
    前記生成工程では、前記補正工程により前記変換手段を補正した場合、前記補正した変換手段を用いて、前記第1画像データから第3画像データを生成し、
    前記第3画像データにおいては、前記補正した変換手段による変換によって、前記第2画像データ上での明度差が大きくなるように補正され、
    前記明度差は、前記第2画像データ上の第1色情報と第2色情報との間の明度差である、
    ことを特徴とする画像処理方法。
  12. 請求項11に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20240106964A1 (en) * 2022-09-15 2024-03-28 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus, image processing method, and medium

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