JP5081519B2 - プロテクタ - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスを保持、保護しつつ、ブラケットを介して例えば車体に固定するプロテクタに関する。
図5において、プロテクタ1は、真っ直ぐにのびるプロテクタ本体2と、このプロテクタ本体2に一体化する一対の嵌合部3とを有している。プロテクタ本体2は、底壁4と、底壁4の両側にそれぞれ立設する側壁5とを有しており、この内部にワイヤハーネス6が収納されるようになってる。ワイヤハーネス6は、プロテクタ1によって保持されるとともに保護されるようになっている。
相対向する側壁5の一方には、嵌合部3が所定の間隔で一体に形成されている。嵌合部3は、プロテクタ1を固定するための部分であって、例えば車体に設けられる一対のブラケット7に対し挿入をすると嵌合状態が形成されて、これによりプロテクタ1の固定がなされるようになっている。
嵌合部3は、真っ直ぐに貫通するブラケット挿入孔8と、このブラケット挿入孔8内に突出する係止突起9とを有している。ブラケット挿入孔8は、タブ状のブラケット7への挿入部分として形成されている。
特開平10−322842号公報 (第2頁、第14図)
上記従来技術にあっては、ワイヤハーネス6を収納したプロテクタ1を矢印E方向に移動させると、一対の嵌合部3が一対のブラケット7に対して同時に挿入され、これにより嵌合状態が形成されて車体への固定が完了するようになっている。すなわち、プロテクタ1は一つの挿入方向(矢印E方向)に移動させることで車体に固定することができるような構造になっている。
ところで、一つの挿入方向に移動させるだけでプロテクタ1を車体に固定することができる構造は、作業性に配慮した構造であると言えるが、手を差し入れなければ作業をすることができないような、例えば座席の下にブラケット7を設けて(当然作業者にとって見づらい位置にブラケット7を設ける)、この位置にプロテクタ1を固定しようとする場合を考えると、プロテクタ1を一つの挿入方向に移動させて固定するのでは、作業性が非常に悪くなってしまうこともある。従って、従来のプロテクタ1にあっては、このような作業性に係る問題点を有している。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、固定に係る作業性の向上を図ることが可能なプロテクタを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のプロテクタは、箱状に形成されタブ状の第一ブラケットの挿入を許容する内部空間を有し該内部空間に円弧状に形成されるストッパ部を有し前記第一ブラケットに向けて挿入することにより第一の嵌合状態が形成される第一嵌合部と、前記第一ブラケットと同様にタブ状に形成される第二ブラケットに向けて挿入することにより第二の嵌合状態が形成される第二嵌合部とを、斜め方向にのびるプロテクタ本体の側壁に所定の間隔で一体化してなり、
前記第一ブラケットの軸を左右方向に合わせ且つ該第一ブラケットの突出方向を左方向とすると、前記第二ブラケットは前記プロテクタ本体の斜め方向に応じて上方向又は下方向に突出するものとし、前記第一ブラケットの軸を左右方向に合わせ且つ該第一ブラケットの突出方向を右方向とすると、前記第二ブラケットは前記プロテクタ本体の斜め方向に応じて上方向又は下方向に突出するものとし、前記第一ブラケットの軸を上下方向に合わせ且つ該第一ブラケットの突出方向を上方向とすると、前記第二ブラケットは前記プロテクタ本体の斜め方向に応じて左方向又は右方向に突出するものとし、前記第一ブラケットの軸を上下方向に合わせ且つ該第一ブラケットの突出方向を下方向とすると、前記第二ブラケットは前記プロテクタ本体の斜め方向に応じて左方向又は右方向に突出するものとし、このような第一ブラケットの向き及び第二ブラケットの向きを前提にして、
前記第一嵌合部は、該第一嵌合部の軸が前記第一ブラケットの軸に対して傾くような挿入方向にて嵌合が開始するとともに、次第に前記第一嵌合部の軸が前記第一ブラケットの軸に対し略一致するように嵌合が進行して前記ストッパ部前記第一ブラケットの先端部とが当接した状態で前記第一の嵌合状態が形成され、
前記第二嵌合部は、前記第一嵌合部の嵌合が進行する過程で前記第二嵌合部の軸が前記第二ブラケットの軸に対し傾く挿入方向にて嵌合が開始するとともに、次第に前記第二嵌合部の軸が前記第二ブラケットの軸に対し略一致するように嵌合が進行して前記第二の嵌合状態が形成されることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、向きの異なる第一ブラケット及び第二ブラケットにプロテクタを固定する際に、先ず、プロテクタの第一嵌合部を第一ブラケットの軸に対して傾けた状態で挿入して嵌合を開始する。次に、第一嵌合部と第一ブラケットとの嵌合を行いつつ第二嵌合部を第二ブラケットの軸に対して傾けた状態で挿入して第二嵌合部側も嵌合を開始する。この時、第二嵌合部は、第一ブラケットを支点とした回転軌跡を描くようになり、これによって第二嵌合部の第二ブラケットに対する嵌合が可能になる。
請求項2記載の本発明のプロテクタは、請求項1に記載のプロテクタにおいて、前記第一嵌合部は、この内部に前記第一ブラケットの側部に対し弾性的に接触する第一弾性接触片を有し、前記第二嵌合部も、この内部に前記第二ブラケットの側部に対し弾性的に接触する第二弾性接触片を有することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、第一嵌合部と第一ブラケット、及び、第二嵌合部と第二ブラケットともガタ付きなく嵌合状態が形成される。
請求項1に記載された本発明によれば、作業者にとって見づらい位置や、作業しづらい位置にブラケットを設けなければならない場合であっても、或いは、異なる方向に向くブラケットを設定しなければならない場合であっても、比較的容易にプロテクタを固定することができる。従って、固定に係る作業性の向上を図ることが可能なプロテクタを提供することができるという効果を奏する。
請求項2に記載された本発明によれば、請求項1の効果の他に、ガタ付きのない嵌合状態を形成することができるという効果も奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明のプロテクタの一実施の形態を示す嵌合過程の状態説明図である。また、図2はプロテクタ及びブラケットの構造説明図、図3は第一嵌合部の断面図、図4は第二嵌合部の断面図である。
図1及び図2において、引用符号11は本発明のプロテクタを示している。プロテクタ11は、この内部にワイヤハーネス12を収納した状態で、異なる方向に向く二つのブラケット(第一ブラケット13、第二ブラケット14)に嵌合するようになっている。ここで、第一ブラケット13及び第二ブラケット14は、自動車等の移動体の車体に設けられているものとする。プロテクタ11は、ワイヤハーネス12を保持及び保護した状態で車体に固定されるようになっている。
以下、上記の各構成部材について説明する(尚、図2の矢印Aを左右方向、矢印Bを上下方向と定義して説明するものとする。左右方向Aと上下方向Bは直交するものとする)。
図2を参照しながらブラケットに関して先に説明すると、第一ブラケット13及び第二ブラケット14は、共にタブ状に形成されている。第一ブラケット13は、この先端が半円形状になるように形成されている。引用符号15は先端側の円弧状の先端側部を示している。引用符号16は幅方向の平行な側部を示している。第一ブラケット13には、略正方形状の嵌合孔17が貫通形成されている。この嵌合孔17は、第一ブラケット13の中心線(軸)C1上に配置形成されている。第一ブラケット13の中心線(軸)C1は、本形態において、矢印Aの左右方向に一致するように設定されている。
第二ブラケット14は、第一ブラケット13よりも幅広で、この先端にストレートな先端側部18と、円弧状の角側部19とを有している(図4参照)。引用符号20は幅方向の平行な側部を示している。第二ブラケット14には、略長方形状の嵌合孔21が貫通形成されている。この嵌合孔21は、第二ブラケット14の中心線(軸)C2上に配置形成されている。第二ブラケット14の中心線(軸)C2は、本形態において、矢印Bの上下方向に一致するように設定されている。嵌合孔21は、この長手方向が中心線C2に直交するようになっている。すなわち、左右方向に長い長方形状に形成されている。
尚、第一ブラケット13及び第二ブラケット14は、例えば走行時の振動等に耐え得る剛性を有するものとする。第一ブラケット13及び第二ブラケット14は、金属製、合成樹脂製のいずれであっても良いものとする。
第一ブラケット13は、車体の例えば座席下の台座22に設けられている。また、第二ブラケット14も同じく座席下の台座23に設けられている。台座22及び23は、所定の間隔をあけて設けられている。台座22は、作業者にとって台座23よりも奥側に位置するように配置されている。また、台座22は、台座23よりも高さが低くなるように形成されている。第一ブラケット13及び第二ブラケット14は、図の場合、右下が第一ブラケット13、左上が第二ブラケット14となるように配置されている。
台座22及び23(第一ブラケット13及び第二ブラケット14)は、プロテクタ11の固定作業に配慮してこの位置が設定されている。すなわち、例えば上記の座席下のように、作業者にとって固定位置が見づらく、一つの向きでプロテクタ11を固定する作業を行うことが困難な場合に配慮して位置が設定されている。
図1及び図2において、プロテクタ11は、絶縁性を有する合成樹脂材料による成形品であって、異なる向きの第一ブラケット13及び第二ブラケット14に対応するような嵌合構造を有している。本形態のプロテクタ11は、三次元的にワイヤハーネス12を配索することができるようになっている。
プロテクタ11は、図の場合、右下がり方向(斜め方向)にのびるプロテクタ本体24と、このプロテクタ本体24に一体形成される第一嵌合部25及び第二嵌合部26と、プロテクタ本体24に収納されたワイヤハーネス12を覆う図示しないプロテクタカバーとを有している。プロテクタ11は、図の場合、左方向に突出する第一ブラケット13及び上方向に突出する第二ブラケット14に対して、第一嵌合部25及び第二嵌合部26がそれぞれ嵌合するような嵌合構造を有している。プロテクタ11は、プロテクタ本体24にワイヤハーネス12を収納した状態で、第一嵌合部25及び第二嵌合部26を介して座席下に固定されるようになっている。
プロテクタ本体24は、底壁27と、この底壁27の両側にそれぞれ立設する側壁28と、テープ巻き部29とを有している。プロテクタ本体24は、この内部にワイヤハーネス12が収納されるようになってる。相対向する側壁28には、図示しないプロテクタカバーを取り付けるためのカバー取付部30が複数形成されている。相対向する側壁28の一方には、第一嵌合部25及び第二嵌合部26が所定の間隔で一体に形成されている。
テープ巻き部29は、略鍔状の形状であって、底壁27の両端にそれぞれ連成されている。テープ巻き部29は、プロテクタ本体24の内部に収納されたワイヤハーネス12をテープ巻きによって固定する部分として形成されている。
第一嵌合部25は、図の場合、右下となる位置に形成されている。また、第二嵌合部26は、左上となる位置に形成されている。第一嵌合部25及び第二嵌合部26は、プロテクタ11を固定するための部分として設けられている。また、第一ブラケット13及び第二ブラケット14に嵌合する部分として形成されている。
図2において、プロテクタ11を固定する前の状態では、第一嵌合部25は、この軸(中心線でない)C3が第一ブラケット13の中心線(軸)C1に対して平行となるように配置されている。また、第二嵌合部26は、この中心線(軸)C4が第二ブラケット14の中心線(軸)C2に対して平行となるように配置されている。第一嵌合部25の軸C3と、第二嵌合部26の中心線(軸)C4とをそれぞれ伸ばすと、直交するようになっている。図2の状態から分かるように、一つの方向で第一ブラケット13及び第二ブラケット14に嵌合させることができないような構造になっている。
図2及び図3において、第一嵌合部25は、箱部31と、嵌合アーム32と、第一弾性接触片33とを有している。箱部31は、この内部に第一ブラケット13の挿入を許容する内部空間34を有している。内部空間34は、第一ブラケット13に対して十分に広いスペースを確保するように形成されている(第一ブラケット13の幅よりも広い内部空間34となる)。引用符号35は第一ブラケット13に対する挿入孔を示している。この挿入孔35を介して第一ブラケット13への挿入が行われるようになっている。挿入孔35の位置には、第一ブラケット13を内部空間34に案内するためのテーパ状の案内部36が形成されている。
嵌合アーム32は、内部空間34に存在するように形成されている。嵌合アーム32は、可撓性を有しており、中間に嵌合突起37が、また、先端側に嵌合解除部38がそれぞれ形成されている。嵌合アーム32は、第一嵌合部25の軸C3上に配置形成されている。
嵌合アーム32は、第一ブラケット13が嵌合突起37を乗り越えようとする時に撓むようになっている。また、嵌合アーム32は、嵌合解除部38を押下することによっても撓むようになっている。嵌合アーム32が撓むと、嵌合突起37の位置は変位する。第一ブラケット13が嵌合突起37を乗り越えると、嵌合アーム32は元の状態に戻り、この時、嵌合突起37が嵌合孔17に差し込まれるようになっている。従ってこれにより、第一嵌合部25と第一ブラケット13との嵌合状態(第一嵌合状態)が形成されるようになっている。
嵌合突起37や嵌合解除部38は、箱部31に形成された開口部39、40から臨むことができるように配置形成されている。嵌合アーム32の近傍には、複数のリブ41が形成されている。複数のリブ41は、案内部36から連続するように形成されている。
引用符号42はストッパ部を示している。このストッパ部42は、内部空間34に存在するように形成されている。ストッパ部42は、第一ブラケット13の円弧状の先端側部15に当接する部分として形成されている。ストッパ部42は、円弧状に形成されている。特に限定するものではないが、第一ブラケット13の先端側部15にストッパ部42が当接すると、この当接部分を支点にしてプロテクタ11は回転方向に移動し易い状態になる。
第一弾性接触片33は、内部空間34に存在するように形成されている。第一弾性接触片33は、内部空間34においてガタ付きの発生を抑える部分として形成されている。第一弾性接触片33は、本形態において、片持ちのアーム形状に形成されている。第一弾性接触片33は、挿入孔35の近傍から嵌合アーム32に向けて斜めにのびるように形成されている。第一弾性接触片33は、この先端側が第一ブラケット13の一方の側部16に対して弾性的に接触するようになっている。
図2及び図4において、第二嵌合部26は、箱部43と、嵌合アーム44と、一対の第二弾性接触片45とを有している。箱部43は、この内部に第二ブラケット14の挿入を許容する内部空間46を有している。内部空間46は、第二ブラケット14に対して十分に広いスペースを確保するように形成されている(第二ブラケット14の幅よりも広い内部空間46となる)。引用符号47は第二ブラケット14に対する挿入孔を示している。この挿入孔47を介して第二ブラケット14への挿入が行われるようになっている。挿入孔47の位置には、第二ブラケット14を内部空間46に案内するためのテーパ状の案内部48が複数形成されている。
嵌合アーム44は、内部空間46に存在するように形成されている。嵌合アーム44は、可撓性を有しており、中間に嵌合突起49が、また、先端側に嵌合解除部50がそれぞれ形成されている。嵌合アーム44は、第二嵌合部26の中心線(軸)C4上に配置形成されている。
嵌合アーム44は、第二ブラケット14が嵌合突起49を乗り越えようとする時に撓むようになっている。また、嵌合アーム44は、嵌合解除部50を押下することによっても撓むようになっている。嵌合アーム44が撓むと、嵌合突起49の位置は変位する。第二ブラケット14が嵌合突起49を乗り越えると、嵌合アーム44は元の状態に戻り、この時、嵌合突起49が嵌合孔21に差し込まれるようになっている。従ってこれにより、第二嵌合部26と第二ブラケット14との嵌合状態(第二嵌合状態)が形成されるようになっている。
嵌合突起49や嵌合解除部50は、箱部43に形成された開口部51、52から臨むことができるように配置形成されている。嵌合アーム44の近傍には、複数のリブ53が形成されている。複数のリブ53の端部には、それぞれ案内部48が形成されている。
一対の第二弾性接触片45は、内部空間46に存在するように形成されている。一対の第二弾性接触片45は、内部空間46においてガタ付きの発生を抑える部分として形成されている。一対の第二弾性接触片45は、本形態において、それぞれ片持ちのアーム形状に形成されている。一対の第二弾性接触片45は、挿入孔47の近傍から嵌合アーム44に向けて斜めにのびるように形成されている。一対の第二弾性接触片45は、この先端側が第二ブラケット14の一方及び他方の側部20に対して弾性的に接触するようになっている。
次に、上記構成及び構造に基づきながらプロテクタ11の固定に係る作業について説明する。
図1において、作業者は、ワイヤハーネス12を収納保持したプロテクタ11を持って、先ず、第一嵌合部25を座席下の奥側に位置する第一ブラケット13に挿入する。この時の挿入は、第一ブラケット13の中心線(軸)C1に対して第一嵌合部25の軸C3が傾くような方向に挿入する。すなわち、挿入方向が矢印C方向(右斜め下方向)となるように挿入する。これにより、第一嵌合部25と第一ブラケット13との嵌合が開始される。
第一嵌合部25を第一ブラケット13に挿入し続けると、第一ブラケット13の先端側部15に第一嵌合部25のストッパ部42が当接する。これにより、この当接部分を支点にしてプロテクタ11は回転方向に移動し易い状態になる(当接する前でもプロテクタ11の回転方向の移動は可能)。
第一嵌合部25と第一ブラケット13との嵌合の過程において、プロテクタ11を回転方向に移動させ、第二嵌合部26を第二ブラケット14に挿入する。この時の挿入は、第二ブラケット14の中心線(軸)C2に対して第二嵌合部26の中心線(軸)C4が傾くような方向に挿入する。すなわち、挿入方向が矢印D方向(反時計回り方向、或いは左斜め下方向)となるように挿入する(尚、矢印Dの時計回り方向(右斜め上方向)は離脱時の方向である)。これにより、第二嵌合部26と第二ブラケット14との嵌合が開始される。第二嵌合部26は回転軌跡を描くように移動する。
第二嵌合部26を第二ブラケット14に挿入し続けると、嵌合が進行する。この時、第一嵌合部25と第一ブラケット13との嵌合も進行する。第一嵌合部25の側では、第一嵌合部25の軸C3が第一ブラケット13の中心線(軸)C1に対し略一致するように第一嵌合部25が移動して嵌合が進行する。これに対し第二嵌合部26の側でも、第二嵌合部26の中心線(軸)C4が第二ブラケット14の中心線(軸)C2に対し略一致するように第二嵌合部26が移動して嵌合が進行する。
第一嵌合部25の側の嵌合が進行して、第一嵌合部25の嵌合突起37が第一ブラケット13の嵌合孔17に差し込まれると、第一嵌合部25と第一ブラケット13との嵌合状態(第一嵌合状態)が形成される。また、第二嵌合部26の側の嵌合が進行して、第二嵌合部26の嵌合突起49が第二ブラケット14の嵌合孔21に差し込まれると、第二嵌合部26と第二ブラケット14との嵌合状態(第二嵌合状態)も形成される。プロテクタ11は、第一ブラケット13及び第二ブラケット14に嵌合し、これによって固定に係る作業が完了する。以上の説明から分かるように、固定に係る作業は簡単である。プロテクタ11は、第一ブラケット13及び第二ブラケット14に対して滑り込ませるような状態で嵌合状態が形成される。
本発明によれば、作業者にとって見づらい位置や、作業しづらい位置にブラケットを設けなければならない場合であっても、或いは、異なる方向に向くブラケットを設定しなければならない場合であっても、容易にプロテクタ11を固定することができる。従って、固定に係る作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。この他、本発明によれば、車両側でのレイアウトの自由度が向上するという効果も奏する。
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
ここで、第一ブラケット13の向きや第二ブラケット14の向き等について説明する。本発明では、第一ブラケット13の中心線(軸)C1を左右方向Aに合わせ且つ第一ブラケット13の突出方向を左方向とするとともに、プロテクタ本体24を右下がり方向(第一嵌合部25が右下)にのびるものとすると、第二ブラケット14は上方向に突出する。また、第一ブラケット13の中心線(軸)C1を左右方向Aに合わせ且つ第一ブラケット13の突出方向を左方向とするとともに、プロテクタ本体24を右上がり方向(第一嵌合部25が右上)にのびるものとすると、第二ブラケット14は下方向に突出する。
また、第一ブラケット13の中心線(軸)C1を左右方向Aに合わせ且つ第一ブラケット13の突出方向を右方向とするとともに、プロテクタ本体24を左下がり方向(第一嵌合部25が左下)にのびるものとすると、第二ブラケット14は上方向に突出する。また、第一ブラケット13の中心線(軸)C1を左右方向Aに合わせ且つ第一ブラケット13の突出方向を右方向とするとともに、プロテクタ本体24を左上がり方向(第一嵌合部25が左上)にのびるものとすると、第二ブラケット14は下方向に突出する。
また、第一ブラケット13の中心線(軸)C1を上下方向Bに合わせ且つ第一ブラケット13の突出方向を上方向とするとともに、プロテクタ本体24を右上がり方向(第二嵌合部26が右上)にのびるものとすると、第二ブラケット14は右方向に突出する。また、第一ブラケット13の中心線(軸)C1を上下方向Bに合わせ且つ第一ブラケット13の突出方向を上方向とするとともに、プロテクタ本体24を左上がり方向(第二嵌合部26が左上)にのびるものとすると、第二ブラケット14は左方向に突出する。
また、第一ブラケット13の中心線(軸)C1を上下方向Bに合わせ且つ第一ブラケット13の突出方向を下方向とするとともに、プロテクタ本体24を右下がり方向(第二嵌合部26が右下)にのびるものとすると、第二ブラケット14は右方向に突出する。また、第一ブラケット13の中心線(軸)C1を上下方向Bに合わせ且つ第一ブラケット13の突出方向を下方向とするとともに、プロテクタ本体24を左下がり方向(第二嵌合部26が左下)にのびるものとすると、第二ブラケット14は左方向に突出する。
本発明のプロテクタの一実施の形態を示す嵌合過程の状態説明図である。 プロテクタ及びブラケットの構造説明図である。 第一嵌合部の断面図である。 第二嵌合部の断面図である。 従来例のプロテクタの斜視図である。
符号の説明
11 プロテクタ
12 ワイヤハーネス
13 第一ブラケット
14 第二ブラケット
15 先端側部
16 側部
17 嵌合孔
18 先端側部
19 角側部
20 側部
21 嵌合孔
22、23 台座
24 プロテクタ本体
25 第一嵌合部
26 第二嵌合部
27 底壁
28 側壁
29 テープ巻き部
30 カバー取付部
31 箱部
32 嵌合アーム
33 第一弾性接触片
34 内部空間
35 挿入孔
36 案内部
37 嵌合突起
38 嵌合解除部
39、40 開口部
41 リブ
42 ストッパ部
43 箱部
44 嵌合アーム
45 第二弾性接触片
46 内部空間
47 挿入孔
48 案内部
49 嵌合突起
50 嵌合解除部
51、52 開口部
53 リブ
A 左右方向
B 上下方向
C1 第一ブラケットの中心線(軸)
C2 第二ブラケットの中心線(軸)
C3 第一嵌合部の軸
C4 第二嵌合部の中心線(軸)

Claims (2)

  1. 箱状に形成されタブ状の第一ブラケットの挿入を許容する内部空間を有し該内部空間に円弧状に形成されるストッパ部を有し前記第一ブラケットに向けて挿入することにより第一の嵌合状態が形成される第一嵌合部と、前記第一ブラケットと同様にタブ状に形成される第二ブラケットに向けて挿入することにより第二の嵌合状態が形成される第二嵌合部とを、斜め方向にのびるプロテクタ本体の側壁に所定の間隔で一体化してなり、
    前記第一ブラケットの軸を左右方向に合わせ且つ該第一ブラケットの突出方向を左方向とすると、前記第二ブラケットは前記プロテクタ本体の斜め方向に応じて上方向又は下方向に突出するものとし、前記第一ブラケットの軸を左右方向に合わせ且つ該第一ブラケットの突出方向を右方向とすると、前記第二ブラケットは前記プロテクタ本体の斜め方向に応じて上方向又は下方向に突出するものとし、前記第一ブラケットの軸を上下方向に合わせ且つ該第一ブラケットの突出方向を上方向とすると、前記第二ブラケットは前記プロテクタ本体の斜め方向に応じて左方向又は右方向に突出するものとし、前記第一ブラケットの軸を上下方向に合わせ且つ該第一ブラケットの突出方向を下方向とすると、前記第二ブラケットは前記プロテクタ本体の斜め方向に応じて左方向又は右方向に突出するものとし、このような第一ブラケットの向き及び第二ブラケットの向きを前提にして、
    前記第一嵌合部は、該第一嵌合部の軸が前記第一ブラケットの軸に対して傾くような挿入方向にて嵌合が開始するとともに、次第に前記第一嵌合部の軸が前記第一ブラケットの軸に対し略一致するように嵌合が進行して前記ストッパ部前記第一ブラケットの先端部とが当接した状態で前記第一の嵌合状態が形成され、
    前記第二嵌合部は、前記第一嵌合部の嵌合が進行する過程で前記第二嵌合部の軸が前記第二ブラケットの軸に対し傾く挿入方向にて嵌合が開始するとともに、次第に前記第二嵌合部の軸が前記第二ブラケットの軸に対し略一致するように嵌合が進行して前記第二の嵌合状態が形成される
    ことを特徴とするプロテクタ。
  2. 請求項1に記載のプロテクタにおいて、
    前記第一嵌合部は、この内部に前記第一ブラケットの側部に対し弾性的に接触する第一弾性接触片を有し、前記第二嵌合部も、この内部に前記第二ブラケットの側部に対し弾性的に接触する第二弾性接触片を有する
    ことを特徴とするプロテクタ。
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