JP5081432B2 - 油中水乳化剤形の皮膚外用剤 - Google Patents
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このような背景において、油中水乳化物の高温保存安定性を向上させる技術の開発が望まれている。
しかしながら、これらの成分が、油中水乳化剤形の組成物の高温保存安定性を向上せしめる作用を有することは全く知られていないし、実際に1)有機変性粘土鉱物と、2)架橋型メチルポリシロキサンとを含有する油中水乳化剤形の皮膚外用剤に、更に3)4−アルキルレゾルシノールを含有させることも全く知られていない。
ここで、本発明に言う油中水乳化剤形とは、油相が連続相として存在する乳化剤形の総称を意味し、油中水乳化剤形や油中に水中油乳化物が分散する多層乳化剤形の総称である。
(1)1)有機変性粘土鉱物と、2)架橋型メチルポリシロキサン0.5〜10質量%とを含有する油中水乳化剤形の皮膚外用剤に於いて、更に3)4−アルキルレゾルシノールを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)4−アルキルレゾルシノールは、4−n−ブチルレゾルシノールであることを特徴
とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)更に、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸グルコシド、グリチルリチン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の電解質とイソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール及び1,2−オクタンジオールから選択される1種又は2種以上とを含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は有機変性粘土鉱物を必須成分として含有することを特徴とする。ここで有機変性とは、粘土鉱物の一部に有機化合物を共有結合又はイオン結合を介して強固又は緩やかに結合させ、当該有機化合物の性質の一部又は全部を粘土鉱物に付与することを意味する。粘土鉱物を有機変性させる方法としては、有機化合物の第4級アンモニウム塩と粘土鉱物を調製し、有機化合物を粘土鉱物のアニオン部分に結合させる方法、有機化合物のカルボン酸と粘土鉱物を調製し、有機化合物を粘土鉱物のカチオン部分に結合させる方法等が例示でき、この中でも、第4級アンモニウム塩と粘土鉱物を調製し、有機化合物を粘土鉱物のアニオン部分に結合させる方法が特に好ましく例示できる。
、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド等が好ましく例示される。ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等を用いて有機変性させた粘土鉱物は、安定な油中水乳化構造を形成することができる。
本発明の皮膚外用剤は、架橋型メチルポリシロキサンを必須成分として含有する。かかる成分は、ジメチルポリシロキサン骨格に、ビニル基等の反応性基の重合によって部分的に架橋構造を導入したものである。架橋型メチルポリシロキサンは、架橋の度合い、重合度などによって性状は異なるが、通常は粘性流体又はエラストマーの性状を取り、このようなものを用いることができる。架橋型メチルポリシロキサンは、化粧料原料として広く市販されており、本発明の皮膚外用剤には、この様な市販品を購入して利用することができる。好ましい市販品としては、例えば、信越化学株式会社より販売されている「シリコーンKSG−16」等が例示できる。「シリコーンKSG−16」は、架橋型メチルポリシロキサン25質量%を、デカメチルシクロペンタシロキサン75質量%で溶解したものである。本発明の皮膚外用剤に於いて、かかる架橋型メチルポリシロキサンは、使用時における延展の軽さと、延展後の肌のさっぱり感を具現化するものである。この様な効果を十分に発揮させるためには、架橋型メチルポリシロキサンを、0.5〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%含有させる。かかる成分が少なすぎると、前記効果を奏さない場合が存し、多すぎると、後記4−アルキルレゾルシノール及び/又はその塩を含有させても、40℃での保存安定性を確保できない場合が存するためである。また、架橋型メチルポリシロキサンは、有機変性粘土鉱物に対して、0.2〜5質量倍で使用することが好ましく、0.3〜3質量倍で使用することがより好ましい。この範囲で使用することにより、より好ましい使用感を得ることができる。
本発明の皮膚外用剤は、必須成分として4−アルキルレゾルシノールを含有することを特徴とする。4−アルキルレゾルシノールは、塩であってもよい。4−アルキルレゾルシノールにおけるアルキル基は、直鎖であっても、分岐構造を有していても、環状構造を有していても良く、その好ましい炭素鎖の長さは、2〜20であり、より好ましくは3〜18である。具体的には、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソオクチル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1,3−ジメチルブチル基、1−ブチルペンチル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基、或いはイソステアリル基が好ましく例示できる。4−アルキルレゾルシノールは、レゾルシンと上記アルキル基に対応するカルボン酸を塩化亜鉛の存在下縮合し、亜鉛アマルガム/塩酸で還元する方法や、レゾルシンと上記アルキル基に対応するアルコールを200〜400℃の高温下で縮合させる方法等の公知の方法により製造できる(例えば、Lille. J. Bitter, LA. Peiner. V, Tr. Nauch-Iasled. Inst. slantsev (1969), No.18, 127、特開2006−124358号公報、特開2006−124357号公報)。4−アルキルレゾルシノールとして好ましいものは、4−n−ブチルレゾルシノールである。又、4−アルキルレゾルシノールの塩としては、皮膚外用剤に使用されるものであれば、特段の限定無く使用でき、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。
本発明の皮膚外用剤においては、4−アルキルレゾルシノール及びその塩のうち一種を単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。
かかる成分は、有機変性粘土鉱物と、架橋型シリコーンとを含有する油中水乳化剤形の
皮膚外用剤において、その高温保存安定性を向上せしめる作用を有する。この様な作用を十分に発現するためには、前記4−アルキルレゾルシノールを、好ましくは、総量で0.1〜1質量%、より好ましくは、0.2〜0.5質量%含有させることがよい。加えて、前記4−アルキルレゾルシノールを、有機変性粘土鉱物に対して0.05〜0.5質量倍含有させることが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、さらにイソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール及び1,2−オクタンジオールから選択される1種又は2種以上を含有することが好ましい。これらの成分を含有することにより、本発明の皮膚外用剤の安定性が向上するからである。これらの成分は、特に、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩やグリチルリチン酸ジカリウム塩のような電解質を含有する皮膚外用剤の安定性を高める作用を有する。これらの成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、1〜5質量%である。また、これらの成分は、有機変性粘土鉱物に対して、0.2〜5質量倍で使用することが好ましく、0.3〜3質量倍で使用することがより好ましい。
グリチルリチン酸及びそれらの塩
本発明の皮膚外用剤は、アスコルビン酸リン酸エステル及び/又はその塩、アスコルビン酸グルコシド及び/又はその塩、グリチルリチン酸及び/又はその塩などの電解質を含有させることができる。このような成分は、通常、皮膚外用剤の安定性に好ましくない影響を与えるものであるが、本発明の皮膚外用剤に含有させる場合には、このような好ましくない影響を抑制することが可能である。これらの成分は、皮膚外用剤のさっぱり感などの使用感を向上させる作用も有する。これらの成分の含有量は、皮膚外用剤全体に対して、0.1〜1質量%含有することが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有し、油中水乳化剤形であることを特徴とする。本発明に言う皮膚外用剤とは、皮膚に外用で投与する製剤の総称を意味し、例えば、医薬部外品を包含する化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が好適に例示できる。これらの内、特に好ましいものは、化粧料であり、化粧料でも乳液やクリームのような基礎化粧料に適用することが好ましい。
又、本発明の皮膚外用剤は、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸グルコシド、グリチルリチン酸及びそれらの塩等が、有機変性粘土鉱物を含む油中水乳化剤形の皮膚外用剤の安定性に与える好ましくない影響を緩衝する作用を有する。従って、本発明の皮膚外用剤は、アスコルビン酸リン酸エステルやアスコルビン酸グルコシド及びグリチルリチン酸、並びにそれらの塩を含有させることも好ましい。この場合の上記成分の好ましい含有量は、それぞれ0.1〜5質量%である。
また、アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩を含有させた乳液2には、ごくわずかな離しょうが認められたが、さっぱりとした良好な使用感を有していた。一方、4−n−ブチルレゾルシノールを含有せずにアスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウムを含有させた比較例4には、明確な離しょうが観察された。これより、アスコルビン酸誘導体の塩は、優れた使用感を与えるものの、有機変性粘土鉱物による油中水乳化剤形の安定性に好ましくない影響を与えることがわかる。そして、4−アルキルレゾルシノールの添加はこの好ましくない影響を抑制し、良好な使用感及び安定性を有する皮膚外用剤の製造を可能にすることがわかる。
結果を表5に示す。
Claims (3)
- 1)有機変性粘土鉱物と、2)架橋型メチルポリシロキサン0.5〜10質量%とを含有する油中水乳化剤形の皮膚外用剤に於いて、更に3)4−アルキルレゾルシノールを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
- 4−アルキルレゾルシノールは、4−n−ブチルレゾルシノールであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 更に、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸グルコシド、グリチルリチン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の電解質とイソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール及び1,2−オクタンジオールから選択される1種又は2種以上とを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
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