JP5080147B2 - コネクタ付結束同軸ケーブルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタ付結束同軸ケーブルの製造方法、ならびに電線加工品およびコネクタ付結束同軸ケーブルに関する。
近年、携帯電話(図1)は、液晶画面、カメラ等を備えた表示部1と、ボタン等を備えた操作部2とに分離したものが主流となっている。表示部1と操作部2は、ヒンジ部3により繋がっており、携帯電話は開閉のできる構造となっている。さらに最近になって、ヒンジ部3は、開閉による折畳みだけでなく、横回転の動作も可能となっており、カメラ操作およびテレビ鑑賞のしやすい構造の携帯電話が発売されている。
これまでは、表示部1と操作部2とを電気的に接続する配線に、フレキシブル回路基板(FPC)が用いられてきた。しかし、FPCは、その構造上、縦方向の折畳み動作に対応できても、横回転の動作には対応できないものであった。さらに、携帯電話の小型化に応じてヒンジ部3内の孔サイズが小さくなってきており、ついには、FPCを通せないほどの小さいサイズとなってきた。そのため、表示部1と操作部2との接続のために、極細の同軸ケーブルを複数本束ねて両端をコネクタに接続したコネクタ付結束同軸ケーブルが、使用されるようになってきている。
最近では、携帯電話だけでなく、ノート型パソコン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、その他医療用器具などにおいてもヒンジ部で可動できる構成のものが出てきており、これらも、小型化により、極細の同軸ケーブルを用いたコネクタ付結束同軸ケーブルが使用されるようになってきている。
同軸ケーブルの構成としては、中央の内部導体4の外周を絶縁体5で被覆し、さらに外部導体6で覆い、さらにその上から外皮7で被覆した構成(図2)が一般的である(例えば、特許文献1参照)。また、内部導体8、外部導体9に、さらに細い銅線を複数本使用したもの(図3)もある(例えば、特許文献2参照)。これら同軸ケーブルは、最近では、上記の携帯電話、ノート型パソコン等に使用するために、極細のものが使用されており、その外径は、1mm以下であり、0.4mmのものも使用されている。
これらの同軸ケーブルにおいては、ヒンジ部の摺動性が必要であること、銅線が細かいことにより低誘電性が必要であることから、外皮にはパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)などのフッ素樹脂が用いられるようになってきた。
これらフッ素樹脂外皮を有する同軸ケーブルをコネクタに接続するために、通常、複数の同軸ケーブルを所定の間隔で並べて固定し、端末加工してコネクタに差し込み接続する方法がとられている(例えば、特許文献3〜6参照)。複数の同軸ケーブルの固定には、ハンドリング性の良さから、粘着テープを両面から挟みこむ形で仮固定する方法がよくとられている。
この粘着テープとしては、従来は、低価格であることからアクリル系粘着テープがよく用いられてきた。しかし、同軸ケーブルの外皮に用いられているフッ素樹脂は離型性に優れるため、アクリル系粘着剤の同軸ケーブルの外皮への接着力は低く、その結果、同軸ケーブルを所定間隔に固定した後に、粘着テープが剥がれる等の不具合が生じている。粘着テープが剥がれてしまうと、所定間隔で並べた同軸ケーブルがずれてしまい、同軸ケーブルの端末加工、コネクタへのはんだ固定等に支障を来たす。
また、表示部と操作部を結ぶヒンジ部の孔で同軸ケーブルが損傷しないよう保護するために、粘着テープを貼り付けて同軸ケーブルを結束することがある。ヒンジ部の折り曲げ回転により粘着テープの剥がれが発生すると、結束したケーブルがばらけてしまい、ヒンジ部で同軸ケーブルの破損が発生し、不良となる。
特開2003−86030号公報 特開2004−273333号公報 特開平11−297133号公報 特開2000−228118号公報 特開2000−245026号公報 特開2004−127773号公報
上記事情に鑑み、本発明は、フッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブルを所定の間隔で並べて固定し、端末加工してコネクタに差し込み結束するコネクタ付結束同軸ケーブルの製造方法において、固定された同軸ケーブルがずれることなく加工を行うことができ、結束が容易に解けないコネクタ付結束同軸ケーブルを製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、(1)フッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブルを所定のピッチに並べ、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープAにより固定する工程、(2)前記同軸ケーブルを所定の長さに切断する工程、(3)前記同軸ケーブルを端末加工し、コネクタを接続する工程、(4)前記粘着テープAを除去する工程、および(5)前記同軸ケーブルを、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープBで少なくとも1箇所結束する工程を含むコネクタ付結束同軸ケーブルの製造方法である。
本発明の製造方法において、前記粘着テープAの粘着剤層の厚さが10〜30μmであり、前記粘着テープAの厚さが40〜70μmであることが好ましく、前記粘着テープBの粘着剤層の厚さが10〜30μmであり、前記粘着テープBの厚さが30〜50μmであることが好ましい。また、前記粘着テープAおよびBの、パーフルオロアルコキシアルカンに対する粘着力が、3.0N/20mm以上であることが好ましい。さらに、前記粘着テープAの基材の素材がポリエチレンテレフタレートであり、前記粘着テープBの基材の素材がフッ素樹脂であることが好ましい。
また本発明は、フッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブルが、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープ(A)により所定のピッチで並んで固定され、前記同軸ケーブルの先端部に端末加工が施されて、前記先端部にコネクタを備えることを特徴とする電線加工品である。
さらに本発明は、フッ素樹脂外皮を有し、先端部に端末加工が施されてコネクタを有する複数の同軸ケーブルが、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープ(B)により少なくとも1箇所結束されてなるコネクタ付結束同軸ケーブルである。
本発明の製造方法は、粘着テープに固定された同軸ケーブルがずれることなく加工を行うことができるため、生産性に優れる。本発明の電線加工品は、コネクタ付同軸ケーブルとして使用可能であり、また、さらにコネクタ付結束同軸ケーブルに加工するのに有用である。さらに、本発明のコネクタ付結束同軸ケーブルは、結束が容易に解けないため、結束した同軸ケーブルがばらけて、ヒンジ部で同軸ケーブルの破損が起こるということが起こりにくい。
工程(1)は、フッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブルを所定のピッチに並べ、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープAにより固定する工程である。
当該工程は、例えば、所定のピッチに並べたフッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブルを、粘着テープAで両側から挟み込むようにして貼り合わせて固定することにより行う。
本発明は、粘着テープとして、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープを用いることに特徴がある。シリコーン系粘着剤は、フッ素系樹脂に対する粘着力が高く、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープによれば、粘着テープの剥がれを防止でき、固定した所定のピッチに並べたフッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブルのずれを抑制することができる。
粘着テープAの基材には、柔軟性の観点から、プラスチックフィルムを使用する。当該プラスチックフィルムの素材には、特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリイミド;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂などを使用することができる。これらのうち、寸法安定性および価格面から、PETが好ましい。基材の厚さとしては、20〜60μmが好ましく、25μmであることが最も好ましい。厚さが20μm未満であると、テープの破損が起こりやすくなる傾向にあり、60μmより大きくなると、柔軟性に欠ける傾向にあり、加工性に不具合が生じるおそれがある。
粘着テープAの粘着剤層に含まれるシリコーン系粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーンゴムおよびシリコーンレジンを含有してなるものが挙げられる。
シリコーンゴムとしては、シリコーン系粘着剤に使用されている各種のものを特に制限なく使用できる。例えば、ジメチルシロキサンを主な構成単位とするオルガノポリシロキサンを好ましく使用できる。オルガノポリシロキサンには必要に応じてビニル基、その他の官能基が導入されていてもよい。オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は通常18万以上であるが、望ましくは28万から100万、特に50万から90万のものが好適である。これらシリコーンゴムは1種または2種以上を適宜に組み合わせて使用することができる。
シリコーンレジンとしては、シリコーン系粘着剤に使用されている各種のものを特に制限なく使用できる。例えば、M単位(R3SiO1/2)と、Q単位(SiO2)、T単位(RSiO3/2)およびD単位(R2SiO)から選ばれるいずれか少なくとも1種の単位(前記単位中、Rは一価炭化水素基または水酸基を示す)とを有する共重合体からなるオルガノポリシロキサンを好ましく使用できる。前記共重合体からなるオルガノポリシロキサンは、OH基を有する他に、必要に応じてビニル基等の種々の官能基が導入されていてもよい。導入する官能基は架橋反応を起こすものであってもよい。前記共重合体としてはM単位とQ単位からなるMQレジンが好ましい。
M単位と、Q単位、T単位またはD単位との比(モル比)は特に制限されないが、前者:後者=0.3:1〜1.5:1程度、好ましくは0.5:1〜1.3:1程度のものを使用するのが好適である。これらシリコーンレジンは1種または2種以上を適宜に組み合わせて使用することができる。
シリコーンゴムとシリコーンレジンの配合割合(質量比)は特に制限されないが、前者:後者=100:100〜100:170程度のものを使用するのが好適である。シリコーンゴムとシリコーンレジンは、単にそれらを配合して使用してもよく、それらの部分縮合物であってもよい。
シリコーン系粘着剤は、それを架橋構造物とするために、通常、架橋剤を含む。架橋剤としては、過酸化物系架橋剤、SiH基を有するシロキサン系架橋剤などが挙げられる。
過酸化物架橋剤としては、従来よりシリコーン系粘着剤に使用されている各種のものを特に制限なく使用できる。例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,4−ジクロロ−ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジ−イソプロピルベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3等が挙げられる。過酸化物系架橋剤の使用量は、通常、シリコーンゴムとシリコーンレジンの合計100重量部に対して0.5〜5重量部程度である。
また、シロキサン系架橋剤として、例えば、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なくとも平均2個有するポリオルガノハイドロジエンシロキサンが用いられる。ケイ素原子に結合した有機基としてはアルキル基、フェニル基、ハロゲン化アルキル基等があげられるが、合成および取り扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。シロキサン骨格構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状が良く用いられる。シロキサン系架橋剤の使用量は、通常、シリコーンゴムおよびシリコーンレジン中のビニル基1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原子が1〜30個、好ましくは4〜17個になるように配合する。シロキサン系架橋剤を用いる場合には、白金触媒、その他種々の触媒を使用してもよい。
さらに、シリコーン系粘着剤は、必要に応じて、充填剤等、各種の添加剤を含んでいてもよい。
粘着テープAは、市販のものを用いても良く、また、例えば、以下のようにして製造して入手することができる。シリコーンゴムとシリコーンレジンを、まず、トルエン等の溶剤を用い、固形分濃度が15〜60質量%となるように希釈する。得られた溶液に、架橋材、触媒等を適宜添加して塗布液を調製する。塗工機を用いて、塗布液を基材にコーティングし、乾燥塔で、乾燥および架橋を行う。塗工方法としては、ダイレクト塗工法、リバースコート法、コンマコート法、ファウンテンコート法等が挙げられる。
なお、基材に前記塗布液を塗布して粘着剤層を形成するにあたっては、基材とシリコーン系粘着剤との投錨性を向上させるために、下塗り剤を使用することもできる。また、投錨性を向上させるために、基材にスパッタ処理、コロナ処理、ナトリウム処理等を行ってもよい。さらに、粘着テープの巻き戻し性改善のために、基材の背面(粘着剤層とは反対の面)に剥離処理剤を塗布することもできる。
粘着テープAの粘着剤層の厚さとしては、10〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましく、15μmが最も好ましい。厚さ10μm未満であると、粘着力不足による同軸ケーブルの乱れといった問題が発生するおそれがあり、厚さが30μmを超えると、せん断方向にずれやすく、また粘着力が強すぎて、粘着テープAを剥がしにくくなるおそれがある。
粘着テープA全体の厚さとしては、40〜70μmが好ましい。
粘着テープAは、パーフルオロアルコキシアルカンに対する粘着力が、3.0N/20mm以上であることが好ましく、より好ましくは6〜9N/20mmである。
本発明で使用される同軸ケーブルは、通常、内部導体の外周を絶縁体が覆い、その上を外部導体が覆い、さらにその上を外皮が被覆した構造を有し、内部導体および外部導体は、複数の導線よりなっていてもよい。外皮の素材は、フッ素樹脂であり、フッ素樹脂としては、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)等が挙げられる。本発明で使用される同軸ケーブルは、極細であること、例えば、その外径が、0.2〜1mmであることが好ましく、0.2〜0.4mmであることがより好ましい。
同軸ケーブルを並べる所定のピッチ、および同軸ケーブルに粘着テープを貼り合わせる方法については、従来方法と同様である。
工程(2)は、前記同軸ケーブルを所定の長さに切断する工程であり、従来の方法と同様に実施すればよい。
工程(3)は、前記同軸ケーブルを端末加工し、コネクタを接続する工程であり、従来の方法(例えば、従来技術の欄で挙げた特許文献3〜6に記載の方法)と同様に実施すればよい。
工程(3)の一例として、工程(3)は、以下の手順で行っても良い。同軸ケーブルの端部にレーザー等でスリットを入れ、端部の外皮および粘着テープAを除去する。露出した外部導体にはんだコーティングを行った後、外部導体の一部を除去して、絶縁体を露出させる。露出した絶縁体の一部を除去して、内部導体を露出させる。内部導体および外部導体をコネクタにはんだ付けして、コネクタを取り付ける。
当該工程(3)は、前記同軸ケーブルの両方の端部に対して実施することが好ましい。
工程(3)まで実施することにより、フッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブル10が、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープA12により固定されて所定のピッチで並び、前記同軸ケーブル10の先端部に端末加工が施されて、前記先端部にコネクタ11を備える電線加工品、を得ることができる(図4参照)。当該電線加工品は、そのままでも、コネクタ付同軸ケーブルとして使用可能であり、また、さらにコネクタ付結束同軸ケーブルに加工するのに有用である。
工程(4)は、前記粘着テープAを除去する工程であり、従来の方法と同様に実施すればよい。
工程(5)は、前記同軸ケーブルを、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープBで少なくとも1箇所結束する工程である。
粘着テープBの基材の素材としては、粘着テープAの基材の素材と同様のものが例示でき、なかでも、ヒンジ部での摩擦低減の観点から、フッ素樹脂が好ましく、PTFEが特に好ましい。粘着テープBの基材としてフッ素樹脂を用いる場合には、基材にスパッタ処理を行い、基材と粘着剤層との間の接着性を向上させることが好ましい。粘着テープBの基材の厚さとしては、ヒンジ部の孔サイズが小さいことを考慮すると、厚さが小さいことが好ましく、10〜30μmが好ましく、25μmであることが最も好ましい。
粘着テープBの粘着剤層に使用するシリコーン系粘着剤については、粘着テープAの粘着剤層に使用するシリコーン系粘着剤と同様である。
粘着テープBは、粘着テープAと同様にして製造して入手することができ、市販品を用いてもよい。
粘着テープBの粘着剤層の厚さとしては、10〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましく、15μmが最も好ましい。厚さ10μm未満であると、粘着力不足により結束が解けるおそれがあり、厚さが30μmを超えると、粘着テープの厚さが狭いヒンジ部の孔サイズに適さなくなるおそれがある。
粘着テープB全体の厚さとしては、30〜50μmが好ましい。
粘着テープBは、パーフルオロアルコキシアルカンに対する粘着力が、3.0N/20mmであることが好ましく、より好ましくは2〜4N/20mmである。
同軸ケーブルのテープBによる結束は、少なくとも1箇所固定すればよいが、ほぼ等間隔にさらに1〜3箇所固定することが好ましい。結束の断面の形態は、丸型、平面型等、使用する用途(ヒンジ部の孔の形状、サイズなど)に応じて適宜決定すればよい。
以上の工程を実施することにより、フッ素樹脂外皮を有し、先端部に端末加工が施されてコネクタ11を有する複数の同軸ケーブル10が、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープB13により少なくとも1箇所結束されてなるコネクタ付結束同軸ケーブルが得られる(図5参照)。当該コネクタ付結束同軸ケーブルは、ヒンジ部の折り曲げ回転により粘着テープの剥がれが発生し難い。従って、結束した同軸ケーブルがばらけて、ヒンジ部で同軸ケーブルの破損が起こるという事態が発生しにくい。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら制限されるものではない。
〔粘着テープの調製〕
(粘着テープA1)
ジメチルシロキサン構造のシリコーンゴムとMQレジン構造のシリコーンレジンとを100/100の質量比で配合した粘着剤を、トルエンで、固形分濃度が40質量%となるように希釈した。そこへ、粘着剤の固形分100質量部に対し、架橋剤としてナイパーBO(日本油脂社製)を1.5質量部加え、充分に攪拌して粘着剤溶液を得た。基材として厚さ25μmのPETを用い、アプリケーターにて粘着剤を固形分で30μmの厚さになるように塗布した。これを80℃で3分間乾燥し、200℃で5分間キュアーして、PTFE基材厚さ25μm、糊厚(粘着剤層の厚さ)30μmの粘着テープを得た。
(粘着テープA2)
ジメチルシロキサン構造のシリコーンゴムとMQレジン構造のシリコーンレジンとを100/140の質量比で配合した粘着剤成分に、架橋剤としてSiH基含有の低分子量ジメチルシロキサンをビニル基とSiH基のモル比が1/10となるように配合した粘着剤を、トルエンで固形分濃度が40質量%となるように希釈し、充分に攪拌して粘着剤溶液を得た。基材として厚さ25μmのPETを用い、アプリケーターにて粘着剤を固形分で30μmの厚さになるように塗布した。これを室温で5分間乾燥し、110℃で5分間キュアーして、PTFE基材厚さ25μm、糊厚30μmの粘着テープを得た。
(粘着テープA3)
比較例用に、アクリル系粘着剤を用いた粘着テープNo.31B(日東電工製、PET基材厚さ25μm、糊厚30μm)を入手した。
(粘着テープB1)
上記粘着テープA1の調整において、基材に厚さ25μmの片面にスパッタ処理を施したPTFEを用い、糊厚が15μmとなるように調整した以外は、上記と同様にして実施し、PTFE基材厚さ25μm、糊厚15μmの粘着テープを得た。
(粘着テープB2)
上記粘着テープA2の調整において、基材に厚さ25μmの片面にスパッタ処理を施したPTFEを用い、糊厚が15μmとなるように調整した以外は、上記と同様にして実施し、PTFE基材厚さ25μm、糊厚15μmの粘着テープを得た。
(粘着テープB3)
比較例用に、アクリル系粘着剤を用いた粘着テープNo.903AP−3(日東電工製、PTFE基材厚さ25μm、糊厚10μm)を入手した。
以上粘着テープのPFAに対する粘着力を、次の方法で評価した。
SUS板上に50μm厚のPFAフィルムを、両面テープ(No.500.日東電工製)で固定して、被着体とした。試験する粘着テープを20mm幅に切断し、2kgのゴムローラーを1往復させて、被着体上に粘着テープを圧着した。室温(25℃)で20〜40分間静置した後、引張り試験機(オートグラフ、島津製作所製)で、室温にて、300mm/minの引張り速度で、180°ピールにて、粘着力を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005080147
〔コネクタ付同軸ケーブルの作成〕
粘着テープA1、A2およびA3をそれぞれ2枚ずつ用意し、1枚の粘着面上に5本の同軸ケーブル(外径0.4mm)を5mmピッチで並べた。その上にもう1枚の粘着テープを重ね合わせ、同軸ケーブルがずれないように同軸ケーブルに平行にハンドローラーを動かして圧力をかけて貼り合わせた。更に、常温で、ラミネーター(上:ゴムロール、下:メタルロール)で、2kg/cm2の圧力をかけて圧着した。
ここで、粘着テープの粘着力を評価するために、粘着テープを貼り合わせた同軸ケーブルの両端を手で持ち、約160°の角度まで折り曲げて元に戻す動作を10回繰り返し、実際の加工工程よりも高い負荷を粘着テープにかけた。肉眼で、同軸ケーブルが位置ずれを起こしていないかを評価した。結果を表2に示す。なお、粘着テープA1を用いて実施した例を実施例1とし、粘着テープA2を用いて実施した例を実施例2とし、粘着テープA3を用いて実施した例を比較例1とした。
Figure 0005080147
実施例1および実施例2のケーブルはその後、問題なく、両端に端末加工およびコネクタ接続を行うことができた。比較例1のケーブルについては、上記の評価で位置ずれがみられたため、その後の加工は行わなかった。
〔コネクタ付結束同軸ケーブルの作製〕
粘着テープA1を用い、上記と同様にして、30本の同軸ケーブル(外径0.4mm)を加工してコネクタ付同軸ケーブルを作成した。粘着テープA1を剥がして除去し、粘着テープB1、B2またはB3を両端から1.5cmの箇所および中央部の合計3ヶ所に巻きつけて結束を行った。得られたコネクタ付結束同軸ケーブルについて、耐屈曲試験機で、左右135℃まで折り曲げる動作を一万回繰り返し、粘着テープの剥がれを肉眼で評価した。結果を表3に示す。なお、粘着テープB1を用いて実施した例を実施例3とし、粘着テープB2を用いて実施した例を実施例4とし、粘着テープB3を用いて実施した例を比較例2とした。結果を表2に示す。
Figure 0005080147
以上の結果より、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープを用いれば、同軸ケーブルの位置ずれが起こらず生産性よくコネクタ付結束同軸ケーブルを製造でき、得られるコネクタ付結束同軸ケーブルは、粘着テープの剥がれの問題がないことがわかる。
本発明は、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、医療用器具等のヒンジ部に用いられる、複数の同軸ケーブルを用いたコネクタ付結束同軸ケーブルの製造に有用である。
折りたたみ式携帯電話の模式図である。 同軸ケーブルの一構成例を示す図である。 同軸ケーブルの別の構成例を示す図である。 本発明の電線加工品の一例を示す図である。 本発明のコネクタ付結束同軸ケーブルの一例を示す図である。
符号の説明
1 表示部
2 操作部
3 ヒンジ部
4 内部導体
5 絶縁体
6 外部導体
7 外皮
8 内部導体
9 外部導体
10 同軸ケーブル
11 コネクタ
12 シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープA
13 シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープB

Claims (6)

  1. (1)フッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブルを所定のピッチに並べ、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープAにより固定する工程、
    (2)前記同軸ケーブルを所定の長さに切断する工程、
    (3)前記同軸ケーブルを端末加工し、コネクタを接続する工程、
    (4)前記粘着テープAを除去する工程、および
    (5)前記同軸ケーブルを、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープBで少なくとも1箇所結束する工程
    を含むことを特徴とするコネクタ付結束同軸ケーブルの製造方法。
  2. 前記粘着テープAの粘着剤層の厚さが10〜30μmであり、前記粘着テープAの厚さが40〜70μmであり、かつ前記粘着テープBの粘着剤層の厚さが10〜30μmであり、前記粘着テープBの厚さが30〜50μmである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記粘着テープAおよびBの、パーフルオロアルコキシアルカンに対する粘着力が、3.0N/20mm以上である請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記粘着テープAの基材の素材がポリエチレンテレフタレートであり、前記粘着テープBの基材の素材がフッ素樹脂である請求項1に記載の製造方法。
  5. フッ素樹脂外皮を有する複数の同軸ケーブルが、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープにより所定のピッチで並んで固定され、前記同軸ケーブルの先端部に端末加工が施されて、前記先端部にコネクタを備えることを特徴とする電線加工品。
  6. フッ素樹脂外皮を有し、先端部に端末加工が施されてコネクタを有する複数の同軸ケーブルが、シリコーン系粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着テープにより少なくとも1箇所結束されてなるコネクタ付結束同軸ケーブル。
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