JP5080073B2 - 電池パック - Google Patents
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Description
金型8は、可動型81と固定型82とを備えている。
可動型81と固定型82とを付き合わせ、このときに生じるキャビティ84に、ポリカーボネート(PC)を略320℃に加温し、溶融させたものを、ランナー83及びゲート85を介して注入する。
なお、ケース13の材料として、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、及びこれらの合成材料であるPC/ABSを用いることもできる。
金型8を開き、可動型81を取り外して、底板部に側板部が周設された一面が開口の箱状をなすケース13が取り出される。
このとき、例えば、可動型81にダレが生じたときに、ケース13の側板部には必ずバリ13aが生じる。
ケース13には、素電池(図示せず)が収容され、ケース13の開口を閉塞した上で、前記バリ13aが生じた側板部に亘って絶縁シート14が貼付されている。
バリ13aがある場合、このバリ13aがある部分で、絶縁シート14が突っ張って破断したり、ケース13の側板部の前記固定型82により成形される固定型部分13b、及び前記可動型81により成形される可動型部分13cに密着せず、電池パックとしての完成品が得られた後に、絶縁シート14が剥がれることがあるという問題があった。
この場合、ケース13に、素電池が収容され、ケース13の開口を閉塞した上で、前記固定型部分13bに亘って絶縁シート14が貼付されたときに、絶縁シート14がケース13の固定型部分13bに密着せず、電池パックとしての完成品が得られた後に、絶縁シート14が剥がれることがあるという問題があった。
なお、以上のように、可動型部分13cと固定型部分13bとに段差があった場合、凹んでいる側の金型に多少のダレが生じても、ダレが段差寸法の範囲内であればケース13の対応する部分にバリが生じることはなく、バリの発生確率は低減する。
しかし、通常は同一寸法になることを狙って加工を行うので、結果的に段差が生じた場合、ケースの対向する側板部で、可動型部分と固定型部分との段差は逆方向に生じることが多く、必ずしもバリを削減することができるとはいえない。
また、開口側部分と底板側部分との間に段差がある場合においても、この段差のために絶縁シートが浮いて側板部に密着せず、電池パックとしての完成品が得られた後に、絶縁シートが剥がれるという問題も生じない。
また、底板側部分が、開口側部分より前記絶縁シートの厚み寸法と同一寸法分、外側に突出しており、開口側部分に貼付された絶縁シートの表面と、絶縁シートが貼付されていない底板側部分の表面とが同一平面上にあるので、底板側部分が突出していない場合のように、絶縁シートの貼付の有無で生じる段差による引っ掛かり等の問題が生じない。
また、開口側部分と底板側部分との間に段差がある場合においても、この段差のために絶縁シートが浮いて側板部に密着せず、完成後に、絶縁シートが剥がれるという問題が生じることがない。
そして、底板側部分が突出していない場合のように、絶縁シートの貼付の有無で生じる
段差による引っ掛かり等の問題が生じることがない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る電池パック1を示す分解斜視図、図2は電池パック1に備えられるケースを示す拡大斜視図、図3は電池パック1を示す一部側面図である。
電池パック1の電池コア2の素電池21は縦36mm、横34mm、厚み5.2mmの角型平板状であり、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池であり、正極及び負極をセパレータを介して巻回した電極群、並びに非水電解質を、アルミニウム又はアルミニウム合金製のケースに収納してなる。素電池21の一側面には、絶縁板(図示せず)を介して負極端子(図示せず)が設けられ、これと対向する他側面には、リード取付板21aが設けられている。負極端子が設けられた部分以外の素電池21の全体が正極(端子)とされる。
第1リード板22cは、基板22aの電極と前記負極端子とを接続する。第2リード板22dは、基板22aの電極と、リード取付板21aを介し素電池21の他側面とを接続する。
ケース3の開口面と、可動型部分34aと固定型部分34bとの境界とは、4.0mm以上離隔している。
ケース3の他の側板部32,33は、アンダーカット部分を有するので、可動型71に備えられたスライド型により全体が成形される。
金型7は、可動型71と固定型72とを備えている。
可動型71の中央部側には凸部71aが設けられており、凸部71aの両側には溝部71b,71bが形成されている。可動型71の固定型72との付け合わせ面からの溝部71bの深さは4.0mm以上あり、上述したように、成形されるケース3の開口面と、可動型部分34aと固定型部分34bとの境界とが4.0mm以上離隔されるように構成されている。
固定型72の中央部側には、凹部72aが設けられている。
可動型71と固定型72とを付き合わせたときに生じるキャビティ74に、PCを略320℃に加温し、溶融させたものを、ランナー73及びゲート75を介して注入する。
なお、ケース3の材料として、ABS、及びPC/ABSを用いることもできる。
金型7を開いて固定型72から可動型71を取り外し、可動型71に設けられたスライド型(図示せず)を外側に摺動させることで、ケース3が取り出される。
このとき、側板部34の可動型71と固定型72との境界近傍にダレが生じた場合、この部分にバリ34cが生じる。
側部42は、ケース3の側板部34の可動型部分34aにのみ貼付される(図3参照)。
側部42,42の垂下長は、後述するように4.0mm以上であり、かつ、側板部34,34の可動型部分34a,34aを超えて貼付されない長さとする。
絶縁シート4をケース3の開口部を閉塞するように貼付した後、その側部42を側板部34の可動型部分34aに貼付し、又は巻き付ける場合、絶縁シート4を、ケース3の開口部と側板部34との稜線部分で折り曲げるが、この折り曲げ部分には、絶縁シート4の弾性により絶縁シート4を剥がそうとする反力が常に働いている。そのため、可動型部分34aの面積が同一であれば、側部42の垂下長が長い方が反力の影響を受けにくくなり、剥がれにくい。
従って、絶縁シート4の側部42の垂下長は4.0mm以上であるのが好ましく、ケース3の開口面と、可動型部分34aと固定型部分34bとの境界とが4.0mm以上離隔しているのが好ましい。
また、可動型部分34aと固定型部分34bとの間に段差がある場合においても、この段差のために絶縁シート4が浮いて側板部34に密着せず、電池パック1としての完成品が得られた後に、絶縁シート4が剥がれることが抑制されている。
さらに、側板部32及び33のうちの少なくとも一方の側板部が、全体がスライド型により成形されるのではなく、可動型71と固定型72とにより直接成形される部分を有し、該部分に絶縁シート4の側部43,44,及び44のうちの少なくとも1つの側部が貼付される場合は、ケース3の開口面と、前記側板部の可動型部分と固定型部分との境界とが4.0mm以上離隔するとともに、絶縁シート4の前記側部の垂下長が4.0mm以上であり、かつ、前記可動型部分を超えて貼付されない長さになるように構成するのが好ましい。
図6は、本発明の実施の形態2に係る電池パック51を示す一部側面図である。図中、図3と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図6に示すように、側板部34の固定型部分34bは、可動型部分34aより絶縁シート4の厚み寸法と同一寸法分、外側に突出しており、可動型部分34aと固定型部分34bとの境界部分には、突出面部34dが形成されている。ケース3の開口面と、突出面部34dとは4.0mm以上離隔している。他方の側板部34も同様の構成を有する。
絶縁シート4の厚み寸法は、絶縁シート4が、一面に粘着剤を塗布したポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材フィルムに、同様に一面に粘着剤を塗布した表面ラミネート層を重ね合わせて構成される場合は略0.09mmであり、表面ラミネート層を有しない場合は略0.06mmであるが、前記突出面部34dの突出幅は、貼付する絶縁シート4の厚み寸法に対応させて、同一寸法にする。
絶縁シート4の側部42,42の垂下長はいずれも4.0mm以上であり、かつ、突出
面部34d,34dを超えて貼付されない長さとする。
また、固定型部分34bが、可動型部分34aより絶縁シート4の厚み寸法と同一寸法分、外側に突出しており、可動型部分34aに貼付された絶縁シート4の表面と、絶縁シート4が貼付されていない固定型部分34bの表面とが同一平面上にあるので、固定型部分34bが突出していない場合のように、絶縁シート4の貼付の有無で生じる段差による引っ掛かり等の問題が生じることがない。
2 電池コア
21 素電池
21a リード取付板
22 保護回路部
22a 基板
22b 外部出力端子
22c 第1リード板
22d 第2リード板
23 基板ホルダ
23a 第1側板部
23b 第2側板部
3 ケース
31 平板部
32、33、34 側板部
32a 窓部
34a 可動型部分
34b 固定型部分
34c バリ
34d 突出面部
4 絶縁シート
41 平面部
42、43、44 側部
7 金型
71 可動型
72 固定型
73 ランナー
74 キャビティ
75 ゲート
Claims (3)
- 素電池、及び該素電池から外部へ電力を取り出し、又は外部から電力を取り込むための外部出力端子を有する電池コアと、
金型の固定型及び可動型を用いて、底板部に側板部が周設された一面開口の箱体状に成形され、前記電池コアを収容するケースと、
該ケースの開口を閉塞した上で、前記ケースの、スライド型を介さず、前記固定型及び可動型により直接成形される側板部に亘って貼付され、又は巻き付けられる絶縁シートと
を備える電池パックにおいて、
前記側板部は、前記固定型及び可動型のうちの一方の型により成形される開口側部分のみに、前記絶縁シートが貼付され、又は巻き付けられていることを特徴とする電池パック。 - 前記側板部の、前記金型の他方の型により成形される底板側部分は、前記開口側部分より前記絶縁シートの厚み寸法と同一寸法分、外側に突出している請求項1に記載の電池パック。
- 前記ケースの開口面と、前記開口側部分と底板側部分との境界とは、4.0mm以上離隔している請求項1又は2に記載の電池パック。
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