JP5079814B2 - 調節手段を備えた胃内バルーン用の装置および方法 - Google Patents

Description

本発明は、肥満治療に使用される空気注入式胃内バルーンを充填できる装置および方法であって、特に胃内に配置された状態で、胃内バルーンを充填し、調節し、収縮することができる装置および方法に関する。

胃内バルーンは、減量や肥満治療の手段として、従来からよく知られている。そのような空気注入式の胃内バルーンの１つが、米国特許第５０８４０６１号に記載されており、これは、バイオエンタリック イントラガストリック バルーン システム（ＢｉｏＥｎｔｅｒｉｃｓ Ｉｎｔｒａｇａｓｔｒｉｃ Ｂａｌｌｏｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）として商用的に利用され、商標名ＢＩＢの名の下で販売されている。これらの装置は、外科手術に向けて減量しなければならない中程度肥満者のための治療用に、すなわち減量および行動修正プログラムの１つとして、設計されている。

ＢＩＢシステムは、例えば、胃に挿入されて液体が充填されるシリコンエラストマー製の胃内バルーンから構成される。商用利用可能な胃内バルーンには、食塩水または空気が充填される。この胃内バルーンは、胃を満たす役割をし、食欲コントロールを強化する役割をする。胃内バルーンは、手術することなく、通常２０〜３０分で留置される。この処置は、通常、局部麻酔や鎮静剤を使用して、外来診療の場で胃内視鏡によって行われる。留置は一時的で、胃内バルーンは、通常６ヶ月後取り除かれる。

この目的のために使用される胃内バルーンのほとんどは、空または収縮した状態で胃内に留置され、その後、充填チューブを通して適当な液体が（完全にまたは部分的に）充填される。充填チューブは、取り外し可能にまたは永久的にバルーンに取り付けられている。取り外し可能な充填チューブは、通常、胃内バルーンが初めて留置される前に取り付けられ、該バルーンの膨張後に取り除かれる。バルーンが胃内の空間を塞ぐことにより、食物が入る空間が小さくなり、太り過ぎの患者に満足感が与えられる。これらの装置の臨床結果は、多くの太りすぎ患者に対して、胃内バルーンが、十分に、食欲のコントロールを助けるとともに減量を達成させる助けとなっていることを示している。

従来の胃内バルーンの１つのタイプは、胃内にバルーンが存在している間中、充填チューブが接続されている。バルーンは患者の胃内に導入され、接続されているチューブは鼻孔を通過して延びている。このような胃内バルーンは、例えば米国特許第４１３３３１５号に記載されている。

従来の胃内バルーンの別のタイプは、適当なプラスチックチューブと大抵はスタイレットとの補助を受けて胃内に留置される。バルーンには食塩水が充填され、その後、チューブとスタイレットは、胃内から引き抜かれる。この第２のタイプの胃用バルーンは、例えば英国特許出願ＧＢ２ ０９０ ７４７号に記載されている。

さらに、２番目のタイプのバルーンに関しては、時々、最適なウエイトコントロールを目的としてバルーンをさらに拡大するために、液体の追加が望まれることがある。その上、バルーンを取り除く１つの方法では、空のバルーンを胃から取り除く前に、チューブを介してバルーンから食塩水を取り除くことによって、バルーンを収縮させる。

上述のことを達成するために、２番目のタイプの胃内バルーンでは、通常、充填チューブおよび／またはスタイレットが挿入される自己シール弁が備えられている。このタイプの胃用バルーンに関して頻繁に起こる問題は、バルーンがすでに胃内に存在している状態で、外科医がそのバルーンに液体を加えるまたは液体を取り除くために充填チューブを再び挿入しようと試みたときに、弁を配置することにある。

体内にあるバルーンを操作して弁を視野的に配置することは相当難しく、弁を探すことによって処置が相当長くなるものと、当業者であれば容易に判ることである。業界内の経験者は、胃内で物理的に操作したり取り除いたりするにあたってバルーンを把持するために、いくつかの胃内バルーンではタブが設けてあることを高く評価している。このようなタブが、例えば米国特許第５０８４０６１号と６７４６４６０号に開示されている。

現在の胃内バルーンにはこのようなタブが組み込まれているが、外科医は、いまだに、バルーンに液体を充填したり液体を取り除くための弁を探すのにかなり苦労している。弁が視認できる位置に来た後でも、外科医にとって、弁に充填チューブを再挿入するのは難しくまた厄介なことである。バルーンは、滑りやすくて位置が定まらないものである。加えて、球形（または実質的には球形）の胃用バルーンは、胃内で簡単に回転するため、バルーンをわずかに動かすだけで弁を充填チューブに対して係合する位置に動かすことができる。

公知の方法や装置にまつわる別の問題は、胃用バルーンの留置後であり、患者は、胃内に留置された胃用バルーンの影響によって吐き気に悩まされていることである。
この問題は、胃内バルーンが留置されたあとに、一度の処置でその収容能力いっぱいまで充填されたときに見られる。

そこで、本発明は、従来のシステムにまつわるこれらの問題を解消することを目的とする。本発明のこれらの特徴および他の特徴は、後述の詳細な記述の説明によって、さらに明らかになる。

本発明は、上述の問題を解消するために、体内で空気注入式の胃内バルーンを調節するための装置および方法を提供するものである。上述の従来技術の装置と異なり、本発明の空気注入式の胃内バルーンは、外科医が特別な胃内視鏡器具を使用して該胃内バルーンを捕えて確実に保持し得る把持用ボタンまたはタブを備えている。また、この胃内視鏡器具は、バルーン内に収容されている液体量を調節するための充填器具を有する。

特に、胃内バルーンには、把持用ボタン／弁の結合アセンブリが設けられている。外科医は、例えば胃内バルーンを捕えて保持するために、患者の胃内に胃内視鏡器具を配置する。胃内視鏡器具の先端には、ボタン／弁アセンブリのボタン部を確実に固定する把持ツールが備えられている。胃内バルーンが確実に器具に固定されると、充填器具がボタン／弁アセンブリ内に含まれる自己シール弁を通過して配置される。バルーン内に充填器具が配置されると、外科医は、所望する体積にバルーンの大きさを調節するのに必要な量の液体を加えるまたは取り除く。このようにして、外科医は、バルーンを取り出して再びインプラントすることなく、またはバルーンを完全に交換することなく、最低限の侵入方法で、バルーンの体積をすばやく調節することができる。加えて、本発明の装置および方法は、体内で胃内バルーンを捕らえて確実に保持するということについて、従来の装置の問題を十分に解消する。

本発明の別の態様によれば、胃内バルーンは、自己シール面部と、該バルーンに胃内視鏡器具を確実に固定するための把持用タブとを備えている。この態様において、自己シール部は、バルーンの表面の一部分またはいくつかの部分にあるので、外科医は、ニードルのような充填器具を配置するにあたって正確に目標の位置につける必要がない。上述するように、外科医は胃内に胃内視鏡器具を配置し、バルーンの表面に設けられている把持用タブを１つを捕えるために把持ツールを使用する。外科医は、次に、充填器具を前進させ、バルーンの自己シール面部の１つに通過させる。完全に通過すると、外科医は充填器具を使用してバルーンの体積を調節する。この態様において、自己シール面および／または把持用タブが１つまたはそれ以上バルーンに備えられているため、外科医は、バルーンを把持するために、および／またはその体積を調節するために、多くの場所を利用できる。

上述の本発明の態様に加えて、本発明の胃内バルーンの形状は、双対の半球形状またはその他類似の形状に変更できる。これにより、本発明の胃内バルーンの把持はより容易になる。

本発明のまた別の態様において、胃内バルーンシェルは、バルーンシェル内に組み込まれているまたはシェルの表面に埋め込まれているマグネットを備える。対応する磁石面が、胃内視鏡器具の先端に設けられている。これにより、外科医は、磁力を利用してバルーンを捕えることができる。この本発明のまた別の態様により、従来の問題が十分に軽減される。

本発明のさらに別の態様において、胃内バルーンは、該バルーンを捕える把持ツールを使用することなく、バルーンに液体を充填するためまたは液体を取り除くためのニードルやその他の器具を、外科医がより簡単に位置合わせすることを可能とするくぼみ部を備える。外科医は、ニードルまたは他の充填器具をくぼみ部の底に弁や自己シール部を備えた、円錐形状のくぼみ部に向かって進める。いくつかの弁や自己シール面の形状は、本実施態様においては具体化され、バルーンの充填や収縮のために、くぼみ部の底に設けられている。本発明の様々な別の態様、およびこれらの利点は、以下に詳細に説明されている。

バルーンは、体内での調節が可能であるため、時間をかけて減量するために、必要であれば、留置されている期間にわたって充填される。減量がゆっくりと行われる場合、外科医は、胃内で装置が大きなスペースを占めるように体積を大きくし、早期に満足感が得られるようにする。時間をかけて減量が行われると、その期間中に充填量を変更しながら、装置はより長い間留置されることによって恩恵を受ける。調節可能期間が長くなるように、シェルは、耐酸性の材料で作製することが好ましい。例えば、ジフェニルシリコン、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、変性ＰＴＦＥ、シリコンポリウエタンエラストマー、高密度｛こうみつど｝ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、低密度｛ていみつど｝ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、または他の耐酸性のシェル材料から作製される。シェルはまた、装置の耐酸性を向上させるために、パリレンなどでコーティングされる。

図１は、本発明の一実施形態に係る、把持用ボタン／弁の結合アセンブリを有する胃内バルーンの上面図である。

図２は、図１に示す胃内バルーンの側面図である。

図３は、図１に示す胃内バルーンの斜視図である。

図４は、図１に示す胃内バルーンの把持用ボタン／弁アセンブリの側面図である。

図５は、図１に示す胃内バルーンの把持用ボタン／弁アセンブリの斜視図である。

図６は、本発明の別の実施形態に係る胃内バルーン調節器具の斜視図である。

図７は、図６に示す胃内バルーン調節器具の先端の詳細図である。

図８は、本発明の別の実施形態に係る、自己シールシェル部と把持用のループタブとを有する胃内バルーンの斜視図である。

図９は、本発明のさらに別の実施形態に係る、自己シールシェル部と該シェル部の表面に組み込まれたループタブとを有する胃内バルーンの斜視図である。

図１０は、本発明のさらに別の実施形態に係る、複数の自己シールシェル部と複数の把持用タブとを有する胃内バルーンの斜視図である。

図１１は、本発明のさらに別の実施形態に係る、２つの半球形のバルーン部と自己シール面を備えた接続部とを有する胃内バルーンの側面図である。

図１２は、本発明のさらに別の実施形態に係る、胃内視鏡器具を受け入れる円錐形状のくぼみ部を有する胃内バルーンの斜視図である。

図１３は、本発明のさらに別の実施形態に係る、自己シール部にマグネットが設けられている胃内バルーンの斜視図である。

図１４は、本発明の別の実施形態に係る、先端にマグネットを備えた胃内バルーン調節器具の詳細図である。

図１５は、図６〜７の胃内バルーン調節器具によって捕えられている、図１〜３の胃内バルーンの把持用ボタン／弁アセンブリの斜視図である。

本発明は、体内または原位置で胃内バルーンの体積を調節する装置および方法であって、それにより胃からバルーンを取り除く必要がなくなる。

図１〜３を参照すると、本発明の好適な一実施形態に係る胃内バルーンが示されている。胃内バルーン１０は、シェル１２と、把持用ボタン／弁アセンブリ１４とを有する。

本発明に係る胃内バルーン１０に対して食塩水などの液体を加えるまたは取り除く方法では、胃内バルーンが患者にインプラントされている必要がある。インプラント期間、非膨張のバルーン１０が、所望の配置で胃内に配置されている。図６〜７に示すような胃内視鏡器具が、把持用ボタン／弁アセンブリ１４を把持するために使用される。図４および５には、把持用ボタン／弁アセンブリ１４の詳細図が示されており、これはバルーンシェル１２に結合されている。図１〜５の把持用タブはボタン形状であるが、本発明の範囲から逸脱することなく、タブを代用可能な様々な形状にすることが可能であるのは、当業者には明らかである。例えば、いくつかのループ形状の把持用タブが、図８〜１０に開示されている。

図７の詳細図に示すように、器具５０は、把持ツール５２とニードル５４とを有する。外科医は、次の通りに体内での調節を実行する。外科医は、図１〜５に示す把持用ボタンを捕らえるために、図６〜７の胃内視鏡器具を操作する。胃内視鏡器具を使用しながら、外科医は、把持用ボタンを確実に捕らえるために、ボタン頭頂部２０周囲に、把持ツール５２を「開いた」状態で位置合わせする。外科医は、把持用ツール５２にボタン頭頂部２０の周囲を締め付けさせることによって該把持用ツールがバルーンに確実に固定されるように、器具５０を操作する。バルーンが器具に確実に固定された状態で、外科医は、器具５０のニードル５４を前進させて弁２２を通過させる。図１５に示すように、把持ツール５２が確実にボタン頭頂部２０周囲に固定され、ニードル５４が弁２２を通過している。弁２２は自己シール隔膜の形式であって、圧縮シリコンディスクまたは他の適用可能な材料から構成されている。代わりに、弁２２は、自己シールリーフ弁、スリット弁、または類似のものであってもよい。ニードルが弁２２を通過した状態で、外科医は、バルーン内に所望量の液体を加える。別の方法として、外科医がバルーンから所望量の液体を取り除くことを望んでいる場合、外科医は、ニードルを使用して所望量の液体を引き抜く以外、同一の工程を実行する。

胃内バルーンに対して十分量の液体が加えられるまたは取り除かれると、外科医は、胃内視鏡器具内にニードルを戻す。次に、把持ツールが把持用ボタンから離される。そして、胃内視鏡器具が患者から取り除かれる。かくして、最低限の侵入により、この処置が実行される。

自己シール弁２２の代わりとして、本発明の弁は、開示内容が本明細書に組み込まれている、ＷＯ ２００５／００７２３１として公開されている、同一出願人による国際出願に記載されている「双方向スリット弁」から構成されてもよい。加えて、上述するような器具のニードル５４の代わりとして、胃内視鏡器具は、上述の国際出願に記載されているインジェクションチップ形式の充填チューブを備えていてもよい。バルーンの体積を体内で調節する上述の把持用ボタン／弁アセンブリ１４に加えて、バルーン１０は、初期留置期間やバルーンの充填時に使用する、付加的な急速充填用弁を有してもよい。

図８〜１０は、本発明の別の実施形態に係る胃内バルーンを示している。図８を参照すると、胃内バルーン１０は、シェル１２と、ループタブ２４のような把持用タブとを有する。シェルは、前に説明した弁の位置に自己シールシェル部２６を備えている。上述の第１の実施形態と同様に、外科医は、胃内視鏡器具を使用しながら、把持ツール５２を開いた状態で、把持用タブ２４を確実に捕えることができる位置に位置合わせする。胃内視鏡器具５０の先端を、ループタブ２４をより早く捕えられるようにするために、把持ツール５２として使用できるフックやオープンエンドループに変更してもよい。外科医は、把持用ツールが把持タブ２４を締め付けることによって該把持ツールがバルーン１０に確実に固定されるように、器具５０を操作する。シェルの一部分に、自己シール面２６が備えられている。バルーンを器具に確実に固定した状態で、外科医は、器具５０のニードル５４を前進させて自己シール面２６を通過させる。バルーン１０は、図８に示すように、視認できるマーク２９を有し、これにより、外科医は、自己シール部に突き通す前に、胃内視鏡器具を使用して、シェル上においてニードルの好適な位置を視認することができる。ニードルが自己シール面２６を通過している状態で、外科医は、上述したように、バルーンに充填するまたはバルーンを収縮する。

自己シール面２６は、シリコンまたはエラストマーなどの、厚く裂けにくい材料で構成される。代わりとして、自己シール面２６の内側表面が、シリコン、ヒドロゲル、またはエラストマーなどの、様々なニードルによる刺し穴をシールすることができるジェルまたは発泡体ライナーであってもよい。代わりとして、これらいずれかの自己シール手段を、１つの部分２６ではなくシェル１２全体に設けてもよい。それにより、バルーンを最低限操作するだけで、簡単に特定の位置に刺すことができる。

図９や１０は、本発明の胃内バルーンの追加的な実施形態を示している。図９には、シェル１２と自己シール面２６を備え、ループタブ２４が該自己シール面２６の中央に設けられることにより、配置、把持、およびニードル５４の挿入が容易にされているバルーン１０が示されている。図１０には、シェル１２、複数の自己シール面２６、および複数のループタブ２４を備えるバルーン１０が示されている。この形態の場合、複数のループタブや複数の自己シール面により、外科医は、適当なニードル５４位置として複数の選択ができる。図１０の実施形態においては、複数の自己シール面はそれぞれ、図９の実施形態に示すような、中央に配置されたループハブを備えている。

１つの自己シール弁または面を有する上述する実施形態に加えて、自己シールシェルとして、シェル全体を、刺すことを可能に構成してもよい。シェルが膨らむように、バルーンの内側のライニングに親水性材料を加えて、またはシェル内に親水性材料を加えて、シェル全体を自己シールとする。加えて、シェルの自己シール部を作製するための上述のいずれかの方法を、シェル全体が自己シールとなるようにシェル全体に適用してもよい。これにより、バルーンの調節は胃内視鏡のニードルによって実行され、調節時、把持用タブを、バルーンを捕らえるために使用する必要がない。この形態の場合、助手はバルーンの任意の場所に刺すことができる。

図１１は、本発明の追加的な実施形態を示している。胃内バルーン１０は、第１の半球のシェル部３２と、第２の半球のシェル部３４と、接続部３６とを有する。接続部３６は、自己シールであって、２つの半球部３２と３４とを接続している。図１１の胃内バルーンの調節においては、図６や７に示すものに類似する胃内視鏡器具が使用される。胃内視鏡器具を使用しながら、外科医は、バルーン１０を確実に捕らえる位置に、把持ツール５２を開いた状態で位置合わせする。把持ツール５２は、その外周が一方の半球全体に合うように、十分に大きく開かれる。次に、把持ツール５２は、接続部３６の中心に位置合わせされる。外科医は、把持ツールが接続部３６の周囲を締め付けることによって把持ツール５２をバルーン１０に確実に固定できるように、器具５０を操作する。バルーンを器具に確実に固定した状態で、外科医は、器具５０のニードル５４を前進させて自己シール面３８を通過させる。自己シール面３８は、接続部３６の外周全体に及んでいる。このようにして、接続部が胃内視鏡器具５０に適切に固定されることにより、ニードル５４は自己シール面３８を通過することができる。ニードルが自己シール面３８を通過した状態で、外科医は、上述したように、バルーンに充填するまたはバルーンを収縮する。

図１２は、本発明の追加的な実施形態を示している。胃内バルーン１０は、円錐台形状のくぼみ部３０を有する。くぼみ部３０により、外科医は、バルーンを捕える把持ツールを使用することなく、バルーンに液体を充填するまたはバルーンから液体を取り除くニードルまたは他の器具を、より簡単に位置合わせすることができる。外科医は、くぼみ部に向かってニードルまたは他の充填器具を進める。円錐形状のくぼみ部３０は、器具がくぼみ部３０内を進むとき、くぼみ部の底に設けられた弁または自己シール部にニードルまたは他の充填器具を案内する円錐形状の壁面３１を備えている。上述したような形状の弁または自己シール面のいずれかが、本実施形態では、バルーンに充填するまたはバルーンを収縮するために、くぼみ部３０の底に組み込まれている。

図１３は、本発明のさらに追加的な実施形態を示している。胃内バルーン１０は、自己シール部２６とマグネット３５とを備えている。図１４は、本実施形態のバルーンと接続するために使用される胃内視鏡器具の磁性の先端の詳細を示している。胃内視鏡器具５０は、マグネット５６を備えている。外科医が胃内のバルーン１０に向かって胃内視鏡器具５０を進めると、バルーン１０のマグネット３５が器具５０のマグネット５６とくっつき、これにより、外科医は、器具によってバルーンを捕らえることができる。器具５０のマグネット５６とバルーン１０のマグネット３５との間の磁力によってバルーンが捕らえられると、外科医は、ニードル５４を進めて自己シール部２６を通過させる。そして、外科医は、上述したように、バルーンに充填するまたはバルーンを収縮する。このマグネットは、バルーンの内側表面または外側表面、もしくは自己シール部を含む、所望の位置にいくらでも設けてもよい。代わりとして、マグネットは、バルーン内または自己シール材料に埋め込んでもよい。

この後の実施例は、本発明の装置および方法を使用する種々の処置について記載しているが、これは、説明のためであって、発明の範囲を限定していると解釈すべきではなく、またそれを目的としていない。

（実施例１−ボタン／バルブアセンブリを備えたバルーンの体内での調節）
本実施例において、外科医は、患者に前もってインプラントされた胃内バルーンを体内で調節する。本実施例において、外科医は、図４や図５に示すような把持用ボタン／弁アセンブリを有する、前もってインプラントされた胃内バルーンにさらに液体を加えることを望んでいる。本実施例の胃内視鏡器具は、カメラ、液体を加えるためのニードル、胃内バルーンの表面に設けられたボタン／弁アセンブリのボタンを捕らえる把持ツールとを備えている。

患者は麻酔され、外科医はその胃内に胃内視鏡器具を挿入する処置をし始める。図６や図７に示すような胃内視鏡器具の所定の位置に設けられたカメラを使用し、外科医は、把持用ボタン／弁アセンブリを把持する位置に胃内視鏡器具を操作する。外科医は、把持ツール５２（図７）を開いた状態で、ボタン／バルブアセンブリの周囲に位置合わせする。

外科医は、次に器具５０を操作し、ボタン頭頂部２０の周囲を把持ツール５２に締め付けさせることにより、把持ツールをバルーン１０に確実に固定する。バルーンを器具に確実に固定した状態で、外科医は、器具５０のニードル５４を前進させて弁２２を通過させる（胃内バルーンに確実に固定されている把持ツールを示す図１５参照。）。

ニードルを弁２２に通過させた状態で、外科医はバルーン内に所望量の液体を加える。

胃内バルーンに十分量の液体が加えられた時点で、外科医は胃内視鏡器具内にニードルを戻す。次に、把持ツールが、把持用ボタンから離される。そして、胃内視鏡器具が、患者から取り除かれる。

（実施例２−自己シールシェルを備えたバルーンの体内での調節）
本実施例において、外科医は、患者に前もってインプラントされた胃内バルーンを体内で調節する。本実施例において、外科医は、図９に示すような自己シール部を含む、前もってインプラントされた胃内バルーンにさらに液体を加えることを望んでいる。把持用タブは、自己シール部に設けられている。本実施例の胃内視鏡器具は、カメラ、液体を加えるためのニードル、胃内バルーンの表面に設けられた把持用タブを捕らえる把持ツールとを備えている。

患者は麻酔され、外科医はその胃内に胃内視鏡器具を挿入する処置をし始める。図６や図７に示すような胃内視鏡器具の所定の位置に設けられたカメラを使用し、外科医は把持用タブ２４を把持する位置に胃内視鏡器具を操作する。外科医は、胃内視鏡器具の把持ツールを開いた状態で、把持用タブ２４を掴める位置に位置合わせする。

外科医は、次に器具５０を操作し、把持用タブの周囲を把持ツールに締め付けさせることにより、把持ツールをバルーン１０に確実に固定する。バルーンを器具に確実に固定した状態で、外科医は、器具５０のニードル５４を前進させて弁２２を通過させる（胃内バルーンに確実に固定されている把持ツールを示す図１５参照。）。

ニードルを弁２２に通過させた状態で、外科医はバルーン内に所望量の液体を加える。

胃内バルーンに十分量の液体が加えられた時点で、外科医は胃内視鏡器具内にニードルを戻す。次に、把持ツールが、把持用ボタンから離される。そして、胃内視鏡器具が、患者から取り除かれる。

（実施例３−双対の半球形状を備えたバルーンの体内での調節）
本実施例において、外科医は、患者に前もってインプラントされた胃内バルーンを体内で調節する。本実施例において、外科医は、図１１に示すような双対の半球形状からなる、前もってインプラントされた胃内バルーンにさらに液体を加えることを望んでいる。本実施例の胃内視鏡器具は、カメラ、液体を加えるためのニードル、胃内バルーンを捕らえる把持ツールとを備えている。

患者は麻酔され、外科医はその胃内に胃内視鏡器具を挿入する処置をし始める。図６や図７に示すような内視鏡器具の所定の位置に設けられたカメラを使用し、外科医は、バルーンの一方の半球に合わさる位置に胃内視鏡器具を操作する。外科医は、胃内視鏡器具の把持ツールを開いた状態で位置合わせする。次に、助手が、接続部３６（図１１）の中心に把持ツール５２を位置合わせする。

次に、外科医は、器具５０を操作し、接続部３６の周囲を把持ツールに締め付けさせることにより、把持ツールをバルーン１０に確実に固定する。バルーンを器具に確実に固定した状態で、外科医は、器具５０のニードル５４を前進させて接続部の自己シール面３８を通過させる。

ニードルを自己シール面３８に通過させた状態で、外科医はバルーン内に所望量の液体を加える。

胃内バルーンに十分量の液体が加えられた時点で、外科医は、胃内視鏡器具内にニードルを戻す。次に、把持ツールは開かれ、バルーンの半球から取り除かれる。そして、胃内視鏡器具が患者から取り除かれる。

（実施例４−くぼみ部を備えたバルーンの体内での調節）
本実施例において、外科医は、患者に前もってインプラントされた胃内バルーンを体内で調節する。本実施例において、外科医は、胃内視鏡器具を受け入れるくぼみ部を有する、図１２に示すようなタイプの、前もってインプラントされた胃内バルーンにさらに液体を加えることを望んでいる。この実施例のくぼみ部の底は、バルーンに充填するためのニードルを受け入れるための自己シール部を備えている。本実施例の胃内視鏡器具は、カメラ、液体を加えるためのニードル、くぼみ部内に器具を案内するための細くとがった先端とを備えている。

患者は麻酔され、外科医はその胃内に胃内視鏡器具を挿入する処置をし始める。図６や図７に示すような胃内視鏡器具の所定の位置に設けられたカメラを使用し、外科医は、くぼみ部内に器具の先端が位置するような位置に胃内視鏡器具を操作する。

胃内視鏡器具が正確にくぼみ部に位置合わせされた状態で、外科医は、胃内バルーンの表面上のくぼみ部の底に、その器具を前進させて着ける。胃内視鏡器具がくぼみ部の底に着いた時点で、外科医は器具５０のニードル５４を前進させて、くぼみ部の底に設けられた自己シール面を通過させる。

ニードルを自己シール面に通過させた状態で、外科医はバルーン内に所望量の液体を加える。

胃内バルーンに十分量の液体が加えられた時点で、外科医は胃内視鏡器具内にニードルを戻す。そして、胃内視鏡器具が患者から取り除かれる。

（実施例５−マグネットを備えたバルーンの体内での調節）
本実施例において、外科医は、患者に前もってインプラントされた胃内バルーンを体内で調節する。本実施例において、外科医は、自己シール部に設けられてバルーンと結合するために使用されるマグネットを有する、図１３に示すようなタイプの、前もってインプラントされた胃内バルーンにさらに液体を加えることを望んでいる。本実施例の胃内視鏡器具は、カメラ、液体を加えるためのニードル、バルーンの自己シール部にはめ込まれたマグネットとくっつくマグネットチップとを備えている。

患者は麻酔され、外科医はその胃内に胃内視鏡器具を挿入する処置をし始める。図６や図７に示すような胃内視鏡器具の所定の位置に設けられたカメラを使用して、外科医は、埋め込まれたマグネットを備えるバルーンの自己シール部の部分に器具の先端が接触するような位置に胃内視鏡器具を操作する。

胃内視鏡器具がバルーンのマグネット上に正確に位置合わせされた状態で、外科医は、器具を前進させて、バルーンに設けられたマグネットに接触させ、該マグネットにくっつける。胃内視鏡器具がバルーンにくっついた状態で、外科医は、器具５０のニードル５４を前進させて、バルーンの自己シール面を通過させる。

ニードルを自己シール面に通過させた状態で、外科医はバルーン内に所望量の液体を加える。

胃内バルーンに十分量の液体が加えられた時点で、外科医は、胃内視鏡器具内にニードルを戻す。そして、胃内視鏡器具が患者から取り除かれる。

いくつかの好適な実施例を参照して本発明を詳しく説明してきたが、当然ながら、本発明の趣旨や範囲から逸脱することなく、本明細書に提示されている本発明や特定の実施例によって様々な変更例や改良例を当業者が作製することは可能である。

Claims (2)

1. 患者の減量を容易にし、体内での膨張量の調節に適した空気注入式の胃内バルーンにおいて、
   第１の膨張可能部と、
   第２の膨張可能部と、
   前記第１の膨張可能部と前記第２の膨張可能部との間にあってこれらを流体接続する接続部とを有し、
   前記接続部が、体内で前記バルーンの流体量を調節するための自己シール面を有する胃内バルーン。
2. 患者の減量を容易にし、体内での膨張量の調節に適した空気注入式の胃内バルーンにおいて、
   導入された大量の液体を内部に収容する耐酸性のシェルを有し
   前記シェルが、該シェルと一体になったマグネットと、体内で前記バルーンの流体量を調節するための自己シール部とを有する胃内バルーン。

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