従来から固体撮像装置(以下、単にCCDともいう。)には、一般的な標準TV方式のビデオカメラに使われているインターライン方式CCDがあるが、近年では、監視カメラやIPカメラの分野でプログレッシブスキャン方式CCD(全画素読み出し方式CCD)が多く採用されているようになっている。
プログレッシブスキャン方式CCDは、特許文献1に示されるように、受光画素(以下、単に画素ともいう。)1つに対して、垂直転送部(VCCD部)の転送パケット(VCCDパケット)が1つ設けられており、これにより全ての受光画素の信号電荷を同時にVCCD部へ読み出すことが可能となっている。
しかしながら、カメラの高画素化に伴い、全ての受光画素の信号電荷を高速で読み出すことが困難になってきている。
これを解決する方法として、例えば、特許文献2には、カメラに幾つかの動作モードをもたせて、要求される機能に合わせてCCDの駆動パターン(駆動モード)を切り替える方法が開示されている。
たとえば、解像度が要求される場合には、全画素読み出しモードとして、スチル画像(静止画像)や遅いフレームレートの動画像の画像信号を出力する駆動モードを選択し、さらに、速いフレームレートが要求される場合には、画素間引きモードや画素加算モードとして、やや解像度は悪いが高速で動画信号を出力する駆動モードを選択するという方法がある。
以下に、上記特許文献1に開示のプログレッシブスキャン方式CCDに対する従来の改善例として、この特許文献2に開示の駆動方法について具体的に説明する。
上述したように、特許文献1に示すプログレッシブスキャン方式CCDは、受光画素1つに対してVCCD部の転送パケットが1つ設けられており、これにより全ての受光画素の信号を同時にVCCD部へ読み出すことが可能となっているが、通常の動作では、全ての画素の信号電荷はそれぞれ独立して読み出されるため、画素数の増大に伴い、フレームレートもその画素数に反比例して遅くなっていく。
これを解決するために、特許文献2に開示されているように、2つの画素の信号電荷を水平CCD(HCCD部)で加算して読み出す方法が提案されている。
図18〜図23は、この特許文献2に開示の電荷転送方法を用いた従来のCCD型固体撮像装置を説明する図である。
図18は、この特許文献2に開示のCCD型固体撮像装置(以下、単にCCDともいう。)の構成を概念的に示し、図19は、各画素における受光素子とこれに対応する転送電極の配列を示している。また、図20(a)及び(b)は、撮像領域における垂直方向の画素配列、および転送パケットによる信号電荷の転送を模式的に示している。
図18に示すCCD5の撮像領域5aには、被写体からの入射光を光電変換する受光素子を配列してなる受光素子列50a〜50dと、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCD(VCCD部)500a〜500dとが交互に配置されている。
ここで、各受光素子列50a〜50dは、撮像画面の垂直方向に沿って一列に配列された受光素子51〜58からなり、各垂直CCD500a〜500dは、対応する受光素子列のフォトダイオード51〜58から信号電荷を読み出して垂直方向に転送する転送ゲート電極(以下、単に転送ゲートという。)を有している。これらの垂直転送ゲートは、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送パケット(以下、VCCDパケットともいう。)を形成するものである。
また、上記撮像領域5aの一端側には、水平CCD5bが配置されており、各垂直CCD500a〜500dから転送されてきた信号電荷を水平方向に転送する水平CCD5bが配置されている。
図20は、上記撮像領域5aの受光素子列に対応する垂直CCDの転送ゲートの構成を説明する図であり、受光素子列50aに対応する垂直CCD500aの転送ゲートの構成(図20(a))及び受光素子列50bに対応する垂直CCD500bの転送ゲートの構成(図20(b))を示している。
具体的には、上記各受光素子列の受光素子はフォトダイオード51〜58により構成され、受光素子列50aにおけるフォトダイオード51,53,55,57には、それぞれが、Ye(イエロ)画素P51,P53,P55,P57を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている。また、受光素子列50aにおけるフォトダイオード52,56には、それぞれが、Mg(マゼンタ)画素P52,P56を構成するようその上にカラーフィルタが配置されており、また、受光素子列50aにおけるフォトダイオード54,58には、それぞれが、G(緑)画素P54,P58を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている(図19(a)参照)。
また、受光素子列50bにおけるフォトダイオード51,53,55,57には、それぞれが、Cy(シアン)画素P51,P53,P55,P57を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている。また、受光素子列50bにおけるフォトダイオード52,56には、それぞれが、G(緑)画素P52,P56を構成するようその上にカラーフィルタが配置されており、また、受光素子列50bにおけるフォトダイオード54,58には、それぞれが、Mg(マゼンタ)画素P54,P58を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている(図19(b)参照)。
なお、図18に示す受光素子列50cにおけるカラーフィルタの配置は、上記受光素子列50aにおけるものと同一であり、図18に示す受光素子列50dにおけるカラーフィルタの配置は、上記受光素子列50bにおけるものと同一である。
そして、各受光素子列のフォトダイオード51、52、53、54、55、56、57、58に対しては、対応する画素P51、P52、P53、P54、P55、P56、P57、P58を構成する第1〜第4の転送ゲート511〜514、521〜524、531〜534、541〜544、551〜554、561〜564、571〜574、581〜584が設けられている。ここで、第1の転送ゲート511、521、531、541、551、561、571、581は、対応するフォトダイオード51、52、53、54、55、56、57、58に蓄積された蓄積電荷を垂直CCDに読み出す読み出しゲートも兼ねている。
ここで、奇数行の各画素(例えば画素51、53)の第1〜第4の転送ゲートには、第1〜第4の駆動信号(以下CCD駆動信号ともいう。)ΦV1A〜ΦV4が、また偶数行の各画素(例えば画素52、54)の第1〜第4の転送ゲートにはΦV1B〜ΦV4が印加されるようになっている。
次に、図20〜図23を用いて上記固体撮像装置の動作について説明する。
ここで、図21は、図18〜図20に示す固体撮像装置の動作を説明する図であり、受光素子から垂直CCDへの信号電荷の読み出し動作(図(a))、及び読み出し動作の終了した状態(図(b))を示している。図22は、図18〜図20に示す固体撮像装置の動作を説明する図であり、垂直CCD及び水平CCDでの信号電荷の転送動作をタイミング順((図(a)〜図(f))に示している。図23は、図18〜図20に示す固体撮像装置の動作を説明する図であり、水平転送信号及び垂直転送信号の波形を示している。なお、図22では、説明の都合上、図21に示す受光素子列は省略している。
上記各垂直CCD50a〜50dの転送ゲートにCCD駆動信号ΦV1A、ΦV1B、ΦV2〜ΦV4が印加されると、以下のとおり、タイミングtj0〜tj3の間に、2ライン分の信号電荷が各垂直CCD50a〜50dから水平CCD5bに転送され、さらに、タイミングtj4〜tj6の間に、垂直CCD50a〜50dから水平CCD5bにて転送された信号電荷が、水平CCD5bにて水平CCD駆動信号ΦH1及びΦH2によい水平方向に転送される。
すなわち、タイミングtj0では、1つの画素の信号電荷を1つVCCDパケットに読み出す動作が開示される。つまり、図21(a)に示すように、各受光素子列50a〜50dから、対応する垂直CCD500a〜500dに信号電荷が読み出される。
具体的には、受光素子列50aに対応する垂直CCD500aでは、各画素P51〜P58に対応するVCCDパケットTPが形成され、それぞれのVCCDパケットTPに、上記各フォトダイオード51、52、53、54、55、56、57、58で生成された信号電荷Ye,Mg、Ye,G、Ye、Mg、Ye、Gが読み出される(図20(a)参照)。また、受光素子列50bに対応する垂直CCD500bでは、各画素P51〜P58に対応するVCCDパケットTPが形成され、それぞれのVCCDパケットTPに、上記各フォトダイオード51、52、53、54、55、56、57、58で生成された信号電荷Cy,G、Cy,Mg、Cy、G、Cy、Mgが読み出される(図20(b)参照)。
その後、タイミングtj1では、上記信号電荷の読み出しが完了し、電荷転送動作の初期状態となる(図20(a)、図20(b)、図21(b)、図22(a)参照)。なお、図22では、説明の便宜上、図21に示す各受光素子列と対応する垂直CCDとのうちの、垂直CCDのみ示している。
次に、タイミングtj2では、各垂直CCD500a〜500dで信号電荷を1段転送して各垂直CCD500a〜500dから、水平CCD5bの、各垂直CCDに対応するHCCDパケット(図示せず)へ信号電荷G、Mg、G、Mgを転送する(図22(b)参照)。
続くタイミングtj3では、さらに垂直CCD500a〜500dで信号電荷を1段転送して垂直CCDから水平CCDの各垂直CCDに対応するHCCDパケットへ信号電荷Ye、Cy、Ye、Cyを転送する。これにより、水平CCD5bのHCCDパケットでは、各垂直CCDから転送されてきた信号電荷が加算されることとなる(図22(c)参照)。
つまり、水平CCD5bの、垂直CCD500aに対応するHCCDパケットでは、画素P58の信号電荷Gと画素P57の信号電荷Yeとが加算される。水平CCD5bの、垂直CCD500bに対応するHCCDパケットでは、画素P58の信号電荷Mgと画素P57の信号電荷Cyとが加算される。水平CCD5bの、垂直CCD500cに対応するHCCDパケットでは、画素P58の信号電荷Gと画素P57の信号電荷Yeとが加算される。水平CCD5bの、垂直CCD500dに対応するHCCDパケットでは、画素P58の信号電荷Mgと画素P57の信号電荷Cyとが加算される。
その後のタイミングtj4では、水平CCD5bが転送動作を開始する(図22(d)参照)。
水平CCD5bが動作中のタイミングtj5では、各垂直CCD500は停止している(図22(e)参照)。
その後、タイミングtj6で、水平CCDでの水平転送動作が完了し、水平CCD5bでは、水平CCD5bからの信号電荷が転送される前の状態(タイミングt1j)に戻り、上記と同様に信号電荷の加算及びその水平方向への転送動作が、撮像領域5aでのすべての画素で得られた信号電荷、つまり1フレーム分の信号電荷がすべてCCD外部に読み出されるまで繰り返し行われることとなる。
この方法によれば、垂直解像度は1/2になるが、フレームレートは約2倍に高速化できる。
またさらに、特許文献3では、水平CCDと垂直CCDとの間にバッファ部、つまり、垂直転送動作を垂直CCDでの転送動作とは独立して停止可能な部分を設けてフレームレート高速化を可能にする方法も提案されているが、ゲート構成や駆動タイミングが複雑になるという問題もあった。
この特許文献3に開示の固体撮像装置(第2の従来例)では、信号電荷の転送方法は4つの画素の信号電荷を水平CCD(HCCD)で加算するものであり、以下このような転送方法について具体的に説明する。
図24〜図29は、上記特許文献3に開示されている駆動方法を用いた従来のCCD型固体撮像装置を説明する図である。
図24は、この特許文献3に開示のCCD型固体撮像装置(以下、単にCCDともいう。)の構成を概念的に示し、図25は、各画素における受光素子とこれに対応する転送電極の配列を示している。また、図26(a)及び(b)は、撮像領域における垂直方向の画素配列、および転送パケットによる信号電荷の転送を模式的に示している。
図24に示すCCD6の撮像領域6aには、図18に第1の従来例として示したCCD5と同様、被写体からの入射光を光電変換する受光素子を配列してなる受光素子列60a〜60dと、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCD(VCCD)600a〜600dとが交互に配置されている。
ここで、各受光素子列60a〜60dは、図18に示すCCD5と同様、撮像画面の垂直方向に沿って一列に配列された受光素子61〜68からなり、各垂直CCD600a〜600dは、対応する受光素子列のフォトダイオード61〜68から信号電荷を読み出して垂直方向に転送する転送ゲートを有している。また、上記撮像領域6aの一端側には、図18に示すCCD5と同様、水平CCD6bが配置されている。
図26は、上記撮像領域6aの受光素子列に対応する垂直CCDの転送ゲートの構成を説明する図であり、垂直CCD600aの転送ゲートの構成(図26(a))及び垂直CCD600bの転送ゲートの構成(図26(b))を示している。
具体的には、ここで、各受光素子列60a〜60dを構成するフォトダイオード61〜68は、図18〜図23に示すCCD5における各受光素子列50a〜50dを構成するフォトダイオード51〜58と同一のものである。
そして、各受光素子列のフォトダイオード61、62、63、64、65、66、67、68に対しては、対応する画素P61、P62、P63、P64、P65、P66、P67、P68を構成する第1〜第4の転送ゲート611〜614、621〜624、631〜634、641〜644、651〜654、661〜664、671〜674、681〜684が設けられている。ここで、第1の転送ゲート611、621、631、641、651、661、671、681は、対応するフォトダイオード61、62、63、64、65、66、67、68に蓄積された蓄積電荷を垂直CCDに読み出す読み出しゲートも兼ねている。
そして、この従来例では、垂直CCD600a〜600dと、水平CCD6bとの間には、各垂直CCD600a〜600dとは独立して、水平CCD6bへの電荷転送が可能なバッファCCD部6cが設けられている。
このバッファCCD部6cには、垂直方向に並ぶ2画素分に相当する第1〜第4の補助転送ゲート611s〜614s、621s〜624sが設けられており、これらの補助転送ゲートには、垂直CCDにおける第1〜第4の転送ゲートに印加される第1〜第4の駆動信号とは独立した第1〜第4の補助駆動信号(以下CCD補助駆動信号ともいう。)ΦV1s1a、ΦVs2、ΦVs3a、ΦV4sが印加されるようになっている。
次に動作について説明する。
図26〜図29を用いて上記固体撮像装置の動作について説明する。
ここで、図27は、図24〜図26に示す固体撮像装置の動作を説明する図であり、受光素子から垂直CCDへの信号電荷の読み出し動作(図27(a))、読み出し動作の終了した状態(図27(b))、垂直方向に2画素分だけ信号電荷を転送した状態(図27(c))を示している。図28は、図24〜図26に示す固体撮像装置の動作を説明する図であり、垂直CCD及び水平CCDでの信号電荷の転送動作をタイミング順((図(a)〜図(k))に示している。図29は、図24〜図26に示す固体撮像装置の動作を説明する図であり、水平転送信号及び垂直転送信号の波形を示している。なお、図28では、説明の都合上、図27に示す受光素子列は省略している。
上記各垂直CCD60a〜60dは、CCD駆動信号ΦV1A、ΦV1B、ΦV2〜ΦV4、及びCCD補助駆動信号ΦVs1a、ΦVs1b、ΦVs2、ΦVs3a、ΦVs3b、ΦVs4により駆動され、同時に、水平CCD6bは、水平CCD駆動信号ΦH1及びΦH2により駆動される。
すなわち、タイミングtj0’では、1つの画素の信号電荷を1つVCCDパケットに読み出す動作が開始される。つまり、図27(a)に示すように、各受光素子列60a〜60dから、対応する垂直CCD600a〜600dに信号電荷が読み出される。この各画素から対応するVCCDパケットへの信号電荷の読み出しは、上述した第1の従来例と同様に行われる。
具体的には、受光素子列60aに対応する垂直CCD600aでは、各画素P61〜P68に対応するVCCDパケットTPが形成され、それぞれのVCCDパケットTPに、上記各フォトダイオード61〜68のそれぞれで生成された信号電荷Ye,Mg、Ye,G、Ye、Mg、Ye、Gが読み出される(図26(a)参照)。また、受光素子列60bに対応する垂直CCD600bでは、各画素P61〜P68に対応するVCCDパケットTPが形成され、それぞれのVCCDパケットTPに、上記各フォトダイオード61〜68のそれぞれで生成された信号電荷Cy,G、Cy,Mg、Cy、G、Cy、Mgが読み出される(図26(b)参照)。
その後のタイミングtj1’aでは、上記信号電荷の読み出しが完了し、電荷転送動作の初期状態となる(図27(b)参照)。その後のタイミングtj1’で、信号電荷が2ライン分だけ水平CCD側に転送される(図27(c))。
次にタイミングtj2’では、2列(図25のb列)単位にバッファCCD部6cを駆動して画素信号を1段転送してVCCDパケットからHCCD部へ信号電荷を転送する(図28(b))。
タイミングtj3’では、同じ2列(図25のb列)でバッファCCD部6cを駆動してさらに画素信号を1段垂直方向に転送してVCCDパケットからHCCD部6bへ信号電荷を転送する(図28(c))。
タイミングtj4’では、HCCD部で、水平転送信号ΦH1及びΦH2により転送方向の前方側へ2段(2画素列分)転送する(図28(d))。
タイミングtj5’では、VCCD部で、全VCCDパケットを1段垂直方向に転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図28(e))。
タイミングtj6’では、VCCD部で、全VCCDパケットをさらに1段垂直方向に転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図28(f))。
タイミングtj7’では、2列(図25のb列)単位で特定のVCCDパケットを1段転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図28(g))。
タイミングtj8’では、同列(図25のb列)のVCCDパケットをさらに1段垂直方向に転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図28(h))。
タイミングtj9’では、HCCD部で、HCCDパケットを水平転送信号ΦH1及びΦH2により前方へ2段転送する(図28(i))。
タイミングtj10’では、HCCD部で、全VCCDパケットを1段垂直方向に転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図28(j))。
タイミングtj11’では、VCCD部で全VCCDパケットをさらに1段垂直方向に転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図28(k))。
この後にHCCD部での転送動作を開始する。
この方法によれば、垂直解像度は1/2、水平解像度も1/2になるが、フレームレートは約4倍に高速化できる。
また、これを解決する手段として、2つ以上の画素の信号電荷を1つのVCCDパケットに読み出し、2つ以上画素の信号電荷を混在させ、これにより、VCCD部のなかに空のVCCDパケットを発生させる。
信号電荷が存在するVCCDパケットがHCCD部に隣接している場合は、信号電荷が存在するVCCDパケットからHCCD部へ信号電荷を転送するとき、HCCD部は待機状態であり、VCCD部からHCCD部へ信号電荷の転送が完了した後、HCCD部は水平転送動作を行う。
特開昭58−157264号公報
特開平5−14816号公報
特開2005−318240号公報
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1〜図6は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を説明する図である。図1は、この実施形態1の固体撮像装置(以下、単にCCDともいう。)の構成を概念的に示し、図2は、各画素における受光素子とこれに対応する転送電極の配列を示している。
この実施形態1の固体撮像装置(CCD)1は、図1及び図2に示すように、被写体の撮像を行うための撮像領域1aを有し、該撮像領域1aには、被写体からの入射光を光電変換する受光素子を配列してなる受光素子列10a〜10hと、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCD(VCCD部)100a〜100hとが交互に配置されている。
なお、図1では、固体撮像装置1を簡略化して概念的に示すため、図2で示す8個の受光素子列10a〜10hのうちの4つの受光素子列10a〜10dのみ、また図2で示す8個のVCCD部100a〜100hのうちの4つのVCCD部100a〜100dのみ示しており、以下説明の簡略化のため、受光素子列として4つの受光素子列10a〜10d、垂直転送部として4つのVCCD部100a〜100dを挙げて説明する。また、奇数番目の受光素子列10a、10c、10e、10gと、偶数番目の受光素子列10b、10d、10f、10hとは、配置されているカラーフィルタの色の配列が異なるのみで、その他の点は同一の構成となっている。また、VCCD部100a〜100hについては、すべて同一構成となっている。
ここで、各受光素子列10a〜10dは、撮像画面の垂直方向に沿って一列に配列された受光素子11〜18からなり、各垂直CCD100a〜100dは、対応する受光素子列のフォトダイオード11〜18から信号電荷を読み出して垂直方向に転送する転送ゲート電極(以下、単に転送ゲートという。)を有している。これらの垂直転送ゲートは、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送パケット(以下、VCCDパケットともいう。)を形成するものである。また、各受光素子列のフォトダイオードと、該VCCD部の各フォトダイオードに対応する部分とにより、1つの受光画素が形成されている。
また、上記撮像領域1aの一端側には、各垂直CCD100a〜100dから転送されてきた信号電荷を水平方向に転送する水平転送部(HCCD部)1bが配置されている。
図3は、上記撮像領域1aの受光素子列に対応する垂直CCDの転送ゲートの構成を説明する図であり、奇数番目の受光素子列10aに対応する垂直CCD100aの転送ゲートの構成(図3(a))及び偶数番目の受光素子列10bに対応する垂直CCD100bの転送ゲートの構成(図3(b))を示している。
具体的には、上記各受光素子列の受光素子は、フォトダイオード11〜18により構成され、受光素子列10aにおけるフォトダイオード11,13,15,17には、それぞれが、Ye(イエロ)画素P11,P13,P15,P17を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている。また、受光素子列10aにおけるフォトダイオード12,16には、それぞれが、Mg(マゼンタ)画素P12,P16を構成するようその上にカラーフィルタが配置されており、また、受光素子列10aにおけるフォトダイオード14,18には、それぞれが、G(緑)画素P14,P18を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている(図3(a)参照)。
また、受光素子列10bにおけるフォトダイオード11,13,15,17には、それぞれが、Cy(シアン)画素P11,P13,P15,P17を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている。また、受光素子列10bにおけるフォトダイオード12,16には、それぞれが、G(緑)画素P12,P16を構成するようその上にカラーフィルタが配置されており、また、受光素子列10bにおけるフォトダイオード14,18には、それぞれが、Mg(マゼンタ)画素P14,P18を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている(図3(b)参照)。
なお、図1に示す受光素子列10cにおけるカラーフィルタの配置は、上記受光素子列10aにおけるものと同一であり、図1に示す受光素子列10dにおけるカラーフィルタの配置は、上記受光素子列10bにおけるものと同一である。
そして、各受光素子列のフォトダイオード11、12、13、14、15、16、17、18に対しては、対応する画素P11、P12、P13、P14、P15、P16、P17、P18を構成する第1〜第4の転送ゲート111〜114、121〜124、131〜134、141〜144、151〜154、161〜164、171〜174、181〜184が設けられている。ここで、第1の転送ゲート111、121、131、141、151、161、171、181は、対応するフォトダイオード11、12、13、14、15、16、17、18に蓄積された蓄積電荷を垂直CCDに読み出す読み出しゲートも兼ねている。
ここで、奇数行の各画素(例えば画素11、13)の第1〜第4の転送ゲートには、第1〜第4の駆動信号(以下CCD駆動信号ともいう。)ΦV1A、ΦV2〜ΦV4が、また偶数行の各画素(例えば画素12、14)の第1〜第4の転送ゲートにはΦV1B、ΦV2〜ΦV4が印加されるようになっている。
そして、この実施形態1の固体撮像装置1では、垂直転送部(VCCD部)10a〜10dは、信号電荷の転送動作中に該信号電荷の格納されていない空の電荷転送パケットVPeが生ずるよう、2つの以上の受光画素、ここでは隣接する2つの受光画素で生成された信号電荷を1つの電荷転送パケットVPfに混在させて格納するよう構成され、水平転送部(HCCD部)1bは、該VCCD部の空の電荷転送パケットVPeが該HCCD部1bに到達している状態で、該VCCD部の垂直転送動作と並行して、水平転送動作を行うよう構成されている。
また、この実施形態1では、上記受光素子としてのフォトダイオードが形成されている半導体基板の裏面側には、オーバーフロードレイン部が形成されている。このオーバーフロードレイン部は、これに印加する制御電圧により、各フォトダイオードで生成された信号電荷を基板外部に引き抜くためのものであり、該オーバーフロードレインに印加する制御電圧は、該1つの垂直転送パケットに信号電荷を混在させる受光画素の数に応じて調整されるようになっている。
次に、図3〜図6を用いて本実施形態1の固体撮像装置1の動作について説明する。
ここで、図4は、受光素子からVCCD部への信号電荷の読み出し動作(図(a))、及び読み出し動作の終了した状態(図(b))を示している。図5は、垂直CCD及び水平CCDでの信号電荷の転送動作をタイミング順((図(a)〜図(e))に示している。図6は、水平転送信号及び垂直転送信号の波形を示している。なお、図5では、説明の都合上、図4に示す受光素子列は省略している。
以下の説明では、2つの画素の画素信号(信号電荷)を加算して1つのVCCDパケットに読み出す場合の例を示している。
図3に示すように、上記各VCCD部10a〜10dの転送ゲートにCCD駆動信号ΦV1A、ΦV1B、ΦV2〜ΦV4が印加され、タイミングt0〜t1の間に、垂直転送パケットTPが1画素分移動すると、VDDC部にて、2つの画素の信号電荷が1つVCCDパケットに読み出され、空のVCCDパケットが発生する。
つまり、VCCD部10a〜10dでは、信号電荷の転送動作中に該信号電荷の格納されていない空のVCCDパケットVPeが生ずるよう、2つの受光画素、ここでは隣接する2つの受光画素で生成された信号電荷が1つの電荷転送パケットVPfに混在させて格納される。また、上記タイミングt0では、受光画素での信号電荷量を従来の1/2の量になるようにOFD抑圧、つまりオーバーフロードレインに印加する制御電圧が調整される。
その後、2ライン分の信号電荷が各垂直CCD10a〜10dからHCCD部1bに転送され、さらに、垂直CCD10a〜10dから水平CCD1bにて転送された信号電荷が、水平CCD1bにて水平CCD駆動信号ΦH1及びΦH2により水平方向に転送される。
すなわち、タイミングt0では、奇数行の画素列の信号電荷を1つVCCDパケットに読み出す動作が開始される。つまり、図4(a)に示すように、各受光素子列10a〜10dから、対応する垂直CCD100a〜100dに信号電荷が読み出される。
具体的には、図3(a)及び(b)に示すように、受光素子列10aに対応する垂直CCD100aでは、各画素P11〜P18に対応するVCCDパケットTPが形成され、上記各フォトダイオード11、13、15、17で生成された信号電荷Yeが対応するパケットに読み出される(図3(a)参照)。また、受光素子列10bに対応するVCCD部100bでは、各画素P11〜P18に対応するVCCDパケットTPが形成され、上記各フォトダイオード11、13、15、17で生成された信号電荷Cyが、対応するVCCDパケットTPに読み出される(図3(b)参照)。
その後、図3に示すように、タイミングt1までの間に、VCCD部100a及び100bでは、VCCDパケットTPが1画素分移動し、タイミングt1では、上記各フォトダイオード11、13、15、17で生成された信号電荷Yeを格納しているVCCDパケットに、上記各フォトダイオード12、14、16、18で生成された信号電荷Mg、G、Mg、Gが混入される。このようにVCCD部に隣接する画素の信号電荷が、1つのVCCDパケットに読み出された状態が、初期状態(t=t1)として、図4(b)及び図5(a)に示されている。図5では、説明の便宜上、図4に示す各受光素子列と対応する垂直CCDとのうちの、垂直CCDのみ示している。
次に、タイミングt2では、信号電荷の存在するVCCDパケットからHCCD部へ信号電荷を転送する。つまり、タイミングt2では、各垂直CCD100a〜100dで信号電荷を1段転送して各垂直CCD100a〜100dから、水平CCD1bの、各垂直CCDに対応するHCCDパケット(図示せず)へ信号電荷Ye+G、Cy+Mg、Ye+G、Cy+Mgを転送する(図5(b)参照)。
タイミングt3では、HCCD部を転送動作させる。つまり、このタイミングt3では、水平CCD1bが転送動作を開始する(図5(c)参照)。このとき、VCCD部は転送動作中であり、空のVCCDパケットがHCCD部1bに到着し、その後タイミングt4では、HCCD部1bの転送動作中にVCCD部でVCCDパケットが1段転送されて、HCCD部に隣接していた空のVCCDパケットが消滅する。
そして、タイミングt5では、HCCD部の転送動作が完了し、タイミングt1における状態にもどる。
このようにタイミングt1からタイミングt5のサイクルを繰返して、画面1枚分の信号電荷を全て転送した後、VCCD部での信号電荷の蓄積状態は、タイミングt0の初期状態へ戻る。
このような動作を行うことにより、従来はタイミングt1’〜タイミングt3’まで必要であったHCCD部の待機時間が、タイミングt1〜タイミングt2までに短縮されることとなる。
この方法によれば、垂直解像度は1/2になるが、フレームレートは約2倍に高速化できる。
このように本実施形態1の固体撮像装置では、VCCD部の中に信号電荷の存在するパケットと空のパケットを発生させ、信号電荷の存在するVCCDパケットからHCCDへの電荷転送は、従来同様に、HCCD部の待機状態に、VCCD部の電荷転送動作により行われるが、空のVCCDパケットがHCCD部に隣接する場合は、VCCD部が転送動作中であっても、HCCD部は必ずしも待機する必要がない。
すなわち、VCCD部が転送動作中でありかつHCCD部も動作中となることが可能となる。
このことにより、HCCD部とVCCD部とは時間的に効率よく転送動作を行うことができ、1枚の画面を読み出すために必要な時間(フレームレート)の短縮(つまり、フレームレート高速化)を行うことができる。
この結果、素子構成等を複雑にすることなく、容易にカメラの高性能化(より高速な動画映像を撮影すること)が実現できる。
また、この実施形態1では、受光画素で生成される信号電荷の量を調整する信号電荷調整部を備えているので、2つ以上の画素の信号電荷を垂直転送部の1つ転送パケットに読み出して加算する際は、垂直転送部がブルーミングを起こさないようにすることができる。
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2による固体撮像装置を説明する図であり、このCCD型固体撮像装置の構成を概念的に示している。また、図8は、上記実施形態2の固体撮像装置の構成及び動作を説明する図であり、図8(a)及び図8(b)はそれぞれ、隣接する奇数画素列及び偶数画素列における画素配列および転送パケットによる信号電荷の転送を模式的に示している。
この実施形態2の固体撮像装置2は、上記実施形態1の固体撮像装置とは、垂直転送部(VCCD部)を、隣接する2つの画素の信号電荷を1つのVCCDパケットに同時に読み出すよう構成している点で異なっており、その他の構成は上記実施形態2のものと同一である。
すなわち、この実施形態2の固体撮像装置(CCD)2は、図7及び図8に示すように、被写体の撮像を行うための撮像領域2aを有し、該撮像領域2aには、被写体からの入射光を光電変換する受光素子を配列してなる受光素子列20a〜20dと、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCD(VCCD部)200a〜200dとが交互に配置されている。
そして、各受光素子列はフォトダイオード21〜28により構成されており、該フォトダイオード21、22、23、24、25、26、27、28に対しては、対応する画素P21、P22、P23、P24、P25、P26、P27、P28を構成する第1〜第4の転送ゲート211〜114、221〜224、231〜234、241〜244、251〜254、261〜264、271〜274、281〜284が設けられている。ここで、奇数行のフォトダイオード21、23、25、27に対応する第4の転送ゲート214、234、254、274は、対応するフォトダイオード21、23、25、27に蓄積された蓄積電荷を垂直CCDに読み出す読み出しゲートも兼ねている。偶数行のフォトダイオード22、24、26、28に対応する第1の転送ゲート221、241、261、281は、対応するフォトダイオード22、24、26、28に蓄積された蓄積電荷を垂直CCDに読み出す読み出しゲートも兼ねている。
ここで、奇数行の各画素(例えば画素11、13)の第1〜第3の転送ゲートには、第1〜第3の駆動信号(以下CCD駆動信号ともいう。)ΦV1〜ΦV3が、また偶数行の各画素の第2〜第4の転送ゲートにはΦV2〜ΦV4が印加されるようになっている。
また、奇数行の各画素の第4の転送ゲートには、第4の駆動信号ΦV4Aが、また偶数行の各画素の第1の転送ゲートにはΦV1Aが印加されるようになっている。
そして、この実施形態2の固体撮像装置2では、垂直転送部(VCCD部)20a〜20dは、信号電荷の転送動作中に該信号電荷の格納されていない空の電荷転送パケットVPeが生ずるよう、隣接する2つの受光画素で生成された信号電荷を1つの電荷転送パケットVPfに同時に混在させて格納するよう構成され、水平転送部(HCCD部)2bは、実施形態1のものと同様に、該VCCD部の空の電荷転送パケットVPeが該HCCD部2bに到達している状態で、該VCCD部の垂直転送動作と並行して、水平転送動作を行うよう構成されている。
また、この実施形態2では、実施形態1と同様、上記受光素子としてのフォトダイオードが形成されている半導体基板の裏面側には、オーバーフロードレイン部が形成されている。このオーバーフロードレイン部は、これに印加する制御電圧により、各フォトダイオードで生成された信号電荷を基板外部に引き抜くためのものであり、該オーバーフロードレインに印加する制御電圧は、該1つの垂直転送パケットに信号電荷を混在させる受光画素の数に応じて調整されるようになっている。
次に動作について説明する。
タイミングt0では、奇数行の画素列の信号電荷を1つVCCDパケットに読み出す動作が開始されると、タイミングt1aにて、各受光素子列20a〜20dから、対応する垂直CCD200a〜200dに信号電荷が読み出される。
具体的には、図8(a)に示すように、受光素子列20aに対応する垂直CCD200aでは、各画素P21〜P28に対応するVCCDパケットTPが、隣接する画素に跨るよう形成され、上記各フォトダイオード21〜28で生成された信号電荷が、隣接する画素のものが混在するようにパケットに読み出される。
つまり、垂直CCD200aでは、フォトダイオード21で生成された信号電荷Yeと、フォトダイオード22で生成された信号電荷Mgとが同時に1つのVCCDパケットに読み出され、フォトダイオード23で生成された信号電荷Yeと、フォトダイオード24で生成された信号電荷Gとが同時に1つのVCCDパケットに読み出される。またフォトダイオード25で生成された信号電荷Yeと、フォトダイオード26で生成された信号電荷Mgとが同時に1つのVCCDパケットに読み出され、フォトダイオード27で生成された信号電荷Yeと、フォトダイオード28で生成された信号電荷Gとが同時に1つのVCCDパケットに読み出される。
また、図8(b)に示すように、受光素子列20bに対応する垂直CCD200bでは、各画素P21〜P28に対応するVCCDパケットTPが、隣接する画素に跨るよう形成され、上記各フォトダイオード21〜28で生成された信号電荷が、隣接する画素のものが混在するようにパケットに読み出される。
つまり、垂直CCD200bでは、フォトダイオード21で生成された信号電荷Cyと、フォトダイオード22で生成された信号電荷Gとが同時に1つのVCCDパケットに読み出され、フォトダイオード23で生成された信号電荷Cyと、フォトダイオード24で生成された信号電荷Mgとが同時に1つのVCCDパケットに読み出される。またフォトダイオード25で生成された信号電荷Cyと、フォトダイオード26で生成された信号電荷Gとが同時に1つのVCCDパケットに読み出され、フォトダイオード27で生成された信号電荷Cyと、フォトダイオード28で生成された信号電荷Mgとが同時に1つのVCCDパケットに読み出される。
その後は、実施形態1のものと同様に、VCCDパケットに読み出された信号電荷は、HCCD部に転送されることとなる。
このような構成の本実施形態2の固体撮像装置2では、垂直転送部200a〜200dを、信号電荷の転送動作中に該信号電荷の格納されていない空の電荷転送パケットが生ずるよう、2以上の受光画素で生成された信号電荷を1つの電荷転送パケットに混在させて格納するよう構成し、水平転送部2bを、該垂直転送部の空の電荷転送パケットが該水平転送部に到達している状態で、該垂直転送部の垂直転送動作と並行して、水平転送動作を行うよう構成しているので、垂直方向に並ぶ画素の信号電荷を混在させる際に、水平転送部での転送動作を停止させる必要がなく、しかも水平転送部では、垂直転送部から空パケットが到達した時点では、水平転送動作を停止する必要がなく、水平転送動作の中断期間を短縮して電荷転送効率を高めることができる。
しかも、垂直転送部(VCCD部)を、隣接する2つの画素の信号電荷を1つのVCCDパケットに同時に読み出すよう構成しているので、垂直転送部で隣接する2画素からの信号電荷の読み出しを非常に短い時間で行うことができる。
また、この実施形態2においても、受光画素で生成される信号電荷の量を調整する信号電荷調整部を備えているので、2つ以上の画素の信号電荷を垂直転送部の1つ転送パケットに読み出して加算する際は、垂直転送部がブルーミングを起こさないようにすることができる。
(実施形態3)
図9〜図14は、本発明の実施形態3による固体撮像装置を説明する図であり、図9はこのCCD型固体撮像装置の構成を概念的に示している。図10は、各画素における受光素子とこれに対応する転送電極の配列を示している。
この実施形態3の固体撮像装置(CCD)3は、図9及び図10に示すように、被写体の撮像を行うための撮像領域3aを有し、該撮像領域3aには、被写体からの入射光を光電変換する受光素子を配列してなる受光素子列30a〜30hと、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCD(VCCD部)300a〜300hとが交互に配置されている。
なお、図9では、固体撮像装置3を簡略化して概念的に示すため、図10で示す8個の受光素子列30a〜30hのうちの4つの受光素子列30a〜30dのみ、また図10で示す8個のVCCD部300a〜300hのうちの4つのVCCD部300a〜300dのみ示しており、以下説明の簡略化のため、受光素子列として4つの受光素子列30a〜30d、垂直転送部として4つのVCCD部300a〜300dを挙げて説明する。また、奇数番目の受光素子列30a、30c、30e、30gと、偶数番目の受光素子列30b、30d、30f、30hとは、配置されているカラーフィルタの色の配列が異なるのみで、その他の点は同一の構成となっている。また、VCCD部300a〜300hについては、すべて同一構成となっている。
ここで、各受光素子列30a〜30dは、撮像画面の垂直方向に沿って一列に配列された受光素子31〜38からなり、各垂直CCD300a〜300dは、対応する受光素子列のフォトダイオード31〜38から信号電荷を読み出して垂直方向に転送する転送ゲート電極(以下、単に転送ゲートという。)を有している。これらの垂直転送ゲートは、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送パケット(以下、VCCDパケットともいう。)を形成するものである。また、各受光素子列のフォトダイオードと、該VCCD部の各フォトダイオードに対応する部分とにより、1つの受光画素が形成されている。
また、上記撮像領域3aの一端側には、各垂直CCD300a〜300dから転送されてきた信号電荷を水平方向に転送する水平転送部(HCCD部)3bが配置されている。
図11は、上記撮像領域1aの受光素子列に対応する垂直CCDの転送ゲートの構成を説明する図であり、奇数番目の受光素子列30aに対応する垂直CCD300aの転送ゲートの構成(図11(a))及び偶数番目の受光素子列30bに対応する垂直CCD300bの転送ゲートの構成(図11(b))を示している。
具体的には、上記各受光素子列の受光素子は、フォトダイオード31〜38により構成され、受光素子列30aにおけるフォトダイオード31,33,35,37には、それぞれが、Ye(イエロ)画素P31,P33,P35,P37を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている。また、受光素子列30aにおけるフォトダイオード32,36には、それぞれが、Mg(マゼンタ)画素P32,P36を構成するようその上にカラーフィルタが配置されており、また、受光素子列30aにおけるフォトダイオード34,38には、それぞれが、G(緑)画素P34,P38を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている(図11(a)参照)。
また、受光素子列30bにおけるフォトダイオード31,33,35,37には、それぞれが、Cy(シアン)画素P31,P33,P35,P37を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている。また、受光素子列30bにおけるフォトダイオード32,36には、それぞれが、G(緑)画素P32,P36を構成するようその上にカラーフィルタが配置されており、また、受光素子列30bにおけるフォトダイオード34,38には、それぞれが、Mg(マゼンタ)画素P34,P38を構成するようその上にカラーフィルタが配置されている(図11(b)参照)。
なお、図3に示す受光素子列30cにおけるカラーフィルタの配置は、上記受光素子列30aにおけるものと同一であり、図9に示す受光素子列30dにおけるカラーフィルタの配置は、上記受光素子列30bにおけるものと同一である。
そして、各受光素子列のフォトダイオード31、32、33、34、35、36、37、38に対しては、対応する画素P31、P32、P33、P34、P35、P36、P37、P38を構成する第1〜第4の転送ゲート311〜314、321〜324、331〜334、341〜344、351〜354、361〜364、371〜374、381〜384が設けられている。ここで、第1の転送ゲート311、321、331、341、351、361、371、381は、対応するフォトダイオード31、32、33、34、35、36、37、38に蓄積された蓄積電荷を垂直CCDに読み出す読み出しゲートも兼ねている。
ここで、奇数行の各画素(例えば画素31、33)の第1〜第4の転送ゲートには、第1〜第4の駆動信号(以下CCD駆動信号ともいう。)ΦV1A、ΦV2〜ΦV4が、また偶数行の各画素(例えば画素32、34)の第1〜第4の転送ゲートにはΦV1B、ΦV2〜ΦV4が印加されるようになっている。
また、この実施形態3では、垂直CCD300a〜300dと、水平CCD3bとの間には、各垂直CCD300a〜300dとは独立して、水平CCD3bへの電荷転送が可能なバッファCCD部3cが設けられている。
このバッファCCD部3cには、垂直方向に並ぶ2画素分に相当する第1〜第4の補助転送ゲート311s〜314s、321s〜324sが設けられており、これらの補助転送ゲートには、垂直CCDにおける第1〜第4の転送ゲートに印加される第1〜第4の駆動信号とは独立した第1〜第4の補助駆動信号(以下CCD補助駆動信号ともいう。)ΦVs1a、ΦVs2、ΦVs3a、ΦVs4が印加されるようになっている。
そして、この実施形態3の固体撮像装置3では、実施形態1と同様に、垂直転送部(VCCD部)30a〜30dは、信号電荷の転送動作中に該信号電荷の格納されていない空の電荷転送パケットVPeが生ずるよう、2つの以上の受光画素、ここでは隣接する2つの受光画素で生成された信号電荷を1つの電荷転送パケットVPfに混在させて格納するよう構成され、水平転送部(HCCD部)3bは、該VCCD部の空の電荷転送パケットVPeが該HCCD部3bに到達している状態で、該VCCD部の垂直転送動作と並行して、水平転送動作を行うよう構成されている。
また、この実施形態3では、上記受光素子としてのフォトダイオードが形成されている半導体基板の裏面側には、該半導体基板の裏面側にはオーバーフロードレイン部が形成されている。このオーバーフロードレイン部は、これに印加する制御電圧により、各フォトダイオードで生成された信号電荷を基板外部に引き抜くためのものであり、該オーバーフロードレインに印加する制御電圧は、該1つの垂直転送パケットに信号電荷を混在させる受光画素の数に応じて調整されるようになっている。
次に動作について説明する。
次に、図11〜図14を用いて本実施形態3の固体撮像装置3の動作について説明する。
ここで、図12は、受光素子からVCCD部への信号電荷の読み出し動作(図(a))、読み出し動作の終了した状態(図(b))、及び及び垂直方向に2画素分だけ信号電荷を転送した状態(図(c))を示している。図13は、垂直CCD及び水平CCDでの信号電荷の転送動作をタイミング順((図(a)〜図(i))に示している。図14は、水平転送信号及び垂直転送信号の波形を示している。なお、図13では、説明の都合上、図12に示す受光素子列は省略している。
この実施形態3の固体撮像装置3では、4つの画素の信号電荷を加算して読み出す場合の例を示している。
また、上記各垂直CCD30a〜30dは、CCD駆動信号ΦV1A、ΦV1B、ΦV2〜ΦV4、及びCCD補助駆動信号ΦsV1a、ΦsV1b、ΦVs2、ΦVs3a、ΦVs3b、ΦVs4により駆動され、同時に、水平CCD3bは、水平CCD駆動信号ΦH1及びΦH2により駆動される。
図11に示すように、上記各VCCD部10a〜10dの転送ゲートにCCD駆動信号ΦV1A、ΦV1B、ΦV2〜ΦV4が印加され、タイミングt’0〜t’1の間に、垂直転送パケットTPが1画素分移動すると、VCCD部にて、2つの画素の信号電荷が1つVCCDパケットに読み出され、空のVCCDパケットが発生する。
この信号電荷の読み出し動作は実施形態1と同一である。
つまり、VCCD部30a〜30dでは、信号電荷の転送動作中に該信号電荷の格納されていない空のVCCDパケットVPeが生ずるよう、2つの受光画素、ここでは隣接する2つの受光画素で生成された信号電荷が1つの電荷転送パケットVPfに混在させて格納される。また、上記タイミングt0では、受光画素での信号電荷量を従来の1/2の量になるようにOFD抑圧が調整される。
その後、2ライン分の信号電荷が各垂直CCD30a〜30dからHCCD部3bに転送され、さらに、垂直CCD30a〜30dから水平CCD3bにて転送された信号電荷が、水平CCD3bにて水平CCD駆動信号ΦH1及びΦH2により水平方向に転送される。
すなわち、タイミングt’0では、奇数行の画素列の信号電荷を1つVCCDパケットに読み出す動作が開始される。つまり、図12(a)に示すように、各受光素子列30a〜30dから、対応する垂直CCD300a〜300dに信号電荷が読み出される。
タイミングt”0では、各画素の信号電荷量を従来の1/2の量になるようにOFD抑圧を調整する。
具体的には、図11(a)及び(b)に示すように、受光素子列30aに対応する垂直CCD300aでは、各画素P31〜P38に対応するVCCDパケットTPが形成され、上記各フォトダイオード31、33、35、37で生成された信号電荷Yeが対応するパケットに読み出される(図11(a)参照)。また、受光素子列30bに対応するVCCD部300bでは、各画素P31〜P38に対応するVCCDパケットTPが形成され、上記各フォトダイオード31、33、35、37で生成された信号電荷Cyが、対応するVCCDパケットTPに読み出される(図11(b)参照)。
その後、図11に示すように、タイミングt’1aまでの間に、VCCD部300a及び300bでは、VCCDパケットTPが1画素分移動し、タイミングt’1aでは、上記各フォトダイオード31、33、35、37で生成された信号電荷Yeを格納しているVCCDパケットに、上記各フォトダイオード32、34、36、38で生成された信号電荷Mg、G、Mg、Gが混入される。このようにVCCD部に隣接する画素の信号電荷が、1つのVCCDパケットに読み出され(t=t’1a)、垂直方向に2画素分だけ転送された状態が、初期状態(t=t’1)として、図12(c)及び図13(a)に示されている。図13では、説明の便宜上、図12に示す各受光素子列と対応する垂直CCDとのうちの、垂直CCDのみ示している。
次にタイミングt2’では、2列(図10のb列)単位にバッファCCD部3cを駆動して画素信号を1段転送してVCCDパケットからHCCD部へ信号電荷を転送する(図13(b))。
タイミングt3’では、HCCD部で、水平転送信号ΦH1及びΦH2により転送方向の前方側へ2段(2画素列分)転送する(図13(c))。
タイミングt4’では、VCCD部で、全VCCDパケットを1段垂直方向に転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図13(d))。
タイミングt5’では、VCCD部で、全VCCDパケットをさらに1段垂直方向に転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図13(e))。
タイミングt6’では、2列(図10のb列)単位で特定のVCCDパケットを1段転送してVCCD部からHCCD部へ信号電荷を転送する(図13(f))。
タイミングt7’では、HCCD部で、HCCDパケットを水平転送信号ΦH1及びΦH2により前方へ2段転送する(図13(g))。
タイミングt8’では、VCCD部全体で信号電荷を1段転送して、HCCD部に隣接するVCCDパケットからHCCD部へ信号電荷を転送する(図13(h))。
タイミングt9’から、HCCD部は転送動作状態へ移ることが可能で、かつVCCD部全体で信号電荷をさらに1段転送する(図13(i))。
このような動作を行うことにより、従来は、タイミングtj1’〜タイミングtj11’まで必要であったHCCD部の待機時間は、タイミングt1’〜タイミングt8’までに短縮することができる。
つまり、この実施形態3では、垂直解像度は1/2、水平解像度も1/2になるが、フレームレートは約4倍に高速化できる。また、空のVCCDパケットがHCCD部に隣接している場合は、VCCD部が動作中または停止中のいずれの場合でも、HCCD部は転送動作可能であり、次の信号電荷が存在するVCCDパケットがHCCD部に到達して、HCCD部へ信号電荷を転送するまでの間、HCCD部は効率的に動作することができる。このことによって、転送に必要な全体の時間を短縮することができ、フレームレートの高速化を行うことが可能となる。
このように本実施形態3では、上記実施形態1及び2と同様に、垂直転送部(VCCD部)3bでは、信号電荷の転送動作中に、任意の垂直転送パケットVPf内に2つの画素信号(信号電荷)を読出して混在させ、VCCD部30a〜30dに空の垂直転送パケットVPeを発生させ、その際、垂直転送パケットに読み出す信号電荷の量を、混在させる信号電荷の量に応じて調節するので、プログレッシブスキャン方式CCD固体撮像装置において、信号電荷のVCCD部30a〜30dからHCCD部3bへの移動をより少ない時間で完了させ、しかも、HCCD部3bでのVCCD部30a〜30dからの電荷の移動時に水平駆動動作が停止する期間を短縮でき、これにより、ゲート構造の複雑化を招くことなくフレームレートの高速化を図ることできる。
また、この実施形態3では、垂直解像度は1/2、水平解像度も1/2になるが、フレームレートは約4倍に高速化できる。このことによって、転送に必要な全体の時間を短縮することができ、フレームレートの一層の高速化を行うことが可能となる。
(実施形態4)
図15は、本発明の実施形態4による固体撮像装置を説明する図であり、このCCD型固体撮像装置の構成を概念的に示している。また、図16は、上記実施形態2の固体撮像装置の構成及び動作を説明する図であり、図16(a)及び図16(b)はそれぞれ、隣接する奇数画素列及び偶数画素列における画素配列および転送パケットによる信号電荷の転送を模式的に示している。
この実施形態4の固体撮像装置4は、上記実施形態3の固体撮像装置とは、垂直転送部(VCCD部)を、隣接する2つの画素の信号電荷を1つのVCCDパケットに同時に読み出すよう構成している点で異なっており、その他の構成は上記実施形態3のものと同一である。
すなわち、この実施形態4の固体撮像装置(CCD)4は、図15及び図16に示すように、被写体の撮像を行うための撮像領域4aを有し、該撮像領域4aには、被写体からの入射光を光電変換する受光素子を配列してなる受光素子列40a〜40dと、受光素子から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCD(VCCD部)400a〜400dとが交互に配置されている。
そして、各受光素子列はフォトダイオード41〜48により構成されており、該フォトダイオード41、42、43、44、45、46、47、48に対しては、対応する画素P41、P42、P43、P44、P45、P46、P47、P48を構成する第1〜第4の転送ゲート411〜414、421〜424、431〜434、441〜444、451〜454、461〜464、471〜474、481〜484が設けられている。ここで、奇数行のフォトダイオード41、43、45、47に対応する第4の転送ゲート414、434、454、474は、対応するフォトダイオード41、43、45、47に蓄積された蓄積電荷を垂直CCDに読み出す読み出しゲートも兼ねている。偶数行のフォトダイオード42、44、46、48に対応する第1の転送ゲート421、441、461、481は、対応するフォトダイオード42、44、46、48に蓄積された蓄積電荷を垂直CCDに読み出す読み出しゲートも兼ねている。
ここで、奇数行の各画素の第1〜第3の転送ゲートには、第1〜第3の駆動信号(以下CCD駆動信号ともいう。)ΦV1〜ΦV3が、また偶数行の各画素の第2〜第4の転送ゲートにはΦV2〜ΦV4が印加されるようになっている。
また、奇数行の各画素の第4の転送ゲートには、第4の駆動信号ΦV4Aが、また偶数行の各画素の第1の転送ゲートにはΦV1Aが印加されるようになっている。
そして、この実施形態4の固体撮像装置4では、垂直転送部(VCCD部)40a〜40dは、信号電荷の転送動作中に該信号電荷の格納されていない空の電荷転送パケットVPeが生ずるよう、隣接する2つの受光画素で生成された信号電荷を1つの電荷転送パケットVPfに同時に混在させて格納するよう構成され、水平転送部(HCCD部)4bは、実施形態3のものと同様に、該VCCD部の空の電荷転送パケットVPeが該HCCD部4bに到達している状態で、該VCCD部の垂直転送動作と並行して、水平転送動作を行うよう構成されている。
また、この実施形態4では、実施形態3と同様、上記受光素子としてのフォトダイオードが形成されている半導体基板の裏面側には、オーバーフロードレイン部が形成されている。このオーバーフロードレイン部は、これに印加する制御電圧により、各フォトダイオードで生成された信号電荷を基板外部に引き抜くためのものであり、該オーバーフロードレインに印加する制御電圧は、該1つの垂直転送パケットに信号電荷を混在させる受光画素の数に応じて調整されるようになっている。
次に動作について説明する。
タイミングt0では、奇数行の画素列の信号電荷を1つVCCDパケットに読み出す動作が開始されると、タイミングt1aにて、各受光素子列40a〜40dから、対応する垂直CCD400a〜400dに信号電荷が読み出される。
具体的には、図16(a)に示すように、受光素子列40aに対応する垂直CCD400aでは、各画素P41〜P48に対応するVCCDパケットTPが、隣接する画素に跨るよう形成され、上記各フォトダイオード41〜48で生成された信号電荷が、隣接する画素のものが混在するようにパケットに読み出される。
つまり、垂直CCD400aでは、フォトダイオード41で生成された信号電荷Yeと、フォトダイオード42で生成された信号電荷Mgとが同時に1つのVCCDパケットに読み出され、フォトダイオード43で生成された信号電荷Yeと、フォトダイオード44で生成された信号電荷Gとが同時に1つのVCCDパケットに読み出される。またフォトダイオード45で生成された信号電荷Yeと、フォトダイオード46で生成された信号電荷Mgとが同時に1つのVCCDパケットに読み出され、フォトダイオード47で生成された信号電荷Yeと、フォトダイオード48で生成された信号電荷Gとが同時に1つのVCCDパケットに読み出される。
また、図16(b)に示すように、受光素子列40bに対応する垂直CCD400bでは、各画素P41〜P48に対応するVCCDパケットTPが、隣接する画素に跨るよう形成され、上記各フォトダイオード41〜48で生成された信号電荷が、隣接する画素のものが混在するようにパケットに読み出される。
つまり、垂直CCD400bでは、フォトダイオード41で生成された信号電荷Cyと、フォトダイオード42で生成された信号電荷Gとが同時に1つのVCCDパケットに読み出され、フォトダイオード43で生成された信号電荷Cyと、フォトダイオード44で生成された信号電荷Mgとが同時に1つのVCCDパケットに読み出される。またフォトダイオード45で生成された信号電荷Cyと、フォトダイオード46で生成された信号電荷Gとが同時に1つのVCCDパケットに読み出され、フォトダイオード47で生成された信号電荷Cyと、フォトダイオード48で生成された信号電荷Mgとが同時に1つのVCCDパケットに読み出される。
その後は、実施形態3のものと同様に、VCCDパケットに読み出された信号電荷は、HCCD部に転送されることとなる。
このような構成の本実施形態4の固体撮像装置4では、垂直転送部400a〜400dを、信号電荷の転送動作中に該信号電荷の格納されていない空の電荷転送パケットが生ずるよう、2以上の受光画素で生成された信号電荷を1つの電荷転送パケットに混在させて格納するよう構成し、水平転送部4bを、該垂直転送部の空の電荷転送パケットが該水平転送部に到達している状態で、該垂直転送部の垂直転送動作と並行して、水平転送動作を行うよう構成しているので、垂直方向に並ぶ画素の信号電荷を混在させる際に、水平転送部での転送動作を停止させる必要がなく、しかも水平転送部では、垂直転送部から空パケットが到達した時点では、水平転送動作を停止する必要がなく、水平転送動作の中断期間を短縮して電荷転送効率を高めることができる。
しかも、垂直転送部(VCCD部)を、隣接する2つの画素の信号電荷を1つのVCCDパケットに同時に読み出すよう構成しているので、垂直転送部で隣接する2画素からの信号電荷の読み出しを非常に短い時間で行うことができる。
また、この実施形態4においても、受光画素で生成される信号電荷の量を調整する信号電荷調整部を備えているので、2つ以上の画素の信号電荷を垂直転送部の1つ転送パケットに読み出して加算する際は、垂直転送部がブルーミングを起こさないようにすることができる。
さらに、上記実施形態1〜4では、特に説明しなかったが、上記実施形態1ないし4の固体撮像装置の少なくともいずれかを撮像部に用いた、例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの、画像入力デバイスを有した電子情報機器について以下簡単に説明する。
(実施形態5)
図17は、本発明の実施形態5として、実施形態1ないし4のいずれかに記載の固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
図17に示す本発明の実施形態5による電子情報機器90は、本発明の上記実施形態1ないし4に記載の固体撮像装置の少なくともいずれかを、被写体の撮影を行う撮像部91として備えたものであり、このような撮像部による撮影により得られた高品位な画像データを記録用に所定の信号処理した後にデータ記録する記録メディアなどのメモリ部92と、この画像データを表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示する液晶表示装置などの表示部93と、この画像データを通信用に所定の信号処理をした後に通信処理する送受信装置などの通信部94と、この画像データを印刷(印字)して出力(プリントアウト)する画像出力部95とのうちの少なくともいずれかを有している。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。