本発明に係る遊技機は、以下の構成をとる。
手段1.
本発明の遊技機は、
遊技媒体の預入数を保持する預入数保持手段と、
前記遊技媒体の賭け数を保持する賭け数保持手段と、
前記遊技媒体の投入を検出して媒体検出情報を生成する媒体検出手段と、
前記媒体検出情報に基づいて前記遊技媒体の受入を検知し、前記遊技媒体の受入に応じて前記賭け数及び前記預入数のいずれか一方を選択的に更新する媒体受入制御手段と、
遊技者による操作に応じて、賭け操作情報を生成する預入媒体賭け手段と、
前記賭け操作情報に基づいて前記賭け数及び前記預入数を更新する預入媒体賭け制御手段と、
前記遊技媒体を放出し、前記遊技媒体の放出に応じて媒体放出情報を生成する媒体放出手段と、
前記遊技媒体の獲得に応じて、前記預入数の更新及び前記媒体放出手段による前記遊技媒体の放出の少なくとも一方を制御する媒体獲得制御手段と、
前記遊技者による操作に応じて、精算操作情報を生成する精算操作手段と、
前記精算操作情報に応じて、少なくとも前記預入数を参照して排出予定数を決定し、前記媒体放出手段による前記遊技媒体の放出を前記排出予定数及び前記媒体放出情報に基づいて制御する精算制御手段と、
前記遊技媒体の精算を報知する精算報知手段と、
前記精算操作情報の生成に応じて前記精算報知手段に、前記排出予定数が規定排出数未満である場合に標準精算報知態様よる精算報知を行わせ、かつ前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合に前記標準精算報知態様よりも遊技者の感覚器を刺激する多量精算報知態様による精算報知を少なくとも行わせる精算報知制御手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明において、精算報知制御手段が、精算報知手段に、排出予定数が規定排出数未満である場合に標準精算報知態様よる精算報知を行わせ、かつ排出予定数が規定排出数以上である場合に多量精算報知態様による精算報知を少なくとも行わせることを主たる特徴としている。精算報知制御手段は、精算報知手段に、排出予定数が規定排出数以上である場合に多量精算報知態様による精算報知のみを行わせてもよいし、標準精算報知態様による精算報知に引き続き多量精算報知態様による精算報知を行わせてもよい。
本明細書において、「標準精算報知態様よりも遊技者の感覚器を刺激する多量精算報知態様」とは、多量精算報知態様の方が、標準精算報知態様よりも生理学的に目や耳等の感覚器に与えられる刺激が大きい場合のみならず、心理学的にそれらに与えられる刺激が大きい場合をも含意する。つまり、多量精算報知態様の方が標準精算報知態様よりも視覚や聴覚等によって派手と感じられる報知態様である。生理学的に目に与える刺激が大きい場合として、例えば、発光の輝度が大きい場合、発光の点滅(発光パターン)が連続的な発光と認識されない範囲で高速である場合が挙げられる。また、心理学的に目に与える刺激が大きい場合として、例えば、発光パターンや発光色が通常遊技の演出において用いない色である場合及び画像表示等による表示内容が奇抜な場合が挙げられる。生理学的に耳に与える刺激が大きい場合として、例えば、音量が大きい場合、音程が高い場合、連続的な音として認識されない範囲で音ピッチが短い場合が挙げられる。また、心理学的に耳に与える刺激が大きい場合として、音量や音質や音声パターンが通常遊技において用いられない音響である場合が挙げられる。
また、「遊技媒体」としては、例えば、メダルや球体が挙げられる。「遊技媒体の預入量」は、預入した現物の遊技媒体そのものが貯留されている場合に限らず、電気的や磁気的に管理されていてもよい。「排出予定数」は、少なくとも預入数を参照して決定されていればよく、預入数のみを参照してもよいし、預入数と共に賭け数を参照して決定されてもよい。なお、排出予定数は、預入数のみを参照する場合には預入数と同数であり、預入数と賭け数を参照する場合にはそれらの総和と同数である。
「多量精算報知態様」には、互いに異なる複数種類の精算報知態様が含まれていてもよい。例えば、態様の相違が音量である場合、多量精算報知態様が、標準精算報知態様の音量よりも大きな中間音量の精算報知態様と、中間音量の精算報知態様よりも更に大きな大音量の精算報知態様とで構成されていてもよい。なお、多量精算報知態様が複数種類の精算報知態様を含む場合には、複数種類の精算報知態様のうち少なくとも1種類の精算報知態様が標準精算報知態様よりも遊技者の感覚器を刺激する構成とする。好ましくは、それらの複数種類の精算報知態様の各々が標準精算報知態様よりも遊技者の感覚器を刺激する構成である。
上記の構成であれば、多量(規定数以上)の預入遊技媒体が排出される場合(以下、「多量精算」とも称する)に、その排出期間の少なくとも一部の期間において、少量(規定数未満)の預入遊技媒体を排出する場合(以下、「少量精算」とも称する)の標準精算報知態様よりも目立つ多量精算報知態様による精算報知されることによって、多数の預入遊技媒体の精算が行われたことを報知できる。これによって、設置ホール関係者及び近隣の善良な遊技者は、多量精算が行われたことを察知できる。したがって、不正に大量の遊技媒体を搾取する不正行為の抑圧や不正行為を行う不正遊技者の摘発が促進される。
手段2.
上記の手段1の遊技機において、
前記精算制御手段が、前記精算操作手段からの前記精算操作情報を検知し、精算操作情報の検知に応じて少なくとも前記預入数を参照して前記排出予定数を決定し、精算操作情報の検知に応じて精算開始情報を生成し、かつ排出終了情報に基づいて精算終了情報を生成する精算制御部と、前記排出予定数と前記媒体放出手段からの前記媒体放出情報とに基づいて前記媒体放出手段を制御し、前記媒体放出情報に基づいて前記預入数を更新し、かつ前記排出予定数及び前記媒体放出情報に基づいて前記排出終了情報を生成する排出制御部とを含み、
前記精算報知制御手段が、前記標準精算報知態様と前記多量精算報知態様とを識別する標準精算報知情報及び多量精算報知情報を保持する精算報知情報保持部と、前記規定排出数を保持する規定排出数保持部と、前記排出予定数及び前記規定排出数を参照して標準精算報知期間と多量精算報知期間との切換を制御する報知態様制御部と、前記標準精算報知期間において前記標準精算報知情報を参照して前記標準精算報知態様による精算報知を制御し、かつ前記多量精算報知期間において前記標準精算報知情報を参照して前記多量精算報知態様による精算報知を制御する精算報知制御部とを含むことを特徴とする。
上記の構成であれば、精算制御報知手段が、少なくとも排出予定数及び規定排出数に基づいて、精算報知手段に、少量精算の場合と多量精算の場合に対して異なる報知態様による精算報知を確実に行わせることができる。
手段3.
上記の手段2の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合には、前記標準精算報知態様による精算報知のみを行わせ、前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合には、前記多量精算報知態様による精算報知のみを行わせることを特徴とする。
上記の構成であれば、少量精算の場合と多量精算の場合が明確に区別できるために、多量精算が行われたこと良好に報知することができる。
手段4.
上記の手段3の遊技機において、
前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記多量精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の構成であれば、標準精算報知期間及び多量精算報知期間が精算開始情報及び精算終了情報のみによって制御されるために、それらの期間の制御が簡便に行え、遊技機における処理負担の増大を抑制できる。
手段5.
上記の手段3の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定報知時間を保持する規定報知時間保持部と、前記精算開始情報の検知からの報知時間を計測する報知時間計測部とを更に含み、
前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記多量精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記報知時間が前記規定報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段6.
上記の手段3の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定延長報知時間を保持する規定延長報知時間保持部と、前記精算終了情報の検知からの延長報知時間を計測する延長報知時間計測部とを更に含み、
前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記多量精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記延長報知時間が前記規定延長報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の手段5及び手段6の遊技機の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知時間が排出予定数と同数の遊技媒体の排出の完了後まで延長されるために、少量精算と多量精算とを更に良好に識別でき、多量精算が行われたことを更に良好に報知できる。
手段7.
上記の手段2の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合には、前記標準精算報知態様による精算報知のみを行わせ、前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合には、前記標準精算報知態様による精算報知と前記多量精算報知態様による精算報知との双方を行わせることを特徴としている。
上記の構成であれば、少量精算の場合と多量精算の場合とで報知態様が変更されることによって、少量精算と多量精算とを良好に識別できる。また、多量精算の場合に標準精算報知態様による精算報知から多量精算報知態様による精算報知に切換えることによって、近隣の善良な遊技者は標準精算報知態様による精算報知によって精算が行われたことを察知した後に多量精算報知態様による精算報知を知覚するために、近隣の善良な遊技者を驚かせることなく多量精算が行われたことを良好に報知できる。
手段8.
上記の手段7の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定標準報知時間を保持する規定標準報知時間保持部と、前記精算開始情報の検知からの第1報知時間を計測する第1報知時間計測部とを更に含み、
前記報知態様制御部が、前記排出予定数及び前記規定排出数と共に前記第1報知時間と前記規定標準報知時間とを参照して、前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知に応じて、前記標準精算報知期間から前記多量精算報知期間への切換を行うことを特徴としている。
上記の構成であれば、精算開始から所定の一定時間(規定標準報知時間)の経過後に、標準精算報知態様から多量精算報知態様による精算報知に簡便に切換ることができる。
手段9.
上記の手段8の遊技機において、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知に応じて終了し、かつ前記多量精算報知期間が、前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知の終了が精算終了情報の検知に応じて決定されるために、多量精算報知期間を簡便に制御でき、処理負担の増大を抑制できる。
手段10.
上記の手段8の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定報知時間を保持する規定報知時間保持部を更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知に応じて終了し、かつ前記多量精算報知期間が、前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知に応じて開始されて前記第1報知時間が前記規定報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段11.
上記の手段8の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定報知時間を保持する規定報知時間保持部と、前記精算開始情報の検知からの第2報知時間を計測する第2報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知に応じて終了し、かつ前記多量精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記第2報知時間が前記規定報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段12.
上記の手段8の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定多量報知時間を保持する規定多量報知時間保持部と、前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知からの多量報知時間を計測する多量報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記多量報知時間が前記規定多量報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段13.
上記の手段8の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定延長報知時間を保持する規定延長報知時間保持部と、前記精算終了情報の検知からの延長報知時間を計測する延長報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記第1報知時間が前記規定標準報知時間以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記延長報知時間が前記規定延長報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の手段10〜手段13の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知時間が排出予定数と同数の遊技媒体の排出の完了後まで延長されるために、少量精算と多量精算とを更に良好に識別でき、多量精算が行われたことを更に良好に報知できる。
手段14.
上記の手段7の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、前記媒体放出情報に基づいて前記媒体放出手段から排出された前記遊技媒体の排出数を計測する排出数計測部とを更に含み、
前記報知態様制御部が、前記排出予定数及び前記規定排出数と共に前記排出数を参照して、前記排出予定数が前記規定排出数以上であり、かつ前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて、前記標準精算報知期間から前記多量精算報知期間への切換を行うことを特徴としている。
上記の構成であれば、多量精算において、排出数及び規定排出数に基づいて標準精算報知態様から多量精算報知態様へ簡便に切換えることができる。
手段15.
上記の手段14の遊技機において、
前記標準精算報知期間が、前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知の終了が精算終了情報の検知に応じて決定されるために、多量精算報知期間を簡便に制御でき、処理負担の増大を抑制できる。
手段16.
上記の手段14の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定報知時間を保持する規定報知時間保持部と、前記精算開始情報の検知からの報知時間を計測する報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記報知時間が前記規定報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段17.
上記の手段14の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定多量報知時間を保持する規定多量報知時間保持部と、前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知からの多量報知時間を計測する多量報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記多量報知時間が前記規定多量報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段18.
上記の手段14の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定延長報知時間を保持する延長報知時間保持部と、前記精算終了情報の検知からの延長報知時間を計測する延長報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記規定排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記延長報知時間が前記規定延長報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の手段16〜手段18の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知時間が排出予定数と同数の遊技媒体の排出の完了後まで延長されるために、少量精算と多量精算とを更に良好に識別でき、多量精算が行われたことを更に良好に報知できる。
手段19.
上記の手段7の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、前記排出予定数と前記規定排出数とに基づいて標準報知排出数を算出する標準報知排出数算出部と、前記媒体放出情報に基づいて前記媒体放出手段から排出された前記遊技媒体の排出数を計測する排出数計測部とを更に含み、
前記報知態様制御部が、前記排出予定数及び前記規定排出数と共に前記排出数及び前記標準報知排出数を参照して、前記排出予定数が前記規定排出数以上であり、かつ前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて、前記標準精算報知期間から前記多量精算報知期間への切換を行うことを特徴としている。
手段20.
上記の手段7の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定多量報知排出数を保持する規定多量報知排出数保持部と、前記排出予定数と前記規定多量報知排出数とに基づいて標準報知排出数を算出する標準報知排出数算出部と、前記媒体放出情報に基づいて前記媒体放出手段から排出された前記遊技媒体の排出数を計測する排出数計測部とを更に含み、
前記報知態様制御部が、前記排出予定数及び前記規定排出数と共に前記排出数及び前記標準報知排出数を参照して、前記排出予定数が前記規定排出数以上であり、かつ前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて、前記標準精算報知期間から前記多量精算報知期間への切換を行うことを特徴としている。
上記の手段19又は手段20の構成であれば、多量精算において、排出数及び標準報知は排出数に基づいて標準精算報知態様から多量精算報知態様へ簡便に切換えることができる。また、多量精算報知態様による精算報知中に放出される遊技媒体の排出数を規定できるために、多量精算において、多量精算報知態様による精算報知時間を排出予定数に依存せず所望の一定時間以上を簡便に確保できる。
手段21.
上記の手段20又は21の遊技機において、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知の終了が精算終了情報の検知に応じて決定されるために、多量精算報知期間を簡便に制御でき、処理負担の増大を抑制できる。
手段22.
上記の手段20又は21の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定報知時間を保持する規定報知時間保持部と、前記精算開始情報の検知からの報知時間を計測する報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記報知時間が前記規定報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段23.
上記の手段20又は21の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定多量報知時間を保持する規定多量報知時間保持部と、前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知からの多量報知時間を計測する多量報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記多量報知時間が前記規定多量報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段24.
上記の手段20又は21の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定延長報知時間を保持する規定延長報知時間保持部と、前記精算終了情報の検知からの延長報知時間を計測する延長報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記延長報知時間が前記規定延長報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の手段22〜手段24の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知時間が排出予定数と同数の遊技媒体の排出の完了後まで延長されるために、少量精算と多量精算とを更に良好に識別でき、多量精算が行われたことを更に良好に報知できる。
手段25.
上記の手段7の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定標準報知排出数を保持する規定標準報知排出数保持部と、前記媒体放出情報に基づいて前記媒体放出手段から排出された前記遊技媒体の排出数を計測する排出数計測部とを更に含み、
前記報知態様制御部が、前記排出予定数及び前記規定排出数と共に前記排出数及び前記規定標準報知排出数を参照して、前記排出予定数が前記規定排出数以上であり、かつ前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて、前記標準精算報知期間から前記多量精算報知期間への切換を行うことを特徴としている。
上記の構成であれば、多量精算において、排出数及び規定標準報知排出数に基づいて標準精算報知態様から多量精算報知態様へ簡便に切換えることができる。
手段26.
上記の手段25の遊技機において、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知の終了が精算終了情報の検知に応じて決定されるために、多量精算報知期間を簡便に制御でき、処理負担の増大を抑制できる。
手段27.
上記の手段25の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定報知時間を保持する規定報知時間保持部と、前記精算開始情報の検知からの報知時間を計測する報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記報知時間が前記規定報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段28.
上記の手段25の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定多量報知時間を保持する規定多量報知時間保持部と、前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知からの多量報知時間を計測する多量報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記多量報知時間が前記規定多量時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
手段29.
上記の手段25の遊技機において、
前記精算報知制御手段が、規定延長報知時間を保持する規定延長報知時間保持部と、前記精算終了情報の検知からの延長報知時間を計測する延長報知時間計測部とを更に含み、
前記排出予定数が前記規定排出数未満である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了し、
前記排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、前記標準精算報知期間が、前記精算開始情報の検知に応じて開始されて前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、前記多量精算報知期間が、前記精算終了情報の検知に応じて開始されて前記延長報知時間が前記規定延長報知時間以上であることの検知に応じて終了することを特徴としている。
上記の手段27〜手段29の構成であれば、多量精算報知態様による精算報知時間が排出予定数と同数の遊技媒体の排出の完了後まで延長されるために、少量精算と多量精算とを更に良好に識別でき、多量精算が行われたことを更に良好に報知できる。
手段30.
上記の手段1〜29の遊技機において、
前記媒体受入制御手段、前記預入媒体賭け制御手段、前記媒体獲得制御手段及び前記精算制御手段が主制御基板によって実行され、
前記精算報知制御手段が、前記主制御基板と異なるサブ制御基板によって実行されることを特徴とする。
手段31.
上記の手段1〜30の遊技機において、
前記精算報知手段が、発光により精算を報知し、
前記多量精算報知態様による精算報知が、前記標準精算報知態様による精算報知より遊技者の視覚に大きな刺激を与える発光で行われることを特徴とする。
上記の構成であれば、多量精算を少量精算より視覚的に目立たせることができるために、多量精算が行われたことを設置ホール関係者及び近隣の善良な遊技者が簡便に察知できる。
手段32.
上記の手段1〜30の遊技機において、
前記精算報知手段が、表示により精算を報知し、
前記多量精算報知態様が、前記標準精算報知態様より遊技者の視覚に大きな刺激を与える表示で行われることを特徴とする。
上記の構成であれば、多量精算を少量精算よりも視覚的に目立たせることができるために、多量精算が行われたことを設置ホール関係者及び近隣の善良な遊技者が簡便に察知できる。
手段33.
上記の手段1〜30の遊技機において、
前記精算報知手段が、音により精算を報知し、
前記多量精算報知態様による精算報知が、前記標準精算報知態様による精算報知より遊技者の聴覚に大きな刺激を与える音で行われることを特徴とする。
上記の構成であれば、多量精算を少量精算よりも聴覚的に目立たせることができるために、多量精算が行われたことを設置ホール関係者及び近隣の善良な遊技者が簡便に察知できる。
手段34.
上記の手段33の遊技機において、
前記多量精算報知態様による精算報知が、前記標準精算報知態様による精算報知より大きな音量で行われることを特徴とする。
上記の構成であれば、多量精算を少量精算よりも聴覚的に目立たせることができるために、多量精算が行われたことを設置ホール関係者及び近隣の善良な遊技者が簡便に察知できる。
手段35.
上記の手段33の遊技機において、
前記多量精算報知態様による精算報知が、前記標準精算報知態様による精算報知より高い音で行われることを特徴とする。
上記の構成であれば、多量精算を少量精算よりも聴覚的に目立たせることができるために、多量精算が行われたことを設置ホール関係者及び近隣の善良な遊技者が簡便に察知できる。
手段36.
上記の手段33の遊技機において、
前記多量精算報知態様による精算報知が、前記標準精算報知態様による精算報知より短い音ピッチで行われることを特徴とする。
上記の構成であれば、多量精算を少量精算よりも聴覚的に目立たせることができるために、多量精算が行われたことを設置ホール関係者及び近隣の善良な遊技者が簡便に察知できる。
本発明に係る遊技機の最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機がメダルを遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、単に「スロット機」と称す)である場合を挙げるが、本発明は、球体を遊技媒体とする回胴式遊技機等の遊技媒体の預入及びその精算を行える遊技機一般に適用できる。また、スロット機であっても、以下で説明するスロット機の具体的な形態には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。
〔第1の形態〕
第1の形態のスロット機について説明する。なお、下述する〔全体的な構成〕において、本形態のスロット機の全体構造及び電気的構成について概説した後に、下述する〔本発明に関連する主たる構成〕において、本発明の主たる特徴部分の構成についてまとめて詳細に説明する。
〔全体的な構成〕
本形態のスロット機の全体構造について説明する。図1は前面扉を閉じた閉塞状態を表すスロット機の模式的な斜視図であり、図2は前面扉を開けた開放状態を表すスロット機の模式的な斜視図である。また、図3は前面扉の構成の一例を表す模式的な正面図であり、図4は前面扉の構成の一例を表す模式的な背面図であり、図5は筐体内部の構成の一例を表す模式的な正面図である。なお、図2、図4及び図5において、各種の配線は省略されている。
図1又は図2に示されたように、本形態のスロット機100は、筐体101と、前面扉102と、図柄の変動表示を行う図柄表示変動ユニット103と、投入される現物メダルの受け入れ及び返還を選択的に行う投入メダル取扱装置104と、クレジット数透視窓167の後方に配置され、遊技者の持ちメダルとしてスロット機100に預入されているメダル(以下、「クレジットメダル」とも称す)の枚数を表示するクレジット数表示装置105(図10参照)と、クレジットメダルを賭けるベット操作装置106と、遊技者が賭けたメダル数(以下、「ベット数」とも称す)を表示するベット数表示装置107と、メダルの精算を行わせるための精算操作装置108と、現物メダルの貯留及び放出を行うホッパ装置109と、メダルの精算時の精算報知やエラー発生時のエラー報知や遊技進行に伴う音系演出報知を行う音響装置110と、スロット機100の動作を制御する主制御基板301(図4も参照)及びサブ制御基板302を含む制御装置と、電源ユニット112の内部に配置され、外部電力に基づいて所定の電圧の内部電力を生成して供給する電源基板300(図10参照)とを備えている。更に、スロット機100は、図柄表示変動ユニット103における図柄表示の変動を開始させるための変動開始操作装置113と、図柄表示の変動を停止させるための変動停止操作装置114と、遊技者が1回の遊技で獲得したメダル(以下、「獲得メダル」とも称す)の枚数を表示する獲得数表示装置115と、通常遊技状態と異なるビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態において残りゲーム数や獲得したメダルの総数等の遊技進行状況を表示する遊技進行表示装置116と、精算報知やエラー報知や遊技進行に伴う光系演出報知を行う発光装置117と、エラー報知や遊技進行に伴う表示系演出報知を行う補助表示装置118と、スロット機を各種のエラー状態から復帰させるためのリセット操作装置119と、電源基板300への外部電力の供給を制御する電源操作装置121と、確率設定の設定値の変更及び確認表示を許可するための設定操作許可装置122と、確率設定の設定値を表示する確率設定表示装置123と、打ち止めに関する遊技形態を変更するための打ち止め変更操作装置124と、自動精算に関する遊技設定を変更するための自動精算変更操作装置125と、を備えている。以下、スロット機100を構成する要素について個別に説明する。
筐体101は、前面の開放された箱型形状であり、スロット機100の外殻を構成する。筐体101は、天板101a、底板101b、背板101c、左側板101d及び右側板101eからなり、それらが接着剤やネジ等によって接合されている。遊技ホール等への設置の際には、遊技ホール内のスロット機固定構造物(通称:「島装置」)と筐体101とが釘やネジ等によって固定される。筐体101を構成する各板101a〜101eの材料は、一般的には木材であるが、合成樹脂や金属等の他の材料であってもよい。また、本発明において、筐体は、合成樹脂や金属等によって一体成型されていてもよい。本発明においては、筐体の構造は公知のいかなる構造と同一であってもよい。
前面扉102は、筐体101の前面側に取り付けられており、筐体101に対して開閉自在である。前面扉102にはキーシリンダを備えた施錠装置132が設けられており、その施錠装置によって、前面扉102を筐体101に対して開閉できない施錠状態にできる。施錠装置132は、より具体的には、施錠機構(図示せず)とキー挿入孔を有するキーシリンダ132a(図3参照)とを備えている。キーシリンダ132aのキー挿入孔の入口は、前面扉102の前面側に露出されている。キー挿入孔に所定の設定キーを挿入して所定の操作を施すことによって、施錠装置132が解錠状態となり前面扉102の開放が行えるようになる。一方、開放された前面扉102を閉じることによって、施錠装置132は自動的に施錠状態となる。なお、前面扉102を開閉自在に取り付ける機構は、公知のいかなる機構と同一であってもよい。前面扉102を筐体101に対して施錠する機構は、公知のいかなる機構と同一であってもよい。上記においては、筐体101と筐体101に対して開閉自在な前面扉102とを備える構成について説明したが、本発明においては、スロット機の内部が露出できる構成であれば他の構成であってもよい。
前面扉102は、図3及び図1に示されたように、遊技者に遊技状態を報知するための遊技パネル151と、スロット機100の外部からその内部へ現物メダルを投入するためのメダル投入口152と、スロット機100の内部からその外部へ現物メダルを放出するメダル放出口153と、メダル放出口153から放出されたメダルを受け取る受け皿154と、機種名や遊技に関わるキャラクタ等が描かれたプレート155とを備えている。また、前面扉102には、音響装置110(図2参照)からの音響を外部に出力する音響出力口156と、補助表示装置118の表示を透視するための補助表示透視窓157とを備えている。また、前面扉102には、受け皿154の左方に手前側下方に反転自在な灰皿158が設けられている。
前面扉102の遊技パネル151は、図3に示されたように、図柄表示変動ユニット103(図2参照)の前方に位置し、左リール171L、中リール171M及び右リール171Rにそれぞれ対応する左図柄透視窓161L,中図柄透視窓161M及び右図柄透視窓161Rを含む図柄透視部161を備えている。左図柄透視窓161L,中図柄透視窓161M及び右図柄透視窓161Rは水平方向に並べられており、それらの各々は、縦長形状であり、透明又は半透明である。遊技者は、左図柄透視窓161、中図柄透視窓L161M及び右図柄透視窓161Rを通して、それぞれ、左リール171L、中リール171M及び右リール171Rの外表面に描かれた図柄の一部を視認できる。本形態では、図示しないが、左図柄透視窓161Lを介して左リール171Lに描かれた図柄のうち全体が視認できる図柄の個数は3個である。中図柄透視窓161M及び右図柄透視窓161Rについても同様である。つまり、全てのリール(171L,171M,171R)が停止している状態において、遊技者は、9個(=3[図柄個数]×3[図柄透視窓数])の図柄の全体を視認できる。なお、その個数は、図柄透視窓161L,161M,161Rの上下方向の長さの調節によって、変更することもできる。本形態では、図柄透視部161は、図柄表示変動ユニット103のリール数と同数の図柄透視窓(161L,161M,161R)を含むが、本発明において、図柄透視部は、図柄表示変動ユニットの全リールを一括して透視できる1つの図柄透視窓のみを含んでもよい。
前面扉102の遊技パネル151には、図3に示されたように、組合せライン表示部162が形成されている。組合せライン表示部162は、左図柄透視窓161L、左図柄透視窓161M及び左図柄透視窓161Rを結ぶように遊技パネル151の表面に描かれており、水平方向に沿って平行である中段の組合せライン(以下、「中段ライン」と略記する)162a、上段の組合せライン(以下、「上段ライン」と略記する)162b及び下段の組合せライン(以下、「下段ライン」と略記する)162cと、斜め方向に沿った右上がりの組合せライン162d(以下、「右上がりライン」と略記する)及び右下がりの組合せライン(以下、「右下がりライン」と略記する)162eとを含んでいる。本形態では、組合せライン数が5本である場合について説明したが、本発明において、組合せライン数は、4本以下又は6本以上であってもよい。
遊技パネル151には、図3に示されたように、正面から見て左図柄透視窓161Lの左側には有効ライン表示部163が形成されている。有効ライン表示部163は、ベットされたメダルの枚数(以下、「ベット数」とも称す)に応じて選択的に有効となる組合せラインを表している。有効ライン表示部163は、第1有効ライン表示部164と、2つの第2有効ライン表示部165a,165bと、2つの第3有効ライン表示部166a,166bとを含んでいる。第1有効ライン表示部164には「1」が描かれており、一回の遊技において1枚以上のメダルがベットされた際に、有効ライン表示部164に対応付けられた中段ライン162aが有効化されることを表している。また、有効ライン表示部165a及び有効ライン表示部165bの各々には「2」が描かれており、一回の遊技において2枚以上のメダルがベットされた際に、有効ライン表示部165a及び有効ライン表示部165bに対応付けられた上段の水平ライン162b及び下段の平行ライン162cが有効化されることを表している。同様に、有効ライン表示部166a及び有効ライン表示部166bには「3」が描かれており、一回の遊技において3枚のメダルがベットされた際に、有効ライン表示部163a及び有効ライン表示部163bに対応する右上がりライン162d及び右下がりライン162eが有効化されることを表している。以下において、メダルのベットによって有効化された組合せラインを「有効ライン」とも称する。本形態では、1回の遊技においてベットできるメダルの最大枚数(以下、「最大規定数」とも称す)は3枚であるが、本発明においては、最大規定数は2以下又は4以上であってもよい。また、本形態では、1つの組合せライン(162a〜162e)にベットできる枚数は1枚であるが、本発明においては、その枚数は複数枚であってもよい。有効ライン数の最大値は、遊技状態に応じて変更されてもよい。例えば、有効ライン数の最大値が、通常遊技状態においては5本であるが特別遊技状態におけるJACゲームにおいては1本のみであってもよい。
遊技パネル151には、更に、クレジット数表示装置105の表示を透視するためのクレジット数透視窓167と、遊技進行表示装置116の表示を透視するための遊技進行透視窓168と、獲得数表示装置115の表示を透視するための獲得数透視窓169とが形成されている。クレジット数透視窓167、遊技進行透視窓168及び獲得数透視窓169の各々は、透明又は半透明である。
図柄表示変動ユニット103は、図2及び図5のいずれかに示されたように、左リール171Lを含む左リール装置170Lと、中リール171Mを含む中リール装置170Mと、右リール171Rを含む右リール装置170Rとを備えている。左リール装置170L、中リール装置170M及び右リール装置170Rは、上部固定板172及び下部固定板173によって一体化されている。下部固定板173は筐体101に取り付けられており、これによって、図柄表示変動ユニット103の全体が筐体101に固定されている。左リール171L、左リール171M、左リール171Rの各々は円筒形状であり、その中心軸を回転軸として回転できるように支持されている。左リール171L、中リール171M及び右リール171Rは、それらの全ての回転軸が略水平方向に延びる同一線上に位置するように、水平方向に並べて配置されている。左リール171L、中リール171M及び右リール171Rの各々は、互いに独立して回転できる。
ここで、各リール装置(170L,170M,170R)の構造について、図6及び図7(a)〜(c)を参照しながら詳細に説明する。なお、左リール装置170L、中リール装置170M及び右リール装置170Rは、実質的に同一の構造であるために、左リール装置170Lの構造についてのみ詳細に説明する。図6は、左リール装置の構造の一例を表す模式的な分解斜視図である。図7(a)は、左リール装置の図柄ベルトの一例を表す模式的な平面図であり、図7(b)は、中リール装置の図柄ベルトの一例を表す模式的な平面図であり、図7(c)は、右リール装置の図柄ベルトの一例を表す模式的な平面図である。なお、図6には、左リール装置から図柄ベルトを取り去った状態が示されている。また、図7(a)〜図7(c)において、無端状の図柄ベルトが、平面状に展開された状態で示されている。また、図7(a)〜図7(c)において、以下における説明の便宜上、図柄ベルトの左側には、図柄ごとに1〜21までの配列番号を付している。
左リール装置170Lは、図6に示されたように、左リール171Lと、左リール171Lを回転させるステッピングモータ172Lを含むリール駆動装置と、左リール171Lに固定された基準点(以下において、「リール基準点」とも称す)を検出するリールインデックスセンサ173L及び左リール171に固定された光遮断板(センサカット板)を含むリール基準点検出装置とを備えている。光遮断板の位置がリール基準点の位置に相当する。
左リール171Lは、外周が円形であるかご状のリール骨格174Lと、リール骨格174Lの外周上に巻きつけられた無端状の図柄ベルト175L(図7(a)参照)と、リール骨格174Lの中心に形成されたボス部にねじ178等によって取り付けられた円盤形状のボス補強板176Lとを備える。図7(a)に示されたように、左リール171Lの外周面となる図柄ベルト175Lの表面には、識別情報としての複数種類の図柄が、印刷等によって複数個(本形態では21個)描かれている。図柄ベルト175Lは、その左右両側に長手方向に沿って形成された一対のシール部がリール骨格174Lに貼付されることによって、リール骨格174Lに無端状に巻きつけられた状態を維持する。なお、図柄の種類等に関しては、別途に、図7(a)〜図7(c)を参照して詳細に説明する。
リール駆動装置のステッピングモータ172Lは、その回転軸が水平方向となるように、ネジ179等によって支持プレート177Lに取り付けられている。ステッピングモータ172Lの回転軸は、ボス補強板176Lに接続されており、ステッピングモータ172Lの回転軸の回転に連動して左リール171Lが回転する。これによって、図柄ベルト175Lが円周面に沿って周回する。ステッピングモータ172Lは、所定数のパルス信号(励磁信号又は励磁パルスとも言われ、)を受信することによって、ステッピングモータ172Lの回転軸を1回転させる。本形態のように、左リール171Lの左図柄ベルト175Lがその長辺方向(周回方向)に等間隔に配列させた21個の図柄を含む場合、ステッピングモータ172Lの回転軸を21の整数倍の個数のパルス信号、例えば、504個のパルス信号の送信によって一回転させる。この場合、任意の図柄から次の図柄へ切り替えるために必要なパルス数は24パルス(=504[パルス信号数]÷21[図柄])である。このパルス信号の受信回数によってステッピングモータ172Lの回転軸の回転角度、つまり、左リール171Lの相対的な回転角度が特定される。なお、以下においては、ステッピングモータを駆動するためのパルス信号を「リール駆動信号」とも称する。
リール基準点検出装置のリールインデックスセンサ173Lは、一対の発光素子181L及び受光素子182Lを備えている。発光素子181Lと受光素子182Lとは、所定の間隔を隔てて左リール171Lの半径方向に並ぶように、支持プレート177Lに固定されている。発光素子181Lが検査光を放出し、受光素子182Lが発光素子181Lからの検査光を受光する。リール基準点検出装置の光遮断板183Lは、左リール171Lのボス補強板176Lに固定された基端部184Lと、基端部184Lに対して略直角に屈曲した先端部185Lとを有しており、左リール171Lの回転に伴って周回する。先端部185Lは、左リール171Lが一回転するごとに、発光素子181Lと受光素子182Lとの間隙を通過するように配置されており、その間隙を通過する際に、発光素子181Lから受光素子182Lへの検査光を遮断する。この先端部185Lの通過による検査光の遮断を検出することによって、筐体101に固定された受光素子182Lの位置(以下において、「固定基準点」とも称す)と左リール171Lに固定された先端部185Lの回転位置とが同一でること、つまり、固定基準点の位置とリール基準点の回転位置とが同一であることを検知できる。リール基準点検出装置からは、検査光の遮断が検出されるごとに、位置検出信号が主制御基板301に送信される。これによって、主制御基板301では、この位置検出信号の検知に基づいて、リール基準点が固定基準点を通過したことを確認できる。
リール基準点の絶対的な回転位置は、リール基準点が固定基準点を通過したことの検出と、固定基準点に対するリール基準点との相対的な回転角度の特定とによって決定される。つまり、リール基準点の絶対的な回転位置は、リール基準点検出装置からの位置検出信号を受信した後にリール駆動装置に送信されたパルス信号の個数によって特定できる。したがって、主制御基板301は、位置検出信号が入力された時点からのパルス信号の送信数を計測することによって、リール基準点に位置する基準図柄から何番目の図柄が固定基準点を通過しているかを特定でき、また、固定基準点に所定の図柄を停止させるためにはステッピングモータ172Lにパルス信号を更に何回送信すればよいかを決定できる。これによって、左リール171Lにおける所定の図柄を、左図柄表示窓161Lを通して視認できる所定の位置に正確に停止させることができる。
上記においては、左リール装置171Lのみについて説明したが、中リール装置171M及び右リール装置171Rの各々についても左リール装置171と実質的に同一である。本形態では、左リール装置171Lは、図柄ベルトが無端状に貼付された円筒形状のリール骨格を回転させるが、本発明においては、各種のリール装置は、無端状の図柄ベルトを周回させることができる構成であれば他の構成であってもよい。
ここで、左リール装置171Lの左図柄ベルト175L、中リール装置171Mの中図柄ベルト171M及び右リール装置171Rの右図柄ベルト171Rの各々に描かれる図柄について、図7(a)〜図7(c)を参照しながら説明する。図7(a)〜図7(c)に示されたように、左図柄ベルト175L、中図柄ベルト175M及び右図柄ベルト175Rの各々には、「7」図柄(例えば、左図柄ベルト175Lにおける第20番目の図柄)と、「青年」図柄(例えば、左図柄ベルト175Lにおける第19番目の図柄)と、「BAR」図柄(例えば、左図柄ベルト175Lにおける第14番目の図柄)と、「リプレイ」図柄(例えば、左図柄ベルト175Lにおける第11番目の図柄)と、「スイカ」図柄(例えば、左図柄ベルト175Lにおける第9番目の図柄)と、「ベル」図柄(例えば、左図柄ベルト175Lにおける第8番目の図柄)と、「チェリー」図柄(例えば、左図柄ベルト175Lにおける第4番目の図柄)とを含んでいる。左図柄ベルト175L、中図柄ベルト175M及び右図柄ベルト175Rの各々において、図柄の種類ごとの数や図柄の配列等は異ならせている。本形態では、左図柄ベルト175L、中図柄ベルト175M及び右図柄ベルト175Rの各々には、全種類の図柄が含まれている場合を例示したが、本発明においては、各図柄ベルトには必ずしも全種類の図柄が含まれていなくてもよい。また、本形態においては、左図柄ベルト175L、中図柄ベルト175M及び右図柄ベルト175Rの各々における図柄数が21個である場合を例示したが、本発明においては、図柄数は20個以下であってもよいし、22個以上であってもよい。
本形態では、各リールの「7」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合又は「青年」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、ビッグボーナスゲームに移行する。また、「BAR」図柄(レギュラーボーナス図柄)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にレギュラーボーナスゲームに移行する。「リプレイ」図柄がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、再遊技ゲーム(リプレイゲーム)に移行する。「スイカ」図柄、「ベル」図柄及び「チェリー」図柄はそれぞれ所定の枚数のメダルの払出が行われる小役図柄である。
スロット機100においては、現物メダルのみを用いての遊技と現物メダル及びクレジットメダルを併用しての遊技とが選択的に行える。この選択は遊技者によって行われる。以下においては、現物メダルのみを用いる遊技モードを「ダイレクトモード」と称し、現物メダル及びクレジットメダルを併用する遊技モードを「クレジットモード」と称する。ダイレクトモードのときには、最大規定数を超えて投入される余剰のメダルは返還され、入賞時に獲得するメダルは現物メダルで払出される。一方、クレジットモードのときには、最大規定数を超えて投入される余剰のメダルや入賞時に獲得するメダルは、クレジット数が最大クレジット数(本形態では50枚)に到達するまでクレジットメダルとして預入され、クレジット数が最大クレジット数に到達した場合には、クレジットメダルとして預入できなかった枚数分だけ投入されたメダルの返還や現物メダルでの払出が行われる。
精算操作装置108は、図3に示されたように、遊技者によって操作される精算スイッチ108aを備えている。精算スイッチ108aは、前面扉102の前面側に露出するように設けられており、クレジットモードにおいて精算スイッチ108aが操作されると、メダルの精算が行われる。本形態では、メダルの精算においてクレジット数と同数の現物メダル及びベット数と同数の現物メダルがホッパ装置109(図2参照)から排出される。また、クレジットメダルの精算と共に、遊技モードがダイレクトモードに変更される。本形態では、精算操作装置108が、ダイレクトモードとクレジットモードとを選択するモード切換装置を兼務している。具体的には、精算スイッチ108aが1つの操作ボタンを有する一点接触式のボタンスイッチであり、操作ボタンの押下に応じてダイレクトモードとクレジットモードとが交互に選択される。
本形態では、精算操作装置108に遊技モードの切換機能を兼務させたが、本発明においては、モード切換操作装置を別途に設けてもよい。また、本形態では、遊技モードはダイレクトモード又はクレジットモードであるが、本発明においては、遊技モードがクレジットモードのみであってもよい。
クレジット数表示装置105は、クレジットモードが選択されている場合に、遊技者の持ちメダルとしてスロット機100の内部に預入されたクレジットメダルの枚数(クレジット数)を表示する。クレジット数表示装置105は、前面扉102の裏面側に設けられており、遊技パネル151のクレジット数透視窓167に対応する位置に配置されている。これによって、遊技者は、クレジット数透視窓167を通して、クレジット数表示装置105の表示内容を視認できる。クレジットモードが選択されている場合には、クレジットメダルが有ればその枚数が表示され、また、クレジットメダルが無くても「0」が表示される。一方、ダイレクトモードが選択されている場合には、クレジット数表示装置105はオフ状態(消灯状態)であり、いかなる表示も行わない。したがって、クレジット数表示装置105の表示状態がオン状態及びオフ状態のいずれであるかによって、遊技者は、現在の遊技モードがダイレクトモード及びクレジットモードのいずれであるかを識別できる。本形態においては、クレジット数表示装置105は2つの7セグメント表示器を備えるが、本発明においては、クレジット数表示装置が、液晶表示装置等の他の表示装置を備える構成であってもよい。また、本形態においては、クレジット数表示装置105を備えるが、本発明においては、クレジット数表示装置を備えない構成であってもよい。この場合には、補助表示装置118等にクレジット数を表示させることが好ましい。
投入メダル取扱装置104は、図4又は図2に示されたように、前面扉102のメダル投入口152(図3参照)から投入された現物メダルが通過するセレクタ190と、セレクタ190からホッパ装置109に通じる貯留用通路R201を形成する通路部材201と、セレクタ190からメダル放出口153(図3参照)に通じる放出用通路R202を形成する通路部材202と、貯留用通路R201を介してセレクタ190からホッパ装置109に導かれる現物メダルの通過を検出する投入メダル検出装置203(図8参照)とを備える。セレクタ190、通路部材201、通路部材202及び投入メダル検出装置203の各々は、前面扉102の裏面側に設けられている。なお、投入メダル検出装置203は、セレクタ190の内部に設けられている。なお、通路部材202には、セレクタ190からメダル排出口153に至るまでの途中に、ホッパ装置109から放出されるメダルを取り込むメダル取込口205が形成されている。
セレクタ190は、メダルの受付状態に応じて、投入される現物メダルを貯留用通路R201及び放出用通路R202のいずれかに振り分ける。具体的には、メダルの受付状態が許可状態である場合(以下、「受付許可状態」とも称す)には、投入される現物メダルを貯留用通路R201に導き、メダルの受付状態が禁止状態である場合(以下、「受付禁止状態」)には、投入される現物メダルを放出用通路R202に導く。受付禁止状態としては、例えば、図柄表示が変動している場合、再遊技に当選している場合、ダイレクトモードにおいて別途数が最大規定数である場合、クレジットモードにおいてベット数が最大規定数でクレジット数が最大クレジット数である場合、メダルの精算中である場合が挙げられる。セレクタ190から貯留用通路R201に導かれた現物メダルは、最終的に、ホッパ装置109へ導かれ、ホッパ装置109に貯留される。一方、セレクタ190から放出用通路R202に導かれた現物メダルは、最終的に、メダル放出口153を通して受け皿154に導かれる。
ここで、セレクタ190の内部構造について、図8を参照しながら詳細に説明する。図8は、セレクタの内部構造の一例を表す模式的な正面図である。なお、図8には、理解を容易にするために、メダルが通過する過程を二点鎖線で示している。
セレクタ190は、図8に示されたように、図8の紙面に垂直な上方側に突出する突条191と、経路切換部193と、返却スイッチ198(図3参照)とを備えており、セレクタ190には、貯留用通路R201に通じる案内通路R191と、案内通路R191の途中で分岐して放出用通路R202に通じる離脱通路R192とが形成されている。セレクタ190は、投入された現物メダルを案内通路R191及び離脱通路R192のいずれか一方に選択的に導く。
突条191は、メダル投入口152から投入されたメダルを貯留用通路R201へ導くための案内通路R191を形成する。案内通路R191は、現物メダルが1列で通過できる構造であり、また、図8の上端部の左側から右端部の下側にかけて滑らかな弧を描くような曲線形状である。これにより、案内通路R191の上流側に進入したメダルは、突条191に沿って転がるように下流側へ導かれる。
経路切換部193は、案内通路R201の途中に設けられた出没自在な経路切換片193aと、この経路切換片193aの出没を制御する経路切換ソレノイド(図示せず)とを備えている。現物メダルが通過する経路は、経路切換片193aの出没に応じて選択される。経路切換ソレノイドの非励磁時には、案内通路R191中に経路切換片193aが突出し、貯留用通路R201への現物メダルの流れが阻害される。これによって、現物メダルは突条191を乗り越えて離脱通路192Rに沿って下方に落下する。また、経路切換ソレノイドの励磁時には、経路切換片193aが案内通路R191中から没するために、現物メダルは突条191を乗り越えることなく案内通路191に沿って下流側へ導かれる。
返却スイッチ198は、図3に示されたように、メダル投入口152の下方の前面扉102の前面側に露出するように設けられており、セレクタ190の前方に位置している。返却スイッチ198の操作によってセレクタ190を構成する部材を機械的に連動させて、セレクタ190内での現物メダルの詰まりを解消させることができる。
セレクタ190の内部において、図8に示されたように、案内通路R191に沿って経路切換片193aよりも下流側には、投入メダル検出装置203が設けられている。投入メダル検出装置203は、上流メダル検出センサ204を含む上流メダル検出部と、上流メダル検出センサ204よりも下流側に形成された現物メダルの通過を検出する下流メダル検出センサ205を含む下流メダル検出部とを備える。
上流メダル検出部の上流メダル検出センサ204は、一対の発光素子(図示せず)及び受光素子(図示せず)で構成されており、発光素子と受光素子とは、案内通路R191を挟むように図8の紙面の垂直方向に並べて配置されている。発光素子が検査光を放出し、受光素子が発光素子からの検査光を受光する。現物メダルは発光素子と受光素子との間隙を通過し、現物メダルがその間隙を通過する際に、発光素子181Lから受光素子182Lへの検査光が遮断される。上流メダル検出センサ204は、この検査光の遮断によって現物メダルの通過を検出する。検査光が遮断されている状態が上流メダル検出センサ204のオン状態である。上流メダル検出センサ204がオン状態である場合、上流メダル検出部において上流メダル検出信号が生成される。下流メダル検出部の下流メダル検出センサ205は、上流メダル検出センサ204の構成と実質的に同一であるためにその説明を省略する。
上流メダル検出センサ204と下流メダル検出センサ205とは、同一の現物メダルを同時に検出できる程度に近接させて配置されている。また、上流メダル検出センサ204と下流メダル検出センサ205とは、異なる現物メダルを同時に検出することがないように配置されている。経路切換ソレノイドの非励磁時には、現物メダルは案内通路R191の途中で案内通路R191から外れて離脱通路R192に沿って落下するために、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205によってメダルの通過が検出されることはない。一方、経路切換ソレノイドの励磁時には、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205によって現物メダルの通過が検出される。主制御基板301においては、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205による現物メダルの検出に基づいて、現物メダルの受入が判断される。
ここで、現物メダルの受入を判断する具体的な方法について、図9を参照しながら詳細に説明する。図9は、投入メダル検出装置における現物メダルの検出の一例を表わす説明図である。なお、図9において、上段図は案内通路R191における投入メダル検出装置203の近傍を部分的に模式的に表しており、中段図は上流メダル検出部からの出力信号を表わし、下段図は下流メダル検出部からの出力信号を表わしている。上段図中において、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205の検査光の光路は図9の紙面に略垂直な方向であり、2つの黒丸の各々は検査光の位置を表している。
メダルの受付許可状態において、投入された現物メダルは、案内通路R191に沿って上流メダル検出センサ204に導かれる。現物メダルが上流メダル検出センサ204の検査光を遮断する直前(t1の直前)において、この現物メダルの直前に投入された他の現物メダルは、現物メダルと接触していたとしても既に下流メダル検出センサ205の検査光を遮断しておらず、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205はオフ状態である。なお、このような状態を作り出せるように、上流メダル検出センサ204と下流メダル検出センサ205との配置、具体的には、それらにおける検査光の光路の位置が選択されている。現物メダルが投入されてから所定時間が経過し、現物メダルが上流メダル検出センサ204の検査光を遮断し始めると(t1)、上流メダル検出センサ204がオン状態となる。なお、上流メダル検出センサ204がオン状態である場合には、上流メダル検出信号としてHレベルの信号が出力される。その後、現物メダルが案内通路R191を進行して下流メダル検出センサ205の検査光を遮断し始めると(t2)、下流メダル検出センサ205がオン状態となり、下流メダル検出信号としてHレベルの信号が出力される。なお、このとき、現物メダルは上流メダル検出センサ204の検査光をまだ遮断中であり、上流メダル検出センサ204はオン状態のままである。その後、現物メダルが案内通路R191を更に進行して上流メダル検出センサ204の検査光の遮断を終えると(t3)、上流メダル検出センサ204がオフ状態となり、上流メダル検出部からの出力信号はLレベルとなる。なお、このとき、現物メダルは下流メダル検出センサ205の検査光をまだ遮断中であり、下流メダル検出センサ205はオン状態のままである。その後、現物メダルが案内通路R191を更に進行して下流メダル検出センサ205の検査光の遮断を終えると(t4)、下流メダル検出センサ205がオフ状態となり、下流メダル検出部からの出力信号はLレベルとなる。
主制御基板301では、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205の作動順序及び作動時間を監視しており、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205が共にオフ状態である状態から、上流メダル検出センサ204のみがオン状態である第1通過状態に移行し、次に、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205が共にオン状態である第2通過状態に移行し、次に、下流メダル検出センサ205のみがオン状態である第3通過状態に移行し、最後に、上流メダル検出センサ204及び下流メダル検出センサ205が共にオフ状態である第4通過状態に移行した場合であって、第1通過状態から第4通過状態に移行するまでの時間が所定の範囲内である場合にのみ現物メダルが正常に通過したと判定して受入れる。一方、それ以外の場合には、サブ制御基板302を介して、遊技ホールの従業員等にセレクタエラーが報知される。セレクタエラーの報知は、リセットスイッチ123(図2参照)が操作されるまで継続する。
メダルの受付許可状態において、メダル投入口152(図3参照)から3枚のメダルを投入すれば、遊技モードに関わらず最大規定数のベットが完了する。なお、以下においては、投入されたメダルが正常に受入られない場合については考慮しないこととする。ダイレクトモードの場合には、最大規定数を超える余剰のメダルが投入されれば、セレクタ190が余剰のメダルを放出用通路R202へ導く。これによって、余剰のメダルは前面扉102のメダル放出口153から受け皿154へ返還される。一方、クレジットモードの場合には、最大規定数を越える余剰のメダルが投入されれば、最大クレジット数(本形態では50枚)を超えるまではセレクタ190が余剰のメダルを貯留通路R201へ導くために、余剰のメダルはクレジットメダルとして預入され、クレジット数が預入された余剰のメダル数だけ増加する。なお、クレジット数が最大クレジット数に到達した場合には、セレクタ190が投入されたメダルを放出用通路R202へ導くために、最大クレジット数に到達した後に投入されたメダルは返還される。なお、クレジットモードの場合には、メダルのベットを以下のようにベット操作装置106(図3参照)を用いても行うことができる。
ベット操作装置106(図10参照)は、図1又は図3に示されたように、メダルを1枚だけベットする1ベット専用操作部211と、メダルを2枚だけベットする2ベット専用操作部212と、メダルを最大規定数(本形態では3枚)までベットする最大ベット専用操作部213とを備えている。ベット操作装置106は、クレジットメダルを用いてメダルをベットする際に遊技者によって操作される。
1ベット専用操作部211は、遊技者によって操作される1ベットスイッチ(明示せず)を備えている。1ベットスイッチは、前面扉102の前面側に露出するように設けられたボタンスイッチである。1ベット専用操作部211は、1ベットスイッチの操作に応じて1ベット信号を生成する。ベット数が0である場合に1ベットスイッチが操作されると、クレジット数が1だけ減少されて、中段ライン162aが有効化される。
2ベット専用操作部212は、1ベット専用操作部211と同様に、遊技者によって操作される2ベットスイッチ(明示せず)を備えている。2ベットスイッチは、前面扉201の前面側に露出するように設けられたボタンスイッチである。2ベット専用操作部212は、2ベットスイッチの操作に応じて2ベット信号を生成する。ベット数が0である場合に2ベットスイッチ212aが操作されると、クレジット数が2だけ減少されて、中段ライン162aと共に上段ライン165a及び下段ライン165bが有効化される。
最大ベット専用操作部213は、遊技者によって操作さえる最大ベットスイッチ(明示せず)と、最大ベットスイッチの内部に設けられた最大ベットランプ(図示せず)とを備えている。最大ベットスイッチは、前面扉102の前面側に露出するように設けられたボタンスイッチである。最大ベット専用操作部213は、最大ベットスイッチの操作に応じて最大ベット信号を生成する。最大ベットスイッチが操作されると、クレジット数が最大ベット数だけ減少して、中段ライン164、上段ライン165a及び下段ライン165bと共に右上がりライン166a及び右下がりライン166bも有効化される。最大ベット専用操作部213のLEDランプは、最大ベットスイッチが有効に操作できる状態であってベット数が最大規定数に達していない場合に、遊技者に最大ベットスイッチの操作を促すために点灯される。なお、最大ベットスイッチが有効に操作できない場合としては、例えば、クレジット数が最大規定数未満である場合、既に最大規定数のメダルがベットされている場合、図柄表示変動ユニット103における図柄表示が変動している場合及び再遊技図柄が入賞した次の遊技の場合等が挙げられ、このような場合には、最大ベット専用操作部213のLEDランプは消灯している。
一回の遊技に対するベットにおいて、現物メダルが投入されていなければ、1ベットスイッチ、2ベットスイッチ及び最大ベットスイッチに対して複数の操作が行える。この場合、最後に行われた操作が有効となる。例えば、最大ベットスイッチが操作された後に1ベットスイッチが更に操作されると、最終的には、1ベットスイッチの操作が有効となり、中段ライン164のみが有効化される。なお、1ベットスイッチ、2ベットスイッチ及び最大ベットスイッチのいずれかが操作された際にベットされるべき枚数がクレジット数を超える場合には、クレジット数と同数のクレジットメダルがベットされる。例えば、クレジット数が2のときに、最大ベットスイッチが操作された場合には、2枚のクレジットメダルがベットされたこととなり、中段ライン164、上段ライン165a及び下段ライン165bが有効化される。また、1枚でも現物メダルが投入されている際には、ベット数を増加させる操作のみが有効となる。
本形態では、ベット操作装置106が最大規定数と同数の3種類の操作部(211,212,213)を備えているが、本発明においては、ベット操作装置は、最大規定数未満の種類の操作部を備えていてもよい。例えば、ベット操作装置は、一度の操作で1枚ずつベット数が増加する加算ベット操作部のみを備える構成であってもよいし、加算ベット操作部と共に最大ベット専用操作部を含む2種類の操作部を備える構成であってもよい。また、本形態では、最大ベットスイッチの操作を促すために3ベット専用操作部213のLEDランプを点灯させたが、本発明においては、最大ベット専用操作部213のLEDランプを点滅させることによって更に認識し易くして、最大ベットスイッチの操作を促してもよい。また、本形態では、最大ベット専用操作部213のみにLEDランプを設けたが、本発明においては、1ベット専用操作部及び2ベット専用操作部が同様のLEDランプを備えた構成であってもよい。
ベット数表示装置107(図10参照)は、有効ライン表示部163に対応して遊技パネル151の裏面側に設けられており、第1有効ライン表示部164に対応する1ベット表示ランプ(図示せず)と、2つの第2有効ライン表示部165a,165bに対応する2つの2ベット表示ランプ(図示せず)と、2つの第3有効ライン表示部166a,166bに対応する2つの3ベット表示ランプ(図示せず)とを備える。1枚目のメダルがベットされると第1ベット表示ランプが点灯し、第1有効ライン表示部164に描かれた「1」が明示される。同様に、2枚目のメダルがベットされると2つの2ベット表示ランプが点灯して第2有効ライン表示部165a,165bの「2」が明示され、また、3枚目のメダルがベットされると2つの第3ベット表示ランプが点灯して、第3有効ライン表示部166a,166bの「3」が明示される。これによって、遊技者は、簡便に今回の遊技におけるメダルのベット数及び有効ラインを視認できる。
変動開始操作装置113は、図柄表示変動ユニット103(図2参照)における図柄表示の変動を開始させるための装置であって、図3に示されたように、遊技者によって操作されるスタートスイッチ(明示せず)を備えている。スタートスイッチは、前面扉102から前面側に突出するように設けられたレバースイッチである。変動開始操作装置113は、スタートスイッチの操作に応じて変動開始信号を生成する。スタートスイッチの操作に応じて、左リール171L、中リール171M及び右リール171Rは一括して(同時である必要はない)回転を開始する。これによって、図柄表示変動ユニット103(図2参照)における図柄表示の変動が開始される。変動開始操作装置113は、スタートスイッチを所定の位置に復帰させる付勢部材(図示せず)を更に備えており、スタートスイッチは、遊技者によって操作されても自動的に所定の状態に復帰する。なお、本形態では、スタートスイッチがレバースイッチである場合について説明したが、本発明においては、スタートスイッチは、ボタンスイッチやタッチパネル等であってもよい。
変動停止操作装置114は、図柄表示変動ユニット103(図2参照)における図柄表示の変動を停止させるための装置であって、図3に示されたように、左リール171Lを停止させるための左リール停止操作部231と、中リール171Mを停止させるための中リール停止操作部232と、右リール171Rを停止させるための右リール停止操作部233とを備えている。左リール停止操作部231は、遊技者によって操作される左ストップスイッチを備えている。左ストップスイッチは、前面扉102の前面側に露出するように設けられたボタンスイッチである。中リール停止操作部232及び右リール停止操作部233は、左リール停止操作部231の場合と同様に、それぞれ、中ストップスイッチ及び右ストップスイッチを備えている。左ストップスイッチ、中ストップスイッチ及び右ストップスイッチは、それぞれ、左図柄透視窓161L、中図柄透視窓161M及び右図柄透視窓161Rの概ね直下に配置されている。変動停止操作装置114の各種のリール停止操作部(231,232,233)は、各ストップスイッチに対応するLEDランプを更に備えており、LEDランプは点灯によって有効に操作できる状態であることを報知する。本形態では、各ストップスイッチはボタンスイッチであるが、本発明においては、各種のリール停止操作部はレバースイッチ等の機械的スイッチやタッチパネル等のセンサスイッチであってもよい。
本形態では、遊技者が、変動開始操作装置113及び変動停止操作装置114の操作に基づいて図柄表示変動ユニット103における図柄表示の変動の開始及び停止を行える場合について説明したが、本発明においては、図柄表示の変動の開始又は停止が自動的に行われてもよい。図柄表示の変動の開始が自動的に行われる場合、変動開始操作装置を備えていなくてもよい。また、図柄表示の変動の停止が自動的に行われる場合、変動停止操作装置を備えていなくてもよい。
ホッパ装置109は、図2又は図5に示されたように、現物メダルを貯留する貯留タンク241と、貯留タンク241のメダルを入賞時やクレジットメダルの精算時に放出する放出装置242とを備えている。貯留タンク241は、メダル投入口152(図3参照)から投入され、セレクタ190によって貯留用通路R201に導かれたメダルを貯留する。貯留タンク241には誘導プレート243が設けられており、誘導プレート243が設けられた高さ以上に貯留タンク241にメダルが誘導されてきた場合には、誘導プレート243を介して予備タンク244へメダルが排出される。なお、予備タンク244に貯留されたメダルは、前面扉102を開放することによって人為的に取り出される。放出装置242は、メダル放出板245と、メダル放出板245を駆動する駆動モータ246と、メダルの放出を検出する放出メダル検出センサ247(図10参照)を含む放出メダル検出装置とを備えている。駆動モータ246でメダル放出板245を回転させることによって、貯留タンク241に貯留されたメダルが放出される。放出メダル検出装置は、放出メダル検出センサ247によってメダル放出用回転板245から放出される現物メダルの通過を検知して、放出メダル検出信号を生成する。現物メダルは、放出メダル検出センサ247で検知された後に、放出用通路R202(図4参照)を構成する通路部材202に設けられた受入口205(図4参照)に誘導される。放出用通路R202に放出された現物メダルは、最終的に、前面扉102のメダル放出口153から受け皿154に放出される。
発光装置117は、図3に示されたように、前面扉102の前面側の上部に設けられた上部ランプを備える。上部ランプは、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする。発光装置117は、遊技の光演出を行ったり、エラーの発生やクレジットメダルの精算を報知したりする。なお、発光装置117を構成するランプの位置や数は特に以上で説明したものに限られない。
音響装置110は、図4に示されたように、前面扉102の音響出力口156(図3参照)の位置に対応させて前面扉102の裏面側に設けられた左右一対のスピーカを備えている。音響装置110は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技状態やエラーの発生やメダルの精算を報知したりする。スピーカ110a,110bは、音響を可変音量で出力できる。なお、本発明においては、音響装置を構成するスピーカの位置や数は特に以上説明したものに限られない。
補助表示装置118は、図4に示されたように、前面扉102の補助表示透視窓157(図3参照)の位置に対応して前面扉102の裏面側に設けられている。補助表示装置118は、遊技の進行に伴う表示演出を行ったり、遊技者や管理者に各種情報を報知したりする。本実施形態では、補助表示装置118として液晶表示装置を備え、表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を図っている。なお、本発明においては、補助表示装置は、ドットマトリックス表示装置、画像の描かれたリール型表示装置等の他の表示装置であってもよい。
筐体101の内部においてホッパ装置109の左方に配置された電源ユニット112は、電源基板300(図10参照)と、リセット操作装置119と、電源操作装置121と、設定操作許可装置122と、打ち止め設定変更装置124と、自動精算設定変更装置125とを含んでいる。
電源基板300は、電源ユニット112の内部に配置されており、電源基板300は、外部電力に基づいて所定の電圧の内部電力を生成して、その内部電力を主制御基板301やサブ制御基板302等の各種装置に供給する。なお、電源基板300については、電気的な構成の説明において再度詳細に説明する。
リセット操作装置119は、電源ユニット112の表面に露出するように設けられたリセットスイッチ(明示せず)を備えており、リセットスイッチの操作に応じてリセット信号を生成する。リセット装置119は、リセットスイッチの操作に応じて各種のエラー状態をリセットする。
電源操作装置121は、電源ユニット112の表面に露出するように設けられた電源スイッチを備えており、電源スイッチの操作によって電源基板300へ外部電力を供給するか否かを制御できる。
設定操作許可装置122は、電源ユニット112の表面に露出するように設けられた設定キースイッチを備えており、設定キーの挿入に応じて設定表示信号を生成し、設定キーによる操作に応じて設定変更信号を生成する。設定操作許可装置は、ホール管理者等がメダルの出玉率(機械割)の調整を行う際に、その調整操作を許可するための装置である。ホール管理者等は、設定キーを設定キースイッチに挿入して操作することにより、スロット機100の確率設定(当選確率設定処理)の変更や再設定や確認表示ができるようになる。なお、確率設定の変更においては、リセット操作装置119及び変動開始操作装置113が援用される。
打ち止め変更操作装置124は、電源ユニット112の表面に露出するように設けられた打ち止めスイッチを備えており、打ち止めスイッチによって打ち止め状態に設定されている場合に打ち止め信号を生成する。打ち止めスイッチは、ホール管理者等によって操作され、ビッグボーナスの終了後にスロット機100の動作を自動的に停止させるか否かを選択するスイッチである。打ち止めスイッチがオン状態であり、かつ遊技モードがクレジットモードである場合には、ビッグボーナスの終了後に、クレジットメダルが遊技者の意思に関わらず自動的に精算されると共に遊技が続行できなくなり、リセットスイッチによるリセット操作が行われるまで遊技のできない状態が継続される。一方、打ち止めスイッチがオフ状態である場合には、ビッグボーナスの終了後に、クレジットメダルは自動的には精算されず、遊技も続行できる。
自動精算変更操作装置125は、電源ユニット112の表面に露出するように設けられた自動精算スイッチ(明示せず)を備えており、自動精算スイッチによって自動精算状態が選択されている場合に自動精算信号を生成する。自動精算スイッチは、管理者によって操作され、ビッグボーナスの終了後にクレジットメダルを自動的に精算するか否かを選択するスイッチである。自動精算スイッチがオン状態であり、かつ遊技モードがクレジットモードである場合には、ビッグボーナスの終了後にクレジットメダルが遊技者の意思に関わらず自動的に精算される。一方、自動精算スイッチがオフ状態である場合には、ビッグボーナスの終了後における自動的なクレジットメダルの精算は行われない。なお、打ち止め変更操作装置124の打ち止めスイッチがオフ状態であっても自動精算スイッチがオン状態であれば、ビッグボーナスの終了後にはクレジットメダルは自動的に精算される。
制御装置は、主制御基板301とサブ制御基板302とを備える。主制御基板301は、図5に示されたように、筐体101の背板101cに取り付けられており、図柄表示変動ユニット103の上方に位置する。主制御基板301は、CPU、遊技プログラムを記憶したROM及び遊技の進行に応じて必要なデータを一時的に記憶するRAMを備えるMPUと、各種機器との連絡をとる入出力ポートと、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含んでいる。主制御基板301は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスペースとそのボックスベースの開ロ部を覆うボックスカバーとを備えている。ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニットで開封不能に連結することによって、基板ボックスが封印されている。なお、ボックススペースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
サブ制御基板302は、主に、発光装置117や音響装置110、補助表示装置118の駆動を制御する。サブ制御基板302は、図2及び図4に示されたように、前面扉102の裏面側に固定されており、補助表示装置118の背面に位置している。サブ制御基板302は、主制御基板301と同様に、MPUと、各種機器との連絡をとる入出力ポートと、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等(図示せず)を含んでいる。MPUのROMには、発光装置117、補助表示装置118及び音響装置110等を制御する制御プログラム、発光装置117の制御に用いる発光パターンデータ、音響装置の制御に用いる音量データや音声パターンデータ及び補助表示装置118の制御に用いる表示パターンデータ等が記録されている。
本形態のスロット機100の電気的な構成について説明する。図10は、スロット機の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
スロット機100は、図10に示されたように、電源基板300と、主制御基板301と、サブ制御基板302とを備える。電源基板300は、主制御基板301、サブ制御基板302、発光装置117、音響装置110、補助表示装置118等に所定の内部電力を供給する。主制御基板301は、スロット機100の主たる遊技性の決定や遊技媒体の投入時の制御や遊技媒体の払出の制御等を行う。サブ制御基板302は、主に、主制御基板301からの各種コマンドに基づいて、発光装置117、音響装置110、補助表示装置118等の制御を行う。以下、各装置について詳述する。
電源基板300は、電源回路部300aと、停電監視回路部300bとを備えている。電源回路部300aは、外部電力に基づいて少なくとも1種類の所定の電圧の内部電力を生成する。例えば、電源回路部300aにおいて、交流24ボルトの外部電力から直流12ボルトの機器系の安定化駆動電力及び直流5ボルトの制御系の安定化駆動電力が生成される。なお、上述の電源操作装置がオン状態の場合には、外部電力が電源基板300に供給されるが、電源操作装置がオフ状態の場合には、外部電力は電源基板300に供給されない。
停電監視回路部300bは、電源回路部300aからの機器系の安定化駆動電力を監視し、機器系の駆動電圧が所定の電圧(本形態では10ボルト)未満まで低下した状態(以下、「停電状態」とも称する)である場合には停電信号を生成する。停電状態としては、例えば、外部電力自体の供給停止、外部電力自体の電圧不足及び外部電力自体の電流不足等による外部電力の異常状態、電源操作装置121のオフ状態に起因して電源基板300への外部電力の供給が遮断されている内部遮断状態、電源基板300には正常な外部電力が供給されているが電源基板300の故障等によって機器系の駆動電圧が低下している状態が挙げられる。なお、停電信号は、主制御基板301に対しては停電監視回路部300bから直接入力されるが、サブ制御基板302に対しては、主制御基板302を介して間接的に入力される。主制御基板301のMPU310ではこの停電信号を受信することにより後述する停電時処理が実行され、サブ制御基板302のMPUにおいても主制御基板301からの停電情報を随時に確認して停電に関する処理を行っている。
電源回路部300aは、バックアップ回路(図示せず)を備えており、停電状態になった場合でも、バックアップ回路から制御系の安定化駆動電力として使用される5ボルトの電力(以下、「バックアップ電力」とも称する)が出力されるように構成されている。このバックアップ電力が出力される時間として、主制御基板301における上述するバックアップ処理(図13のS203)を実行するのに十分な時間が確保されている。
主制御基板301は、CPU(中央演算処理装置)311、ROM312及びRAM313を備えたMPU(マイクロプロセッシングユニット)310を備えている。ROM312は、CPU311によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶し、RAM313は、CPU311がROM312内に記憶されている各種の制御プログラムを実行するために必要な各種のデータを一時的に記憶する。主制御基板301には、図示はしないが、更に、割込み回路、カウンタ回路、タイマ回路、データ送受信回路等の各種の処理回路を備えている。また、MPU310には、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路(図示せず)や、入出力ポート314などが内部バスを介して接続されている。
RAM313は、各種のデータ等を一時的に記憶するための作業領域の他にバックアップ領域を備えており、停電状態においても電源回路部300aから供給されるバックアップ電力によって少なくともバックアップ領域に記録された情報を保持できる構成となっている。バックアップ領域には、停電発生時におけるスタックポインタの値や、各レジスタの値、I/Oの値等の情報が記録される。復電時には、バックアップ領域に保持された情報に基づいてスロット機100の状態が停電発生前の状態に復帰できるようになっている。バックアップ領域ヘの書き込みはバックアップ処理(図12参照)によって停電発生時に実行され、バックアップ領域に書き込まれた各値の復帰は復電時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、MPU310のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電時に、電源監視回路300bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電の発生に伴う停電フラグを設定する停電割込み処理が即座に実行される。
主制御基板301の入力側には、各種のセンサを備えた装置や各種のスイッチを備えた装置が電気的に接続されており、これらの装置から出力される各種のセンサの検出状態や各種のスイッチ状態に応じた出力信号は、入出力ポート314を介してMPU310へ入力される。入出力ポート314に接続される装置としては、例えば、変動開始操作装置113、変動停止操作装置114、投入メダル検出装置203、ベット操作装置106と、精算操作装置108と、ステッピングモータ(172L,172M,172R)やリールインデックスセンサ(172L,172M,172R)を含むリール装置(170L,170M,170R)と、放出メダル検出装置247、リセット操作装置119と、設定操作許可装置122とが挙げられる。
主制御基板301に入力される信号としては、例えば、メダル取扱装置104の投入メダル検出装置104からの上流メダル検出信号及び下流メダル検出信号、ベット操作装置106からの1ベット信号、2ベット信号及び最大ベット信号、精算操作装置108からの精算信号、変動開始操作装置113からの変動開始信号、変動停止操作装置114からの左停止信号、中停止信号及び右停止信号、左リール装置170L等の各種のリール装置からの位置検出信号、リセット操作装置119からのリセット信号、設定操作許可装置122からの設定表示信号及び設定変更信号、打ち止め変更操作装置122からの打ち止め信号、放出メダル検出装置247からの放出メダル検出信号が挙げられる。
主制御基板301の出力側には、各種の表示装置や各種の駆動装置や各種の制御装置等が電気的に接続されており、これらの装置に対する制御信号は、入出力ポート314を介して出力される。クレジット数表示装置105、ベット数表示装置107、ホッパ装置109、獲得数表示装置115、遊技進行表示装置116、各種のリール装置(170L,171M,170R)のリール駆動装置、セレクタ190の経路切換部193、サブ制御基板302、ホール管理装置等の外部装置に情報を送信する外部集中端子板126等が入出力ポート314を介して接続されている。
主制御装置301から出力される信号としては、クレジット数表示装置105へのクレジット数表示信号、ホッパ装置109への放出制御信号、獲得数表示装置115への獲得数表示信号、遊技進行表示装置116への遊技進行表示信号、ベット数表示装置107へのベット表示信号、各種リール装置170のリール駆動装置(左ステッピングモータ172L等)へのリール駆動信号(パルス信号)が挙げられる。
サブ制御基板302は、主制御基板301と同様に、CPU、ROM、RAM等が一体化されたMPU(図示せず)と、図示はしない割込み回路、カウンタ回路、タイマ回路、データ送受信回路等の各種の処理回路を備えている。また、MPU310には、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路(図示せず)や、入出力ポート314などが内部バスを介して接続されている。サブ制御基板302は、主制御基板301からの命令に基づいて、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118を制御する。なお、サブ制御基板302は、遊技を統括管理する主制御基板301との関係では、主制御基板301に対して補助的な制御を実行する。サブ制御基板302が、遊技進行に伴う演出等に関与する音響装置110、発光装置117、補助表示装置118等に対する実質的な制御を行うことによって、主制御基板301の処理負担を軽減している。本形態では、主制御基板301とサブ制御基板302とに分割してスロット機100の全体的な制御を行っているが、主制御基板301とサブ制御基板302とを一体化した1つの制御基板でスロット機の全体的な制御を実行してもよい。
主制御基板301内のMPU310により実行される制御処理について説明する。MPU310の制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、NMI端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理と、タイマによる時間計測によって定期的に割込みをかけるタイマ割込み処理とがある。
まず、停電割込み処理について説明する。図11は、主制御基板における停電割込み処理の一例を表すフローチャートである。停電状態が発生した場合、電源基板300の電源監視回路300bで停電信号が生成され、主制御基板301に対して出力される。主制御基板301においては、MPU310のNMI端子が停電信号を受信し、停電信号の受信に応じて停電フラグを設定する割込み処理(以下、「停電割込み処理」と称する)が実行される。
停電割込み処理においては、まず、MPU310において使用しているレジスタのデータをRAM313内のバックアップ領域に退避させる(「レジスタ退避処理」S101)。レジスタ退避処理S101の後に、停電フラグが設定される(「停電フラグ設定処理」S102)。停電フラグは、RAM313内の特定のエリア(停電フラグ格納エリア)に保持され、停電状態の発生を表す情報である。停電フラグ設定処理S102後に、レジスタ退避処理S101においてRAM313のバックアップ領域に退避させたレジスタのデータをMPU310のレジスタに復帰させる(「レジスタ復帰処理」S103)。レジスタ復帰処理S103の完了によって停電割込み処理が終了する。なお、MPU310の使用中のレジスタのデータを破壊せずに停電フラグ設定処理S102が行える場合には、レジスタ退避処理S101及びレジスタ復帰処理S103を省くことができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板におけるタイマ割り込み処理を表すフローチャートである。主制御基板301においては、定期的にタイマ割込み処理が行われる。本形態においては、タイマ割込み処理は、実質的に1.49ms[ミリ秒]の周期で行われる。
タイマ割込み処理において、まず、MPU310内において後述するメイン処理における通常処理で使用している全てのレジスタの値が、RAM313のバックアップ領域に格納される(「レジスタ退避処理」S201)。レジスタ退避処理S201の後に、停電フラグが設定されているか否かが確認される(S202)。停電フラグが設定されている場合には、バックアップ処理S203が実行される。
ここで、バックアップ処理S203について詳細に説明する。図13は、主制御基板におけるタイマ割込み処理内で実行されるバックアップ処理を表すフローチャートである。
バックアップ処理では、図13に示されたように、まず、リングバッファに蓄積されている各種のコマンドの送信が終了しているか否かが判定される(S301)。それらのコマンドの送信が終了していない場合には、バックアップ処理が一旦終了されて、制御がタイマ割込み処理に復帰する。なお、これは、バックアップ処理の開始前に、コマンドの送信を完了させるための制御である。一方、それらのコマンドの送信が完了している場合には、MPU310のスタックポインタの値が、RAM313内のバックアップ領域に保存される(「スタックポインタ保存処理」S302)。スタックポインタ保存処理S302の後に、後述するRAM判定値がクリアされると共に、入出力ポート314における出力ポートの出力状態がクリアされて図示しない全てのアクチュエータがオフ状態になる(「停止処理」S303)。
停止処理S303の後に、RAM判定値が新たに算出されてバックアップ領域に保存される(「RAM判定値保存処理」S304)。RAM判定値は、RAM313のワーク領域におけるチェックサム値の2の補数である。ここで、チックサム値の2の補数とは、2進数表現においてチェックサム値の各桁(ビット)を反転した場合に生成される値である。この場合、RAM313のチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和(「FFFFH」)に1加算した値は、オーバーフローによって「0000H」(=0)となる。本形態では、RAM判定値としてチェックサム値の補数を用いたが、本発明においては、RAM判定値としてチェックサム値そのものを用いてもよい。
RAM判定値保存処理S304の後に、RAM313へのアクセスが禁止される(「RAMアクセス禁止処理」S305)。その後は、内部電力の完全な遮断によって処理が実行できなくなるのに備えて、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤って設定される場合等を考慮して、図示しないが、無限ループに入る前には停電信号がまだ入力されているか否かが確認される。停電信号が出力されていなければ、内部電源が復旧していることになるために、RAM313の書き込みが許可されると共に停電フラグが解除され、タイマ割込み処理に復帰する。一方、停電信号が継続して入力されていれば、そのまま無限ループに入る(図示せず)。
このように、バックアップ処理S203の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理が優先される。コマンドの送信処理終了後にバックアップ処理を実行する構成とすることにより、リングバッファに蓄積されたコマンドの送信途中でバックアップ処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時の処理に関するプログラムを簡略化してROM312の小容数化を図ることができる。
電源基板300の電源回路部300aは、停電状態が発生した後においても、停電割込み処理及びバックアップ処理を完了するために十分な時間にわたって、制御系の駆動電力として使用されるバックアップ電力を出力する。このバックアップ電力によって、停電割込み処理及びタイマ割込み処理のバックアップ処理が行われる。本形態では、停電発生後の30ms[ミリ秒]の間、バックアップ電力が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、図12に示されたように、判定処理S202において停電フラグが設定されていないと判定された場合には、誤動作の発生を監視するためのウォッチドッグタイマが初期化され、MPU310自身に対して割込み許可が出される(「割込み終了宣言処理」S204)。割込み終了宣言処理S204の後に、各リール(171L,171M,171R)を回転させるために右ステッピングモータ172L等の各ステッピングモータにリール駆動信号が送信される(「ステッピングモータ制御処理」S205)。ステッピングモータ制御処理S205の後に、入出力ポート314に接続された各種の装置におけるスイッチの状態変化が監視される(「スイッチ読込処理」S206)。スイッチ読込処理S206の後に入出力ポート314に接続された各種の装置におけるセンサの状態変化が監視される(「センサ監視処理」S207)。センサ監視処理S207の後に、各種のカウンタの値や各種のタイマの値が演算される(「タイマ演算処理」S208)。タイマ演算処理S208の後に、差枚数(ベット総数と獲得総数との差分)を集計するためにベット数や獲得数が、外部集中端子板126へ出力される(「差枚数カウント処理」S209)。
差枚数カウント処理S209の後に、リングバッファに蓄積された各種のコマンドが、サブ制御基板302に送信される(「コマンド出力処理」S210)。コマンド出力処理S210の後に、クレジット数表示装置105、遊技進行表示装置116及び獲得数表示装置115等に表示されるセグメントデータが設定される(「セグメントデータ設定処理」S211)。セグメントデータ設定処理S211で設定されたセグメントデータが所定の表示装置に送信される(「セグメントデータ表示処理」S212)。クレジット数表示装置105等の表示装置は、受信したセグメントデータに対応する数字、記号などを表示する。入出力ポート314からI/O装置へのデータが出力される(「ポート出力処理」S213)。ポート出力処理S213の後に、レジスタ退避処理S201においてバックアップ領域に退避させた各レジスタのデータがそれぞれMPU310内の対応するレジスタに復帰される(「レジスタ復帰処理」S214)。レジスタ復帰処理S214の後に、次回のタイマ割込みが許可される(「割込み許可処理」S215)。以上の処理を経て一連のタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板301におけるメイン処理について説明する。図14は、主制御基板のメイン処理を表すフローチャートである。主制御基板301のメイン処理は、停電状態から復帰した場合に実行される。
主制御基板301のメイン処理では、まず、スタックポインタの初期値が設定される(「スタックポインタ設定処理」S401)。スタックポインタ設定処理の後に、割込み処理を許可する割込みモードが設定される(「割込みモード設定処理」S402)。割込みモード設定処理S402の後に、MPU310内のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定等が行われる(「レジスタ設定処理」S403)。
レジスタ設定処理S403の後に、設定キーが設定キースイッチに挿入されているか否かが判定される(S404)。ここで、設定キーは、単に挿入されているだけの場合であってもよいし、挿入されると共に所定の方向に所定の角度だけ回転させられていてもよい。設定キーが挿入されていると判定された場合には、所定の複数種類の確率設定(本形態では「設定1」〜「設定6」の6段階設定)のうちから選択される1つの確率設定の設定値を保持する所定の領域を除くRAM313の全領域のデータが、強制的にクリアされる(「強制的RAMクリア処理」S405)。強制的RAMクリア処理S405の後に、設定キーが回転された状態で挿入されている場合には、現在の設定値の変更(設定の変更)が行われ、一方、設定キーが挿入されているだけの場合には、現在の設定値の再設定(設定の打ち直し)が行われる(「確率設定選択処理」S406)。確率設定処理S406の後に、通常遊技処理へ移行する。なお、確率設定処理S406の詳細については、メイン処理の後に説明する。
判定処理S404において設定キーが挿入されていないと判定された場合には、選択されている確率設定の設定値が所定の範囲(「1」〜「6」)内の値であるか否かが判定される(S407)。なお、停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM313が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、設定値は所定の範囲内の値しかとらない。設定値が所定の範囲内の値である場合には、停電フラグが設定されているか否かが判定される(S408)。停電フラグが設定されている場合には、RAM313のワーク領域のチェックサム値が新たに算出され、新たなチェックサム値が正常であるか否かが判定される。新たなチェックサム値が正常とは、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値が同一であること、つまり、新たなチェックサム値とRAM313のバックアップ領域に保持されているRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」であることを意味する。この値は、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値とが同一である場合には「0」となり、異なる場合には「0」以外となる。停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM313が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、この値は「0」以外にはならない。
判定処理S407において確率設定の設定値が所定の範囲内の値でないと判定された場合、判定処理S408において停電フラグが設定されていないと判定された場合、又は、判定処理S409において新たなチェックサム値とRAM判定値との論理和が「0」以外であると判定された場合には、割込み処理が禁止される(「割込み禁止設定処理」S415)。割込み禁止設定処理S415の後に、入出力ポート314の全ての出力ポートがクリアされて、入出力ポート314に接続された全てのアクチュエータがオフ状態になる(「全出力ポートクリア処理」S416)。全出力ポートクリア処理S416の後に、エラーの発生が報知される(「エラー報知処理」S417)。なお、このエラー報知状態は、リセット操作装置が操作されるまで継続する。
判定処理S409において新たなチェックサム値が正常であると判定された場合には、バックアップ領域に保存されたスタックポインタの値がMPU310のスタックポインタに書き込まれ、スタックポインタの値が停電状態の発生前の値に復帰する(「スタックポインタ復帰処理」S410)。これによって、停電状態からの復帰後において、停電状態の発生により中断された処理から再開できるようになる。スタックポインタ復帰処理S410の後に、停電状態からの復帰を表す復電コマンドがサブ制御基板302に送信される(「復電コマンド送信処理」S411)。
復電コマンド送信処理S411の後に、打ち止め操作装置124の打ち止めスイッチの状態及び自動精算変更自動精算スイッチの状態が、RAM313の所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S412)。
遊技形態設定処理S412の後に、各種の装置のセンサの値が初期化される(「センサ初期化処理」S413)。センサ初期化処理S413の後に、停電フラグが解除される(「停電フラグ解除処理」S414)。停電フラグ解除処理S414の後に、スタックポインタの示す停電状態の発生前の番地における処理から再開される。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理におけるバックアップ処理S203(図12参照)後の割込み終了宣言処理S204が実行される。
ここで、確率設定選択処理S406について詳細に説明する。図15は、確率設定選択処理の一例を表すフローチャートである。本形態において、確率設定の設定値は、「1」〜「6」のいずれかである。同一ベット数で遊技する際において、設定値が「1」から「6」に向かって大きくなるに従って、一般的に、機械割(ベットメダルの総数に対する獲得メダルの総数の期待値)の高い乱数テーブルが選択される。また、同一設定値においては、一般的に、ベット数が多くなるほど機械割の高い乱数テーブルが選択される。
確率設定選択処理S406は、まず、設定操作許可装置122における設定キー検出スイッチがオン状態であるか否かが判定される(S501)。具体的には、設定操作許可装置122から出力される設定変更信号の受信が受信されているか否かが判定される。なお、設定変更信号の受信は、タイマ割込み処理のスイッチ読込処理S206において行われる。設定キーの挿入が検出されていなければ本処理は終了し、通常処理S407(図14参照)に移行する。一方、設定キーの挿入が検出されていれば、割込み許可を設定する(「割込み許可設定処理」S502)。この割込みの許可設定は、以下において、変動開始操作装置113のスタートスイッチやリセット操作装置119のリセットスイッチの操作を読み込むために必要である。割込み許可設定処理S502の後に、現在の設定値を読み込む(「設定値読み込み処理」S503)。設定値読み込み処理S503の後に、読み込まれた設定値が正常な値(「1」〜「6」までの整数)であるか否かが判定される(S504)。設定値が正常な値でない場合には、設定値を強制的に所定の初期値(本形態では、「1」)に変更する(「設定値初期化処理」S505)。一方、設定値が1〜6の値である場合には、設定値初期化処理S505をスキップする。その後、現在の設定値を設定表示装置123(図4参照)に表示させる(「設定値表示処理」S506)。設定値表示処理S506の後に、変動開始操作装置113のスタートスイッチが操作されたか否かが判定される(S507)。具体的には、変動開始操作装置113出力されるスタート信号が受信されているか否かが判定される。
S507)。
スタートスイッチが操作されていない場合には、リセットスイッチが操作されたか否かが判定される(S508)。リセットスイッチが操作されていない場合には、設定値表示処理S506に戻り、確率設定の変更を終了するためのスタートスイッチの操作又は確率設定を変更するためのリセットスイッチの操作の入力を待つ。一方、リセットスイッチが操作されていれば、設定値が更新される(「設定値更新処理」S509)。設定値更新処理S509の後に判定処理S504に戻る。なお、本形態において、リセットスイッチの操作に応じて、設定値は1〜6の整数値の範囲内でループする(「1」→「2」→・・・→「6」→「1」→・・・)。
判定処理S507においてスタートスイッチが操作されたと判定された場合には、設定キースイッチがオン状態であるか否かが判定される(S510)。設定キースイッチがオン状態である場合には、設定キースイッチがオフ状態となるまで、判定処理S501をループさせて待つ。一方、設定キースイッチがオン状態でない場合には、割込み禁止を設定する(「割込み禁止処理」S511)。割込み禁止処理S511の後に、現在の設定値をRAM313の所定の領域に保存する(「設定値保存処理」S512)。設定値が保存されている領域以外のRAM313の全領域をクリアする(「RAMクリア処理S513」)。RAMクリア処理S513の後に、通常処理S407(図14参照)が実行される。
通常時の遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について、図16を参照しながら説明する。図16は、主制御基板のMPUで実行される通常処理を表すフローチャートである。
主制御基板301の通常処理は、メイン処理における確率設定処理S406(図14参照)の後に実行される。通常処理では、図16に示されたように、まず、割込み許可を設定する(「割込み許可設定処理」S601)。割込み許可設定処理S601の後に、遊技形態を決定する打ち止めスイッチの状態及び自動精算スイッチの状態がRAM313に格納される(「遊技形態設定処理」S602)。なお、遊技形態設定処理S602は、メイン処理における遊技形態設定処理S412(図14参照)と同一の処理である。
遊技形態設定処理S602の後には、下述のループ処理に移行する。なお、以下においては、連続遊技中である場合について説明する。
RAM313において一回の遊技ごとに変化する情報を保持する領域のデータをクリアする(「遊技情報クリア処理」S603)。具体的には、前回の遊技に関連する情報をクリアする。クリアされる情報としては、例えば、乱数に関連する情報、リール装置の制御に関連する情報、入賞に関連する情報及びエラーに関連する情報が挙げられる。入賞に関連する情報には、入賞図柄、入賞ライン及び獲得メダル数等の情報が含まれる。
遊技情報クリア処理S603の後に、変動開始操作装置113からの変動開始信号が入力されるまで、所定の処理を行いながら待機する(「変動待機処理」S604)。ここで、変動待機処理S604について、図17を参照しながら詳細に説明する。図17は、変動待機処理S604の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理S604では、まず、遊技監視タイマが設定される(「遊技監視タイマ設定処理」S701)。ここで、遊技監視タイマが設定されるとは、そのタイマの値がリセットされ、かつそのタイマによる新たな時間計測がスタートすることを意味する。遊技監視タイマは、遊技間隔を測定するタイマであって、遊技者によって遊技されていない時間が所定の時間を経過した場合に、補助表示装置の画像を所定の画像(デモストレーション画像)に移行させるために用いられる。
遊技監視タイマ設定処理S701の後に、前回の遊技で再遊技に入賞したか否かが判定され、再遊技に入賞していた場合には、自動的に、前回の遊技のベット数と同数のメダルが自動的にベットされる(「自動ベット処理」S702)。
自動ベット処理S702の後に、投入メダル検出装置203においてメダルの受入エラーが発生しているか否かが確認され、受入エラーが発生している場合には、音響装置110、発光装置117、補助表示装置118等にエラーを報知させるためのセレクタエラーコマンドが設定される(「セレクタエラー報知処理」S703)。具体的には、エラーの発生を表すセレクタエラーフラグが設定されているか否かが判定され、セレクタエラーフラグが設定されている場合には、セレクタエラーコマンド(エラーコマンドの一種)が、リングバッファに格納される。また、メダルの受付禁止状態において、投入メダル検出装置203から上流メダル検出信号や下流メダル検出信号を受信した場合にも、セレクタエラーコマンドがリングバッファに格納される。なお、リングバッファに格納されたセレクタエラーコマンドは、その格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210においてサブ制御基板302に出力される。また、以下において、リングバッファに格納される各種のコマンドは、セレクタエラーコマンドの場合と同様に、それらの格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210においてサブ制御基板302に出力される。
セレクタエラー報知処理S703の後に、ホッパ装置109でエラーが発生しているか否かが判定され、ホッパ装置109でエラーが発生している場合には、音響装置110、発光装置117、補助表示装置118等にエラーを報知させるためのホッパエラーコマンドが設定される(「ホッパエラー報知処理」S704)。具体的には、ホッパ装置109への放出制御信号の送信後の所定の時間内に放出メダル検出装置247からの放出メダル検出信号が受信されるか否かが判定され、放出メダル検出信号が受信されない場合には、ホッパエラーコマンド(エラーコマンドの一種)が、リングバッファに格納される。また、放出制御信号が送信されていない場合において放出メダル検出信号が受信された場合にも、ホッパエラーコマンドがリングバッファに格納される。
ホッパエラー報知処理S704の後に、精算操作装置108からの精算信号が受信されている場合には、クレジットメダル及びベットメダルの精算が行われる(「精算処理」S705)。メダル精算処理S705においては、必要に応じて、ベットメダルの精算の開始を表すベット精算開始コマンド、ベットメダルの精算の終了を表すベット精算終了コマンド、クレジットメダルの精算の開始を表すクレジット精算開始コマンド、クレジットメダルの精算の終了を表すクレジット精算終了コマンド等のメダル放出コマンドや、クレジット数の情報を表すクレジット数コマンド等の排出予定数コマンドや、排出数の増加を表す排出数増加コマンド等の放出メダル情報コマンドがリングバッファメモリに適宜に格納される。
ここで、精算処理S705について図18を参照しながら詳細に説明する。図18は、精算処理S705の一例を表すフローチャートである。
精算処理S705において、図18に示されたように、まず、精算操作装置108からの精算信号(精算操作情報)が受信されているか否かが判定される(S801)。精算信号が受信されていない場合には、精算処理S705が終了する。一方、精算信号が受信されている場合には、遊技モードがクレジットモードであるか否かが判定される(S802)。遊技モードがクレジットモードである場合には、クレジット数が0であるか否か(クレジットメダルの有無)が判定される(S803)。
クレジット数が0でない場合には、クレジット精算フラグを設定する(「クレジット精算フラグ設定処理」S804)。クレジット精算フラグ設定処理S804の後に、クレジットメダルが精算される(「クレジットメダル精算処理」S805)。クレジットメダル精算処理S805の後に、クレジット精算フラグが解除される(「クレジット精算フラグ解除処理」S806)。判定処理S803においてクレジット数が0であると判定された場合には、クレジット精算フラグ設定処理S804〜クレジット精算フラグ解除処理S806がスキップされる。
クレジット精算フラグ解除処理S806の後及び判定処理S803においてクレジット数が0であると判定された場合、ベット数が0であるか否か(ベットメダルの有無)が判定される(S807)。ベット数が0でない場合には、ベット精算フラグを設定する(「ベット精算フラグ設定処理」S808)。ベット精算フラグ設定処理S808の後に、ベットメダルが精算される(「ベットメダル精算処理」S809)。ベットメダル精算処理S809の後に、ベット精算フラグが解除される(「クレジット精算フラグ解除処理」S810)。判定処理S803においてベット数が0であると判定された場合には、ベット精算フラグ設定処理S807〜ベット精算フラグ解除処理S810がスキップされる。
ベット精算フラグ解除処理S810の後と判定処理S803で遊技モードがダイレクトモードであると判定された場合には、遊技モード及びクレジット数表示装置105の表示状態を変更させる(「モード変更処理」S811)。具体的には、モード変更処理S811において、遊技モードがクレジットモードである場合には、遊技モードがダイレクトモードに変更され、表示状態がオフ状態(消灯状態)に変更される。一方、遊技モードがダイレクトモードである場合には、遊技モードがクレジットモードに変更され、表示状態がオン状態(点灯状態)に変更される。
ここで、クレジットメダル精算処理S805とベットメダル精算処理S809とについて詳細に説明する。図19は、クレジットメダル精算処理の一例を表すフローチャートである。図20は、ベットメダル精算処理の一例を表すフローチャートである。
クレジットメダル精算処理S805において、図19に示されたように、まず、クレジットメダルの排出予定数がクレジット数と同一の値に設定される(「排出予定数設定処理」S3001)。排出予定数設定処理S3002の後に、排出数が0にクリアされる(「排出数クリア処理」S3002)。排出数クリア処理S3002の後に、クレジットメダルの精算の開始を表すクレジット精算開始コマンドがリングバッファに格納される(「精算開始コマンド設定処理」S3003)。精算開始コマンド設定処理S3003の後に、クレジット数コマンドがリングバッファに格納される(「クレジット数コマンド設定処理」S3004)。クレジット数コマンド設定処理S3004の後に、ホッパ装置109が駆動される(「ホッパ装置駆動処理」S3005)。これによって、ホッパ装置109に対し1枚のメダルの排出が指示される。ホッパ装置駆動処理S3005の後に、ホッパ装置109の駆動から現物メダルの放出までの時間を監視するホッパ監視タイマが設定される(「ホッパ監視タイマ設定処理」S3006)。「ホッパ監視タイマ」は、具体的には、ホッパ装置109を駆動するための放出制御信号の送信から放出メダル検出装置247からの放出メダル検出信号の受信までの時間を測定する。ホッパ監視タイマ設定処理S3005の後に、放出メダル検出信号が受信されているか否かが判定される(S3007)。放出メダル検出信号が受信されている場合には、ホッパ監視タイマを解除する(「ホッパ監視タイマ解除処理」S3008)。ホッパ監視タイマ解除処理S3008の後に、排出数がインクリメントされる(「排出数変更処理」S3009)。排出数変更処理S3009の後にクレジット数がデクリメントされる(「クレジット数変更処理」S3010)。クレジット数変更処理S3010の後に、排出数増加コマンドがリングバッファに格納される(「排出数増加コマンド設定処理」S3011)。排出数増加コマンド設定処理S3011の後に、排出数が排出予定数と同一であるか否かが判定される(S3012)。排出数が排出予定数と同一でない場合には、ホッパ装置駆動処理S3004に戻る。
判定処理S3007において放出メダル検出信号が受信されていないと判定された場合には、ホッパ監視タイマによる測定時間が所定の時間を越えているか否かが判定される(S3013)。ホッパ監視タイマの測定時間が所定の時間以下である場合には、判定処理S3007に戻る。これによって、放出メダル検出信号の受信が繰り返し確認される。一方、ホッパ監視タイマの測定時間が所定の時間を越えている場合には、ホッパ装置109におけるエラー(ホッパエラー)の発生を報知するためのホッパエラーコマンド(エラーコマンドの一種)がリングバッファに格納し、遊技進行を停止させるエラー処理が行われる(「ホッパエラー処理」S3014)。ホッパエラー処理S3014の後に、ホッパエラーが解除されたか否かが判定される(S3015)。なお、ホッパエラーは、リセット操作装置119におけるリセットスイッチの操作に応じたリセット信号が受信された場合に解除される。ホッパエラーが解除されていない場合には、判定処理S3012が繰返し実行される。一方、ホッパエラーが解除された場合には、ホッパ装置駆動処理S3004に戻る。
判定処理S3012において排出数が排出予定数と同一であると判定された場合には、クレジットメダルの精算の終了を表すクレジット精算終了コマンドがリングバッファに格納される(「精算終了コマンド設定処理」S3016)。精算終了コマンド設定処理S3016の完了によってクレジットメダル精算処理S805が終了する。
ベットメダル精算処理S812は、クレジットメダル精算処理S805の場合と同様の処理である。まず、ベットメダルの排出予定数がベット数と同一の値に設定される(「排出予定数設定処理」S3101)。排出予定数設定処理S3102の後に、排出数が0にクリアされる(「排出数クリア処理」S3102)。排出数クリア処理S3102の後に、ベットメダルの精算の開始を表すベット精算開始コマンドがリングバッファに格納される(「精算開始コマンド設定処理」S3103)。精算開始コマンド設定処理S3003の後に、ホッパ装置109が駆動される(「ホッパ装置駆動処理」S3104)。ホッパ装置駆動処理S3004の後に、ホッパ監視タイマが設定される(「ホッパ監視タイマ設定処理」S3105)。ホッパ監視タイマ設定処理S3005の後に、放出メダル検出信号が受信されているか否かが判定される(S3106)。放出メダル検出信号が受信されている場合には、ホッパ監視タイマを解除する(「ホッパ監視タイマ解除処理」S3107)。ホッパ監視タイマ解除処理S3107の後に、排出数がインクリメントされる(「排出数変更処理」S3108)。排出数変更処理S3108の後に、ベット数がデクリメントされる(「ベット数変更処理」S3109)。ベット数変更処理S3109の後に、排出数が排出予定数と同一であるか否かが判定される(S3110)。排出数が排出予定数と同一でない場合には、ホッパ装置駆動処理S3104に戻る。
判定処理S3106において放出メダル検出信号が受信されていないと判定された場合には、ホッパ監視タイマが払出監視タイマによる測定時間が所定の時間を越えているか否かが判定される(S3111)。ホッパ監視タイマの測定時間が所定の時間以下である場合には、判定処理S3106に戻る。一方、ホッパ監視タイマの測定時間が所定の時間を越えている場合には、ホッパ装置109におけるエラー(ホッパエラー)の発生を報知するためのホッパエラーコマンド(エラーコマンドの一種)がリングバッファに格納され、遊技進行を停止させるエラー処理が行われる(「ホッパエラー処理」S3112)。ホッパエラー処理S1219の後に、ホッパエラーが解除されたか否かが判定される(S3113)。ホッパエラーが解除されていない場合には、判定処理S3113が繰返し実行される。一方、ホッパエラーが解除された場合には、ホッパ装置駆動処理S3104に戻る。
判定処理S3009において排出数が排出予定数と同一であると判定された場合には、ベットメダルの精算の終了を表すベット精算終了コマンドがリングバッファに格納される(「精算終了コマンド設定処理」S3114)。精算終了コマンド設定処理S3114の完了によってベットメダル精算処理S809が終了する。なお、図18〜図20に示された処理過程を経て精算処理S705が完了する。
精算処理S705の後に、図17に示されたように、投入メダル検出装置203からの出力信号(上流メダル検出部からの上流メダル検出信号、下流メダル検出部からの下流メダル検出信号)に基づいて、現物メダルの受入が確認される(「メダル受入確認処理」S706)。具体的には、所定の許容通過時間内に、上流メダル検出信号のみが受信されている第1通過条件と、上流メダル検出信号及び下流メダル検出信号の双方が受信されている第2通過条件と、下流メダル検出信号のみが受信されている第3通過条件と、上流メダル検出信号及び下流メダル検出信号の双方が受信されていない第4通過条件とがこの順序で順次に満たされた場合にのみ、メダルの受入を容認する。その他のタイミング又は順序で上流メダル検出信号又は下流メダル検出信号が検出された場合には、エラーを報知するためのセレクタエラーフラグを設定する。なお、上記の条件を満たすか否かは、メダル受入確認処理S706が複数回実行されることによって判断される。また、上流メダル検出信号及び下流メダル検出信号のいずれもが受信されていない場合には、本処理がスキップされる。以下に、メダル受入確認処理S706について詳細に説明する。
図21は、メダル受入確認処理の一例を表すフローチャートである。メダル受入確認処理S706では、図21に示されたように、まず、第1通過フラグが既に設定されているか否かが判定される(S901)。ここで、第1通過フラグは、現物メダルが投入メダル検出装置203を通過中であるか否かを表し、通過フラグが設定されている場合には、通過中であることを意味する。第1通過フラグが設定されていない場合には、下流メダル検出信号が受信されているか否かが判定される(S902)。下流メダル検出信号が受信されている場合には、通過エラーフラグが設定される(「通過エラーフラグ設定処理」S910)。一方、下流メダル検出信号が受信されていない場合には、上流メダル検出信号が受信されているか否かが判定される(S904)。なお、判定処理S903,S904によって上記の第1通過条件を満たすか否かが判定されている。上流メダル検出信号が受信されている場合には、第1通過フラグが設定される(「第1通過フラグ設定処理」S905)。第1通過フラグ設定処理S905の後に、通過の開始から経過した時間を計測する通過監視タイマを設定する(「通過監視タイマ設定処理」S906)。
判定処理S901において第1通過フラグが設定されていると判定された場合には、通過監視タイマによる測定時間が所定の許容通過時間以下であるか否かが判定される(S907)。測定時間が許容通過時間を越えている場合には、第1通過フラグ、第2通過フラグ及び第3通過フラグが解除され(「通過フラグ解除処理」S908)、通過監視タイマが解除され(「通過監視タイマ解除処理」S909)、かつ、通過エラーフラグが設定される(「通過エラーフラグ設定処理」S910)。以下において、通過フラグ解除処理S908、通過監視タイマ解除処理S909及び通過エラーフラグ設定処理S910を合わせて「通過エラー処理」と称する。
判定処理S907において通過監視タイマによる測定時間が許容通過時間以下の場合には、第2通過フラグが設定されているか否かが判定される(S911)。第2通過フラグが設定されていない場合には、上流メダル検出信号が検出されているか否かが判定される(S912)。上流メダル検出信号が受信されていない場合には、通過エラー処理(S908〜S910)を行う。一方、上流メダル検出信号が受信されている場合には、下流メダル検出信号が受信されているか否かが判定される(S913)。なお、判定処理S912,S913によって上記の第2通過条件を満たすか否かが判定されている。下流メダル検出信号が受信されている場合には、第2通過フラグが設定される(「第2通過フラグ設定処理」S914)。一方、下流メダル検出信号が受信されていない場合には、第2フラグ設定処理S914がスキップされる。
判定処理S911において第2通過フラグが設定されていると判定された場合には、第3通過フラグが設定されているか否かが判定される(S915)。第3通過フラグが設定されていない場合には、下流メダル検出信号が検出されているか否かが判定される(S916)。下流メダル検出信号が受信されていない場合には、通過エラー処理(S908〜S910)を行う。一方、下流メダル検出信号が受信されている場合には、上流メダル検出信号が受信されているか否かが判定される(S917)。なお、判定処理S916,S917によって上記の第3通過条件を満たすか否かが判定されている。上流メダル検出信号が受信されていない場合には、第3通過フラグが設定される(「第3通過フラグ設定処理」S918)。一方、上流メダル検出信号が受信されている場合には、第3通過フラグ設定処理S919がスキップされる。
判定処理S915において第3通過フラグが設定されていると判定された場合には、上流メダル検出信号が検出されているか否かが判定される(S919)。上流メダル検出信号が受信されている場合には、通過エラー処理(S908〜S910)を行う。一方、上流メダル検出信号が受信されていない場合には、下流メダル検出信号が受信されているか否かが判定される(S920)。なお、判定処理S919,S920によって上記の第4通過条件を満たすか否かが判定される。下流メダル検出信号が受信されていないと判定された場合には、第1通過フラグ、第2通過フラグ及び第3通過フラグが解除される(「通過フラグ解除処理」S921)。通過フラグ解除処理S921の後に、通過監視タイマが解除される(「通過監視タイマ解除処理」S922)。通過監視タイマ解除処理S922の後に、現物メダルの正常な受入が行われたことを表す第1受入フラグと、今回の遊技に係るベットにおいて少なくとも1枚の現物メダルがベットされたことを表す第2受入フラグとが設定される(「受入フラグ設定処理」S923)。一方、判定処理S920において下流メダル検出信号が受信されていると判定された場合には、通過フラグ解除処理S921〜受入フラグ設定処理S924がスキップされる。
メダル受入確認処理S706の後に、図17に示されたように、現物メダルの受入やベット操作装置106の操作に基づいて、ベット数やクレジット数が変更される(「メダル受入処理」S707)。また、メダル受入処理S707において、ベット数表示装置107の表示、クレジット数表示装置105の表示、セレクタ190における現物メダルの通過経路等が制御されると共に、ベット数の変化を報知するためのベット数変更コマンド、クレジット数の変化を報知するためのクレジット数変更コマンド、最大ベット専用操作部213のLEDランプ213cを制御するための最大ベット完了コマンド又は最大ベット未完了コマンド等がリングバッファに格納される。以下において、メダル受入処理S707について、図22を参照しながら詳細に説明する。
メダル受入処理S707では、第1受入フラグが設定されているか否かが判定される(S1001)。第1受入フラグが設定されている場合には、ベット数が最大規定数に到達しているか否かが判定される(S1002)。ここで、最大規定数とは、遊技を行うために必要な予め決められたベット数の最大値を意味し、本形態においては、通常遊技状態では3であり、ビッグボーナス及びレギュラーボーナス等の役物作動中のJACゲームにおいては1である。なお、本形態においては、最大規定数は最大ベット数と同義である。
判定処理S1002においてベット数が最大規定数に到達していないと判定された場合には、ベット処理S1003が実行される。ベット処理S1003では、ベット数のインクリメント(1だけ増加)が行われ、インクリメントされた後のベット数に応じてベット数表示装置107における表示が更新され、かつ、現物メダルによるベットが行われたことを報知するためのベット数増加コマンド(ベットコマンドの一種)がリングバッファに格納される。ベット処理S1003の後に、ベット数が最大規定数と同値であるか否かが判定される(S1004)。ベット数が最大規定数と同値である場合には、最大ベット完了処理S1005が行われる。一方、ベット数が最大規定数と同値でない場合には、最大ベット完了処理S1005がスキップされる。最大ベット完了処理S1005において、最大ベット操作部のLEDランプを消灯させるための最大ベット完了コマンド(ベットコマンドの一種)が設定される。また、最大ベット完了処理において、遊技モードがクレジットモードでない場合(ダイレクトモードの場合)には、セレクタ190のソレノイドが駆動され、かつメダル受付禁止状態であることを報知するためのメダル受付禁止コマンド(メダル情報コマンドの一種)がリングバッファに格納される。これによって、セレクタ190において、出没自在の経路切換片193aが突出し、投入された現物メダルの全てが返還用通路に導かれる。
判定処理S1002においてベット数が最大規定数に到達していると判定された場合には、預入処理S1006が実行される。預入処理S1006において、クレジット数のインクリメントが行われ、クレジット数表示装置105の表示値が1だけ増加するように変更され、かつ、クレジット数が1だけ増加したことを表すクレジット数増加コマンド(クレジットコマンドの一種)がリングバッファに格納される。預入処理S1006の後に、クレジット数が最大クレジット数と同値であるか否かが判定される(S1007)。クレジット数が最大クレジット数と同値である場合には、セレクタ190の経路切換ソレノイドが駆動され、かつ受付禁止コマンドがリングバッファに格納される(「クレジット数最大到達処理」S1008)。一方、クレジット数が最大クレジット数未満である場合には、クレジット数最大到達処理S1008がスキップされる。
S1001において第1受入フラグが設定されていないと判定された場合や、現物メダルによるベット及び預入を行う一連の処理(S1002〜S1008)の後に、1ベット専用操作部211からの1ベット信号、2ベット専用操作部212からの2ベット信号又は最大ベット専用操作部213からの最大ベット信号が受信されているか否かが判定される(S1009)。1ベット信号、2ベット信号及び最大ベット信号のいずれもが受信されていない場合には、第1受入フラグが解除され(「第1受入フラグ解除処理」S1019)、ベット数判定処理S607が終了する。一方、いずれかのベット信号が受信されている場合には、受信しているベット信号の種類が判定される(S1010)。
判定処理S1010において1ベット信号が受信されていると判定された場合(A)には、第2受入フラグが設定されているか否かが判定される(S1011)。第2受入フラグが設定されていない場合には、1ベット処理S1012が実行される。一方、第2受入フラグが設定されている場合には、1ベット処理S1012がスキップされる。1ベット処理S1012において、ベット数から1を引いた差分値が算出され、ベット数が1に変更され、ベット数表示装置107における表示が変更され、クレジット数が差分値の加算された値に更新され、クレジット数表示装置105における表示が更新され、ベット数が1に変更されたことを表す1ベットコマンド(ベットコマンドの一種)と最大ベット操作専用部213のLEDランプ213cを点灯させるための最大ベット未完了コマンド(ベットコマンドの一種)とがリングバッファに格納される。例えば、1ベット処理S1012の実行前のベット数が0であれば、クレジット数は1だけ減少し、1ベット処理S1012の実行前のベット数が3であれば、クレジット数は2だけ増加する。1ベット処理S1012の後に、第1受入フラグ解除処理S1019が実行される。
判定処理S1010において2ベット信号が受信されていると判定された場合(B)には、第2受入フラグが設定されているか否かの判定(S1013)と、ベット数が2以上であるか否かの判定(S1014)とが行われる。第2受入フラグが設定され、かつベット数が2以上である場合には、以下の2ベット処理S1015がスキップされる。一方、その他の場合には、2ベット処理S1015が行われる。2ベット処理S1015において、ベット数から2を引いた差分値が算出され、差分値の算出後にベット数が2に変更され、クレジット数が差分値の加算された値に更新され、かつベット数が2に変更されたことを表す2ベットコマンド(ベットコマンドの一種)と最大ベット未完了コマンドとがリングバッファに格納される。2ベット処理S1015の後に、第1受入フラグ解除処理S1019が実行される。
判定処理S1010において最大ベット信号が受信されていると判定された場合(C)には、第2受入フラグが設定されているか否かの判定(S1016)と、ベット数が最大ベット数であるか否かの判定(S1017)とが行われる。第2受入フラグが設定され、かつベット数が最大ベット数である場合には、以下の最大ベット処理S1018がスキップされる。一方、その他の場合には、最大ベット処理S1018が行われる。最大ベット処理S1019において、ベット数から3を引いた差分値が算出され、ベット数が3に変更され、クレジット数が差分値の加算された値に更新され、かつベット数が3に変更されたことを表す最大ベットコマンド(ベットコマンドの一種)とが設定される。3ベット処理S1018の後に、第1受入フラグ解除処理S1019が実行される。以上の処理過程(S1001〜S1019)を経てメダル受入処理S707が完了する。
メダル受入処理S707の終了後に、図17に示されたように、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される。ベット数が最小規定数未満である場合には、セレクタエラー処理S703からメダル受入処理S707までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合には、変動開始操作装置113のスタートスイッチ113aからの変動開始信号が受信されているか否かが判定される。変動開始信号が受信されていない場合には、セレクタエラー処理S703から判定処理S708までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、セレクタ190の経路切換ソレノイドが駆動され、かつ受付禁止コマンドが設定される(「処理」S710)。以上の処理過程(S701〜S710)を経て、変動待ち処理S604が完了する。
変動待ち処理S604の後に、図16に示されたように、変動開始操作装置113のスタートスイッチが操作された際にハードウェア的にラッチされた乱数カウンタの値が読み出されてRAM313に格納される(「乱数作成処理」S605)。スタートスイッチが操作された際に乱数カウンタをハードウェア的にラッチすることによって、スタートスイッチの操作と乱数値の取得とを時間的に同期させている。なお、ソフトウェアで乱数カウンタの値を読み出すこともできるが、この場合には、変動開始操作装置113の操作から乱数値の取得までの時間が、ハードウェア的にラッチする場合よりも不均一になる。
乱数作成処理S605の後に、確率設定、ベット数及び遊技状態に応じた乱数テーブルを参照して、乱数作成処理S605で取得した乱数値に応じた当選役が決定され、当選役の種別に応じた当選フラグが設定され、当選役の種別を表す当選役コマンドと確率設定の設定値を表す設定値コマンドとが設定される(「内部抽選処理」S606)。当選役として、例えば、ビックボーナス(以下、「BB」とも称す)、レギュラーボーナス(以下、「RB」とも称す)、各種の小役(本形態では、チェリー、ベル、スイカ)、再遊技及びハズレが挙げられる。なお、一回の遊技において複数種類の当選役が選択されてもよい。
内部抽選処理S606の後に、当選役、ベット数及び遊技状態に基づいて、ROM312に保持された複数の制御テーブルから図柄表示変動ユニット103の各リール装置(170L,L170M,170R)の制御に用いる1つの制御テーブルが選択され、選択された制御テーブルのテーブル番号がRAM313の所定の領域に格納される(「回転初期化処理」S607)。当選役がハズレ以外のときには、この決定された制御テーブルに従って、当選役を入賞させる有効ライン等が決まり、また、当選役に応じた図柄がその有効ライン上以外を通過中に各リール装置(170L,L170M,170R)に対応するストップスイッチが操作された場合に、当選役を所定の有効ラインに可能な限り入賞させるために所定の範囲(最大4図柄)内で余分にリールを回転させるスベリ制御が行われる。当選役がハズレの場合にも、他の当選役を入賞させないために、同様のスベリ制御が行われる。この制御テーブルは、必ず参照されるわけではなく、本形態では、変動停止操作装置114の3つのストップスイッチが所定の順序(例えば、「左ストップスイッチ→中ストップスイッチ→右ストップスイッチ」及び「左ストップスイッチ→右ストップスイッチ→中ストップスイッチ」の順序)で操作された場合に参照され、他の操作順序の場合には、他の制御テーブルの再選択や他の制御方法によって又はそれらを援用して所定の図柄パターンを停止させる。
回転初期化処理S607の後に、図柄変動待機処理S608が実行される。図柄変動待機処理S608では、まず、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間(例えば、4.1秒)以上であるか否かが判定される。ここで、「図柄変動監視タイマ」は、前回の図柄表示変動ユニット103における図柄表示の変動開始時点からの経過時間を測定するタイマである。図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間未満である場合には、規定時間の経過を待つ状態(以下、「変動待機状態」と称する)であることを表す変動待機コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。なお、変動待機状態であることが変動待機状態表示装置(図示せず)によって遊技者に報知される。その後、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上となるまで、変動待機状態の報知が行われたまま、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間以上であるか否かの判定が繰り返される。一方、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上である場合には、図柄変動監視タイマがリセットスタートされ、規定時間待機状態の報知を停止し、所定の規定時間が経過した状態であることを表す規定時間経過コマンド(内部状態コマンドの一種)と、外部集中端子板に出力するためのベット数コマンドとがリングバッファに格納される。その後、RAM313の所定の領域における図柄表示変動ユニットの各ステッピングモータ(173L等)の制御に関連する情報が回転開始用に初期設定される。なお、ステッピングモータ(173L等)の実際の駆動は、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S206(図12参照)で制御される。
図柄変動待機処理S608の後に、図柄表示変動ユニット103における各リール171L,171M,171Rの回転を制御する回転制御処理S609が実行される。ここで、回転制御処理S609について、図23を参照しながら詳細に説明する。図23は、回転制御処理S609の一例を表すフローチャートである。
回転制御処理S609において、RAM313の所定の領域における各リール装置(170L,170M,170R)の回転に関する情報が初期化され、全てのリール(171L,171M,171R)が回転中であることを表す全リール回転コマンド(リール回転情報コマンドの一種)と図柄表示変動ユニット103において図柄表示変動状態であることを表す図柄変動状態コマンド(内部状態コマンドの一種)とがリングバッファに格納される(「回転開始処理」S1101)。回転開始処理S1101の後に、所定の停止待機時間が経過するまで待機する(「図柄停止待機処理」S1102)。図柄停止待機処理S1102における「所定の停止待機時間」は、リール(171L,171M,171R)の回転開始から一定速度の定常回転に至るまでに要する平均時間と概ね同一の時間である。図柄停止待機処理S1102の後に、全てのリール(171L,171M,171R)の回転が定常回転である否かが判定される(S1103)。具体的には、それらの回転が定常回転であるか否かは、最後に回転を開始したリールに対応するリール基準点検出装置からの位置検出信号が受信されているか否かで判定されており、その位置検出信号が受信されている場合にはそれらの回転は定常回転であると判断し、その位置検出信号が受信されていなければいずれかのリールの回転は定常回転でないと判断している。それらの回転が定常回転でない場合には、判定処理S1103が繰り返し実行される。なお、本形態では全てのリール(171L,171M,171R)は同時に回転を開始する。
判定処理S1103において全てのリールの回転が定常回転であると判定された場合には、変動停止操作装置114の左リール停止操作部231からの左停止信号が受信されているか否かが判定される(S1104)。左停止信号が受信されていない場合には、中リール停止操作部232からの中停止信号が受信されているか否かが判定される(S1105)。中停止信号が受信されていない場合には、右リール停止操作部233からの右停止信号が受信されているか否かが判定される(S1106)。右停止信号が受信されていない場合、つまり、左停止信号、右停止信号及び右停止信号のいずれもが受信されていない場合には、判定処理S1104が実行される。
判定処理S1104において左停止信号が受信されていると判定された場合には、左停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1107)。「左停止フラグ」は、左リール171Lが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転初期化処理S607において解除されている。左停止フラグが設定されている場合は、左リール171Lが既に停止していることを表し、左停止フラグが解除されている場合は、左リール171Lが回転していることを表す。左停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1104が実行され、一方、左停止フラグが解除されている場合には、左リール停止処理S1108が実行される。左リール停止処理S1108において、まず、回転初期化処理S607で選択された制御テーブルを参照して、左リール171Lを回転させる左ステッピングモータ172Lが停止される。左ステッピングモータ172Lの停止後に、左停止フラグが設定され、停止リール数がインクリメントされ、左リール171Lが停止していることを表す左リール停止コマンド(リール回転情報コマンドの一種)及び左リール171Lの停止図柄を表す左リール図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。「停止リール数」は、停止しているリールの個数を表し、回転開始処理S1101において「0」にリセットされる。
ここで、左ステッピングモータ172Lを停止させる際の制御について詳細に説明する。現在の駆動信号送信数に基づいて、現在選択されている制御テーブルが参照されて駆動信号の送信回数が決定される。ビッグボーナス、レギュラーボーナス、各種の小役及び再遊技のいずれかの当選フラグが設定されている場合には、当選フラグの設定されていない役が成立することがない限りにおいて、可能な限り有効ラインのいずれか沿って当選役の図柄パターンが停止するように、送信回数が決定される。「駆動信号送信数」は、左ステッピングモータ172Lへ送信された駆動信号の送信数を表しており、その値は、リールインデックスセンサ173Lからの位置検出信号の受信に応じて「0」にリセットされる。送信回数を決定した後に、駆動信号が、左ステッピングモータ172Lにその回数だけ繰り返し送信される。例えば、下段ライン162c上に「スイカ」図柄が並ぶという小役に当選し、「スイカ」図柄が上段を通過するタイミングで左ストップスイッチ231aが操作された場合には、下段に停止するように図柄2つ分だけ左リール171Lを滑らせる。なお、滑らせることのできる範囲は予め決められており、左ストップスイッチ231aの操作のタイミングによっては、下段に「スイカ」図柄が停止しないこともある。この場合においても、中段又は上段に「スイカ」図柄を停止できる場合には、予定入賞ラインに関わらず、中段又は上段に「スイカ」図柄を停止するように制御される。
左リール停止処理S1108の後に、停止リール数が3であるか否かが判定される(S1109)。停止リール数が3である場合、つまり、全てのリールが停止された場合には、回転制御処理S609が終了する。一方、停止リール数が3でない場合には、制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1110)。未停止のリールに対する制御テーブルの変更が必要な場合には、他の制御テーブルが選択される(「制御テーブル変更処理」S1111)。制御テーブル変更処理S1111においては、左リール171Lの停止位置と共に中リール171M及び右リール171Rのうちの既に停止しているリールの停止位置が参照される。制御テーブルの変更が必要な場合としては、例えば、当選役以外の役が入賞する場合が挙げられる。
判定処理S1105において中停止信号が受信されていると判定された場合には、中停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1112)。「中停止フラグ」は、左停止フラグの場合と同様に、中リール171Mが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1101において解除されている。中停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1104が実行される。一方、中停止フラグが解除されている場合には、停止リール数が0であるか否かが判定される(S1113)。停止リール数が0でない場合には、中リール停止処理S1115が実行される。一方、停止リール数が0である場合には、所定の制御テーブルが選択され(「制御テーブル再設定処理」S1114)、制御テーブル再設定処理S1114の後に、中リール停止処理S1115が実行される。なお、中リール停止処理S1115は、左リール停止処理S1108の場合と同様の処理である。中リール停止処理S1115において、まず、選択されている制御テーブルを参照して、中リール装置170Mにおける中ステッピングモータが停止される。中ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ172Lを停止させる際の制御と概ね同一である。中ステッピングモータの停止後に、中停止フラグが設定され、停止リール数がインクリメントされ、かつ、中リール171Mが停止していることを表す中リール停止コマンド(リール回転情報コマンドの一種)及び中リール171Mの停止図柄を表す中リール図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
中リール停止処理S1115の後に、停止リール数が3であるか否かが判定される(S1116)。停止リール数が3である場合には、回転制御処理S609が終了する。一方、停止リール数が3でない場合には、未停止のリールに対する制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1117)。制御テーブルの変更が必要な場合には、他の制御テーブルが新たに選択される(「制御テーブル変更処理」S1118)。制御テーブル変更処理S1118においては、中リール171Mの停止位置と共に左リール171L及び右リール171Rのうちの既に停止しているリールの停止位置(停止図柄)が参照される。
判定処理S1106において右停止信号が受信されていると判定された場合には、右停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1119)。「右停止フラグ」は、左停止フラグ及び中停止フラグの場合と同様に、右リール171Rが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1101において解除されている。右停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1104が実行される。一方、右停止フラグが解除されている場合には、停止リール数が0であるか否かが判定される(S1120)。停止リール数が0でない場合には、右リール停止処理S1122が実行される。一方、停止リール数が0である場合には、所定の制御テーブルが選択され(「制御テーブル再設定処理」S1121)、制御テーブル再設定処理S1121の後に、右リール停止処理S1122が実行される。なお、右リール停止処理S1115は、左リール停止処理S1108と同様の処理である。中リール停止処理S1115において、まず、選択されている制御テーブルを参照して、右リール装置170Rにおける右ステッピングモータが停止される。右ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ172Lを停止させる際の制御と概ね同一である。右ステッピングモータの停止後に、右停止フラグが設定され、停止リール数がインクリメントされ、かつ、右リール171Rが停止していることを表す右リール停止コマンド(リール回転情報コマンドの一種)及び右リールの停止図柄を表す右リール図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
右リール停止処理S1122の後に、停止リール数が3であるか否かが判定される(S1123)。停止リール数が3である場合には、回転制御処理S609が終了する。一方、停止リール数が3でない場合には、未停止のリールに対する制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1124)。制御テーブルの変更が必要な場合には、他の制御テーブルが新たに選択される(「制御テーブル変更処理」S1125)。制御テーブル変更処理S1125においては、右リール171Rの停止位置と共に左リール171L及び中リール171Mのうちの既に停止しているリールの停止位置(停止図柄)が参照される。
回転制御処理S609の後に、図14に示されたように、入賞確認処理S610が実行される。入賞確認処理S610において、まず、有効ラインごとに、図柄パターンが入賞図柄パターンであるかが判定され、当選役が入賞していることと、当選役以外が入賞していないこととが検査される。本形態では、ベット数が1であれば中段ライン162a(図3参照)の図柄パターンが検査され、ベット数が2であれば中ライン162a、上段ライン162b及び下段ライン162c(図3参照)の各々の図柄パターンが検査され、ベット数が3であれば、5つの組合せライン162a〜e(図3参照)の全ての図柄パターンが検査される。当選役以外の役が1つでも入賞している場合には、入賞エラーの発生を報知させるためのエラー処理が実行される。一方、当選役のみが入賞している場合には、入賞した全ての当選役に対応する入賞フラグ(例えば、ビッグボーナス入賞フラグ、レギュラーボーナス入賞フラグ、チェリー入賞フラグ、ベル入賞フラグ、スイカ入賞フラグ、リプレイ入賞フラグ)が設定される。また、入賞した各当選役に対応する獲得枚数が最大獲得数を超えない範囲内において加算されることによって、最終的に獲得メダル数が決定される。更に、入賞確認処理S610においては、入賞役の種類の情報を含む入賞役コマンド、入賞ラインの種類の情報を含む入賞ラインコマンド及び入賞エラーの情報を含む入賞役エラーコマンドがリングバッファに格納される。
入賞確認処理S610の後に、獲得メダル払出処理S611が実行される。獲得メダル払出処理S611において、図24に示されたように、まず、獲得メダル数が0であるか否かが判定される(S1201)。獲得メダル数が0である場合には、獲得メダル払出処理S611が終了する。一方、獲得メダル数が0でない場合には、獲得メダルの払出予定数が獲得メダル数と同一の値に設定され(「払出予定数設定処理」S1202)、払出数が「0」にクリアされる(「払出数クリア処理」S1203)。払出数クリア処理S1203の後に、遊技モードがクレジットモードであるか否かが判定される(S1205)。
判定処理S1204において遊技モードがクレジットモードであると判定された場合には、クレジット数が上限値であるか否かが判定される(S1206)。クレジット数が上限値未満である場合には、クレジット数のインクリメントが行われ、クレジット数変更コマンドがリングバッファに格納される(「クレジット数更新処理」S1206)。また、クレジット数更新処理S1206の後に、払出数のインクリメントが行われる(「払出数更新処理」S1207)。その後、払出数が払出予定数と同一であるか否かが判定される(S1208)。払出数が払出予定数と同一である場合には、獲得メダル払出処理S611処理が終了する。一方、払出数が払出予定数未満である場合には、判定処理S1205に戻る。
判定処理S1204において遊技モードがクレジットモードでないと判定された場合及び判定処理S1205においてクレジット数が上限値に到達したと判定された場合には、獲得メダルの払出の開始を表す獲得メダル払出開始コマンドがリングバッファに格納される(「払出開始コマンド設定処理」S1209)。払出開始コマンド設定処理S1209の後に、放出制御信号の送信に応じてホッパ装置109が駆動される(「ホッパ装置駆動処理」S1210)。ホッパ装置駆動処理S1210の後に、ホッパ監視タイマをリセットスタートさせる(「ホッパ監視タイマ設定処理」S1211)。ホッパ監視タイマ設定処理S1211の後に、放出メダル検出信号が受信されているか否かが判定される(S1212)。放出メダル検出信号が受信されていれば、ホッパ監視タイマがリセットされ(「ホッパ監視タイマ解除処理」S1213)、払出数のインクリメントが行われる(「払出数更新処理」S1214)。払出数更新処理S1214の後に、払出数が払出予定数と同一であるか否かが判定される(S1215)。払出数が払出予定数と同一である場合には、獲得メダルの払出の終了を表す獲得メダル払出終了コマンドがリングバッファに格納され(「払出終了コマンド設定処理」S1216)、獲得メダル払出処理S611が終了する。一方、払出数が払出予定数未満である場合には、ホッパ装置駆動処理S1210に戻る。
判定処理S1212において放出メダル検出信号が受信されていないと判定された場合には、ホッパ監視タイマによる測定時間が所定の時間を経過したか否かが判定される(S1217)。ホッパ監視タイマの測定時間が所定の時間以下であれば、判定処理S1212に戻り、放出メダル検出信号が受信されたかを繰り返し確認する。一方、ホッパ監視タイマの測定時間が所定時間を超えても放出メダル検出信号が受信されない場合には、ホッパ装置109におけるエラーの発生を報知するためにホッパエラーコマンド(エラーコマンドの一種)がリングバッファに格納される(「ホッパエラー処理」S1218)。その後、リセット操作装置119のリセットスイッチの操作によってエラーが解除されるまで待機する(S1219)。エラーが解除された場合には、ホッパ装置109を再駆動し(「ホッパ装置駆動処理」S1220)、ホッパ監視タイマを設定して(「ホッパ監視タイマ設定処理」S1222)、判定処理1212に戻る。
獲得メダル払出処理S611の後に、図16に示されたように、再遊技処理S612が行われる。再遊技処理S612では、入賞確認処理S610において再遊技が入賞していると判定されている場合に、内部状態を再遊技に設定する等の各種の処理が行われる。また、次回の遊技が再遊技であることを表す再遊技コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
再遊技処理S612の後に、役物作動中処理S613が行われる。役物作動中処理S613では、ビッグボーナス及びレギュラーボーナス等の役物作動中の処理が行われる。ここで、役物作動中処理について、図25を参照しながら詳細に説明する。
役物作動中処理S613では、内部状態がビッグボーナスであるか否かが判定される(S1301)。内部状態がビッグボーナスである場合には、更に、内部状態がJACゲームであるか小役ゲームであるかが判定される(S1302)。JACゲームでない場合には、JACゲームへの移行契機となるJACIN図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されたか否かが判定される(S1303)。JACIN図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JACゲームに関する初期化が行われる(「JAC初期化処理」S1304)。JAC初期化処理S1304では、内部状態がビッグボーナス中のJACゲームに設定され、JAC数及びJAC成立数がそれぞれ所定の値に設定される。一方、有効ライン上にJACIN図柄パターンが表示されていない場合には、JAC初期化処理S1304がスキップされる。
判定処理S1302において内部状態がJACゲームであると判定されている場合には、JACゲーム数を1だけ減少させる(「JAC数更新処理」S1305)。JAC数更新処理S1305の後に、JAC図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されているか否かが判定される(S1306)。JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JAC成立数を1だけ減少させる(「JAC成立数更新処理」S1307)。一方、JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されていない場合には、JAC成立数更新処理S1307をスキップする。その後、JAC数又はJAC成立数が0であるか否かが判定される(S1308,S1309)。JAC数又はJAC成立数が0である場合には、内部状態が小役ゲームに変更される(「JAC終了処理」S1310)。一方、JAC数及びJAC成立数が0でない場合には、JAC終了処理S1310をスキップする。
上記の処理S1302〜S1310の所定の過程を経た後に、入賞確認処理S610(図16参照)で算出された獲得数が獲得総数に加算され、獲得総数が更新される(「獲得総数更新処理」S1311)。なお、獲得総数は、ビッグボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614(図16参照)において初期化されている。獲得総数更新処理S1311の後に、獲得総数が獲得規定数以上であるか否かが判定される(S1312)。獲得総数が獲得規定数以上である場合には、ビッグボーナスの終了処理が行われる(「BB終了処理」S1313)。一方、獲得総数が獲得規定数未満である場合には、BB終了処理S1313がスキップされる。
判定処理1301において内部状態がビッグボーナスでないと判定された場合には、内部状態がレギュラーボーナスであるか否かが判定される(S1314)。内部状態がレギュラーボーナスでない場合には、本処理が終了する。一方、内部状態がレギュラーボーナスである場合には、JACゲーム数を1だけ減少させる(「JAC数更新処理」S1315)。JAC数は、レギュラーボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614(図16参照)において所定数に初期化されている。なお、レギュラーボーナスにおけるJAC数は、ビッグボーナスにおけるJAC数と異なっていてもよい。JAC数更新処理S1315の後に、JAC図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されているか否かが判定される(S1316)。JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JAC成立数を1だけ減少させる(「JAC成立数更新処理」S1317)。JAC成立数は、レギュラーボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614(図16参照)において所定数に初期化されている。なお、レギュラーボーナスにおけるJAC成立数は、ビッグボーナスにおけるJAC成立数と異なっていてもよい。一方、JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されていない場合には、JAC成立数更新処理S1317をスキップする。その後、JAC数又はJAC成立数が0であるか否かが判定される(S1318,S1319)。JAC数又はJAC成立数が0である場合には、内部状態が小役ゲームに変更される(「RB終了処理」S1320)。一方、JAC数及びJAC成立数が0でない場合には、JAC終了処理S1320をスキップする。上記の処理過程を経て役物作動中処理S613が終了する。
役物作動中処理S613の後に、図16に示されたように、役物作動判定処理S614が行われる。役物作動判定処理S614では、図26に示されたように、ビッグボーナス(BB)に当選したことを表すビッグボーナスの当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1401)。ビッグボーナスの当選フラグが設定されている場合、ビッグボーナスが入賞したことを表すビッグボーナスの入賞フラグが設定されているか否かが判定される(S1402)。ビッグボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、ビッグボーナスを開始するための処理を実行する(「BB開始処理」S1403)。一方、ビッグボーナスの入賞フラグが設定されていない場合には、BB開始処理S1403をスキップする。
判定処理S1401においてビッグボーナスの当選フラグが設定されていなければ、レギュラーボーナス(RB)に当選したことを表すレギュラーボーナスの当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1401)。レギュラーボーナスの当選フラグが設定されている場合、レギュラーボーナスが入賞したことを表すレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているか否かが判定される(S1402)。ビッグボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナスを開始するための処理を実行する(「RB開始処理」S1403)。一方、レギュラーボーナスの入賞フラグが設定されていない場合には、RB開始処理S1403をスキップする。上記の処理過程を経て役物作動判定処理S614が終了する。
役物作動判定処理S614の後に、遊技進行表示処理S615が実行される。遊技進行表示処理S615では、内部遊技状態がビッグボーナスやレギュラーボーナスである場合には、JACゲームの残りゲーム数や1回のビッグボーナスにおける獲得メダルの総数等の遊技進行表示装置116に表示するデータが設定される。これによって、遊技進行表示装置116には、遊技進行情報が表示される。なお、内部状態が通常遊技状態である場合には、遊技進行表示装置116はオフ状態であり、何も表示しない。また、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の終了後に、再遊技の当選確率の高いリプレイタイム(「RT」)等の特定遊技状態に移行させる場合には、内部状態を特定遊技状態に設定し、特定遊技状態であることを表す特定遊技状態コマンド(内部状態コマンドの一種)をリングバッファに格納する。
サブ制御基板302のMPUにより実行される制御処理について、図27〜図35を参照しながら説明する。MPUの制御処理は、外部電力の停電からの復帰や電源のオン等による電源復帰に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。MPUにおける割込み処理としては、定期的なタイマ割込み処理と、定期的なコマンド割込み処理とがある。
タイマ割込み処理について、図27を参照しながら説明する。図27は、サブ制御基板におけるタイマ割込み処理を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、概ね1msの周期で実行される。タイマ割込み処理では、まず、割込みフラグが読み込まれる(「割込みフラグ読み込み処理」S2001)。割込みフラグ読み込み処理S2001の後に、割込みフラグが有効であるか否かが判定される(S2002)。具体的には、CPUに対する各種の割込みのうちのタイマ割込みであることを確認する。割込みフラグが有効である場合には、割込みタイマカウンタのインクリメントが行われて割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S2003)。
割込みタイマカウンタ更新処理S2003の後に、多量精算報知フラグが設定されているか否かが判定される(S2004)。多量精算報知フラグが設定されている場合には、多量精算報知時間を更新する(「多量精算報知時間更新処理」S2005)。一方、多量精算報知フラグが設定されていない場合には、多量精算報知時間更新処理S2005をスキップする。
多量精算報知時間更新処理S2005の後に、タイマ割込みに関する割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S2006)。これによって、CPUに対する次回のタイマ割込み処理が実行できるようになる。判定処理S2002において割込みフラグが有効でないと判定された場合は、他の割込み処理であるために、割込みタイマカウンタ更新処理S2003、多量精算報知時間更新処理S2005等の時間に関与する処理、並びに、割込みフラグ解除処理S2006がスキップされる。
コマンド割込み処理について、図28を参照しながら詳細に説明する。図28は、サブ制御基板におけるタイマ割込み処理を表すフローチャートである。コマンド割込み処理は、主制御基板からのコマンドの送信に応じて実行される。主制御基板におけるコマンド送信は概ね1.49msの周期で行われるために、本処理は、概ね1.49msの周期で実行される。
コマンド割込み処理では、まず、主制御基板301からのストローブ信号が正常であるか否かが判定される(S2101)。ストローブ信号が正常であれば、コマンドデータを取得する(「コマンドデータ取得処理」S2102)。コマンドデータ取得処理S2102の後に、その内容が正常であるか否かが判定される(S2103)。コマンドデータが正常である場合には、コマンドを受信し(「コマンド受信処理」S2104)、コマンド受信処理S2104の後に、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に変更される(「リトライカウンタ値最大化処理」S2105)。
判定処理S2101においてストローブ信号が正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大量に変更される(S2106)。また、判定処理S2103においてコマンドデータが正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が変更される(「リトライカウンタ更新処理」S2107)。この変更においては、リトライカウンタ値が1だけ増加する。リトライカウンタ値を変更する処理(S2105,S2106,S2107)の後に、リトライカウンタ値が最大値であるか否かが判定される(S2108)。リトライカウンタ値が最大値である場合には、割込みフラグを読み込む(「割込みフラグ読込処理」S2109)。割込みフラグ読込処理S2109の後に、リトライカウンタの値が初期値(「0」)にクリアされる(「リトライカウンタクリア処理」S2110)。リトライカウンタクリア処理S2110の後に、割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S2111)。割込みフラグの解除によって、次回のコマンド割込み処理が実行できるようになる。
リトライカウンタ値が最大値でない場合、つまり、ストローブ信号は正常であるがコマンドデータが正常でない場合には、割込みフラグ読込処理S2109、リトライカウンタクリア処理S2110及び割込みフラグ解除処理S2111がスキップされる。なお、所定のタイミングでのコマンドデータの取得は、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に到達するまで繰り返される。
サブ制御基板302のMPUで実行されるメイン処理について、図29を参照しながら詳細に説明する。図29は、サブ制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。
メイン処理では、まず、電源基板300からの内部電力の供給に応じて、サブ制御基板302自身の初期化及びサブ制御基板302に接続された補助表示装置118等の周辺装置の初期化が行われる(「初期化処理」S2201)。初期化処理S2201の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2202)。ここで、システム状態は、供給電圧が所定の電圧以下であることを表す電圧低下状態と、サブ制御基板302及びサブ制御基板302に接続された周辺装置が初期化中であることを表す初期化状態と、供給電圧が所定の電圧であって通常遊技を行えることを表す通常状態とを含意する。なお、初期化状態は、初期化処理S2201中に選択される。
判定処理S2202においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、後述する停電処理S2211が実行される。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、割込みタイマカウンタの値に変更があるか否かが判定される(S2203)。割込みタイマカウンタの値に変更がある場合には、割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S2204)。割込みタイマカウンタ更新処理S2204において、割込みタイマカウンタの値は1だけ減少する。割込みタイマカウンタ更新処理S2204の後に、後述する短周期タイマ処理S2205が行われる。短周期タイマ処理S2205の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2206)。システム状態が電圧低下状態でない場合には、主制御基板301からの何らかのコマンドが受信されているか否かが判定される(S2207)。コマンドが受信されている場合には、後述する受信コマンド処理S2208が行われる。一方、コマンドが受信されていない場合には、受信コマンド処理S2208がスキップされる。受信コマンド処理S2208の後に、演出の詳細を決定する乱数のベース値が更新される(「乱数ベース値更新処理」S2209)。乱数ベース値更新処理S2209の後は、判定処理S2202に移行する。システム状態が電圧低下状態でない場合には、上記の各処理(S2202〜S2209)が順次に繰り返し実行される。
判定処理S2202及び判定処理S2206においてシステム状態が電圧低下状態でないと判定された場合には、レジスタデータやスタックデータが外部RAMに保存される(「バックアップ処理」S2212)。バックアップ処理S2212の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2213)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S2213が繰り返し実行される。一方、電圧低下状態でない場合には、電圧低下状態の解消がノイズ等による誤作動でないことを確認するために所定の時間(本形態においては30ms)待機する(「ウェイト処理」S2214)。ウェイト処理S2214の後に、再度、システム状態が電圧低下状態であるか否かを再度判定する(S2215)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S2213に戻る。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、内部電力の供給が正常に再開したと判断して、メイン処理を起動するための処理を行う(「起動処理」S2214)。起動処理S2216の後に、初期化処理S2201に戻り、メイン処理が再開される。
サブ制御基板302のメイン処理における短周期タイマ処理S2206について、図30及び図31を参照しながら詳細に説明する。図30は、短周期タイマ処理を表すフローチャートである。図31は、短周期タイマ処理中において実行される長周期タイマ処理を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理が実質的に1msごとに実行されることによって、短周期タイマ処理S2206も実質的に1msごとに実行される。短周期タイマ処理2206では、図30に示されたように、まず、起動時コマンド確認処理S2301が実行される。起動時コマンド確認処理S2301では、起動処理S2216の実行後の2秒以内に主制御基板301から何らかのコマンドを受信しているか否かが確認される。主制御基板301から何らのコマンドも受信していない場合には、主制御基板301の起動が正常に行われなかったと判断してエラー発生を報知する処理が行われる。一方、主制御基板301から何らかのコマンドを受信している場合には、本処理を終了し、デバイス制御処理S2302に移行する。
デバイス制御処理S2302では、下述する受信コマンドチェック処理S2208(図32及び図33)において受信が確認された各種のコマンドに応じて、補助表示装置118、音響装置110、発光装置117等の制御が行われる。具体的には、補助表示装置118に対して、演出表示の出力を指示する演出表示制御信号、エラー表示の出力を指示するエラー表示制御信号等が送信され、音響装置110に対して、演出音声の出力を指示する演出音声制御信号、エラー音声の出力を指示するエラー音声制御信号、精算音声の出力を支持する精算音声制御信号、演出音量を指示する演出音量制御信号、エラー音量を指示するエラー音量制御信号、精算音量を指示する精算音量制御信号等が送信され、また、発光装置117に対して、演出光の出力を指示する演出光制御信号、エラー光の出力を指示するエラー光制御信号、精算光の出力を指示する等が送信される。
システム状態変更処理S2303では、システム状態に変化があるか否かが判定され、判定結果に応じて、電圧低下状態を表す電圧低下フラグ及び初期化状態を表す初期化中フラグが設定又は解除される。システム状態に変化があればその変化に応じた処理が実行される。なお、電圧低下フラグ及び初期化中フラグが解除されている場合には、システム状態は通常状態であるとみなされ、本処理は終了する。システム状態変更処理S2303の後に、メダル精算処理S2304が実行される。
メダル精算処理S2304では、図34に示されたように、まず、クレジット精算フラグが設定されているか否かが判定される(S4001)。クレジット精算フラグが設定されていない場合には、メダル精算処理S2304が終了する。一方、クレジット精算フラグが設定されている場合には、標準精算報知フラグが設定されているか否かが判定される(S4002)。標準精算報知フラグが設定されていない場合には、メダル精算処理S2304が終了する。一方、標準精算報知フラグが設定されている場合には、排出数が標準報知排出数未満であるか否かが判定される(S4003)。排出数が標準報知排出数未満である場合には、メダル精算処理S2304が終了する。一方、排出数が標準報知排出数未満でない場合には、報知態様切換フラグが設定されているか否かが判定される(S4004)。
報知態様切換フラグが設定されている場合には、標準精算報知フラグが解除される(「標準精算報知フラグ解除処理」S4005)。これによって、標準精算報知期間が終了する。標準精算報知フラグ解除処理S4004の後に、多量精算報知フラグが設定される(「多量精算報知フラグ設定処理」S4006)。これによって、多量精算報知期間が開始される。以上の処理過程を経てメダル精算処理S2304が終了する。
メダル精算処理S2304の後に、図30に示されたように、電圧監視処理S2305が実行される。電圧監視処理S2305では、電源装置から供給される内部電力の電圧が所定の電圧以下であるか否かが判定され、信号電圧が所定の電圧以下の場合には、電圧低下フラグが解除されていれば電圧低下フラグが設定され、一方、信号電圧が所定の電圧以下でない場合には、電圧低下フラグが設定されていれば電圧低下フラグが解除される。
電圧監視処理S2305の後に、長周期タイマ処理S2306が実行される。長周期タイマ処理S2306では、図31に示されたように、長周期タイマカウンタの値に短周期タイマカウンタの値が加算され、長周期タイマカウンタが更新される(「長周期タイマカウンタ加算処理」S2401)。長周期タイマカウンタ更新処理S2401の後に、長周期タイマカウンタの値が10以上であるか否かが判定される(S2402)。判定処理S2402によって、概ね短周期タイマカウンタの10回の更新ごとに、以下の処理が実行されることになる。短周期タイマカウンタの更新が概ね1msごとに行われるために、以下の処理は、概ね10msごとに実行されることになる。
判定処理2402において長周期タイマカウンタの値が10未満であると判定された場合には、本処理は終了する。一方、長周期タイマカウンタの値が10以上である場合には、長周期タイマカウンタの値が10だけ減少され、長周期タイマカウンタの値が更新される(「長周期タイマカウンタ減算処理」S2403)。長周期タイマカウンタ減算処理S2403の後に、サブ制御基板302のROMに保持されている各種の発光装置に対する複数の発光パターンを含む発光データテーブルから所望の発光パターンの部分データを取り出し、出力用のデータバッファに格納する(「発光パターンデータ更新処理」S2404)。なお、格納されたデータは短周期タイマ処理S2206におけるデバイス制御処理S2302において出力される。
発光パターンデータ更新処理S2404について詳細に説明する。図37は、発光パターンデータ更新処理S2404の一例を表すフローチャートである。発光パターンデータ更新処理S2404では、エラーフラグが設定されているか否かが判定される(S4201)。エラーフラグは、下述する受信コマンドチェック処理S2208におけるエラーコマンドチェック処理S2503において、エラーコマンドが受信されている場合に設定される。エラーフラグが設定されている場合には、エラー発光報知を行わせるためのエラー発光データが選択され、選択されたエラー発光データが出力用のデータバッファに格納される(「エラー発光データ選択処理」S4202)。一方、エラーフラグが設定されていない場合には、クレジット精算フラグが設定されているか否かが判定される(S4203)。クレジット精算フラグが設定されている場合には、精算発光報知を行わせるための精算発光データが選択され、選択された精算発光データが出力用のデータバッファに格納される(「精算発光データ選択処理」S4204)。一方、クレジット精算フラグが設定されていない場合には、演出フラグが設定されているか否かが判定される(S4205)。演出フラグが設定されている場合には、演出発光報知を行わせるための演出発光データが選択され、選択された演出発光データが出力用のデータバッファに格納される(「演出発光データ選択処理」S4206)。一方、演出フラグが設定されていない場合には、本処理が終了する。
発光パターンデータ更新処理S2404の後に、図31に示されたように、発光演出と音響演出とを同期させるための処理が実行される(「発光・音響同期処理」S2405)。発光・音声同期処理S2405の後に、音声演出が行われている状況下において、遊技者によって何らかの入力が行われることなく所定の時間(本形態では30秒)以上にわたって放置されている場合には、音声演出の音量が小音量に変更される(「音声フェードアウト処理」S2406)。また、遊技者によって何らかの入力が行われることなく、所定の時間(本形態では50秒)以上経過しているかを確認して、経過している場合には、所定のデモストレーション演出を開始する(「デモストレーション開始確認処理」S2407)。デモストレーション処理S2407の後に、音量変更操作装置による音量設定が確認され、音響装置110に対する基準音量設定を現在のその設定値に変更する。
長周期タイマ処理S2306の後に、図30に示されたように、報知データ変更処理S2307が行われる。演出データ変更処理では、補助表示装置118にエラー表示報知、演出表示報知及び精算表示報知を行わせるための表示データや音響装置110にエラー音響報知、演出音響報知及び精算報知を行わせるための音響データ(音量データ及び音声データ)が更新され、更新された表示データや音響データが出力用のデータバッファに格納される。
ここで、報知データ変更処理について詳細に説明する。図38は、報知データ変更処理の一例を表すフローチャートである。報知データ変更処理S2307は、エラーフラグが設定されているか否かが判定される(S4301)。エラーフラグが設定されている場合には、エラー音響報知を行わせるためのエラー音量データが選択され、選択されたエラー音量データが出力用のデータバッファに格納される(「エラー音量データ選択処理」S4302)。エラー音量データ設定処理S4302の後に、エラー音響報知を行わせるためのエラー音声データが選択され、選択されたエラー音声データが出力用のデータバッファに格納される(「エラー音声データ選択処理」S4303)。エラー音声データ選択処理S4303の後に、エラー表示報知を行わせるためのエラー表示データが選択され、選択されたエラー表示データが出力用のデータバッファに格納される(「エラー表示データ選択処理」S4304)。
判定処理S4301においてエラーフラグが設定されていない場合には、クレジット精算フラグが設定されているか否かが判定される(S4305)。クレジット精算フラグが設定されている場合には、標準精算報知フラグが設定されているか否かが判定される(S4306)。標準精算報知フラグが設定される場合には、標準精算報知態様による精算音響報知を行わせるために精算音量データが選択され、選択された精算音量データが出力用のデータバッファに格納される(「標準精算音量データ選択処理」S4307)。一方、標準精算報知フラグが設定されていない場合には、多量精算報知態様による精算音響報知を行わせるための精算音量データが選択され、選択された精算音量データが出力用のデータバッファに格納される(「多量精算音量データ選択処理」S4308)。標準精算音量データ選択処理S4307及び多量精算音量データ選択処理S4308の後に、標準精算報知態様又は多量精算報知態様による精算音響報知を行わせるための精算音声データが選択され、選択された精算音声データが出力用のデータバッファに格納される(「精算音声データ選択処理」S4309)。精算音声データ選択処理S4309の後に、精算表示報知を行わせるための精算表示データが選択され、選択された精算表示データが出力用のデータバッファに格納される(「精算表示データ選択処理」S4310)。
判定処理S4305においてクレジット精算フラグが設定されていないと判定された場合、演出フラグが設定されているか否かが判定される(S4311)。演出フラグが設定されていない場合には、報知データ変更処理S2307が終了する。一方、演出フラグが設定されている場合には、演出音響報知を行わせるための演出音量データが選択され、選択された演出音量データが出力用のデータバッファに格納される(「演出音量データ選択処理」S4312)。演出音量データ設定処理S4312の後に、演出音響報知を行わせるための演出音声データが選択され、選択された演出音声データが出力用のデータバッファに格納される(「演出音声データ選択処理」S4313)。演出音声データ選択処理S4313の後に、演出表示報知を行わせるための演出表示データが選択され、選択された演出表示データが出力用のデータバッファに格納される(「演出表示データ選択処理」S4314)。以上の処理過程を経て報知データ変更処理S2307が終了する。
受信コマンドチェック処理S2208(図29参照)について、図32及び図33を参照しながら詳細に説明する。図32及び図33は、受信コマンドチェック処理S2208の一例を表すフローチャートである。なお、図32は、受信コマンドチェック処理S2208の前半部分を表し、図33は、その後半部分を表している。
受信コマンドチェック処理S2208では、受信されているコマンドの種類が判別される(S2501)。停止図柄コマンドが受信されている場合には、各リールの停止図柄が判別され、停止図柄に応じて演出が行われる(「停止図柄コマンド処理」S2502)。例えば、左リール171L、中リール171M及び右リール117Rの2つが停止しており、少なくとも1つの有効ラインに所定の図柄パターンが停止している場合に、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等における演出の種類の選択等が行われる。所定の図柄パターンとしては、例えば、「7」図柄及び「青年」図柄の同一種類の2つ揃い、「BAR」図柄の2つ揃いが挙げられる。
ホッパエラーコマンドやセレクタエラーコマンド等のエラーコマンドが受信されている場合には、エラーコマンドの種類や各種の乱数に応じて、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等の所定の装置によるエラー報知の種類の選択等が行われる(「エラーコマンド処理」S2503)。
初期化コマンドが受信されている場合には、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等のサブ制御基板302に接続されている各種の装置の初期化が行われる(「初期化コマンド処理」S2504)。
再遊技コマンド、ビッグボーナスコマンド、レギュラーボーナスコマンド等の内部状態コマンドが受信されている場合には、内部状態コマンドの種類や各種の乱数に応じて、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択等が行われる(「内部状態コマンド処理」S2505)。
ビッグボーナス当選コマンド、レギュラーボーナス当選コマンド、再遊技当選コマンド、各種の小役の当選コマンド等の抽選結果コマンドが受信されている場合には、抽選結果コマンドの種類(当選役)や各種の乱数に応じて、演出の種類の選択等が行われる(「抽選結果コマンド処理」S2506)。
ビッグボーナス入賞コマンド、レギュラーボーナス入賞コマンド、各種の小役の入賞コマンド等の入賞図柄コマンドが受信されている場合には、入賞図柄コマンドの種類や各種の乱数に応じて、各種のLED、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択が行われる(「入賞図柄コマンド処理」S2507)。
設定変更コマンドが受信されている場合には、確率設定操作装置等の操作に基づく設定値の報知等が行われる(「確率設定値処理」S2508)。
入賞図柄パターンの表示された有効ラインに応じた入賞ラインコマンドが受信されている場合には、入賞ラインコマンドや各種の乱数に応じて、各種のLED、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による入賞演出の種類の選択が行われる(「入賞ラインコマンド処理」S2509)。
定常回転コマンド、各種リールの停止コマンド等の回胴回転情報コマンドが受信されている場合には、回胴回転情報コマンドの種類や各種の乱数に応じて、各種のLED、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択が行われる(「回胴回転情報コマンド処理」S2510)
獲得メダル数コマンドが受信されている場合には、獲得メダル数に応じて、各種のLED、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択が行われる(「獲得メダル数コマンド処理」S2511)。
1ベットコマンド、2ベットコマンド、最大ベットコマンド、ベット数増加コマンド等のベットコマンドが受信されている場合には、ベットコマンドの種類に応じて、各種のLED、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択が行われる(「ベットコマンド処理」S2512)。
クレジット数増加コマンド、クレジット数変更コマンド等のクレジットコマンドが受信されている場合には、クレジットコマンドの種類に応じて、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択が行われる(「クレジットコマンド処理」S2513)。
JAC最大ゲーム数コマンドが受信されている場合には、JAC最大ゲーム数コマンドに応じて、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択が行われる(「JAC最大ゲーム数コマンド処理」S2514)。
JACIN数コマンドが受信されている場合には、JACIN数コマンドに応じて、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択が行われる(「JACラウンド数コマンド処理」S2515)。
設定変更コマンドが受信されている場合には、確率設定表示装置等による確率設定値の表示等が行われる(「確率設定値情報処理」S2516)。
獲得メダル払出開始コマンド、獲得メダル払出終了コマンド、ベット精算開始コマンド、ベット精算終了コマンド、クレジット精算開始コマンド、クレジット精算終了コマンド、クレジット自動精算開始コマンド、クレジット自動精算終了コマンド等のメダル放出コマンドが受信されている場合には、メダル放出コマンドに基づいて、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択等が行われる(「メダル放出コマンド処理」S2517)。
ここで、メダル放出コマンド処理S2517について詳細に説明する。図35は、メダル放出コマンド処理の一例を表すフローチャートである。
メダル放出コマンド処理S2517において、まず、主制御基板301から受信したメダル放出コマンドがクレジット精算開始コマンドであるか否かが判定される(S4101)。この判定処理S4101においては、メダル放出コマンドのデータ領域が確認される。なお、メダル放出コマンドに属する全てのコマンドにおいて、ヘッダー領域が同一の値である。メダル放出コマンドがクレジット精算開始コマンドである場合には、クレジット精算フラグが設定される(「クレジット精算フラグ設定処理」S4102)。クレジット精算フラグ設定処理S4102の後に、標準精算報知フラグが設定される(「標準精算報知フラグ設定処理」S4103)。標準精算報知フラグ設定処理S4103の後に、排出数がクリアされ、排出数の計測が開始される(「排出数クリア処理」S4104)。一方、判定処理S4101においてメダル放出コマンドがクレジット精算開始コマンドでない場合には、クレジット精算フラグ設定処理S4102〜排出数クリア処理S4104がスキップされる。
標準精算報知時間計測開始処理S4104の後に、又は、判定処理S4101においてメダル放出コマンドがクレジット精算開始コマンドでない場合に、メダル放出コマンドがクレジット精算終了コマンドであるか否かが判定される(S4105)。判定処理S4101の場合と同様に、メダル放出コマンドのデータ領域が確認される。なお、同時に複数のメダル放出コマンドが受信されることはほぼありえない。メダル放出コマンドがクレジット精算終了コマンドである場合には、標準精算報知フラグが設定されているか否かが判定される(S4106)。標準精算報知フラグが設定されている場合には、標準精算報知フラグが解除される(「標準精算報知フラグ解除処理」S4107)。これによって、標準精算報知期間が終了する。なお、この場合は、多量精算報知期間へは移行しない。標準精算報知フラグ解除処理S4112の後に、クレジット精算フラグが解除される(「クレジット精算フラグ解除処理」S4108)。
判定処理S4106において標準精算報知フラグが設定されていないと判定された場合には、標準精算報知フラグ解除処理S4107及びクレジット精算フラグ解除処理S4108がスキップされる。また、判定処理S4105において、メダル放出コマンドがクレジット精算終了コマンドでない場合には、判定処理S4006〜クレジット精算フラグ解除処理S4108がスキップされ、メダル放出コマンド処理S2517が終了する。
メダル放出コマンド処理S2517は、メダル放出コマンドがクレジット精算開始コマンド又はクレジット精算終了コマンド以外である場合には、実質的に何らの処理も行わずに終了する。したがって、ベットメダルの精算、並びに、打ち止め及び自動精算によるクレジットメダルの自動精算においては、精算報知を行わない。
主制御基板301で決定された演出に関連する演出情報コマンドが受信されている場合には、演出情報コマンドの種類や各種の乱数に基づいて、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による演出の種類の選択が行われる(「演出情報コマンド処理」S2518)。
ベット数コマンド等のメダル情報コマンドが受信されている場合にはメダル情報コマンドに応じて、外部集中端子板126、発光装置117、音響装置110及び補助表示装置118等による情報報知の種類の選択が行われる(「メダル情報コマンド処理」S2519)。
排出数増加コマンド等の放出メダル情報コマンドが受信されている場合には、放出メダル情報コマンド処理S2520が行われる。放出メダル情報コマンド処理2520では、図36に示されたように、排出数増加コマンドの受信に応じて排出数が1だけインクリメントされ、排出数が更新される(「排出数更新処理」S4401)。
クレジット数コマンド等の排出予定数コマンドが受信されている場合には、排出予定数コマンド処理S2521が実行される。排出予定数コマンド処理S2521では、図39に示されたように、クレジット数コマンドからクレジット数の情報が抽出され、クレジット数が規定排出数以上であるか否かが判定される(S4501)。クレジット数が規定排出数以上である場合には、報知態様切換フラグが設定する(「報知態様切換フラグ設定処理」S4502)。報知態様切換フラグ設定処理S4502の後に、標準報知排出数が算出される(「標準報知排出数算出処理」S4503)。具体的には、クレジット数からサブ制御基板302のROMに保持された規定多量報知排出数を減じることによって、標準報知排出数が算出される。以上の処理過程を経て排出予定数コマンド処理が終了する。
〔本発明に関連する主たる構成〕
本発明のスロット機の主たる特徴部分の構成について、図40を参照しながら説明する。図40は、クレジットメダルの精算に関連する部分を機能的な観点から表したブロック図である。
スロット機100は、図40に示されたように、投入メダル検出装置(媒体検出手段)203と、1ベット専用操作部211(図1参照)、2ベット専用操作部212(図1参照)及び最大ベット専用操作部213(図1参照)を含むベット操作装置(預入媒体ベット手段)106と、ホッパ装置(媒体放出手段)109と、音響装置(精算報知手段)110と、精算操作装置(精算操作手段)108と、発光装置117と、補助表示装置118と、音量調節装置120と、主制御基板301とサブ制御基板302とを備える。投入メダル検出装置203は、メダル(遊技媒体)の投入を検出して上流メダル検出信号及び下流メダル検出信号(媒体検出情報)を生成する。ベット操作装置106は、クレジットメダルを賭ける操作に応じて、1ベット専用操作部211が1ベット信号を生成し、2ベット専用操作部212が2ベット信号を生成し、また、最大ベット専用操作部213が最大ベット信号(ベット操作情報)を生成する。ホッパ装置(媒体放出手段)109は、その貯留タンク241(図5参照)に貯留されている現物メダルを放出し、放出メダル検出センサ247(図8参照)による現物メダルの放出の検出に伴って放出メダル検出装置247が媒体放出情報を含む放出メダル検出信号を生成する。音響装置110は、標準精算報知態様のみ又は標準精算報知態様及び多量精算報知態様の双方によって精算報知を行う。本形態においては、多量精算報知態様による精算報知が標準精算報知態様による精算報知より遊技者の聴覚に大きな刺激を与える音で行われる。具体的には、多量精算報知態様が標準精算報知態様より大音量である。音響装置110における標準精算報知態様及び多量精算報知態様の精算報知と共に、発光装置117においても従来と同様の発光による精算報知が行われる。なお、発光装置117及び補助表示装置118による精算報知の報知態様は、精算メダル数に依存せず一定である。精算操作装置108は、遊技者による精算スイッチの操作に応じて、精算信号(精算操作情報)を生成する。
スロット機100は、クレジット数(預入数)を保持するクレジット数保持手段(預入数保持手段)401と、ベット数(賭け数)を保持するベット数保持手段(賭け数保持手段)402とを備えており、それらは、主制御基板301のRAM313における所定の一部の領域で実現される。
スロット機100は、上流メダル検出信号及び下流メダル検出信号に基づいてメダルの受入を検知し、メダルの受入に応じて賭け数及び預入数のいずれか一方を選択的に更新する媒体受入制御手段411と、1ベット信号、2ベット信号又は最大ベット信号に基づいて、ベット数及びクレジット数を更新する預入媒体ベット制御手段(預入媒体賭け制御手段)412と、メダル獲得に応じて、ホッパ装置109に対する獲得メダルの払出制御及びクレジット数の更新制御を行う媒体獲得制御手段413と、精算操作装置108からの精算信号に応じて、ホッパ装置109によるクレジット数(預入数)及びベット数(賭け数)の総数と同数の遊技媒体の排出を制御し、かつクレジット数及びベット数の更新を制御する精算制御手段414と、音響装置110、発光装置117及び補助表示装置118による精算報知を制御する精算報知制御手段415とを備えている。媒体受入制御手段411、預入媒体ベット制御手段412、媒体獲得制御手段413及び精算制御手段414は、主制御基板301によって実現され、精算報知制御手段415は、サブ制御基板302において実現される。
スロット機100は、更に、ホッパ装置109におけるメダル払出エラーや投入メダル検出装置247におけるメダル受入エラーを検出するエラー制御手段416と、メダル払出エラーやメダル受入エラー等のエラーの報知を制御するエラー報知制御手段417と、抽選によって当選役を決定する役抽選手段418と、当選役を参照して演出の報知を制御する演出報知制御手段419と、音量調節装置120の設定に基づいて基準音量情報を決定する基準音量決定手段420とを備えている。エラー制御手段416及び役抽選手段418は、主制御基板301によって実現され、エラー報知制御手段417及び演出報知制御手段419は、サブ制御基板302によって実現される。
エラー報知制御手段417は、エラー制御手段416からの各種のエラーコマンドに応じて、音響装置110、発光装置117及び補助表示装置118によるエラー報知を制御する。演出報知制御手段419は、役抽選手段417からの各種の抽選結果コマンドに応じて、音響装置110、発光装置117及び補助表示装置118による演出報知を制御する。基準音量決定手段420は、音量調節装置120からの基準音量信号の種類に基づいて、基準音量情報から基準音量情報を選択する。例えば、音量調節装置120において大音量、中音量、小音量の3段階の調節ができる場合、大音量に対応する音量値と中音量に対応する音量値と小音量に対応する音量値を含む基準音量情報から1つの音量値を基準音量値として選択したり、大音量に対応する音量値と大音量に対する中音量の第1相対比率と大音量に対する小音量の第2相対比率とを含む基準音量情報を参照して、大音量に対応する音量値、大音量に対応する音量値に第1相対比率を乗じた音量値及び大音量に対応する音量値に第2相対比率を乗じた音量値から1つの音量値を基準音量値として選択したりする。
音響装置110は、音響による精算報知(以下、「精算音響報知」と称す)及び音響によるエラー報知(以下、「エラー音響報知」と称す)及び音響による演出報知(以下、「演出音響報知」と称す)を行うが、エラー音響報知は精算音響報知及び演出音響報知よりも優先度が高い。つまり、音響装置110において、精算音響報知又は演出音響報知中にエラー音響報知が発生した場合にはエラー音響報知が行われる。なお、本形態では、精算報知と演出報知とが干渉することはない。同様に、発光装置117において、発光によるエラー報知(以下、「エラー発光報知」と称す)が、発光による精算報知(以下、「精算発光報知」と称す)及び発光による演出報知(以下、「演出発光報知」と称す)よりも優先度が高く、補助表示装置118においても、画像表示によるエラー報知(以下、「エラー表示報知」と称す)が、画像表示による精算報知(以下、「精算表示報知」と称す)及び画像表示による演出報知(以下、「演出表示報知」と称す)よりも優先度が高い。
ここで、本発明の主な特徴部分である精算制御手段414及び精算報知制御手段415について詳細に説明する。精算制御手段414は、精算制御部421と、ホッパ装置109によるメダルの排出、クレジット数保持手段401におけるクレジット数の変更及びベット数保持手段402におけるベット数の変更を制御する排出制御部422とを備える。精算制御部421及び払出制御部422は、主制御基板301によって実現される。
精算制御部421は、遊技者による精算操作装置108の操作に基づく精算信号の受信に応じて、クレジット数保持手段401を参照してクレジット数(排出予定数)を抽出し、クレジット数が0でなければ、クレジット精算の開始情報(精算開始情報)を含むクレジット精算開始コマンドと、クレジット数の情報を含むクレジット数コマンド(排出予定数コマンド)とを精算報知制御手段415に送信する。精算制御部421は、クレジットメダルの精算完了後に、排出制御部422からの排出終了情報に応じて、クレジット精算の終了情報(精算終了情報)を含むクレジット精算終了コマンドを精算報知制御手段415に送信する。クレジットメダルの精算完了後に、同様に、ベットメダルの精算が行われる。ベット数保持手段402を参照して排出予定数(ベット数と同数)を決定し、排出予定数が0でなければ、ベット精算開始コマンドを報知態様制御部430に送信する。また、精算制御部421は、排出制御部422からの排出終了情報に応じて、ベット精算終了コマンドを精算報知制御手段415に送信する。なお、ベットの精算に対しては精算報知は行われない。
排出制御部422は、排出予定数の決定に応じてホッパ装置109を駆動する。これによって、ホッパ装置109からのメダルの排出が開始される。排出制御部422は、精算制御部421で決定された排出予定数と、ホッパ装置109における放出メダル検出装置247からの放出メダル検出信号(媒体放出情報)に基づく排出数とを参照しながら行う。具体的には、排出制御部422は、ホッパ装置109から1枚のメダルの払出ごとに送信される放出メダル検出信号によってメダルの排出数を確認しており、排出数が排出予定数未満であればホッパ装置109を駆動し、排出数が排出予定数に到達した際には、ホッパ装置109を停止する。排出制御部422は、排出数が排出予定数に到達した際には、精算制御部421に排出終了情報を伝える。また、排出制御部422は、放出メダル検出信号の受信に応じて、クレジットメダルの精算においてはクレジット数保持手段401に保持されたクレジット数を変更し、ベットメダルの精算においてはベット数保持手段402に保持されたベット数を変更する。更に、排出制御部422は、放出メダル検出信号の受信に応じて、媒体放出情報を含む排出数増加コマンドを精算報知制御手段415の排出数計測部442に送信する。
精算報知制御手段415は、精算音声パターンデータを保持する精算音声データ保持部431、精算音声データ保持部を参照して音響装置110における精算報知の音声を制御する精算音声制御部432、標準精算報知態様用の音量情報(標準精算報知情報)と多量精算報知態様用の音量情報(多量精算報知情報)とを保持する精算音量データ保持部433と、基準音量制御部420で決定された基準音量値と精算音量データ保持部434の標準精算報知態様用の音量情報及び多量精算報知態様用の音量情報を参照して精算音響報知の音量を制御する精算音量制御部435と、規定排出数を保持する規定排出数保持部441と、排出数を計測する排出数計測部442と、排出予定数から規定排出数を減算して標準報知排出数を決定する標準報知排出数算出部446と、発光装置117における精算発光報知を制御する精算発光制御部450と、補助表示装置118における精算表示報知を制御する精算表示制御部460と、報知態様制御部430とを備える。報知態様制御部430、精算音声データ保持部423、精算音声制御部424、精算音量データ保持部425、精算音量制御部426、規定排出数保持部441、排出数計測部442、規定多量報知排出数保持部446及び標準報知排出数算出部447は、サブ制御基板302によって実現される。
排出数計測部442は、精算制御部421からのクレジット精算開始コマンド(精算開始情報)及びクレジット数コマンドを検知した後であって、クレジット数が規定排出数以上である場合に排出数の計測を開始する。排出数計測部442は、払出数が標準報知排出数(本形態では排出予定数から規定排出数「35」を減じた値)に到達した場合に排出数の計測を終了する。
標準報知排出数算出部447は、報知態様制御部430においてクレジット数が排出規定数以上であると検知された場合に、クレジット数と規定排出数とを参照し、クレジット数から規定排出数を減じて標準報知排出数を算出する。標準精算報知態様による精算報知中に排出されるメダル数が実質的に標準報知排出数であり、多量精算報知態様による精算報知中に排出されるメダル数が実質的に多量報知排出数である。なお、本形態では多量報知排出数と規定排出数とは同数である。
報知態様制御部430は、クレジット精算開始コマンドの受信に応じて、クレジットメダルの精算の開始を検知して精算報知中を意味するクレジット精算フラグ及び標準精算態様による精算報知中を意味する標準精算報知フラグを設定する。ここで、標準精算報知フラグの設定されている期間が標準精算報知期間である。報知態様制御部430は、標準精算報知期間においては、排出数計測部442を適宜に参照して排出数を監視する。具体的には、報知態様制御部430は、排出数計測部442を定期的に参照して排出数が規定標準報知排出数に到達したか否かを監視している。
報知態様制御部430は、標準精算報知期間に、クレジット精算終了コマンドを精算制御部421から受信した場合には、多量精算報知期間を終了させる。また、報知態様制御部430は、クレジット精算終了コマンドの受信を検知していないときに払出数が規定標準報知排出数を超えた場合には、標準精算報知フラグを解除して、多量精算報知フラグを設定する。ここで、多量精算報知フラグの設定されている期間が多量精算報知期間である。これによって、標準精算報知期間が終了して、多量精算報知期間が開始される。更に、多量精算報知時間が規定時間を超えた場合には、多量精算フラグを解除して、多量精算報知期間を終了させる。
精算発光制御部450は、標準精算報知期間及び多量精算報知期間において、報知態様制御部430からの精算発光データ保持部(図示せず)から精算発光パターンデータを抽出し、そのデータを分割して順次に発光装置117に送信する。なお、精算発光制御部450は、標準精算報知期間と多量精算報知期間とで報知態様は同一である。
精算表示制御部460は、標準精算報知期間及び多量精算報知期間において、精算表示データ保持部(図示せず)から精算発光パターンデータを抽出し、そのデータを分割して順次に発光装置117に送信する。なお、精算表示制御部460は、標準精算報知期間と多量精算報知期間とで報知態様は同一である。
精算音声制御部432は、標準精算報知期間及び多量精算報知期間において、精算音声データ保持部431から精算音声パターンデータを抽出し、そのデータを分割して順次に音声制御信号を音響装置110へ送信する。なお、精算音声制御部432は、標準精算報知期間と多量精算報知期間とで同一の精算音声パターンデータを参照する。
精算音量制御部434は、標準精算報知期間において、基準音量制御部420の基準音量値と精算音量データ保持部433における標準精算報知態様用の音量情報(標準精算報知情報)に基づいて標準精算報知態様用の音量値を算出して、標準精算報知態様用の音量値に対応する音量制御信号を音響装置110に送信する。また、精算音量制御部434は、多量精算報知期間において、基準音量値と精算音量データ保持部433における多量精算報知用の音量情報とに基づいて多量精算報知態用の音量値を算出して、多量精算報知態様用の音量値に対応する音量制御信号を音響装置110に送信する。
音響装置110は、音量信号によって決定された音量で音声信号に対応する音声の出力を開始する。ここで、音響装置110におけるクレジット精算報知について、図41を参照しながら詳細に説明する。図41(a)〜(d)は、クレジット精算報知の報知態様を説明するためのタイミングチャートである。なお、具体的には、図41(a)にはクレジット数が15枚(規定枚数未満)である場合が表され、図41(b)にはクレジット数が30枚(規定枚数未満)である場合が表され、図41(c)にはクレジット数が40枚(規定枚数以上)である場合が表され、図41(d)にはクレジット数が50枚(規定枚数以上)である場合が表されている。
15枚のクレジットメダルを精算する場合には、図41(a)に示されたように、クレジット精算の開始情報に応じて時刻T1に開始された標準精算報知態様による精算報知は、15枚のメダルの排出完了に伴う精算終了情報に応じて時刻T2に終了する。また、30枚のクレジットメダルを精算する場合には、図41(b)に示されたように、時刻T1に開始された標準精算報知態様による精算報知は、30枚のメダルの排出完了に伴う精算終了情報に応じて時刻T3に終了する。クレジット数が規定排出数未満である場合のクレジット精算においては、標準精算報知態様による精算報知のみが行われ、標準精算報知時間はクレジット数に実質的に比例して長くなる。
40枚のクレジットメダルを精算する場合には、図41(c)に示されたように、時刻T1に開始された標準精算報知態様による精算報知は、標準報知排出数のメダルの排出完了の時刻T4に終了し、標準精算報知態様による精算報知に引き続き、標準精算報知態様よりも大音量の多量精算報知態様による精算報知が開始される。多量精算報知態様による精算報知は、40枚のメダルの排出完了に伴う精算終了情報に応じて終了する。なお、多量精算報知時間は、規定排出数と同数のメダルの排出に要する実質的に一定の時間taである。同様に、50枚のクレジットメダルを精算する場合には、図41(d)に示されたように、時刻T1に開始された標準精算報知態様による精算報知は、標準報知排出数のメダルの排出完了の時刻T4に終了し、標準精算報知態様による精算報知に引き続き、標準精算報知態様よりも大音量の多量精算報知態様による精算報知が開始される。多量精算報知態様による精算報知は、多量精算報知態様による精算報知は、50枚のメダルの排出完了に伴う精算終了情報に応じて終了する。なお、多量精算報知時間は、規定排出数と同数のメダルの排出に要する実質的に一定の時間taである。クレジット数が規定排出数以上である場合のクレジット精算においては、標準精算報知態様と多量精算報知態様とによる精算報知が行われ、標準精算報知時間と多量精算報知時間は実質的にクレジット数に比例するが、多量精算報知時間はクレジット数に依存せず実質的に一定である。
本形態においては、エラー報知制御手段419は、図示を省略したが、エラー制御手段417からの各種のエラーコマンドの検知に応じて、発光装置117を制御して発光によってエラーを報知させるエラー発光制御部と、それらのエラーコマンドの検知に応じて、音響装置110を制御してエラー音声をエラー音量で報知させるエラー音響制御部と、それらのエラーコマンドの検知に応じて、補助表示装置118を制御してエラー表示によってエラーを報知させるエラー表示制御部とを含んでいる。なお、エラーの報知は、音響装置110、発光装置117及び補助表示装置118の少なくとも1つの装置によって行われてもよいし、音響装置110、発光装置117及び補助表示装置118以外の装置によって行われてもよい。
また、本形態においては、演出報知制御手段418は、図示を省略したが、役抽選手段416からの抽選結果コマンド等の所定のコマンドの検知に応じて、発光装置117を制御して発光演出を行わせる演出発光制御部と、それらのコマンドの検知に応じて、音響装置110を制御して音響演出を行わせる演出音響制御部と、それらのコマンドの検知に応じて、補助表示装置118を制御して表示演出を行わせる演出表示制御部とを含んでいる。演出の報知は、音響装置110、発光装置117及び補助表示装置118の少なくとも1つの装置によって行われてもよいし、音響装置110、発光装置117及び補助表示装置118以外の装置によって行われてもよい。
また、本形態においては、精算報知制御部415において多量精算報知フラグが設定された場合には、精算報知制御部は、外部集中端子板126を介して、多量精算が行われたことを外部装置(スロット機の設置ホールの管理コンピュータ)に報知している。
本形態のスロット機100であれば、クレジット数が規定排出数以上である多量精算において、標準精算報知態様による精算報知に引き続き標準精算報知態様よりも大音量の多量精算報知態様による精算報知が行われることによって、多量精算が行われたことを標準精算報知態様による精算報知のみを行う場合よりも確実かつ良好に報知できる。これによって、スロット機100の設置ホールの関係者及び近隣の遊技者が、多量精算の行われたことを容易に察知でき、不正行為の抑圧や不正遊技者の摘発が促進される。また、多量精算報知態様による精算報知の前に標準精算報知態様による精算報知を行うために、近隣の善良な遊技者は標準精算報知態様による精算報知によって精算が行われたことを察知した後に多量精算報知態様による精算報知を知覚することとなる。これによって、近隣の善良な遊技者を驚かせることなく多量精算が行われたことを報知できる。
本形態では、多量精算において、標準精算報知態様から多量精算報知態様への報知態様の切換がホッパ装置109からのメダルの排出数に基づいて行われるために、精算中にホッパエラー等の各種のエラーが発生したり、不正遊技者によって意図的にそれらのエラーが誘発されたりしたとしても、多量精算報知態様による精算報知の少なくとも一部が必ず行われる。なお、一般的に、エラーの報知は、他の情報の報知や演出等よりも優先されており、本形態もこれに従っている。不正遊技者が多量精算を目立たせなくするために意図的に各種のエラーを発生させたとしても、多量精算が行われたことが多量精算報知態様によって報知される。
本形態とは異なり報知態様の切換を、下述するように、規定数の連続的な排出時間に基づいて行うこともできるが、排出時間で切り換えた場合には、精算中に各種のエラーが発生すれば多量精算であっても多量精算報知が行われないことがある。例えば、標準精算報知態様による精算報知が行われている際にエラーが発生すれば、エラーの報知は設置ホール関係者によってリセットされるまで継続するために、エラーの報知中に残りの標準精算報知時間や多量精算報知時間が終了してしまうからである。つまり、標準精算報知態様による精算報知中に意図的にエラーを発生させれば、不正遊技者は、多量精算を行ったとして多量精算報知態様による精算報知を行わせないことができる。一方、本形態のように報知態様の切換を排出数に基づいて行う場合には、標準精算報知態様による精算報知中にエラーが発生したとしてもエラーのリセット後に、残りの標準精算報知態様による精算報知とそれに引き続く多量精算報知態様による精算報知とが行われる。したがって、不正行為の抑制及び不正遊技者の摘発の観点からは、報知態様の切換を排出数に基づいて行うことが好ましい。
本形態では、クレジット数が規定排出数未満である少量精算において多量精算報知態様による精算報知が行われないことによって、多量精算を際立たせることができると共に、善良な遊技者による一般的な少量精算において、善良な遊技者に不快感を与えることが防止される。少量精算と多量精算とを明確に識別できるために、多量精算の察知が容易になる。
本形態では、多量精算報知態様による精算報知が、多量精算中にエラーが発生した場合を除き、実質的に一定の時間継続されるように構成されている。これによって、規定排出数に近い枚数の多量精算が行われた場合であっても十分な時間にわたって多量精算報知が行えるために、多量精算の察知が更に容易となる。
上記においては、多量精算報知期間(多量精算報知時間)が実質的に規定排出数と同数のメダルの排出する期間である場合について説明したが、本発明においては、多量精算報知期間が規定排出数以外の任意の枚数のメダルを排出する期間であってもよい。この場合、例えば、精算報知制御手段が、標準報知排出数算出部446に代えて、規定多量報知排出数を保持する規定多量報知排出数保持部と、排出予定数と規定多量報知排出数とに基づいて標準報知排出数を算出する標準報知排出数算出部とを含む構成とする。
上記においては、排出数の標準報知排出数への到達に応じて、多量精算における標準精算報知態様による精算報知から多量精算報知態様による精算報知への報知態様の切換を行う場合について説明したが、他の情報に基づいて報知態様の切換を行ってもよい。以下に、報知態様の切換の変化例について説明する。図42(a)及び(b)、図43(a)及び(b)並びに図44(a)及び(b)の各々は、クレジット精算における報知態様の変化例を説明するためのタイミングチャートである。なお、図42(a)、図43(a)及び図44(a)の各々は、クレジット数が40枚である場合の多量精算を表し、図42(b)、図43(b)及び図44(b)の各々は、クレジット数が50枚である場合の多量精算を表している。
図42(a)及び図43(b)に示されたように、報知態様の切換は、排出予定数が規定排出数以上であることのみの検知に応じて、精算報知の開始時に行ってもよい。なお、この場合は、多量精算において、多量精算報知態様による精算報知のみが行われる。具体的には、例えば、手段が、排出予定数が前記規定排出数以上である場合には、多量精算報知期間を前記精算開始情報の検知に応じて開始させ、精算終了情報の検知に応じて終了させる構成とすることによって実現できる。なお、この場合には、標準報知排出数算出部446は不要となる。
また、図43(a)及び図43(b)に示されたように、精算報知の開始から実質的に所望の一定の時間ta(規定排出数のメダルの排出に要する時間)の後に、報知態様の切換を行ってもよい。具体的には、例えば、精算報知制御手段が、上記の標準報知排出数算出部446に代えて、精算報知制御手段が、媒体放出情報に基づいて媒体放出手段から排出された前記遊技媒体の排出数を計測する排出数計測部とを更に含んでおり、報知態様制御部が、排出予定数及び規定排出数と共に排出数を参照して、排出予定数が規定排出数以上であり、かつ排出数が規定排出数以上であることの検知に応じて、標準精算報知期間から多量精算報知期間への切換を行う構成とすることによって実現できる。
また、図44(a)及び図44(b)に示されたように、精算報知の開始から実質的に所望の一定の時間tb(例えば、10枚の払出に要する時間)の後に、報知態様の切換を行ってもよい。具体的には、例えば、精算報知制御手段が、上記の標準報知排出数算出部446に代えて、規定標準報知排出数を保持する規定標準報知排出数保持部と、前記媒体放出情報に基づいて前記媒体放出手段から排出された前記遊技媒体の排出数を計測する排出数計測部とを更に含み、
前記報知態様制御部が、前記排出予定数及び前記規定排出数と共に前記排出数及び前記規定標準報知排出数を参照して、前記排出予定数が前記規定排出数以上であり、かつ前記排出数が前記規定標準報知排出数以上であることの検知に応じて、前記標準精算報知期間から前記多量精算報知期間への切換を行う構成とすることによって実現できる。
また、上記及びその変化例において、排出数に基づいて報知態様の切換を行う場合について説明したが、排出時間に基づいて報知態様の切換を行ってもよい。具体的には、例えば、精算報知制御手段が、上記の排出数計測部442及び標準報知排出数算出部446に代えて、規定標準報知時間を保持する規定標準報知時間保持部と、精算開始情報の検知からの第1報知時間を計測する第1報知時間計測部とを含んでおり、報知態様制御部が、排出予定数及び規定排出数と共に第1報知時間と規定標準報知時間とを参照して、排出予定数が規定排出数以上であることの検知に応じて、標準精算報知期間から多量精算報知期間への切換を行う構成とすることによっても図41〜図44に示された場合と同様のクレジットの精算報知が実現できる。なお、この場合には、精算制御手段414の排出制御部422において排出数増加コマンドの設定や送信は不要となる。
上記においては、多量精算において、多量精算報知態様による精算報知が、クレジットメダルの精算の終了情報(精算終了情報)に応じて終了する場合について説明したが、クレジット数と同数のメダルの排出後にまで延長してもよい。この場合、多量精算報知時間が長くなることによって多量精算が行われたことを更に容易に察知できる。以下に、多量精算報知態様による精算報知の終了時期の変化例について説明する。図45(a)及び(b)、図46(a)及び(b)並びに図47(a)及び(b)の各々は、クレジット精算における報知態様の変化例を説明するためのタイミングチャートである。なお、図45(a)、図46(a)及び図47(a)の各々は、クレジット数が40枚である場合の多量精算を表し、図45(b)、図46(b)及び図47(b)の各々は、クレジット数が50枚である場合の多量精算を表している。
図45(a)及び図45(b)に示されたように、精算報知の開始から所望の一定の時間tcの後の時刻TE1に多量精算報知態様による精算報知を終了させてもよい。具体的には、例えば、精算報知制御手段が、規定報知時間を保持する規定報知時間保持部と、精算開始情報の検知からの報知時間を計測する報知時間計測部とを更に含んでおり、排出予定数が前記規定排出数以上である場合において、標準精算報知期間が、精算開始情報の検知に応じて開始されて排出数が標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、多量精算報知期間が、排出数が標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知に応じて終了する構成が挙げられる。また、この構成は、上記の種々の報知態様の切換時期の異なる変化例に対して同様に適用することができる。
図46(a)及び図46(b)に示されたように、報知態様の切換から所望の一定の時間tdの後の時刻TE2に多量精算報知態様による精算報知を終了させてもよい。具体的には、例えば、精算報知制御手段が、規定多量報知時間を保持する規定多量報知時間保持部と、排出数が標準報知排出数以上であることの検知からの多量報知時間を計測する多量報知時間計測部とを更に含んでおり、排出予定数が規定排出数以上である場合において、標準精算報知期間が、精算開始情報の検知に応じて開始されて排出数が標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、多量精算報知期間が、排出数が標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて前記精算終了情報の検知後でありかつ前記多量報知時間が前記規定多量報知時間以上であることの検知に応じて終了する構成が挙げられる。また、この構成は、上記の種々の報知態様の切換時期の異なる変化例に対して、標準精算報知期間の終了及び多量精算報知期間の開始の時期が異なること以外、実質的に同様に適用することができる。
図47(a)及び図47(b)に示されたように、クレジット数と同数のメダルの排出完了から所望の一定の時間teの後の時刻TE3に多量精算報知態様による精算報知を終了させてもよい。具体的には、例えば、精算報知制御手段が、規定延長報知時間を保持する規定延長報知時間保持部と、精算終了情報の検知からの延長報知時間を計測する延長報知時間計測部とを更に含んでおり、排出予定数が規定排出数以上である場合において、標準精算報知期間が、精算開始情報の検知に応じて開始されて排出数が標準報知排出数以上であることの検知に応じて終了し、多量精算報知期間が、排出数が標準報知排出数以上であることの検知に応じて開始されて延長報知時間が規定延長報知時間以上であることの検知に応じて終了する構成が挙げられる。また、この構成は、上記の種々の報知態様の切換時期の異なる変化例に対して、標準精算報知期間の終了及び多量精算報知期間の開始の時期が異なること以外、実質的に同様に適用することができる。
上記においては、多量精算報知と標準精算報知とは音量が異なる場合について説明したが、本発明においては、音声パターン(音パターン)が異なる構成であってもよい。更に、本発明においては、多量精算報知態様による精算報知は、標準精算報知態様による精算報知と音量及び音声パターンの双方が異なっていてもよい。
上記においては、音響装置110における音響を変化させて標準精算報知態様による精算報知と多量精算報知態様による精算報知とを行なったが、発光装置における発光を変化させて標準精算報知と多量精算報知とを行ってもよい。この場合、多量精算報知態様と標準精算報知態様による精算報知とは、発光輝度、発光パターン及び/又は発光色が異なることが好ましい。また、画像表示装置等の補助表示装置における表示内容を変化させて標準精算報知態様と多量精算報知態様による精算報知とを行ってもよい。
上記においては、単一の精算報知手段(音響装置110)によって、多量精算の際の標準精算報知及び多量精算報知を行う場合について説明したが、音響装置、発光装置、補助表示装置等から選択される複数の精算報知手段によって多量精算の際に標準精算報知及び多量精算報知がおこなわれてもよい。
上記においては、主制御基板においてクレジット精算フラグが成立している場合にのみ、ホッパ装置の放出情報に応じた排出情報(排出数増加コマンド)を排出数計測部427に送信する構成としたが、本発明においては、ホッパ装置からの放出情報に応じて排出情報及び払出情報が主制御基板からサブ制御基板に送信され、サブ制御基板においてクレジット精算フラグが設定されている場合にのみ排出数計測部で排出数を計測する構成であってもよい。
上記においては、標準精算報知と多量精算報知との報知態様の切換のタイミングをサブ制御基板302における精算報知制御部430、排出数計測部427及び規定排出数保持部431によって決定したが、本発明においては、排出数計測部及び規定排出数保持部を主制御基板に設け、精算制御部が、それらを参照することによって、報知態様の切換のタイミングを決定する構成としてもよい。この場合、精算制御部は、報知態様の切換のタイミングを表すコマンドを生成して精算報知制御部に送信することとなる。
上記においては、多量精算報知の終了のタイミングをサブ制御基板302における精算報知制御部430、多量精算報知時間測定部428及び規定時間保持部432によって決定したが、本発明においては、多量精算報知時間測定部及び規定時間保持部を主制御基板に設け、精算制御部が、それらを参照することによって、多量精算報知の終了のタイミングを決定する構成としてもよい。
上記においては、精算操作装置108の操作に応じて、クレジットメダルとベットメダルの双方の精算が行われる場合について説明したが、本発明においては、ベットメダルの精算は行われなくてもよい。また、クレジットメダルの精算後にベットメダルの精算が行われる場合について説明したが、本発明においては、ベットメダルの精算後にクレジットメダルの精算が行われてもよい。また、ベットメダルの精算や打ち止め設定に応じた役物作動後の精算や自動精算設定に応じた役物作動後の精算においては精算の報知を行わない場合について説明したが、本発明においては、それらの精算の際に、音響装置、発光装置、補助表示装置等によって精算の報知を行ってもよい。
上記においては、図38に示されたように、音響装置110における精算音響報知、エラー音響報知及び演出音響報知との優先順位を発光装置117に対する制御信号を生成する直前の段階で決めているが、音響装置110の駆動を指示するコマンドを受信した段階で決定してもよい。例えば、図32及び図33に示された受信コマンドチェック処理S2208において、エラーフラグや精算フラグや演出フラグの設定状況を確認して、それらの各種のフラグのうちいずれのフラグを設定するかによって優先順位を決定してもよい。なお、本形態のように、メダルの精算において、精算報知が排出予定数のメダルの排出後においても継続する場合には、これらの優先順位を明確に決定することが好ましい。主制御基板301は、精算報知中であっても排出予定数のメダルの排出後には各種の入力を受け付けるからである。また、上記においては、演出音響報知よりも精算音響報知を優先し、精算音響報知よりもエラー音響報知を優先させたが、他の順序であってもよい。
上記においては、図38に示されたように、補助表示装置118における精算表示報知、エラー表示報知及び演出表示報知との優先順位を補助表示装置118に対する制御信号を生成する直前の段階で決めているが、他の方法で優先順位を決定してもよい。また、上記においては、演出表示報知よりも精算表示報知を優先し、精算表示報知よりもエラー表示報知を優先させたが、他の優先順序であってもよい。
上記においては、図37に示されたように、発光装置117における精算発光報知、エラー発光報知及び演出発光報知との優先順位を発光装置117に対する制御信号を生成する直前の段階で決めているが、他の方法で優先順位を決定してもよい。また、上記においては、演出発光報知よりも精算発光報知を優先し、精算発光報知よりもエラー発光報知を優先させたが、他の順序であってもよい。
上記においては、精算制御手段414が主制御基板301によって実現され、精算報知制御手段415がサブ制御基板302によって実現される場合について説明したが、それらが、主制御基板301の機能とサブ制御基板302の機能とを包含する1つの制御基板によって実現されてもよい。また、本発明において、精算制御手段における各部の主制御基板301又はサブ制御基板302への分配は、図40に示された構成に限らず他の分配形態であってもよい。同様に、精算報知制御手段における各部の主制御基板301又はサブ制御基板302への分配は、図40に示された構成に限らず他の分配形態であってもよい。