以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
また、以下の説明において使用されている用語は、本明細書においては、次の通り定義されているものとする。
(a)屈折率は、d線の波長(587.56nm)に対する屈折率である。
(b)アッベ数は、d線、F線(波長486.13nm)、C線(波長656.28nm)に対する屈折率を各々nd、nF、nC、アッベ数をνdとした場合に、
νd=(nd−1)/(nF−nC)
の定義式で求められるアッベ数νdをいうものとする。
(c)レンズについて、「凹」、「凸」または「メニスカス」という表記を用いた場合、これらは光軸近傍(レンズの中心付近)でのレンズ形状を表しているものとする。
(d)接合レンズを構成している各単レンズにおける光学的パワー(焦点距離の逆数、屈折力)の表記は、単レンズのレンズ面の両側が空気である場合におけるパワーである。
(e)接合レンズにおけるレンズ枚数は、接合レンズ全体で1枚ではなく、接合レンズを構成する単レンズの枚数で表すこととする。
<実施の一形態の反射屈折光学系の説明>
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における反射屈折光学系の説明のための、その構成を模式的に示したレンズ断面図である。
図1において、この反射屈折光学系A1は、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子A14の受光面(像面)上に、物体(被写体)の光学像を形成するものであって、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系A11と、所定の光学的パワーを有し、1または複数の屈折レンズのみを持つ屈折光学系A12とを含む複数の群から成る構成であり、合焦の際には、反射光学系A11は、固定され、図1に示すように、屈折光学系A12に含まれるレンズ群またはレンズが移動する。なお、図1で例示した反射屈折光学系A1は、後述する実施例A1の反射屈折光学系A1A(図4)と同じ構成である。
図1に示す例では、反射光学系A11は、光線の入射側から伝播順(進行順)に、物体側に凸のメニスカス形状をした正レンズA111と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡A112と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡A113と、両凸の正レンズA114と、像側に凸の正メニスカスレンズA115とから構成されて成る。
正レンズA111は、副反射鏡A113が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束を環状(リング状)の外周領域で透過させ、正の光学的パワーで屈折し、正レンズA111より像側に配置されている主反射鏡A112へ入射させる。
主反射鏡A112は、中央に光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。主反射鏡A112は、裏面に第1反射面を形成した裏面鏡である。主反射鏡A112は、正レンズA111から入射された光束を、前記第1反射面で反射してその光路を折り曲げ、主反射鏡A112より物体側に配置されている副反射鏡A113へ入射させる。このように主反射鏡A112は、物体側から像側へ進行する光束を反射して折り曲げ、像側から物体側へ進行させる。
副反射鏡A113は、裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。副反射鏡A113は、上述したように、正レンズA111の像側に正レンズA111と同心で配置され、その径は、正レンズA111の径よりも小さい。副反射鏡A113は、主反射鏡A112から入射された光束を、前記第2反射面で反射してその光路を折り曲げ、副反射鏡A113より像側に配置されている正レンズA114へ入射させる。このように副反射鏡A113は、像側から物体側へ進行する光束を反射して折り曲げ、物体側から像側へ進行させる。
正レンズA114および正メニスカスレンズA115は、接合レンズであり、主反射鏡A112の前記光透過領域に配置されている。本実施形態では、正レンズA114および正メニスカスレンズA115は、主反射鏡A112の前記光透過領域に接合されている。正レンズA114、正メニスカスレンズA115および主反射鏡A112の前記光透過領域は、副反射鏡A113から正レンズA114へ入射された光束を、透過させ、正の光学的パワーで屈折し、主反射鏡A112より像側に配置されている屈折光学系A12へ入射させる。
なお、正レンズA111、主反射鏡A112、副反射鏡A113、両凸の正レンズA114および正メニスカスレンズA115は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、正レンズA111、副反射鏡A113、正レンズA114、正メニスカスレンズA115および主反射鏡A112の順で配列されている。
屈折光学系A12は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、少なくとも1枚の負レンズを含んでいる。図1に示す例では、屈折光学系A12は、前記負レンズ群の少なくとも1枚の負レンズとしての、両凹の負レンズA121から構成されて成る。この負レンズA121は、合焦の際に移動する。
そして、この実施形態にかかる反射屈折光学系A1は、全系の焦点距離をfとし、前記負レンズ群における少なくとも1枚の負レンズの焦点距離(図1に示す例では負レンズA121の焦点距離)をfnfとし、前記負レンズの物体側曲率半径をfnr1とし、そして、前記負レンズの像側曲率半径をfnr2とした場合に、下記(A1)および(A2)の条件式を満足するものである。
−0.8<fnf/f<−0.05 ・・・(A1)
−3<(fnr1+fnr2)/(fnr1−fnr2)<3 ・・・(A2)
さらに、この反射屈折光学系A1の像側には、フィルタA13や撮像素子A14が配置される。フィルタA13は、平行平板状の光学素子であり、各種光学フィルタや、撮像素子のカバーガラス等を模式的に表したものである。使用用途、撮像素子、カメラの構成等に応じて、ローパスフィルタ、赤外線カットフィルタ等の光学フィルタを適宜に配置することが可能である。撮像素子A14は、この反射屈折光学系A1によって結像された被写体の光学像における光量に応じてR(赤)、G(緑)、B(青)の各成分の画像信号に光電変換して所定の処理回路(不図示)へ出力する素子である。これらによって物体側の被写体の光学像が、反射屈折光学系A1によりその光軸AXに沿って所定の倍率で撮像素子A14の受光面まで導かれ、撮像素子A14によって前記被写体の光学像が撮像される。
このような構成の反射屈折光学系A1は、反射光学系A11とは別に設けられた屈折光学系A12に、合焦を行うための負レンズ群、図1に示す例では負レンズA121を含んでいる。このため、前記負レンズ群を合焦のために移動させる移動機構は、例えばインナーフォーカス方式の場合に用いられる通常の機構でよい。移動機構は、種々の構造の機構を採用することができるが、一例を挙げれば、例えば、特開2001−318292号公報や特開2000−81556号公報に開示されている。このため、このような構成の反射屈折光学系1は、より簡単な構造で合焦のための光学系を移動することができる。
そして、上記条件式(A1)は、合焦のための前記負レンズ群に含まれる少なくとも1枚の前記負レンズ(図1に示す例では負レンズA121)の焦点距離を規定する式である。上記条件式(A1)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系A1は、前記負レンズ群の軽量化や合焦の際における移動量の短縮化を図ることができ、また、像面性の良化を図ることができる。すなわち、上記条件式(A1)の下限値を下回ると、前記負レンズの焦点距離が長くなる、つまり、負の光学的パワー(焦点距離の逆数、屈折力)が弱くなる。このため、前記負レンズ群の光学的パワーを確保するために負レンズの枚数を多くする必要が生じ、前記負レンズ群の重量が増加して好ましくなく、また、合焦のための移動量が長くなって好ましくない。一方、上記条件式(A1)の上限値を上回ると、前記負レンズの焦点距離が短くなる、つまり、負の光学的パワーが強くなる。このため、いわゆるペッツバール和が大きくなって像面性が悪化するので、好ましくない。
また、上記条件式(A2)は、合焦のための前記負レンズ群に含まれる少なくとも1枚の前記負レンズ(図1に示す例では負レンズA121)の形状を規定する式である。上記条件式(A2)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系A1は、合焦のための前記負レンズ群に含まれる少なくとも1枚の前記負レンズの諸収差を適正に維持できる。すなわち、上記条件式(A2)の下限値を下回ると、前記負レンズの物体側面における曲率が強くなり過ぎ、また、上記条件式(A2)の上限値を上回ると、前記負レンズ像側面における曲率が強くなり過ぎる。この結果、前記負レンズで生じる収差、特に球面収差やコマ収差の劣化が大きくなり過ぎて好ましくない。
また、上述の実施形態における反射屈折光学系A1において、屈折光学系A12に含まれる前記負レンズ群は、前記負レンズ群の焦点距離をffとし、屈折光学系A12の焦点距離をkfとする場合に、下記(A3)および(A4)の条件式を満足している。
−3<ff/f<−0.05 ・・・(A3)
−3<ff/kf<1 ・・・(A4)
この条件式(A3)は、合焦のための負レンズ群の焦点距離を規定する式である。上記条件式(A3)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系1は、合焦の際における移動量の短縮化を図ることができ、また、前記負レンズ群(図1に示す例では負レンズA121)の諸収差を適正に維持できる。すなわち、上記条件式(A3)の下限値を下回ると、前記負レンズの焦点距離が長くなる、つまり、負の光学的パワーが弱くなる。このため、合焦のための移動量が長くなって好ましく、光学系自体も大型化してしまい好ましくない。一方、上記条件式(A3)の上限値を上回ると、合焦の際における収差変動、特に、球面収差の変動が大きくなってしまい好ましくない。
また、上記条件式(A4)は、反射屈折光学系1が上記条件式(A3)を満たしていることを前提に、屈折光学系A12の焦点距離を規定する式である。上記条件式(A4)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系1は、像面性の良化を図ることができ、また、バックフォーカスを確保することができる。すなわち、上記条件式(A4)の下限値を下回ると、屈折光学系A12全体の光学的パワーが強くなり過ぎるため、像面性が悪化し、内方コマ収差が顕著になって好ましくない。一方、上記条件式(A4)の上限値は、前記負レンズ群の光学的パワーよりも負の光学的パワーが強くならないことを意味している。したがって、上記条件式(A4)の上限値を上回ると、像面性が悪化し、外方コマ収差が顕著になって好ましくない。また、バックフォーカスの確保も困難となって好ましくない。
なお、言い換えると、本実施形態における反射屈折光学系A1は、一対の反射面を持つ反射光学系A11と、所定の光学的パワーを有する屈折光学系A12とを含み、この屈折光学系A12は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群(図1に示す例では負レンズA121)を含み、上記(A3)および(A4)の条件式を満足しているとも言える。そして、この場合において、前記負レンズ群は、少なくとも1枚の負レンズ(図1に示す例では負レンズA121)を含み、この負レンズは、上記(A1)および(A2)の条件式を満足しているとも言える。
また、上述の実施形態における反射屈折光学系A1において、反射光学系A11は、この反射光学系の焦点距離をhfとし、この反射光学系A11における最物体側レンズ(図1に示す例では正メニスカスレンズA111)の焦点距離をg1fとし、前記最物体側レンズの物体側曲率半径をg1r1とし、そして、前記最物体側レンズの像側曲率半径をg1r2とする場合に、下記(A9)ないし(A11)の条件式を満足している。
0.1<hf/f<3.5 ・・・(A9)
0.9<g1f/f<3.5 ・・・(A10)
−7.5<(g1r1+g1r2)/(g1r1−g1r2)<1.5 ・・・(A11)
この条件式(A9)は、反射光学系11の焦点距離を規定する式である。上記条件式(A9)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系A1は、諸収差を適正に維持でき、バックフォーカスを確保することができ、また、光学系全体の小型化を図ることができる。すなわち、上記条件式(A9)の下限値を下回ると、反射光学系A11の光学的パワーが強くなり、球面収差補正が過剰となり、また、バックフォーカスの確保が困難となって好ましくない。一方、上記条件式(A9)の上限値を上回ると、反射光学系A11の光学的パワーが弱くなり、光学系全体が大型化してしまい好ましくない。
また、上記条件式(A10)は、最物体側のレンズにおける焦点距離を規定する式であり、光学系全系の焦点距離に対し、略同等(0.9)から略3倍(3.5)までの範囲内にあることを意味する。上記条件式(A10)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系A1は、諸収差を適正に維持でき、バックフォーカスを確保することができ、また、光学系全体の小型化を図ることができる。すなわち、上記条件式(A10)の下限値を下回ると、光学的パワーが強くなり過ぎるため、球面収差の補正が困難となり、また、バックフォーカスの確保が困難となって好ましくない。一方、上記条件式(A10)の上限値を上回ると、光学的パワーが弱くなり、光学系全体の長さが長くなるとともに反射面も大きくなって光学系全体が大型化してしまい好ましくない。
また、上記条件式(A11)は、最物体側のレンズにおける形状を規定する式であり、球面収差やコマ収差を補正するための式である。上記条件式(A11)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系A1は、球面収差やコマ収差を適正に維持できる。すなわち、上記条件式(A11)の下限値を下回ると、球面収差が補正不足となり、外方コマ収差が目立って好ましくない。一方、上記条件式(A11)の上限値を上回ると、球面収差が補正過剰となり、内方コマ収差が目立って好ましくない。
また、上述の実施形態における反射屈折光学系A1において、反射光学系A11は、この反射光学系A11における、最物体側レンズ(図1に示す例では正メニスカスレンズA111)の像側面面頂点から最像側反射面(図1に示す例では主反射鏡A112の反射面)面頂点までの距離をhtとし、そして、前記最像側反射面の曲率半径をg2rとする場合に、下記(A12)および(A13)の条件式を満足している。
0.05<ht/f<0.45 ・・・(A12)
−3.5<g2r/f<−0.25 ・・・(A13)
これら条件式(A12)および(A13)は、反射光学系11の大きさ(サイズ)を規定する式である。上記条件式(A12)および(A13)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系A1は、反射光学系A11の大きさを適正化することができる。すなわち、上記条件式(A12)の下限値を下回ると、反射光学系A11に屈折レンズを配置することが困難となって良好な光学性能を確保することが困難となって好ましくない。一方、上記条件式(A12)の上限値を上回ると、反射光学系A11が大型化してしまって好ましくない。また、上記条件式(A13)の下限値を下回ると、第2反射面が大きくなるため、径方向に大きくなって実行Fナンバーが暗くなって好ましくない。一方、上記条件式(A13)の上限値を上回ると、反射光学系に屈折レンズを配置することが困難となって良好な光学性能を確保することが困難となって好ましくない。
また、上述の実施形態における反射屈折光学系A1は、光学的パワーを有する最像側レンズ(図1に示す例では負レンズA121)の像側面頂点から金軸像面までの距離をbfとする場合に、下記(A14)を満足している。
0.03<bf/f<0.45 ・・・(A14)
この条件式(A14)は、バックフォーカスを規定する式である。上記条件式(A14)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系A1は、バックフォーカスを適正化することができる。すなわち、上記条件式(A14)の下限値を下回ると、バックフォーカスが短くなり過ぎて一眼レフカメラへの適用が困難となり、好ましくない。一方、上記条件式(A14)の上限値を上回ると、バックフォーカスが長くなり過ぎて光学系全長の大型化を招き、好ましくない。
そして、いわゆるミラーレスカメラに適用する場合には、反射屈折光学系A1は、下記条件式(A14’)を満足することが好ましい。
0.03<bf/f<0.35 ・・・(A14’)
次に別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
図2は、実施形態における反射屈折光学系の説明のための、その構成を模式的に示したレンズ断面図である。
図2において、この反射屈折光学系B1は、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子B14の受光面(像面)上に、物体(被写体)の光学像を形成するものであって、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系B11と、所定の光学的パワーを有し、1または複数の屈折レンズのみを持つ屈折光学系B12とを含む複数の群から成る構成であり、手ぶれ補正を行う際には、図2に示すように、屈折光学系B12に含まれる正レンズ群が移動する。なお、図2で例示した反射屈折光学系B1は、後述する実施例9の反射屈折光学系B1A(図12)と同じ構成である。なお、レンズ群は、1または複数の屈折レンズを備えて構成される。
図2に示す例では、反射光学系B11は、光線の入射側から伝播順(進行順)に、物体側に凸のメニスカス形状をした正レンズB111と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡B112と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡B113と、像側に凸の正メニスカスレンズB114と、像側に凸の正メニスカスレンズB115とから構成されて成る。
正レンズB111は、副反射鏡B113が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束を環状(リング状)の外周領域で透過させ、正の光学的パワーで屈折し、正レンズB111より像側に配置されている主反射鏡B112へ入射させる。
主反射鏡B112は、中央に光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。主反射鏡B112は、裏面に第1反射面を形成した裏面鏡である。主反射鏡B112は、正レンズB111から入射された光束を、前記第1反射面で反射してその光路を折り曲げ、主反射鏡B112より物体側に配置されている副反射鏡B113へ入射させる。このように主反射鏡B112は、物体側から像側へ進行する光束を反射して折り曲げ、像側から物体側へ進行させる。
副反射鏡B113は、裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。副反射鏡B113は、上述したように、正レンズB111の像側に正レンズB111と同心で配置され、その径は、正レンズB111の径よりも小さい。副反射鏡B113は、主反射鏡B112から入射された光束を、前記第2反射面で反射してその光路を折り曲げ、副反射鏡B113より像側に配置されている正メニスカスレンズB114へ入射させる。このように副反射鏡B113は、像側から物体側へ進行する光束を反射して折り曲げ、物体側から像側へ進行させる。
正メニスカスレンズB114および正メニスカスレンズB115は、接合レンズであり、主反射鏡B112の前記光透過領域に配置されている。本実施形態では、正メニスカスレンズB114および正メニスカスレンズB115は、主反射鏡B112の前記光透過領域に接合されている。正メニスカスレンズB114、正メニスカスレンズB115および主反射鏡B112の前記光透過領域は、副反射鏡B113から正メニスカスレンズB114へ入射された光束を、透過させ、正の光学的パワーで屈折し、主反射鏡B112より像側に配置されている屈折光学系B12へ入射させる。
なお、正レンズB111、主反射鏡B112、副反射鏡B113、正メニスカスレンズB114および正メニスカスレンズB115は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、正レンズB111、副反射鏡B113、正メニスカスレンズB114、正メニスカスレンズB115および主反射鏡B112の順で配列されている。
屈折光学系B12は、手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を含んでいる。図2に示す例では、屈折光学系B12は、両凸の正レンズB121と、両凹の負レンズB122と、両凸の正レンズB123とから構成されて成る。この正レンズB121が手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を構成している。
手ぶれ補正は、例えば、振動ジャイロと呼ばれるセンサによって手ぶれを検出し、所定の移動機構によってこの正レンズB121を、前記検出した手ぶれを打ち消すように前記検出した手ぶれの手ぶれ量に応じて光軸に直交する方向にシフトすることによって行われる。このような光学系シフト式の手ぶれ補正は、例えば、特開2007−150996号公報および特開2010−136269号公報等に開示されている。
そして、この実施形態にかかる反射屈折光学系B1は、全系の焦点距離をfとし、前記手ぶれ補正を行うための正レンズ群の焦点距離(図2に示す例では正レンズB121で光学系シフト式手ぶれ補正を行う屈折光学系B12の焦点距離)をtfとし、前記屈折光学系B12の焦点距離をkfとした場合に、下記(B1)および(B2)の条件式を満足するものである。
0.15<tf/f<1.5 ・・・(B1)
0.25<tf/kf<2.5 ・・・(B2)
さらに、この反射屈折光学系B1の像側には、フィルタB13や撮像素子B14が配置される。これらフィルタB13および撮像素子B14は、第1実施形態の屈折光学系A1におけるフィルタA13および撮像素子A14とそれぞれ同様であるので、その説明を省略する。そして、これらによって物体側の被写体の光学像が、反射屈折光学系B1によりその光軸AXに沿って所定の倍率で撮像素子B14の受光面まで導かれ、撮像素子B14によって前記被写体の光学像が撮像される。
このような構成の反射屈折光学系B1は、反射光学系B11とは別に設けられた屈折光学系B12に、手ぶれ補正を行うための正レンズ群、図2に示す例では正レンズB121で光学系シフト式手ぶれ補正を行う屈折光学系B12を含んでいる。このため、前記正レンズ群を手ぶれのために移動させる移動機構は、通常の機構でよい。移動機構は、種々の構造の機構を採用することができるが、一例を挙げれば、例えば、上述のそれら特許公報に開示されている。このため、このような構成の反射屈折光学系B1は、より簡単な構造で手ぶれ補正のための光学系を移動することができる。したがって、このような構成によれば、光学系シフト式手ぶれ補正機能を実現するための光学系を搭載した反射屈折光学系B1を提供することができる。
そして、上記条件式(B1)は、手ぶれ補正のために可動させる正レンズ群の焦点距離を規定する式である。上記条件式(B1)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系B1は、手ぶれ補正制御の適正化を図ることができる。すなわち、上記条件式(B1)の下限値を下回ると、前記正レンズ群の焦点距離が短くなる、つまり、正の光学的パワーが強くなる。このため、通常撮影の画質が劣化してしまうとともに、手ぶれ補正の際における前記正レンズ群の移動量が小さくなり過ぎるために手ぶれ補正の制御が困難になってしまい好ましくない。一方、上記条件式(B1)の上限値を上回ると、前記正レンズ群の焦点距離が長くなる、つまり、正の光学的パワーが弱くなる。このため、逆に、手ぶれ補正の際における前記正レンズ群の移動量が大きくなり過ぎるために、手ぶれ補正の移動機構が大型化してしまうとともに移動速度も速くする必要が生じて前記移動機構に大きな負担がかかって好ましくない。
また、上記条件式(B2)は、上記条件式(B1)を満たしていることを前提に、前記屈折光学系の焦点距離を規定する式である。上記条件式(B2)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、小型化を図ることができ、また、像面性の良化を図ることができる。すなわち、上記条件式(B2)の下限値を下回ると、前記屈折光学系の光学的パワーが弱くなり過ぎるため、前記屈折光学系B12全長が長くなり、この結果、反射屈折光学系全体B1の大型化を招き、好ましくない。一方、上記条件式(B2)の上限値を上回ると、前記屈折光学系B12の光学的パワーが強くなり過ぎるため、像面性が悪化し内方コマ収差も顕著となって好ましくない。
また、上述の実施形態における反射屈折光学系B1において、屈折光学系B12の前記正レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズとしての正レンズB121を含み、前記正レンズB121は、前記正レンズB121の物体側曲率半径をtr1とし、そして、前記正レンズB121の像側曲率半径をtr2とする場合に、下記(B3)の条件式を満足している。
−1.5<(tr1+tr2)/(tr1−tr2)<−0.3 ・・・(B3)
上記条件式(B3)は、前記正レンズ群に含まれる少なくとも1枚の正レンズ(図2に示す例では正レンズB121)の形状を規定する式であり、物体側に凸のメニスカス形状であることを意味する。上記条件式(B3)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系B1は、手ぶれ補正の際における光学性能の収差変動を適切な範囲に保つことができる。
また、上述の実施形態における反射屈折光学系B1において、反射光学系B11は、この反射光学系の焦点距離をhfとし、この反射光学系B11における最物体側レンズ(図2に示す例では正メニスカスレンズB111)の焦点距離をg1fとし、前記最物体側レンズの物体側曲率半径をg1r1とし、そして、前記最物体側レンズの像側曲率半径をg1r2とする場合に、下記(B4)ないし(B6)の条件式を満足している。
0.1<hf/f<3.5 ・・・(B4)
0.7<g1f/f<3.5 ・・・(B5)
−7.5<(g1r1+g1r2)/(g1r1−g1r2)<1.5 ・・・(B6)
この条件式(B4)は、反射光学系B11の焦点距離を規定する式である。上記条件式(B4)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系B1は、諸収差を適正に維持でき、バックフォーカスを確保することができ、また、光学系全体の小型化を図ることができる。すなわち、上記条件式(B4)の下限値を下回ると、反射光学系B11の光学的パワーが強くなり、球面収差補正が過剰となり、また、バックフォーカスの確保が困難となって好ましくない。一方、上記条件式(B4)の上限値を上回ると、反射光学系B11の光学的パワーが弱くなり、光学系全体が大型化してしまい好ましくない。
また、上記条件式(B5)は、最物体側のレンズにおける焦点距離を規定する式であり、光学系全系の焦点距離に対し、略同等(0.9)から略3倍(3.5)までの範囲内にあることを意味する。上記条件式(B5)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系B1は、諸収差を適正に維持でき、バックフォーカスを確保することができ、また、光学系全体の小型化を図ることができる。すなわち、上記条件式(B5)の下限値を下回ると、光学的パワーが強くなり過ぎるため、球面収差の補正が困難となり、また、バックフォーカスの確保が困難となって好ましくない。一方、上記条件式(B5)の上限値を上回ると、光学的パワーが弱くなり、光学系全体の長さが長くなるとともに反射面も大きくなって光学系全体が大型化してしまい好ましくない。
また、上記条件式(B6)は、最物体側のレンズにおける形状を規定する式であり、球面収差やコマ収差を補正するための式である。上記条件式(B6)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系B1は、球面収差やコマ収差を適正に維持できる。すなわち、上記条件式(B6)の下限値を下回ると、球面収差が補正不足となり、外方コマ収差が目立って好ましくない。一方、上記条件式(B6)の上限値を上回ると、球面収差が補正過剰となり、内方コマ収差が目立って好ましくない。
また、上述の実施形態における反射屈折光学系B1において、反射光学系B11は、この反射光学系B11における、最物体側レンズ(図2に示す例では正メニスカスレンズB111)の像側面面頂点から最像側反射面(図2に示す例では主反射鏡B112の反射面)面頂点までの距離をhtとし、そして、前記最像側反射面の曲率半径をg2rとする場合に、下記(B7)および(B8)の条件式を満足している。
0.05<ht/f<0.45 ・・・(B7)
−3.5<g2r/f<−0.25 ・・・(B8)
これら条件式(B7)および(B8)は、反射光学系B11の大きさ(サイズ)を規定する式である。上記条件式(B7)および(B8)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系B1は、反射光学系B11の大きさを適正化することができる。すなわち、上記条件式(B7)の下限値を下回ると、反射光学系B11に屈折レンズを配置することが困難となって良好な光学性能を確保することが困難となって好ましくない。一方、上記条件式(B7)の上限値を上回ると、反射光学系B11が大型化してしまって好ましくない。また、上記条件式(B8)の下限値を下回ると、第2反射面(副反射鏡B113の反射面)が大きくなるため、径方向に大きくなって実行Fナンバーが暗くなって好ましくない。一方、上記条件式(B8)の上限値を上回ると、反射光学系に屈折レンズを配置することが困難となって良好な光学性能を確保することが困難となって好ましくない。
また、上述の実施形態における反射屈折光学系B1は、光学的パワーを有する最像側レンズ(図2に示す例では正レンズB123)の像側面頂点から光軸像面までの距離をbfとする場合に、下記(B9)を満足している。
0.03<bf/f<0.45 ・・・(B9)
この条件式(B9)は、バックフォーカスを規定する式である。上記条件式(B9)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系B1は、バックフォーカスを適正化することができる。すなわち、上記条件式(B9)の下限値を下回ると、バックフォーカスが短くなり過ぎて一眼レフカメラへの適用が困難となり、好ましくない。一方、上記条件式(B9)の上限値を上回ると、バックフォーカスが長くなり過ぎて光学系全長の大型化を招き、好ましくない。
そして、いわゆるミラーレスカメラに適用する場合には、反射屈折光学系B1は、下記条件式(B9’)を満足することが好ましい。
0.03<bf/f<0.35 ・・・(B9’)
また、このような構成の各反射屈折光学系A1、B1において、プラスチックレンズを用いる場合では、プラスチック(樹脂材料)中に最大長が30ナノメートル以下の粒子を分散させた素材を用いて成形したレンズであることが好ましい。
一般に透明な樹脂材料に微粒子を混合させると、光が散乱し透過率が低下するので、光学材料として使用することが困難であったが、微粒子の大きさを透過光束の波長よりも小さくすることによって、光は、実質的に散乱しない。そして、樹脂材料は、温度上昇に伴って屈折率が低下してしまうが、無機粒子は、逆に、温度上昇に伴って屈折率が上昇する。このため、このような温度依存性を利用して互いに打ち消し合うように作用させることで、温度変化に対して屈折率変化がほとんど生じないようにすることができる。より具体的には、母材となる樹脂材料に最大長で30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させることによって、屈折率の温度依存性を低減した樹脂材料となる。例えば、アクリルに酸化ニオブ(Nb2O5)の微粒子を分散させる。このような構成の各反射屈折光学系A1、B1において、少なくとも1枚のレンズに、このような無機微粒子を分散させたプラスチック材料製レンズを用いることによって、各反射屈折光学系A1、B1の環境温度変化に伴うバックフォーカスのずれを小さく抑えることが可能となる。
このような無機微粒子を分散させたプラスチック材料製レンズは、以下のように成形されることが好ましい。
屈折率の温度変化について説明すると、屈折率の温度変化n(T)は、ローレンツ・ローレンツの式に基づいて、屈折率nを温度Tで微分することによって式Fで表される。
n(T)=((n2+2)×(n2−1))/6n×(−3α+(1/[R])×(∂[R]/∂T)) ・・・(F)
ただし、αは、線膨張係数であり、[R]は、分子屈折である。
樹脂材料の場合では、一般に、屈折率の温度依存性に対する寄与は、式F中の第1項に較べて第2項が小さく、ほぼ無視することができる。例えば、PMMA樹脂の場合では、線膨張係数αは、7×10−5であって、式Fに代入すると、n(T)=−12×10−5(/℃)となり、実測値と略一致する。
具体的には、従来は、−12×10−5[/℃]程度であった屈折率の温度変化n(T)を、絶対値で8×10−5[/℃]未満に抑えることが好ましい。さらに好ましくは、絶対値で6×10−5[/℃]未満にすることである。
よって、このような樹脂材料としては、ポリオレフィン系の樹脂材料やポリカーボネイト系の樹脂材料やポリエステル系の樹脂材料が好ましい。ポリオレフィン系の樹脂材料では、屈折率の温度変化n(T)は、約−11×10−5(/℃)となり、ポリカーボネイト系の樹脂材料では、屈折率の温度変化n(T)は、約−14×10−5(/℃)となり、そして、ポリエステル系の樹脂材料では、屈折率の温度変化n(T)は、約−13×10−5(/℃)となる。
<反射屈折光学系と組み合わせ可能な撮像装置の説明>
次に、上述の反射屈折光学系A1、B1と組み合わせられるミラーレスタイプの撮像装置について説明する。図3は、実施形態における撮像装置の構成を示すブロック図である。図3において、撮像装置3は、交換レンズ装置4と、撮像装置本体5とを備えている。
交換レンズ装置4は、撮像装置本体5に対し着脱可能な光学系である。交換レンズ装置4は、撮像レンズとして機能する図1に示したような反射屈折光学系A1と、光軸方向にフォーカスレンズを駆動してフォーカシングを行うための図略のレンズ駆動装置等とを備えて構成される。なお、前記反射屈折光学系A1に代え、撮像レンズとして機能する図2に示したような反射屈折光学系B1が用いられてもよく、また、前記反射屈折光学系A1に加えて、反射屈折光学系B1の手振れ補正機能も備えられてもよい。
撮像装置本体5は、撮像素子51と、第1表示装置52と、ファインダ用の第2表示装置53と、処理制御部54と、接眼レンズ55とを備えている。被写体からの光線は、反射屈折光学系A1(B1)によって撮像素子51の受光面上に結像され、被写体の光学像となる。
撮像素子51は、反射屈折光学系A1(B1)により結像された被写体の光学像をR,G,Bの色成分の電気信号(画像信号)に変換し、R,G,B各色の画像信号として処理制御部54に出力するものである。撮像素子51は、例えばCCD(Charge-Coupled Devices)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の2次元イメージセンサ等である。撮像素子51は、処理制御部54によって静止画あるいは動画のいずれか一方の撮像、または、撮像素子51における各画素の出力信号の読出し(水平同期、垂直同期、転送)等の撮像動作が制御される。
処理制御部54は、撮像素子51から出力されたR,G,B各色の画像信号に基づいて被写体の画像における画像データを生成するものである。より具体的には、処理制御部54は、撮像素子51からのアナログ出力信号に対し、増幅処理、デジタル変換処理等を行うと共に、画像全体に対して適正な黒レベルの決定、γ補正、ホワイトバランス調整(WB調整)、輪郭補正および色ムラ補正等の周知の画像処理を行って、画像信号から画像データを生成する。そして、処理制御部54は、この画像データに対し、解像度変換等の所定の画像処理を行う。処理制御部54は、この画像データを第1表示装置および第2表示装置へそれぞれ出力する。また、処理制御部54は、撮像装置本体5全体を制御する。この制御によって、撮像装置本体5は、被写体の静止画撮影および動画撮影の少なくとも一方の撮影を実行するよう制御される。処理制御部54は、例えば、マイクロプロセッサ、記憶素子および周辺回路等を備えて構成される。
また、必要に応じて処理制御部54は、撮像素子51の受光面上に形成される被写体の光学像における歪みを補正する公知の歪み補正処理等の、反射屈折光学系A1(B1)では補正しきれなかった収差を補正するように構成されてもよい。歪み補正は、収差によって歪んだ画像を肉眼で見える光景と同様な相似形の略歪みのない自然な画像に補正するものである。このように構成することによって、反射屈折光学系A1(B1)によって撮像素子51へ導かれた被写体の光学像に歪みが生じていたとしても、略歪みのない自然な画像を生成することが可能となる。また、このような歪みを情報処理による画像処理で補正する構成では、特に、歪曲収差を除く他の諸収差だけを考慮すればよいので、反射屈折光学系A1(B1)の設計の自由度が増し、設計がより容易となる。
また、必要に応じて処理制御部54は、撮像素子51の受光面上に形成される被写体の光学像における周辺照度落ちを補正する公知の周辺照度落ち補正処理を含んでもよい。周辺照度落ち補正(シェーディング補正)は、周辺照度落ち補正を行うための補正データを予め記憶しておき、撮影後の画像(画素)に対して補正データを乗算することによって実行される。周辺照度落ちが主に撮像素子51における感度の入射角依存性、レンズの口径食およびコサイン4乗則等によって生じるため、前記補正データは、これら要因によって生じる照度落ちを補正するような所定値に設定される。このように構成することによって、反射屈折光学系A1(B1)によって撮像素子51へ導かれた被写体の光学像に周辺照度落ちが生じていたとしても、周辺まで充分な照度を持った画像を生成することが可能となる。
第1表示装置52は、撮像装置本体5の背面に配置され、処理制御部54からの画像データによって被写体の画像を表示するものである。第1表示装置52は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)および有機ELディスプレイ等である。第1表示装置52によっていわゆるライブビューが表示される。
第2表示装置53は、撮像装置本体5内に配置され、電子ビューファインダーとして、処理制御部54からの画像データによって被写体の画像を表示するものである。第2表示装置53は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)および有機ELディスプレイ等である。第2表示装置53に表示された画像は、接眼レンズ55を介して観察される。
なお、上述では、撮像装置3は、交換レンズタイプであるが、撮像装置本体と反射屈折光学系A1(B1)の撮像光学系とを一体に組み合わせた一体型であってもよい。また、第2表示装置53および接眼レンズ55は、省略されてもよい。また、反射屈折光学系A1に代え、反射屈折光学系B1が用いられる場合には、手ぶれを検出する振動ジャイロや、前記検出結果に基づいて、前記手ぶれ補正用の正レンズ群を駆動して手ぶれ補正を行うための前記図略の移動機構の制御を行う手ぶれ補正制御装置は、交換レンズ装置4に組み込まれてもよく、また、撮像装置本体5に組み込まれてもよい。あるいは、前記振動ジャイロおよび手ぶれ補正制御装置は、別々に、交換レンズ装置4および撮像装置本体5に組み込まれてもよい。
このような構成の撮像装置3において、まず、静止画を撮影する場合は、処理制御部54は、撮像装置3に静止画の撮影を行わせるように制御すると共に、図略の前記レンズ駆動装置を動作させ、フォーカスレンズを移動させることによってフォーカシングを行う。お、反射屈折光学系A1に代え、反射屈折光学系B1が用いられる場合には、あるいは、反射屈折光学系A1に反射屈折光学系B1の手振れ補正機能がさらに備えられる場合には、交換レンズ装置4の反射屈折光学系B1における前記正レンズ群(図2に示す例では屈折光学系B12の正レンズB121)によって手ぶれ補正も行われる。これにより、ピントの合った光学像が撮像素子51の受光面に周期的に繰り返し結像され、R、G、Bの色成分の画像信号に変換された後、処理制御部54に出力される。その画像信号は、処理制御部54により画像処理が行われた後、その画像信号に基づく画像が第1および第2表示装置52、53のそれぞれに表示される。そして、撮影者は、前記第1表示装置52または接眼レンズ55を介して第2表示装置53を参照することで、主被写体をその画面中の所望の位置に収まるように調整することが可能となる。この状態でいわゆるシャッターボタン(不図示)が押されることによって、処理制御部54における、静止画用のメモリとしての記憶素子に画像データが格納され、静止画像が得られる。
また、動画撮影を行う場合は、処理制御部54は、撮像装置3に動画の撮影を行わせるように制御する。後は、静止画撮影の場合と同様にして、撮影者は、前記第1表示装置52または接眼レンズ55を介して第2表示装置53を参照することで、被写体の像が、その画面中の所望の位置に収まるように調整することができる。前記シャッターボタン(不図示)が押されることによって、動画撮影が開始される。そして、動画撮影時、処理制御部54は、撮像装置3に動画の撮影を行わせるように制御すると共に、図略の前記レンズ駆動装置を動作させ、フォーカシングを行う。なお、反射屈折光学系A1に代え、反射屈折光学系B1が用いられる場合には、あるいは、反射屈折光学系A1に反射屈折光学系B1の手振れ補正機能がさらに備えられる場合には、交換レンズ装置4の反射屈折光学系B1における前記正レンズ群(図2に示す例では屈折光学系B12の正レンズB121)によって手ぶれ補正も行われる。これにより、ピントの合った光学像が撮像素子51の受光面に周期的に繰り返し結像され、R、G、Bの色成分の画像信号に変換された後、処理制御部54に出力される。これによって、ピントの合った光学像が撮像素子51の受光面に周期的に繰り返し結像され、R、G、Bの色成分の画像信号に変換された後、処理制御部54に出力される。その画像信号は、処理制御部54により画像処理が行われた後、その画像信号に基づく画像が第1および第2表示装置52、53のそれぞれに表示される。そして、もう一度前記シャッターボタン(不図示)を押すことで、動画撮影が終了する。撮影された動画像は、処理制御部54における、動画用のメモリとしての記憶素子に格納され、動画像が得られる。
このような構成の撮像装置3は、より簡単な構造で合焦のための光学系を移動することができる反射屈折光学系A1を備えるので、ウォブリング動作を行うオートフォーカス機能をより容易に装備することができる。
また、反射屈折光学系A1に代え、反射屈折光学系B1が用いられる場合には、このような構成の撮像装置3は、光学系シフト式手ぶれ補正機能を実現するための光学系を搭載した反射屈折光学系B1を備えるので、このような撮像装置3は、手ぶれ補正機能をより容易に装備することができる。
<反射屈折光学系のより具体的な実施形態の説明>
以下、図1および図2に示したような反射屈折光学系A1、B1、すなわち図3に示したような撮像装置3に備えられる反射屈折光学系A1、B1の具体的な構成を、図面を参照しつつ説明する。
[実施例1]
図4は、実施例1における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図16は、実施例1における反射屈折光学系の収差図である。図16(A)は、無限端の場合を示し、図16(B)は、撮影距離5mの場合を示す。図16(B)は、撮影距離の一例である。
実施例1の反射屈折光学系A1Aは、図4に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、負の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2とから成る構成であり、合焦の際には、図4に示すように、反射光学系Gr1は、固定され、屈折光学系Gr2に含まれる負レンズL6が移動する。
より詳しくは、実施例1の反射屈折光学系A1Aは、各光学系(Gr1、Gr2)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、物体側に凸のメニスカス形状をした正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、両凸の正レンズである第4レンズL4と、像側に凸の正メニスカスレンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、後述の面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、これに含まれる少なくとも1枚の負レンズとして両凹の負レンズである第6レンズL6から構成されて成る。この第6レンズL6が合焦の際に図4に示すように光軸に沿って移動する。
そして、屈折光学系Gr2の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。平行平板FTは、各種光学フィルタや撮像素子のカバーガラス等である。
図4において、各光学素子の面に付されている番号ri(i=1,2,3,・・・)は、光線の入射側から伝播順(進行順)に数えた場合のi番目のレンズ面や反射面(ただし、レンズの接合面は2つの面として数えるものとする。)である。したがって、光束が反射面で折れ曲がるために、光束が複数通る面には、複数の面番号が付され、そして、上述したように、主反射鏡L2のように1つの面が所定の領域に分けられている場合にも領域ごとに異なる面番号が付されることによって複数の面番号が付されている。なお、平行平板FTの両面および撮像素子SRの受光面も1つの面として扱っている。このような取り扱いおよび符号の意義は、後述の実施例2ないし実施例13についても同様である(図5ないし図15)。ただし、全く同一のものであるという意味ではなく、例えば、各実施例1〜13の各図4ないし図15を通じて、最も物体側に配置されるレンズ面には、同じ符号(r1)が付されているが、これらの曲率などが各実施例1〜13を通じて同一であるという意味ではない。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。なお、デジタル映像信号は、後述の実施例2ないし実施例12も同様に、有線あるいは無線の通信によって他のデジタル機器に伝送されてもよい。
実施例1の反射屈折光学系A1Aにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例1
焦点距離;200mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 109.468 3.875 1.55168 64.20
2 251.264 32.824
3 -83.316 3.500 1.65160 58.44
4(第1反射面) -116.501 -3.500 1.65160 58.44
5 -83.316 -27.630
6 -64.173 -3.061 1.55168 64.20
7(第2反射面) -79.157 3.061 1.55168 64.20
8 -64.173 22.403
9 50.949 2.207 1.71300 53.93
10 -49.172 0.010 1.51400 42.83
11 -49.172 3.000 1.55168 64.20
12 -83.316 0.010 1.51400 42.83
13 -83.316 3.500 1.65160 58.44
14 -116.501 可変
15 -44.516 1.500 1.56883 56.04
16 27.891 可変
17 ∞ 1.200 1.55168 64.20
18 ∞
像面 ∞
可変面間距離
撮影距離 ∞ 5m
第14面と第15面間 2.515 4.258
第16面と第17面間 4.469 2.726
上記の面データにおいて、面番号は、図4に示した各レンズ面に付した符号ri(i=1,2,3,…)の番号iが対応する。
また、“r”は、各面の曲率半径(単位はmm)、“d”は、光軸上の各レンズ面の間隔(軸上面間隔)、“nd”は、各レンズのd線(波長587.56nm)に対する屈折率、“νd”は、アッベ数をそれぞれ示している。なお、平行平板FTの両面、撮像素子SRの受光面の各面は、平面であるために、それらの曲率半径は、∞(無限大)である。
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例1の反射屈折光学系A1Aにおける各収差を図16に示す。図16(A)および(B)において左から順に、球面収差(正弦条件)(LONGITUDINAL SPHERICAL ABERRATION)、非点収差(ASTIGMATISM FIELD CURVE)および歪曲収差(DISTORTION)をそれぞれ示す。球面収差の横軸は、焦点位置のずれをmm単位で表しており、その縦軸は、最大入射高で規格化した値で表している。非点収差の横軸は、焦点位置のずれをmm単位で表しており、その縦軸は、像高をmm単位で表している。歪曲収差の横軸は、実際の像高を理想像高に対する割合(%)で表しており、縦軸は、その像高をmm単位で表している。また、非点収差の図中、破線は、タンジェンシャル(メリディオナル)面、実線は、サジタル(ラディアル)面における結果をそれぞれ表している。
球面収差、非点収差および歪曲収差の図は、上記d線(波長587.56nm)を用いた場合の結果である。
以上のような扱いは、以下に示す実施例2〜13にかかるコンストラクションデータ、各収差を示す図16ないし図28においても同様である。なお、図24ないし図28では、歪曲収差を示す図は、省略されている。
[実施例2]
図5は、実施例2における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図17は、実施例2における反射屈折光学系の収差図である。図17(A)は、無限端の場合を示し、図17(B)は、撮影距離2mの場合を示す。図17(B)は、撮影距離の一例である。
実施例2の反射屈折光学系A1Bは、図5に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、負の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr3とから成る構成であり、合焦の際には、図5に示すように、反射光学系Gr1および屈折光学系Gr3は、固定され、屈折光学系Gr2に含まれる負レンズL6が移動する。
より詳しくは、実施例2の反射屈折光学系A1Bは、各光学系(Gr1、Gr2、Gr3)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、物体側に凸のメニスカス形状をした正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、両凸の正レンズである第4レンズL4と、像側に凸の正メニスカスレンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、これに含まれる少なくとも1枚の負レンズとして両凹の負レンズである第6レンズL6から構成されて成る。この第6レンズL6が合焦の際に図5に示すように光軸に沿って移動する。
屈折光学系Gr3は、両凸の正レンズである第7レンズL7から構成されて成る。
そして、屈折光学系Gr3の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例2の反射屈折光学系A1Bにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例2
焦点距離;200mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 89.696 4.250 1.530209 65.70
2 206.745 26.625
3 -90.413 3.500 1.65160 58.44
4(第1反射面)-100.861 -3.500 1.65160 58.44
5 -90.413 -24.992
6 -374.056 -3.000 1.55168 64.20
7(第2反射面) -72.912 3.000 1.55168 64.20
8 -374.056 14.472
9 1395.854 2.000 1.71300 53.93
10 -53.239 0.010 1.51400 42.83
11 -53.239 1.000 1.55168 64.20
12 -90.413 0.010 1.51400 42.83
13 -90.413 3.500 1.65160 58.44
14 -100.861 可変
15 -308.875 1.500 1.69680 55.50
16 26.725 可変
17 47.783 3.749 1.52274 51.27
18 -90.834 0.500
19 ∞ 1.200 1.55168 64.20
20 ∞
像面 ∞
可変面間距離
撮影距離 ∞ 2m
第14面と第15面間 1.500 10.382
第16面と第17面間 19.376 10.382
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例2の反射屈折光学系A1Bにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図17に示す。
[実施例3]
図6は、実施例3における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図18は、実施例3における反射屈折光学系の収差図である。図18(A)は、無限端の場合を示し、図18(B)は、撮影距離2mの場合を示す。図18(B)は、撮影距離の一例である。
実施例3の反射屈折光学系A1Cは、図6に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、負の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr3とから成る構成であり、合焦の際には、図6に示すように、反射光学系Gr1および屈折光学系Gr3は、固定され、屈折光学系Gr2に含まれる負レンズL7が移動する。
より詳しくは、実施例3の反射屈折光学系A1Cは、各光学系(Gr1、Gr2、Gr3)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、物体側に凸のメニスカス形状をした正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、両凹の負レンズである第4レンズL4と、両凸の正レンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、両凸の正レンズである第6レンズL6と、これに含まれる少なくとも1枚の負レンズとして両凹の負レンズである第7レンズL7とから構成されて成る。この第7レンズL7が合焦の際に図6に示すように光軸に沿って移動する。
屈折光学系Gr3は、両凸の正レンズである第8レンズL8から構成されて成る。
そして、屈折光学系Gr3の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例3の反射屈折光学系A1Cにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例3
焦点距離;200mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 81.564 4.310 1.625269 58.8242
2 175.418 26.666
3 -87.921 3.500 1.65160 58.44
4(第1反射面)-102.332 -3.500 1.65160 58.44
5 -87.921 -21.533
6 -216.299 -3.000 1.55168 64.20
7(第2反射面) -73.719 3.000 1.55168 64.20
8 -216.299 21.000
9 -53.220 2.000 1.84666 23.80
10 50.413 0.010 1.51400 42.83
11 50.413 1.513 1.55168 64.20
12 -87.921 0.010 1.51400 42.83
13 -87.921 3.500 1.65160 58.44
14 -102.332 1.000
15 69.024 1.617 1.84666 23.80
16 -74.794 可変
17 -75.942 1.500 1.70731 54.09
18 28.939 可変
19 57.285 4.236 1.83500 43.00
20 -105.475 0.500
21 ∞ 1.200 1.55168 64.20
22 ∞
像面 ∞
可変面間距離
撮影距離 ∞ 2m
第16面と第17面間 1.500 10.494
第18面と第19面間 19.171 10.177
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例3の反射屈折光学系A1Cにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図18に示す。
[実施例4]
図7は、実施例4における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図19は、実施例4における反射屈折光学系の収差図である。図19(A)は、無限端の場合を示し、図19(B)は、撮影距離3mの場合を示す。図19(B)は、撮影距離の一例である。
実施例4の反射屈折光学系A1Dは、図7に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、負の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2とから成る構成であり、合焦の際には、図7に示すように、反射光学系Gr1は、固定され、屈折光学系Gr2に含まれる負レンズL6が移動する。
より詳しくは、実施例4の反射屈折光学系A1Dは、各光学系(Gr1、Gr2)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、物体側に凸のメニスカス形状をした正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、両凸の正レンズである第4レンズL4と、像側に凸の負メニスカスレンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、これに含まれる少なくとも1枚の負レンズとして両凹の負レンズである第6レンズL6から構成されて成る。この第6レンズL6が合焦の際に図7に示すように光軸に沿って移動する。
そして、屈折光学系Gr2の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例4の反射屈折光学系A1Dにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例4
焦点距離;215mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 92.726 5.318 1.55168 64.20
2 173.225 39.915
3 -117.667 10.579 1.65160 58.44
4(第1反射面)-159.524 -10.579 1.65160 58.44
5 -117.667 -34.729
6 -470.857 -3.086 1.55168 64.20
7(第2反射面)-115.040 3.086 1.55168 64.20
8 -470.857 28.820
9 71.643 2.757 1.71300 53.93
10 -105.072 0.007 1.51400 42.83
11 -105.072 6.224 1.55168 64.20
12 -117.667 0.007 1.51400 42.83
13 -117.667 10.579 1.65160 58.44
14 -159.524 可変
15 -46.035 1.641 1.56883 56.04
16 434.190 可変
17 ∞ 1.182 1.55168 64.20
18 ∞
像面 ∞
可変面間距離
撮影距離 ∞ 3m
第14面と第15面間 1.618 14.631
第18面と第19面間 14.631 0.6
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例4の反射屈折光学系A1Dにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図19に示す。
[実施例5]
図8は、実施例5における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図20は、実施例5における反射屈折光学系の収差図である。図20(A)は、無限端の場合を示し、図20(B)は、撮影距離3mの場合を示す。図20(B)は、撮影距離の一例である。
実施例5の反射屈折光学系A1Eは、図8に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、負の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2とから成る構成であり、合焦の際には、図8に示すように、反射光学系Gr1は、固定され、屈折光学系Gr2に含まれる負レンズ群(第6レンズL6および第7レンズL7)が移動する。
より詳しくは、実施例5の反射屈折光学系A1Eは、各光学系(Gr1、Gr2)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、物体側に凸のメニスカス形状をした正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、両凸の正レンズである第4レンズL4と、像側に凸の負メニスカスレンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、これに含まれる少なくとも1枚の負レンズとして両凹の負レンズである第6レンズL6と、像側に凸の正メニスカスレンズである第7レンズL7とから構成されて成る。これら第6レンズL6および第7レンズL7から成る前記負レンズ群が合焦の際に図8に示すように光軸に沿って移動する。
そして、屈折光学系Gr2の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例5の反射屈折光学系A1Eにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例5
焦点距離;215mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 193.675 5.318 1.571371 62.2504
2 763.508 39.915
3 -116.566 4.000 1.65160 58.44
4(第1反射面) -147.945 -4.000 1.65160 58.44
5 -116.566 -34.729
6 -128.116 -3.086 1.55168 64.20
7(第2反射面) -115.991 3.086 1.55168 64.20
8 -128.116 28.820
9 418.065 2.757 1.71300 53.93
10 -44.838 0.007 1.51400 42.83
11 -44.838 6.224 1.55168 64.20
12 -116.566 0.007 1.51400 42.83
13 -116.566 4.000 1.65160 58.44
14 -147.945 可変
15 -156.994 1.641 1.69680 55.50
16 22.642 2.590
17 26.310 2.563 1.52662 49.89
18 944.541 可変
19 ∞ 1.182 1.55168 64.20
20 ∞
像面 ∞
可変面間距離
撮影距離 ∞ 3m
第14面と第15面間 1.194 10.985
第18面と第19面間 12.094 2.303
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例5の反射屈折光学系A1Eにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図20に示す。
[実施例6]
図9は、実施例6における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図21は、実施例6における反射屈折光学系の収差図である。図21(A)は、無限端の場合を示し、図21(B)は、撮影距離1.5mの場合を示す。図21(B)は、撮影距離の一例である。
実施例6の反射屈折光学系A1Fは、図9に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2と、負の光学的パワーを有する屈折光学系Gr3とから成る構成であり、合焦の際には、図9に示すように、反射光学系Gr1および屈折光学系Gr2は、固定され、屈折光学系Gr3に含まれる負レンズ群(第7レンズL7および第8レンズL8)が移動する。
より詳しくは、実施例6の反射屈折光学系A1Fは、各光学系(Gr1、Gr2、Gr3)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、両凸の正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、両凹形状をした副反射鏡L3と、像側に凸の正メニスカスレンズである第4レンズL4と、像側に凸の正メニスカスレンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、両凸の正レンズである第6レンズL6から構成されて成る。
屈折光学系Gr3は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、これに含まれる少なくとも1枚の負レンズとして両凹の負レンズである第7レンズL7と、両凸の正レンズである第8レンズL8とから構成されて成る。これら第7レンズL7および第8レンズL8から成る前記負レンズ群が合焦の際に図9に示すように光軸に沿って移動する。
そして、屈折光学系Gr3の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例6の反射屈折光学系A1Fにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例6
焦点距離;135mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 277.298 5.318 1.48749 70.44
2 -174.173 32.235
3 -108.835 4.000 1.65160 58.44
4(第1反射面) -166.975 -4.000 1.65160 58.44
5 -108.835 -27.049
6 11582.584 -3.086 1.55168 64.20
7(第2反射面) -227.938 3.086 1.55168 64.20
8 11582.584 23.905
9 -191.950 2.757 1.71300 53.93
10 -33.558 0.007 1.51400 42.83
11 -33.558 6.224 1.55168 64.20
12 -108.835 0.007 1.51400 42.83
13 -108.835 4.000 1.65160 58.44
14 -166.975 1.500
15 31.746 2.586 1.48749 70.44
16 -678.704 可変
17 5806.584 1.600 1.75836 48.57
18 25.694 12.422
19 31.974 4.595 1.50563 58.75
20 -3471.238 可変
21 ∞ 1.182 1.55168 64.20
22 ∞
像面 ∞
可変面間距離
撮影距離 ∞ 1.5m
第16面と第17面間 1.500 8.868
第20面と第21面間 7.945 0.577
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例6の反射屈折光学系A1Fにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図21に示す。
[実施例7]
図10は、実施例7における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図22は、実施例7における反射屈折光学系の収差図である。図22(A)は、無限端の場合を示し、図22(B)は、撮影距離1.5mの場合を示す。図22(B)は、撮影距離の一例である。
実施例7の反射屈折光学系A1Gは、図10に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2と、負の光学的パワーを有する屈折光学系Gr3と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr4とから成る構成であり、合焦の際には、図10に示すように、反射光学系Gr1、屈折光学系Gr2および屈折光学系Gr4は、固定され、屈折光学系Gr3に含まれる負レンズ群(第7レンズL7)が移動する。
より詳しくは、実施例7の反射屈折光学系A1Gは、各光学系(Gr1、Gr2、Gr3、Gr4)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、両凸の正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、両凹の負レンズである第4レンズL4と、両凸の正レンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、両凸の正レンズである第6レンズL6から構成されて成る。
屈折光学系Gr3は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、これに含まれる少なくとも1枚の負レンズとして像側に凸の負メニスカスレンズである第7レンズL7から構成されて成る。この第7レンズL7が合焦の際に図10に示すように光軸に沿って移動する。
屈折光学系Gr4は、両凸の正レンズである第8レンズL8から構成されて成る。
そして、屈折光学系Gr4の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例7の反射屈折光学系A1Gにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例7
焦点距離;130mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 241.161 4.921 1.552976 47.18
2 -214.588 26.215
3 -97.582 4.000 1.65160 58.44
4(第1反射面) -163.424 -4.000 1.65160 58.44
5 -97.582 -21.029
6 -175.164 -3.086 1.55168 64.20
7(第2反射面) -421.963 3.086 1.55168 64.20
8 -175.164 24.114
9 -142.457 1.600 1.71300 53.93
10 26.932 0.007 1.51400 42.83
11 26.932 2.757 1.55168 64.20
12 -97.582 0.007 1.51400 42.83
13 -97.582 4.000 1.65160 58.44
14 -163.424 1.500
15 54.816 2.067 1.48749 70.44
16 -843.487 可変
17 103.514 1.600 1.83798 35.58
18 31.413 可変
19 66.833 5.510 1.62385 32.81
20 -61.434 0.600
21 ∞ 1.182 1.55168 64.20
22 ∞
像面 ∞
可変面間距離
撮影距離 ∞ 1.5m
第16面と第17面間 1.500 10.505
第18面と第19面間 26.789 17.783
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例7の反射屈折光学系A1Gにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図22に示す。
[実施例8]
図11は、実施例8における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図23は、実施例8における反射屈折光学系の収差図である。図23(A)は、無限端の場合を示し、図23(B)は、撮影距離1.5mの場合を示す。図23(B)は、撮影距離の一例である。
実施例8の反射屈折光学系A1Hは、図11に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2と、負の光学的パワーを有する屈折光学系Gr3と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr4とから成る構成であり、合焦の際には、図11に示すように、反射光学系Gr1、屈折光学系Gr2および屈折光学系Gr4は、固定され、屈折光学系Gr3に含まれる負レンズ群(第7レンズL7)が移動する。
より詳しくは、実施例8の反射屈折光学系1Hは、各光学系(Gr1、Gr2、Gr3、Gr4)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、両凸の正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、両凸形状をした副反射鏡L3と、両凹の負レンズである第4レンズL4と、両凸の正レンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、両凸の正レンズである第6レンズL6から構成されて成る。
屈折光学系Gr3は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、これに含まれる少なくとも1枚の負レンズとして物体側に凸の負メニスカスレンズである第7レンズL7から構成されて成る。この第7レンズL7が合焦の際に図11に示すように光軸に沿って移動する。
屈折光学系Gr4は、両凸の正レンズである第8レンズL8から構成されて成る。
そして、屈折光学系Gr4の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例8の反射屈折光学系A1Hにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例8
焦点距離;250mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 233.099 4.846 1.55075 57.81
2 -515.509 63.136
3 -182.244 4.000 1.65160 58.44
4(第1反射面) -445.429 -4.000 1.65160 58.44
5 -182.244 -57.950
6 -635.358 -3.086 1.55168 64.20
7(第2反射面) 1463.388 3.086 1.55168 64.20
8 -635.358 61.035
9 -169.087 1.600 1.71300 53.93
10 30.967 0.007 1.51400 42.83
11 30.967 2.532 1.55168 64.20
12 -182.244 0.007 1.51400 42.83
13 -182.244 4.000 1.65160 58.44
14 -445.429 1.500
15 65.152 2.074 1.61287 59.53
16 -243.263 可変
17 510.398 1.600 1.83852 34.51
18 52.184 可変
19 94.639 4.731 1.83361 24.09
20 -118.657 0.600
21 ∞ 1.182 1.55168 64.20
22 ∞
像面 ∞
可変面間距離
撮影距離 ∞ 1.5m
第16面と第17面間 1.500 27.167
第18面と第19面間 50.714 25.047
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例8の反射屈折光学系A1Hにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図23に示す。
上記に列挙した実施例1〜8の反射屈折光学系A1A〜A1Hに、上述した条件式(A1)〜(A14)を当てはめた場合のそれぞれの数値を、表1に示す。
以上、説明したように、上記実施例1〜8における反射屈折光学系A1A〜A1Hは、反射光学系とは別に設けられた屈折光学系に、合焦を行うための負レンズ群を含んでいる。このため、前記負レンズ群を合焦のために移動させる移動機構は、例えばインナーフォーカス方式の場合に用いられる通常の機構でよい。このため、このような構成の反射屈折光学系A1A〜A1Hは、より簡単な構造で合焦のための光学系を移動することができる。
なお、上述の実施例8において、さらに手振れ補正機能が加えられてもよい。この場合の反射屈折光学系B1Dは、実施例12として、破線で示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2とから成る構成である。反射光学系Gr1は、第1レンズL1と、主反射鏡L2と、副反射鏡L3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とから構成され、屈折光学系Gr2は、手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を含み、第6ないし第8レンズL6、L7、L8から構成される。この第6レンズL6が手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を構成しており、手ぶれ補正の際に図11に示すように光軸と直交する面(XY面)内で移動する。そして、この場合では、面番号16および面番号18のコンストラクションデータは、上記に代え、下記となる。
数値実施例12
焦点距離;250mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
16 -243.263 1.500
18 52.184 50.714
このような反射屈折光学系B1Dにおける球面収差(正弦条件)および非点収差を図27に示す。図27は、実施例12における反射屈折光学系の収差図である。図27(A)は、無限端の場合を示し、図27(B)は、手ぶれ角0.5°を補正した場合を示す。図27(B)は、手ぶれ角の一例である。ここで、手ぶれ角とは、手ぶれ前の光軸と手ぶれ後の光軸のなす角度をいう。
[実施例9]
図12は、実施例9における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図24は、実施例9における反射屈折光学系の収差図である。図24(A)は、無限端の場合を示し、図24(B)は、手ぶれ角0.5°を補正した場合を示す。図24(B)は、手ぶれ角の一例である。
実施例9の反射屈折光学系B1Aは、図12に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2とから成る構成であり、手ぶれ補正の際には、図12に示すように、屈折光学系Gr2に含まれる正レンズL6が移動する。
より詳しくは、実施例9の反射屈折光学系B1Aは、各光学系(Gr1、Gr2)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、物体側に凸のメニスカス形状をした正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、像側に凸の正メニスカスレンズとである第4レンズL4と、像側に凸の正メニスカスレンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、後述の面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を含んでいる。屈折光学系Gr2は、両凸の正レンズである第6レンズL6と、両凹の負レンズである第7レンズL7と、両凸の正レンズである第8レンズL8とから構成されて成る。この第6レンズL6が手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を構成しており、手ぶれ補正の際に図12に示すように光軸と直交する面(XY面)内で移動する。
そして、屈折光学系Gr2の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。平行平板FTは、各種光学フィルタや撮像素子のカバーガラス等である。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例9の反射屈折光学系B1Aにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例9
焦点距離;200mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 77.905 4.079 1.70102 54.92
2 125.681 26.153
3 -92.876 3.500 1.65160 58.44
4(第1反射面) -105.025 -3.500 1.65160 58.44
5 -92.876 -21.020
6 -315.602 -3.000 1.55168 64.20
7(第2反射面) -85.915 3.000 1.55168 64.20
8 -315.602 21.000
9 -53.791 2.000 1.48749 70.45
10 -21.235 0.010 1.51400 42.83
11 -21.235 1.000 1.55168 64.20
12 -92.876 0.010 1.51400 42.83
13 -92.876 3.500 1.65160 58.44
14 -105.025 1.000
15 37.415 1.628 1.48749 70.45
16 -273.514 1.500
17 -21873.924 1.500 1.83532 42.06
18 24.633 29.495
19 86.849 4.645 1.83500 43.00
20 -65.772 0.500
21 ∞ 1.200 1.55168 64.20
22 ∞
像面 ∞
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例9の反射屈折光学系B1Aにおける各収差を図24に示す。
[実施例10]
図13は、実施例10における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図25は、実施例10における反射屈折光学系の収差図である。図25(A)は、無限端の場合を示し、図25(B)は、手ぶれ角0.3°を補正した場合を示す。図25(B)は、手ぶれ角の一例である。
実施例10の反射屈折光学系B1Bは、図13に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2とから成る構成であり、手ぶれ補正の際には、図13に示すように、屈折光学系Gr2に含まれる正レンズL6が移動する。
より詳しくは、実施例10の反射屈折光学系B1Bは、各光学系(Gr1、Gr2)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、両凸の正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、像側に凸の正メニスカスレンズである第4レンズL4と、像側に凸の正メニスカスレンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を含んでいる。屈折光学系Gr2は、両凸の正レンズである第6レンズL6と、両凹の負レンズである第7レンズL7と、両凸の正レンズである第8レンズL8とから構成されて成る。この第6レンズL6が手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を構成しており、手ぶれ補正の際に図13に示すように光軸と直交する面(XY面)内で移動する。
そして、屈折光学系Gr2の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例10の反射屈折光学系B1Bにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例10
焦点距離;130mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 242.462 5.318 1.51272 63.02
2 -178.704 32.235
3 -108.185 4.000 1.65160 58.44
4(第1反射面) -185.334 -4.000 1.65160 58.44
5 -108.185 -27.049
6 -7621.063 -3.086 1.55168 64.20
7(第2反射面) -327.414 3.086 1.55168 64.20
8 -7621.063 21.141
9 -382.488 2.757 1.48749 70.45
10 -38.879 0.007 1.51400 42.83
11 -38.879 6.224 1.55168 64.20
12 -108.185 0.007 1.51400 42.83
13 -108.185 4.000 1.65160 58.44
14 -185.334 1.500
15 42.408 2.319 1.48749 70.45
16 -377.081 1.616
17 -161.477 1.600 1.83738 36.86
18 36.575 15.857
19 47.344 4.484 1.68642 40.41
20 -183.468 8.772
21 ∞ 1.182 1.55168 64.20
22 ∞
像面 ∞
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例10の反射屈折光学系B1Bにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図25に示す。
[実施例11]
図14は、実施例11における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図26は、実施例11における反射屈折光学系の収差図である。図26(A)は、無限端の場合を示し、図26(B)は、手ぶれ角0.5°を補正した場合を示す。図26(B)は、手ぶれ角の一例である。
実施例11の反射屈折光学系B1Cは、図14に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2とから成る構成であり、手ぶれ補正の際には、図14に示すように、屈折光学系Gr2に含まれる正レンズL6が移動する。
より詳しくは、実施例11の反射屈折光学系B1Cは、各光学系(Gr1、Gr2)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、両凸の正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、両凹の負レンズである第4レンズL4と、両凸の正レンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を含んでいる。屈折光学系Gr2は、両凸の正レンズである第6レンズL6と、物体側に凸の負メニスカスレンズである第7レンズL7と、両凸の正レンズである第8レンズL8とから構成されて成る。この第6レンズL6が手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を構成しており、手ぶれ補正の際に図14に示すように光軸と直交する面(XY面)内で移動する。
そして、屈折光学系Gr2の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例11の反射屈折光学系B1Cにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例11
焦点距離;130mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 241.161 4.921 1.552976 47.18
2 -214.588 26.215
3 -97.582 4.000 1.65160 58.44
4(第1反射面) -163.424 -4.000 1.65160 58.44
5 -97.582 -21.029
6 -175.164 -3.086 1.55168 64.20
7(第2反射面) -421.963 3.086 1.55168 64.20
8 -175.164 24.114
9 -142.457 1.600 1.71300 53.93
10 26.932 0.007 1.51400 42.83
11 26.932 2.757 1.55168 64.20
12 -97.582 0.007 1.51400 42.83
13 -97.582 4.000 1.65160 58.44
14 -163.424 1.500
15 54.816 2.067 1.48749 70.44
16 -843.487 1.500
17 103.514 1.600 1.83798 35.58
18 31.413 26.789
19 66.833 5.510 1.62385 32.81
20 -61.434 0.600
21 ∞ 1.182 1.55168 64.20
22 ∞
像面 ∞
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例11の反射屈折光学系B1Cにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図26に示す。
[実施例13]
図15は、実施例13における反射屈折光学系の構成を示す断面図である。図28は、実施例13における反射屈折光学系の収差図である。図28(A)は、無限端の場合を示し、図28(B)は、手ぶれ角0.5°を補正した場合を示す。図28(B)は、手ぶれ角の一例である。
実施例13の反射屈折光学系B1Eは、図15に示すように、物体側より像側へ順に、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系Gr1と、正の光学的パワーを有する屈折光学系Gr2とから成る構成であり、手ぶれ補正の際には、図15に示すように、屈折光学系Gr2に含まれる正レンズL6が移動する。
より詳しくは、実施例13の反射屈折光学系B1Eは、各光学系(Gr1、Gr2)が、光線の入射側から伝播順(進行順)に、次のように構成されている。
反射光学系Gr1は、両凸の正レンズである第1レンズL1と、像側に凸のメニスカス形状をした主反射鏡L2と、像側に凸のメニスカス形状をした副反射鏡L3と、両凹の負レンズである第4レンズL4と、両凸の正レンズである第5レンズL5とから構成されて成る。第1レンズL1は、中央の所定半径の内周領域とその外周に環状(リング状)の外周領域とを備える。前記内周領域に対応して副反射鏡L3が像側に同心で配置され、被写体等の物体からの入射光束は、外周領域を透過する。主反射鏡L2は、中央に所定半径の光透過領域を有するとともに、該光透過領域の外周に環状(リング状)の第1反射面を有している。前記第1反射面は、面番号r4であり、前記光透過領域は、面番号r14である。第1反射面は、裏面に形成されている。副反射鏡L3は、第1レンズL1より小径であって裏面に第2反射面を形成した裏面鏡である。第4レンズL4および第5レンズL5は、接合レンズであり、主反射鏡L2の前記光透過領域に接合されて配置されている。
なお、第1レンズL1、主反射鏡L2、副反射鏡L3、第4レンズL4および第5レンズL5は、光束の進行順を無視した単なる配列順では、物体側から像側へ、第1レンズL1、副反射鏡L3、第4レンズL4、第5レンズL5および主反射鏡L2の順で配列されている。
屈折光学系Gr2は、手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を含んでいる。屈折光学系Gr2は、両凸の正レンズである第6レンズL6と、物体側に凸の負メニスカスレンズである第7レンズL7と、両凸の正レンズである第8レンズL8とから構成されて成る。この第6レンズL6が手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を構成しており、手ぶれ補正の際に図15に示すように光軸と直交する面(XY面)内で移動する。
そして、屈折光学系Gr2の像側には、平行平板FTを介して撮像素子SRの受光面が配置されている。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は、光軸AXに沿って、順に、第1レンズL1を透過し、主反射鏡L2の第1反射面r4で折り曲げられ、副反射鏡L3の第2反射面r7で再び折り曲げられ、第4レンズL4、第5レンズL5、主反射鏡L2の光透過領域、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8および平行平板FTを通過し、撮像素子SRの受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子SRでは、光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理などが施され、デジタル映像信号として撮像装置3に記録される。
実施例13の反射屈折光学系B1Eにおける、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例13
焦点距離;250mm
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 152.485 5.518 1.48749 70.44
2 -556.064 52.407
3 -172.286 4.000 1.65160 58.44
4(第1反射面) -386.886 -4.000 1.65160 58.44
5 -172.286 -47.220
6 -387.353 -3.086 1.55168 64.20
7(第2反射面) -4709.180 3.086 1.55168 64.20
8 -387.353 50.306
9 -116.337 1.600 1.71300 53.93
10 28.873 0.007 1.51400 42.83
11 28.873 2.590 1.55168 64.20
12 -172.286 0.007 1.51400 42.83
13 -172.286 4.000 1.65160 58.44
14 -386.886 1.500
15 63.371 2.025 1.69680 55.50
16 -384.386 1.500
17 255.993 1.600 1.84078 30.66
18 43.237 45.672
19 96.386 4.881 1.83395 24.08
20 -100.624 0.600
21 ∞ 1.182 1.55168 64.20
22 ∞
像面 ∞
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例13の反射屈折光学系B1Eにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図28に示す。
上記に列挙した実施例9ないし実施例13の反射屈折光学系B1A〜B1Eに、上述した条件式(B1)〜(B9)を当てはめた場合のそれぞれの数値を、表2に示す。
以上、説明したように、上記実施例9ないし実施例13における反射屈折光学系B1A〜B1Eは、反射光学系とは別に設けられた屈折光学系に、手ぶれ補正を行うための正レンズ群を含んでいる。このため、前記正レンズ群を手ぶれ補正のために移動させる移動機構は、通常の機構でよい。このため、このような構成の反射屈折光学系B1A〜B1Eは、反射屈折光学系で手ぶれ補正をより簡単な構造で実現することができる。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
一態様に係る反射屈折光学系Aは、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系と、所定の光学的パワーを有する屈折光学系とを含み、前記屈折光学系は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、前記負レンズ群は、少なくとも1枚の負レンズを含み、下記(A1)および(A2)の条件式を満足する。
−0.8<fnf/f<−0.05 ・・・(A1)
−3<(fnr1+fnr2)/(fnr1−fnr2)<3 ・・・(A2)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、fnfは、前記負レンズの焦点距離であり、fnr1は、前記負レンズの物体側曲率半径であり、そして、fnr2は、前記負レンズの像側曲率半径である。
このような構成の反射屈折光学系Aは、反射光学系とは別に設けられた屈折光学系に、合焦を行うための負レンズ群を含んでいる。このため、前記負レンズ群を合焦のために移動させる移動機構は、例えばインナーフォーカス方式の場合に用いられる通常の機構でよい。このため、このような構成の反射屈折光学系は、より簡単な構造で合焦のための光学系を移動することができる。
そして、上記条件式(A1)は、合焦のための負レンズ群に含まれる少なくとも1枚の前記負レンズの焦点距離を規定する式である。上記条件式(A1)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、負レンズ群の軽量化や合焦の際における移動量の短縮化を図ることができ、また、像面性の良化を図ることができる。すなわち、上記条件式(A1)の下限値を下回ると、前記負レンズの焦点距離が長くなる、つまり、負の光学的パワーが弱くなる。このため、前記負レンズ群の光学的パワーを確保するために負レンズの枚数を多くする必要が生じ、負レンズ群の重量が増加して好ましくなく、また、合焦のための移動量が長くなって好ましくない。一方、上記条件式(A1)の上限値を上回ると、前記負レンズの焦点距離が短くなる、つまり、負の光学的パワーが強くなる。このため、いわゆるペッツバール和が大きくなって像面性が悪化するので、好ましくない。
また、上記条件式(A2)は、合焦のための負レンズ群に含まれる少なくとも1枚の前記負レンズの形状を規定する式である。上記条件式(A2)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、合焦のための負レンズ群に含まれる少なくとも1枚の前記負レンズの諸収差を適正に維持できる。すなわち、上記条件式(A2)の下限値を下回ると、前記負レンズの物体側面における曲率が強くなり過ぎ、また、上記条件式(A2)の上限値を上回ると、前記負レンズの像側面における曲率が強くなり過ぎる。この結果、前記負レンズで生じる収差、特に球面収差やコマ収差の劣化が大きくなり過ぎて好ましくない。
また、他の一態様では、上述の反射屈折光学系Aにおいて、前記負レンズ群は、下記(A3)および(A4)の条件式を満足する。
−3<ff/f<−0.05 ・・・(A3)
−3<ff/kf<1 ・・・(A4)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、ffは、前記負レンズ群の焦点距離であり、そして、kfは、前記屈折光学系の焦点距離である。
上記条件式(A3)は、合焦のための負レンズ群の焦点距離を規定する式である。上記条件式(A3)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、合焦の際における移動量の短縮化を図ることができ、また、前記負レンズ群の諸収差を適正に維持できる。すなわち、上記条件式(A3)の下限値を下回ると、前記負レンズの焦点距離が長くなる、つまり、負の光学的パワーが弱くなる。このため、合焦のための移動量が長くなって好ましくなく、光学系自体も大型化してしまい好ましくない。一方、上記条件式(A3)の上限値を上回ると、合焦の際における収差変動、特に、球面収差の変動が大きくなってしまい好ましくない。
上記条件式(A4)は、反射屈折光学系が上記条件式(A3)を満たしていることを前提に、前記屈折光学系の焦点距離を規定する式である。上記条件式(A4)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、像面性の良化を図ることができ、また、バックフォーカスを確保することができる。すなわち、上記条件式(A4)の下限値を下回ると、前記屈折光学系全体の光学的パワーが強くなり過ぎるため、像面性が悪化し、内方コマ収差が顕著になって好ましくない。一方、上記条件式(A4)の上限値は、前記負レンズ群の光学的パワーよりも負の光学的パワーが強くならないことを意味している。したがって、上記条件式(A4)の上限値を上回ると、像面性が悪化し、外方コマ収差が顕著になって好ましくない。また、バックフォーカスの確保も困難となって好ましくない。
また、他の一態様に係る反射屈折光学系Aは、一対の反射面を持つ反射光学系と、所定の光学的パワーを有する屈折光学系とを含み、前記屈折光学系は、合焦を行うための負の光学的パワーを有する負レンズ群を含み、下記(A5)および(A6)の条件式を満足する。
−3<ff/f<−0.05 ・・・(A5)
−3<ff/kf<1 ・・・(A6)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、ffは、前記負レンズ群の焦点距離であり、kfは、前記屈折光学系の焦点距離である。すなわち、上記(A5)の条件式は、上記(A3)の条件式と同一であり、上記(A6)の条件式は、上記(A4)の条件式と同一である。
このような構成の反射屈折光学系Aは、反射光学系とは別に設けられた屈折光学系に、合焦を行うための負レンズ群を含んでいる。このため、前記負レンズ群を合焦のために移動させる移動機構は、例えばインナーフォーカス方式の場合に用いられる通常の機構でよい。このため、このような構成の反射屈折光学系Aは、より簡単な構造で合焦のための光学系を移動することができる。
そして、上記条件式(A5)は、上記条件式(A3)と同一の条件式であり、上記条件式(A5)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、合焦の際における移動量の短縮化を図ることができ、また、前記負レンズ群の諸収差を適正に維持できる。
また、上記条件式(A6)は、上記条件式(A4)と同一の条件式であり、上記条件式(A4)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、像面性の良化を図ることができ、また、バックフォーカスを確保することができる。
また、他の一態様では、上述の反射屈折光学系Aにおいて、前記負レンズ群は、少なくとも1枚の負レンズを含み、前記負レンズは、下記(A7)および(A8)の条件式を満足する。
−0.8<fnf/f<−0.05 ・・・(A7)
−3<(fnr1+fnr2)/(fnr1−fnr2)<3 ・・・(A8)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、fnfは、前記負レンズの焦点距離であり、fnr1は、前記負レンズの物体側曲率半径であり、そして、fnr2は、前記負レンズの像側曲率半径である。すなわち、上記(A7)の条件式は、上記(A1)の条件式と同一であり、上記(A8)の条件式は、上記(A2)の条件式と同一である。
そして、上記条件式(A7)は、上記条件式(A1)と同一の条件式であり、上記条件式(A7)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系Aは、負レンズ群の軽量化や合焦の際における移動量の短縮化を図ることができ、また、像面性の良化を図ることができる。また、上記条件式(A8)は、上記条件式(A2)と同一の条件式であり、上記条件式(A8)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、合焦のための負レンズ群に含まれる少なくとも1枚の前記負レンズの諸収差を適正に維持できる。
また、他の一態様では、これら上述の反射屈折光学系Aにおいて、前記反射光学系は、下記(A9)ないし(A11)の条件式を満足する。
0.1<hf/f<3.5 ・・・(A9)
0.9<g1f/f<3.5 ・・・(A10)
−7.5<(g1r1+g1r2)/(g1r1−g1r2)<1.5 ・・・(A11)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、hfは、前記反射光学系の焦点距離であり、g1fは、前記反射光学系における最物体側レンズの焦点距離であり、g1r1は、前記最物体側レンズの物体側曲率半径であり、そして、g1r2は、前記最物体側レンズの像側曲率半径である。
上記条件式(A9)は、反射光学系の焦点距離を規定する式である。上記条件式(A9)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、諸収差を適正に維持でき、バックフォーカスを確保することができ、また、光学系全体の小型化を図ることができる。すなわち、上記条件式(A9)の下限値を下回ると、反射光学系の光学的パワーが強くなり、球面収差補正が過剰となり、また、バックフォーカスの確保が困難となって好ましくない。一方、上記条件式(A9)の上限値を上回ると、反射光学系の光学的パワーが弱くなり、光学系全体が大型化してしまい好ましくない。
また、上記条件式(A10)は、最物体側のレンズにおける焦点距離を規定する式であり、光学系全系の焦点距離に対し、略同等(0.9)から略3倍(3.5)までの範囲内にあることを意味する。上記条件式(A10)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、諸収差を適正に維持でき、バックフォーカスを確保することができ、また、光学系全体の小型化を図ることができる。すなわち、上記条件式(A10)の下限値を下回ると、光学的パワーが強くなり過ぎるため、球面収差の補正が困難となり、また、バックフォーカスの確保が困難となって好ましくない。一方、上記条件式(A10)の上限値を上回ると、光学的パワーが弱くなり、光学系全体の長さが長くなるとともに反射面も大きくなって光学系全体が大型化してしまい好ましくない。
また、上記条件式(A11)は、最物体側のレンズにおける形状を規定する式であり、球面収差やコマ収差を補正するための式である。上記条件式(A11)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、球面収差やコマ収差を適正に維持できる。すなわち、上記条件式(A11)の下限値を下回ると、球面収差が補正不足となり、外方コマ収差が目立って好ましくない。一方、上記条件式(A11)の上限値を上回ると、球面収差が補正過剰となり、内方コマ収差が目立って好ましくない。
また、他の一態様では、上述の反射屈折光学系において、前記反射光学系は、下記(A12)および(A13)の条件式を満足することを特徴とする。
0.05<ht/f<0.45 ・・・(A12)
−3.5<g2r/f<−0.25 ・・・(A13)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、htは、前記反射光学系における、最物体側レンズの像側面面頂点から最像側反射面面頂点までの距離であり、そして、g2rは、前記最像側反射面の曲率半径である。
上記条件式(A12)および(A13)は、反射光学系の大きさ(サイズ)を規定する式である。上記条件式(A12)および(A13)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系Aは、反射光学系の大きさを適正化することができる。すなわち、上記条件式(A12)の下限値を下回ると、反射光学系に屈折レンズを配置することが困難となって良好な光学性能を確保することが困難となって好ましくない。一方、上記条件式(A12)の上限値を上回ると、反射光学系が大型化してしまって好ましくない。また、上記条件式(A13)の下限値を下回ると、第2反射面が大きくなるため、径方向に大きくなって実行Fナンバーが暗くなって好ましくない。一方、上記条件式(A13)の上限値を上回ると、反射光学系に屈折レンズを配置することが困難となって良好な光学性能を確保することが困難となって好ましくない。
また、他の一態様に係る反射屈折光学系Bは、光路を折り曲げる一対の反射面を持つ反射光学系と、所定の光学的パワーを有する屈折光学系とを含み、前記屈折光学系は、手ぶれ補正を行うための正の光学的パワーを有する正レンズ群を含み、下記(B1)および(B2)の条件式を満足するものである。
0.15<tf/f<1.5 ・・・(B1)
0.25<tf/kf<2.5 ・・・(B2)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、tfは、前記手ぶれ補正を行うための前記正レンズ群の焦点距離であり、そして、kfは、前記屈折光学系の焦点距離である。
このような構成の反射屈折光学系Bは、反射光学系とは別に設けられた屈折光学系に、手ぶれ補正を行うための正レンズ群を含んでいる。このため、前記正レンズ群を手ぶれのために移動させる移動機構は、通常の機構でよい。このため、このような構成によれば、光学系シフト式手ぶれ補正機能を実現するための光学系を搭載した反射屈折光学系を提供することができる。
そして、上記条件式(B1)は、手ぶれ補正のために可動させる正レンズ群の焦点距離を規定する式である。上記条件式(B1)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、手ぶれ補正制御の適正化を図ることができる。すなわち、上記条件式(B1)の下限値を下回ると、前記正レンズ群の焦点距離が短くなる、つまり、正の光学的パワーが強くなる。このため、通常撮影の画質が劣化してしまうとともに、手ぶれ補正の際における正レンズ群の移動量が小さくなり過ぎるために手ぶれ補正の制御が困難になってしまい好ましくない。一方、上記条件式(B1)の上限値を上回ると、前記正レンズ群の焦点距離が長くなる、つまり、正の光学的パワーが弱くなる。このため、逆に、手ぶれ補正の際における正レンズ群の移動量が大きくなり過ぎるために、手ぶれ補正の移動機構が大型化してしまうとともに移動速度も速くする必要が生じて前記移動機構に大きな負担がかかって好ましくない。
また、上記条件式(B2)は、上記条件式(B1)を満たしていることを前提に、前記屈折光学系の焦点距離を規定する式である。上記条件式(B2)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系Bは、小型化を図ることができ、また、像面性の良化を図ることができる。すなわち、上記条件式(B2)の下限値を下回ると、前記屈折光学系の光学的パワーが弱くなり過ぎるため、前記屈折光学系全長が長くなり、この結果、反射屈折光学系全体の大型化を招き、好ましくない。一方、上記条件式(B2)の上限値を上回ると、前記屈折光学系の光学的パワーが強くなり過ぎるため、像面性が悪化し内方コマ収差も顕著となって好ましくない。
また、他の一態様では、上述の反射屈折光学系Bにおいて、前記正レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズを含み、前記正レンズは、下記(B3)の条件式を満足する。
−1.5<(tr1+tr2)/(tr1−tr2)<−0.3 ・・・(B3)
ただし、tr1は、前記正レンズの物体側曲率半径であり、そして、tr2は、前記正レンズの像側曲率半径である。
上記条件式(B3)は、前記正レンズ群に含まれる少なくとも1枚の正レンズの形状を規定する式であり、物体側に凸のメニスカス形状であることを意味する。上記条件式(B3)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、手ぶれ補正の際における光学性能の収差変動を適切な範囲に保つことができる。
また、他の一態様では、これら上述の反射屈折光学系Bにおいて、前記反射光学系は、下記(B4)ないし(B6)の条件式を満足する。
0.1<hf/f<3.5 ・・・(B4)
0.7<g1f/f<3.5 ・・・(B5)
−7.5<(g1r1+g1r2)/(g1r1−g1r2)<1.5 ・・・(B6)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、hfは、前記反射光学系の焦点距離であり、g1fは、前記反射光学系における最物体側レンズの焦点距離であり、g1r1は、前記最物体側レンズの物体側曲率半径であり、そして、g1r2は、前記最物体側レンズの像側曲率半径である。
上記条件式(B4)は、反射光学系の焦点距離を規定する式である。上記条件式(B4)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系Bは、諸収差を適正に維持でき、バックフォーカスを確保することができ、また、光学系全体の小型化を図ることができる。すなわち、上記条件式(B4)の下限値を下回ると、反射光学系の光学的パワーが強くなり、球面収差補正が過剰となり、また、バックフォーカスの確保が困難となって好ましくない。一方、上記条件式(B4)の上限値を上回ると、反射光学系の光学的パワーが弱くなり、光学系全体が大型化してしまい好ましくない。
また、上記条件式(B5)は、最物体側のレンズにおける焦点距離を規定する式であり、光学系全系の焦点距離に対し、略同等(0.7)から略3倍(3.5)までの範囲内にあることを意味する。上記条件式(B5)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、諸収差を適正に維持でき、バックフォーカスを確保することができ、また、光学系全体の小型化を図ることができる。すなわち、上記条件式(B5)の下限値を下回ると、光学的パワーが強くなり過ぎるため、球面収差の補正が困難となり、また、バックフォーカスの確保が困難となって好ましくない。一方、上記条件式(B5)の上限値を上回ると、光学的パワーが弱くなり、光学系全体の長さが長くなるとともに反射面も径方向に大きくなって光学系全体が長さ方向にも径方向にも大型化してしまい好ましくない。
また、上記条件式(B6)は、最物体側のレンズにおける形状を規定する式であり、球面収差やコマ収差を補正するための式である。上記条件式(B6)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、球面収差やコマ収差を適正に維持できる。すなわち、上記条件式(B6)の下限値を下回ると、球面収差が補正不足となり、外方コマ収差が目立って好ましくない。一方、上記条件式(B6)の上限値を上回ると、球面収差が補正過剰となり、内方コマ収差が目立って好ましくない。
また、他の一態様では、上述の反射屈折光学系Bにおいて、前記反射光学系は、下記(B7)および(B8)の条件式を満足することを特徴とする。
0.05<ht/f<0.45 ・・・(B7)
−3.5<g2r/f<−0.25 ・・・(B8)
ただし、fは、全系の焦点距離であり、htは、前記反射光学系における、最物体側レンズの像側面面頂点から最像側反射面面頂点までの距離であり、そして、g2rは、前記最像側反射面の曲率半径である。
上記条件式(B7)および(B8)は、反射光学系の大きさ(サイズ)を規定する式である。上記条件式(B7)および(B8)を満たすことによって、このような構成の反射屈折光学系は、反射光学系の大きさを適正化することができる。すなわち、上記条件式(B7)の下限値を下回ると、反射光学系に屈折レンズを配置することが困難となって良好な光学性能を確保することが困難となって好ましくない。一方、上記条件式(B7)の上限値を上回ると、反射光学系が大型化してしまって好ましくない。また、上記条件式(B8)の下限値を下回ると、第2反射面(副反射鏡の反射面)が大きくなるため、径方向に大きくなって実行Fナンバーが暗くなって好ましくない。一方、上記条件式(B8)の上限値を上回ると、反射光学系に屈折レンズを配置することが困難となって良好な光学性能を確保することが困難となって好ましくない。
そして、他の一態様に係る撮像装置は、これら上述のいずれかの反射屈折光学系A、Bと、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子とを備え、前記反射屈折光学系が前記撮像素子の受光面上に物体の光学像を形成可能とされている。好ましくは、前記撮像装置は、前記反射屈折光学系A、Bから前記撮像素子に至る光路上に、前記反射屈折光学系A、Bからの光束を光学式ファインダへ導くためのミラーを備えないミラーレスタイプである。
この構成によれば、より簡単な構造で合焦のための光学系を移動することができる反射屈折光学系を備えた撮像装置を提供することができる。したがって、このような撮像装置は、ウォブリング動作を行うオートフォーカス機能をより容易に装備することができる。
あるいは、この構成によれば、光学系シフト式手ぶれ補正機能を実現するための光学系を搭載した撮像装置を提供することができる。したがって、このような撮像装置は、手ぶれ補正機能をより容易に装備することができる。
この出願は、2011年2月9日に出願された日本国特許出願特願2011−26270および日本国特許出願特願2011−26271を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。