しかしながら、上述した図18を基に説明した解決方法や、特許文献1の解決方法では、以下の4つの問題点が発生することになる。
第1の問題点は、無線端末装置(STA)間の距離(d)が、セルの直径(2r)と等しい距離の時に測定される電波受信電力(距離d=2rの電波受信電力)以下に、キャリアセンスレベルを予め無線端末装置(STA)に設定しておくという解決方法では、『晒し端末問題』の発生確率が高くなってしまうことである。なお、『晒し端末問題』とは、キャリアセンスにより、他の無線端末装置が無線送信中であると判断する割合が高く、自無線端末装置が送信待ちとなる割合が高くなり、スループットが低下してしまうという問題である。
その理由は、無線端末装置(STA)間の距離(d)が、セルの直径(2r)と等しい距離の時に測定される電波受信電力(距離d=2rの電波受信電力)以下に、キャリアセンスレベルを予め無線端末装置に設定することになるため、自無線端末装置(STA)を中心とした半径2rの円といった大きい面積内に存在する全ての無線端末装置がキャリアセンス対象となり、送信待ちの原因となる無線端末装置の存在確率が高くなってしまうためである。
第2の問題点は、既定のキャリアセンスレベルを予め無線端末装置に設定しておくという解決方法では、『隠れ端末問題』が発生してしまう場合がある。
その理由は、電波受信電力は、無線環境に応じて変動し易いため、無線端末装置に予め設定したキャリアセンスレベルが、実際の電波受信電力に比べて小さい場合には、無線送信中であると判断することがないため、無線衝突が発生してしまう場合があるためである。
第3の問題点は、上述した特許文献1に開示されている無線端末装置の送信電力を上げるという解決方法では、上述した『隠れ端末問題』を解決できない場合がある。
その理由は、セクターアンテナの各アンテナ素子における電波受信電力を基に、隠れ端末関係にある無線端末装置間の距離を推定し、隠れ端末とならないように無線端末装置の送信電力を上げる制御を行っても、その無線端末装置間の無線伝搬状況を把握できないため、適切な送信電力値に設定できているか分からないためである。また、送信電力の上限値で送信しているにも拘らず、隠れ端末となっている場合には、上限値以上に送信電力を設定できないためである。
第4の問題点は、上述した特許文献1に開示されているセクターアンテナを使用するという解決方法では、上述した『隠れ端末問題』を解決できない場合がある。
その理由は、セクターアンテナの同じアンテナ素子で受信される複数の無線端末装置が同時に送信している場合、どの無線端末装置が送信を行っているかを識別できないためである。
また、上記特許文献2、3は、『隠れ端末問題』や『晒し端末問題』を解決する手段については何ら考慮されたものではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した『隠れ端末問題』を解決し、尚かつ、『晒し端末問題』を低減することを可能とする無線通信システム、無線基地局、無線端末装置、無線通信制御方法及び無線通信制御プログラムを提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
本発明にかかる無線通信システムは、無線基地局と、無線基地局に帰属している複数の帰属無線端末装置と、を有して構成される無線通信システムであって、無線基地局は、帰属無線端末装置と、該帰属無線端末装置から最も距離が離れている他の帰属無線端末装置と、の間の電波受信電力を各帰属無線端末装置毎に特定する電波受信電力特定手段と、電波受信電力特定手段により各帰属無線端末装置毎に特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、電波受信電力特定手段は、特定の帰属無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させ、特定の帰属無線端末装置以外の帰属無線端末装置には、特定の帰属無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、無線基地局と帰属している各帰属無線端末装置に送信する電波送信要求信号送信手段と、各帰属無線端末装置において電波送信要求信号を受信した際に測定される電波受信電力と、電波受信電力測定を実行した際に測定される電波受信電力と、の複数の電波受信電力を、各帰属無線端末装置毎に収集する電波受信電力収集手段と、電波受信電力収集手段により各帰属無線端末装置毎に収集した複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を各帰属無線端末装置毎に選定する最小電波受信電力選定手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、制御手段は、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、各帰属無線端末装置に送信するキャリアセンスレベル設定信号送信手段を有し、帰属無線端末装置は、キャリアセンスレベル設定信号を受信した際に、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定するキャリアセンスレベル設定手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、キャリアセンスレベル設定信号には、電波受信電力と、該電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定させる帰属無線端末装置を指定する端末装置情報と、が含まれており、帰属無線端末装置は、キャリアセンスレベル設定信号を受信した際に、キャリアセンスレベル設定信号に含まれる端末装置情報が、帰属無線端末装置に該当するか否かを判断し、端末装置情報が、帰属無線端末装置に該当すると判断した場合には、キャリアセンスレベル設定信号に含まれる電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、帰属無線端末装置は、電波送信要求信号を受信した際に、電波送信要求信号の電波受信電力を測定すると共に、特定の帰属無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の帰属無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、特定の帰属無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を行う手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、電波受信電力収集手段は、各帰属無線端末装置において電波送信要求信号を受信した際に測定される電波受信電力と、電波受信電力測定を行った際に測定される電波受信電力と、の複数の電波受信電力を、各帰属無線端末装置毎に収集するための電波受信電力送付要求信号を帰属無線端末装置に送信する電波受信電力送付要求信号送信手段を有し、帰属無線端末装置は、電波送信要求信号を受信した際に測定した電波受信電力と、電波受信電力測定を行った際に測定した電波受信電力と、の複数の電波受信電力を記憶する電波受信電力記憶手段と、電波受信電力送付要求信号を無線基地局から受信した際に、電波受信電力記憶手段に記憶されている複数の電波受信電力を無線基地局に送付する電波受信電力送付応答信号送信手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムは、無線基地局と、無線基地局に帰属している複数の帰属無線端末装置と、を有して構成される無線通信システムであって、帰属無線端末装置は、帰属無線端末装置から最も距離が離れている他の帰属無線端末装置との間の電波受信電力を特定する電波受信電力特定手段と、電波受信電力特定手段により特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして設定する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、無線基地局は、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして帰属無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、帰属無線端末装置に送信するキャリアセンスレベル設定信号送信手段を有し、制御手段は、キャリアセンスレベル設定信号を受信した際に、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、無線基地局は、特定の帰属無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させ、特定の帰属無線端末装置以外の帰属無線端末装置には、特定の帰属無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、無線基地局と帰属している各帰属無線端末装置に送信する電波送信要求信号送信手段を有し、電波受信電力特定手段は、電波送信要求信号を受信した際に、電波送信要求信号の電波受信電力を測定すると共に、特定の帰属無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の帰属無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、特定の帰属無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を行う手段と、電波送信要求信号を受信した際に測定した電波受信電力と、電波受信電力測定を行った際に測定した電波受信電力と、の複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を選定する最小電波受信電力選定手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、電波送信要求信号には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させる帰属無線端末装置を指定するための端末装置情報が含まれており、帰属無線端末装置は、電波送信要求信号を受信した際に、電波送信要求信号に含まれる端末装置情報が、帰属無線端末装置に該当するか否かを判断し、端末装置情報が、帰属無線端末装置に該当すると判断した場合には、特定の帰属無線端末装置に該当すると判断し、端末装置情報が、帰属無線端末装置に該当しないと判断した場合には、特定の帰属無線端末装置以外に該当すると判断することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、電波送信要求信号には、電波受信電力測定用の無線信号の送信、または、電波受信電力測定を実行させる時間を指定する指定時間情報が含まれており、帰属無線端末装置は、電波送信要求信号を受信した際に、特定の帰属無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波送信要求信号に含まれる指定時間情報の時間だけ、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の帰属無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、電波送信要求信号に含まれる指定時間情報の時間だけ、電波受信電力測定を行うことを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、無線基地局は、電波送信要求信号をブロードキャストにて送信することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、帰属無線端末装置は、電波受信電力測定用の無線信号をブロードキャストにて送信することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、電波受信電力特定手段は、無線基地局から最も距離が離れている帰属無線端末装置との間の電波受信電力と、各帰属無線端末装置と無線基地局との間の電波受信電力と、を加算した加算電波受信電力を各帰属無線端末装置毎に特定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、帰属無線端末装置は、無線基地局との間の電波受信電力を測定する電波受信電力測定手段を有し、電波受信電力特定手段は、各帰属無線端末装置において測定した電波受信電力を各帰属無線端末装置から収集する電波受信電力収集手段と、各帰属無線端末装置から収集した複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を選定する最小電波受信電力選定手段と、を有し、最小電波受信電力選定手段により選定した最小の電波受信電力を、無線基地局から最も距離が離れている帰属無線端末装置との間の電波受信電力とし、電波受信電力収集手段により各帰属無線端末装置から収集した電波受信電力を、各帰属無線端末装置と無線基地局との間の電波受信電力とすることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、電波受信電力収集手段は、各帰属無線端末装置の電波受信電力を収集するための電波受信電力送付要求信号を各帰属無線端末装置に送信する要求信号送信手段を有し、帰属無線端末装置は、電波受信電力送付要求信号を受信した際に、無線基地局との間の電波受信電力を測定し、該測定した電波受信電力を無線基地局に送付する電波受信電力送付応答信号送信手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムは、加算電波受信電力をキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、各帰属無線端末装置に送信するキャリアセンスレベル設定信号送信手段を有し、帰属無線端末装置は、キャリアセンスレベル設定信号を受信した際に、加算電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定するキャリアセンスレベル設定手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、キャリアセンスレベル設定信号には、加算電波受信電力と、該加算電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定させる帰属無線端末装置を指定する端末装置情報と、が含まれており、帰属無線端末装置は、キャリアセンスレベル設定信号を受信した際に、キャリアセンスレベル設定信号に含まれる端末装置情報が、帰属無線端末装置に該当するか否かを判断し、端末装置情報が、帰属無線端末装置に該当すると判断した場合には、キャリアセンスレベル設定信号に含まれる加算電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、無線基地局は、電波受信電力特定手段による特定を行うか否かを決定する決定手段を有し、決定手段は、無線基地局が新たな無線端末装置からの帰属要求を容認し、無線端末装置を帰属無線端末装置と認定した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置から受信する電波受信電力が変動したと判断した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置から受信する電波受信電力の変動量が所定の閾値以上に変動したと判断した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置の無線通信のエラー率が所定の閾値以上になったと判断した場合と、の少なくとも1つの場合に、電波受信電力特定手段による特定を行うと決定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、無線通信のエラー率とは、PER(Packet Error Rate)率と、FER(Frame Error Rate)率と、BER(Bit Error Rate)率と、CRC(Cyclic Redundancy Check)率と、FCS(Frame Check Sequence)率と、の少なくとも1つであることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、最も距離が離れている他の帰属無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている帰属無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線通信システムにおいて、最も距離が離れている帰属無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている帰属無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局は、複数の無線端末装置と無線通信を行う無線基地局であって、無線基地局に帰属している複数の帰属無線端末装置を管理する帰属無線端末装置管理手段と、帰属無線端末装置と、該帰属無線端末装置から最も距離が離れている他の帰属無線端末装置と、の間の電波受信電力を、帰属無線端末装置管理手段に管理されている各帰属無線端末装置毎に特定する電波受信電力特定手段と、電波受信電力特定手段により特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局において、電波受信電力特定手段は、特定の帰属無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させ、特定の帰属無線端末装置以外の帰属無線端末装置には、特定の帰属無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、帰属無線端末装置管理手段に管理されている各帰属無線端末装置に送信する電波送信要求信号送信手段と、各帰属無線端末装置において電波送信要求信号を受信した際に測定される電波受信電力と、電波受信電力測定を実行した際に測定される電波受信電力と、の複数の電波受信電力を、各帰属無線端末装置毎に収集する電波受信電力収集手段と、電波受信電力収集手段により各帰属無線端末装置毎に収集した複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を各帰属無線端末装置毎に選定する最小電波受信電力選定手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局において、制御手段は、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、各帰属無線端末装置に送信するキャリアセンスレベル設定信号送信手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局は、電波送信要求信号をブロードキャストにて送信することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局において、電波受信電力特定手段は、無線基地局から最も距離が離れている帰属無線端末装置との間の電波受信電力と、各帰属無線端末装置と無線基地局との間の電波受信電力と、を加算した加算電波受信電力を各帰属無線端末装置毎に特定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局において、電波受信電力特定手段は、各帰属無線端末装置において測定した電波受信電力を各帰属無線端末装置から収集する電波受信電力収集手段と、各帰属無線端末装置から収集した複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を選定する最小電波受信電力選定手段と、を有し、最小電波受信電力選定手段により選定した最小の電波受信電力を、無線基地局から最も距離が離れている帰属無線端末装置との間の電波受信電力とし、電波受信電力収集手段により各帰属無線端末装置から収集した電波受信電力を、各帰属無線端末装置と無線基地局との間の電波受信電力とすることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局は、加算電波受信電力をキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、各帰属無線端末装置に送信するキャリアセンスレベル設定信号送信手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局は、電波受信電力特定手段による特定を行うか否かを決定する決定手段を有し、決定手段は、無線基地局が新たな無線端末装置からの帰属要求を容認し、無線端末装置を帰属無線端末装置と認定した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置から受信する電波受信電力が変動したと判断した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置から受信する電波受信電力の変動量が所定の閾値以上に変動したと判断した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置の無線通信のエラー率が所定の閾値以上になったと判断した場合と、の少なくとも1つの場合に、電波受信電力特定手段による特定を行うと決定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局において、無線通信のエラー率とは、PER(Packet Error Rate)率と、FER(Frame Error Rate)率と、BER(Bit Error Rate)率と、CRC(Cyclic Redundancy Check)率と、FCS(Frame Check Sequence)率と、の少なくとも1つであることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局において、最も距離が離れている他の帰属無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている帰属無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線基地局において、最も距離が離れている帰属無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている帰属無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線端末装置は、無線基地局に帰属している無線端末装置であって、無線端末装置から最も距離が離れている他の無線端末装置との間の電波受信電力を特定する電波受信電力特定手段と、電波受信電力特定手段により特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして設定する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線端末装置において、制御手段は、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、無線基地局から受信した際に、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線端末装置において、電波受信電力特定手段は、特定の無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させ、特定の無線端末装置以外の無線端末装置には、特定の無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、無線基地局から受信した際に、電波送信要求信号の電波受信電力を測定すると共に、特定の無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、特定の無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を行う手段と、電波送信要求信号を受信した際に測定した電波受信電力と、電波受信電力測定を行った際に測定した電波受信電力と、の複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を選定する最小電波受信電力選定手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線端末装置において、電波送信要求信号には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させる無線端末装置を指定するための端末装置情報が含まれており、電波送信要求信号を受信した際に、電波送信要求信号に含まれる端末装置情報が、無線端末装置に該当するか否かを判断し、端末装置情報が、無線端末装置に該当すると判断した場合には、特定の無線端末装置に該当すると判断し、端末装置情報が、無線端末装置に該当しないと判断した場合には、特定の無線端末装置以外に該当すると判断することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線端末装置において、電波送信要求信号には、電波受信電力測定用の無線信号の送信、または、電波受信電力測定を実行させる時間を指定する指定時間情報が含まれており、電波送信要求信号を受信した際に、特定の無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波送信要求信号に含まれる指定時間情報の時間だけ、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、電波送信要求信号に含まれる指定時間情報の時間だけ、電波受信電力測定を行うことを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線端末装置は、電波受信電力測定用の無線信号をブロードキャストにて送信することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる無線端末装置において、最も距離が離れている他の無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法は、複数の無線端末装置と無線通信を行う無線基地局における通信制御方法であって、無線基地局は、無線基地局に帰属している複数の帰属無線端末装置を管理する帰属無線端末装置管理手段を有し、帰属無線端末装置と、該帰属無線端末装置から最も距離が離れている他の帰属無線端末装置と、の間の電波受信電力を、帰属無線端末装置管理手段に管理されている各帰属無線端末装置毎に特定する電波受信電力特定工程と、電波受信電力特定工程により特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定する制御工程と、を、無線基地局が行うことを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、電波受信電力特定工程は、特定の帰属無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させ、特定の帰属無線端末装置以外の帰属無線端末装置には、特定の帰属無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、帰属無線端末装置管理手段に管理されている各帰属無線端末装置に送信する電波送信要求信号送信工程と、各帰属無線端末装置において電波送信要求信号を受信した際に測定される電波受信電力と、電波受信電力測定を実行した際に測定される電波受信電力と、の複数の電波受信電力を、各帰属無線端末装置毎に収集する電波受信電力収集工程と、電波受信電力収集工程により各帰属無線端末装置毎に収集した複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を各帰属無線端末装置毎に選定する最小電波受信電力選定工程と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、制御工程は、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、各帰属無線端末装置に送信するキャリアセンスレベル設定信号送信工程を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法は、電波送信要求信号をブロードキャストにて送信することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、電波受信電力特定工程は、無線基地局から最も距離が離れている帰属無線端末装置との間の電波受信電力と、各帰属無線端末装置と無線基地局との間の電波受信電力と、を加算した加算電波受信電力を各帰属無線端末装置毎に特定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、電波受信電力特定工程は、各帰属無線端末装置において測定した電波受信電力を各帰属無線端末装置から収集する電波受信電力収集工程と、各帰属無線端末装置から収集した複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を選定する最小電波受信電力選定工程と、を有し、最小電波受信電力選定工程により選定した最小の電波受信電力を、無線基地局から最も距離が離れている帰属無線端末装置との間の電波受信電力とし、電波受信電力収集工程により各帰属無線端末装置から収集した電波受信電力を、各帰属無線端末装置と無線基地局との間の電波受信電力とすることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法は、加算電波受信電力をキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、各帰属無線端末装置に送信するキャリアセンスレベル設定信号送信工程を、無線基地局が行うことを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法は、電波受信電力特定工程による特定を行うか否かを決定する決定工程を、無線基地局が行い、決定工程は、無線基地局が新たな無線端末装置からの帰属要求を容認し、無線端末装置を帰属無線端末装置と認定した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置から受信する電波受信電力が変動したと判断した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置から受信する電波受信電力の変動量が所定の閾値以上に変動したと判断した場合と、無線基地局と既に帰属している帰属無線端末装置の無線通信のエラー率が所定の閾値以上になったと判断した場合と、の少なくとも1つの場合に、電波受信電力特定工程による特定を行うと決定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、無線通信のエラー率とは、PER(Packet Error Rate)率と、FER(Frame Error Rate)率と、BER(Bit Error Rate)率と、CRC(Cyclic Redundancy Check)率と、FCS(Frame Check Sequence)率と、の少なくとも1つであることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、最も距離が離れている他の帰属無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている帰属無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、最も距離が離れている帰属無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている帰属無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法は、無線基地局に帰属している無線端末装置における通信制御方法であって、無線端末装置から最も距離が離れている他の無線端末装置との間の電波受信電力を特定する電波受信電力特定工程と、電波受信電力特定工程により特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして設定する制御工程と、を、無線端末装置が行うことを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、制御工程は、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして無線端末装置に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、無線基地局から受信した際に、電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、電波受信電力特定工程は、特定の無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させ、特定の無線端末装置以外の無線端末装置には、特定の無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、無線基地局から受信した際に、電波送信要求信号の電波受信電力を測定すると共に、特定の無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、特定の無線端末装置から送信される電波受信電力測定用の無線信号の電波受信電力測定を行う工程と、電波送信要求信号を受信した際に測定した電波受信電力と、電波受信電力測定を行った際に測定した電波受信電力と、の複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を選定する最小電波受信電力選定工程と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、電波送信要求信号には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を実行させる無線端末装置を指定するための端末装置情報が含まれており、電波送信要求信号を受信した際に、電波送信要求信号に含まれる端末装置情報が、無線端末装置に該当するか否かを判断し、端末装置情報が、無線端末装置に該当すると判断した場合には、特定の無線端末装置に該当すると判断し、端末装置情報が、無線端末装置に該当しないと判断した場合には、特定の無線端末装置以外に該当すると判断することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、電波送信要求信号には、電波受信電力測定用の無線信号の送信、または、電波受信電力測定を実行させる時間を指定する指定時間情報が含まれており、電波送信要求信号を受信した際に、特定の無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波送信要求信号に含まれる指定時間情報の時間だけ、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、電波送信要求信号に含まれる指定時間情報の時間だけ、電波受信電力測定を行うことを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法は、電波受信電力測定用の無線信号をブロードキャストにて送信することを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御方法において、最も距離が離れている他の無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御プログラムは、複数の無線端末装置と無線通信を行う無線基地局において実行させる通信制御プログラムであって、無線基地局は、無線基地局に帰属している複数の帰属無線端末装置を管理する帰属無線端末装置管理手段を有し、帰属無線端末装置と、該帰属無線端末装置から最も距離が離れている他の帰属無線端末装置と、の間の電波受信電力を、帰属無線端末装置管理手段に管理されている各帰属無線端末装置毎に特定する電波受信電力特定処理と、電波受信電力特定処理により特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置に設定する制御処理と、を、無線基地局に実行させることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御プログラムにおいて、最も距離が離れている他の帰属無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている帰属無線端末装置であることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御プログラムは、無線基地局に帰属している無線端末装置において実行させる通信制御プログラムであって、無線端末装置から最も距離が離れている他の無線端末装置との間の電波受信電力を特定する電波受信電力特定処理と、電波受信電力特定処理により特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして設定する制御処理と、を、無線端末装置に実行させることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる通信制御プログラムにおいて、最も距離が離れている他の無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行っている無線端末装置であることを特徴とするものである。
本発明によれば、同一の無線基地局に帰属している帰属無線端末装置同士が隠れ端末にならない中で、できるだけ大きい電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することが可能となるため、不必要に小さな電波受信電力で、不必要に広いエリアのキャリアセンスを行うことがないため、同一の無線基地局に帰属している帰属無線端末装置同士が隠れ端末になることを防ぎつつ、晒し端末問題も低減化することが可能となる。
また、無線基地局と、その無線基地局に帰属している帰属無線端末装置と、が存在する無線環境下において、隠れ端末を回避できる最適なキャリアセンスレベルに設定することになるため、無線障害物の影響など、無線環境下に応じて電波受信電力が異なっていても、隠れ端末問題を回避することが可能となる。
まず、本実施形態における無線通信システムの第1の特徴について説明する。
本実施形態における無線通信システムは、図1に示すように、無線基地局(AP1)と、無線基地局(AP1)に帰属している複数の帰属無線端末装置(STA1〜3)と、を有して構成される。
そして、無線基地局(AP1)は、帰属無線端末装置(STA1〜3)と、該帰属無線端末装置(STA1〜3)から最も距離が離れている他の帰属無線端末装置(STA1〜3)と、の間の電波受信電力を各帰属無線端末装置(STA1〜3)毎に特定する。例えば、帰属無線端末装置がSTA1の場合には、帰属無線端末装置(STA1)と、該帰属無線端末装置(STA1)から最も距離が離れている他の帰属無線端末装置(STA3)と、の間の電波受信電力を特定することになる。そして、無線基地局(AP1)は、各帰属無線端末装置(STA1〜3)毎に特定した電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置(STA1〜3)に設定することを特徴とする。
これにより、同一の無線基地局(AP1)に帰属している帰属無線端末装置(STA1〜3)同士が隠れ端末にならない中で、できるだけ大きい電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することが可能となるため、不必要に小さな電波受信電力で、不必要に広いエリアのキャリアセンスを行うことがないため、同一の無線基地局(AP1)に帰属している帰属無線端末装置(STA1〜3)同士が隠れ端末になることを防ぎつつ、晒し端末問題も低減化することが可能となる。
また、無線基地局(AP1)と、その無線基地局(AP1)に帰属している帰属無線端末装置(STA1〜3)と、が存在する無線環境下において、隠れ端末を回避できる最適なキャリアセンスレベルに設定することになるため、無線障害物の影響など、無線環境下に応じて電波受信電力が異なっていても、隠れ端末問題を回避することが可能となる。
なお、上述した最も距離が離れている他の帰属無線端末装置(帰属無線端末装置がSTA1の場合には、STA3)は、上述した図1に示す無線基地局(AP1)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(例えば、STA2)に変更することも可能である。この場合、無線基地局(AP1)が、その無線基地局(AP1)と帰属している各帰属無線端末装置(STA1〜3)の通信状態を取得し、該取得した各帰属無線端末装置(STA1〜3)の通信状態を基に、無線基地局(AP1)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(例えば、STA2)を特定し、上述した最も距離が離れている他の帰属無線端末装置(STA3)を、無線基地局(AP1)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA2)に変更し、その無線基地局(AP1)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA2)との間の電波受信電力を基に、帰属無線端末装置(STA1)のキャリアセンスレベルを設定するように制御することになる。なお、無線基地局(AP1)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA2)を特定する際の特定方法は、特に限定するものではなく、無線基地局(AP1)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA2)を特定することが可能であれば、あらゆる方法を適用することは可能である。
次に、本実施形態における無線通信システムの第2の特徴について説明する。
本実施形態における無線通信システムは、図11に示すように、無線基地局(AP2)と、その無線基地局(AP2)に帰属している複数の帰属無線端末装置(STA5〜7)と、を有して構成される。
そして、無線基地局(AP2)は、無線基地局(AP2)から最も距離が離れている帰属無線端末装置(例えば、STA7)との間の電波受信電力と、各帰属無線端末装置(STA5〜7)と無線基地局(AP2)との間の電波受信電力と、を加算した加算電波受信電力を各帰属無線端末装置(STA5〜7)毎に算出する。そして、無線基地局(AP2)は、各帰属無線端末装置(STA5〜7)毎に算出した加算電波受信電力を、無線送信中の無線装置が存在するか否かの判断基準となるキャリアセンスレベルとして各帰属無線端末装置(STA5〜7)に設定することを特徴とする。
これにより、同一の無線基地局(AP2)に帰属している帰属無線端末装置(STA5〜7)同士が隠れ端末にならない中で、できるだけ大きい電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することが可能となるため、不必要に小さな電波受信電力で、不必要に広いエリアのキャリアセンスを行うことがないため、同一の無線基地局(AP2)に帰属している帰属無線端末装置(STA5〜7)同士が隠れ端末になることを防ぎつつ、晒し端末問題も低減化することが可能となる。
また、無線基地局(AP2)と、その無線基地局(AP2)に帰属している帰属無線端末装置(STA5〜7)と、が存在する無線環境下において、隠れ端末を回避できる最適なキャリアセンスレベルに設定することになるため、無線障害物の影響等、無線環境下に応じて、電波受信電力が異なっていても、隠れ端末問題を回避することが可能となる。
なお、上述した最も距離が離れている帰属無線端末装置(例えば、STA7)は、上述した図11に示す無線基地局(AP2)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(例えば、STA6)に変更することも可能である。この場合、無線基地局(AP2)が、その無線基地局(AP2)と帰属している各帰属無線端末装置(STA5〜7)の通信状態を取得し、該取得した各帰属無線端末装置(STA5〜7)の通信状態を基に、無線基地局(AP2)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(例えば、STA6)を特定し、上述した最も距離が離れている帰属無線端末装置(例えば、STA7)を、無線基地局(AP2)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA6)に変更し、その無線基地局(AP2)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA6)との間の電波受信電力を基に、各帰属無線端末装置(STA5〜7)のキャリアセンスレベルを設定するように制御することになる。なお、無線基地局(AP2)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA6)を特定する際の特定方法は、特に限定するものではなく、無線基地局(AP2)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA6)を特定することが可能であれば、あらゆる方法を適用することは可能である。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態における無線通信システムについて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照しながら、本実施形態における無線通信システムのシステム構成について説明する。
本実施形態における無線通信システムは、図1に示すように、無線基地局(AP1)と、複数の無線端末装置(STA1〜3)と、を有して構成される。なお、図1では、複数の無線端末装置(STA1〜3)は、無線基地局(AP1)に帰属しているものとする。このため、無線基地局(AP1)は、無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)の情報を管理することが可能となる。
なお、図1に示す無線通信システムにおいて、無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1)間の距離をrとし、無線端末装置(STA1)−無線端末装置(STA2)間の距離をd12とし、無線端末装置(STA1)−無線端末装置(STA3)間の距離をd13とする。
また、図1に示す無線通信システムにおいて、無線基地局(AP1)から最も距離が離れている無線端末装置は、無線端末装置(STA1)であり、無線端末装置(STA1)から最も距離が離れている無線端末装置は、無線端末装置(STA3)であり、無線端末装置(STA2)から最も距離が離れている無線端末装置は、無線端末装置(STA1)であり、無線端末装置(STA3)から最も距離が離れている無線端末装置は、無線端末装置(STA1)である。
<無線基地局AP1の内部構成>
次に、図2を参照しながら、図1に示す無線通信システムを構成する無線基地局(AP1)の内部構成について詳細に説明する。
本実施形態における無線基地局(AP1)は、無線送信部(100)と、無線受信部(101)と、電波受信電力測定部(102)と、制御部(103)と、電波受信電力記憶部(104)と、最小電波受信電力判定部(105)と、キャリアセンス部(106)と、キャリアセンスレベル設定部(107)と、を有して構成される。
無線送信部(100)は、無線基地局(AP1)から無線端末装置(STA1〜3)に送信する送信データを、無線信号に変換し、電波送信を行うための機能部である。
無線受信部(101)は、無線端末装置(STA1〜3)から無線基地局(AP1)が受信した無線信号を、受信データに変換し、制御部(103)に送信するための機能部である。
電波受信電力測定部(102)は、無線端末装置(STA1〜3)から無線基地局(AP1)が受信した無線信号の電波受信電力を測定するための機能部であり、無線端末装置(STA1〜3)から無線基地局(AP1)が受信した無線信号の電波が、無線基地局(AP1)において、どの程度の電力で受信されているかを測定することになる。
制御部(103)は、無線基地局(AP1)の各機能を統括して制御するための機能部である。
電波受信電力記憶部(104)は、無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力情報、無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力情報を記憶するための機能部である。なお、電波受信電力記憶部(104)は、図3に示す管理テーブルを用いて電波受信電力情報を管理することになる。
図3に示す管理テーブルは、各無線装置(無線基地局、無線端末装置)が、他の無線装置(無線基地局、無線端末装置)から受信した無線信号の電波受信電力を管理するためのものであり、例えば、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA1)から受信した無線信号の電波受信電力が−65dBmであり、無線端末装置(STA2)から受信した無線信号の電波受信電力が−50dBmであり、無線端末装置(STA3)から受信した無線信号の電波受信電力が−60dBmであることを示す電波受信電力情報を図3に示す管理テーブルにて管理することになる。また、無線端末装置(STA1)は、無線基地局(AP1)から受信した無線信号の電波受信電力が−65dBmであり、無線端末装置(STA2)から受信した無線信号の電波受信電力が−60dBmであり、無線端末装置(STA3)から受信した無線信号の電波受信電力が−70dBmであることを示す電波受信電力情報を図3に示す管理テーブルにて管理することになる。
このように、無線基地局(AP1)は、無線基地局(AP1)と、無線基地局(AP1)に帰属している各無線端末装置(STA1〜3)と、の電波受信電力情報を図3に示す管理テーブルにて管理することで、無線基地局(AP1)は、無線基地局(AP1)と、その無線基地局(AP1)に帰属している各無線端末装置(STA1〜3)と、の電波受信電力を把握することが可能となる。
最小電波受信電力判定部(105)は、電波受信電力記憶部(104)に記憶した無線基地局(AP1)、及び、各無線端末装置(STA1〜3)の最小電波受信電力を判定するための機能部である。なお、最小電波受信電力判定部(105)は、図3に示す管理テーブルにて管理されている電波受信電力情報を基に、最小電波受信電力を判定することになり、例えば、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA1)から受信した無線信号の電波受信電力が−65dBmであり、無線端末装置(STA2)から受信した無線信号の電波受信電力が−50dBmであり、無線端末装置(STA3)から受信した無線信号の電波受信電力が−60dBmであるため、最小電波受信電力判定部(105)は、無線基地局(AP1)における最小電波受信電力は、−65dBmと判定することになる。この判定結果は、無線基地局(AP1)における最小電波受信電力として電波受信電力記憶部(104)に格納され、図3に示す管理テーブルにて管理されることになる。
キャリアセンス部(106)は、無線基地局(AP1)が無線送信を行う際に、他に同じ周波数の電波を送信している無線送信中の無線装置が存在するか否かを検出するための機能部である。なお、本実施形態における無線基地局(AP1)は、キャリアセンス部(106)の検出結果に応じてデータ送信を制御することになり、無線基地局(AP1)は、無線送信中の無線装置が存在する場合には、データ送信を停止し、無線送信中の無線装置が存在しない場合には、データ送信を行うことになる。これにより、無線衝突を回避しながら無線通信を行うことが可能となる。
キャリアセンスレベル設定部(107)は、最小電波受信電力判定部(105)において判定した無線基地局(AP1)における最小電波受信電力を、無線基地局(AP1)のキャリアセンスレベルとしてキャリアセンス部(106)に設定するための機能部である。これにより、キャリアセンス部(106)は、キャリアセンスレベル設定部(107)により設定されたキャリアセンスレベルと、電波受信電力測定部(102)において測定した電波受信電力と、を比較し、電波受信電力測定部(102)において測定した電波受信電力がキャリアセンスレベル以上であれば、他に同じ周波数の電波を送信している無線送信中の無線装置が存在すると判断し、電波受信電力測定部(102)において測定した電波受信電力がキャリアセンスレベル未満であれば、他に同じ周波数の電波を送信している無線送信中の無線装置が存在しないと判断することになる。
<無線端末装置STA1〜3の内部構成>
次に、図4を参照しながら、本実施形態における無線端末装置(STA1〜3)の内部構成について詳細に説明する。
本実施形態における無線端末装置(STA1〜3)は、無線送信部(108)と、無線受信部(109)と、電波受信電力測定部(110)と、制御部(111)と、電波受信電力記憶部(112)と、キャリアセンス部(113)と、キャリアセンスレベル設定部(114)と、を有して構成される。
無線送信部(108)は、無線端末装置(STA1〜3)から無線基地局(AP1)または他の無線端末装置(STA1〜3)に送信する送信データを、無線信号に変換し、電波送信を行うための機能部である。
無線受信部(109)は、無線基地局(AP1)または他の無線端末装置(STA1〜3)から無線端末装置(STA1〜3)が受信した無線信号を、受信データに変換し、制御部(111)に送信するための機能部である。
電波受信電力測定部(110)は、無線基地局(AP1)または他の無線端末装置(STA1〜3)から無線端末装置(STA1〜3)が受信した無線信号の電波受信電力を測定するための機能部であり、無線基地局(AP1)または他の無線端末装置(STA1〜3)から無線端末装置(STA1〜3)が受信した無線信号の電波が、無線端末装置(STA1〜3)において、どの程度の電力で受信されているかを測定することになる。
制御部(111)は、無線無線端末(STA1〜3)の各機能を統括制御するための機能部である。
電波受信電力記憶部(112)は、無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力情報、無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力情報を記憶するための機能部である。
キャリアセンス部(113)は、無線端末装置(STA1〜3)が無線送信を行う際に、他に同じ周波数の電波を送信している無線送信中の無線装置が存在するか否かを検出するための機能部である。なお、本実施形態における無線端末装置(STA1〜3)は、キャリアセンス部(113)の検出結果に応じてデータ送信を制御することになり、無線端末装置(STA1〜3)は、無線送信中の無線装置が存在する場合には、データ送信を停止し、無線送信中の無線装置が存在しない場合には、データ送信を行うことになる。これにより、無線衝突を回避しながら無線通信を行うことが可能となる。
キャリアセンスレベル設定部(114)は、無線基地局(AP1)から通知された最小電波受信電力を、無線端末装置(STA1〜3)のキャリアセンスレベルとしてキャリアセンス部(113)に設定するための機能部である。これにより、キャリアセンス部(113)は、キャリアセンスレベル設定部(114)により設定されたキャリアセンスレベルと、電波受信電力測定部(110)において測定した電波受信電力と、を比較し、電波受信電力測定部(110)において測定した電波受信電力がキャリアセンスレベル以上であれば、他に同じ周波数の電波を送信している無線送信中の無線装置が存在すると判断し、電波受信電力測定部(110)において測定した電波受信電力がキャリアセンスレベル未満であれば、他に同じ周波数の電波を送信している無線送信中の無線装置が存在しないと判断することになる。
次に、図5〜図7を参照しながら、図1に示す本実施形態の無線通信システムにおける一連の制御動作について説明する。なお、図5〜図7は、無線基地局(AP1)と無線端末装置(STA1〜3)とが連携し、キャリアセンスレベルを設定するまでの動作シーケンスを示す図である。まず、図5〜図7に示す動作シーケンスに用いられる各信号について説明する。
S1、S6、S11の電波送信要求信号は、電波受信電力測定用の無線信号(S2、S7、S12の電波受信電力測定用信号)を各無線端末装置(STA1〜3)に送信させるための信号であり、無線基地局(AP1)が無線端末装置(STA1〜3)に送信する。
なお、無線基地局(AP1)は、電波送信要求信号をブロードキャストで送信することになるため、1回の送信で無線基地局(AP1)に帰属している全ての無線端末装置(STA1〜3)が電波送信要求信号を受信することになる。また、電波送信要求信号には、電波受信電力測定用信号の送信を行う無線端末装置を指定するための無線端末アドレスが含まれており、電波送信要求信号を受信した各無線端末装置(STA1〜3)は、その電波送信要求信号に含まれる無線端末アドレスに該当する無線端末装置と判断した場合には、電波受信電力測定用信号の送信を実行することになり、無線端末アドレスに該当しない無線端末装置と判断した場合には、無線端末アドレスに該当する無線端末装置から送信される電波受信電力測定用信号の受信のみを行い、その受信した電波受信電力測定用信号の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力と、電波受信電力測定用信号を送信した送信元の無線端末装置を特定するための送信元端末アドレスと、を関連づけて電波受信電力記憶部(112)に記憶する処理を実行することになる。
また、電波送信要求信号には、指定時間が含まれており、無線端末アドレスに該当する無線端末装置は、電波送信要求信号を受信した後に、その指定時間だけ電波受信電力測定用信号の送信を実行することになり、無線端末アドレスに該当しない無線端末装置は、電波送信要求信号を受信した後に、その指定時間の間は、無線送信を行わず、電波受信電力測定用信号の受信のみを行い、その指定時間の間に受信した電波受信電力測定用信号の平均電波受信電力を算出することになる。
S2、S7、S12の電波受信電力測定用信号は、電波受信電力測定用の無線信号であり、各無線端末装置(STA1〜3)が送信する。
なお、各無線端末装置(STA1〜3)は、電波受信電力測定用信号をブロードキャストで送信することになるため、1回の送信で無線基地局(AP1)及び電波受信電力測定用信号を送信した無線端末装置以外の他の全ての無線端末装置が電波受信電力測定用信号を受信することになる。また、電波受信電力測定用信号には、その電波受信電力測定用信号を送信した送信元の無線端末装置を特定するための送信元無線端末アドレスが含まれている。
S16、S18、S20の電波受信電力送付要求信号は、各無線端末装置(STA1〜3)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1〜3)間、及び、無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力情報を収集するための信号であり、無線基地局(AP1)が無線端末装置(STA1〜3)に送信する。
S17、S19、S21の電波受信電力送付応答信号は、各無線端末装置(STA1〜3)がそれぞれ電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力情報を、無線基地局(AP1)に送付するための信号であり、各無線端末装置(STA1〜3)が無線基地局(AP1)に送信する。
S23、S25、S27のキャリアセンスレベル設定信号は、無線基地局(AP1)が各無線端末装置(STA1〜3)毎に特定した最小電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして各無線端末装置(STA1〜3)に設定するように指示するための信号であり、無線基地局(AP1)が各無線端末装置(STA1〜3)に送信する。なお、キャリアセンスレベル設定信号には、最小電波受信電力と、その最小電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして設定する無線端末装置を指定するための無線端末アドレスと、が含まれており、キャリアセンスレベル設定信号を受信した各無線端末装置(STA1〜3)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスに該当する無線端末装置と判断した場合に、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる最小電波受信電力を、新しいキャリアセンスレベルとして設定することになる。
次に、図5〜図7を参照しながら、本実施形態の無線通信システムにおいてキャリアセンスレベルを設定する際の一連の制御動作について詳細に説明する。
まず、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA1)を指定した無線端末アドレスと、指定時間と、の情報を含む電波送信要求信号を送信する(ステップS1)。
電波送信要求信号を受信した無線端末装置(STA1)は、その電波送信要求信号に含まれる指定時間だけ、電波受信電力測定用信号の送信を実行することになる(ステップS2)。
無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA1)から送信される電波受信電力測定用信号の電波受信電力を電波受信電力測定部(102)において測定し、その電波受信電力測定部(102)において測定した電波受信電力の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を、送信元無線端末アドレス(無線端末装置STA1)と、関連づけて電波受信電力記憶部(104)に記憶する(ステップS3)。
また、電波送信要求信号を受信した無線端末装置(STA2、3)は、無線基地局(AP1)と同様に、無線端末装置(STA1)から送信される電波受信電力測定用信号の電波受信電力を電波受信電力測定部(110)において測定し、その電波受信電力測定部(110)において測定した電波受信電力の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を、送信元無線端末アドレス(無線端末装置STA1)と、関連づけて電波受信電力記憶部(112)に記憶する(ステップS4、S5)。
次に、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA2)を指定した無線端末アドレスと、指定時間と、の情報を含む電波送信要求信号を送信する(ステップS6)。
電波送信要求信号を受信した無線端末装置(STA2)は、その電波送信要求信号に含まれる指定時間だけ、電波受信電力測定用信号の送信を実行することになる(ステップS7)。
無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA2)から送信される電波受信電力測定用信号の電波受信電力を電波受信電力測定部(102)において測定し、その電波受信電力測定部(102)において測定した電波受信電力の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を、送信元無線端末アドレス(無線端末装置STA2)と、関連づけて電波受信電力記憶部(104)に記憶する(ステップS8)。
また、電波送信要求信号を受信した無線端末装置(STA1、3)は、無線基地局(AP1)と同様に、無線端末装置(STA2)から送信される電波受信電力測定用信号の電波受信電力を電波受信電力測定部(110)において測定し、その電波受信電力測定部(110)において測定した電波受信電力の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を、送信元無線端末アドレス(無線端末装置STA2)と、関連づけて電波受信電力記憶部(112)に記憶する(ステップS9、S10)。
次に、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA3)を指定した無線端末アドレスと、指定時間と、の情報を含む電波送信要求信号を送信する(ステップS11)。
電波送信要求信号を受信した無線端末装置(STA3)は、その電波送信要求信号に含まれる指定時間だけ、電波受信電力測定用信号の送信を実行することになる(ステップS12)。
無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA3)から送信される電波受信電力測定用信号の電波受信電力を電波受信電力測定部(102)において測定し、その電波受信電力測定部(102)において測定した電波受信電力の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を、送信元無線端末アドレス(無線端末装置STA3)と、関連づけて電波受信電力記憶部(104)に記憶する(ステップS13)。
また、電波送信要求信号を受信した無線端末装置(STA1、2)は、無線基地局(AP1)と同様に、無線端末装置(STA3)から送信される電波受信電力測定用信号の電波受信電力を電波受信電力測定部(110)において測定し、その電波受信電力測定部(110)において測定した電波受信電力の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を、送信元無線端末アドレス(無線端末装置STA3)と、関連づけて電波受信電力記憶部(112)に記憶する(ステップS14、S15)。
なお、無線端末装置(STA1〜3)は、無線基地局(AP1)から送信される電波送信要求信号の電波受信電力を電波受信電力測定部(110)において測定し、その電波受信電力測定部(110)において測定した電波受信電力の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を、送信元無線基地局アドレス(無線基地局AP1)と、関連づけて電波受信電力記憶部(112)に記憶することになる。これにより、無線基地局(AP1)に帰属している各無線端末装置(STA1〜3)は、無線基地局(AP1)から送信される最新の電波送信要求信号(本実施形態ではS11の電波送信要求信号)の平均電波受信電力を、送信元無線基地局アドレス(無線基地局AP1)と、関連づけて電波受信電力記憶部(112)に記憶することになる。
以上の一連の処理により、無線基地局(AP1)は、無線基地局(AP1)に帰属している全ての無線端末装置(STA1〜3)に対し、無線端末アドレスと指定時間との情報を含む電波送信要求信号を送信し、無線端末アドレスに該当する無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を指定時間の間実行させ、無線端末アドレスに該当しない無線端末装置には、その無線端末アドレスに該当する無線端末装置が送信する電波受信電力測定用の無線信号を受信し、該受信した無線信号の電波受信電力測定を指定時間の間実行させることになる。
これにより、無線基地局(AP1)は、各無線端末装置(STA1〜3)から送信される電波受信電力測定用の無線信号を受信し、無線端末装置(STA1〜3)−無線基地局(AP1)間の電波受信電力を測定し、その測定した電波受信電力を電波受信電力記憶部(104)に記憶することになる。また、無線端末装置(STA1〜3)は、各無線端末装置(STA1〜3)から送信される電波受信電力測定用の無線信号を受信し、無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力を測定し、その測定した電波受信電力を電波受信電力記憶部(112)に記憶すると共に、無線基地局(AP1)から送信される電波送信要求信号を受信し、無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力を測定し、その測定した電波受信電力を電波受信電力記憶部(112)に記憶することになる。
次に、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA1)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を収集するために、無線端末装置(STA1)に対し、電波受信電力送付要求信号を送信する(ステップS16)。
電波受信電力送付要求信号を受信した無線端末装置(STA1)は、電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を読み出し、該読み出した電波受信電力を含む電波受信電力送付応答信号を無線基地局(AP1)に送信する。これにより、無線端末装置(STA1)は、電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を無線基地局(AP1)に送付することになる(ステップS17)。
また、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA2)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を収集するために、無線端末装置(STA2)に対し、電波受信電力送付要求信号を送信する(ステップS18)。
電波受信電力送付要求信号を受信した無線端末装置(STA2)は、電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を読み出し、該読み出した電波受信電力を含む電波受信電力送付応答信号を無線基地局(AP1)に送信する。これにより、無線端末装置(STA2)は、電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を無線基地局(AP1)に送付することになる(ステップS19)。
また、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA3)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を収集するために、無線端末装置(STA3)に対し、電波受信電力送付要求信号を送信する(ステップS20)。
電波受信電力送付要求信号を受信した無線端末装置(STA3)は、電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を読み出し、該読み出した電波受信電力を含む電波受信電力送付応答信号を無線基地局(AP1)に送信する。これにより、無線端末装置(STA3)は、電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力を無線基地局(AP1)に送付することになる(ステップS21)。
以上の一連の処理により、無線基地局(AP1)は、無線基地局(AP1)に帰属している全ての無線端末装置(STA1〜3)の電波受信電力記憶部(112)に記憶されている電波受信電力を無線端末装置(STA1〜3)毎に収集し、その各無線端末装置(STA1〜3)毎に収集した電波受信電力を電波受信電力記憶部(104)に各無線端末装置(STA1〜3)毎に記憶することになり、図3に示す情報が電波受信電力記憶部(104)に記憶されることになる。
次に、無線基地局(AP1)は、無線基地局(AP1)自身のキャリアセンスレベルを決定するため、電波受信電力記憶部(104)に記憶した図3に示す電波受信電力情報を基に、無線基地局(AP1)において測定した各無線端末装置(STA1〜3)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を、最小電波受信電力判定部(105)において判定する。
なお、本実施形態では、無線端末装置(STA1)の電波受信電力である−65dBmが最小電波受信電力となる。無線基地局(AP1)は、この−65dBmを無線基地局(AP1)の新しいキャリアセンスレベルとして、キャリアセンスレベル設定部(107)によりキャリアセンス部(106)に設定する(ステップS22)。
また、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA1)のキャリアセンスレベルを決定するため、電波受信電力記憶部(104)に記憶した図3に示す電波受信電力情報を基に、無線端末装置(STA1)において測定した無線基地局(AP1)及び無線端末装置(STA2、3)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を、最小電波受信電力判定部(105)において判定する。
なお、本実施形態では、無線端末装置(STA3)の電波受信電力である−70dBmが最小電波受信電力となる。無線基地局(AP1)は、この−70dBmを無線端末装置(STA1)の新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA1)に設定するように指示するため、無線基地局(AP1)は、無線端末アドレス(無線端末装置STA1)と、最小電波受信電力値(−70dBm)と、の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA1)に送信する(ステップS23)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA1)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA1)に該当すると判断した際に、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる最小電波受信電力値(−70dBm)を、新しいキャリアセンスレベルとしてキャリアセンスレベル設定部(114)によりキャリアセンス部(113)に設定する(ステップS24)。
また、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA2)のキャリアセンスレベルを決定するため、電波受信電力記憶部(104)に記憶した図3に示す電波受信電力情報を基に、無線端末装置(STA2)において測定した無線基地局(AP1)及び無線端末装置(STA1、3)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を、最小電波受信電力判定部(105)において判定する。
なお、本実施形態では、無線端末装置(STA1)の電波受信電力である−60dBmが最小電波受信電力となる。無線基地局(AP1)は、この−60dBmを無線端末装置(STA2)の新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA2)に設定するように指示するため、無線基地局(AP1)は、無線端末アドレス(無線端末装置STA2)と、最小電波受信電力値(−60dBm)と、の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA2)に送信する(ステップS25)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA2)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA2)に該当すると判断した際に、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる最小電波受信電力値(−60dBm)を、新しいキャリアセンスレベルとしてキャリアセンスレベル設定部(114)によりキャリアセンス部(113)に設定する(ステップS26)。
また、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA3)のキャリアセンスレベルを決定するため、電波受信電力記憶部(104)に記憶した図3に示す電波受信電力情報を基に、無線端末装置(STA3)において測定した無線基地局(AP1)及び無線端末装置(STA1、2)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を、最小電波受信電力判定部(105)において判定する。
なお、本実施形態では、無線端末装置(STA1)の電波受信電力である−70dBmが最小電波受信電力となる。無線基地局(AP1)は、この−70dBmを無線端末装置(STA3)の新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA3)に設定するように指示するため、無線基地局(AP1)は、無線端末アドレス(無線端末装置STA3)と、最小電波受信電力値(−70dBm)と、の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA3)に送信する(ステップS27)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA3)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA3)に該当すると判断した際に、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる最小電波受信電力値(−70dBm)を、新しいキャリアセンスレベルとしてキャリアセンスレベル設定部(114)によりキャリアセンス部(113)に設定する(ステップS28)。
以上の一連の処理動作により、無線基地局(AP1)、無線端末装置(STA1〜3)は、無線基地局(AP1)において各装置(無線基地局AP1、無線端末装置STA1〜3)毎に特定した最小電波受信電力を各装置(無線基地局AP1、無線端末装置STA1〜3)の新しいキャリアセンスレベルとして設定することになる。
なお、無線基地局(AP1)で新しく設定されたキャリアセンスレベルは、無線基地局(AP1)から見て最も距離が離れている無線端末装置(STA1)から受信した無線信号の電波受信電力であり、図1に示す無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1)間の距離rの電波受信電力を示す。このため、無線基地局(AP1)のキャリアセンス範囲は、無線基地局(AP1)を中心とした、半径rの円に相当する。なお、この距離rは、無線基地局(AP1)が無線通信をカバーする範囲(セル)の半径として設計した値と一致したものとしている。
また、無線端末装置(STA1)で新しく設定されたキャリアセンスレベルは、無線端末装置(STA1)から見て最も距離が離れている無線端末装置(STA3)から受信した無線信号の電波受信電力であり、図1に示す無線端末装置(STA1)−無線端末装置(STA3)間の距離d13の電波受信電力を示す。このため、無線端末装置(STA1)のキャリアセンス範囲は、無線端末装置(STA1)を中心とした、半径d13の円に相当する。
また、無線端末装置(STA2)で新しく設定されたキャリアセンスレベルは、無線端末装置(STA2)から見て最も距離が離れている無線端末装置(STA1)から受信した無線信号の電波受信電力であり、図1に示す無線端末装置(STA2)−無線端末装置(STA1)間の距離d12の電波受信電力を示す。このため、無線端末装置(STA2)のキャリアセンス範囲は、無線端末装置(STA2)を中心とした、半径d12の円に相当する。
また、無線端末装置(STA3)で新しく設定されたキャリアセンスレベルは、無線端末装置(STA3)から見て最も距離が離れている無線端末装置(STA1)から受信した無線信号の電波受信電力であり、図1に示す無線端末装置(STA3)−無線端末装置(STA1)間の距離d13の電波受信電力を示す。このため、無線端末装置(STA3)のキャリアセンス範囲は、無線端末装置(STA3)を中心とした、半径d13の円に相当する(なお、無線基地局AP1、無線端末装置STA1、2と同様であるため図1には図示していない)。
なお、図1に示す、無線端末装置(STA1)のキャリアセンス範囲について、従来の無線基地局(AP1)のセルの直径(2r)を半径としたキャリアセンス範囲と、本実施形態のキャリアセンスレベル設定方法により設定された距離d13を半径としたキャリアセンス範囲と、を比較すると、本実施形態では、『隠れ端末問題』を解決した上で、できるだけ大きい電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することが可能となるため、従来のキャリアセンス範囲(2r)よりも狭くすることが可能となる。その結果、『晒し端末問題』を引き起こす電波送信源の存在確率も低減することが可能となるため、『隠れ端末問題』を回避した上で、『晒し端末問題』も低減することが可能となる。
このように、本実施形態における無線通信システムは、無線基地局(AP1)は、その無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)を管理し、特定の無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号(電波受信電力測定用信号)の送信を実行させ、特定の無線端末装置以外の無線端末装置には、特定の無線端末装置が送信する電波受信電力測定用の無線信号を受信し、該受信した無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、その無線基地局(AP1)と帰属している各無線端末装置(STA1〜3)に送信する。そして、各無線端末装置(STA1〜3)は、無線基地局(AP1)から送信される電波送信要求信号を受信した際に、電波送信要求信号の電波受信電力を測定すると共に、特定の無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、特定の無線端末装置が送信する電波受信電力測定用の無線信号を受信し、該受信した無線信号の電波受信電力測定を行うことになる。
次に、無線基地局(AP1)は、各無線端末装置(STA1〜3)において電波送信要求信号を受信した際に測定される電波受信電力と、電波受信電力測定を実行した際に測定される電波受信電力と、の複数の電波受信電力を、各無線端末装置(STA1〜3)毎に収集し、その各無線端末装置(STA1〜3)毎に収集した複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を各無線端末装置(STA1〜3)毎に選定し、無線端末装置(STA1〜3)と、該無線端末装置(STA1〜3)から最も距離が離れている他の無線端末装置(STA1〜3)または無線基地局(AP1)と、の間の電波受信電力を各無線端末装置(STA1〜3)毎に特定する。例えば、帰属無線端末装置がSTA1の場合には、帰属無線端末装置(STA1)と、該帰属無線端末装置(STA1)から最も距離が離れている他の帰属無線端末装置(STA3)と、の間の電波受信電力を特定することになる。
そして、無線基地局(AP1)は、各無線端末装置(STA1〜3)毎に特定した電波受信電力を各無線端末装置(STA1〜3)における新たなキャリアセンスレベルとして各無線端末装置(STA1〜3)に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、各無線端末装置(STA1〜3)に送信し、各無線端末装置(STA1〜3)は、無線基地局(AP1)から送信されるキャリアセンスレベル設定信号を受信することで、無線基地局(AP1)において各無線端末装置(STA1〜3)毎に特定した電波受信電力を新たなキャリアセンスレベルとして設定することになる。
なお、無線端末装置(STA1〜3)同士の無線信号の送受信において、その無線信号の電波受信電力が弱い場合には、その無線信号の電波受信電力を測定することは可能であるが、その無線信号の通信内容を解読することができない場合がある。この場合、無線端末装置(STA1〜3)は、その無線信号の送信元の無線端末アドレスを特定することができないため、無線端末装置(STA1〜3)が測定した電波受信電力が、同じ無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)から送信された無線信号の電波受信電力なのか、あるいは、同じ無線基地局(AP1)に帰属していない他の無線装置等から送信された無線信号の電波受信電力なのかを判別することができないことになる。なお、同じ無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)から送信された無線信号か否かを判別する必要がある理由は、同じ無線基地局(AP1)に帰属する無線端末装置(STA1〜3)同士が、隠れ端末の位置に存在するとき、最も無線衝突が起こり易く、スループット低下等の問題が大きくなるためである。
このため、本実施形態では、無線基地局(AP1)が、特定の無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号(電波受信電力測定用信号)の送信を実行させ、特定の無線端末装置以外の無線端末装置には、特定の無線端末装置が送信する電波受信電力測定用の無線信号を受信し、該受信した無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、その無線基地局(AP1)と帰属している各無線端末装置(STA1〜3)に送信することで、その無線基地局(AP1)に帰属している各無線端末装置(STA1〜3)は、無線基地局(AP1)から電波送信要求信号を受信した際に、電波送信要求信号の電波受信電力を測定すると共に、特定の無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、特定の無線端末装置が送信する電波受信電力測定用の無線信号を受信し、該受信した無線信号の電波受信電力測定を行うことになるため、各無線端末装置(STA1〜3)は、同じ無線基地局(AP1)に帰属している各無線端末装置(STA1〜3)から受信した無線信号の電波受信電力を、その無線信号の送信元の無線端末装置を特定しつつ測定することが可能となるため、各無線端末装置(STA1〜3)は、同一の無線基地局(AP1)に帰属している各無線端末装置(STA1〜3)同士が隠れ端末にならない中で、できるだけ大きい電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することが可能となる。従って、不必要に小さな電波受信電力で、不必要に広いエリアのキャリアセンスを行うことがないため、同一の無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)同士が隠れ端末になることを防ぎつつ、晒し端末問題も低減化することが可能となる。
また、無線基地局(AP1)と、その無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)と、が存在する無線環境下において、無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1〜3)間、及び、無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力を測定し、隠れ端末を回避できる最適なキャリアセンスレベルに設定することになるため、無線障害物の影響など、無線環境下に応じて電波受信電力が異なっていても、隠れ端末問題を回避することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態における無線通信システムでは、無線基地局(AP1)が、その無線基地局(AP1)に帰属している各無線端末装置(STA1〜3)の電波受信電力記憶部(112)に記憶されている電波受信電力を各無線端末装置(STA1〜3)毎に収集し、その各無線端末装置(STA1〜3)毎に収集した電波受信電力を基に、各無線端末装置(STA1〜3)における最小電波受信電力を最小電波受信電力判定部(105)において各無線端末装置(STA1〜3)毎に判定し、その各無線端末装置(STA1〜3)毎に判定した最小電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして各無線端末装置(STA1〜3)に無線基地局(AP1)が設定することにした。
第2の実施形態における無線通信システムは、無線基地局(AP1)に搭載した最小電波受信電力判定部(105)の機能を、各無線端末装置(STA1〜3)に搭載し、各無線端末装置(STA1〜3)自身が、各無線端末装置(STA1〜3)の電波受信電力記憶部(112)に記憶されている電波受信電力を基に、最小電波受信電力を判定し、該判定した最小電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして設定することを特徴とするものである。以下、図8〜図10を参照しながら、第2の実施形態における無線通信システムの一連の処理動作について説明する。
まず、図8、図9に示す第2の実施形態の無線通信システムにおけるステップA1〜ステップA15までの一連の処理は、図5、図6に示す第1の実施形態の無線通信システムにおけるステップS1〜ステップS15までの一連の処理と同様に行うことになる。
これにより、無線基地局(AP1)は、無線基地局(AP1)に帰属している各無線端末装置(STA1〜3)に対し、無線端末アドレスと指定時間との情報を含む電波送信要求信号を送信し、無線端末アドレスに該当する無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を指定時間の間実行させ、無線端末アドレスに該当しない無線端末装置には、その無線端末アドレスに該当する無線端末装置が送信する電波受信電力測定用の無線信号を受信し、該受信した無線信号の電波受信電力測定を指定時間の間実行させることになり、無線基地局(AP1)は、各無線端末装置(STA1〜3)から送信される電波受信電力測定用の無線信号を受信し、無線端末装置(STA1〜3)−無線基地局(AP1)間の電波受信電力情報を測定し、その測定した電波受信電力情報を電波受信電力記憶部(104)に記憶することになる。
また、無線端末装置(STA1〜3)は、各無線端末装置(STA1〜3)から送信される電波受信電力測定用の無線信号を受信し、無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力情報を測定し、その測定した電波受信電力情報を電波受信電力記憶部(112)に記憶すると共に、無線基地局(AP1)から送信される電波送信要求信号を受信し、無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力情報を測定し、その測定した電波受信電力情報を電波受信電力記憶部(112)に記憶することになる。
次に、図10に示すように、無線基地局(AP1)は、無線基地局(AP1)自身のキャリアセンスレベルを決定するため、無線基地局(AP1)が電波受信電力記憶部(104)に記憶した各無線端末装置(STA1〜3)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を、最小電波受信電力判定部(105)において判定する。
なお、本実施形態では、無線端末装置(STA1)の電波受信電力である−65dBmが最小電波受信電力となる。無線基地局(AP1)は、この−65dBmを無線基地局(AP1)の新しいキャリアセンスレベルとして、キャリアセンスレベル設定部(107)によりキャリアセンス部(106)に設定する(ステップA16)。
また、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA1)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力の中で、最小電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA1)に設定するように指示するため、無線端末アドレス(無線端末装置STA1)の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA1)に送信する(ステップA17)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA1)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA1)に該当すると判断した際に、無線端末装置(STA1)は、無線端末装置(STA1)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した無線基地局(AP1)及び無線端末装置(STA2、3)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を判定する。
なお、本実施形態では、無線端末装置(STA3)の電波受信電力である−70dBmが最小電波受信電力となる。無線端末装置(STA1)は、この−70dBmを無線端末装置(STA1)の新しいキャリアセンスレベルとしてキャリアセンスレベル設定部(114)によりキャリアセンス部(113)に設定することになる(ステップA18)。
また、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA2)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力の中で、最小電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA2)に設定するように指示するため、無線端末アドレス(無線端末装置STA2)の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA2)に送信する(ステップA19)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA2)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA2)に該当すると判断した際に、無線端末装置(STA2)は、無線端末装置(STA2)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した無線基地局(AP1)及び無線端末装置(STA1、3)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を判定する。
なお、本実施形態では、無線端末装置(STA1)の電波受信電力である−60dBmが最小電波受信電力となる。無線端末装置(STA2)は、この−60dBmを無線端末装置(STA2)の新しいキャリアセンスレベルとしてキャリアセンスレベル設定部(114)によりキャリアセンス部(113)に設定することになる(ステップA20)。
また、無線基地局(AP1)は、無線端末装置(STA3)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した電波受信電力の中で、最小電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA3)に設定するように指示するため、無線端末アドレス(無線端末装置STA3)の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA3)に送信する(ステップA21)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA3)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA3)に該当すると判断した際に、無線端末装置(STA3)は、無線端末装置(STA3)が電波受信電力記憶部(112)に記憶した無線基地局(AP1)及び無線端末装置(STA1、2)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を判定する。
なお、本実施形態では、無線端末装置(STA1)の電波受信電力である−70dBmが最小電波受信電力となる。無線端末装置(STA3)は、この−70dBmを無線端末装置(STA3)の新しいキャリアセンスレベルとしてキャリアセンスレベル設定部(114)によりキャリアセンス部(113)に設定することになる(ステップA22)。
以上の一連の処理動作により、無線基地局(AP1)、無線端末装置(STA1〜3)は、各装置(無線基地局AP1、無線端末装置STA1〜3)において測定した最小の電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして設定することになる。
このように、第2の実施形態における無線通信システムは、無線基地局(AP1)は、その無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)を管理し、特定の無線端末装置には、電波受信電力測定用の無線信号(電波受信電力測定用信号)の送信を実行させ、特定の無線端末装置以外の無線端末装置には、特定の無線端末装置が送信する電波受信電力測定用の無線信号を受信し、該受信した無線信号の電波受信電力測定を実行させるための電波送信要求信号を、その無線基地局(AP1)と帰属している全ての無線端末装置(STA1〜3)に送信する。そして、各無線端末装置(STA1〜3)は、電波送信要求信号を受信した際に、特定の無線端末装置に該当すると判断した場合には、電波受信電力測定用の無線信号の送信を行い、特定の無線端末装置以外に該当すると判断した場合には、特定の無線端末装置が送信する電波受信電力測定用の無線信号を受信し、該受信した無線信号の電波受信電力測定を行うことになる。
次に、無線基地局(AP1)は、各無線端末装置(STA1〜3)において電波受信電力測定を実行した際に測定される複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を新たなキャリアセンスレベルとして各無線端末装置(STA1〜3)に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、その無線基地局(AP1)と帰属している各無線端末装置(STA1〜3)に送信する。そして、各無線端末装置(STA1〜3)は、キャリアセンスレベル設定信号を受信した際に、各無線端末装置(STA1〜3)において電波受信電力測定を実行した際に測定される複数の電波受信電力の中から最小の電波受信電力を選定し、該選定した最小の電波受信電力を新たなキャリアセンスレベルとして設定することになる。
これにより、第1の実施形態の無線通信システムと同様に、同一の無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)同士が隠れ端末にならない中で、できるだけ大きい電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することが可能となる。従って、不必要に小さな電波受信電力で、不必要に広いエリアのキャリアセンスを行うことがないため、同一の無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)同士が隠れ端末になることを防ぎつつ、晒し端末問題も低減化することが可能となる。
また、無線基地局(AP1)と、その無線基地局(AP1)に帰属している無線端末装置(STA1〜3)と、が存在する無線環境下において、無線基地局(AP1)−無線端末装置(STA1〜3)間、及び、無線端末装置(STA1〜3)間の電波受信電力を測定し、隠れ端末を回避できる最適なキャリアセンスレベルに設定することになるため、無線障害物の影響など、無線環境下に応じて電波受信電力が異なっていても、隠れ端末問題を回避することが可能となる。
また、第2の実施形態における無線通信システムは、無線基地局(AP1)からキャリアセンスレベル設定信号を受信した際に、各無線端末装置(STA1〜3)自身が、電波受信電力記憶部(112)に記憶されている電波受信電力を基に、最小電波受信電力を選定し、該選定した最小電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして設定することになるため、第1の実施形態における無線通信システムのように、無線基地局(AP1)が、その無線基地局(AP1)と帰属している全ての無線端末装置(STA1〜3)において測定される複数の電波受信電力を無線端末装置(STA1〜3)毎に収集し、その無線端末装置(STA1〜3)毎に収集した電波受信電力を基に、最小電波受信電力を各無線端末装置(STA1〜3)毎に選定し、その各無線端末装置毎に特定した最小電波受信電力を新たなキャリアセンスレベルとして各無線端末装置(STA1〜3)に設定する必要がないため、無線基地局(AP1)において行う処理を低減することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態における無線通信システムは、図11に示すように、無線基地局(AP2)と、その無線基地局(AP2)に帰属している複数の無線端末装置(STA5〜7)と、を有して構成される無線通信システムであり、無線基地局(AP2)は、無線基地局(AP2)から最も距離が離れている無線端末装置(STA7)との間の電波受信電力と、各無線端末装置(STA5〜7)と無線基地局(AP2)との間の電波受信電力と、を加算した加算電波受信電力を各無線端末装置(STA5〜7)毎に算出し、各無線端末装置(STA5〜7)毎に算出した加算電波受信電力を各無線端末装置(STA5〜7)における新たなキャリアセンスレベルとして各無線端末装置(STA5〜7)に設定することを特徴とするものである。
これにより、同一の無線基地局(AP2)に帰属している無線端末装置(STA5〜7)同士が隠れ端末にならない中で、できるだけ大きい電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することが可能となるため、不必要に小さな電波受信電力で、不必要に広いエリアのキャリアセンスを行うことがないため、同一の無線基地局(AP2)に帰属している無線端末装置(STA5〜7)同士が隠れ端末になることを防ぎつつ、晒し端末問題も低減化することが可能となる。また、無線基地局(AP2)と、その無線基地局(AP2)に帰属している無線端末装置(STA5〜7)と、が存在する無線環境下において、無線基地局(AP2)−無線端末装置(STA5〜7)間の電波受信電力を測定し、隠れ端末を回避できる最適なキャリアセンスレベルに設定することになるため、無線障害物の影響等、無線環境下に応じて、電波受信電力が異なっていても、隠れ端末問題を回避することが可能となる。以下、図11〜図13を参照しながら、第3の実施形態における無線通信システムについて詳細に説明する。
まず、図11を参照しながら、第3の実施形態における無線通信システムのシステム構成について説明する。
第3の実施形態における無線通信システムは、図11に示すように、無線基地局(AP2)と、複数の無線端末装置(STA5〜7)と、を有して構成される。なお、図11では、複数の端末装置(STA5〜7)は、無線基地局(AP2)に帰属しているものとする。
なお、図11に示す無線通信システムにおいて、無線基地局(AP2)−無線端末装置(STA5)間の距離をd45とし、無線基地局(AP2)−無線端末装置(STA6)間の距離をd46とし、無線基地局(AP2)−無線端末装置(STA7)間の距離をd47とする。なお、d47は、無線基地局(AP2)が無線通信をカバーする範囲(セル)の半径rと一致しているものとする。なお、本実施形態において無線基地局(AP2)が無線通信をカバーする範囲(セル)の半径rは固定の値とする。
次に、図12、図13を参照しながら、図11に示す第3の実施形態の無線通信システムにおける一連の制御動作について詳細に説明する。なお、図12、図13は、無線基地局(AP2)と無線端末装置(STA5〜7)とが連携し、キャリアセンスレベルを設定するまでの動作シーケンスを示す図である。まず、図12、図13に示す動作シーケンスに用いられる各信号について説明する。
S100、S102、S104の電波受信電力送付要求信号は、無線端末装置(STA5〜7)において算出した平均電波受信電力を無線基地局(AP2)が収集するための信号であり、無線基地局(AP2)が各無線端末装置(STA5〜7)に送信する。
S101、S103、S105の電波受信電力送付応答信号は、無線端末装置(STA5〜7)が、電波電力受信送付要求信号を受信した際に算出した平均電波受信電力を無線基地局(AP2)に通知するための信号であり、各無線端末装置(STA5〜7)が無線基地局(AP2)に送信する。
S106、S108、S110のキャリアセンスレベル設定信号は、各無線端末装置(STA5〜7)から通知された電波受信電力を基に無線基地局(AP2)において決定したキャリアセンスレベルを新しいキャリアセンスレベルとして各無線端末装置(STA5〜7)に設定するように指示するための信号であり、無線基地局(AP2)が各無線端末装置(STA5〜7)に送信する。
なお、キャリアセンスレベルは、図11に示すように、無線端末装置(STA5〜7)と無線基地局(AP2)とを直線で結び、その直線とセル範囲を示す円との交点の位置に無線端末装置が存在するとしても(この場合、無線端末装置間の距離が最も大きくなる)、キャリアセンスを行うことができるように決定する。つまり、無線端末装置(STA5)では、距離(r+d45)、無線端末装置(STA6)では、距離(r+d46)、無線端末装置(STA7)では、距離(r+d47)だけ伝搬した場合の電波受信電力をキャリアセンスレベルとする。これにより、従来のように、距離2rに相当したキャリアセンスレベルを常に固定に設定しなくても、キャリアセンスレベルを動的に変更し、上述した『隠れ端末問題』を回避することが可能となる。ただし、無線端末装置(STA5〜7)が無線基地局(AP2)のセル半径rの位置に存在する場合には、その無線端末装置(STA5〜7)のキャリアセンスレベルは、距離2r相当の電波受信電力となる。
次に、図12、図13を参照しながら、第3の実施形態の無線通信システムにおいてキャリアセンスレベルを設定する際の制御動作について詳細に説明する。
まず、無線基地局(AP2)は、無線端末装置(STA5)の電波受信電力を収集するため、無線端末装置(STA5)に対し、電波受信電力送付要求信号を送信する(ステップS100)。
電波受信電力送付要求信号を受信した無線端末装置(STA5)は、電波受信電力送付要求信号受信時の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を電波受信電力送付応答信号により無線基地局(AP2)に通知する(ステップS101)。
次に、無線基地局(AP2)は、無線端末装置(STA6)の電波受信電力を収集するため、無線端末装置(STA6)に対し、電波受信電力送付要求信号を送信する(ステップS102)。
電波受信電力送付要求信号を受信した無線端末装置(STA6)は、電波受信電力送付要求信号受信時の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を電波受信電力送付応答信号により無線基地局(AP2)に通知する(ステップS103)。
次に、無線基地局(AP2)は、無線端末装置(STA7)の電波受信電力を収集するため、無線端末装置(STA7)に対し、電波受信電力送付要求信号を送信する(ステップS104)。
電波受信電力送付要求信号を受信した無線端末装置(STA7)は、電波受信電力送付要求信号受信時の平均電波受信電力を算出し、その算出した平均電波受信電力を電波受信電力送付応答信号により無線基地局(AP2)に通知する(ステップS105)。
以上の一連の処理により、無線基地局(AP2)は、無線基地局(AP2)に帰属している各無線端末装置(STA5〜7)に対し、電波受信電力送付要求信号を送信し、無線基地局(AP2)に帰属している全ての無線端末装置(STA5〜7)は、電波受信電力送付要求信号を受信した際に算出した平均電波受信電力の情報を含む電波受信電力送付応答信号を無線基地局(AP2)に送信することになる。これにより、無線基地局(AP2)は、無線基地局(AP2)に帰属している全ての無線端末装置(STA5〜7)の電波受信電力を収集することになる。
次に、無線基地局(AP2)は、無線基地局(AP2)自身のキャリアセンスレベルを決定するため、無線基地局(AP2)に帰属している各無線端末装置(STA5〜7)から受信した電波受信電力を基に、各無線端末装置(STA5〜7)の電波受信電力を比較し、最も小さい最小電波受信電力を、無線基地局(AP2)の新しいキャリアセンスレベルとして設定する。なお、本実施形態の場合では、図11に示す無線基地局(AP2)−無線端末装置(STA7)間の距離d47の電波受信電力を無線基地局(AP2)の新しいキャリアセンスレベルとして設定することになる。なお、無線基地局(AP2)の新しいキャリアセンス範囲は、無線基地局(AP2)を中心とした半径rの円とする。
次に、無線基地局(AP2)は、無線端末装置(STA5)から収集した電波受信電力を基に、距離(r+d45)に相当した電波受信電力を算出する。無線基地局(AP2)は、その算出した電波受信電力の値を無線端末装置(STA5)の新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA5)に設定するように指示するため、無線基地局(AP2)は、無線端末アドレス(無線端末装置STA5)と、距離(r+d45)に相当した電波受信電力と、の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA5)に送信する(ステップS106)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA5)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA5)に該当すると判断した際に、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる距離(r+d45)に相当した電波受信電力を、新しいキャリアセンスレベルとして設定する(ステップS107)。
また、無線基地局(AP2)は、無線端末装置(STA6)から収集した電波受信電力を基に、距離(r+d46)に相当した電波受信電力を算出する。無線基地局(AP2)は、その算出した電波受信電力の値を無線端末装置(STA6)の新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA6)に設定するように指示するため、無線基地局(AP2)は、無線端末アドレス(無線端末装置STA6)と、距離(r+d46)に相当した電波受信電力と、の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA6)に送信する(ステップS108)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA6)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA6)に該当すると判断した際に、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる距離(r+d46)に相当した電波受信電力を、新しいキャリアセンスレベルとして設定する(ステップS109)。
また、無線基地局(AP2)は、無線端末装置(STA7)から収集した電波受信電力を基に、距離(r+d47)に相当した電波受信電力を算出する。無線基地局(AP2)は、その算出した電波受信電力の値を無線端末装置(STA7)の新しいキャリアセンスレベルとして無線端末装置(STA7)に設定するように指示するため、無線基地局(AP2)は、無線端末アドレス(無線端末装置STA7)と、距離(r+d47)に相当した電波受信電力と、の情報を含むキャリアセンスレベル設定信号を無線端末装置(STA7)に送信する(ステップS110)。
キャリアセンスレベル設定信号を受信した無線端末装置(STA7)は、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる無線端末アドレスが、無線端末装置(STA7)に該当すると判断した際に、そのキャリアセンスレベル設定信号に含まれる距離(r+d47)に相当した電波受信電力を、新しいキャリアセンスレベルとして設定する(ステップS111)。
以上の一連の処理動作により、無線基地局(AP2)に帰属している各無線端末装置(STA5〜7)は、無線基地局(AP2)において算出した新しいキャリアセンスレベルに設定することになり、無線端末装置(STA5)は、距離(r+d45)、無線端末装置(STA6)は、距離(r+d46)、無線端末装置(STA7)は、距離(r+d47)だけ伝搬した場合の電波受信電力を新しいキャリアセンスレベルとして設定することになる。これにより、従来のように、一定で距離2rに相当したキャリアセンスレベルに設定しなくても、キャリアセンスレベルを大きくし、上述した『隠れ端末問題』を回避することが可能となる。
このように、第3の実施形態における無線通信システムは、無線基地局(AP2)は、その無線基地局(AP2)に帰属している無線端末装置(STA5〜7)を管理し、各無線端末装置(STA5〜7)の電波受信電力を収集するための電波受信電力送付要求信号を各無線端末装置(STA5〜7)に送信し、各無線端末装置(STA5〜7)は、無線基地局(AP2)から電波受信電力送付要求信号を受信した際に、該受信した電波受信電力送付要求信号の電波受信電力を測定し、該測定した電波受信電力を無線基地局(AP2)に送付することで、無線基地局(AP2)は、各無線端末装置(STA5〜7)において測定した電波受信電力を各無線端末装置(STA5〜7)から収集することになる。
そして、無線基地局(AP2)は、各無線端末装置(STA5〜7)から収集した電波受信電力の中から最小の電波受信電力を選定し、その選定した最小の電波受信電力を、無線基地局(AP2)から最も距離が離れている無線端末装置との間の電波受信電力とし、無線基地局(AP2)の新しいキャリアセンスレベルとして設定する。そして、無線基地局(AP2)は、その無線基地局(AP2)の新しいキャリアセンスレベルとして設定した電波受信電力と、各無線端末装置(STA5〜7)から収集した電波受信電力と、を加算した加算電波受信電力を、各無線端末装置(STA5〜7)毎に算出する。
そして、無線基地局(AP2)は、各無線端末装置(STA5〜7)毎に算出した加算電波受信電力を各無線端末装置(STA5〜7)における新たなキャリアセンスレベルとして各無線端末装置(STA5〜7)に設定させるためのキャリアセンスレベル設定信号を、各無線端末装置(STA5〜7)に送信し、各無線端末装置(STA5〜7)は、無線基地局(AP2)からキャリアセンスレベル設定信号を受信することで、無線基地局(AP2)において各無線端末装置(STA5〜7)毎に算出した加算電波受信電力を新たなキャリアセンスレベルとして設定することになる。
これにより、同一の無線基地局(AP2)に帰属している無線端末装置(STA5〜7)同士が隠れ端末にならない中で、できるだけ大きい電波受信電力をキャリアセンスレベルとして設定することが可能となるため、不必要に小さな電波受信電力で、不必要に広いエリアのキャリアセンスを行うことがないため、同一の無線基地局(AP2)に帰属している無線端末装置(STA5〜7)同士が隠れ端末になることを防ぎつつ、晒し端末問題も低減化することが可能となる。
また、無線基地局(AP2)と、その無線基地局(AP2)に帰属している無線端末装置(STA5〜7)と、が存在する無線環境下において、無線基地局(AP2)−無線端末装置(STA5〜7)間の電波受信電力を測定し、隠れ端末を回避できる最適なキャリアセンスレベルに設定することになるため、無線障害物の影響など、無線環境下に応じて電波受信電力が異なっていても、隠れ端末問題を回避することが可能となる。
(実施例)
次に、上述した第1〜第3の実施形態における実施例について説明する。
(第1の実施例)
まず、図14、図15を参照しながら、第1の実施例について詳細に説明する。なお、図14は、無線基地局(AP)と、無線LAN(Local Area Network)端末装置(11〜13)と、を有して構成される無線通信システムであり、無線LAN端末装置(12、13)が既に無線基地局(AP)に帰属中に、新たな無線LAN端末装置(11)が無線基地局(AP)に帰属要求を行う場合の動作シーケンスである。
なお、図14では、第1、第2の実施形態で説明したキャリアセンスレベル設定方法を適用している。
まず、無線LAN端末装置(11)は、無線基地局(AP)に帰属するため、アソシエーション要求を送信する(ステップS200)。アソシエーション要求を受信した無線基地局(AP)は、無線LAN端末装置(11)に対し、アソシエーション応答を送信する(ステップS201)。
無線LAN端末装置(11)は、アソシエーション応答を受信すると、無線LAN端末装置(11)の無線基地局(AP)に対する帰属処理が完了する(ステップS202)。帰属処理が完了すると、無線基地局(AP)は、無線LAN端末装置(11)を、無線基地局(AP)において帰属している帰属無線端末装置として管理し、無線基地局(AP)は、上述した第1、第2の実施形態における制御動作を開始し、無線基地局(AP)及び無線LAN端末装置(11〜13)相互間の電波受信電力を収集し、無線LAN端末装置(11〜13)は、無線基地局(AP)から指示されたキャリアセンスレベルにそれぞれ設定することになる(ステップS203〜ステップS208)。
なお、図15は、無線基地局(AP)と無線LAN(Local Area Network)端末装置(11〜13)と、を有して構成される無線通信システムであり、無線LAN端末装置(12、13)が既に無線基地局(AP)に帰属中に、新たな無線LAN端末装置(11)が無線基地局(AP)に帰属要求を行う場合の動作シーケンスである。
なお、図15では、第3の実施形態で説明したキャリアセンスレベル設定方法を適用している。
まず、無線LAN端末装置(11)は、無線基地局(AP)に帰属するため、アソシエーション要求を送信する(ステップS250)。アソシエーション要求を受信した無線基地局(AP)は、無線LAN端末装置(11)に対し、アソシエーション応答を送信する(ステップS251)。
無線LAN端末装置(11)は、アソシエーション応答を受信すると、無線LAN端末装置(11)の無線基地局(AP)に対する帰属処理が完了する(ステップS252)。帰属処理が完了すると、無線基地局(AP)は、無線LAN端末装置(11)を、無線基地局(AP)において帰属している帰属無線端末装置として管理し、無線基地局(AP)は、上述した第3の実施形態における制御動作を開始し、無線基地局(AP)は、無線LAN端末装置(11)の電波受信電力を収集し、該収集した電波受信電力を基に、無線LAN端末装置(11)の新しいキャリアセンスレベルを算出し、無線LAN端末装置(11)は、無線基地局(AP)から指示されたキャリアセンスレベルに設定することになる(ステップS253、S254)。
このように、第1〜第3の実施形態において説明したキャリアセンスレベル設定方法を、無線基地局(AP)が、新たな無線端末装置からの帰属要求を容認した際に行うことで、無線基地局(AP)は、その無線基地局(AP)に新たな無線端末装置が帰属された環境条件を考慮したキャリアセンスレベルの制御を行うことが可能となる。
(第2の実施例)
次に、図16、図17を参照しながら、第2の実施例について詳細に説明する。なお、図16は、無線基地局(AP)と、無線LAN(Local Area Network)端末装置(11〜13)と、を有して構成される無線システムであり、無線LAN端末装置(11〜13)が既に無線基地局(AP)に帰属中に、無線LAN端末装置(13)が移動した場合の動作シーケンスである。
なお、図16は、第1、第2の実施形態で説明したキャリアセンスレベル設定方法を適用している。
まず、無線LAN端末装置(13)が移動し(ステップS300)、無線基地局(AP)と無線LAN端末装置(13)との間の無線通信において、無線基地局(AP)で測定される無線LAN端末装置(13)の電波受信電力が変動したと無線基地局(AP)が判断した場合に(ステップS301)、無線基地局(AP)及び無線LAN端末装置(11〜13)での最小電波受信電力が変化した可能性があるため、無線基地局(AP)は、上述した第1、第2の実施形態における制御動作を開始し、無線基地局(AP)及び無線LAN端末装置(11〜13)相互間の電波受信電力を収集し、無線LAN端末装置(11〜13)は、無線基地局(AP)から指示されたキャリアセンスレベルにそれぞれ設定することになる(ステップS302〜S307)。
なお、ステップS301において、無線基地局(AP)は、無線基地局(AP)と帰属している無線LAN端末装置(13)の電波受信電力の変動を検出することにしたが、無線基地局(AP)は、無線LAN端末装置(13)の電波受信電力の変動量が所定の閾値以上になったと判断した場合に、第1、第2の実施形態における制御動作を開始するように構築することも可能である。また、無線基地局(AP)は、無線基地局(AP)と帰属している無線LAN端末装置(13)の無線通信のエラー率を測定し、その無線通信のエラー率が所定の閾値以上と判断した場合に、隠れ端末問題が発生した可能性があると判断し、第1、第2の実施形態における制御動作を開始するように構築することも可能である。
なお、無線通信のエラー率とは、PER(Packet Error Rate)率、FER(Frame Error Rate)率、BER(Bit Error Rate)率、CRC(Cyclic Redundancy Check)率、FCS(Frame Check Sequence)率等が挙げられ、このPER率と、FER率と、BER率と、CRC率と、FCS率と、の少なくとも1つのエラー率を測定し、その測定したエラー率が所定の閾値以上と判断した場合に、隠れ端末問題が発生した可能性があると判断することになる。
なお、図17は、無線基地局(AP)と無線LAN(Local Area Network)端末装置(11〜13)と、を有して構成される無線通信システムであり、無線LAN端末装置(11〜13)が既に無線基地局(AP)に帰属中に、無線LAN端末装置(13)が移動した場合の動作シーケンスである。
なお、図17では、第3の実施形態で説明したキャリアセンスレベル設定方法を適用している。
まず、無線LAN端末装置(13)が移動し(ステップS350)、無線基地局(AP)と無線LAN端末装置(13)との間の無線通信において、無線基地局(AP)で測定される無線LAN端末装置(13)の電波受信電力が変動したと無線基地局(AP)が判断した場合に(ステップS351)、無線基地局(AP)及び無線LAN端末装置(11〜13)での最小電波受信電力が変化した可能性があるため、無線基地局(AP)は、上述した第3の実施形態における制御動作を開始し、無線基地局(AP)は、無線LAN端末装置(13)の電波受信電力を収集し、該収集した電波受信電力を基に、無線LAN端末装置(13)の新しいキャリアセンスレベルを算出し、無線LAN端末装置(13)は、無線基地局(AP)から指示されたキャリアセンスレベルに設定することになる(ステップS352、S353)。
なお、ステップS351において、無線基地局(AP)は、無線基地局(AP)と帰属している無線LAN端末装置(13)の電波受信電力の変動を検出することにしたが、無線基地局(AP)は、無線LAN端末装置(13)の電波受信電力の変動量が所定の閾値以上になったと判断した場合に、第3の実施形態における制御動作を開始するように構築することも可能である。また、無線基地局(AP)は、無線基地局(AP)と帰属している無線LAN端末装置(13)の無線通信のエラー率を測定し、その無線通信のエラー率が所定の閾値以上と判断した場合に、隠れ端末問題が発生した可能性があると判断し、第3の実施形態における制御動作を開始するように構築することも可能である。
このように、第1〜第3の実施形態において説明したキャリアセンスレベル設定方法を、無線基地局(AP)が、既に無線基地局(AP)に帰属している無線端末装置の状態が変化したと判断した際に行うことで、無線基地局(AP)は、その無線基地局(AP)に帰属している無線端末装置の状態が変化した際の環境条件を考慮したキャリアセンスレベルの制御を行うことが可能となる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、最も距離が離れている帰属無線端末装置(STA)との間の電波受信電力を基に、キャリアセンスレベルを設定することにしたが、この最も距離が離れている帰属無線端末装置(STA)を、無線基地局(AP)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA)に変更し、その無線基地局(AP)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA)との間の電波受信電力を基に、キャリアセンスレベルを設定するように制御することも可能である。この場合は、無線基地局(AP)が、その無線基地局(AP)と帰属している各帰属無線端末装置(STA)の通信状態を取得し、該取得した各帰属無線端末装置(STA)の通信状態を基に、無線基地局(AP)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA)を特定し、上述した最も距離が離れている帰属無線端末装置(STA)を、無線基地局(AP)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA)に変更し、その無線基地局(AP)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA)との間の電波受信電力を基に、キャリアセンスレベルを設定するように制御することになる。なお、無線基地局(AP)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA)を特定する際の方法は、特に限定するものではなく、無線基地局(AP)と無線通信を行っている帰属無線端末装置(STA)を特定することが可能であれば、あらゆる方法を適用することは可能である。
また、上述した第1〜第3の実施形態の無線通信システムを構成する無線基地局(AP1、AP2)、無線端末装置(STA1〜3、STA5〜7)等の無線装置における制御動作は、ハード構成ではなく、コンピュータプログラム等のソフトウェアにより実行することも可能であり、また、上記のプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録し、その記録媒体から上記プログラムを、上述した各無線装置に読み込ませることで、上述した制御動作を、各無線装置において実行させることも可能である。また、所定のネットワークを介して接続されている外部機器から上記プログラムを上述した各無線装置に読み込ませることで、上述した制御動作を、各無線装置において実行させることも可能である。
また、上述した実施形態において、無線基地局(AP)が無線通信をカバーする範囲(セル)の半径rは、固定の値としたり、各無線端末装置(STA)から受信した電波受信電力を基に、動的に変更したりすることも可能である。