JP2004320249A - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】一対多又は多対多の通信において使用可能な各チャネルを評価して使用チャネルを動的に選択する。
【解決手段】無線ネットワーク内の各局で使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該局のチャネル評価結果とし、各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして選択する。干渉信号レベルを軟判定し、平均的な評価を扱うことになり、無線ネットワークの実態に即した結果が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】無線ネットワーク内の各局で使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該局のチャネル評価結果とし、各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして選択する。干渉信号レベルを軟判定し、平均的な評価を扱うことになり、無線ネットワークの実態に即した結果が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線通信装置で構成される無線ネットワークで動作する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、無線ネットワーク内で使用する周波数チャネルを動的に選択する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、無線ネットワークにおいて使用可能な各チャネルの干渉レベルなどを評価して使用チャネルを動的に選択する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、一対多又は多対多の通信において使用可能な各チャネルを評価して使用チャネルを動的に選択する無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
コンピュータの高機能化に伴い、複数のコンピュータを接続してLAN(Local Area Network)を構成し、ファイルやデータなどの情報の共有化や、あるいはプリンタなどの周辺機器の共有化を図ったり、電子メールやデータの転送などの情報の交換を行なったりすることが盛んに行なわれている。
【0004】
従来のLANでは、光ファイバーや同軸ケーブル、あるいはツイストペア・ケーブルを用いて、有線で各コンピュータが接続されている。ところが、このような有線によるLANでは、接続のための工事が必要であり、手軽にLANを構築することが難しいとともに、ケーブルが煩雑になる。また、LAN構築後も、機器の移動範囲がケーブル長によって制限されるため、不便であった。そこで、従来の有線方式によるLANの配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。この種の無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの端末を比較的容易に移動させることができる。
【0005】
情報機器が普及し、オフィス内に多数の機器が混在し、各機器同士が無線ネットワークで接続されているような通信環境を想定した場合、同じ空間に複数の無線ネットワークが共存するという事態が発生し得る。このような場合、各無線ネットワーク間で無線信号を多重化する多元接続技術が必要となる。
【0006】
従来、無線通信における多元接続技術としては、時間分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)や、周波数分割多重(FDMA:Frequency Division Multiple Access)が知られている。TDMAでは同じ周波数チャネルを時分割により共有する。これに対し、FDMAでは、使用可能な周波数帯域を分割してできたチャンネル数だけ同じ空間に無線ネットワークを収容することができる。
【0007】
無線チャネルの選択に関しては、基地局又は端末が各チャネルの干渉信号レベルを評価して所定の閾値と比較して判定を行なう方法や(例えば、特許文献1、特許文献2を参照のこと)、干渉の相対レベルを比較する方法(例えば、特許文献3を参照のこと)、所望波対妨害波比を所定の閾値と比較する方法(例えば、特許文献4を参照のこと)などが提案されている。
【0008】
しかしながら、いずれも1対1の通信を前提としているものであり、無線LANのように1対多あるいは多対多の通信におけるチャネル選択は考慮されていない。
【0009】
また、従来の多くの無線通信では、伝送モード(PHYモード)は1つであるため、干渉状況の評価に当たっては、通信可能か不可能かを閾値などで1/0判定している。このことからも、複数のPHYモードから、その時点での最適なPHYモードを選択して通信する無線LANシステムには適合していない。
【0010】
【特許文献1】
特開昭62−15941号公報
【特許文献2】
特開2002−158667号公報
【特許文献3】
特開平11−285058号公報
【特許文献4】
特開平7‐245776号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、無線ネットワークにおいて使用可能な各チャネルの干渉レベルなどを評価して使用チャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0012】
本発明のさらなる目的は、1対多又は多対多の通信において使用可能な各チャネルを評価して使用チャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、複数の局から構成され、且つ複数のPHYモードから使用する伝送モードを選択できるように構成された無線ネットワークにとって最適なチャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数の無線局で構成され、無線ネットワーク内で使用するチャネルを動的に選択する無線通信システムであって、
無線ネットワーク内の各局で、使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該局のチャネル評価結果とし、
無線ネットワーク内の各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして選択する、
ことを特徴とする無線通信システムである。
【0015】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0016】
ここで、無線ネットワークの各局では、干渉信号レベルをチャネル評価値として、使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を軟判定し、無線ネットワーク内の各局において求められた軟判定結果のチャネル毎の総和に基づいて使用チャネルを選択する。
【0017】
例えばランダム・アクセスを行なう無線ネットワークでは、平均的には干渉信号レベルは低く、比較的大きな干渉が単発的に発生するという状況がごく普通に見受けられる。この場合、単純に閾値による判定を行なうと、総合的には良好であっても干渉のあるチャネルと判定されてしまう。
【0018】
これに対し、本発明では、ある局における決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることにより、干渉信号レベルを軟判定し、平均的な評価を扱うことになり、無線ネットワークの実態に即した結果が得られる。すなわち、本発明によれば、このような無線ネットワーク内の各局の協働的動作により、無線ネットワーク内の各局における使用可能な周波数チャネル毎の干渉状況をより正確に表現することができる。
【0019】
また、無線ネットワーク内の各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求める際に、各局が要求している伝送帯域を重み付けした加重平均を使用することにより、複数局で構成される無線ネットワーク全体のスループットを極大化する周波数チャネルを好適に選択することができる。
【0020】
また、無線ネットワークは特定の基地局の制御下でネットワーク動作を行なうものであっても良い。このような場合、前記の各無線局は前記基地局が送信するビーコン又はその他の既知信号の所望波対妨害波比(CIR)をチャネル評価値として計測することができる。
【0021】
また、基地局がチャネル選択の制御を行なうようにしても良い。すなわち、前記の各無線局は求めたチャネル評価結果を前記基地局宛てに送信し、前記基地局はチャネル毎に各無線局におけるチャネル評価結果の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルに設定するようにする。
【0022】
このような場合、前記の各無線局は、前記基地局からの要求に応じてチャネル評価値を測定し、又は自らの測定結果に基づいて、前記基地局宛てにチャネル評価結果を送信するようにすればよい。
【0023】
また、チャネル選択時の干渉評価で期待できる伝送品質に対して実際の伝送品質が一定割合以下となったことに応答して再度チャネル選択を行なうようにしてもよい。
【0024】
また、本発明の第2の側面は、使用チャネルを動的に選択する無線ネットワークにおいて無線通信を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
使用可能な複数のチャネルの中から選択して受信する受信ステップと、
使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該チャネルの評価結果として求めるチャネル評価ステップと、
各チャネルについてのチャネル評価結果を外部に報告する評価結果報告ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0025】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線ネットワーク内でこれら複数のコンピュータ・システムがそれぞれ無線局として動作することにより、本発明の第1の側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0028】
本発明は、複数の局から構成され、且つ複数のPHYモードから使用する伝送モードを選択できるように構成された無線LANにとって最適なチャネルを動的に選択するものである。ここで言うチャネル選択は、ネットワークが最初に構築される際、又は通信を開始した後に、そのチャネルにおいて干渉などが発生し、ネットワークを他の周波数チャネルに移行させるかどうかを決める際に行なわれるものを指している。
【0029】
図1には、本発明に係る無線ネットワーク内で動作することができる無線通信装置100の機能構成を模式的に示している。
【0030】
図示の通り、この無線通信装置100は、インターフェース101と、メモリ・バッファ102と、無線送信部103と、アンテナ104と、情報記憶部105と、中央制御部106と、無線受信部107と、チャネル評価部108とで構成されている。なお、ここに示した構成と同じ働きをする別の構成で代用することも可能なため、この構成に限定されるものではない。
【0031】
無線通信装置100は、中央制御部106の統括的なコントロールの下で、他の無線通信装置との間で情報通信を実現することができる。中央制御部106は、例えば、マイクロプロセッサで構成され、情報記憶部105に格納されている動作手順命令(プログラム・コード)を実行するという形態で無線通信に関する装置動作を制御する。
【0032】
インターフェース101では、接続される機器(図示せず)から供給される情報があれば、無線伝送を行なうために、その伝送用情報をメモリ・バッファ102に格納するとともに、無線伝送先の情報を中央制御部106に通知する。これに対し、中央制御部106では、所定の送信タイミングで無線送信部103に送信指示を発行する。これに応答して、無線送信部103では、メモリ・バッファ102に格納されている伝送情報をアンテナ104から無線送信する。
【0033】
また、無線送信部103は、複数の周波数チャネルを使用可能であり、中央制御部106からの指令に従った周波数チャネルを選択して無線送信する。
【0034】
無線受信部107は、所定の受信タイミングで受信処理を行ない、自己の無線通信装置100宛ての伝送情報を受信した場合には、その情報をメモリ・バッファ102に一旦格納する。そして、中央制御部106の動作によりメモリ・バッファ102上で伝送情報を再構築して、インターフェース101を介して接続される機器(図示せず)に供給する。
【0035】
また、無線受信部107は、複数の周波数チャネルを使用可能であり、中央制御部106からの指令に従った周波数チャネルを選択して無線受信することができる。
【0036】
チャネル評価部108は、中央制御部106からの指令に応答して、無線受信部107において受信された所定周波数チャネルの無線信号から干渉信号レベル、あるいはビーコンや既知信号についてのCIR(所望波対妨害波比)などを所定の精度で測定し、チャネル評価結果として中央制御部106へ通知する。また、中央制御部106は、各チャネルにおけるチャネル評価結果を情報記憶部105に格納しておく。
【0037】
なお、インターフェース101を介して接続される機器は、例えば、パーソナル・コンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理機器である。この種の情報処理機器は、本来は無線通信機能を装備していないが、図1に示すような通信装置と接続することにより、機器本体で処理したデータを無線伝送したり、他の装置からの伝送情報を受信したりすることができるようになる。
【0038】
本発明に係る無線ネットワークは、複数の局から構成され、且つ複数のPHYモードから使用する伝送モードを選択できるように構成された無線LANにとって最適なチャネルを動的に選択するものであるが、その前提として、無線ネットワーク内の各無線通信装置は以下の機能を備えているものとする。
【0039】
(A)所定の周波数チャネルを選択して受信できること
(B)干渉信号レベル又はCIRを所定の精度で測定できること
(C)(B)の測定結果を対象チャネル毎に記憶できること
(D)一連のチャネル評価プロセスを制御できること
【0040】
このような前提の下で、無線ネットワーク内では以下に示す処理手順に従ってチャネル選択を行なうことができる。
【0041】
(0)ネットワーク内のある局から「チャネル評価要求」が他局に対して送信される。
(1)ネットワーク内の各局は第1の周波数チャネルでの干渉信号レベルの絶対値を測定し、測定結果を決められた刻みで量子化する。
(2)(1)の測定を所定回数だけ行ない、各量子化された干渉レベルの総和をもってその局の第1のチャネルにおける干渉レベルとする。
(3)(2)の試験を使用可能なすべての周波数チャネル又はその一部に対して実施する。
(4)各局は各周波数チャネルの干渉レベル評価結果を「チャネル評価要求」の送信元の局に返信する。
(5)「チャネル評価要求」送信元の局は、各周波数チャネル毎にネットワーク内の各局が測定した干渉レベルの総和を求め、最も干渉レベルが低いチャネルをこのネットワークが使用するチャネルとして設定する。
【0042】
このような無線ネットワーク内の各局の協働的動作により、無線ネットワーク内の各局における使用可能な周波数チャネル毎の干渉状況をより正確に表現することができる。また、複数局で構成される無線LANシステム全体のスループットを極大化する周波数チャネルを好適に選択することができる。
【0043】
ここで、本実施形態に係る無線ネットワーク内の各局において行なわれる干渉信号レベルに基づくチャネルの評価方法について詳解する。
【0044】
図2には、無線ネットワーク内のある局において測定された干渉信号レベルの時間的変化を示している。
【0045】
同図に示す例は、無線ネットワーク内のある局において、ある所定の周波数チャネルにおける干渉信号レベルの絶対値を測定し、測定結果を決められた時間間隔毎に刻み量子化している。図示の結果からは、平均的には干渉信号レベルは低く、比較的大きな干渉が単発的に短時間発生していることが分かる。このようなチャネル干渉の状況は、とりわけランダム・アクセスを行なう無線LANシステムではごく普通に見られる。
【0046】
この場合、単純に閾値による判定を行なう(あるいはその他の硬判定を行なう)と、総合的には良好であっても干渉のあるチャネルと判定されてしまう。確かに、短時間の干渉は存在するが、他の時間では良好な通信が期待できるので、この判定は実態を十分反映しているとは言えない。
【0047】
これに対し、本実施形態によるチャネル選択方法では、各局における決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることにより、干渉信号レベルを軟判定し、平均的な評価を扱うことになるので、無線ネットワークの実態に即した結果が得られる。このように干渉信号レベルの総和を使う評価方法では、総和が等しければ同じ干渉レベルとみなす。実際、一定時間あたりのデータ伝送量を考えるとほぼ同程度になると思われるので、このチャネル選択方法は理に適っている。
【0048】
また、図3には、多数の局から構成される無線ネットワークにおいて、各局毎に干渉信号レベルを評価した結果に基づいて無線ネットワークにおいて使用するチャネルを選択する方法の比較を示している。
【0049】
ここでは、無線ネットワークには、ノード1〜4の4台の無線通信装置が存在し、無線ネットワークはチャネルA又はチャネルBの2つを選択可能であるとする。
【0050】
評価結果を示す図3の左欄は、各ノード1〜4において、チャネルA及びチャネルBのそれぞれにおける干渉信号レベルを閾値との比較により0/1判定した結果である。図示の例では、ノード1ではチャネルAの方が良好、その他のノード2〜4ではチャネルBの方が良好という結果が得られている。これらの総和すなわち多数決の原理に従うと、無線ネットワークとしてはチャネルBの方が選択されることになる。
【0051】
また、評価結果を示す図3の右欄では、各ノード1〜4において、決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることによりチャネルを評価した結果を示している。すなわち、各ノード1〜4では、チャネルA及びチャネルBのそれぞれにおける干渉信号レベルの絶対値を測定し、測定結果を決められた時間間隔毎に刻み量子化し、量子化された干渉レベルの総和を以ってノードにおける該当チャネルの干渉レベルとしている。但し、干渉レベルの数値が大きいほど干渉が大きいことを示すものとする。
【0052】
図示の例では、チャネルAに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの評価結果はそれぞれ10、10、10、11を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である41が干渉レベルの評価結果となる。また、チャネルBに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの評価結果はそれぞれ50、8、8、10を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である76が干渉レベルの評価結果となる。したがって、この無線ネットワークは、より干渉レベルの低いチャネルAが選択されることになる。
【0053】
閾値判定と、干渉レベルの総和に基づく判定とを比較した場合、ノード2〜4においては両者の判定結果は一致するものの、ノード1では判定結果が逆転している。とりわけランダム・アクセスを行なう無線LANシステムでは、比較的大きな干渉が単発的に短時間発生することから(前述及び図2を参照のこと)、単純な閾値判定と干渉レベルの総和に基づく判定では判定結果が相違することがある。このような場合、後者の判定方法によれば、決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることにより、平均的な評価を扱うことになり、無線ネットワークの実態に即した結果が得られる。
【0054】
図3に示す例では、ノード2〜4においてはチャネルAとチャネルBとで干渉レベルに大きな差はないが、ノード1ではチャネルBで大きな干渉が存在する。これは、図4に示すように、無線ネットワークの通信可能な範囲で、ノード2〜4が比較的近距離に存在するが、ノード1のみが隣接する他の無線ネットワークの近隣に存在しているように配置において起こり得る。
【0055】
このような状況で、従来の干渉信号レベルの相対比較による1/0判定を行なうと、図3の左欄に示したような結果となる。すなわち、ノード1以外はすべてチャネルBを選択している。ノード1〜4の選択結果を総合すると、チャネルBが最適なチャネルとして選択される。しかし、実際には、チャネルBを選択すると、ノード1と他のノードの通信は干渉が大きいため、再送が増加したり、比較的低S/Nで通信可能なPHYモードを使用したりするため、データ伝送の効率は劣悪である。この場合、干渉の原因となる近隣ネットワーク内のノードにおいても伝送効率も当然に悪化する。
【0056】
これに対し、本実施形態によるチャネル選択方法では、チャネル毎に干渉信号レベルの総和をとって比較するので、チャネルAが選択される。このため、ノード2〜4では、チャネルBに比べて若干の伝送レートの悪化が生じるものの、ノード1との通信時における干渉が大幅に緩和されるので、トータルとして見るとデータ伝送の効率はよい。
【0057】
本発明に係るチャネル選択方法に関する幾つかの変形例を以下に挙げておく。
【0058】
(1)干渉信号レベルの代わりに希望波対妨害波比を使用する。
(2)ネットワークに全体を制御する基地局が存在する場合、この基地局がチャネル選択を制御する。
(3)干渉信号レベルの量子化に当たって、各ノードの干渉レベルの総和を求める際に、そのノードの要求している伝送帯域を考慮した加重平均を使用する。要求伝送帯域が大きく変化した場合、再度チャネル選択を実施する。
(4)チャネル選択時の干渉評価で期待できる伝送品質に対して、実際の伝送品質が一定割合以下である場合、再度チャネル選択を行なう。
【0059】
無線ネットワーク内の各局において干渉レベルを評価する際に、要求伝送帯域を重み付けして総和をとることで、全体の伝送レートの最適化をさらに図ることができる。図5には、図3に示したチャネルの干渉レベルを評価する際に、要求伝送帯域を重み付けした結果を示している。
【0060】
同図において、左欄は、図3の右欄に示した、各ノード1〜4において決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることによりチャネルを評価した結果を示している。すなわち、チャネルAに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの評価結果はそれぞれ10、10、10、11を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である41が干渉レベルの評価結果となる。また、チャネルBに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの評価結果はそれぞれ50、8、8、10を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である76が干渉レベルの評価結果となる。
【0061】
また、図5の右欄は、同図の左欄に示した各干渉レベルの測定結果に対して要求伝送帯域を重み付けしている。この場合、ノード1〜4に対してそれぞれ0.1、1.0、1.0、2.0という重み付けを付与していることから、各ノード1〜4における干渉レベルの重み付き評価結果はそれぞれ1、10、10、22を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である43が干渉レベルの重み付き評価結果となる。また、チャネルBに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの重み付き評価結果はそれぞれ5、8、8、20を示し、無線ネットワークではこれらの総和である41が干渉レベルの評価結果となる。したがって、この無線ネットワークは、より干渉レベルの低いチャネルAが選択されることになる。
【0062】
図3に示した例では、ノード1以外はすべてチャネルBを選択しているが、チャネルBを選択すると、ノード1と他のノードの通信は干渉が大きく、再送が増加したり、比較的低S/Nで通信可能なPHYモードを使用したりするため、ノード1との通信時における干渉の大幅な緩和を考慮して、チャネルAが選択される。
【0063】
これに対し、図5に示す例では、ノード1と他のノードの通信は干渉が大きく、再送が増加したり、比較的低S/Nで通信可能なPHYモードを使用したりすることになるが、ノード1における要求伝送帯域が小さいことから、無線ネットワーク全体でスループットが極大化するように、チャネルBが選択されることになる。
【0064】
また、無線ネットワークが所定の基地局の制御下で各無線局がネットワーク動作するような場合、基地局からはビーコンやその他の既知信号が所定のタイミングで送出される。このような場合には、各無線局は、干渉信号レベルに代えて、これら既知信号についての所望波対妨害波比(CIR)をチャネル評価値として計測するようにしてもよい。
【0065】
また、無線ネットワークが所定の基地局の制御下で各無線局がネットワーク動作するような場合、基地局がチャネル選択を制御するようにしてもよい。すなわち、各無線局において求められたチャネル評価結果を基地局宛てに送信し、基地局がチャネル毎に各無線局におけるチャネル評価結果の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして設定するようにする。
【0066】
このような場合、各無線局は、基地局からの要求に応じて干渉レベルを測定してこれを基地局に返すようにしてもよい。あるいは、各無線局は自ら干渉レベルを測定し、基地局宛てにチャネル評価結果を送信するようにしてもよい。
【0067】
図6には、基地局の制御下で動作する無線ネットワークにおいて、基地局がチャネル選択を制御するための処理手順の一例をフローチャートの形式で示している。
【0068】
まず、基地局は、移動局をカウントするための変数k及びチャネルを指定するための変数jをそれぞれ初期値0に設定する(ステップS1)。
【0069】
そして、基地局は、移動局kにチャネルjの干渉信号レベルの測定を指示する(ステップS2)。移動局kでは、基地局からの指示に応答して、干渉信号レベルを所定回数だけ評価し、その総和を量子化し(ステップS3)、その評価結果を基地局に返信する(ステップS4)。
【0070】
ここで、基地局は、kが無線ネットワーク内の移動局の総数Nに到達したかどうかを判断し(ステップS5)、未だ移動局の総数Nに到達していない場合にはkを1だけ増分し(ステップS9)、ステップS2に戻って、次の移動局についての干渉信号レベルの評価及びその取得を繰り返し実行する。
【0071】
また、kが無線ネットワーク内の移動局の総数Nに到達した場合には、基地局は、チャネルjについての各移動局における評価結果の総和Sjを計算する(ステップS6)。このとき、各移動局が要求している伝送帯域を重み付けした加重平均を使用するようにしてもよい。
【0072】
次いで、基地局は、jが当該無線ネットワークにおいて使用可能なチャネルの総数Mに到達したかどうかを判別する(ステップS7)。未だチャネルの総数Mに到達していない場合にはjを1だけ増分し(ステップS10)、ステップS2に戻って、次の使用可能チャネルについて各移動局毎の干渉信号レベルの評価及びその取得を繰り返し実行する。
【0073】
また、jが当該無線ネットワークにおいて使用可能なチャネルの総数Mに到達した場合には、基地局は、評価結果の総和Sjが最小値となるチャネルを特定し、これを選択の候補とする(ステップS8)。
【0074】
なお、同じ周波数帯を使用するHyperLAN/2又はその他のシステムとの相互の干渉を回避しつつ、使用可能な周波数チャネルを公平に利用可能にすることを目的として、DFS(Dynamic Frequency Selection)なる規格が策定されている(但し、DFSのアルゴリズムはHyperLAN/2の規格外である)。
【0075】
DFSを行なうために、無線ネットワーク内のアクセス・ポイント(AP)は、各周波数チャネルの干渉評価結果を収集し、適切なチャネルを選択しなければならない。この動作は各APで独立して行なわれる。
【0076】
DFSのプロトコルでは、APは自ネットワーク内の移動局(MT)に対して干渉測定とそのレポートを要求することができる。これに対し、MTは要求に従って測定を行ない、その結果をAPに報告する。あるいは、MTは自ら干渉測定を行なってAPに結果のレポートを行なうようAPに要求することができる。APは、この要求に従って測定結果をMTから取り込んでも良いし、要求を無視しても良い。
【0077】
このDFSの仕組みに、本発明に係るチャネル選択時におけるチャネルの評価方法を適用することも可能である。
【0078】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0079】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、無線ネットワークにおいて使用可能な各チャネルの干渉レベルなどを評価して使用チャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0080】
また、本発明によれば、一対多又は多対多の通信において使用可能な各チャネルを評価して使用チャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0081】
また、本発明によれば、複数の局から構成され、且つ複数のPHYモードから使用する伝送モードを選択できるように構成された無線LANにとって最適なチャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0082】
本発明に係る無線通信システムによれば、無線ネットワーク内の各局の干渉状況をより正確に表現することができる。また、複数局で構成される無線LANシステム全体のスループットを極大化する周波数チャネルを好適に選択することができる。特に、要求伝送帯域を重み付けして考慮することでより最適化を図ることができる。この結果、限られた周波数チャネルの中で隣接ネットワークを含めた最適なチャネル選択を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無線ネットワーク内で動作することができる無線通信装置100の機能構成を模式的に示した図である。
【図2】無線ネットワーク内のある局において測定された干渉信号レベルの時間的変化を示した図である。
【図3】多数の局から構成される無線ネットワークにおいて、各局毎に干渉信号レベルを評価した結果に基づいて無線ネットワークにおいて使用するチャネルを選択する方法の比較を示した図である。
【図4】各ノードの配置例を示した図である。
【図5】要求伝送帯域を重み付けしてチャネル毎の干渉を評価した結果を示した図である。
【図6】基地局の制御下で動作する無線ネットワークにおいて、基地局がチャネル選択を制御するための処理手順の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
100…無線通信装置
101…インターフェース
102…メモリ・バッファ
103…無線送信部
104…アンテナ
105…情報記憶部
106…中央制御部
107…無線受信部
108…チャネル評価部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線通信装置で構成される無線ネットワークで動作する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、無線ネットワーク内で使用する周波数チャネルを動的に選択する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、無線ネットワークにおいて使用可能な各チャネルの干渉レベルなどを評価して使用チャネルを動的に選択する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、一対多又は多対多の通信において使用可能な各チャネルを評価して使用チャネルを動的に選択する無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
コンピュータの高機能化に伴い、複数のコンピュータを接続してLAN(Local Area Network)を構成し、ファイルやデータなどの情報の共有化や、あるいはプリンタなどの周辺機器の共有化を図ったり、電子メールやデータの転送などの情報の交換を行なったりすることが盛んに行なわれている。
【0004】
従来のLANでは、光ファイバーや同軸ケーブル、あるいはツイストペア・ケーブルを用いて、有線で各コンピュータが接続されている。ところが、このような有線によるLANでは、接続のための工事が必要であり、手軽にLANを構築することが難しいとともに、ケーブルが煩雑になる。また、LAN構築後も、機器の移動範囲がケーブル長によって制限されるため、不便であった。そこで、従来の有線方式によるLANの配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。この種の無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの端末を比較的容易に移動させることができる。
【0005】
情報機器が普及し、オフィス内に多数の機器が混在し、各機器同士が無線ネットワークで接続されているような通信環境を想定した場合、同じ空間に複数の無線ネットワークが共存するという事態が発生し得る。このような場合、各無線ネットワーク間で無線信号を多重化する多元接続技術が必要となる。
【0006】
従来、無線通信における多元接続技術としては、時間分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)や、周波数分割多重(FDMA:Frequency Division Multiple Access)が知られている。TDMAでは同じ周波数チャネルを時分割により共有する。これに対し、FDMAでは、使用可能な周波数帯域を分割してできたチャンネル数だけ同じ空間に無線ネットワークを収容することができる。
【0007】
無線チャネルの選択に関しては、基地局又は端末が各チャネルの干渉信号レベルを評価して所定の閾値と比較して判定を行なう方法や(例えば、特許文献1、特許文献2を参照のこと)、干渉の相対レベルを比較する方法(例えば、特許文献3を参照のこと)、所望波対妨害波比を所定の閾値と比較する方法(例えば、特許文献4を参照のこと)などが提案されている。
【0008】
しかしながら、いずれも1対1の通信を前提としているものであり、無線LANのように1対多あるいは多対多の通信におけるチャネル選択は考慮されていない。
【0009】
また、従来の多くの無線通信では、伝送モード(PHYモード)は1つであるため、干渉状況の評価に当たっては、通信可能か不可能かを閾値などで1/0判定している。このことからも、複数のPHYモードから、その時点での最適なPHYモードを選択して通信する無線LANシステムには適合していない。
【0010】
【特許文献1】
特開昭62−15941号公報
【特許文献2】
特開2002−158667号公報
【特許文献3】
特開平11−285058号公報
【特許文献4】
特開平7‐245776号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、無線ネットワークにおいて使用可能な各チャネルの干渉レベルなどを評価して使用チャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0012】
本発明のさらなる目的は、1対多又は多対多の通信において使用可能な各チャネルを評価して使用チャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、複数の局から構成され、且つ複数のPHYモードから使用する伝送モードを選択できるように構成された無線ネットワークにとって最適なチャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数の無線局で構成され、無線ネットワーク内で使用するチャネルを動的に選択する無線通信システムであって、
無線ネットワーク内の各局で、使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該局のチャネル評価結果とし、
無線ネットワーク内の各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして選択する、
ことを特徴とする無線通信システムである。
【0015】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0016】
ここで、無線ネットワークの各局では、干渉信号レベルをチャネル評価値として、使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を軟判定し、無線ネットワーク内の各局において求められた軟判定結果のチャネル毎の総和に基づいて使用チャネルを選択する。
【0017】
例えばランダム・アクセスを行なう無線ネットワークでは、平均的には干渉信号レベルは低く、比較的大きな干渉が単発的に発生するという状況がごく普通に見受けられる。この場合、単純に閾値による判定を行なうと、総合的には良好であっても干渉のあるチャネルと判定されてしまう。
【0018】
これに対し、本発明では、ある局における決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることにより、干渉信号レベルを軟判定し、平均的な評価を扱うことになり、無線ネットワークの実態に即した結果が得られる。すなわち、本発明によれば、このような無線ネットワーク内の各局の協働的動作により、無線ネットワーク内の各局における使用可能な周波数チャネル毎の干渉状況をより正確に表現することができる。
【0019】
また、無線ネットワーク内の各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求める際に、各局が要求している伝送帯域を重み付けした加重平均を使用することにより、複数局で構成される無線ネットワーク全体のスループットを極大化する周波数チャネルを好適に選択することができる。
【0020】
また、無線ネットワークは特定の基地局の制御下でネットワーク動作を行なうものであっても良い。このような場合、前記の各無線局は前記基地局が送信するビーコン又はその他の既知信号の所望波対妨害波比(CIR)をチャネル評価値として計測することができる。
【0021】
また、基地局がチャネル選択の制御を行なうようにしても良い。すなわち、前記の各無線局は求めたチャネル評価結果を前記基地局宛てに送信し、前記基地局はチャネル毎に各無線局におけるチャネル評価結果の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルに設定するようにする。
【0022】
このような場合、前記の各無線局は、前記基地局からの要求に応じてチャネル評価値を測定し、又は自らの測定結果に基づいて、前記基地局宛てにチャネル評価結果を送信するようにすればよい。
【0023】
また、チャネル選択時の干渉評価で期待できる伝送品質に対して実際の伝送品質が一定割合以下となったことに応答して再度チャネル選択を行なうようにしてもよい。
【0024】
また、本発明の第2の側面は、使用チャネルを動的に選択する無線ネットワークにおいて無線通信を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
使用可能な複数のチャネルの中から選択して受信する受信ステップと、
使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該チャネルの評価結果として求めるチャネル評価ステップと、
各チャネルについてのチャネル評価結果を外部に報告する評価結果報告ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0025】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線ネットワーク内でこれら複数のコンピュータ・システムがそれぞれ無線局として動作することにより、本発明の第1の側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0028】
本発明は、複数の局から構成され、且つ複数のPHYモードから使用する伝送モードを選択できるように構成された無線LANにとって最適なチャネルを動的に選択するものである。ここで言うチャネル選択は、ネットワークが最初に構築される際、又は通信を開始した後に、そのチャネルにおいて干渉などが発生し、ネットワークを他の周波数チャネルに移行させるかどうかを決める際に行なわれるものを指している。
【0029】
図1には、本発明に係る無線ネットワーク内で動作することができる無線通信装置100の機能構成を模式的に示している。
【0030】
図示の通り、この無線通信装置100は、インターフェース101と、メモリ・バッファ102と、無線送信部103と、アンテナ104と、情報記憶部105と、中央制御部106と、無線受信部107と、チャネル評価部108とで構成されている。なお、ここに示した構成と同じ働きをする別の構成で代用することも可能なため、この構成に限定されるものではない。
【0031】
無線通信装置100は、中央制御部106の統括的なコントロールの下で、他の無線通信装置との間で情報通信を実現することができる。中央制御部106は、例えば、マイクロプロセッサで構成され、情報記憶部105に格納されている動作手順命令(プログラム・コード)を実行するという形態で無線通信に関する装置動作を制御する。
【0032】
インターフェース101では、接続される機器(図示せず)から供給される情報があれば、無線伝送を行なうために、その伝送用情報をメモリ・バッファ102に格納するとともに、無線伝送先の情報を中央制御部106に通知する。これに対し、中央制御部106では、所定の送信タイミングで無線送信部103に送信指示を発行する。これに応答して、無線送信部103では、メモリ・バッファ102に格納されている伝送情報をアンテナ104から無線送信する。
【0033】
また、無線送信部103は、複数の周波数チャネルを使用可能であり、中央制御部106からの指令に従った周波数チャネルを選択して無線送信する。
【0034】
無線受信部107は、所定の受信タイミングで受信処理を行ない、自己の無線通信装置100宛ての伝送情報を受信した場合には、その情報をメモリ・バッファ102に一旦格納する。そして、中央制御部106の動作によりメモリ・バッファ102上で伝送情報を再構築して、インターフェース101を介して接続される機器(図示せず)に供給する。
【0035】
また、無線受信部107は、複数の周波数チャネルを使用可能であり、中央制御部106からの指令に従った周波数チャネルを選択して無線受信することができる。
【0036】
チャネル評価部108は、中央制御部106からの指令に応答して、無線受信部107において受信された所定周波数チャネルの無線信号から干渉信号レベル、あるいはビーコンや既知信号についてのCIR(所望波対妨害波比)などを所定の精度で測定し、チャネル評価結果として中央制御部106へ通知する。また、中央制御部106は、各チャネルにおけるチャネル評価結果を情報記憶部105に格納しておく。
【0037】
なお、インターフェース101を介して接続される機器は、例えば、パーソナル・コンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理機器である。この種の情報処理機器は、本来は無線通信機能を装備していないが、図1に示すような通信装置と接続することにより、機器本体で処理したデータを無線伝送したり、他の装置からの伝送情報を受信したりすることができるようになる。
【0038】
本発明に係る無線ネットワークは、複数の局から構成され、且つ複数のPHYモードから使用する伝送モードを選択できるように構成された無線LANにとって最適なチャネルを動的に選択するものであるが、その前提として、無線ネットワーク内の各無線通信装置は以下の機能を備えているものとする。
【0039】
(A)所定の周波数チャネルを選択して受信できること
(B)干渉信号レベル又はCIRを所定の精度で測定できること
(C)(B)の測定結果を対象チャネル毎に記憶できること
(D)一連のチャネル評価プロセスを制御できること
【0040】
このような前提の下で、無線ネットワーク内では以下に示す処理手順に従ってチャネル選択を行なうことができる。
【0041】
(0)ネットワーク内のある局から「チャネル評価要求」が他局に対して送信される。
(1)ネットワーク内の各局は第1の周波数チャネルでの干渉信号レベルの絶対値を測定し、測定結果を決められた刻みで量子化する。
(2)(1)の測定を所定回数だけ行ない、各量子化された干渉レベルの総和をもってその局の第1のチャネルにおける干渉レベルとする。
(3)(2)の試験を使用可能なすべての周波数チャネル又はその一部に対して実施する。
(4)各局は各周波数チャネルの干渉レベル評価結果を「チャネル評価要求」の送信元の局に返信する。
(5)「チャネル評価要求」送信元の局は、各周波数チャネル毎にネットワーク内の各局が測定した干渉レベルの総和を求め、最も干渉レベルが低いチャネルをこのネットワークが使用するチャネルとして設定する。
【0042】
このような無線ネットワーク内の各局の協働的動作により、無線ネットワーク内の各局における使用可能な周波数チャネル毎の干渉状況をより正確に表現することができる。また、複数局で構成される無線LANシステム全体のスループットを極大化する周波数チャネルを好適に選択することができる。
【0043】
ここで、本実施形態に係る無線ネットワーク内の各局において行なわれる干渉信号レベルに基づくチャネルの評価方法について詳解する。
【0044】
図2には、無線ネットワーク内のある局において測定された干渉信号レベルの時間的変化を示している。
【0045】
同図に示す例は、無線ネットワーク内のある局において、ある所定の周波数チャネルにおける干渉信号レベルの絶対値を測定し、測定結果を決められた時間間隔毎に刻み量子化している。図示の結果からは、平均的には干渉信号レベルは低く、比較的大きな干渉が単発的に短時間発生していることが分かる。このようなチャネル干渉の状況は、とりわけランダム・アクセスを行なう無線LANシステムではごく普通に見られる。
【0046】
この場合、単純に閾値による判定を行なう(あるいはその他の硬判定を行なう)と、総合的には良好であっても干渉のあるチャネルと判定されてしまう。確かに、短時間の干渉は存在するが、他の時間では良好な通信が期待できるので、この判定は実態を十分反映しているとは言えない。
【0047】
これに対し、本実施形態によるチャネル選択方法では、各局における決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることにより、干渉信号レベルを軟判定し、平均的な評価を扱うことになるので、無線ネットワークの実態に即した結果が得られる。このように干渉信号レベルの総和を使う評価方法では、総和が等しければ同じ干渉レベルとみなす。実際、一定時間あたりのデータ伝送量を考えるとほぼ同程度になると思われるので、このチャネル選択方法は理に適っている。
【0048】
また、図3には、多数の局から構成される無線ネットワークにおいて、各局毎に干渉信号レベルを評価した結果に基づいて無線ネットワークにおいて使用するチャネルを選択する方法の比較を示している。
【0049】
ここでは、無線ネットワークには、ノード1〜4の4台の無線通信装置が存在し、無線ネットワークはチャネルA又はチャネルBの2つを選択可能であるとする。
【0050】
評価結果を示す図3の左欄は、各ノード1〜4において、チャネルA及びチャネルBのそれぞれにおける干渉信号レベルを閾値との比較により0/1判定した結果である。図示の例では、ノード1ではチャネルAの方が良好、その他のノード2〜4ではチャネルBの方が良好という結果が得られている。これらの総和すなわち多数決の原理に従うと、無線ネットワークとしてはチャネルBの方が選択されることになる。
【0051】
また、評価結果を示す図3の右欄では、各ノード1〜4において、決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることによりチャネルを評価した結果を示している。すなわち、各ノード1〜4では、チャネルA及びチャネルBのそれぞれにおける干渉信号レベルの絶対値を測定し、測定結果を決められた時間間隔毎に刻み量子化し、量子化された干渉レベルの総和を以ってノードにおける該当チャネルの干渉レベルとしている。但し、干渉レベルの数値が大きいほど干渉が大きいことを示すものとする。
【0052】
図示の例では、チャネルAに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの評価結果はそれぞれ10、10、10、11を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である41が干渉レベルの評価結果となる。また、チャネルBに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの評価結果はそれぞれ50、8、8、10を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である76が干渉レベルの評価結果となる。したがって、この無線ネットワークは、より干渉レベルの低いチャネルAが選択されることになる。
【0053】
閾値判定と、干渉レベルの総和に基づく判定とを比較した場合、ノード2〜4においては両者の判定結果は一致するものの、ノード1では判定結果が逆転している。とりわけランダム・アクセスを行なう無線LANシステムでは、比較的大きな干渉が単発的に短時間発生することから(前述及び図2を参照のこと)、単純な閾値判定と干渉レベルの総和に基づく判定では判定結果が相違することがある。このような場合、後者の判定方法によれば、決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることにより、平均的な評価を扱うことになり、無線ネットワークの実態に即した結果が得られる。
【0054】
図3に示す例では、ノード2〜4においてはチャネルAとチャネルBとで干渉レベルに大きな差はないが、ノード1ではチャネルBで大きな干渉が存在する。これは、図4に示すように、無線ネットワークの通信可能な範囲で、ノード2〜4が比較的近距離に存在するが、ノード1のみが隣接する他の無線ネットワークの近隣に存在しているように配置において起こり得る。
【0055】
このような状況で、従来の干渉信号レベルの相対比較による1/0判定を行なうと、図3の左欄に示したような結果となる。すなわち、ノード1以外はすべてチャネルBを選択している。ノード1〜4の選択結果を総合すると、チャネルBが最適なチャネルとして選択される。しかし、実際には、チャネルBを選択すると、ノード1と他のノードの通信は干渉が大きいため、再送が増加したり、比較的低S/Nで通信可能なPHYモードを使用したりするため、データ伝送の効率は劣悪である。この場合、干渉の原因となる近隣ネットワーク内のノードにおいても伝送効率も当然に悪化する。
【0056】
これに対し、本実施形態によるチャネル選択方法では、チャネル毎に干渉信号レベルの総和をとって比較するので、チャネルAが選択される。このため、ノード2〜4では、チャネルBに比べて若干の伝送レートの悪化が生じるものの、ノード1との通信時における干渉が大幅に緩和されるので、トータルとして見るとデータ伝送の効率はよい。
【0057】
本発明に係るチャネル選択方法に関する幾つかの変形例を以下に挙げておく。
【0058】
(1)干渉信号レベルの代わりに希望波対妨害波比を使用する。
(2)ネットワークに全体を制御する基地局が存在する場合、この基地局がチャネル選択を制御する。
(3)干渉信号レベルの量子化に当たって、各ノードの干渉レベルの総和を求める際に、そのノードの要求している伝送帯域を考慮した加重平均を使用する。要求伝送帯域が大きく変化した場合、再度チャネル選択を実施する。
(4)チャネル選択時の干渉評価で期待できる伝送品質に対して、実際の伝送品質が一定割合以下である場合、再度チャネル選択を行なう。
【0059】
無線ネットワーク内の各局において干渉レベルを評価する際に、要求伝送帯域を重み付けして総和をとることで、全体の伝送レートの最適化をさらに図ることができる。図5には、図3に示したチャネルの干渉レベルを評価する際に、要求伝送帯域を重み付けした結果を示している。
【0060】
同図において、左欄は、図3の右欄に示した、各ノード1〜4において決められた時間毎に測定された干渉信号レベルの総和をとることによりチャネルを評価した結果を示している。すなわち、チャネルAに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの評価結果はそれぞれ10、10、10、11を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である41が干渉レベルの評価結果となる。また、チャネルBに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの評価結果はそれぞれ50、8、8、10を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である76が干渉レベルの評価結果となる。
【0061】
また、図5の右欄は、同図の左欄に示した各干渉レベルの測定結果に対して要求伝送帯域を重み付けしている。この場合、ノード1〜4に対してそれぞれ0.1、1.0、1.0、2.0という重み付けを付与していることから、各ノード1〜4における干渉レベルの重み付き評価結果はそれぞれ1、10、10、22を示し、無線ネットワーク全体ではこれらの総和である43が干渉レベルの重み付き評価結果となる。また、チャネルBに関しては、各ノード1〜4における干渉レベルの重み付き評価結果はそれぞれ5、8、8、20を示し、無線ネットワークではこれらの総和である41が干渉レベルの評価結果となる。したがって、この無線ネットワークは、より干渉レベルの低いチャネルAが選択されることになる。
【0062】
図3に示した例では、ノード1以外はすべてチャネルBを選択しているが、チャネルBを選択すると、ノード1と他のノードの通信は干渉が大きく、再送が増加したり、比較的低S/Nで通信可能なPHYモードを使用したりするため、ノード1との通信時における干渉の大幅な緩和を考慮して、チャネルAが選択される。
【0063】
これに対し、図5に示す例では、ノード1と他のノードの通信は干渉が大きく、再送が増加したり、比較的低S/Nで通信可能なPHYモードを使用したりすることになるが、ノード1における要求伝送帯域が小さいことから、無線ネットワーク全体でスループットが極大化するように、チャネルBが選択されることになる。
【0064】
また、無線ネットワークが所定の基地局の制御下で各無線局がネットワーク動作するような場合、基地局からはビーコンやその他の既知信号が所定のタイミングで送出される。このような場合には、各無線局は、干渉信号レベルに代えて、これら既知信号についての所望波対妨害波比(CIR)をチャネル評価値として計測するようにしてもよい。
【0065】
また、無線ネットワークが所定の基地局の制御下で各無線局がネットワーク動作するような場合、基地局がチャネル選択を制御するようにしてもよい。すなわち、各無線局において求められたチャネル評価結果を基地局宛てに送信し、基地局がチャネル毎に各無線局におけるチャネル評価結果の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして設定するようにする。
【0066】
このような場合、各無線局は、基地局からの要求に応じて干渉レベルを測定してこれを基地局に返すようにしてもよい。あるいは、各無線局は自ら干渉レベルを測定し、基地局宛てにチャネル評価結果を送信するようにしてもよい。
【0067】
図6には、基地局の制御下で動作する無線ネットワークにおいて、基地局がチャネル選択を制御するための処理手順の一例をフローチャートの形式で示している。
【0068】
まず、基地局は、移動局をカウントするための変数k及びチャネルを指定するための変数jをそれぞれ初期値0に設定する(ステップS1)。
【0069】
そして、基地局は、移動局kにチャネルjの干渉信号レベルの測定を指示する(ステップS2)。移動局kでは、基地局からの指示に応答して、干渉信号レベルを所定回数だけ評価し、その総和を量子化し(ステップS3)、その評価結果を基地局に返信する(ステップS4)。
【0070】
ここで、基地局は、kが無線ネットワーク内の移動局の総数Nに到達したかどうかを判断し(ステップS5)、未だ移動局の総数Nに到達していない場合にはkを1だけ増分し(ステップS9)、ステップS2に戻って、次の移動局についての干渉信号レベルの評価及びその取得を繰り返し実行する。
【0071】
また、kが無線ネットワーク内の移動局の総数Nに到達した場合には、基地局は、チャネルjについての各移動局における評価結果の総和Sjを計算する(ステップS6)。このとき、各移動局が要求している伝送帯域を重み付けした加重平均を使用するようにしてもよい。
【0072】
次いで、基地局は、jが当該無線ネットワークにおいて使用可能なチャネルの総数Mに到達したかどうかを判別する(ステップS7)。未だチャネルの総数Mに到達していない場合にはjを1だけ増分し(ステップS10)、ステップS2に戻って、次の使用可能チャネルについて各移動局毎の干渉信号レベルの評価及びその取得を繰り返し実行する。
【0073】
また、jが当該無線ネットワークにおいて使用可能なチャネルの総数Mに到達した場合には、基地局は、評価結果の総和Sjが最小値となるチャネルを特定し、これを選択の候補とする(ステップS8)。
【0074】
なお、同じ周波数帯を使用するHyperLAN/2又はその他のシステムとの相互の干渉を回避しつつ、使用可能な周波数チャネルを公平に利用可能にすることを目的として、DFS(Dynamic Frequency Selection)なる規格が策定されている(但し、DFSのアルゴリズムはHyperLAN/2の規格外である)。
【0075】
DFSを行なうために、無線ネットワーク内のアクセス・ポイント(AP)は、各周波数チャネルの干渉評価結果を収集し、適切なチャネルを選択しなければならない。この動作は各APで独立して行なわれる。
【0076】
DFSのプロトコルでは、APは自ネットワーク内の移動局(MT)に対して干渉測定とそのレポートを要求することができる。これに対し、MTは要求に従って測定を行ない、その結果をAPに報告する。あるいは、MTは自ら干渉測定を行なってAPに結果のレポートを行なうようAPに要求することができる。APは、この要求に従って測定結果をMTから取り込んでも良いし、要求を無視しても良い。
【0077】
このDFSの仕組みに、本発明に係るチャネル選択時におけるチャネルの評価方法を適用することも可能である。
【0078】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0079】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、無線ネットワークにおいて使用可能な各チャネルの干渉レベルなどを評価して使用チャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0080】
また、本発明によれば、一対多又は多対多の通信において使用可能な各チャネルを評価して使用チャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0081】
また、本発明によれば、複数の局から構成され、且つ複数のPHYモードから使用する伝送モードを選択できるように構成された無線LANにとって最適なチャネルを動的に選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0082】
本発明に係る無線通信システムによれば、無線ネットワーク内の各局の干渉状況をより正確に表現することができる。また、複数局で構成される無線LANシステム全体のスループットを極大化する周波数チャネルを好適に選択することができる。特に、要求伝送帯域を重み付けして考慮することでより最適化を図ることができる。この結果、限られた周波数チャネルの中で隣接ネットワークを含めた最適なチャネル選択を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無線ネットワーク内で動作することができる無線通信装置100の機能構成を模式的に示した図である。
【図2】無線ネットワーク内のある局において測定された干渉信号レベルの時間的変化を示した図である。
【図3】多数の局から構成される無線ネットワークにおいて、各局毎に干渉信号レベルを評価した結果に基づいて無線ネットワークにおいて使用するチャネルを選択する方法の比較を示した図である。
【図4】各ノードの配置例を示した図である。
【図5】要求伝送帯域を重み付けしてチャネル毎の干渉を評価した結果を示した図である。
【図6】基地局の制御下で動作する無線ネットワークにおいて、基地局がチャネル選択を制御するための処理手順の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
100…無線通信装置
101…インターフェース
102…メモリ・バッファ
103…無線送信部
104…アンテナ
105…情報記憶部
106…中央制御部
107…無線受信部
108…チャネル評価部
Claims (25)
- 複数の無線局で構成され、無線ネットワーク内で使用するチャネルを動的に選択する無線通信システムであって、
無線ネットワーク内の各局で、使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該局のチャネル評価結果とし、
無線ネットワーク内の各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして選択する、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 無線ネットワークの各局では、干渉信号レベルをチャネル評価値として計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 無線ネットワークの各局では使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を軟判定し、無線ネットワーク内の各局において求められた軟判定結果のチャネル毎の総和に基づいて使用チャネルを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 無線ネットワーク内の各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求める際に、各局が要求している伝送帯域を重み付けした加重平均を使用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記無線ネットワークは特定の基地局の制御下で各無線局がネットワーク動作を行ない、
前記の各無線局は前記基地局が送信するビーコン又はその他の既知信号の所望波対妨害波比(CIR)をチャネル評価値として計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記無線ネットワークは特定の基地局の制御下で各無線局がネットワーク動作を行ない、
前記の各無線局は求めたチャネル評価結果を前記基地局宛てに送信し、前記基地局はチャネル毎に各無線局におけるチャネル評価結果の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルに設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記の各無線局は、前記基地局からの要求に応じてチャネル評価値を測定し、又は自らの測定結果に基づいて、前記基地局宛てにチャネル評価結果を送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信システム。 - チャネル選択時の干渉評価で期待できる伝送品質に対して実際の伝送品質が一定割合以下となったことに応答して再度チャネル選択を行なう、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 使用チャネルを動的に選択する無線ネットワークにおいて動作する無線通信装置であって、
使用可能な複数のチャネルの中から選択して受信する受信手段と、
使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該チャネルの評価結果として求めるチャネル評価手段と、
各チャネルについてのチャネル評価結果を外部に報告する評価結果報告手段と、
を具備することを特徴とする無線通信装置。 - 前記チャネル評価手段は、使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を軟判定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。 - 前記無線通信装置は特定の基地局の制御下でネットワーク動作を行ない、
前記チャネル評価手段は前記基地局が送信するビーコン又はその他の既知信号の所望波対妨害波比(CIR)をチャネル評価値として計測する、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。 - 前記無線通信装置は特定の基地局の制御下でネットワーク動作を行ない、
前記チャネル評価手段は前記基地局からの要求に応じてチャネル評価値を測定し又は自ら測定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。 - 使用チャネルを動的に選択する無線ネットワークにおいて無線通信を行なうための無線通信方法であって、
使用可能な複数のチャネルの中から選択して受信する受信ステップと、
使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該チャネルの評価結果として求めるチャネル評価ステップと、
各チャネルについてのチャネル評価結果を外部に報告する評価結果報告ステップと、
を具備することを特徴とする無線通信方法。 - 前記チャネル評価ステップでは、使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を軟判定する、
ことを特徴とする請求項13に記載の無線通信方法。 - 特定の基地局の制御下で無線ネットワークにおいて無線通信を行なっており、
前記チャネル評価ステップでは前記基地局が送信するビーコン又はその他の既知信号の所望波対妨害波比(CIR)をチャネル評価値として計測する、
ことを特徴とする請求項13に記載の無線通信方法。 - 特定の基地局の制御下で無線ネットワークにおいて無線通信を行なっており、
前記チャネル評価手段は前記基地局からの要求に応じてチャネル評価値を測定し又は自ら測定する、
ことを特徴とする請求項13に記載の無線通信方法。 - 使用チャネルを動的に選択する無線ネットワークにおいて基地局として動作する無線通信装置であって、
無線ネットワーク内で動作する各局において使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し該計測値の時間的な総和により求められたチャネル評価結果を収集する評価結果収集手段と、
各局から収集されたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして選択するチャネル選択制御手段と、
を具備することを特徴とする無線通信装置。 - 前記チャネル選択制御手段は、無線ネットワーク内の各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求める際に、各局が要求している伝送帯域を重み付けした加重平均を使用する、
ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信装置。 - 前記評価結果収集手段は、無線ネットワーク内の各局に対しチャネル評価結果を要求し、各局からの要求に対する報告を受信する、
ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信装置。 - 前記チャネル選択制御手段は、チャネル選択時の干渉評価で期待できる伝送品質に対して実際の伝送品質が一定割合以下となったことに応答して再度チャネル選択を行なう、
ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信装置。 - 使用チャネルを動的に選択する無線ネットワークにおいて基地局として動作するための無線通信方法であって、
無線ネットワーク内で動作する各局において使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し該計測値の時間的な総和により求められたチャネル評価結果を収集する評価結果収集ステップと、
各局から収集されたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求め、最も良いチャネル評価結果を得たチャネルを当該無線ネットワークにおける使用チャネルとして選択するチャネル選択制御ステップと、
を具備することを特徴とする無線通信方法。 - 前記チャネル選択制御ステップでは、無線ネットワーク内の各局において求められたチャネル評価結果のチャネル毎の総和を求める際に、各局が要求している伝送帯域を重み付けした加重平均を使用する、
ことを特徴とする請求項21に記載の無線通信方法。 - 前記評価結果収集ステップでは、無線ネットワーク内の各局に対しチャネル評価結果を要求し、各局からの要求に対する報告を受信する、
ことを特徴とする請求項21に記載の無線通信方法。 - 前記チャネル選択制御ステップでは、チャネル選択時の干渉評価で期待できる伝送品質に対して実際の伝送品質が一定割合以下となったことに応答して再度チャネル選択を行なう、
ことを特徴とする請求項21に記載の無線通信方法。 - 使用チャネルを動的に選択する無線ネットワークにおいて無線通信を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
使用可能な複数のチャネルの中から選択して受信する受信ステップと、
使用可能な1以上のチャネルにおけるチャネル評価値を計測し、該計測値の時間的な総和を当該チャネルの評価結果として求めるチャネル評価ステップと、
各チャネルについてのチャネル評価結果を外部に報告する評価結果報告ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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