JP5075593B2 - 放射性廃棄物切断装置、及び、放射性廃棄物切断方法 - Google Patents

放射性廃棄物切断装置、及び、放射性廃棄物切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射性廃棄物の減容(容積減少)のために、放射性廃棄物を切断する装置、及び、放射性廃棄物を切断する方法に関する。
従来から、原子力発電所等で発生する、使用済み制御棒(実施形態中の図3参照)や使用済み燃料チャンネルボックス(同じく図4参照)などの放射性廃棄物は、極めて放射能レベルが高いことから、通常、水中(プール内)で保管される。ところが、使用済み制御棒は、長尺で、且つ、断面が十字形状であり、また、使用済みチャンネルボックスは、長尺の箱形形状(四角筒状)であるため、このような形状のままで保管したのでは保管効率が悪い。そこで、保管効率を高めるために、使用済み制御棒や使用済み燃料チャンネルボックスを切断して減容することが一般的に行われている。
例えば、図3の使用済み制御棒に関しては、横方向(長さ方向と直交する方向)に切断して下端部の速度リミッタ部3bを分離した後、残った上部の十字形状の本体部3aをその十字状の中心部において縦方向(長さ方向)に切断することによって、2つの断面L字形状のL字形片に分離する。また、図4の使用済みチャンネルボックスに関しては、四角筒の対角位置にある2つの角部において縦方向に切断することによって、2つの断面L字形状のL字形片に分離する。このように、使用済み制御棒や使用済み燃料チャンネルボックスをL字形片に分離すれば、それらのL字形片を重ねることによって、少ないスペースに多くの廃棄物を保管することが可能となる。
この放射性廃棄物の切断に関しては、従来から種々の装置又は方法が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。特許文献1には、吊具に吊り下げられた放射性廃棄物を、プラズマアーク等の切断トーチによって、縦方向と横方向にそれぞれ切断可能な装置が開示されている。この切断装置は、吊具で吊り下げられた放射性廃棄物を切断トーチに対して上下方向に移動させることにより、放射性廃棄物を縦方向に切断する。また、放射性廃棄物を軸周りに回転させつつ切断トーチに対して水平移動させることにより、放射性廃棄物を横方向に切断する。
特許文献2には、切断物保持装置に保持された放射性廃棄物に対して、研磨材が混合された水をノズルから高圧で噴射しつつ(ウォータージェット)、このノズルを放射性廃棄物に対して上下方向に移動させることで、放射性廃棄物を縦方向に切断する装置が開示されている。
特許文献3には、放射性廃棄物に対して、切断ノズルからアシストガスを噴射しつつレーザー光を照射しながら、運搬装置により放射性廃棄物を上下方向に移動させることで、放射性廃棄物を縦方向に切断する装置が開示されている。
特許文献4には、箱形形状(四角筒状)の使用済み燃料チャンネルボックスの内部に配置された、チャンネルボックスの縦方向に延びる切断刃を、内側からシリンダで押し付けることにより、使用済み燃料チャンネルボックスを、対角位置にある2つの角部においてそれぞれ縦方向に切断して、2つのL字形片に分離する装置が開示されている。
特許文献5には、箱形形状の使用済み燃料チャンネルボックスの4つの角部から、複数の孔を打ち抜くことにより、使用済み燃料チャンネルボックスを4つの角部においてそれぞれ縦方向に切断して、4つの長尺板状片に分離する装置が開示されている。
特許文献6には、放射性廃棄物を縦方向に切断するための縦切断ノズルと、放射性廃棄物を横方向(長さ方向と直交する方向)に切断するための横切断ノズルとを有する切断装置が開示されている。この切断装置は、まず、横切断ノズルから、放射性廃棄物に対して、研磨材が混合された水を高圧で噴射しつつ、放射性廃棄物を軸周りに回転させることで、放射性廃棄物を横方向に切断する。次に、縦切断ノズルから、放射性廃棄物に対して、同じく研磨材が混合された水を高圧で噴射しつつ、放射性廃棄物を上下方向に移動させることで、放射性廃棄物を縦方向に切断する。
特開昭63−88500号公報 特開平8−285996号公報 特開2003−28990号公報 特開昭62−257093号公報 特開昭53−27795号公報 特開2001−4785号公報
特許文献1の装置は、プラズマアーク等の電気式切断で放射性廃棄物を切断することから、切断時にガスを使用する。そのため、ガスの影響が周囲に及ぶのを防ぐために水中で装置全体を囲む隔壁が必要となるとともに、オフガス処理設備が必要になる。また、切断時に発生するガスをクリーンな状態にするオフガスフィルタが消耗品として必要となる。その結果、オフガスフィルタを交換する作業が必須となり、また、交換の際にオペレータが放射線被ばくするという問題点もあった。
特許文献2の装置は、研磨材が混合された水をノズルから噴射して放射性廃棄物を切断するため、研磨材を含むヘドロ状の二次廃棄物が発生し、その除去等の作業に手間がかかるという問題がある。
特許文献3の装置は、切断ノズルからアシストガスを噴射しつつレーザーで放射性廃棄物を切断するため、ガスの使用によりオフガスフィルタの交換が必要であるなど、前述した特許文献1の装置と同様の問題が生じる。
特許文献4の装置は、箱形形状の使用済み燃料チャンネルボックスの角部を切断する場合には適しているものの、箱形形状以外の形状を有する放射性廃棄物、例えば、断面十字形状の使用済み制御棒をその十字状中心部で縦方向に切断する場合に適用することはできない。
特許文献5の装置は、複数の孔を打ち抜くことにより放射性廃棄物を切断するため、小さな寸法の打ち抜き片が大量に発生し、その処理に手間がかかる。また、打ち抜き刃の摩耗が大きいために、肉厚の大きい放射性廃棄物を切断することは難しい。特に、断面十字形状の使用済み制御棒を、肉厚の大きい十字中心部において縦方向に切断する場合には不向きである。
特許文献6の装置は、放射性廃棄物を縦方向に切断する縦切断ノズルと、横方向に切断する横切断ノズルの、2つのノズルが必要であるため、装置構成が複雑になり、また、メンテナンスに手間がかかる。特に、プールの底部に位置する装置下部に固定的に設けられた、横切断ノズルのメンテナンスは非常に困難なものとなる。さらに、ノズルから研磨材が混合された水を高圧で噴射することにより放射性廃棄物を切断するため、特許文献2の装置と同様に、研磨材を含むヘドロ状の二次廃棄物が発生するという問題も生じる。
本発明の目的は、様々な形状や肉厚を有する放射性廃棄物を縦方向と横方向にそれぞれ切断可能であり、さらに、切断時の二次廃棄物の発生が少ない、放射性廃棄物切断装置及び切断方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の放射性廃棄物切断装置は、一方向に長尺の放射性廃棄物を水中で切断する放射性廃棄物切断装置であって、
バンドソーを含む切断手段と、前記バンドソーと前記放射性廃棄物の一方を、他方に対して前記放射性廃棄物の長さ方向である縦方向に相対移動させる縦方向駆動手段と、前記バンドソーと前記放射性廃棄物の一方を、他方に対して前記放射性廃棄物の前記縦方向と直交する横方向に相対移動させる横方向駆動手段と、前記バンドソーの切断方向を、前記縦方向と前記横方向との間で切り換える切断方向切換手段と、を備え
前記切断方向切換手段は、それぞれU字溝を有し、且つ、切断対象である前記放射性廃棄物に関して互いに対称な位置において前記U字溝で前記バンドソーをそれぞれ挟むように配置されて、前記バンドソーをガイドする、2つのガイド部材と、前記2つのガイド部材を回動させて、前記バンドソーの向きを変更する回動駆動手段と、90°の円弧形状に形成され、各ガイド部材の前記U字溝の開口端と反対側の端部をその円弧軌道に沿って案内する案内レール部材とを有し、前記回動駆動手段は、前記ガイド部材の前記開口端と反対側の端部を、前記案内レール部材の90°の円弧軌道に沿って移動させることによって、前記ガイド部材を、前記開口端が前記縦方向に向いた姿勢と前記横方向に向いた姿勢の間で回動させることを特徴とするものである。
本発明の構成によれば、切断方向切換手段により、バンドソーの切断方向(放射性廃棄物を直接切断する部分の向き)を縦方向又は横方向に切り換えてから、縦方向駆動手段又は横方向駆動手段により、バンドソーと放射性廃棄物をバンドソーの切断方向(縦方向又は横方向)に沿って相対移動させることで、放射性廃棄物を縦方向と横方向にそれぞれ切断することができる。つまり、1つのバンドソーで縦方向切断と横方向切断の両方が可能であるため、装置構成が簡素化され、さらに、バンドソーの交換などのメンテナンス作業も簡単になる。
また、バンドソーは種々の形状や肉厚を有する放射性廃棄物(例えば、肉厚の大きい、使用済み制御棒の十字中心部など)を容易に切断することができる。その上、他の種類の切断方法と比べて、バンドソーによる切断では、切断幅が小さく、また、1刃当たりの切り込み量が小さいため、切断反力が小さい。そのために、小さなクランプ力で放射性廃棄物を確実に固定でき、放射性廃棄物を固定するためのクランプ装置を小型化できるというメリットもある。
さらに、バンドソーを用いた機械式の切断においては、プラズマアーク切断(特許文献1)やレーザー切断(特許文献3)におけるガス発生がなく、隔壁が不要で、オフガスフィルタの交換等の作業も生じない。また、研磨材が混合された高圧水(ウォータージェット)による切断(特許文献2,6)におけるヘドロ状の二次廃棄物の発生もない。そのため、従来のものと比べて、切断装置がコンパクトなものとなるために据付け作業が容易になり、また、メンテナンス作業の簡素化によるランニングコストの低減といった効果も得られる。
また、回動駆動手段により、バンドソーをガイドするガイド部材を回動させるだけで、放射性廃棄物に対向する部分のバンドソーの向きを縦方向と横方向との間で簡単に変更する(切り換える)ことができる。
また、バンドソーの、放射性廃棄物を直接切断する部分が、2つのガイド部材により両側からガイドされるため、バンドソーにより放射性廃棄物を安定して切断することができる。
の発明の放射性廃棄物切断装置は、前記第1の発明の放射性廃棄物切断装置を用いて、一方向に長尺の放射性廃棄物を水中で切断する放射性廃棄物切断方法であって、
前記回動駆動手段により、前記2つのガイド部材の前記U字溝の開口端と反対側の端部を、それぞれ前記案内レール部材の円弧軌道に沿って移動させて前記2つのガイド部材を回動させることによって、バンドソーの切断方向を、前記放射性廃棄物の長さ方向である縦方向に向けてから、前記縦方向駆動手段により前記バンドソーと前記放射性廃棄物の一方を他方に対して前記縦方向に相対移動させて、前記放射性廃棄物を前記縦方向に切断する縦切断工程と、同じく前記回動駆動手段により前記2つのガイド部材を回動させることによって、前記バンドソーの切断方向を、前記縦方向と直交する横方向に向けてから、前記横方向駆動手段により前記バンドソーと前記放射性廃棄物の一方を他方に対して前記横方向に相対移動させて、前記放射性廃棄物を前記横方向に切断する横切断工程と、を備えていることを特徴とするものである。
の発明の放射性廃棄物切断方法は、前記第の発明において、前記放射性廃棄物が、前記横方向に平行な断面が十字状の本体部とこの本体部の長さ方向一端部に設けられた速度リミッタ部とを有する、使用済み制御棒であり、
前記縦切断工程において、前記使用済み制御棒の本体部の十字状中心部をその長さ方向に沿って切断して、前記本体部を2つのL字形片に分離し、
前記横切断工程において、前記使用済み制御棒の前記本体部と前記速度リミッタ部とを切断して両者を分離することを特徴とするものである。
の発明の放射性廃棄物切断方法は、前記第の発明において、前記放射性廃棄物が、四角筒状の使用済み燃料チャンネルボックスであり、
前記縦切断工程において、前記使用済み燃料チャンネルボックスの角部をその長さ方向に沿って切断して、前記使用済み燃料チャンネルボックスを、2つのL字形片、又は、4つの長尺板状片に分離することを特徴とするものである。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係る、放射性廃棄物切断装置1(以下、単に切断装置1という)の斜視図、図2は、切断装置1の側面図である。尚、図1における上下前後左右の方向を、それぞれ上下前後左右と定義する。
図1、図2に示す切断装置1は、水が満たされたプール内に設置される。そして、原子力発電所において発生する高放射性廃棄物である、長尺の放射性廃棄物(具体的には、使用済み制御棒3(図3)や使用済み燃料チャンネルボックス4(図4))を、このプール内(水中)で切断する。
切断装置1について説明する前に、先に、この切断装置1により切断される放射性廃棄物である、使用済み制御棒3、及び、使用済み燃料チャンネルボックス4について説明する。図3に示すように、使用済み制御棒3は、長さ方向と直交する断面が十字状の本体部3aと、この本体部3aの長さ方向一端部(下端部)に設けられた速度リミッタ部3bとを有する。そして、この使用済み制御棒3を減容する際には、切断装置1は、まず、図3のA−A線の位置において、使用済み制御棒3を、その長さ方向(縦方向)と直交する方向(横方向)に切断し、上部の本体部3aと下端部の速度リミッタ部3bとを分離する。さらに、十字状中心部3cの位置(B−B線の位置)において、本体部3aを長さ方向(縦方向)に切断し、2つの断面L字状のL字形片5(図5、図6参照)に切り分ける。
図4に示すように、使用済み燃料チャンネルボックス4は、四角筒形状の外形を有し、その上端部には、2つのクリップ4aと2つのスペーサ4bが設けられている。そして、この使用済み燃料チャンネルボックス4を減容する際には、使用済み燃料チャンネルボックス4の、対角位置にある2つの角部を縦方向に切断し(図4のC−C線の位置)、2つの断面L字状のL字形片5(図5、図6参照)に切り分ける。あるいは、4つ全ての角部を縦方向にそれぞれ切断して、4枚の長尺板状片に切り分けてもよい。
使用済み制御棒3あるいは使用済み燃料チャンネルボックス4を切断することによって得られたL字形片5は、図5、図6に示すように、複数枚重ねた状態で、貯蔵箱2内にコンパクトに収容することができる。また、使用済み燃料チャンネルボックス4が4枚の長尺板状片に切断された場合でも、複数の長尺板状片を重ねて貯蔵箱2内に収容することができる。尚、使用済み制御棒3の、本体部3aから切り離された速度リミッタ部3bは、L字形片5とは別の貯蔵箱内に重ねて収容される。
次に、切断装置1について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、切断装置1は、本体フレーム10と、この本体フレーム10内に鉛直姿勢で設置された放射性廃棄物を切断する切断ユニット11(切断手段)と、切断ユニット11を上下方向(放射性廃棄物の長さ方向:縦方向)に移動させる縦方向移動機構12(縦方向駆動手段)と、切断ユニット11を水平方向(縦方向に直交する横方向)に移動させる横方向移動機構13(横方向駆動手段)と、切断対象である放射性廃棄物を固定するためのクランプ装置(主クランプ装置52及び補助クランプ装置53)等を備えている。尚、図1においては、放射性廃棄物として、断面十字状の使用済み制御棒3が設置された状態が示されている。
本体フレーム10は、主フレーム15と、主フレーム15の上端部に固定された上部フレーム16と、主フレーム15の下端部に固定された下部フレーム17等を有する。また、主フレーム15の一側面(図1では前面)には、放射性廃棄物の搬入及び搬出のための扉18が開閉可能に取り付けられている。但し、放射性廃棄物を主フレーム15の側面から搬入及び搬出する必要は必ずしもなく、主フレーム15の上方から搬入及び搬出してもよい。この場合には扉18は不要である。
主フレーム15の背部には、切断装置1をプールの側壁に固定するための据付フック20が設けられている。また、上部フレーム16と下部フレーム17には、上下方向に延びる4本のガイド軸19の上下端部がそれぞれ固定されている。これら4本のガイド軸19には、水平な昇降基台21が上下方向(縦方向)に移動可能に取り付けられている。また、この昇降基台21の上面に切断ユニット11が設けられている。
昇降基台21は、縦方向駆動機構12によって上下方向(縦方向)に駆動される。具体的には、この縦方向駆動機構12は、昇降基台21に連結された昇降ロッド22と、この昇降ロッド22に連結され、モータ等の適宜の駆動手段を含む駆動部23とを有し、駆動部23で昇降ロッド22を昇降駆動することにより、昇降ロッド22の下端部に連結された昇降基台21(切断ユニット11)を上下方向(縦方向)に移動させる。尚、縦方向駆動機構12は、上述したような、昇降ロッド22の昇降により昇降基台21を上下に駆動するものには限られず、ネジ機構やチェーン機構など、他の公知の機構を用いて昇降基台21を上下方向に駆動するものであってもよい。
図7(a)は、切断ユニット11の上面図、図7(b)は(a)のVIIa-VIIa線断面図である。図1、図2、図7に示すように、切断ユニット11は、昇降基台21の上面に配置されたバンドソー取付台31と、このバンドソー取付台31に取り付けられたバンドソー30を備えている。図2に示すように、バンドソー取付台31は、昇降基台21の上面に、2つのローラ32を介して、昇降基台21に対して前後方向に移動可能に配置されている。なお、切断時にバンドソー取付台31が昇降基台21に対して浮き上がらないように、図示しない浮き上がり防止ストッパーが昇降基台21に設けられている。また、図2に示すように、バンドソー取付台31は、横方向駆動機構13(横方向駆動手段)によって前後方向(横方向)に駆動される。具体的には、横方向駆動機構13は、バンドソー取付台31に連結された流体圧シリンダ33(例えば、エアシリンダ)を有し、この流体圧シリンダ33のロッドが前後方向に進退することによって、バンドソー取付台31(即ち、切断ユニット11)を昇降基台21に対して横方向(前後方向)に移動させる。
バンドソー取付台31の上面には、互いに等しい径を有する2つの主プーリ34と、1つの補助プーリ35が、それぞれ回転自在に設けられている。そして、2つの主プーリ34と1つの補助プーリ35とにわたって、無端状のバンドソー30(帯鋸)が架け渡されている。図7(b)に示すように、このバンドソー30の幅方向一方側の端面には刃部30aが形成されている。また、一方の主プーリ34にはバンドソー駆動モータ36が連結され、バンドソー駆動モータ36によって主プーリ34が回転駆動されることにより、3つのプーリ34,35に架け渡されたバンドソー30が走行する。
先にも説明したが、図2に実線及び鎖線で示されているように、バンドソー30を含む切断ユニット11が設けられた昇降基台21は、縦方向駆動機構12により本体フレーム10に対して上下方向に駆動される。また、バンドソー30が取り付けられたバンドソー取付台31は、昇降基台21に対して前後方向に駆動される。従って、バンドソー30は、縦方向駆動機構12により、放射性廃棄物に対して縦方向(上下方向)に駆動されるとともに、横方向駆動機構13により、放射性廃棄物に対して横方向(前後方向)に駆動されることになる。
さらに、本実施形態の切断装置1は、バンドソー30の切断方向を縦方向(上下方向)と横方向(水平方向)との間で切り換える、2つの切断方向切換機構40(切断方向切換手段)を備えている。図7〜図9に示すように、2つの切断方向切換機構40は、それぞれ、バンドソー30をガイドするガイド部材41と、ガイド部材41を回動駆動する流体圧シリンダ42(回動駆動手段)を有する。
図7、図8に示すように、2つのガイド部材41は、2つの主プーリ34の間において、左右方向に間隔を空けて配置されている。より具体的には、主フレーム15内に鉛直姿勢で設置される、切断対象の放射性廃棄物(図7(a)、図8(a)においては使用済み制御棒3を例示)に関して互いに対称な位置に、2つのガイド部材41がそれぞれ配置されている。図7(b)、図8(b)に示すように、2つのガイド部材41はそれぞれ略U字状の鉛直断面形状を有し、バンドソー30の、2つの主プーリ34の間に位置する部分をそれぞれ挟むように設置されている。
さらに、図9に示すように、切断方向切換機構40は、略90°の円弧形状に形成された案内レール部材43と、案内レール部材43を支持する支持部材44と、支持部材44に相対回動自在に取り付けられた流体圧シリンダ42とを有する。ガイド部材41のU字溝開口端と反対側の端部41aは、案内レール部材43に案内されて、図9(a)の上端位置と図9(b)の下端位置の間で、90°の円弧軌道に沿って移動可能に構成されている。支持部材44は、バンドソー取付台31(図7、図8参照)に着脱自在に取り付けられて、案内レール部材43及びガイド部材41を支持する。また、ガイド部材41の端部41aは流体圧シリンダ42のロッドの先端部に連結されている。
そして、切断方向切換機構40は、流体圧シリンダ42のロッドが進退したときに、ガイド部材41の端部41aを案内レール部材43に沿って90°の円弧軌道上を移動させることで、ガイド部材41を、バンドソー30の中心C0を軸にして90°回動させるように構成されている。これにより、ガイド部材41にガイドされるバンドソー30の向き(切断方向)を、バンドソー30の中心C0の位置をずらすことなく、縦方向(上下方向)と横方向(水平方向)の間で切り換えることが可能となる。
図7に示すように、放射性廃棄物の切断時には、この放射性廃棄物(使用済み制御棒3)は、2つのガイド部材41の間に配置される。そして、図7(a),(b)に示すように、バンドソー30の、2つの主プーリ34の間に位置する部分が、2つのガイド部材41によって縦方向に向けられ、バンドソー30の刃部30aが下を向いている状態では、縦方向駆動機構12によって昇降基台21とともにバンドソー30を下方へ移動させることにより、放射性廃棄物を縦方向に切断できる。
一方、図7の状態から、流体圧シリンダ42によって2つのガイド部材41が、U字溝が前方へ向くようにそれぞれ90°回動駆動されると、図8に示すように、バンドソー30の、2つの主プーリ34の間に位置する部分が、2つのガイド部材41によって横方向に向けられ、バンドソー30の刃部30aが前方を向くようになる。この状態で、横方向駆動機構13によって、バンドソー取付台31とともにバンドソー30を前方へ水平に移動させることにより、放射性廃棄物を横方向に切断できる。
次に、主フレーム15内に搬入された放射性廃棄物を固定するための構成について説明する。
図1、図2に示すように、主フレーム15の内側には、その内側空間の中央において上下方向に延びる第1取付フレーム50と、第1取付フレーム50の周囲において上下方向に延びる2本の第2取付フレーム51とが設けられている。第1取付フレーム50には、複数の主クランプ装置52が上下方向に間隔を空けて取り付けられている。また、第2取付フレーム51には、複数の主クランプ装置52と協働して、長尺の放射性廃棄物を鉛直姿勢で固定する、複数の補助クランプ装置53が、上下方向に間隔を空けて取り付けられている。
また、図1に示すように、主フレーム15の上端部には、固定部材59が揺動自在に設けられている。この固定部材59は、流体圧シリンダやモータ等の適宜の駆動手段によって揺動駆動されることで、第1取付フレーム50の上端を押圧して固定するためのものである。これにより、長尺の放射性廃棄物が主フレーム15内に搬入されてから、主クランプ装置52及び補助クランプ装置53によって放射性廃棄物が固定された状態における、放射性廃棄物の姿勢(鉛直姿勢)がより安定する。
また、本実施形態の切断装置1では、放射性廃棄物を切断する切断手段として、バンドソー30を採用している。このバンドソー30は、切断幅が小さく、また、1刃当たりの切り込み量が小さいため、切断反力が小さい。そのために、放射性廃棄物を小さなクランプ力でも確実に固定でき、クランプ装置52,53を小型化できる。
ところで、本実施形態の切断装置1は、使用済み制御棒3(図3参照)と使用済み燃料チャンネルボックス4(図4参照)という、形状の異なる2種類の放射性廃棄物をそれぞれ切断する。そして、これら2種類の放射性廃棄物を切断する際には、両者にそれぞれ適したクランプ装置52,53が使用される。
図10は、使用済み制御棒3を切断する場合の、クランプ装置周辺部分の水平断面図である。この図10に示すように、断面十字形状の本体部3aを含む使用済み制御棒3を切断する場合には、主クランプ装置52aが取り付けられた第1取付フレーム50aと、補助クランプ装置53aがそれぞれ取り付けられた2本の第2取付フレーム51aが使用される。主クランプ装置52aは、第1取付フレーム50aに対して回動可能な固定アーム54を有し、モータ等の適宜の駆動手段により、図10の実線で示す固定位置と図10の二点鎖線で示す開放位置との間で固定アーム54を回動させるように構成されている。また、補助クランプ装置53aは、ロッドの先端に1対の把持部55がそれぞれ回動自在に取り付けられた流体圧シリンダである。
この構成により、主フレーム15内に搬入された使用済み制御棒3を以下のようにして固定する。即ち、第1取付フレーム50aに取り付けられた主クランプ装置52aのそれぞれにおいて、固定アーム54を開放位置から固定位置に回動させて、十字形状の使用済み制御棒3(本体部3a)の2つの板片をそれぞれ把持させる。さらに、2本の第2取付フレーム51aに取り付けられた補助クランプ装置53aのそれぞれにおいて、ロッドを進出させ、さらに、ロッドの先端部に設けられた把持部55により、残り2つの板片の先端を把持させる。
尚、図1、図2に示すように、主フレーム15内の下部空間には、使用済み制御棒3の下端部の速度リミッタ部3bを横方向に切断して分離する際に、この速度リミッタ部3bを固定するための流体圧シリンダ60が設けられている。また、その横切断の際に切断位置(切断高さ)を調整するための、シリンダ等の駆動手段を含む昇降機構61も設けられている。
図11は、使用済み燃料チャンネルボックス4を切断する場合の、クランプ装置周辺部分の水平断面図である。この図11に示すように、四角筒状の使用済み燃料チャンネルボックス4を切断する場合には、使用済み制御棒3を切断する場合とは別の、主クランプ装置52bが取り付けられた第1取付フレーム50bと、補助クランプ装置53bが取り付けられた2本の第2取付フレーム51bが使用される。主クランプ装置52bは、直角的に切り込まれたV字溝57を有するとともに第1取付フレーム50bに固定される受け部材56を備えている。また、補助クランプ装置53bは、ロッドの先端に平坦な押圧部58が取り付けられた流体圧シリンダである。
この構成により、主フレーム15に搬入された使用済み燃料チャンネルボックス4を以下のようにして固定する。即ち、主クランプ装置52bの受け部材56に形成されたV字溝57の、互いに直交する2つの内面に四角筒状の使用済み燃料チャンネルボックス4の2面を当接させる。この状態で、2本の第2取付フレーム51bに取り付けられた補助クランプ装置53bのそれぞれにおいてロッドを進出させ、ロッドの先端部に設けられた押圧部58により、使用済み燃料チャンネルボックス4の残りの2面を押圧する。
このように、使用済み制御棒3と使用済み燃料チャンネルボックス4の何れを切断するのかによって、その切断対象に対応するクランプ装置が取り付けられた取付フレーム50,51を選択することで、形状の異なる放射性廃棄物をそれぞれ確実に固定することができる。尚、上記説明においては、クランプ装置52,53を取付フレーム50,51ごと交換するようにしているが、取付フレーム50,51は共通とし、この取付フレーム50,51に取り付けられるクランプ装置52,53のみを切断対象に応じて交換するようにしてもよい。
また、図11に示すように、使用済み燃料チャンネルボックス4を切断する場合には、上述した主クランプ装置52b及び補助クランプ装置53bに加えて、使用済み燃料チャンネルボックス4を内側から突っ張る中子式のクランプ装置62が併用される。
図12は、この中子式のクランプ装置62の側面図、図13は図12のXIII-XIII線水平断面図である。図12、図13に示すように、クランプ装置62は、使用済み燃料チャンネルボックス4よりも一回り小さい四角筒の外形形状を有するクランプ本体63と、このクランプ本体63に内蔵されたクランプシリンダ64と、クランプシリンダ64のピストン67に連結されたクランプヘッド65とを有する。
クランプシリンダ64は、クランプ本体63内において上下に2つ設けられている。各クランプシリンダ64は、クランプ本体63内に形成されたシリンダ穴66と、このシリンダ穴66の内部に摺動可能に配設された2つのピストン67とを有する。そして、シリンダ穴66の内部空間が2つのピストン67で仕切られることによって、3つのシリンダ室68a,68b,68cが形成されている。これら3つのシリンダ室68a,68b,68cには、クランプ本体63に形成された、流体供給路としてのドリルホール(図示省略)がそれぞれ連通しており、さらに、それぞれのドリルホールの端部には、高圧流体を供給するための外部の高圧ホース(図示省略)が接続される。
また、2つのピストン67には2つのクランプヘッド65がそれぞれネジ69で連結されている。そして、各々のクランプシリンダ64に、クランプ本体63に形成されたドリルホールを介して高圧水や高圧空気等の流体が供給されることによって、2つのピストン67に連結された2つのクランプヘッド65がそれぞれ進退駆動される。このとき、2つのクランプヘッド65は、使用済み燃料チャンネルボックス4の対角位置にある2つの角部を、それぞれ内側から突っ張るように押圧する。
また、クランプ本体63の上端部にはロッド接続部66が設けられ、このロッド接続部には、クランプ装置62を昇降させるためのロッド67が接続される。そして、クランプ装置62は、バンドソー30による使用済み燃料チャンネルボックス4の縦方向切断動作に応じて、図示しない適宜の駆動手段によってロッド67を介して下方に向けて間欠的に駆動される。
次に、以上説明した切断装置1を用いた、放射性廃棄物の切断方法について説明する。図14は、使用済み制御棒3の切断工程を示す図、図15は、使用済み燃料チャンネルボックス4の切断工程を示す図である。図14、図15に示すように、切断装置1は、プール100内に設置されている。そして、このプール100内(水中)で、切断装置1への放射性廃棄物の搬入及び搬出がなされるようになっている。尚、図14、図15においては、切断装置1はプール100の底面に設置されているが、プール100の水深によっては、プール100内に図示しない架橋が配設された上で、この架橋に切断装置1が設置されてもよい。
(使用済み制御棒の切断工程)
図3に示す長尺の使用済み制御棒3を切断装置1で切断する場合には、まず、図14(a)に示すように、昇降ロッド22及び駆動部23(図2参照)を含む縦方向駆動機構12により、昇降基台21を下端位置まで下降させるとともに、流体圧シリンダ33を含む横方向駆動機構13により、バンドソー30が取り付けられたバンドソー取付台31を後退位置(図14における左方への移動限界位置)まで後退させる。その状態で、ワイヤ等で吊り下げられた使用済み制御棒3を、矢印で示すように、切断装置1の主フレーム15内に搬入する。
また、このとき、バンドソー30を上下方向に駆動する縦方向駆動機構12と、使用済み制御棒3を上下方向に駆動する昇降機構61によって、バンドソー30と使用済み制御棒3の一方又は両方の、上下方向位置を調整して、バンドソー30と、使用済み制御棒3の本体部3aと速度リミッタ部3bの境界部分の、上下方向位置を一致させる。そして、第1取付フレーム50aに取り付けられた主クランプ装置52aの固定アーム54(詳細は図10参照)を固定位置にするとともに、第2取付フレーム51aに取り付けられた補助クランプ装置53aのロッドを進出させ、さらに、ロッド先端の把持部55に把持させる。さらに、第1取付フレーム50aの上端部を固定部材59(図1参照)で押圧して第1取付フレーム50aを固定する。これにより、使用済み制御棒3を、その長さ方向が上下方向となる鉛直姿勢で確実に固定する。また、使用済み制御棒3の速度リミッタ部3bを流体圧シリンダ60により固定する。
さらに、バンドソー30を挟むように配置された断面略U字形の2つのガイド部材41を、流体圧シリンダ42により同方向にそれぞれ90°回動させることにより、図8のように、2つのガイド部材41の間においてバンドソー30の刃部30aを前方に向け、切断方向を縦方向から横方向に切り換える。
この状態で、図14(b)に示すように、バンドソー駆動モータ36によりバンドソー30を走行駆動しつつ、横方向駆動機構13によりバンドソー30を前方へ水平に進出させ、横方向に向いたバンドソー30の刃部30aにより、使用済み制御棒3を本体部3aと速度リミッタ部3bの間の境界部分において切断し、速度リミッタ部3bを本体部3aから分離させる(横切断工程)。尚、このようにして、使用済み制御棒3が横方向に切断された後においては、上部の本体部3aは主クランプ装置52aと補助クランプ装置53aとによって固定され、下端部の速度リミッタ部3bは流体圧シリンダ60によって固定された状態となる。
次に、第2取付フレーム51aに取り付けられた補助クランプ装置53aのロッドを一旦後退させてから、図14(c)に示すように、縦方向駆動機構12により、昇降基台21を上端位置まで上昇させる。その後、横方向駆動機構13により、バンドソー30を後退させて、バンドソー30の横方向位置を、使用済み制御棒3の本体部3aの十字状中心部3cの位置(一点鎖線で示すC1の位置)に一致するように調整する。そして、補助クランプ装置53aのロッドを再び進出させて、ロッド先端の把持部55に把持させ、本体部3aを再度固定する。
さらに、バンドソー30を挟むように配置された断面略U字形の2つのガイド部材41を、流体圧シリンダ42により同方向にそれぞれ90°回動させることにより、図7に示すように、バンドソー30の刃部30aを下方に向け、切断方向を横方向から縦方向に切り換える。
この状態で、図14(d)に示すように、走行状態のバンドソー30を、縦方向駆動機構12により所定の速度で下降させ、縦方向に向いたバンドソー30の刃部30aにより、本体部3aの十字状中心部3cを長さ方向に沿って切断し、2つのL字形片5a,5bに分離する(縦切断工程)。
このように、本体部3aを2つのL字形片5a,5bに分離した後は、L字形片5a、L字形片5b、速度リミッタ部3bの順に、分離された放射性廃棄物を主フレーム15内から取り出す。そして、2つのL字形片5a,5bは図5、図6に示す貯蔵箱2に重ねて収容し、速度リミッタ部3bは、別の貯蔵箱(図示省略)に上下に重ねて収容する。
(使用済み燃料チャンネルボックスの切断工程)
図4に示す、長尺の四角筒状の使用済み燃料チャンネルボックス4を切断装置1で切断する場合には、まず、図15(a)に示すように、流体圧シリンダ33を含む横方向駆動機構13により、バンドソー30が取り付けられたバンドソー取付台31を後退位置まで後退させる。その状態で、図示しない方法で上部のクリップ4aとスペーサ4bを予め除去した使用済み燃料チャンネルボックス4をワイヤ等で吊り下げ、切断装置1の主フレーム15内に搬入する。
そして、第2取付フレーム51に取り付けられた補助クランプ装置53bのロッドを進出させることにより、第1取付フレーム50bに取り付けられた主クランプ装置52bの受け部材56(詳細は図10参照)に、使用済み燃料チャンネルボックス4を押し付けて、長さ方向が上下方向となる鉛直姿勢で確実に固定する。
また、バンドソー30を挟むように配置された断面略U字形の2つのガイド部材41を、流体圧シリンダ42によりそれぞれ回動させることにより、図7のように、バンドソー30の刃部30aを下方に向け、切断方向を縦方向に切り換えておく。
次に、図15(b)に示すように、横方向駆動機構13によりバンドソー30を前方へ進出させて、バンドソー30の横方向位置が、使用済み燃料チャンネルボックス4の2つの角部を結ぶ対角線の位置(一点鎖線で示すC2の位置)に一致するように調整する。
この状態で、図15(c)に示すように、バンドソー駆動モータ36によりバンドソー30を走行駆動しつつ、縦方向駆動機構12によりバンドソー30を下降させ、縦方向(下方)に向いたバンドソー30の刃部30aにより、使用済み燃料チャンネルボックス4の、対角位置にある2つの角部を長さ方向に沿って切断し、2つのL字形片5a,5bに分離する(縦切断工程)。
尚、この縦切断工程においては、中子式のクランプ装置62を、使用済み燃料チャンネルボックス4の内部に上方から挿入しつ、このクランプ装置62のクランプヘッド65がチャンネルボックス4を内側から突っ張っている状態で、バンドソー30による縦切断を行う。より具体的には、バンドソー30がチャンネルボックス4を所定の長さだけ切断したときに、バンドソー30の下降(切断)を一旦停止し、中子式のクランプ装置62を、バンドソー30のすぐ上の、バンドソー30とは干渉しない位置まで下降させる。そして、この位置において中子式のクランプ装置62がチャンネルボックス4を内側から突っ張っている状態で、バンドソー30による縦切断を再開する。その後、バンドソー30による所定長さの切断と、バンドソー30の下降に追従した中子式のクランプ装置62の下降(高さ位置変更)を間欠的に行いつつ、使用済み燃料チャンネルボックス4を全長にわたって縦方向に切断する。
このように、バンドソー30が所定長さの切断を行う度に、そのバンドソー30の下降に応じて中子式のクランプ装置62も間欠的に下降させて、内側から突っ張る位置を変更することで、バンドソー30による縦切断をより安定して行うことができるようになる。
以上のようにして、使用済み燃料チャンネルボックス4を2つのL字形片5a,5bに分離した後は、中子式のクランプ装置62を上方に退避させた後、2つのL字形片5a,5bを順番に主フレーム15内から取り出す。そして、これら2つのL字形片5a,5bを図5、図6に示す貯蔵箱2に重ねて収容する。
以上説明した、本実施形態の放射性廃棄物切断装置1、及び、放射性廃棄物の切断方法によれば、次のような効果が得られる。
切断方向切換機構40により、バンドソー30の切断方向(放射性廃棄物を切断する部分における刃部30aの向き)を縦方向又は横方向に切り換えてから、縦方向駆動機構12又は横方向駆動機構13により、バンドソー30をその切断方向(縦方向又は横方向)に移動させることで、放射性廃棄物を縦方向と横方向にそれぞれ切断することができる。このように、1つのバンドソー30で縦方向切断と横方向切断の両方が可能であるため、装置構成を簡素化されるとともに、バンドソー30を交換するなどのメンテナンス作業が簡単になる。また、切断ユニット11のメンテナンス時には、縦方向駆動機構12により切断ユニット11を上端位置まで移動させることができるため、バンドソー30の交換などのメンテナンス作業が非常に容易になる。
また、他の切断手段に比べて、バンドソー30は種々の形状や肉厚の放射性廃棄物(例えば、肉厚の大きい、使用済み制御棒3の十字状中心部3cなど)を容易に切断することができる。その上、切断幅が小さく、また、1刃当たりの切り込み量が小さいため、切断反力が小さい。そのために、放射性廃棄物を小さなクランプ力で確実に固定できる。さらに、バンドソー30を用いた機械式の切断においては、プラズマアーク切断やレーザー切断におけるガス発生がなく、隔壁が不要で、オフガスフィルタの交換等の作業も生じない。また、研磨材が混合された高圧水(ウォータージェット)による切断におけるヘドロ状の二次廃棄物の発生もない。切断装置1がコンパクトなものとなるために据付け作業が容易になり、また、メンテナンス作業の簡素化によるランニングコストの低減といった効果も得られる。
また、切換方向切換機構40は、バンドソー30をガイドするガイド部材41を流体圧シリンダ42で回動させるという簡単な動作で、バンドソー30の切断方向を縦方向と横方向との間で簡単に変更する(切り換える)ことができる。さらに、2つのガイド部材41が、放射性廃棄物に関して対称な位置に配置されていることから、バンドソー30の、放射性廃棄物を直接切断する部分が、2つのガイド部材41により両側からガイドされることになり、放射性廃棄物を安定して切断することができる。
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明を適用可能な形態は前述した実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態においては、使用済み制御棒3の本体部3aと速度リミッタ部3bとを分離する場合にのみ横切断を行っていたが、長尺の使用済み制御棒3の本体部3aや使用済み燃料チャンネルボックス4の長さを短くするために、横切断を行ってもよい。
また、前記実施形態においては、放射性廃棄物(使用済み制御棒3)を横方向に切断してから縦方向に切断しているが、縦方向に切断した後に横方向に切断してもよい。
また、前記実施形態においては、縦方向駆動機構12及び横方向駆動機構13により、バンドソー30を放射性廃棄物に対して縦方向及び横方向に移動させているが、逆に、放射性廃棄物の方をバンドソー30に対して縦方向及び横方向に移動させることにより、放射性廃棄物をバンドソー30で切断することもできる。
さらに、バンドソー30を放射性廃棄物に対して、縦方向駆動機構12と横方向駆動機構13により縦方向と横方向にそれぞれ移動させることができ、さらに、切断方向切換機構40によりバンドソー30の切断方向を縦方向と横方向の間で切り換えることができるため、断面十字形状の使用済み制御棒3や、四角筒状の使用済み燃料チャンネルボックス4以外の、多種多様な形状を有する放射性廃棄物を様々な位置で切断して減容することが可能である。
本発明の実施形態に係る放射性廃棄物切断装置の斜視図である。 図1の切断装置の側面図である。 使用済み制御棒の斜視図である。 使用済み燃料チャンネルボックスの斜視図である。 L字形片が収容された貯蔵箱の斜視図である。 図5の貯蔵箱を上方から見た図である。 (a)は切断ユニット(切断方向縦方向)の上面図、(b)は(a)のVIIa-VIIa線断面図である。 (a)は切断ユニット(切断方向横方向)の上面図、(b)は(a)のVIIIa-VIIIa線断面図である。 切断方向切換機構を示す図であり、(a)はバンドソーの切断方向が縦方向である状態、(b)はバンドソーの切断方向が横方向である状態をそれぞれ示す。 使用済み制御棒を切断する場合の、クランプ装置周辺部分の水平断面図である。 使用済み燃料チャンネルボックスを切断する場合の、クランプ装置周辺部分の水平断面図である。 中子式のクランプ装置の側面図である。 図12のクランプ装置のXIII-XIII線水平図である。 使用済み制御棒の切断工程を示す図である。 使用済み燃料チャンネルボックスの切断工程を示す図である。
符号の説明
1 放射性廃棄物切断装置
3 使用済み制御棒
3a 本体部
3b 速度リミッタ部
4 燃料チャンネルボックス
11 切断ユニット
12 縦方向駆動機構
13 横方向駆動機構
30 バンドソー
40 切断方向切換機構
41 ガイド部材
42 流体圧シリンダ

Claims (4)

  1. 一方向に長尺の放射性廃棄物を水中で切断する放射性廃棄物切断装置であって、
    バンドソーを含む切断手段と、
    前記バンドソーと前記放射性廃棄物の一方を、他方に対して前記放射性廃棄物の長さ方向である縦方向に相対移動させる縦方向駆動手段と、
    前記バンドソーと前記放射性廃棄物の一方を、他方に対して前記放射性廃棄物の前記縦方向と直交する横方向に相対移動させる横方向駆動手段と、
    前記バンドソーの切断方向を、前記縦方向と前記横方向との間で切り換える切断方向切換手段と、を備え
    前記切断方向切換手段は、
    それぞれU字溝を有し、且つ、切断対象である前記放射性廃棄物に関して互いに対称な位置において前記U字溝で前記バンドソーをそれぞれ挟むように配置されて、前記バンドソーをガイドする、2つのガイド部材と、
    前記2つのガイド部材を回動させて、前記バンドソーの向きを変更する回動駆動手段と、
    90°の円弧形状に形成され、各ガイド部材の前記U字溝の開口端と反対側の端部をその円弧軌道に沿って案内する案内レール部材とを有し、
    前記回動駆動手段は、前記ガイド部材の前記開口端と反対側の端部を、前記案内レール部材の90°の円弧軌道に沿って移動させることによって、前記ガイド部材を、前記開口端が前記縦方向に向いた姿勢と前記横方向に向いた姿勢の間で回動させることを特徴とする放射性廃棄物切断装置。
  2. 請求項1に記載の放射性廃棄物切断装置を用いて、一方向に長尺の放射性廃棄物を水中で切断する放射性廃棄物切断方法であって、
    前記回動駆動手段により、前記2つのガイド部材の前記U字溝の開口端と反対側の端部を、それぞれ前記案内レール部材の円弧軌道に沿って移動させて前記2つのガイド部材を回動させることによって、バンドソーの切断方向を、前記放射性廃棄物の長さ方向である縦方向に向けてから、前記縦方向駆動手段により前記バンドソーと前記放射性廃棄物の一方を他方に対して前記縦方向に相対移動させて、前記放射性廃棄物を前記縦方向に切断する縦切断工程と、
    同じく前記回動駆動手段により前記2つのガイド部材を回動させることによって、前記バンドソーの切断方向を、前記縦方向と直交する横方向に向けてから、前記横方向駆動手段により前記バンドソーと前記放射性廃棄物の一方を他方に対して前記横方向に相対移動させて、前記放射性廃棄物を前記横方向に切断する横切断工程と、
    を備えていることを特徴とする放射性廃棄物切断方法。
  3. 前記放射性廃棄物が、前記横方向に平行な断面が十字状の本体部とこの本体部の長さ方向一端部に設けられた速度リミッタ部とを有する、使用済み制御棒であり、
    前記縦切断工程において、前記使用済み制御棒の本体部の十字状中心部をその長さ方向に沿って切断して、前記本体部を2つのL字形片に分離し、
    前記横切断工程において、前記使用済み制御棒の前記本体部と前記速度リミッタ部とを切断して両者を分離することを特徴とする請求項に記載の放射性廃棄物切断方法。
  4. 前記放射性廃棄物が、四角筒状の使用済み燃料チャンネルボックスであり、
    前記縦切断工程において、前記使用済み燃料チャンネルボックスの角部をその長さ方向に沿って切断して、前記使用済み燃料チャンネルボックスを、2つのL字形片、又は、4つの長尺板状片に分離することを特徴とする請求項に記載の放射性廃棄物切断方法。
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