JP5070522B2 - 熱交換器 - Google Patents

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この発明は熱交換器に関する。
従来、熱交換器として、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間にヘッダの長さ方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、両端の熱交換管の外側に間隔をおいて配置されたサイドプレートと、隣接する熱交換管間および両端の熱交換管とサイドプレートとの間に配置されたフィンとを備えており、サイドプレートの両端部が、それぞれ両ヘッダに形成された貫通穴内に差し込まれた状態で両ヘッダにろう付されているものが知られている(特許文献1参照)。
ところで、たとえばカーエアコンを構成する冷凍サイクルのコンデンサとして用いられる熱交換器の場合、サイドプレートを利用してコンデンサを自動車のエンジンルーム内に取り付けたり、あるいはサイドプレートに他部品を取り付けたりすることがある。そして、特許文献1記載の熱交換器においては、サイドプレートの両端部が、それぞれ両ヘッダに形成された貫通穴内に差し込まれた状態で両ヘッダタンクにろう付されているので、この熱交換器をコンデンサに用いた場合、サイドプレートに大きな荷重が負荷されると、内部を流れる流体(コンデンサの場合には冷媒)が貫通穴から洩れるおそれがある。また、特許文献1記載の熱交換器においては、製造の際の各部品の組み立て作業時に、サイドプレートの端部をヘッダの貫通穴内に差し込む必要があり、作業性が低下するという問題がある。
特開2001−116484号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、サイドプレートに大きな荷重が負荷された場合にも内部を流れる流体の洩れを防止しうる熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間にヘッダの長さ方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、両端の熱交換管の外側に間隔をおいて配置されたサイドプレートと、隣接する熱交換管間および両端の熱交換管とサイドプレートとの間に配置されたフィンとを備えた熱交換器において、
サイドプレートが帯状のプレート本体を備えており、サイドプレートのプレート本体の両端部に、それぞれプレート本体よりもサイドプレートの長さ方向外側に突出し、かつ片面の一部がヘッダの前側部分または後側部分の外面に接触する垂直状の突出片が設けられ、当該突出片のヘッダ側を向いた面に、ヘッダ側に突出しかつヘッダの長さ方向にのびる複数の凸条が設けられ、突出片におけるヘッダに接触した部分および少なくとも1つの凸条がヘッダにろう付されている熱交換器。
2)突出片に、サイドプレートの長さ方向に間隔をおいて少なくとも2つの凸条が形成されており、これら2つの凸条間において、突出片がヘッダの前側部分または後側部分の外面に接触し、両凸条がヘッダにろう付されている上記1)記載の熱交換器。
上記1)の熱交換器によれば、サイドプレートが帯状のプレート本体を備えており、サイドプレートのプレート本体の両端部に、それぞれプレート本体よりもサイドプレートの長さ方向外側に突出し、かつ片面の一部がヘッダの前側部分または後側部分の外面に接触する垂直状の突出片が設けられ、当該突出片のヘッダ側を向いた面に、ヘッダ側に突出しかつヘッダの長さ方向にのびる複数の凸条が設けられ、突出片におけるヘッダに接触した部分および少なくとも1つの凸条がヘッダにろう付されているので、サイドプレートの両端部が少なくとも2箇所でヘッダにろう付されることになる。しかも、凸条の突出高さを適切な高さに調節することにより、突出片におけるヘッダに接触してろう付された接触部と、ヘッダにろう付された凸条との間の隙間にろう材からなるフィレットを形成することができる。したがって、サイドプレートとヘッダとのろう付強度が増大し、サイドプレートに大きな荷重が負荷された場合にも内部を流れる流体の洩れを防止することができる。その結果、この熱交換器を、たとえばカーエアコンを構成する冷凍サイクルのコンデンサとして用いる場合、サイドプレートを利用してコンデンサを自動車のエンジンルーム内に取り付けたり、あるいはサイドプレートに他部品を取り付けたりすることが可能になる。
上記2)の熱交換器によれば、サイドプレートとヘッダとのろう付強度を一層増大させることができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器をカーエアコン用コンデンサに適用したものである。
以下の説明において、「アルミニウム」という語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、以下の説明において、図1の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとし、通風方向の下流側(図1に矢印Xで示す方向を前、これと反対側を後というものとする。
図1はカーエアコン用コンデンサの全体構成を示し、図2はその要部を示す。また、図3はカーエアコン用コンデンサに用いられるサイドプレートを示す。
図1において、カーエアコン用コンデンサ(1)(熱交換器)は、左右方向に互いに間隔をおいて平行に配置された上下方向にのびる1対のアルミニウム製ヘッダ(2)(3)と、上下方向に互いに間隔をおいて配置されかつ両端がそれぞれ両ヘッダ(2)(3)に接続された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(4)と、上下両端の熱交換管(4)の外側、すなわち上端の熱交換管(4)の上方および下端の熱交換管(4)の下方に熱交換管(4)と間隔をおいて配置されたアルミニウム製サイドプレート(5)と、隣り合う熱交換管(4)間の通風間隙および両端の熱交換管(4)とサイドプレート(5)との間の通風間隙に配置されるとともに、両熱交換管(4)および熱交換管(4)とサイドプレート(5)とにろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(6)と、左ヘッダ(2)の周壁上端部にろう付されたアルミニウム製入口部材(7)と、右ヘッダ(3)の周壁下端部にろう付されたアルミニウム製出口部材(8)と、左ヘッダ(2)の中程より上方位置の内部に設けられた第1仕切板(9)と、右ヘッダ(3)の中程より下方位置の内部に設けられた第2仕切板(10)とを備えている。なお、熱交換管(4)としては、押出管や電縫管などからなるものが用いられる。また、熱交換管(4)としては、連結部を介して連なった2つの平坦壁形成部、および各平坦壁形成部における連結部とは反対側の側縁にそれぞれ隆起状に一体成形された側壁形成部を有する1枚の金属板が、連結部においてヘアピン状に折り曲げられて側壁形成部どうしがろう付されたものが用いられてもよい。
第1仕切板(9)よりも上方の熱交換管(4)の本数、第1仕切板(9)と第2仕切板(10)の間の熱交換管(4)の本数、第2仕切板(10)よりも下方の熱交換管(4)の本数がそれぞれ上から順次減少されて通路群を構成しており、入口部材(7)から流入した気相の冷媒が、出口部材(8)より液相となって流出するまでに、コンデンサ(1)内を各通路群単位に蛇行状に流れるようになされている。
図2および図3に示すように、上側のサイドプレート(5)は、水平帯状のプレート本体(5a)と、プレート本体(5a)の前側縁部に一体に形成された立ち上がり壁(5b)と、プレート本体(5a)の左右両端部に形成された下方屈曲部(5c)と、下方屈曲部(5c)と、下方屈曲部(5c)の下端に一体に形成された左右方向外方への突出部(5d)と、突出部(5d)の左右方向外端における前後方向中央部に一体に形成され、かつ左右方向外方に突出して左右両ヘッダ(2)(3)形成された挿入穴(13)に挿入される挿入部(5e)とを備えている。
上側のサイドプレート(5)のプレート本体(5a)の後側縁部の左右両端部に、それぞれプレート本体(5a)と直角をなすように下方に突出し、かつ左右方向外端部がプレート本体(5a)の左右両端部よりも左右方向外方に突出して左右両ヘッダ(2)(3)の後側部分の外面に接触する突出片(11)が一体に形成されている。ここでは、ヘッダ(2)(3)が円筒状であるので、突出片(11)は左右両ヘッダ(2)(3)の後側部分の外面に線接触することになる。この接触部を(11a)で示す。突出片(11)の前面(ヘッダ(2)(3)側を向いた面)におけるヘッダ(2)(3)への接触部(11a)の左右両側に、それぞれ突出片(11)を前方に突出するように変形させることによって点状の半球形突起(12)(凸部)が形成されている。両突起(12)の先端部は左右両ヘッダ(2)(3)の外面に接触している。すなわち、突出片(11)に、サイドプレート(5)の長さ方向に間隔をおいて2つの突起(12)が形成されており、これら2つの突起(12)おいて突出片(11)がヘッダ(2)(3)の外面に接触している。接触部(11a)の左右両側の突起(12)は接触部(11a)を中心として線対称となっている。そして、上側のサイドプレート(5)は、プレート本体(5a)が上端のコルゲートフィン(6)にろう付されるとともに、左右両挿入部(5e)が左右両ヘッダ(2)(3)の挿入穴(13)に挿入されて左右両ヘッダ(2)(3)にろう付され、さらに突出片(11)における左右両ヘッダ(2)(3)外面への接触部(11a)および両突起(12)が左右両ヘッダ(2)(3)にろう付されている。ここで、突出片(11)の接触部(11a)と両突起(12)との間を埋めるようにフィレット(14)が形成されていることが好ましい。なお、両突起(12)の先端側部分における接触部(11a)側を向いた部分を除いた部分と、両ヘッダ(2)(3)の外面との間にもフィレット(15)は形成される。
下側のサイドプレート(5)は、上側のサイドプレート(5)を上下逆向きにしたものであり、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。上下のサイドプレート(5)は、アルミニウム製の素板にプレス加工を施すことにより形成されている。
図4〜図6はサイドプレートの変形例を示す。
図4に示すサイドプレート(20)の場合、突出片(11)の前面におけるヘッダ(2)(3)への接触部(11a)の左右両側に、それぞれ突出片(11)を前方に突出するように変形させることによって点状の半球形突起(12)(凸部)が上下方向に間隔をおいて複数、ここでは2つずつ形成されている。各突起(12)の先端部は左右両ヘッダ(2)(3)の外面に接触し、左右両ヘッダ(2)(3)にろう付される。接触部(11a)の左右両側の2つの突起(12)は接触部(11a)を中心として線対称となっている。
その他の構成は、図1〜図3に示す実施形態のサイドプレート(5)と同様であり、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図5および図6に示すサイドプレート(25)の場合、突出片(11)の前面におけるヘッダ(2)(3)への接触部(11a)の左右両側に、それぞれ突出片(11)を前方に突出するように変形させることによって上下方向にのびる横断面略V字状の凸条(31)(凸部)が形成されている。各凸条(26)の先端部は左右両ヘッダ(2)(3)の外面に接触しており、左右両ヘッダ(2)(3)にろう付されている。接触部(11a)の左右両側の凸条(26)は接触部(11a)を中心として線対称となっている。ここで、突出片(11)の接触部(11a)と両凸条(26)との間を埋めるようにフィレット(27)が形成されていることが好ましい。なお、両凸条(26)の左右方向外側部分と、両ヘッダ(2)(3)の外面との間にもフィレット(28)は形成される。
上記実施形態およびサイドプレートの変形例においては、各突起(12)および両凸条(26)がヘッダ(2)(3)にろう付されるようになっているが、これに限定されるものではなく、接触部(11a)の他に少なくとも1つの突起(12)および凸条(26)がヘッダ(2)(3)にろう付されていればよい。
この発明による熱交換器を適用したコンデンサの全体構成を示す斜視図である。 図1のコンデンサの右側ヘッダの部分を示す拡大平面図である。 図1のコンデンサのサイドプレートを示す一部省略斜視図である。 サイドプレートの変形例を示す一部省略斜視図である。 サイドプレートの他の変形例を示す図2相当の図である。 図5のサイドプレートを示す一部省略斜視図である。
(1):コンデンサ(熱交換器)
(2)(3):ヘッダ
(4):熱交換管
(5)(20)(25):サイドプレート
(6):コルゲートフィン
(11):突出片
(11a):接触部
(12):突起(凸部)
(26):凸条(凸部)

Claims (2)

  1. 互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間にヘッダの長さ方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、両端の熱交換管の外側に間隔をおいて配置されたサイドプレートと、隣接する熱交換管間および両端の熱交換管とサイドプレートとの間に配置されたフィンとを備えた熱交換器において、
    サイドプレートが帯状のプレート本体を備えており、サイドプレートのプレート本体の両端部に、それぞれプレート本体よりもサイドプレートの長さ方向外側に突出し、かつ片面の一部がヘッダの前側部分または後側部分の外面に接触する垂直状の突出片が設けられ、当該突出片のヘッダ側を向いた面に、ヘッダ側に突出しかつヘッダの長さ方向にのびる複数の凸条が設けられ、突出片におけるヘッダに接触した部分および少なくとも1つの凸条がヘッダにろう付されている熱交換器。
  2. 突出片に、サイドプレートの長さ方向に間隔をおいて少なくとも2つの凸条が形成されており、これら2つの凸条間において、突出片がヘッダの前側部分または後側部分の外面に接触し、両凸条がヘッダにろう付されている請求項1記載の熱交換器。
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