しかし、「開閉入賞装置の入賞口から入賞した遊技球を、特定有利領域及び普通有利領域を有する回転体によって振分ける」構成は、数多くの機種において採用されているため、譬え回転体の形状や誘導路の構成が新規であっても、役物全体としては代わり映えのない演出しか行うことができず、遊技機としてのコンセプトを特徴付けることが困難となっていた。また、入賞口に入賞した遊技球が回転体に到達するまでの経路が単調であるため、遊技球の挙動に対する興趣が低下し、遊技意欲を損ねることが懸念されていた。
また、比較的複雑な経路を有する大型の役物を遊技盤上に設置することも考えられるが、これによれば、実質的な遊技領域が狭くなり、例えば遊技球の転動等、遊技機本来の面白みを半減させることが懸念される。このため、このような役物は、遊技領域の端部側に設置するか、遊技の障害になることのない大きさにしなければならず、役物として際立たせることができなかった。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、経路の単調さを解消するとともに、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:「遊技領域に配設され遊技媒体が入賞可能な入賞口と、
遊技媒体が入球可能な特定有利領域及び普通有利領域を有し、回転可能に支持された回転体と、
枠形状に形成され左右方向に変位可能に支持された可動枠部と、
該可動枠部の内周面に沿って形成され、前記可動枠部とともに左右方向に変位し、前記可動枠部内に入球した遊技媒体を前記回転体に向かって誘導する誘導路と、
前記可動枠部及び前記誘導路を所定方向に往復運動させる枠可動手段と、
前記可動枠部と独立して配設され、前記入賞口に入賞した遊技媒体を、前記可動枠部の内部に形成された前記誘導路と前記可動枠部の外部に形成された外部通路とに振分ける振分装置と、
を具備し、
前記可動枠部及び誘導路が左右方向に変位することで前記回転体と誘導路との位置関係が変化する」ことを特徴とする遊技機。
ここで、「回転体」に設けられる「特定有利領域」及び「普通有利領域」の、個数及び割合は特に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。また、「回転体」は、平面(上面)視が略円形となるように配置してもよく、正面視が略円形となるように配置してもよい。つまり、回転軸の軸線方向は特に限定されるものではない。また、「可動枠部」の運動(可動方向)は特に限定されるものではなく、左右方向または上下方向等の直線上の動きであってもよく、例えば円弧状に沿った揺動的な動きであってもよい。さらに、「枠可動手段」は、ソレノイドやモータ等を用いて構成することができる。
手段1の構成によれば、入賞口に入賞した遊技媒体は、まず、振分装置によって誘導路と外部通路とに振分けられる。誘導路は、可動枠部の内周面に沿って形成された通路であり、この誘導路に振分けられた遊技媒体は、回転体に向かって誘導され、回転体の特定有利領域または普通有利領域に流入可能な状態となる。つまり、回転体の回転に伴って、誘導路が特定有利領域または普通有利領域に一時的に連通すると、その特定有利領域または普通有利領域に入球し、回転体とともに軸心周りを回転することとなる。
一方、外部通路は、可動枠部の外側に形成された通路であり、この外部通路に振分けられた場合には、回転体に誘導されなくなる。つまり、入賞口に入賞した遊技媒体であっても、振分装置によって可動枠部の内側にある誘導路に振分けられない限り、特定有利領域または普通有利領域に入球させることができなくなっている。したがって、入賞した遊技媒体が回転体に達するか否かを注目させることができ、経路構成や遊技媒体の挙動に対しての興味を高めることができる。
特に、可動枠部及び誘導路は、枠可動手段によって所定方向に往復運動することから、誘導路を通過する遊技媒体を可動枠部とともに変位させることができ、回転体に到達するまでの遊技媒体の挙動を一層複雑にさせることができる。また、回転体に対して可動枠部が変位するため、回転体が相対的に可動しているかのように見せることができ、ひいては役物全体に対する興趣を高めることが可能になる。
さらに、可動枠部及び誘導路が往復運動することから、回転体と誘導路との位置関係が常に変化し、特定有利領域を狙った適切なタイミングでの遊技媒体の打出しを困難にさせる。詳しく説明すると、従来の遊技機では、一定の速度で回転する回転体によって、特定有利領域か否かが振分けられるため、遊技者は、可動役物における経路構成を認識することによって、打出しタイミングを把握することが可能になっていた。つまり、遊技者は、回転体の周期を見ながら、打出しタイミングを把握し、流入口に特定有利領域が合致する直前に遊技球を到達させるように狙い打つことが可能であった。このため、所定の確率で特定領域に入球するように振分けられていても、遊技者の技量によって有利となる場合もあれば不利となる場合もあり、入球する確率にバラツキが生じていた。これに対し本発明では、回転体と誘導路との位置関係が常に変化することから、特定有利領域または普通有利領域に対して遊技媒体が入球することとなる位置、すなわち流入口の位置を特定することができなくなり、遊技者は、役物における経路構成を認識しても、打出しタイミングを把握することが困難となる。つまり、回転体の周期を見ながら打つようにしても、適切なタイミングで遊技媒体を狙い打つことができなくなり、ひいては遊技者の技量にかかわらず均等な確率で特定有利領域に入球させることが可能となる。
手段2:「遊技球が打込まれる遊技領域と、
該遊技領域に配設され遊技球が入賞可能な入賞口と、
操作ハンドルの操作に応じて前記遊技領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技領域内に配置され前記遊技球の転動方向を変化させる障害部材と、
遊技球が入球可能な特定有利領域及び普通有利領域を有し、回転可能に支持された回転体と、
枠形状に形成され変位可能に支持された可動枠部と、
該可動枠部の内周面に沿って形成され、前記可動枠部内に入球した遊技球を前記回転体に向かって誘導する誘導路と、
前記可動枠部及び前記誘導路を所定方向に往復運動させる枠可動手段と、
前記入賞口に入賞した球技球を、前記可動枠部の内部に形成された前記誘導路と前記可動枠部の外部に形成された外部通路とに振分ける振分装置と
を具備する」ことを特徴とする遊技機。
手段2の構成によれば、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球が発射されると、遊技球は、障害部材、始動口、及び入賞装置等が組み込まれた遊技領域に導かれる。そして、入賞口に入賞した遊技球は、振分装置によって誘導路と外部通路とに振分けられる。誘導路に振分けられた遊技球は、回転体に向かって誘導され、回転体の特定有利領域または普通有利領域に流入可能な状態となる。そして、特定有利領域または普通有利領域に入球した場合には、回転体とともに軸心周りを回転する。つまり、入賞口に入賞した遊技球が、振分装置によって可動枠部の内側にある誘導路に振分けられた場合に限り、特定有利領域または普通有利領域に入球させることが可能になる。
また、可動枠部及び誘導路を所定方向に往復運動させることから、回転体に到達するまでの遊技球の挙動を一層複雑にすることができるとともに、回転体が変位しているかのように見せることができる。したがって、視覚的な面白みを大幅に高めることができる。
手段3:手段1または手段2の構成において、「前記回転体の前記特定有利領域に遊技媒体が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる有利遊技状態を発生させる第一有利遊技状態発生手段をさらに備える」ことを特徴とする。
ここで、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のように種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される一つまたは複数の入賞口や可動片を開放させて、遊技球を入賞可能とした状態。
(2)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口や可動片を、所定回数開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(3)パチンコ等の遊技機において、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(4)パチンコ機等の遊技機において、遊技球の入賞や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入球装置を、通常よりも遊技球が入球し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(5)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う絵柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(6)パチスロ機等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさせるための条件であるボーナス絵柄にてドラムを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成立状態」。
(7)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのドラムの停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム状態」。
(8)パチスロ機等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシストゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
手段3の構成によれば、回転体の特定有利領域に遊技媒体が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる有利遊技状態が発生する。なお、この場合、特定有利領域に遊技媒体が入球した時点で発生させるようにしてもよく、特定有利領域から遊技媒体が排出された時点で発生させるようにしてもよい。また、排出された時点で発生させる場合には、特定有利領域から排出された遊技媒体を検出する特定入賞検出手段を配設し、その特定入賞検出手段によって遊技媒体が検出されたことに基づいて有利遊技状態を発生させるようにしてもよいが、特定有利領域から排出される遊技媒体の重さを物理的に利用して開閉部材を開放させることにより、有利遊技状態を発生させるようにしてもよい。
手段4:手段1〜手段3のいずれか一つの構成において、「前記回転体の下方に配置され、遊技媒体が入球可能な特定入球口と、
前記回転体の前記普通有利領域に入球した遊技媒体を、前記特定入球口の上方に案内する案内路と、
前記特定入球口に前記遊技媒体が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる有利遊技状態を発生させる第二有利遊技状態発生手段と
をさらに備える」ことを特徴とする。
ここで、第二有利遊技状態発生手段によって発生させられる有利遊技状態は、第一有利遊技状態発生手段による有利遊技状態(すなわち回転体の特定有利領域に入球したことに基づく有利遊技状態)と同等のものであってもよく、互いに有利性の異なるものであってもよい。
手段4の構成によれば、回転体の普通有利領域に入球した遊技媒体は、案内路を通って特定入球口の上方に案内される。そして、その遊技媒体が特定入球口に入球した場合には、遊技者に有利となる有利遊技状態が発生する。つまり、回転体の特定有利領域に入球しなかった場合、すなわち回転体によって有利遊技状態を発生させることができなかった場合でも、案内路を通して特定入球口に入球させることにより、有利遊技状態を発生させることができる。換言すれば、遊技者に、有利遊技状態を付与する機会を二度与え、回転体の特定有利領域に入球しなかったことによる遊技意欲の低下を抑制することができる。
手段5:手段3及び手段4の構成において、「前記第一有利遊技状態発生手段は、前記第二有利遊技状態発生手段よりも有利性の高い有利遊技状態を発生させる」ことを特徴とする。
ここで、有利遊技状態について一例を挙げる。例えば有利遊技状態を、「開閉駆動される入賞口を所定回数開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態」とする場合、第二有利遊技状態発生手段による有利遊技状態では、開閉回数を抽選(乱数)に基づいて決定し、一方、第一有利遊技状態発生手段による有利遊技状態では、開閉回数を常に最大回数になるように設定する。
手段5の構成によれば、回転体の特定有利領域に入球した場合の方が、特定入球口に入球した場合よりも、有利性の高い遊技状態が発生することから、回転体の夫々の領域における等級を明確に意識させることができ、いずれの領域に入球するかについてハラハラドキドキさせることができる。
手段6:手段4または手段5の構成において、「前記誘導路は、
前記回転体の回転に伴い前記特定有利領域または前記普通有利領域に対して一時的に連通される流入部と、
前記誘導路によって誘導された遊技媒体が、前記流入部から前記特定有利領域または前記普通有利領域に流入しなかった場合、有利性を生じさせることなく該遊技媒体を前記誘導路から流出させる排出部と
を有する」ことを特徴とする。
手段6の構成によれば、誘導路によって誘導された遊技媒体が、流入部から入球しなかった場合には、有利性を生じさせることなく誘導路から流出させられる。したがって、回転体による振分けのパターンが増え、回転体の振分け動作を一層注目させることが可能になる。
手段7:手段4〜手段6のいずれか一つの構成において、「前記案内路の先端と前記特定入球口との間に配設され、前記案内路によって案内された遊技媒体を一旦停留させ、所定のタイミングで前記特定入球口の上方に放出させる停留装置をさらに備える」ことを特徴とする。
手段7の構成によれば、案内路によって案内された遊技媒体は、停留装置によって一旦停留させられ、その後、所定のタイミングで特定入球口の上方に放出される。これにより、遊技媒体が特定入球口に入球する可能性が高いことを遊技者に容易に認識させることができる。また、期待感の高い状態を所定時間継続することにより、遊技者の期待感を次第に膨らませることが可能になる。つまり、ワクワクする状態を継続させることにより、遊技の面白さを高めることができる。
手段8:手段7の構成において、「前記停留装置は、左右方向に二分割され、突合せられると碗状の外観を呈する一対の停留部と、
該一対の停留部を突合せることにより遊技媒体の停留を可能とし、前記一対の停留部を互いに離間させることにより遊技媒体を放出させる停留部可動手段と
をさらに備える」ことを特徴とする。
手段8の構成によれば、一対の停留部は碗状の外観、特に内側底面が円弧状となる形状を呈しているため、突合わされた状態では案内路を通して案内された遊技媒体を確実に受止め停留させることができる。また、互いに離間した状態では、停留されていた遊技媒体を自然に落下させることができる。したがって、あまり複雑な構造を要することなく、遊技媒体の停留及びその後の放出を実現することができる。また、役物である一対の停留部が二分され、そこから遊技媒体が現れるため、力強く趣向性の高い演出を行うことができる。
手段9:手段4〜手段8のいずれか一つの構成において、「前記案内路の先端と前記特定入球口との間に配設され、前記案内路によって案内された遊技媒体を受止め、所定の流出口から流出させる受止部材をさらに備える」ことを特徴とする。
手段9の構成によれば、案内路の先端と特定入球口との間に受止部材が配設されているため、案内路によって案内された遊技媒体を、受止部材によって、特定入球口に入球する場合と入球しない場合とに振分けることができる。つまり、案内路によって特定入球口の上方に案内される場合であっても、特定入球口に入球しないこともあり得ることから、遊技媒体の挙動を最後まで注目させることができる。換言すれば特定入球口に入球するまで、複数の段階に亘ってハラハラドキドキさせることができる。
手段10:手段9の構成において、「前記特定入球口は前記遊技領域に対して固定状態で支持され、前記受止部材は前記遊技領域に対して可動可能に支持されている」ことを特徴とする。
手段10の構成によれば、特定入球口に対して受止部材が変位するため、一つの流出口から流出する遊技媒体を自然落下させるにも拘わらず、特定入球口に入球する場合と入球しない場合とに振分けることができる。換言すれば、特定入球口に対する受止部材の相対位置によって特定入球口に入球するか否かが決定されるため、受止部材の動作及び位置を注目させることができ、興趣を高めることができる。
手段11:手段10の構成において、「前記受止部材は、前記可動枠部と一体的に構成され、前記枠可動手段によって往復運動させられる」ことを特徴とする。
手段11の構成によれば、受止部材が可動枠部と一体的に構成されているため、可動枠部とともに往復運動することとなる。このため、受止部材を可動させるための特別の機構を備えることなく、特定入球口に対して変位させることができる。
手段12:手段9〜手段11のいずれか一つの構成において、「前記受止部材は、遊技媒体が通過可能な前記流出口と、該流出口に向かって下り勾配の傾斜面とからなり、全体的に漏斗状に形成されている」ことを特徴とする。
手段12の構成によれば、受止部材が漏斗状に形成されているため、可動しているにも拘わらず、案内路側から落下する遊技媒体を容易に受止め、一つの流出口から流出させることができる。
手段13:手段7〜手段12のいずれか一つの構成において、「前記振分装置によって振分けられ、且つ前記外部通路によって誘導された遊技媒体を、前記回転体を迂回して前記停留装置または前記受止部材に案内する迂回通路をさらに備える」ことを特徴とする。
手段13の構成によれば、振分装置によって外部通路に振分けられた遊技媒体、すなわち、可動枠部の内側に形成された案内路に入球させることができなかった遊技媒体を、迂回通路を介して停留装置または受止部材に案内することが可能になる。すなわち、回転体には誘導されないものの、回転体の下流側に位置する特定入球口に入球させることが可能になる。換言すれば、振分装置によって有利性の低い側の通路に振分けられた場合でも、有利な状態に復帰させることが可能になるため、初期の段階で遊技意欲が失われることを抑制でき、有利遊技状態を発生させることに対しての期待感を維持することができる。
手段14:手段13の構成において、「前記外部通路に連通可能な通路であって、有利性を生じさせることなく遊技媒体を前記外部通路から流出させる流出通路と、
前記外部通路によって誘導された遊技媒体を、前記迂回通路と前記流出通路とに振分ける外部振分装置と
をさらに備える」ことを特徴とする。
手段14の構成によれば、外部通路によって案内された遊技媒体が、外部振分装置によって、迂回通路(有利性を回復する通路)と、流出通路(有利性を回復しない通路)とに振分けられる。このため、遊技媒体の経路が一層複雑になり、遊技媒体の挙動に飽きてしまうことを抑制できる。また、外部振分装置を介して迂回通路に入球させることにより、迂回通路に対しての注目を一層引付けるとともに、遊技者の気分を高揚させることができる。
手段15:手段1〜手段14のいずれか一つの構成において、「前面に前記遊技領域を形成する遊技盤と、
該遊技盤に設けられた開口部と、
前面が開放された箱状の部材であって、前記遊技盤の前記開口部に嵌込まれた入賞装置ケーシングと、
前記遊技盤の表面に対して同一面となるように配設され、前記入賞装置ケーシングの前面を閉鎖する透過性の板材と
をさらに備え、
該入賞装置ケーシング内に、少なくとも前記振分装置、前記回転体、前記可動枠部、前記誘導路、及び前記外部通路が収容されている」ことを特徴とする。
手段15の構成によれば、遊技盤に開口部が設けられており、その開口部に入賞装置ケーシングが嵌込まれている。この入賞装置ケーシングは、入賞口に入賞した遊技媒体を処理するための回転体や振分装置等の役物一式を収容するものであり、前方から内部が視認可能となっている。つまり、可動役物を含む入賞装置全体がユニット化されており、前面が透過性の板材で覆われている。特に、透過性の板材は遊技盤に対して同一面上に配設されているため、入賞装置ケーシングの前面に障害釘等を配設することにより、その前面を遊技領域として用いることが可能になる。換言すれば、遊技領域を制限することなく役物を配設することができるとともに、遊技盤を、透過性を有しない板材から形成することができる。また、一つのユニットとして扱うことができるため、組付作業や保守管理が容易となる。
手段16:手段15の構成において、「少なくとも前記外部通路の前方に位置する前記透過性の板材の表面に、障害釘等の障害部材を配設した遊技領域が形成されている」ことを特徴とする。
手段16の構成によれば、入賞装置ケーシングの内部に外部通路が形成され、その前方である透過性の板材の表面に遊技領域が形成されている。つまり、入賞装置ケーシングにおける前面の一部が遊技領域として用いられ、遊技媒体の通路が前後方向に二層となって形成されている。したがって、十分な広さの遊技領域を確保するとともに、二つの通路を立体的に視認させることが可能となり視覚的な興趣を一層高めることができる。
手段17:手段16の構成において、「前記透過性の板材の表面に形成され、前記外部通路の前方の領域と前記可動枠部の前方の領域とを区画することにより、遊技媒体が前記可動枠部の前方の領域に進入することを阻止する進入防止壁をさらに備える」ことを特徴とする。
手段17の構成によれば、進入防止壁によって、外部通路の前方の領域を転動する遊技媒体が可動枠部の前方の領域に進入することを防止することができる。このため、可動枠部の内部における遊技媒体の挙動、例えば案内路を転動する遊技媒体、回転体への入球の有無、及び振分装置による振分状態等が、遊技領域を転動する遊技媒体によって遮られることがなくなる。したがって、入賞装置における各役物の動きや遊技媒体の挙動を明瞭に視認させることができる。
手段18:手段15〜手段17のいずれか一つと、手段14とを組合せた構成おいて、「前記入賞装置ケーシングの左右両側に収容され、少なくとも一部分が可動する可動装飾体をさらに備え、
該可動装飾体の可動部分によって前記外部振分装置が構成されている」ことを特徴とする。
手段18の構成によれば、入賞装置ケーシング内の左右両側に、キャラクタ等の可動装飾体が夫々配設されており、外部通路によって案内された遊技媒体が、可動装飾体の可動部分によって、迂回通路と流出通路とに振分けられる。したがって、可動装飾物の動きと振分動作とを関連付けて認識させることができ、演出による視覚的な興趣をさらに高めることができる。
手段19:手段1〜手段18のいずれか一つの構成において、「前記可動枠部で囲まれた窓部の後方に配設され、該窓部を通して視認可能な表示手段と、
該表示手段にキャラクタ及び遊技状態を表示させる演出表示制御手段と
をさらに備える」ことを特徴とする。
手段19の構成によれば、可動枠部で囲まれた窓部を通して、表示手段による演出を視認させることができる。この際、可動枠部は所定の方向に往復運動することから、表示手段のフレームが可動しているかのように、すなわち表示手段自体が可動しているかのように見せることができ、躍動的な演出を行うことが可能になる。また、可動枠部の内側に配設された回転体と表示手段とが重ねられた状態で視認されるため、回転体が表示手段から飛び出してきたような立体的な演出を醸し出すことができ、演出の面白みを高めることができる。
手段20:手段19の構成において、「前記演出表示制御手段は、前記キャラクタの表示位置を前記可動枠部の動きに基づいて変位させるキャラクタ可動手段を有する」ことを特徴とする。
ここで、「キャラクタ」とは、装飾図柄列及び背景以外の画像を意味しており、テレビ・小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、または植物、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、または植物等を例示することができる。
手段20の構成によれば、表示手段に表示されるキャラクタが可動枠部の動きに合わせて変位する。例えば、可動枠部が右側に可動する場合には、キャラクタも表示手段の右側に変位するように表示させ、左側に可動する場合には、キャラクタも左側に変位するように表示させる。このため、表示手段が可動しているという印象を一層強く喚起させることができる。なお、キャラクタを可動枠部の動きと異なる方向に変位させるようにしてもよく、この場合には、キャラクタ自体を動的に表示させることができるとともに、キャラクタの動きに対して可動枠部の動きが加味されることから、演出の視覚的な興趣を一層高めることができる。
手段21:手段19または手段20の構成において、「前記表示手段における、前記可動枠部の可動方向両端側に夫々配設され、前記可動枠部が一方の側まで変位した場合に視認可能となる一端側装飾部材と、前記可動枠部が他方の側まで変位した場合に視認可能となる他端側装飾部材とをさらに備える」ことを特徴とする。
手段21の構成によれば、表示手段の両側に一端側装飾部材と他端側装飾部材とが設けられており、可動枠部が一方の側まで変位した場合には、一端側装飾部材が視認可能となり、他端側装飾部材が可動枠部によって遮蔽された状態となる。一方、可動枠部が他方の側まで変位した場合には他端側装飾部材が視認可能となり、一端側装飾部材が可動枠部によって遮蔽された状態となる。このため、可動枠部が所定方向に往復運動しても、表示手段の端部側が可動枠部の外側にはみ出して視認されることを防止できる。すなわち、表示手段がはみ出すことによる見栄えの低下を防止することが可能になる。また、遊技者は、一端側装飾部材または他端側装飾部材の出現の有無を認識することにより、可動枠部の位置を把握することが可能となり、誘導路と回転体との相対位置を認識しながら球技媒体の行方を予想することが可能になる。
手段22:「遊技盤の前面に形成され遊技球が打込まれる遊技領域と、
操作ハンドルの操作に応じて前記遊技領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技領域に配置され前記遊技球の転動方向を変化させる障害部材と、
前記遊技領域に配設され遊技球が入賞可能な入賞口と、
径方向に開口され遊技球が入球可能な一つの特定有利領域及び複数の普通有利領域を有し、回転可能に支持された回転体と、
枠形状に形成され変位可能に支持された可動枠部と、
該可動枠部の内周面に沿って形成され、前記可動枠部内に入球した遊技球を前記回転体に向かって誘導するとともに、前記回転体の回転に伴い前記特定有利領域または前記普通有利領域に対して一時的に連通される流入部、及び前記誘導路によって誘導された遊技球が、前記流入部から前記特定有利領域または前記普通有利領域に流入しなかった場合、有利性を生じさせることなく該遊技球を前記誘導路から流出させる排出部を有する誘導路と、
前記可動枠部及び前記誘導路を左右方向に往復運動させる枠可動手段と、
所定の遊技状態が検出されたことに基づいて所定の開閉動作を行う一対の可動片を有し、前記入賞口に入賞した球技球を、前記可動枠部の内部に形成された前記誘導路と前記可動枠部の外部に形成された外部通路とに振分ける振分装置と、
前記回転体の下方に配設され、遊技球が入球可能な特定入球口と、
前記回転体と前記特定入球口との間に配設され、案内路によって案内された遊技球を一旦停留させるとともに、所定のタイミングで放出させる停留装置と、
前記回転体の前記普通有利領域に入球した遊技球を、前記停留装置に案内する案内路と
前記可動枠部と一体的に構成され、前記停留装置から放出された遊技球を受止め所定の流出口から流出させる受止部材と、
前記振分装置によって振分けられ、且つ前記外部通路によって誘導された遊技球を、前記回転体を迂回して前記停留装置に案内する迂回通路と、
前記外部通路に連通可能な通路であって、有利性を生じさせることなく遊技球を前記外部通路から流出させる流出通路と、
前記外部通路によって誘導された遊技球を、前記迂回通路と前記流出通路とに振分ける外部振分装置と、
前面が開放された箱状の部材であって、前記遊技盤の開口部分に嵌込まれ、内部に前記振分装置、前記回転体、前記可動枠部、前記誘導路、前記外部通路、前記特定入球口、前記停留装置、前記受止部材、前記迂回通路、前記流出通路、及び前記外部振分装置を、視認可能な状態で収容する入賞装置ケーシングと、
前記遊技盤の前面に対して同一面となるように配設され、前記入賞装置ケーシングの前面を閉鎖する透明板と、
前記回転体の前記特定有利領域に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる第一有利遊技状態を発生させる第一有利遊技状態発生手段と、
前記特定入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記第一有利遊技状態よりも有利性の低い第二有利遊技状態を発生させる第二有利遊技状態発生手段と、
前記可動枠部で囲まれた窓部の後方に配設され、該窓部を通して視認可能な表示手段と、
該表示手段にキャラクタ及び遊技状態を表示させる演出表示制御手段と
を具備する」ことを特徴とする遊技機。
手段22の構成によれば、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球が発射されると、遊技球は、障害部材、始動口、及び入賞装置等が組込まれた遊技領域に導かれる。そして、入賞口に入賞した遊技球は、振分装置によって誘導路と外部通路とに振分けられる。具体的に、振分装置には、所定の遊技状態が検出されたことに基づいて所定の開閉動作を行う一対の可動片が設けられており、可動片が開放されるとその内部を通って誘導路に遊技球を入球させることが可能になる。
特に、可動枠部及び誘導路は、枠可動手段によって左右方向に往復運動することから、誘導路を通過する遊技球を枠可動部材とともに変位させることができ、回転体に到達するまでの遊技球の挙動を一層複雑にさせることができる。
さらに、可動枠部及び誘導路が往復運動することから、回転体と誘導路との位置関係が常に変化し、特定有利領域を狙った適切なタイミングでの遊技媒体の打出しを困難にさせる。
誘導路に振分けられた遊技球は、回転体に誘導される。回転体には、径方向に開口した一つの特定有利領域と複数の普通有利領域とが設けられており、誘導路によって誘導された遊技球は、回転体の特定有利領域または普通有利領域に向かって流入可能な状態となる。なお、誘導部の下流側には、遊技球を回転体に入球可能とする流入部と、回転体を通過して流出される排出部とが設けられているため、誘導路によって誘導された遊技球が、流入部から入球しなかった場合には、有利性を生じさせることなく誘導路から流出させられる。
そして、回転体の特定有利領域に遊技球が入球した場合には、遊技者に有利となる第一有利遊技状態が発生する。一方、普通有利領域に入球した場合には、案内路を通って停留装置に案内される。停留装置では、遊技球を一旦停留させ、その後、所定のタイミングで流出させる。停留装置から流出した遊技球は、その後、受止部材によって受止められ、所定の流出口から特定入球口に向かって流出させられる。ここで、受止部材は可動枠部とともに可動するため、一つの流出口から流出する遊技球を、特定入球口に入球する場合と入球しない場合とに振分けることができる。そして、特定入球口に遊技球が入球すると、第一有利遊技状態よりも有利性の低い第二有利遊技状態が発生する。つまり、回転体において、特定有利領域に入球しなかった場合、すなわち第一有利遊技状態を発生させることができなかった場合でも、案内路を通して特定入球口に入球させることにより、別の有利遊技状態を発生させることが可能となる。
一方、振分装置によって外部通路に振分けられた遊技球、すなわち、可動枠部の内側に形成された案内路に入球させることができなかった遊技球は、外部振分装置によって、迂回通路と流出通路とに振分けられる。迂回通路に振分けられた場合には、停留装置に案内される。すなわち、有利性が回復され、回転体の下流側に位置する特定入球口に対して入球させることが可能になる。なお、流出通路に振分けられた場合には、有利性を回復させることなく外部通路から流出させる。
ところで、遊技盤には開口部が設けられており、その開口部に入賞装置ケーシングが嵌込まれている。この入賞装置ケーシングは、入賞口に入賞した遊技球を処理するための回転体や振分装置等の役物一式を収容するものであり、前方から内部が視認可能となっている。つまり、可動役物を含む入賞装置全体がユニット化されており、前面が透明板で覆われている。特に、透明板は遊技盤と同一面上に配設されているため、遊技領域を制限することなく役物を配設することが可能である。
また、可動枠部で囲まれた窓部を通して、表示手段による演出を視認させるため、左右方向に往復運動する可動枠部によって表示手段自体が可動しているかのように見せることができ、躍動的な演出を行うことが可能である。また、可動枠部の内側に配設された回転体と表示手段とが重ねられた状態で視認されるため、回転体が表示手段から飛び出してきたような立体的な演出を醸し出すことができる。
手段23:手段1〜手段22のいずれか一つの構成において、「前記遊技機は、パチンコ機である」ことを特徴とする。パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(すなわち遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段23によると、パチンコ機において、手段1〜手段22までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段24:手段1〜手段22のいずれか一つの構成において、「前記遊技機は、パチスロ機である」ことを特徴とする。パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシーンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段24によると、パチスロ機において、手段1〜手段22までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段25:手段1〜手段22のいずれか一つの構成において、「前記遊技機は、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機である」ことを特徴とする。ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段25によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段22までのいずれかの作用効果を奏することができる。
なお、上記に例示したパチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
このように、本発明によれば、振分装置、誘導路、及び回転体等の協働により、入賞した遊技媒体の行方を注目させることが可能になり、経路構成や遊技媒体の挙動に対する興趣の低下を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン60が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図10参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘89が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、役物91が配設されており、この役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
役物91は、横長の入賞装置ケーシング911と、その内部に収容された複数の機構とからなり、一つのユニットとして、遊技盤5の略中央部分に穿設された開口部92に嵌め込まれている。また、入賞装置ケーシング911の前面は、透明ガラス板912によって閉鎖されており、遊技盤5の盤面と透明ガラス板912とが同一面上となるように役物91の大部分が遊技盤5の奥側に配設された状態となっている。つまり、役物91は、遊技盤5の後方に突出した状態で設けられている。役物91の中央上縁部に位置する透明ガラス板912の前面には、役物入賞口910を有する開閉入賞装置93が設けられており、遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技球が役物入賞口910に入賞すると、入賞装置ケーシング911の内部に取り込まれ、複数の経路に振分けられるようになっている。なお、役物91に関する詳細な説明については後述する。ここで、役物入賞口910が本発明の入賞口に相当し、透明ガラス板912が本発明の板材及び透明板に相当する。
また、遊技領域37には、役物91の下方位置に、左右に夫々配置された一対の始動入賞口96が設けられており、これら始動入賞口96に遊技球が入球することに基いて、役物91の開閉入賞装置93を一回または二回開閉させるようにしている。
その他、遊技領域37には一般入賞口98が配設されている。また、役物91の奥側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間に役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図10参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図10参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[役物の構成について]
次に本実施形態における役物91の具体的な構成について図12及び図13を基に詳細に説明する。図12は本実施形態における役物の一例を示す正面図であり、図13は役物の構成を示す斜視図である。
本実施形態の役物91は、図12及び図13に示すように、遊技球が入賞可能な役物入賞口910を有する開閉入賞装置93と、枠形状に形成されるとともに入賞装置ケーシング911内において左右方向に変位可能に支持された可動枠部913と、遊技球が入球可能な特定有利領域951及び普通有利領域(図示しない)を有し回転可能に支持された回転体914と、可動枠部913の内周面に沿って形成され可動枠部913内に入球した遊技球を回転体914に向かって誘導する誘導路915と、可動枠部913の外部に形成された外部通路916と、役物入賞口910を通って入賞装置ケーシング911内に取り込まれた遊技球を、誘導路915と外部通路916とに振分ける振分装置917と、を具備して構成されている。なお、可動枠部913、回転体914、誘導路915、外部通路916、及び振分装置917は、いずれも入賞装置ケーシング911の内部に収容されている。特に、可動枠部913、誘導路915、及び振分装置917は、入賞装置ケーシング911の手前側に配置され、回転体914及び外部通路916は、入賞装置ケーシング911の奥側、すなわち可動枠部913等よりも後方に配置されている。そして、これらの部材は、入賞装置ケーシング911の前面に設けられた透明ガラス板912を通して視認させることができる。
入賞装置ケーシング911内には、さらに、回転体914の下方に配設され遊技球が入球可能な特定入球口918と、回転体914の普通有利領域に入球した遊技球を特定入球口918の上方に案内する案内路919と、案内路919の先端と特定入球口918との間に配設され案内路919によって案内された遊技球を一旦停留させるとともに、その後所定のタイミングで特定入球口918の上方に放出させる停留装置920と、停留装置920と特定入球口918との間に配設され、停留装置920から放出された遊技球を受止め流出口962から流出させる受止部材921とが収容されている。
さらに、入賞装置ケーシング911内には、振分装置917によって振分けられ且つ外部通路916に誘導された遊技球を、回転体914を迂回して停留装置920に案内する迂回通路922、外部通路916に連通可能な通路であって有利性を生じさせることなく遊技球を外部通路916から流出させる流出通路923、及び外部通路916によって誘導された遊技球を迂回通路922と流出通路923とに振分ける外部振分装置924も収容されている。
役物91における夫々の構成について具体的に説明する。
(開閉入賞装置93について)
開閉入賞装置93は、役物91の上縁部近傍に配置されており、その中央には遊技球を入賞可能とする役物入賞口910が形成されている。開閉入賞装置93は、各構成部品を取付けるための基部材929と、所定の開閉動作が行われる一対の可動片930と、一対の可動片930を動作させる可動片駆動手段931(図11参照)と、一対の可動片930の上方に配設され役物入賞口910に対しての遊技球の入賞を制限する入賞制限部材932と、を具備して構成されている。つまり、基部材929には、その中央に役物入賞口910が穿設され、前面側において一対の可動片930が左右方向に摺動可能に支持されるとともに、円弧状の入賞制限部材932が前方へ突出して形成されている。すなわち、可動片930及び入賞制限部材932が、遊技盤5の遊技領域37から突出した状態で組付けられている。
一対の可動片930は、前面が役物入賞口910側に向かって漸次低くなる略扇状の形状を呈するとともに、内部側の上面が略円弧状に窪んだ傾斜面となっており、この傾斜面に流下した遊技球を役物入賞口910側に誘導するように構成されている。また、一対の可動片930は、役物入賞口910を中心として相反方向に摺動可能であり、互いに接近した状態(閉じた状態)では、可動片930全体が入賞制限部材932の下方に位置し、可動片930の上面に遊技球が流下しない状態となる。一方、一対の可動片930が互いに離間した状態(開いた状態)では、可動片930の約2/3が入賞制限部材932の外方に延出され、可動片930の上面に遊技球を流下させること、すなわち役物入賞口910に遊技球を入賞させることが可能になる。このように、開閉入賞装置93を開放させることにより、役物入賞口910から透明ガラス板912の後方(すなわち入賞装置ケーシング911の内部)に遊技球を取り込むことが可能になり、取り込まれた遊技球は、振分装置917の上方の取入口933から出現する。
(入賞装置ケーシング911及び透明ガラス板912について)
入賞装置ケーシング911は、前面が開口した収容ケースであり、遊技領域37の中央に配置され遊技領域37における縦方向の長さの略1/2以上を占有する高さの中央収容室935と、中央収容室935の中央部から上端にかけての部分と連通し、左右方向に延びる右側収容室936及び左側収容室937とを有して構成されており、入賞装置ケーシング911全体の横幅が遊技領域37の横幅の長さと一致している。すなわち、入賞装置ケーシング911は、遊技領域37の横幅全域に亘って配設される大きさに構成されている。なお、右側収容室936及び左側収容室937の底面には、風車90を回避するための凹部が形成されている。
また、中央収容室935の背面には、誘導路915で囲まれた領域よりも横幅の広い表示窓938が開口して形成されており、役物91の後方に配設された演出表示装置115を、表示窓938を通して視認させることを可能にしている。
一方、透明ガラス板912は、入賞装置ケーシング911の前面全体を閉鎖しており、入賞装置ケーシング911内に収容された各種構造物及び演出表示装置115を、前方から視認可能とするとともに、その前面が遊技領域37の一部を構成している。つまり、透明ガラス板912の前面、特に、右側収容室936及び左側収容室937の前方に位置する領域には、遊技盤5と同様に障害釘等の障害部材940が設けられており、遊技領域37を流下する遊技球の転動方向を変化させることを可能にしている。また、透明ガラス板912の前面には、中央収容室935の前方の領域を囲むように、所定高さの進入防止壁941が前方に突出して形成されており、障害部材940が設けられた右側収容室936及び左側収容室937の前方の領域、すなわち遊技領域37として用いられる領域から遊技球が中央収容室935の前方の領域に進入することを防止している。また、進入防止壁941と開閉入賞装置93との間には、左右方向に延びる略円弧状の外れ球案内壁942が設けられており、開閉入賞装置93の内部に入賞しなかった遊技球を進入防止壁941の外側に案内させるようになっている。
(可動枠部913について)
可動枠部913は、表示窓938の上面及び左右側面を囲むように配設された上部側装飾枠944と、上部側装飾枠944の底面部分(開口した部分)から垂下された中央側装飾枠945と、中央側装飾枠945に連結され下端部分ほど横幅が短くなるように先細りに形成された下部側装飾枠946とから構成されている。また、可動枠部913は、ソレノイド及び直線ガイド部材等(図示しない)からなる枠可動手段947(図11参照)に連結されており、これによって左右方向に往復直線運動するようになっている(図14参照)。なお、上部側装飾枠944の上面には遊技球を可動枠部913内に入球させるための上面通過孔(図示しない)が設けられている。
(回転体914及び誘導路915について)
回転体914は、可動枠部913の内側で且つ後方、特に表示窓938の下縁近傍に配設されており、半球状の外観を呈している。回転体914の周面には、径方向(水平方向)に開口した一つの特定有利領域951と複数(例えば四つ)の普通有利領域952(図16(a)参照)とが周方向に等間隔で形成されている。また、回転体914は鉛直方向を軸として軸心周りに回転可能に支持されており、回転駆動手段953(図11参照)によって一定方向(問えば反時計周り方向)に等速度で回転する。また、回転体914の特定有利領域951は、所定の回転位置において特定領域流出通路(図示しない)と連通するように構成されており、普通有利領域952は所定の回転位置において案内路919と連通するように構成されている。このため、回転体914の特定有利領域951に入球した遊技球は、特定有利領域951が特定領域流出通路と連通するまでは回転体914とともに回転し、連通すると特定領域流出通路を通って排出される。なお、特定領域流出通路には第一大当り受入センサ330(図11参照)が設けられており、特定有利領域951に入球したことが第一大当り受入センサ330によって検出されると、第一有利遊技状態が発生する。一方、回転体914の普通有利領域952に入球した遊技球は、普通有利領域952が案内路919と連通するまでは回転体914とともに回転し、連通すると案内路919を通って停留装置920に案内される。なお、回転体914の下方には、円盤状の装飾基部954が固定状態で設けられており、この装飾基部954と回転体914との組合せによって意匠性の高い装飾物(例えば「UFO」(未確認飛行物体))が構成されている。
一方、誘導路915は、可動枠部913における上部側装飾枠944の内周面に沿って形成され、可動枠部913とともに左右方向に往復直線運動するように構成されている。誘導路915は、水平方向に延出して形成された通路であって且つ上面通過孔から可動枠部913内に取り入れられた遊技球を受止める上部側水平通路955aと、上部側水平通路955aに連通し上部側水平通路955aを通して誘導された遊技球を上部側装飾枠944に沿って落下させる垂直通路955bと、垂直通路955bの下端に連通し垂直通路955bを通って落下した遊技球を回転体914側に向かって略水平方向に転動させる下部側水平通路955cとからなり、全体として略「ロ」字形に形成されている。特に、下部側水平通路955cは回転体914の前側に位置しており、その上面(すなわち転動面)には回転体914側に向かって僅かに低くなる下り勾配が形成されている。このため、遊技球が下部側水平通路955cを通って回転体914の正面に到達した場合に、回転体914の特定有利領域951または普通有利領域952が正面を向いていれば、その遊技球を対向する特定有利領域951または普通有利領域952に入球させることが可能になる。一方、遊技球が回転体914の正面に到達した場合に、特定有利領域951及び普通有利領域952がいずれも正面を向いていなければ、正面に到達した遊技球を特定有利領域951または普通有利領域952に入球させることができなくなり、その結果、遊技球は回転体914を通過し、下部側水平通路955cの後縁部から排出されることとなる。なお、下部側水平通路955cを転動する遊技球の勢いが強すぎる場合には、譬え遊技球が特定有利領域951または普通有利領域952に対向したとしても、特定有利領域951または普通有利領域952に入球することなく、回転体914を通過して下部側水平通路955cから排出される。また、遊技球の勢いが弱すぎる場合には、回転体914の正面に達する前に下部側水平通路955cの後縁部から排出される。特に、本例では下部側水平通路955cを含む誘導路915は、可動枠部913とともに左右方向に可動しているため、回転体914と対向する下部側水平通路955cの所定部位、すなわち回転体914の正面となって特定有利領域951または普通有利領域952に遊技球を入球させることが可能になる所定部位は、常に変化することとなり、しかも、下部側水平通路955cを転動する遊技球の速度は、誘導路915の運動方向及び運動速度によって変化することとなる。したがって、特定有利領域951または普通有利領域952に遊技球を入球させ得るタイミング、及び回転体914の正面までの経路の長さが常に変化することとなり、遊技球の挙動や回転体914における振分結果を予測することが困難となる。
ここで、回転体914の正面に位置する下部側水平通路955cの所定部位が本発明の流入部に相当し、下部側水平通路955cにおける所定部位以外の領域が本発明の流出部に相当する。
(振分装置917及び外部通路916について)
振分装置917は、取入口933の下方に配設されており、下端が軸支された一対の可動片958と、一対の可動片958を互いに反対方向に回動させる開閉駆動手段959(図11参照)とを具備して構成されている。開閉駆動手段959は、ソレノイド等からなり、一対の可動片958を離間させる(すなわち左右に拡開させる)ことにより、遊技球の入球を可能にし、一対の可動片958を接近させることにより、遊技球が入球できない状態とする(図15参照)。そして、振分装置917の入球口に遊技球が入球すると、その遊技球は上面通過孔を通して誘導路915に送られ、一方、振分装置917の入球口に入球しなかった場合には外部通路916へ送られる。なお、一対の可動片958が開放されるタイミング及び開放時間は特に限定されるものではないが、本例では、開閉入賞装置93の開放動作と同時に、または開閉入賞装置93が開放してから所定時間後に開放し、開閉入賞装置93が閉鎖するよりも前に閉鎖させるようにしている。すなわち、振分装置917における開放時間を、開閉入賞装置93の開放時間よりも短時間とすることにより、開閉入賞装置93の役物入賞口910から入賞した遊技球を、一対の可動片958の開閉動作によって、可動枠部913の内側に形成された誘導路915と、可動枠部913の外側に形成された外部通路916とに振分けることを可能にしている。
なお、外部通路916は、夫々の可動片958の下端部分から斜め外方に向かって僅かに下り勾配に形成された一対の転動壁957を備えており、振分装置917によって振分けられた遊技球を転動壁957上で緩やかに転動させることにより、遊技球の勢いをあまり強めることなく、外側に向かって誘導している。
(停留装置920について)
停留装置920は、回転体914の普通有利領域952に入球し案内路919によって案内された遊技球を、一旦停留させるものであり、左右方向に二分割され、突合せられるとお碗状の外観を呈する一対の停留部960と、この一対の停留部960を突合わせることにより遊技球の停留を可能とし、一対の停留部960を互いに離間することにより遊技球を隙間から落下させる停留部可動手段961(図11参照)とから構成されている(図16参照)。なお、停留装置920が開放するタイミングは特に限定されるものではないが、本例では、遊技球が役物入賞口910に入賞した際に開始される音楽(曲)が所定のフレーズになったときに開放するようにしている。このため、停留装置920が開放されるタイミングを遊技者に容易に認識させることができ、音楽や音声等を遊技に関連付けて楽しませることができる。
(受止部材921及び特定入球口918について)
受止部材921は、遊技球が通過可能な流出口962と、流出口962に向かって下り勾配の傾斜面963とからなり、全体として漏斗状に形成されている。また、受止部材921は、可動枠部913の下端部分に組付けられており、枠可動手段947によって可動枠部913とともに往復運動するように構成されている。受止部材921が遊技盤5の幅方向中央部分に位置した場合には、流出口962が特定入球口918の真上となり、流出口962から流出される遊技球を特定入球口918に入球させることが可能となり、一方、受止部材921が中央に位置していない場合には、流出口962の位置が特定入球口918に一致しなくなり、流出口962から流出する遊技球を特定入球口918に入球させることができなくなる。
特定入球口918は、上面が開放したポケット形の入球口であり、受止部材921の下方近傍に配設されている。なお、特定入球口918における開口の大きさは、受止部材921の流出口962の大きさと略一致しており、受止部材921が中央に位置すると、上下方向において合致した状態となる。なお、特定入球口918の周囲には、受止部材921の流出口962から排出され且つ特定入球口918に入球しなかった遊技球を、集合させて役物91の外部に排出する排出部980が設けられている。
また、特定入球口918に遊技球が入球すると、その入球状態が第二大当り受入センサ331(図11参照)によって検出され、第二有利遊技状態が発生する。なお、第二有利遊技状態は、回転体914の特定有利領域951への入球に基づいて発生する第一有利遊技状態と同様、「大当り遊技」と称されているものであるが、第一有利遊技状態よりも有利性が低くなっている。具体的に説明すると、「大当り遊技」は、開閉入賞装置93を一定パターンで開閉させるラウンド動作を所定回数繰り返すものであり、遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を役物入賞口910に入球させることで、多くの賞球を獲得することができるようになっている。なお、ラウンド動作ついては、始動入賞口96への遊技球の入球に応じて行われる開閉入賞装置93の開閉動作を初回の1ランウド目のラウンド動作とし、2ラウンド目以降のラウンド動作では、開閉入賞装置93を所定間隔で18回開閉させるか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。なお、第一有利遊技状態と第二有利遊技状態とでは、大当り遊技にて繰り返し行われるラウンド動作の回数の決め方が互いに異なっている。第一有利遊技状態では、ラウンド動作を常に「16回」繰り返すように設定し、一方、第二有利遊技状態では、乱数を基に抽選でラウンド動作の回数を決定(「2回」、「8回」、「16回」のいずれか)する。換言すれば、第二有利遊技状態ではラウンド動作の回数が抽選によって決定されるが、第一有利遊技状態では、抽選を行うことなく最大回数である「16回」に確定する。
(迂回通路922、流出通路923、及び外部振分装置924について)
迂回通路922は、外部通路916によって案内された遊技球を、回転体914に誘導することなく停留装置920に案内するものであり、遊技球を転動させる外側の転動壁964と、転動する遊技球が迂回通路922から逸脱するのを防止する内側の逸脱防止壁965とから構成されている。この迂回通路922は可動枠部913の後方に配設されているため、可動枠部913が左右方向に可動しても障害となることなく、停留装置920の上方に遊技球を誘導する。
一方、流出通路923は、遊技球を外部通路916から流出させる通路であり、迂回通路922と分岐して形成されている。この流出通路923は、右側収容室936及び左側収容室937に収容された転動壁966からなり、外方に向かって遊技球を転動させるように構成されている。なお、転動壁966の先端側には、遊技球を役物91の外部に排出する排出口967が設けられており、有利性を生じさせることなく排出させるようになっている(図17(b)参照)。
外部振分装置924は、外部通路916によって誘導された遊技球を、迂回通路922と流出通路923とに振分けるものであり、具体的には、右側収容室936及び左側収容室937に収容された可動装飾体968の腕部969を、腕部駆動手段970(図11参照)によってシーソー状に揺動させることにより遊技球を振分けている。つまり、図17(b)に示すように、腕部969が外側(排出口967側)に向かって下り勾配となった場合には、腕部969が転動壁966として機能し、外部通路916によって誘導された遊技球を受け止めるとともに排出口967に向かって転動させる。一方、図17(a)に示すように腕部969が内側(可動枠部913側)に向かって下り勾配になった場合には、腕部969の内側端部に遊技球が流下しても、腕部969を転動することなく、内側端部から迂回通路922側に向かって落下することとなる。
[演出表示装置115等について]
役物91の背面には演出表示装置115が組付けられており、可動枠部913(詳しくは誘導路915)によって囲まれた領域、及び入賞装置ケーシング911の表示窓938を通して、演出表示装置115の表示画面を視認させることが可能となっている。ところで、二つの窓を通して演出表示装置115の表示画面を視認させる場合、通常は、後側に配置される窓(すなわち入賞装置ケーシング911の表示窓938)を、前側に配置される窓(すなわち可動枠部913によって囲まれる領域)よりも大きく形成することが考えられる。なぜなら、前側に配置される窓を通して後側の部材が見えることを防止するためである。
ところが、本例のように可動枠部913が左右方向に往復運動するものにおいて、後側に配置される窓(表示窓938)を、視認されない大きさにしようとすると、その表示窓938を極めて大きくしなければならない。そして、この場合には、表示窓938の大きさに合わせた演出表示装置115が必要となるが、実際に視認可能となる画面の大きさは、前側の窓である可動枠部913によって制限されるため表示画面を効率的に視認させることができなくなる。また、可動枠部913が一端側に移動した際に、演出表示装置115の画面が可動枠部913の他端側からはみ出た状態で視認されてしまい意匠性を損ねる恐れがある。
これに対し、本例では、演出表示装置115における左右両端側に、可動枠部913が一方の側(右端)まで変位した場合に視認可能となる一端側装飾部材971(図14(a)参照)と、可動枠部913が他方の側(左端)まで変位した場合に視認可能となる他端側装飾部材972(図14(b)参照)とを備えている。つまり、可動枠部913が右端まで変位した場合には、一端側装飾部材971が視認可能となり、他端側装飾部材972が可動枠部913によって遮蔽された状態となる。一方、可動枠部913が左端まで変位した場合には他端側装飾部材972が視認可能となり、一端側装飾部材971が可動枠部913によって遮蔽された状態となる。このため、可動枠部913が左右方向に往復運動しても、表示画面の端部側が可動枠部913の外部にはみ出して視認されることを防止できる。すなわち、演出表示装置115がはみ出すことによる見栄えの低下を防止することが可能になる。また、可動枠部913が可動するにも拘らず、可動枠部913の大きさに対応する比較的小さな演出表示装置115を用いることができ、演出表示を効率的に視認させることができる。しかも、遊技者は、一端側装飾部材971または他端側装飾部材972の出現の有無を認識することにより、可動枠部913の位置を把握することが可能となり、誘導路915と回転体914との相対位置を認識しながら球技球の行方を予想することが可能になる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図11に基づき説明する。
図11は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131の入力ポートには、始動入賞口96への入賞を検出する始動口センサ318、役物入賞口910に入球する遊技球を計数するカウントセンサ319、第一大当り受入センサ330、第二大当り受入センサ331、可動枠部913の可動位置を検出する可動位置検出センサ321等が接続されており、これらからの検出信号が入力されるようになっている。一方、主制御基板131の出力ポートには、モータやソレノイドを有する、可動片駆動手段931、枠可動手段947、回転駆動手段953、開閉駆動手段959、停留部可動手段961、及び腕部駆動手段970等が接続されており、これらの駆動手段へ駆動信号を出力する。なお、主制御基板131は、本発明の第一有利遊技状態発生手段及び第二有利遊技状態発生手段として機能しており、特定有利領域951への入球に基づいて第一有利遊技状態を発生させるとともに、特定入球口918への入球に基づいて第二有利遊技状態を発生させる。
また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主にサイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が装飾ランプ353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。
また、電飾制御基板338には、本発明の演出表示制御手段に相当する機能的構成が備えられており、演出表示装置115に遊技状態(大当り状態、入賞個数、及びラウンド数を含む)とキャラクタとを表示させる。特に、演出表示制御手段は、本発明のキャラクタ可動手段に相当する機能を有しており、可動枠部913の動きに基づいてキャラクタの表示位置を変化させ、キャラクタが可動枠部913とともに動いているように、すなわち演出表示装置115が可動枠部913とともに左右方向に往復運動しているように見せることを可能にしている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成、送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
[役物の動作について] 図12、及び、図14乃至図17に基づき詳細に説明する。
図14は可動枠部913の動作に関する説明図であり、図15は振分装置917の動作に関する説明図であり、図16は停留装置920の動作に関する説明図であり、図17は外部振分装置924の動作に関する説明図である。
図15に示すように、開閉入賞装置93の開放動作により、役物入賞口910に遊技球が入賞すると、その遊技球は、振分装置917によって誘導路915と外部通路916とに振分けられる。具体的に、振分装置917には所定のタイミングで開閉動作を行う一対の可動片958が設けられており、(a)に示すように可動片958が拡開すると、その内部を通って誘導路915に入球させることが可能になる。
なお、図14に示すように、可動枠部913及び誘導路915は、枠可動手段947によって左右方向に往復運動することから、誘導路915を通過する遊技球を可動枠部913とともに変位させることができる。
図15に示すように、誘導路915に振分けられた遊技球は、回転体914に誘導される。回転体914には、径方向に開口した一つの特定有利領域951と複数の普通有利領域952とが設けられており、誘導路915によって誘導された遊技球は、回転体914の特定有利領域951または普通有利領域952に向かって流入可能な状態となる。なお、誘導路915によって誘導された遊技球が、特定有利領域951または普通有利領域952に入球しなかった場合には、有利性を生じさせることなく誘導路915から流出させられる。
そして、回転体914の特定有利領域951に遊技球が入球した場合には、遊技者に有利となる第一有利遊技状態が発生する。つまり、大当り遊技のラウンド回数が「16回」に設定される。一方、普通有利領域952に入球した場合には、案内路919を通って停留装置920に案内される。
図16に示すように、停留装置920では、一対の停留部960を突合わせることにより遊技球を一旦停留させ(a参照)、その後、所定のタイミングで一対の停留部960を互いに離間させることにより停留されていた遊技球を流出させる(b参照)。停留装置920から流出した遊技球は、その後、受止部材921によって受止められ、所定の流出口962から特定入球口918に向かって流出させられる。ここで、受止部材921は可動枠部913とともに可動するため、一つの流出口962から流出する遊技球は、特定入球口918に入球する場合と入球しない場合とに振分けられる。そして、特定入球口918に遊技球が入球すると、第一有利遊技状態よりも有利性の低い第二有利遊技状態が発生する。すなわち、大当り遊技のラウンド回数を抽選によって決定する。このように、回転体914において、特定有利領域951に入球しなかった場合、すなわち第一有利遊技状態を発生させることができなかった場合でも、案内路919を通して特定入球口918に入球させることにより、別の有利遊技状態を発生させることが可能となる。
一方、図15(b)に示すように、振分装置917によって外部通路916に振分けられた遊技球、すなわち、可動枠部913の内側に形成された誘導路915に入球させることができなかった遊技球は、図17に示すように、外部振分装置924(具体的にはシーソー状に揺動する腕部969)によって、迂回通路922と流出通路923とに振分けられる。迂回通路922に振分けられた場合には(a参照)、停留装置920に案内される。すなわち、有利性が回復され、回転体914の下流側に位置する特定入球口918に対して入球させることが可能になる。なお、流出通路923に振分けられた場合には(b参照)、有利性を回復させることなく排出口967から排出される。
このように、本例のパチンコ機1によれば、役物入賞口910に入賞した遊技球であっても、振分装置917によって可動枠部913の内側にある誘導路915に振分けられない限り、回転体914の特定有利領域951または普通有利領域952に入球させることができなくなっているため、入賞した遊技球が回転体914に達するか否かを注目させることができ、経路構成や遊技球の挙動に対しての興味を高めることができる。特に、可動枠部913及び誘導路915は、枠可動手段947によって左右方向に往復運動することから、誘導路915を通過する遊技球を可動枠部913とともに変位させることができ、回転体914に到達するまでの遊技球の挙動を一層複雑にさせることができる。また、回転体914に対して可動枠部913が変位するため、回転体914が相対的に可動しているかのように見せることができ、ひいては役物全体に対する興趣を高めることが可能になる。
さらに、可動枠部913及び誘導路915が往復運動することから、回転体914と誘導路915との位置関係が常に変化し、特定有利領域951を狙った適切なタイミングでの遊技球の打出しを困難にさせる。つまり、回転体914と誘導路915との位置関係が常に変化することから、特定有利領域951または普通有利領域952に対して遊技球が入球することとなる位置、すなわち流入口の位置を特定することができなくなり、遊技者は、役物における経路構成を認識しても、打出しタイミングを把握することが困難となる。つまり、回転体914の周期を見ながら打つようにしても、適切なタイミングで遊技球を狙い打つことができなくなり、ひいては遊技者の技量にかかわらず均等な確率で特定有利領域951に入球させることが可能となる。
また、本例のパチンコ機1によれば、回転体914の特定有利領域951に入球しなかった場合、すなわち回転体914によって第一有利遊技状態を発生させることができなかった場合でも、案内路919を通して特定入球口918に入球させることにより、第二有利遊技状態を発生させることができる。すなわち、遊技者に、有利遊技状態を付与する機会を二度与えるため、回転体914の特定有利領域951に入球しなかったことによる遊技意欲の低下を抑制することができる。なお、回転体914の特定有利領域951に入球した場合の方が、特定入球口918に入球した場合よりも、有利性の高い遊技状態が発生することから、回転体914の夫々の領域における等級を明確に意識付けることができ、いずれの領域に入球するかについてハラハラドキドキさせることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、誘導路915によって誘導された遊技球が、特定有利領域951または普通有利領域952に入球しなかった場合には、有利性を生じさせることなく誘導路915から流出させられるため、回転体914による振分けのパターンが増え、回転体914の振分け動作を一層注目させることが可能になる。
また、本例のパチンコ機1によれば、案内路919によって案内された遊技球は、停留装置920によって一旦停留させられ、その後、所定のタイミングで特定入球口918の上方に放出される。これにより、遊技球が特定入球口918に入球する可能性が高いことを遊技者に容易に認識させることができる。また、期待感の高い状態を所定時間継続することにより、遊技者の期待感を次第に膨らませることが可能となる。特に、一対の停留部960は碗状の外観、特に内側底面が円弧状となる形状を呈しているため、突合わされた状態では案内路919を通して案内された遊技球を確実に受止め停留させることができる。また、互いに離間した状態では、停留されていた遊技球を自然に落下させることができる。したがって、あまり複雑な構造を要することなく、遊技球の停留及びその後の放出を実現することが可能となる。また、役物である一対の停留部960が二つに分割され、そこから遊技球が落下ため、力強く趣向性の高い演出を行うことができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、停留装置920と特定入球口918との間に受止部材921が配設されているため、停留装置920から放出された遊技球を、受止部材921によって、特定入球口918に入球する場合と入球しない場合とに振分けることができる。つまり、案内路919によって停留装置920に案内される場合であっても、特定入球口918に入球しないこともあり得ることから、遊技球の挙動を最後まで注目させることができる。換言すれば特定入球口918に入球するまで、複数の段階に亘ってハラハラドキドキさせることができる。特に、特定入球口918に対して受止部材921が変位するため、一つの流出口962から流出する遊技球を自然落下させるにも拘わらず、特定入球口918に入球する場合と入球しない場合とに振分けることができる。換言すれば、特定入球口918に対する受止部材921の相対位置によって特定入球口918に入球するか否かが決定されるため、受止部材921の動作及び位置を注目させることができ、興趣を高めることができる。さらに、受止部材921が可動枠部913と一体的に構成されているため、可動枠部913とともに往復運動させることができ、受止部材921を可動させるための特別の機構を備えることなく、特定入球口918に対して変位させることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、振分装置917によって外部通路916に振分けられた遊技球を、迂回通路922を介して停留装置920に案内することが可能になる。換言すれば、振分装置917によって有利性の低い側の通路に振分けられた場合でも、有利な状態に復帰させることが可能になるため、初期の段階で遊技意欲が失われることを抑制でき、有利遊技状態を発生させることに対しての期待感を維持することができる。特に、外部通路916によって案内された遊技球が、外部振分装置924によって、迂回通路922と流出通路923とに振分けられるため、遊技球の経路が一層複雑になり、遊技球の挙動に飽きてしまうことを抑制できる。また、外部振分装置924を介して迂回通路922に入球させることにより、迂回通路922に対しての注意を一層引付けるとともに、遊技者の気分を高揚させることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、遊技盤5に開口部92が設けられており、その開口部92に入賞装置ケーシング911が嵌込まれている。つまり、役物91全体がユニット化されており、前面が透明ガラス板912で覆われている。特に、透明ガラス板912は遊技盤5に対して同一面上に配設されているため、遊技領域37を制限することなく役物91を配設することができるとともに、遊技盤5を、透過性を有しない板材から形成することができる。すなわち、遊技領域37や遊技盤5における設計の自由度を緩和することができる。また、一つのユニットとして扱うことができるため、組付作業や保守管理が容易となる。
また、本例のパチンコ機1によれば、入賞装置ケーシング911の内部に外部通路916が形成され、その前方である透明ガラス板912の表面に遊技領域37が形成されているため、十分な広さの遊技領域37を確保するとともに、二つの通路を立体的に視認させることが可能となり、視覚的な興趣を一層高めることができる。また、進入防止壁941によって、遊技領域37を転動する遊技球が、可動枠部913及び演出表示装置115の前方の領域に進入することを防止するため、可動枠部913の内部における遊技球の振分けが、遊技領域37を転動する遊技球によって遮られることがなくなる。したがって、各役物の動きや遊技球の挙動を明瞭に視認させることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、入賞装置ケーシング911内の左右両側に、キャラクタ等の可動装飾体968が夫々配設されており、外部通路916によって案内された遊技球を、可動装飾体968の腕部969によって、迂回通路922と流出通路923とに振分けるように構成されているため、可動装飾体968の動きと振分動作とを関連付けて認識させることができ、演出による視覚的な興趣をさらに高めることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、可動枠部913で囲まれた窓部を通して、演出表示装置115による演出を視認させることができる。この際、可動枠部913は左右方向に往復運動することから、演出表示装置115のフレームが可動しているかのように、すなわち演出表示装置115自体が可動しているかのように見せることができ、躍動的な演出を行うことが可能になる。また、可動枠部913の内側に配設された回転体914と演出表示装置115とが重ねられた状態で視認されるため、回転体914が演出表示装置115の画面から飛び出してくるような立体的な演出を醸し出すことができ、演出の面白みを一層高めることができる。特に、演出表示装置115に表示されるキャラクタが可動枠部913の動きに合わせて変位するため、演出表示装置115が可動しているという印象を一層強く喚起させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。