JP5068104B2 - タイミング同期装置および受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信の受信信号中の同期語を用いて、等化器の動作のためのタイミング同期およびフレーム同期を行うタイミング同期装置および受信機に関するものである。
マルチパス環境で受信信号のフレーム中の同期語を用いて、復調動作のためのタイミング同期およびフレーム同期を行う従来のタイミング同期装置として、例えば、下記特許文献1に記載の技術がある。以下、下記特許文献1に記載の技術の説明を行う。
下記特許文献1に記載のタイミング同期装置は、相関器,電力算出回路,最大値検出回路,時間順序回路,スレッショルド回路で構成されている。つぎに、このタイミング同期装置の動作を説明する。各時刻で離散的にサンプリングされた受信信号は、相関器に入力され、既知系列である同期語と相関演算が行われる。電力算出回路は、相関器の出力である相関値の各時刻の相関電力が求める。最大値検出回路は、電力算出回路の出力である相関電力の最大値Ppeakを求め、その最大値をとる時刻を仮タイミングとして、時間順序逆回路に出力する。
時間順序逆回路は、仮タイミング情報の時刻を基点に各時刻で得られた相関電力のサンプルの時間の順序を逆転させた相関電力をスレッショルド回路に入力する。スレッショルド回路は、最大値検出回路が検出した最大電力値Ppeakをα(α<1)倍したしきい値Ptを算出する。そして、スレッショルド回路では、時間順序逆回路の出力である時間順序が逆転された相関電力をしきい値Ptと比較し、しきい値Ptより大きい相関電力があれば、仮タイミングをその相関電力に対応する時刻に更新し、全てのサンプルについての比較が終わった時点で得られた仮タイミングを推定した同期タイミングTtとして出力する。このように、相関電力のピークの時刻から時間をさかのぼって、しきい値Ptより大きいピークを検出することにより、先行波(到来するパスのうち、最も時間的に早く到来するパス)のピーク電力が遅延波のピーク電力より小さい場合でも、先行波の到来時刻を推定することができる。
特開2001−53730号公報
上記従来のタイミング同期装置では、同期語と受信信号との相関電力値がしきい値Ptを超えるタイミングを、等化器の動作タイミング(復調動作タイミング)としている。一方、マルチパス環境下では、遅延波の各パスの電力,時間間隔,位相関係によっては、符号間干渉の影響を受けて相関電力のレベルが著しく小さくなる。このため、雑音の影響を受け易くなり正しいピーク値を得られず、結果として等化器の動作タイミングとして正しいタイミングが得られない可能性が高くなり、ビット誤り率等の受信品質の劣化に繋がるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、マルチパス環境下で、等化器の動作に適したタイミングを正しく検出することが可能なタイミング同期装置および受信機を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、等化器の動作タイミングを推定するタイミング同期装置であって、所定の時間範囲を時間窓として設定し、前記時間窓内の受信信号のサンプリング点の時刻を出力するピーク検出手段と、受信信号が記憶され、前記サンプリング点の時刻ごとに、その時刻を起点としかつ同期語と同一の長さを有する受信信号を、同期語長受信サンプルとして出力する記憶手段と、前記サンプリング点の時刻ごとに前記同期語長受信サンプルの等化処理のためのウエイトを算出するウエイト算出手段と、前記サンプリング点の時刻ごとに前記ウエイトと前記同期語長受信サンプルに基づき前記同期語長受信サンプルの等化処理を行う等化処理手段と、前記サンプリング点の時刻ごとに前記等化処理後の同期語長受信サンプルと同期語との相関電力を等化後相関電力として算出する等化後相関電力算出手段と、前記等化後相関電力のピーク値を求め、前記ピーク値に対応するサンプリング点の時刻を前記動作タイミングとして前記等化器へ出力するピークタイミング検出手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、受信信号と同期語の相関電力のピーク位置を中心とする時間窓を設定して、時間窓内の受信信号のサンプル点を起点とする同期語長の受信サンプルに対して同期語を用いて等化処理用のウエイトを算出し、各受信サンプルに対してウエイトを乗算して等化処理を行い、等化後相関電力がピークとなる位置を等化器の動作に適したタイミングとするので、マルチパス環境下で、等化器の動作に適したタイミングを正しく検出することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかるタイミング同期装置および受信機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるタイミング同期部1を備える受信機の復調部の実施の形態1の機能構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の復調部は、復調動作のためのタイミング推定を行うタイミング同期部1と、受信信号を記憶するメモリ2と、メモリ2から受信信号を読みだしてタイミング同期部1のタイミング推定結果に基づいて受信信号の送信シンボル推定処理を行う等化器3と、で構成される。
図2は、本実施の形態のタイミング同期部1の機能構成例を示す図である。図2に示すように、本実施の形態のタイミング同期部1は、受信信号と同期語の相関電力を算出する相関電力算出部4と、相関電力のピーク値を検出するピーク検出部5、受信信号が格納されるメモリ6と、始点のタイミングの異なる受信サンプルに対するウエイトを算出するウエイト算出部7−0〜7−(N−1)(Nは自然数)と、ウエイトを用いて判定帰還等化処理を行う等化処理部8−0〜8−(N−1)と、を備える。本実施の形態のタイミング同期装置1は、さらに、同期語の検出の有無を判定するためのしきい値を生成するしきい値生成部9−0〜9−(N−1)と、判定帰還等化処理後の相関電力を算出する等化後相関電力算出部10−0〜10−(N−1)と、しきい値と判定帰還等化処理後の相関電力を用いて同期語を検出する同期語検出部11−0〜11−(N−1)と、同期語が検出されたか否かを判定する判定部12と、判定帰還等化処理後の相関電力のピークを検出し等化器3へ動作タイミングを出力するピークタイミング検出部13と、を備える。
図3は、本実施の形態の受信信号のフレーム構成を示す図である。図3に示すように、本実施の形態のフレームでは、同期語110とデータ120で構成され、同期語110はフレームの開始位置を示している。したがって、この同期語の位置を検出することによりフレームの開始位置がわかり、受信データを正しく復調することができる。
図4は、本実施の形態の等化処理部8−0〜8−(N−1)の機能構成例を示す図である。等化処理部8−0〜8−(N−1)のそれぞれが、図4に示す構成となる。図4に示すように、本実施の形態の等化処理部8−0〜8−(N−1)は、フィードフォワードフィルタ(FFF)用のであるタップ21と、フィードバックフィルタ(FBF)用のタップであるタップ22と、乗算器23,24,25と、加算器26,27と、硬判定処理を行う判定部28で構成される。
ここで、マルチパス環境下の同期語と受信信号の相関電力について説明する。図5は、同期語と受信信号の相関電力と従来のタイミング同期装置のタイミング推定しきい値と同期語検出しきい値を示す図である。図5では、時刻T1にピークを持つ相関電力(遅延波なし)Aと時刻Tpeakにピークを持つ相関電力(遅延波あり)Bの2種類を示している。マルチパス環境下では、相関電力(遅延波あり)Bのようになだらかなピークを持つ形状となる。ピーク位置Cは、相関電力(遅延波あり)Bのピーク位置を示している。
従来のタイミング同期装置では、等化器の動作タイミングのタイミング推定のしきい値Dをあらかじめ設定し、ピーク位置C以前の時刻で、各々のしきい値を超える時刻をそれぞれ等化器の動作タイミングとしていた。このようにすることにより、先行波の位置T1を推定していた。しかし、マルチパス環境下では、符号間干渉の影響を受けて、相関電力のレベルが著しく小さくなる。このため、雑音の影響も受け易くなり、しきい値との比較による従来の方法では、等化器の動作タイミングが適切に求められないことがある。そこで、本実施の形態では、判定帰還型等化器の遅延波の抑圧効果を利用して正しい動作タイミングを推定する。
図6は、同期語と受信信号の相関電力と本実施の形態の時間窓を示す図である。相関電力(遅延波なし)A,相関電力(遅延波あり)B,ピーク位置Cは、図5と同様である。時間窓Eは、ピーク位置Cを中心とする所定の時間範囲(T0〜TN-1)である。この時間範囲の大きさは、たとえば、想定される先行波と遅延波の到来時刻の最大値などに基づいて、あらかじめ決めておく。また、Ti(i=0〜N−1)は、時間窓内の受信信号のサンプル時刻を示している。本実施の形態では、Ti(i=0〜N−1)のサンプリング位置のサンプル点をそれぞれ始点とする長さが同期語長の受信サンプル(以下、同期語長受信サンプルという)に対して、同期語を用いたウエイトを生成し、そのウエイトを用いて判定帰還型等化処理を行い、等化処理後の同期語長受信サンプルと同期語の相関電力がピークとなる位置を等化器の動作タイミングとして推定する。
つづいて、本実施の形態のタイミング同期部1の動作について説明する。まず、タイミング同期部1の相関電力算出部4は、受信信号と同期語の相関演算を行い、相関演算結果から相関電力を算出する。また、受信信号は、メモリ6に記憶される。ピーク検出部5は、相関電力算出部4の出力である相関電力の最大値および最大値となる時間的な位置を検出する。ピーク検出部5は、さらに、ピーク値を中心とする所定の時間範囲である時間窓を求め、時間窓の開始終了時刻と、受信信号のサンプリング間隔に基づいて時間窓内に存在する受信信号のサンプリング点(T0,T1,・・・,TN-1)を求め、メモリ6に出力する。メモリ6は、それぞれのサンプリング点(T0,T1,・・・,TN-1)を起点とする同期語長に相当する受信サンプル(同期語長受信サンプル)を読み出し、Ti(i=0〜N−1)を起点とする同期語長受信サンプルをウエイト算出部7−i,等化処理部8−iに出力する。このように、ウエイト算出部7−i,等化処理部8−iは、それぞれ起点の異なる(基点のタイミングの異なる)同期語長受信サンプルについて演算を行うことになる。
ウエイト算出部7−iは、Tiを起点とする同期語長受信サンプルに対して、等化処理部8−iの演算のためのウエイトを算出する。なお、等化処理部8−iの構成は、図4に示したような判定帰還型等化器の構成とする。通常、データ復調を行う等化器として判定帰還等化器を使用する場合には、遅延波の抑圧性能を向上させるため、フィードフォワードフィルタのタップ数は2タップ以上の値を用いる。しかし、2タップ以上にすると、タイミングずれに対して強くなるため、タイミングの推定結果としては時間的にある幅を持った推定結果が得られることとなり、タイミング推定に用いる場合には推定特性が劣化するという問題がある。
そこで、本実施の形態の等化処理部8−iはタイミング推定を行うことが目的であるため、タイミング推定に特化してフィードフォワードフィルタのタップ数は1とする。また、フィードフォワードフィルタのタップ数を1とすると、総タップ数の軽減にもなるという利点がある。フィードバックフィルタ(FBF)については、ここでは、一例として遅延波が2つ存在する場合を仮定し、タップ数を2とした。フィードバックフィルタのタップ数は、これに限らず、想定される遅延波の数などに応じて数値を決定する。
つぎに、ウエイト算出部7−0が行う演算処理である、T0を起点とする同期語長受信サンプルに対するウエイトの算出方法について説明する。同期語長をM,同期語長受信サンプル内のサンプル点の番号をkとし、フィードフォワードフィルタに対するウエイトをw0(k),フィードバックフィルタに対するウエイトをw1(k),w2(k)とし、既知系列である同期語をr=[r012 … rM-1Tとする。また、x0(k)をT0を起点とする同期語長受信サンプルとし、2タップ分の既知の判定値をd-1(k)、d-2(k)とするとき、X(k)=[x0(k) d-1(k) d-2(k)]Tとする。このとき、ウエイトW(k)は、以下の式(1)にしたがって算出することができる。
Figure 0005068104
このとき、RXr,RXXは、X(k),rのそれぞれ相互相関値,自己相関値である。RXrは、以下の式(2)に従って算出することができる。
Figure 0005068104
ここで、C-1およびC-2は、同期語自体の相関とみなせ、定数であるため、同期語および同期語長が決まればあらかじめ算出しておくことができる。さらに、自己相関値は以下の式(3)に従って算出することができる。
Figure 0005068104
ここで、h-1,h-2は、同期語自体の相関とみなせ、定数であるため、あらかじめ計算しておくことができる。また、式(2),(3)の同期語自体の相関以外の要素は、同期語長受信サンプルの電力値,同期語長受信サンプルと同期語の相関計算であるため、相関器を用いた簡単な構成の演算器で算出することができる。
等化処理部8−0は、メモリ6から出力されるT0を起点とする同期語長受信サンプルに対して、ウエイト算出部7−0が算出したウエイトW(k)を乗算する。等化処理部8−0の出力信号y0(k)は、以下の式(4)で表すことができる。
0(k)=W(k)H・X(k) …(4)
等化後相関電力算出部10−0は、T0を起点とする同期語長受信サンプルに対する等化処理部8−0からの出力信号y0(k)と同期語との相関演算を行った後、相関電力を算出し、それぞれの対応する同期語長受信サンプルの起点(T0)と対応付けてピークタイミング検出部13,判定部12に出力する。
同様に、ウエイト算出部7−1〜7−(N−1)は、T1〜TN-1を起点とする同期語長受信サンプルx1(k)〜xN-1(k)についてウエイトを計算する(式(2),式(3)のx0(k)のかわりにそれぞれx1(k)〜xN-1(k)として計算する)。等化処理部8−1〜8−(N−1)は、T1〜TN-1を起点とする同期語長受信サンプルについて等化処理部8−0と同様に、y1(k)〜yN-1(k)を算出する。そして、等化後相関電力算出部10−1〜10−(N−1)は、それぞれy1(k)〜yN-1(k)と同期語との相関演算を行った後に、相関電力値を算出し、それぞれの対応する同期語長受信サンプルの起点(T1〜TN-1)と対応付けてピークタイミング検出部13,判定部12に出力する。
ピークタイミング検出部13は、等化後相関電力算出部10−0〜10−(N−1)から出力された相関電力値に基づき、その相関電力値の最大値を求め、最大値に対応するタイミング(同期語長受信サンプルの起点:T0〜TN-1のいずれか)をタイミング推定値として等化器3に出力する。
また、同期語検出部11−iは、等化後相関電力算出部10−iの演算結果である相関電力としきい値生成部9−iがあらかじめ設定したしきい値とそれぞれ比較を行い、相関電力がしきい値を超える場合には、同期語を検出したと判断する。判定部12は、同期語検出部11−0〜11−(N−1)からそれぞれの判断結果を受け取り、ひとつでも同期後を検出したという判断結果があれば、フレーム検出と判定する。このフレーム検出結果は、フレーム位置のおおまかな位置(相関電力のピーク単位でのフレーム検出)を示すものであり、復調処理中の、このようなフレーム位置の把握が必要な処理で使用することができる。したがって、等化器3の動作タイミングの推定のみだけを行う場合は、同期語検出部11−i,判定部9の処理を行わなくてよい。
以上のように、本実施の形態では、受信信号と同期語の相関演算を行い、相関電力が最大値となる時間的な位置を検出し、相関電力のピーク値を中心とする所定の範囲の時間窓を設定して、時間窓内の各々のサンプル点を起点とする同期語長受信サンプルに対して、ウエイト算出部7−iが同期語を用いて等化処理用のウエイトを算出し、等化処理部8−iがそのウエイトを用いて同期語長受信サンプルに等化処理を行う。そして、等化後相関電力算出部10−iが等化処理結果と同期語との相関電力を算出し、ピークタイミング検出部13が等化後相関電力が最大となるタイミングをタイミング推定値として等化器3に出力するようにした。このため、マルチパス環境下で遅延波による符号間干渉の影響を受ける場合でも、等化器の動作タイミングとして、良好なタイミング推定値を求めることができるタイミング推定装置が得られる。
さらに、本実施例では、同期語長受信サンプルと同期語との相関値および同期語長受信サンプルの電力を計算するようにした。このため、演算量を抑えて等化処理用のウエイトを算出することができる。
実施の形態2.
図7は、本発明にかかるタイミング同期装置の実施の形態2の機能構成例を示す図である。本実施の形態のタイミング同期装置は、実施の形態1のタイミング同期部1の7−0〜7−(N−1),等化処理部8−0〜8−(N−1),しきい値生成部9−0〜9−(N−1),等化後相関電力算出部10−0〜10−(N−1),同期語検出部11−0〜11−(N−1)を、それぞれ7a−0〜7a−(N−1),等化処理部8a−0〜8a−(N−1),しきい値生成部9a−0〜9a−(N−1),等化後相関電力算出部10a−0〜10a−(N−1),同期語検出部11a−0〜11a−(N−1)に替えているが、それ以外は実施の形態1のタイミング同期部1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は同一の符号を付して説明を省略する。
相関電力算出部4,ピーク検出部5,メモリ6の動作については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。実施の形態1では、ウエイト算出部7−0〜7−(N−1)は、式(1)に従って除算処理を有するRXX(k)の逆行列を用いて算出していたが、本実施の形態のウエイト算出部7a−0〜7a−(N−1)は、演算の簡単化のため、逆行列演算の除算処理を行わずに、B(k)をRXX(k)の余因子行列とするとき、以下の式(5)に従いウエイトを算出する。等化処理部8a−0〜8a−(N−1)は、このウエイトを用いて等化処理を行う。
Figure 0005068104
また、ウエイト算出部7a−0〜7a−(N−1)は、RXX(k)を算出してしきい値生成部9a−0〜9a−(N−1)にそれぞれ出力する。本実施の形態のしきい値生成部9a−0〜9a−(N−1)では、ウエイト算出部7a−0〜7a−(N−1)が算出したRXX(k)を用いて、逆行列演算の除算処理を行わない場合に対応するしきい値を以下のように生成する。まず、RXX(k)の逆行列は、RXX(k)の余因子行列をB(k)とすると以下の式(6)で表すことができる。
Figure 0005068104
ここで、同期語検出する場合には、逆行列演算処理を行わない等化処理後の同期語長受信サンプルと同期語の相関電力に対して相対的な大きさを有するしきい値により検出すればよい。本実施の形態では、等化処理後の受信信号と同期語との相関電力は以下の式(7)で表せるため、実施の形態1のしきい値に相当する数値に、行列式を2乗した値である[det(RXX(k))]2を乗算し、本実施の形態のしきい値とする。このしきい値を用いることで、RXX(k)の逆行列演算時の行列式による除算処理を不要とすることができる。
Figure 0005068104
ここで、v0(k)は式(5)に基づくウエイトの乗算後の等化処理部8a−0〜8a―(N−1)による等化処理後の受信信号であり、以下の式(8)で表すことができる。
0(k)=W(k)H・X(k) ・・・(8)
等化後相関電力算出処理部10a−0〜10a−(N−1)は、等化処理部8a−0〜8a―(N−1)の結果と同期後を用いて相関電力を算出し、同期語検出部11a−0〜11a−(N−1)に出力する。同期語検出部11a−0〜11a−(N−1)は、等化後相関電力算出処理部10a−0〜10a−(N−1)の出力をしきい値生成部9a−0〜9a―(N−1)が生成したしきい値を比較し、しきい値を上回る場合に、フレーム検出と判断する。以上の説明した以外の本実施の形態の処理は、実施の形態1と同様である。
以上のように、本実施の形態では、ウエイト算出部7a−0〜7a−(N−1)は、RXX(k)の逆行列の除算処理を行わず、しきい値生成部9a−0〜9a−(N−1)が、実施の形態1のしきい値に相当する数値にRXX(k)の行列式の2乗を乗じて本実施の形態のしきい値として算出するようにした。このため、除算演算が不要となり、ウエイト算出部7a−0〜7a−(N−1)を簡易な構成とすることができる。
以上のように、本発明にかかるタイミング同期装置は、無線通信の受信信号中の同期語を用いて、等化器の動作のためのタイミング同期およびフレーム同期を行う受信機に有用であり、特に、マルチパス環境下で受信信号を受信する受信機に適している。
本発明にかかるタイミング同期装置を備える受信機の復調部の実施の形態1の機能構成例を示す図である。 実施の形態1のタイミング同期装置の機能構成例を示す図である。 実施の形態1のフレーム構成を示す図である。 本実施の形態の等化処理部の機能構成例を示す図である。 同期語と受信信号の相関電力と従来のタイミング同期装置のタイミング推定しきい値と同期語検出しきい値を示す図である。 同期語と受信信号の相関電力と実施の形態1の時間窓を示す図である。 実施の形態2のタイミング同期装置の機能構成例を示す図である。
符号の説明
1 タイミング同期部
2,6 メモリ
3 等化器
4 相関電力算出部
5 ピーク検出部
7−0〜7−(N−1),7a−0〜7a−(N−1) ウエイト算出部
8−0〜8−(N−1),8a−0〜8a−(N−1) 等化処理部
9−0〜9−(N−1),9a−0〜9a−(N−1) しきい値生成部
10−0〜10−(N−1),10a−0〜10a−(N−1) 等化後相関電力算出部
11−0〜11−(N−1),11a−0〜11a−(N−1) 同期語検出部
12 判定部
13 ピークタイミング検出部
21,22 タップ
23,24,25 乗算器
26,27 加算器
28 判定部
110 同期語
120 データ
A 相関電力(遅延波なし)
B 相関電力(遅延波あり)
C ピーク位置
D しきい値
E 時間窓

Claims (9)

  1. 等化器の動作タイミングを推定するタイミング同期装置であって、
    同期語と受信信号との相関電力がピークとなるピーク時刻を求め、前記ピーク時刻を中心としかつ受信信号の複数のサンプリング点を含む時間範囲を時間窓として設定し、前記時間窓内の前記サンプリング点の時刻を出力するピーク検出手段と、
    受信信号が記憶され、前記サンプリング点の時刻ごとに、その時刻を起点としかつ同期語と同一の長さを有する受信信号を、同期語長受信サンプルとして出力する記憶手段と、
    前記サンプリング点の時刻ごとに前記同期語長受信サンプルの等化処理のためのウエイトを算出するウエイト算出手段と、
    前記サンプリング点の時刻ごとに前記ウエイトと前記同期語長受信サンプルに基づき前記同期語長受信サンプルの等化処理を行う等化処理手段と、
    前記サンプリング点の時刻ごとに前記等化処理後の同期語長受信サンプルと同期語との相関電力を等化後相関電力として算出する等化後相関電力算出手段と、
    前記等化後相関電力のピーク値を求め、前記ピーク値に対応するサンプリング点の時刻を前記動作タイミングとして前記等化器へ出力するピークタイミング検出手段と、
    を備えることを特徴とするタイミング同期装置。
  2. 前記等化処理手段は、判定帰還型の等化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のタイミング同期装置。
  3. 前記ウエイト算出手段は、前記同期語長受信サンプルの電力値、前記同期語長受信サンプルと同期語との相関値、および同期語の相関値に基づく相関行列を用いてウエイトを算出することを特徴とする請求項2に記載のタイミング同期装置。
  4. 前記等化処理手段のフィードフォワードフィルタのタップ数を1とすることを特徴とする請求項2または3に記載のタイミング同期装置。
  5. kをサンプリング番号とし、RXX(k)を同期語長受信サンプルに基づいて算出される自己相関行列とし、RXr(k)を同期語長受信サンプルと同期語長に基づいて算出される相互相関行列とするとき、サンプリング番号kに対応する前記ウエイトであるW(k)を、W(k)=RXX -1(k)・RXr(k)として算出することを特徴とする請求項3または4に記載のタイミング同期装置。
  6. 前記サンプリング点の時刻ごとに、前記等化後相関電力を所定のしきい値と比較し、前記等化後相関電力が前記しきい値を超える場合には、同期語が検出されたと判断する同期語検出手段と、
    前記サンプリング点の時刻ごとの判断結果のうち1つ以上が、同期語が検出されたという結果であった場合に、フレームが検出されたと判定するフレーム検出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のタイミング同期装置。
  7. 前記サンプリング点の時刻ごとに、前記等化後相関電力を所定のしきい値と比較し、前記等化後相関電力が前記しきい値を超える場合には、同期語が検出されたと判断する同期語検出手段と、
    前記サンプリング点の時刻ごとの判断結果のうち1つ以上が、同期語が検出されたという結果であった場合に、フレームが検出されたと判定するフレーム検出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のタイミング同期装置。
  8. kをサンプリング番号とし、RXX(k)を同期語長受信サンプルに基づいて算出される自己相関行列、B(k)をRXX(k)の余因子行列、RXr(k)を同期語長受信サンプルと同期語長に基づいて算出される相互相関行列とするとき、サンプリング番号kに対応する前記ウエイトであるW(k)を、W(k)=B(k)・RXr(k)として算出し、
    前記しきい値を、RXX(k)の行列式の2乗値に比例する値とすることを特徴とする請求項6に記載のタイミング同期装置。
  9. 請求項1〜のいずれか1つに記載のタイミング同期装置と、
    前記動作タイミングに基づいて動作する等化器を備えることを特徴とする受信機。
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