[実施例1]
《画像形成装置の全体構成》
図1は本実施例における画像形成装置1の概略の縦断正面図であり、画像形成動作状態時を示している。図2は図1の部分的な拡大図である。図3は開閉扉(前面ドア、開閉部材)2が閉じている状態の画像形成装置1の外観斜視図である。図4は開閉扉2が開いていて、第1のカートリッジ11Yが途中まで引き出されている状態を示す画像形成装置1の外観斜視図である。
ここで、本実施例の画像形成装置1に関して、正面側又は手前側とは、開閉扉2を配設した側であり、カートリッジ11の装着方向の上流側である。背面側又は奥側とは、その反対側であり、カートリッジ11の装着方向の下流側である。前後方向とは、背面側から正面側へ向う方向(前方向)と、その反対方向(後方向)である。左右とは、画像形成装置1を正面側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向う方向(左方向)と、その反対の方向(右方向)である。また、画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)3とは、画像形成装置1の構成からカートリッジ11を除いた構成である。
また、カートリッジ11又はその構成部材、あるいは装置本体側の構成部材に関して、長手方向とは、カートリッジ11が有する電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムと記す)12の軸方向或いはその軸方向に平行な方向である。また、短手方向とは、感光体ドラム12の軸方向と直交する方向である。カートリッジ11に関して、その長手方向において、装置本体3側から駆動力が伝達される側を駆動側と称し、その反対側を非駆動側と称する。
本実施例の画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザビームプリンタ(カラー電子写真画像形成装置)である。即ち、パソコン・イメージリーダ等の外部ホスト装置Bから制御回路部(制御手段:CPU)Aに入力する電気的画像信号に基づいて、シート状の記録媒体Pに画像形成を行う。制御回路部Aは、外部ホスト装置Bや操作部30との間で各種の電気的情報の授受を行う。また、回路部Aは、画像形成装置1の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
この画像形成装置1は、第1から第4の4個のカートリッジ11(11Y・11M・11C・11K)を装置本体3に対して取り外し可能に装着して使用するプロセスカートリッジ着脱方式である。尚、装置本体3に対するカートリッジ11の着脱は、操作者によって行う。操作者が、画像形成装置1の開閉扉2と内扉2Aを図4に示すように開いて、装置1の正面側を開放する。これによって、各カートリッジ11は、それぞれ独立に装置本体3に着脱可能である。
装置本体3内の中央部には、各カートリッジ11を装着する(収納する)カートリッジ装着部(カートリッジ収納部)3Aが設けられている。各カートリッジ11は、装着部3Aに、長手方向を前後方向にして、左側から右側にかけて、右下がりの上下斜め方向に配列される。
そして、各カートリッジ11は、後述するように画像形成可能な位置に位置決めされて装着されている。最も左側の第1のカートリッジ11Yが最も高く、第2のカートリッジ11Mがそれよりも低い。そして、第3のカートリッジ11Cが更に低く、最も右側の第4のカートリッジ11Kが最も低い、右下がりの上下斜め方向に配列されている。
各カートリッジ11が装着部3Aにおいて画像形成可能な位置に装着されているときの、各カートリッジ11の有する感光体ドラム12の各回転中心Oを通るように仮想した仮想平面をC(図2)とする。そして、仮想平面Cの水平面Dに対する傾斜角をθとする。本実施例においては、その傾斜角θを略20°に設定している。このように、複数のカートリッジ11を上下斜め方向に配列することによって装置本体3の水平方向の幅を抑えることができる。即ち、装置本体3を設置するのに要する面積を小さくする事ができる。
各カートリッジ11は互いに同様の電子写真プロセス機構を有している。本実施例の各カートリッジ11は、感光体ドラム12と、感光体ドラム12に作用するプロセス手段としての帯電ローラ(帯電手段)13・現像ユニット(現像手段)14・クリーニングユニット(クリーニング手段)15を有している。
第1のカートリッジ11Yは現像ユニット14のトナー収容部内にイエロー(Y)色の現像剤(以下、トナーと記す)が収容されている。カートリッジ11Yは、イエロー色のトナーでもって静電潜像を現像する。
第2のカートリッジ11Mは現像ユニット14のトナー収容部内にマゼンタ(M)色のトナーが収容されている。カートリッジ11Mは、マゼンタ色のトナーでもって静電潜像を現像する。
第3のカートリッジ11Cは現像ユニット14のトナー収容部内にシアン(C)色のトナーが収容されている。カートリッジ11Cは、シアン色のトナーでもって静電潜像を現像する。
第4のカートリッジ11Kは現像ユニット14のトナー収容部内にブラック(K)色のトナーが収容されている。カートリッジ11Kは、ブラック色のトナーでもって静電潜像を現像する。
装着部3Aにおいて画像形成可能な位置に装着されている各カートリッジ11には、装置本体3側から回転駆動力が伝達される。これによって、感光体ドラム12が矢印の時計方向に所定の速度で回転する。また、現像ローラ71が所定の速度で矢印方向へ回転する(図6)。また、各カートリッジ11には、装置本体3から所定のバイアス(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される。
尚、各カートリッジ11は、収納しているトナーの色が異なるのみで、他の構成は同じである。
装置本体3内において、装着部3Aの下側には、感光体ドラム12を画像情報に応じてレーザ光を照射する、露光手段としてのレーザスキャナユニット16が設けられている。
また、装置本体3内において、装着部3Aの上側には、中間転写ベルトユニット4(ベルト状の転写手段、転写搬送手段)が設けられている。ユニット4は、右側に配設した2次転写内側ローラ5と、左側に配設した従動ローラ6と、従動ローラ6寄りに配設したテンションローラ7と、この3本のローラ間に掛け回した中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)4aと、を有する。
ベルト4aはフレキシブルなエンドレスベルトである。上記3本のローラ5・6・7は回転軸線方向を前後方向にして並行に配設されている。テンションローラ7は上方へ付勢されており、ベルト4aに張力を与えている。ローラ6とローラ5との間における下行側のベルト部分は前記仮想平面Cの傾斜角θと略同じ角度にて水平方向に対して右下がりの上下斜めになるように配置されている。
装着部3Aにおいて、画像形成可能な位置に装着されている各カートリッジ11の感光体ドラム12は、その上面部分がローラ6とローラ5との間における下行側のベルト部分の下面に接触している。この接触部が、1次転写部位T1である。ローラ6とローラ5との間における下行側のベルト部分の内側には、感光体ドラム12に対してベルト4aを挟んで対向する第1から第4の1次転写ローラ(1次転写手段)9が回転軸線方向を前後方向にして並行に配設されている。
ベルト4aは、下行側のベルト部分が感光体ドラム12の上面部分に接触した状態でローラ5を駆動ローラとして矢印の反時計方向にドラム12の回転速度に対応した速度にて循環移動する。各ローラ9には所定の制御タイミングで所定の1次転写バイアスが印加される。
ローラ5のベルト屈曲部の外側には、2次転写外側ローラ22が配設されている。ベルト4aとローラ22との接触部が2次転写部位T2である。ローラ22には所定の制御タイミングで所定の2次転写バイアスが印加される。ローラ6のベルト屈曲部の外側には、ベルトクリーニングユニット10が配設されている。ユニット10によって、ベルト4aが清掃される。
装置本体3の下部には、記録媒体Pを収容したカセット17が装着されている。そして、装置本体3内の右側において、カセット17から装置本体上方にかけて記録媒体搬送手段が設けられている。前記搬送手段は、前記搬送手段による搬送方向において上流側から下流側にかけて、カセット17の上部に配置されたピックアップローラ18と分離パッド19、搬送路20を有する。及び、レジストローラ対21、2次転写部位T2、搬送ガイド23、定着ユニット24、排出ユニット31を有する。
装置本体3の上面は排出トレイ29となっている。ユニット31は第1排出ローラ対25、搬送路26、第2排出ローラ対27、排出口28を有する。カセット17は装置本体3に対してフロントアクセスにより出し入れされる。17aはカセット17に配設した把手部である。
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。制御回路部Aはプリント開始信号に基づいて画像形成装置の画像形成動作を開始させる。即ち、画像形成タイミングに合わせて第1から第4の各カートリッジ11(11Y・11M・11C・11K)のドラム12、及び、現像ローラ71が矢印の方向(図6)に所定の速度で回転する。ベルト4aも矢印の反時計方向(図2:ドラム12の回転に順方向)にドラム12の速度に対応した速度で回転する。レーザスキャナユニット16も駆動する。
この駆動に同期して、各カートリッジ11において、所定の帯電バイアスが印加された帯電ローラ13によりドラム12の表面が所定の極性・電位に均一に帯電される。スキャナユニット16は各ドラム12の表面をY・M・C・Kの各色の画像情報信号に応じて変調されたレーザ光L(LY・LM・LC・LK)で露光する。スキャナユニット16から出力されたレーザ光Lは、対応するカートリッジ11内に下側のレーザ光入射開口部から進入する。そして、ドラム12の下面を画像情報に応じて照射する。
これにより、各ドラム12の表面に対応色の画像情報信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像ユニット14に設けられた現像ローラ71によりトナー像として現像される。
前記電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジ11Yの有するドラム12には、フルカラー画像のイエロー成分に対応するY色トナー像が形成される。そのトナー像が、カートリッジ11Yの1次転写部位T1において、ベルト4a上に1次転写される。
同様に、第2のカートリッジ11Mの有するドラム12には、フルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色トナー像が形成される。そのトナー像が、該カートリッジ11Mの1次転写部位T1において、ベルト4a上にすでに転写されているY色のトナー像に重畳されて1次転写される。
同様に、第3のカートリッジ11Cの有するドラム12には、フルカラー画像のシアン成分に対応するC色トナー像が形成される。そのトナー像が、カートリッジ11Cの1次転写部位T1において、ベルト4a上にすでに転写されているY色+M色のトナー像に重畳されて1次転写される。
同様に、第4のカートリッジ11Kの有するドラム12には、フルカラー画像のブラック成分に対応するK色トナー像が形成される。そのトナー像が、カートリッジ11Kの1次転写部位T1において、ベルト4a上にすでに転写されているY色+M色+C色のトナー像に重畳されて1次転写される。
第1から第4の各1次転写ローラ9には、所定の制御タイミングにて、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の1次転写バイアスが印加される。
このようにして、移動するベルト4a上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が合成形成される。この未定着トナー像はベルト4aの引き続く回転により搬送されて2次転写部位T2に至る。
各カートリッジ11において、ベルト4aに対するトナー像の1次転写後のドラム12の表面は、転写残トナーがクリーニングユニット15の有するクリーニング部材70により除去されてクリーニングされる。そして、ドラム12は、次の画像形成工程に備える。
一方、カセット17内の記録媒体Pは、ピックアップローラ18と分離パッド19によって1枚ずつ分離されて搬送路20へ搬送される。記録媒体Pは、レジストローラ対21によって所定の制御タイミングで2次転写部位T2へ搬送される。ローラ22には、所定の制御タイミングにて、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の2次転写バイアスが印加される。これにより、記録媒体Pが2次転写部位T2を挟持搬送されていく過程で、ベルト4a上の4色重畳のトナー像が記録媒体Pの面に順次に一括して2次転写される。
転写部位T2を出た記録媒体Pはベルト4aから分離される。そして、記録媒体Pは、搬送ガイド23に案内されて、定着ユニット24へ搬送される。そして、定着ユニット24のヒートローラ24aと加圧ローラ24bによって、加熱・加圧されてトナー像が記録媒体P上に定着される。定着ユニット24を出た記録媒体Pは、排出ユニット31の有する第1排出ローラ対25、搬送路26、第2排出ローラ対27の経路を通って、排紙口28から、装置上面に設けられたトレイ29に排出される。
記録媒体Pに対するトナー像の2次転写後のベルト4aの表面は、転写残トナーがベルトクリーニングユニット10により除去されてクリーニングされる。そして、次の画像形成工程に備える。
《プロセスカートリッジ》
本実施例におけるカートリッジ11について図5及び図6を用いて説明する。第1から第4の各カートリッジ11(11Y・11M・11C・11K)は、それぞれ、現像ユニット14のトナー収納部内に収納したトナーの色がY・M・C・Kと異なるだけで、いずれも同一構成である。
図5の(a)はカートリッジ11を装着方向手前側(非駆動側)から見た外観斜視図、(b)はカートリッジ11を装着方向奥側(駆動側)から見た外観斜視図である。図6は装置本体3の画像形成可能な位置に装着されているカートリッジ11及びその周囲の部分的な拡大断面図である。
図5に示すように、カートリッジ11は、ドラム12の回転軸線方向O−Oを長手とする構成である。クリーニング枠体31のカートリッジ装着方向から見て奥側の端部には、カートリッジ側ドラムカップリング(ドラム回転力受け部)34と、カートリッジ側現像ローラカップリング35が設けられている。カップリング34は、装置本体3に設けられた本体側ドラムカップリング3b(図7(a)(b)(c)、図8、図9、図11参照)からドラム12を回転するための回転力を受けるドラム回転力受け部である。
カップリング35は、装置本体3に設けられた本体側現像ローラカップリング(現像ローラ回転力付与部)3c(図8、図9、図11参照)から現像ローラ71(図6)を回転するための回転力を受ける現像ローラ回転力受け部である。尚、出力部3bは、開閉扉2の開閉に連動して、ドラム12の長手方向に進退する(図7(a)(b)(c)に示す矢示T方向)。また、出力部3cは、ドラム12の長手方向と交差する方向に移動可能である。したがって、カップリング34と出力部3bは、開閉扉2を閉じることによって嵌合する。
そして、両者は、開閉扉2を開放することによって離脱する。また、カップリング35と出力部3cは、カートリッジ11の上昇とともに嵌合する(出力部3cがドラム12の長手方向と交差する方向に移動可能なため)。そして、両者は、カートリッジ11の下降とともに離脱する。
図6に示すように、カートリッジ11は、ドラム12・帯電ローラ13・クリーニング部材70を備えたクリーニングユニット(ドラムユニット)15と、現像ローラ71を有する現像ユニット14を有する。ユニット14とユニット15は、揺動可能に結合されている。
ユニット15の有するクリーニング枠体31には、ドラム12が手前側と奥側の軸受け部材32F・32Rを介して回転自在に取り付けられている。ドラム12の周面には前述した通り、帯電ローラ13、クリーニング部材70が配置されている。ドラム12には、前記ドラム駆動出力部3bからカップリング34に回転力が伝達される。これにより、ドラム12は、画像形成動作に応じて回転する。クリーニング部材70によってドラム12の表面から除去された残留トナーは、除去トナー室31aに落下する。軸受け36はクリーニング枠体31に対して、矢印E方向に移動可能に取り付けられている。
帯電ローラ13は軸13aが軸受け36に回転可能に取り付けられている。軸受け36は帯電ローラ加圧部材37により、ドラム12に向かって加圧されている。これにより、帯電ローラ13は、ドラム12に対して所定の押圧力で接触が保たれている。そして、帯電ローラ13は、ドラム12の回転に従動して回転する。
現像装置となる現像ユニット14は、ドラム12と接触し且つ矢印F方向に回転する現像ローラ71及び現像枠体38を有する。現像ローラ71は、現像枠体38の手前側と奥側にそれぞれ取り付けられた軸受け部材(不図示)を介して、回転自在に現像枠体38に支持されている。また、現像ローラ71の周りには、現像ローラ71に接触して矢印G方向に回転するトナー供給ローラ72と、現像ローラ70上のトナー層を規制するための現像ブレード73が配置されている。
現像枠体38の有するトナー収容部(現像容器)38aには、収容されたトナーを撹拌すると共にトナー供給ローラ72へトナーを搬送するためのトナー撹拌部材74が設けられている。現像ローラ71、トナー供給ローラ72、トナー撹拌部材74には、前記現像ローラ駆動出力部3cからカップリング35に回転力が伝達される。これにより、現像ローラ71、トナー供給ローラ72、トナー撹拌部材74は、画像形成動作に応じて回転する。
現像ユニット14は、現像枠体38の手前側と奥側の腕板33F・33Rに設けられた穴33Fa・33Raに嵌合する軸75F・75Rを中心にして、クリーニングユニット15に対して回動自在に結合されている。そして、カートリッジ11の画像形成時においては、現像ユニット14は、クリーニングユニット15との間に設けられた加圧バネ76の突っ張り力により軸75F・75Rを中心に現像ローラ71がドラム12に当接する方向に回動付勢される。これにより、現像ローラ71がドラム12に所定の押圧力で接触した状態に保持される。
クリーニング枠体31の下部31hには、下部31hの長手方向に沿って被支持部31cと上規制リブ31fが設けられている。また、下部31hの短手方向のほぼ中央部には下部31hの長手方向に沿ってスリット開口(レーザ光入射開口部)31dと被ガイド部(以下、ガイドリブと記す)31eが設けられている。開口31dはユニット15とユニット14との間の隙間である。
《プロセスカートリッジ交換方式》
装置本体3に装着されている各カートリッジ11は、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像ユニット14に収容されているトナーが消費される。そこで、例えば、個々のカートリッジのトナー残量を検知する検知手段(不図示)をカートリッジに設ける。そして、制御回路部Aにおいて、前記検知手段で検知した残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、前記残量値が前記閾値よりも少ない残量値までトナーが減少したカートリッジについては、操作部30の表示部(不図示)に、そのカートリッジについての寿命予告或いは寿命警告を表示させる。
これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、或いはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持している。
本実施例の画像形成装置1において、各カートリッジ11の交換は、操作者が、装置本体3の開閉扉(開閉部材)2と内扉(内側開閉部材)2Aを図4に示すように開いて行う。所謂フロントアクセス方式である。2aは開閉扉2に配設した把手部である。開閉扉2と内扉2Aは連結部材2B・2Cで連結されている。そして、内扉2Aは開閉扉2の開閉に連動して開閉動作する。
開閉扉2は、カートリッジ11を装置本体3に着脱する際に、カートリッジ11が通過する開口部3Bを開閉するものである。即ち、開閉扉2は、開口部3Bを開放可能に閉じるものである。
装着部3A(画像形成装置本体の内側)には、第1から第4のカートリッジ11(11Y・11M・11C・11K)をそれぞれ支持する第1から第4の複数のカートリッジ支持部材41(41Y・41M・41C・41K)が設けられている。各支持部材41に支持されたカートリッジ11が占める空間が支持部41Pである。内扉2Aは、支持部材41に設けられている。そして、内扉2Aは、開閉扉2の開閉動作と連動して、支持部41Pを開閉する。即ち、内扉2Aは、支持部41Pの開口41P1(図4)を開放可能に閉じるものである。
装置本体3の骨格となる手前側フレーム61には、開口部61aが設けられている。開口部61aは、装置本体3内へカートリッジ11を挿入させる、及び、装置本体3内からカートリッジ11を取り出すために、カートリッジ11を通過させるものである。即ち、装置本体3に対してカートリッジ11の着脱を行うための開口部61aが設けられている。各カートリッジ11の装置本体3に対する着脱方向はドラム3の軸線方向である。
開閉扉2と内扉2Aは開口部61aを覆って閉じる閉鎖位置と、開口部61aを開放する開放位置との間を移動可能に装置本体3に設けられている。本実施例においては、開閉扉2は、その下側に設けた水平方向の扉回転軸(第1の回転軸)2Dを中心にして装置本体3に対して開状態と閉状態とをとり得る。軸2Dは装置本体3の手前側フレーム61に設けられた軸受け部材に回転可能に支持されている。
本実施例においては、操作者の扉操作性を考慮して、軸2Dは、その軸線方向H−Hを左右方向で、かつ水平にして設けられている。開閉扉2は、装置本体3に対して閉じた略垂直の姿勢から、軸2Dを中心にして、装置本体3の手前側に略90°回動させて略水平に開いた姿勢にすることができる。
内扉2Aは、その下側に設けた内扉回転軸(第2の回転軸)2E(図11)を中心にして装置本体3に対して開状態と閉状態とをとり得る。軸2Eは装置本体3の手前側フレーム61に設けられた軸受け部材に回転可能に支持されている。軸2Eは、前記仮想平面Cの傾斜角θと略同じ角度にて水平方向に対して右下がりの斜めに設けられている。
従って、開閉扉2の回転中心である扉回転軸2Dと内扉2Aの回転中心である回転軸2Eは平行ではなく、異なる角度をもっている。即ち、軸2Eは、カートリッジ11の着脱方向と直交し、且つ軸2Dと異なる角度を有する。開閉扉2と内扉2Aの連結部材2B・2Cは、軸2Dと軸2Eが異なる角度で配置されているにも拘わらず、開閉扉2の開閉動作に連動させて内扉2Aを開閉動作させることが可能である。
各支持部材41は、長手方向を前後方向にして、前記仮想平面Cの傾斜角θと略同じ角度にて水平方向に対して右下がりの斜めになるように配列されている。即ち、最も左側の第1の支持部材41Yが最も高く、第2の支持部材41Mがそれよりも低く、第3の支持部材41Cが更に低く、最も右側の第4の支持部材41Kが最も低い、右下がりの斜め方向に配列されている。
各支持部材41は、開閉扉2の開閉動作に連動する内扉2Aの開閉動作に連動する後述する昇降機構50により、第1の位置と第2の位置とに移動可能である。即ち、各支持部材41は、カートリッジ11を装置本体3に対して画像形成可能な装着位置に位置付けた第1の位置と、装置本体3に対して着脱可能な着脱位置に位置付けた第2の位置とに移動可能である。
第1の位置は、開閉扉2・内扉2Aが閉状態に位置する際にドラム12をベルト4aに接触させる位置でもある。さらに、第2の位置は、開閉扉2・内扉2Aが開状態に位置する際にドラム12をベルト4aから離間させた位置である。
このように、各支持部材41は、開閉扉2・内扉2Aが閉状態に位置する際にドラム12をベルト4aに接触させる第1の位置と、開閉扉2・内扉2Aが開状態に位置する際にベルト4aからドラム12を離間させる第2の位置と、をとり得る。即ち、第1の位置は、カートリッジ11を装着部3Aに装着させた位置である。尚、装着部3Aに装着されたカートリッジ11は、ドラム12がベルト4aと接触した状態である。また、第2の位置は、個々のカートリッジを支持部材41に支持させる(装着させる)、又は、個々のカートリッジを支持部材41から取り出すことが可能な位置である。
各支持部材41の移動方向は、各カートリッジ11の前記の配列方向に垂直な方向(直交する方向)である。そして、各支持部材41は、各カートリッジ11をこの方向に昇降移動させる。
以下、支持部材41と昇降機構50の構成について詳述する。図7の(a)〜(c)は、カートリッジ11を装置本体3へ装着する動作を説明する図であり、装置本体3の左側からカートリッジ11を見た図である。
図7の(a)はカートリッジ11の装置本体3への装着前の状態図である。開閉扉2・内扉2Aが開かれていて、開口部61aが開放されている。支持部材41は、カートリッジ11を装置本体3に対して着脱可能な着脱位置に位置付けた第2の位置に移動されている。カートリッジ11は、装置本体3に対して、開口部61aから矢印J方向に向かって装着される。その際に、カートリッジ11は、クリーニング枠体31に設けられた被支持部31cが、装置本体3に設けられた支持部材41から突出して設けられた補助レール48及び付勢部材43・44に支持された状態で矢印J方向に装着される。
図7の(b)は、カートリッジ11が装着方向の奥側まで装着された状態を示す状態図である。カートリッジ11が矢印J方向に装着されると、クリーニング枠体31の奥側に設けられた、即ち、カートリッジ11を装置本体に装着する装着方向先端に設けられた被規制部31jが、装置本体3に設けられた規制部62(奥側フレーム)の内面に接触する。
これによって、カートリッジ11は、装着方向奥側まで装着された状態になる。これにより、装置本体3に対するカートリッジ11の長手方向の位置が決まる。しかし、この状態において、カートリッジ11は、装置本体3に対して十分には位置が決まっていない。また、ドラム12もベルト4aに接触してはいない。尚、被規制部31jは、枠体31の装着方向下流側に一体に設けられている。
図7の(c)は、(b)に示す状態から開閉扉2・内扉2Aが閉じられた状態を示す状態図である。即ち、扉2・2Aの閉じ動作に連動して、支持部材41がカートリッジ11を装置本体3に対して画像形成可能な装着位置(第1の位置)に移動させた状態を示す状態図である。従って、図7の(c)は、装置本体3に対してカートリッジ11の装着が完了した状態図である。
カートリッジ11が(b)に示すように装置本体3の奥側まで装着された後に、開閉扉2・内扉2Aを閉めると、支持部材41の昇降機構50によってが上昇する。また、補助レール48が支持部材41内に退避する。その後、支持部材41に設けられた付勢部材43・44が、被支持部31cを矢印K方向に押圧する。この押圧により、カートリッジ11の被位置決め部としての手前側と奥側のドラム軸受け部材32F・32Rが、それぞれ、装置本体3の手前側と奥側のフレーム61と62に設けた規制部としての突き当て部61bと62aに接触する。
即ち、軸受け部材32Fがフレーム61に接触し、また、軸受け部材32Rがフレーム62に接触する。これにより、カートリッジ11は装置本体3に対して位置が決まる。また、この状態において、ドラム12がその長手方向にわたってベルト4aと接触する。
このように、本実施形態によれば、扉2・2Aの閉じ動作に連動して、支持部材41が上昇する。そして、支持部材41に支持されている各カートリッジ11の全体が上昇する。これによって、ドラム12がその長手方向にわたってベルト4aと接触する。
従って、本実施形態よれば、カートリッジ11を個々に支持部材41に支持させることができる。即ち、カートリッジ11は、個々に支持部材41に支持させる、また、支持部材41から取り出すことができる。そして、扉2・2Aの閉じ動作に連動して、支持部材41に支持している全てのカートリッジ11を、略同時に装着部3Aに装着する事ができる。即ち、全てのカートリッジ11の有するドラム12を、その長手方向にわたってベルト4aと接触させることができる。
このように、本実施形態によれば、扉2・2Aの閉じ動作に連動して、全てのカートリッジ11を装着部3Aに装着する事ができる。従って、本実施形態によれば、カートリッジ11の装置本体3に対する装着操作性を向上させることができた。また、カートリッジ11を装着部3Aに装着する際に、カートリッジ11の全体を上昇させる事により、より安定した状態で、ドラム12をその長手方向にわたってベルト4aと接触させることができた。本実施形態によれば、ドラム12がベルト4aと接触した状態が装着状態である。
図8は、支持部材41の昇降機構50の斜視図である。即ち、支持部材41が第2の位置に移動されていて、カートリッジ11が装置本体3に対して着脱可能な状態において、カートリッジ11を取り除いた状態を示した斜視図である。図9は、支持部材41の昇降動作を説明する側面図である。
図9において、カートリッジが装着された状態である第2の位置における支持部材41K・移動部材101K,102K・内扉2Aは、実線で示している。また、カートリッジ11が装置本体3に十分に位置決めされた第1の位置における支持部材41K・移動部材101K,102K・内扉2Aは、二点鎖線で示している。図10は、第1の位置における支持部材41の昇降機構50K、及びカートリッジ11の長手方向における部分断面図である。
まず、支持部材41の構成について説明する。尚、各カートリッジ11(11Y,11M,11C,11K)を支持する各支持部材41(41Y,41M,41C,41K)は同一構成である。そして、各支持部材41は一体に構成されている。即ち、各支持部材41は一体に昇降する。
支持部材41Kは、図6に示すように、カートリッジ11の下部31hの形状に略対応した形状・大きさを有する部材である。そして、支持部材41Kの短手方向のほぼ中央部には、長手方向に沿ってレーザ開口(スリット開口)41hが設けられている。
レーザ開口41hは、支持部材41K上にカートリッジ11が所定の位置に載置された状態において、カートリッジ11Kの下部31hの開口31dに対応して位置する。そして、支持部材41Kの下側に配置されているスキャナユニット16(図1)から上方向に向かって出射されるレーザ光Lが、レーザ開口41h・開口31dを通ってカートリッジ11K内に下から上に入射する。これによって、レーザ光Lが、ドラム12を照射する。
支持部材41Kには、レーザ開口41hと平行にガイド溝41bと溝部41fが設けられている。即ち、ガイド溝41bと溝部41fが、カートリッジ11の装着方向Jに沿って設けられている。ガイド溝41bは、各支持部材41の上面41aに設けられた凹部である。また、溝部41fは、各支持部材41の上面41aから上方へ突出した突出部41nの内側に設けられた凹部である。
カートリッジ11を支持部材41に装着する際に、カートリッジ枠体31(ドラムユニット15)の下部31hに設けられたガイドリブ31eがガイド溝41bに係合する。そして、ガイドリブ31eが、ガイド溝41bにガイドされた状態で、カートリッジ11は装置本体3内へ進入する。本実施例においては、ガイド溝41bは、凸形状のガイドリブ31eに合わせた凹形状となっている。
ガイドリブ31eは、カートリッジ枠体31から下方へ突出している。また、カートリッジ11を支持部材41に装着する際に、カートリッジ枠体31(ドラムユニット15)の下部31hに側方へ突出して設けられた上規制リブ31fが溝部41fと係合する。そして、リブ31fが、溝部41fにガイドされた状態で、カートリッジ11は装置本体3内へ進入する。
支持部材41Kの手前側と奥側(挿入方向Jの上流側と下流側)には、上面41aから上方へ突出するように付勢部材43K,44Kが設けられている。付勢部材43K,44Kは、図10に示すように、支持部材41Kの上面41aに設けた縦穴41g内に、コイルバネ46と押圧部材47を嵌入したものである。押圧部材47はバネ46の弾性力によって、支持部材41Kの上面41aから突出させてある。コイルバネ46は本体側弾性部材である。
支持部材41Kに設けた凹部41jには、補助レール48Kが設けられている。補助レール48Kは、図7の(b)に示すように、凹部41jから下方へ貫通した貫通穴41n1,41n2に被支持部48a,48bがそれぞれ嵌め込まれている。尚、被支持部48a,48bは補助レール48Kの下面に下方へ突出して設けられている。そして、補助レール48Kは、支持部材41K内を上下方向にスライド可能に支持されている。支持部材41Kが第2の位置に位置する状態では、補助レール48Kの自重で被支持部48a,48bの被支持面48a1,48b1が手前側フレーム61と奥側フレーム62をつなぐ底フレーム63と接触している。
これによって、補助レール48Kは下方向への移動を規制されている。これによって、補助レール48Kの上面は、支持部材41Kの上面41aから付勢部材43K,44Kの各押圧部材47と略同じ高さまで突出している。従って、支持部材41Kが第2の位置に位置する状態で、支持部材41Kに対してカートリッジを着脱する際には、補助レール48Kと付勢部材43K,44Kがクリーニング枠体31の被支持部31cを支持する。
一方、図7(c)に示すように、支持部材41Kが第1の位置に位置する状態では、支持部材41Kが上昇した状態である。そのため、被支持面48a1,48b1と底フレーム63との接触は解除され、補助レール48Kは支持部材41Kの凹部41jで支持された状態で凹部41j内に格納される。従って、支持部材41Kが第1の位置に位置する状態では、各押圧部材47がクリーニング枠体31の被支持部31cと接触する。そして各押圧部材47が軸受け部材32F,32Rをそれぞれ装置本体3の突き当て部61b,62aに押圧する。これによって、ベルト4aにドラム12を接触させる。
従って、本実施形態によれば、ベルト4aにドラム12を安定した状態で接触させることができる。
尚、本実施形態によれば、ドラム12がベルト4aに接触した状態が、カートリッジ11が装置本体3に装着された状態である。
また、本実施形態によれば、カートリッジ11が、被位置決め部32Fa・32Fb,32Ra、32Rbを有する(図5(a)(b)参照)。被位置決め部32Fa・32Fbはドラム12の長手方向の一端側に設けられ、被位置決め部32Ra・32Rbはドラム12の他端側に設けられている。かつ、カートリッジ11が装着部3Aに装着された状態で、カートリッジ11の上面に設けられている。
また、被位置決め部32Fa・32Fbは、軸受け部材32Fに並んで設けられている。また、被位置決め部32Ra・32Rbは、軸受け部材32Rに並んで設けられている。したがって、被位置決め部32Fa・32Fb,32Ra・32Rbは、ドラム12を装置本体3に精度よく位置決めできる。
また、本体側位置決め部61b1・61b2,62a1・62a2が設けられている(図8、図11参照)。位置決め部61b1・61b2はフレーム61に設けられ、位置決め部62a1・62a2はフレーム62に設けられている。
また、カートリッジ11は被付勢部11d(図7(b)(c)、図10参照)を有する。被付勢部11dは、カートリッジ11が装置本体3に装着された状態で、被位置決め部32Fa・32Fbを本体側位置決め部62a1・62a2に押圧させるようにバネ46(本体側弾性付勢部材)から力を受ける。及び、位置決め部部32Ra・32Rbを本体側位置決め部61b1・61b2に押圧させるようにバネ46(本体側弾性部材)から力を受ける。被付勢部11dは、前記長手方向の一端側と他端側とに設けられ、かつ、カートリッジ11が装置本体3に装着された状態で、カートリッジ11の下面に設けられている。
また、本実施の形態によれば、互いに異なった色の現像剤を収納している複数個のカートリッジ11全体を支持部材41によって上昇させる事ができる。そして、各カートリッジ11が有するドラム12をベルト4aに接触させることができる。したがって、ベルト4aは、各ドラム12からトナー像を転写される。
次に、支持部材41Kの昇降機構50Kの構成について説明する。昇降機構50Kは、図8に示すように、支持部材41K、移動部材101K・102K、リンク軸120、支持軸132、リンクレバー121で構成されている。
リンク軸(第3の回転軸)120は、前記仮想平面Cの傾斜角θと略同じ角度にて水平方向に対して右下がりで斜めになるように設けられている。リンク軸120は、装置本体3の手前側フレーム61に設けられた軸受け部材に回転可能に支持されており、内扉回転軸2Eと略平行であり、内扉回転軸2Eよりも上に位置している(図11)。
移動部材101Kは、移動部材101Kに設けられた第1穴101Kaに嵌合するリンク軸120を中心にしてフレーム61に回動自在に支持されている。移動部材101Kはリンク軸120に固着されていてリンク軸120と一緒に回動する。一方、移動部材101Kに設けられた第2穴101Kbが、支持部材41Kの手前側の軸41Kj1を回動自在に支持する。
また、移動部材102Kは、移動部材102Kに設けられた第1穴102Kaに嵌合する支持軸132を中心にして奥側フレーム62に回動自在に支持されている。一方、移動部材102Kに設けられた第2穴102Kbが、支持部材41Kの奥側の軸41Kj2を回動自在に支持している。ここで、第2穴101Kbは、支持部材41Kの軸41Kj1を支持する
リンク軸120は、装置本体3の手前側に設けられており、且つ、第1から第4の支持部材411(41Y・41M・41C・41K)に渡って伸びている。そして、各色のカートリッジ11(11Y・11M・11C・11K)の装着部3Aにおいて、リンク軸120は、各支持部材41の手前側を支持する移動部材101と連結している。さらに、リンク軸120の一端(画像形成装置1の右側)には、リンクレバー121が一体に設けられている。リンクレバー121を回転させると、リンク軸120を介して各移動部材101・102が互いに同期して回転する。
また、図9に示すように、移動部材101Kの回動支点となる第1穴101Kaから支持部材41Kの軸41Kj1を支持する第2穴101Kbまでの距離をL1とする。同様に、移動部材102Kの回動支点となる第1穴102Kaから支持部材41Kの軸41Kj2を支持する第2穴102Kbまでの距離をL2とし、L1=L2とする。さらに、実線で示すように支持部材41Kがカートリッジを着脱可能な第2の位置にある状態おいて、移動部材101Kの第1穴101Kaと第2穴101Kbを結ぶ直線と水平線がなす角をθ1とする。
同様に移動部材102Kの第1穴102Kaと第2穴102Kbを結ぶ直線と水平線がなす角をθ2としたとき、θ1=θ2とする。さらに、第2の位置において支持部材41Kの上面41aは手前側と奥側で高さが同じとなる水平な状態に設定してある(平行四辺形リンク機構)。
そして、リンク軸120に取り付けられたリンクレバー121が矢印Ma方向に回動する。これによって、移動部材101Kは、第1穴101Ka、及びリンク軸120を中心として矢印Ma方向に回転する。また、これによって、移動部材102Kが第1穴102Ka、及び支持軸132を中心として矢印Na方向にそれぞれ弧を描いて回転する。即ち、支持部材41Kが第2の位置から第1の位置へ移動する際に、支持部材41Kは、水平状態を保ったまま、装置本体3の手前側から奥側に移動する。且つ、支持部材41Kは、水平状態を保ったまま、上昇する。
支持部材41Kが水平方向に移動する際に、支持部材41は、カートリッジ11の挿入方向(装着方向J)の上流側から下流側に移動する。反対に、リンクレバー121が矢印Mb方向に回動すると、移動部材101Kは第1穴101Ka、及びリンク軸120を中心として矢印Mb方向に回転する。また、これによって、移動部材102Kが第1穴102Ka、及び支持軸132を中心として矢印Nb方向にそれぞれ弧を描いて回転する。
即ち、支持部材41Kが第1の位置から第2の位置へ移動する際に、支持部材41Kは、水平状態を保ったまま、装置本体3の奥側から手前側に移動する。且つ、支持部材41Kは、水平状態を保ったまま、下降する。支持部材41Kが水平方向に移動する際に、支持部材41は、カートリッジ11の挿入方向(装着方向J)の下流側から上流側に移動する。
本実施例においては、第1穴101Kaと第2穴101Kbの中心を結ぶ直線を、鉛直方向よりもさらにα°傾いた状態まで移動部材101Kを回動した状態を第1の位置とする。このような構成とすることで、支持部材41が第1の位置に位置する状態では、カートリッジ11、及び、支持部材41Kの自重がリンク軸120を矢印Ma方向へ回転させる力として作用する。
従って、装置本体が何らかの要因で仮に振動したとしても、支持部材41Kが第2の位置へ移動することを防止できる。従って、支持部材41Kを第1の位置に位置する状態が安定する。即ち、支持部材41Kを前記第1の位置に安定して維持することができる。
尚、前述説明では、カートリッジ11Kを例に挙げて説明したが、他のカートリッジ11C、11M、11Yについても同様である。
本実施例においては、図11に示すように、内扉2Aとリンクレバー121は、溝部2Fと連結軸121aとが嵌合することで連結されている。尚、溝部2Fは内扉2Aに設けられている。また、連結軸121aはリンクレバー121に設けられている。これにより、リンクレバー121の回動が、内扉2Aの開閉動作に連動する。つまり、開閉扉2が開く動作によって、リンクレバー121が矢印Mb方向へ回動する。そして、支持部材41Kが第1の位置から第2の位置へ移動する。なぜならば、内扉2Aは開閉扉2の開き動作に連動し、リンクレバー121は、内扉2Aの開動作に連動するからである。
また、開閉扉2が閉じる動作によって、リンクレバー121が矢印Ma方向へ回動する。そして、支持部材41Kが第2の位置から第1の位置へ移動する。なぜならば、内扉2Aは開閉扉2の閉じ動作に連動し、リンクレバー121は、内扉2Aの閉じ動作に連動するからである。
本実施例において、支持部材41を水平方向に移動させ、かつ、上下移動させる移動部材101・102を移動させる操作部材を、開閉扉2としている。そして、操作部材を、開閉扉2の開閉と連動する構成としている。尚、開閉扉2は、カートリッジ11の挿入方向(装着方向J)の上流側に設けている。しかし、これに限る必要はない。例えば、画像形成装置1の手前側に操作部材として回動式のレバー部材を設ける。そしてこのレバー部材の回動をギアなどの駆動手段を介してリンク軸120に伝達させる。
これによって、移動部材101・102を移動して支持部材41を移動させることも可能である。この場合には、カートリッジ11をその長手方向から装置本体3に挿入後、操作者が、前記レバー部材を回動させる。これによって、支持部材41が前記第2の位置から前記第1の位置へ移動して、カートリッジ11の装置本体3に対する装着が完了する。
本実施形態によれば、操作者が前記操作部材(例えば、開閉扉2、或いは、前記レバー部材等)を操作する。これによって、支持部材41に装着されている全てのカートリッジ11の上昇、下降を同時に行う事ができる。従って、カートリッジ11の装置本体3に対する装着操作性、及び、取り出し操作性を向上させることができる。
《プロセスカートリッジの装着方法》
次に、カートリッジ11を装置本体3に装着する装着方法について説明する。図3に示すように、操作者が開閉扉2の把手部2aを掴んだ状態で、開閉扉2を矢印Q方向(図4)に開く。この開閉扉2の開きに連動して内扉2Aも開く。これによって、開口部61aが開放される。この開放された開口部61aからカートリッジ11を交換する。即ち、開口部61aを通過させる事によって、装置本体3に対するカートリッジ11の装着、取り出しを行う。
内扉2Aは、開いた状態で、操作者がカートリッジ11を支持部材41に装着する際の補助機能を有する。即ち、内扉2Aは、支持部材41に設けられており、開閉扉2の開閉動作と連動して、カートリッジを支持する支持部を開閉する内側開閉部材である。そして、内扉2Aは、開閉扉2の開き動作に連動して開き位置に移動して、支持部材41にカートリッジ11を押し込む際に、カートリッジの一部を支持する。
操作者がカートリッジ11を支持部材41に装着する際に、カートリッジ11の先端側は支持部材41に載せて、後端側は内扉2Aに載せる(図4のカートリッジ11Yを参照)。その後、操作者がカートリッジ11を装置本体3内へ向かって押し込めばよい。本実施形態は、内扉2Aを設けた。これによって、操作者がカートリッジ11を支持部材41に装着するにあたって、カートリッジ11を支持部材41に直に押し込む場合と比較して、カートリッジ11の装着操作性を向上させることができた。本実施形態は、重量の大きいカートリッジ11を装置本体3に装着する際に、特に有効である。
ここで、カートリッジ11の有する軸受け部材32F,32Rは、前述したようにドラム12を支持する機能に加えて、カートリッジ11を装置本体3に位置決めする際の被位置決め部としての機能も有する。即ち、図7(c)に示すように、カートリッジ11を支持した支持部材41を第2の位置から第1の位置に移動させる。これによって、軸受け部材32Fが、手前側フレーム61の突き当て部61bに接触する。
また、軸受け部材32Rが、奥側フレーム62の突き当て部62aに接触する。これにより、カートリッジ11は装置本体3に対して位置が決まる。また、この状態においてドラム12とベルト4aが当接する。尚、軸受け部材32Fは、クリーニング枠体31の長手方向の一端部に、軸受け部材32Rは前記長手方向の他端部に設けられている。また、軸受け部材32F、32Rは、ドラム12の軸線と同軸線上に、及び、ドラム12の軸線方向において一端側と他端側とに設けられている。
従って、ドラム12を装置本体3に精度良く位置決めした状態で、カートリッジ11を、装置本体3に位置決めすることができる。
また、支持部材41が第2の位置から第1の位置へ移動する際、支持部材41は、水平状態を保ったまま、装着方向Jの手前側から奥側に移動する。且つ、支持部材41は上昇する。即ち、支持部材41は、この際に、支持部材41とクリーニング枠体31の被支持部31cが摺動する(擦れる)。そのため、支持部材41と被支持部31cの間には摩擦力Z(図7の(c))が働く。摩擦力Zにより、カートリッジ11は奥側に移動する力を付与される。そのため、カートリッジ11は、被規制部31jと規制部62とが摺動しながら(擦れながら)、支持部材41と共に上昇する。そして、カートリッジ11を装置本体3に確実に位置決めする事ができる。
尚、摩擦力Zは、重量の大きいカートリッジ(例えば、A3サイズのカートリッジ)の場合に、より大きな力が発生する。従って、本実施形態においては、重量の大きいカートリッジであっても、より確実に、装置本体3に装着する事ができる。これは、本実施形態の利点である。
また、本実施の形態によれば、開閉扉2を閉じるのに連動して、支持部材41は、カートリッジを支持した状態で装置本体3の手前側から奥側へ向かって上昇する。また、開閉扉2を開くのに連動して、支持部材41は、カートリッジを支持した状態で装置本体3の奥側から手前側へ向かって下降する。したがって、操作者は、支持部材41に対するカートリッジ11の着脱操作を、装置本体3の手前側で行う事ができる。したがって、カートリッジ11の着脱操作性を向上させることができる。尚、装置本体3の手前側とは、開閉扉2が設けられている側である。
また、31mはカートリッジ側係止部である(図5(b)、図7(b)(c)、図10参照)。係止部31mは、ユニット15の装着方向Jの先端に設けられている。係止部31mは、ユニット15の先端から上方に向かって突出している。
一方、装置本体3の奥側フレーム62には、本体側係止部62bが設けられている。係止部62bは、下方に向かって突出している(図7(a)(c)、図8、図9、図10、図11参照)。
したがって、カートリッジ11が上昇して装置本体3に位置決めされた状態で、係止部31mと係止部62bは係止する(図7(c)、図10参照)。これによって、カートリッジ11は、取り出し方向(装着方向Jとは反対方向)に移動することを規制される(抜け止め機能)。
尚、カートリッジ11が下降するのに応じて、係止部31mと係止部62bの係止は解除される。したがって、カートリッジ11は支持部材41から抜き出すことができる。
前述したとおり、装置本体3には係止部62bが固定して設けられている。カートリッジ11は、装置本体3に対して感光体ドラム12の長手方向に沿って装着され、カートリッジ11が装置本体3に装着される装着方向Jの先端に係止部31mが設けられている。カートリッジ11が装置本体3に装着された状態で、係止部31mが係止部62bと係止することによって、カートリッジが装着方向Jとは反対側に移動するのを規制する。
そして、支持部材41が上昇する過程で、係止部31mは係止部62bと係止する。また、支持部材41が下降する過程で、係止部31mは係止部62bから離れる。
係止部31mは、カートリッジ11の先端から水平方向へ突出した第一突出部31m1と、第一突出部31m1の先端から上方へ向かって突出した第二突出部31m2とを有する。
係止部62bは、規制部(奥側のフレーム)62から水平方向へ突出した第一突出部62b1と、第一突出部62b1の先端から下方へ向かって突出した第二突出部62b2とを有する。
そこで、第二突出部31m2と第二突出部62b2とが係合して、カートリッジ11の後方への移動を規制する。
また、装置本体3には、カートリッジ11を装置本体3に装着する装着方向Jにおいて、支持部材41の下流側に、規制部62としての奥側フレームが設けられている。また、前記奥側フレーム62にはフレーム開口部62dが設けられている。
そして、支持部材41にカートリッジ11を支持するために、操作者が、カートリッジ11の有する被規制部31jが前記奥側フレーム62に接触するまでカートリッジ11を押し込む。すると、装置本体3から感光体ドラム12を回転するための回転力を受けるドラム回転力受け部としてのドラムカップリング34がフレーム開口部62dから前記装着方向下流側に突出する(図7(b)(c)参照)。及び、装置本体3から現像ローラ71を回転するための回転力を受ける現像ローラ回転力受け部としての現像ローラカップリング35とがフレーム開口部62dから前記装着方向下流側に突出する。
そして、更に、被規制部31jが規制部62の表面を摺動しながら、支持部材41が上昇すると、軸受け部材32Fがフレーム61に接触し(突き当たり)、また、軸受け部材32Rがフレーム62に接触する(突き当たる)。
この際に、前述したバネ46(本体側弾性部材)の弾性力が、カートリッジ11を下方から上方へ突き上げるのに寄与する。
この状態で、カートリッジ11は装置本体3に対して位置決められる。そして、この状態で、開閉扉2は閉じられる。尚、本体側ドラムカップリング3bも、開閉扉2に連動して矢示T方向に進退する。そこで、開閉扉2の閉じ動作に連動して、ドラムカップリング34は本体側ドラムカップリング3bと係合する。また、カートリッジ11の上昇動作によって、現像ローラカップリング35は本体側現像ローラカップリング3cと係合する。そして、ドラム12と現像ローラ71は、装置本体3から回転力を受けて回転する。
また、カートリッジ11を装置本体3から取り外す際には、前記と反対の動作になる。即ち、開閉扉2を開く動作に連動して、カップリング34とカップリング3bは離れる。そして、開閉扉2を開く動作に連動して支持部材41は水平状態を維持したまま、装置手前側へ向かって下降する。その際に、軸受け部材32Fがフレーム61から離れ、また、軸受け部材32Rがフレーム62から離れる。また、カップリング35はカップリング3cと離れる。
尚、本実施形態では、前述した通り、操作者が、被規制部31jが前記奥側フレーム62に接触するまでカートリッジ11を押し込むと、ドラムカップリング34と、現像ローラカップリング35とがフレーム開口部62dから前記装着方向下流側に突出する。これによって、ドラムカップリング34が本体側ドラムカップリング3bと係合すること、及び、現像ローラカップリング35が本体側現像ローラカップリングと係合することを確実に行う事ができる。
また、本実施形態では、規制部62としての奥側フレームに、フレーム開口部62dが設けられている。従って、規制部62とフレーム開口部62dとの設置精度を向上させることができる。また、規制部62と開口部62dとを別々に組付けるのと比較して、装置の組立て性を向上させることができる。
しかしながら、本実施形態はこの構成に限定されるものではなくて、両者は別体であっても良い。
[実施例2]
本実施例においては、図12に示すように、現像ユニット14の現像枠体38には、被支持部38cが設けられている。また、装置本体3に設けられた支持部材41は、現像ユニット14の被支持部38cに略対応した形状と大きさを有する。その他の構成は実施例1とほぼ同様である。
カートリッジ11を装置本体3に対して長手方向に挿入する際、被支持部38cは、支持部材41に支持される。そして、実施例1と同様に支持部材41が第2の位置から第1の位置へ移動する。これにより、支持部材41と被支持部38cが擦れながら、また、被規制部31jと規制部62とが摺動しながら(擦れながら)、カートリッジ11が上昇し、カートリッジ11の装着が完了する。
即ち、支持部材41と現像枠体38の被支持部38cとが摺動する(擦れる)。そのため、支持部材41と被支持部38cの間には、摩擦力Zが働く。この摩擦力Zにより、カートリッジ11は、奥側に移動する力を付与される。そのため、被規制部31jと規制部62とが摺動しながら(擦れながら)、支持部材41と共に上昇し、カートリッジ11を装置本体3に確実に位置決めする事ができる。
支持部材41の装着方向手前側と装着方向奥側には、それぞれ付勢部材43、44が設けられている。そして、支持部材41が第1の位置へ移動したとき、付勢部材43、44が被支持部38cと接触して、ベルト4aにドラム12を接触させる方向にカートリッジ11を付勢する(図7の(c))。
このような構成とすることで、実施例1と同じ効果を得ることができる。つまり、カートリッジ11が装置本体3に対して十分に位置が決まっていない状態でも、カートリッジ11を装置本体3に確実に装着することができる。
前述した各実施形態によれば、カートリッジ11を装置本体3に装着するにあたって、カートリッジ11全体を上昇させることによって、カートリッジ11を装置本体3に装着する事ができる。
前述した各実施形態によれば、カートリッジ11全体を上昇させる構成にすることによって、カートリッジ11を装置本体3に装着する装着操作性を向上させることができた。
前述した各実施形態によれば、カートリッジ11全体を上昇させる構成にすることによって、カートリッジ11を装置本体3に安定した状態で装着することができた。
前述した各実施形態によれば、カートリッジ11を装置本体3に装着する構成を簡易にすることによって、コストの低減を実現した。
前述した各実施形態によれば、複数個のカートリッジ11全体を上昇させる構成にすることによって、感光体ドラム12が安定した状態で転写ベルト4aと接触した状態を維持することができる。
[その他]
1)実施例1・2の画像形成装置のように、複数のカートリッジ11を上下斜め方向に配列することによって装置本体3の水平方向の幅を小さくすることができる。本実施形態は、この構成に限られず、複数のカートリッジ11を水平方向に配列した画像形成装置構成にすることもできる。
2)また、本実施形態は、カートリッジ11が1つだけの単色の画像形成装置、カートリッジにも適用することができる。
3)本実施形態は、内扉2Aを設けない構成にすることもできる。