JP5067837B2 - 無線ローカル・エリア・ネットワーク内でチャネルを動的に選択する方法 - Google Patents
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Description
最適なチャネルを選択するためには、アクセス・ポイントは、例えば既存の稼動状態の基本サービス・セット(BSS)など、無線環境の状態を検出する必要がある。しかし、場合によっては、複数のアクセス・ポイント(AP)が同時にチャネル選択を開始することもある。複数のAPが同時にチャネル選択を同時に開始しようとすると、既存の稼動状態のBSSの検出結果に悪影響を及ぼし、新しいチャネルの選択決定を妨げることになる。
チャネル走査段階では、アクセス・ポイントはすべての既存BSSを検出し、隣接する他のアクセス・ポイントが同時に自動チャネル選択を行っているかどうかを判定しなければならない。同時にチャネル選択を行っているすべてのアクセス・ポイントを確実に検出できるようにするために、これらのアクセス・ポイントがチャネル走査を開始する前に、それらのアクセス・ポイントを既定のチャネルに切り替えておくことが好ましい。これにより、すべてのアクセス・ポイントが同一の所定のチャネルから自動チャネル選択を行うことになるので、容易に互いを発見することができる。
このアクセス・ポイントがチャネル走査を行っていることを隣接するその他のアクセス・ポイントに知らせるためには、アクセス・ポイントは、その元のSSIDをいわゆる走査動作SSID(すなわちこのアクセス・ポイントが走査中であることを示す所定のIDと無作為優先順位識別表示とを含むSSID)に変更しなければならない。あるいは、走査動作SSIDは、無線ネットワーク内で公示しても公示しなくてもよい。従って、その他のアクセス・ポイントが同時にチャネル走査を行っているときには、このアクセス・ポイントの走査動作SSIDにより、その他のアクセス・ポイントは、このアクセス・ポイントが走査動作状態にあることを認識することができる。
最初に、アクセス・ポイントは、既存のBSSがないかどうか、所定のチャネルも含むすべてのチャネルを走査する。図5を参照すると、既存BSSの検出は、「走査」サービスとして知られる既存のMACサブレイヤ管理エンティティ(MLME)サービスおよび/またはその変種を用いることによって行うことができる。このサービスの要求は、いくつかのチャネル内に存在するBSSの検出を要求するための管理プリミティブ(management primitive)「MLME−SCAN.request」を介して、各STA内に常駐する局管理エンティティ(SME)からMLMEに対して行われる(アクセス・ポイントは、無線媒体を介した配布サービスへのアクセスを関連する局に与えることができる特殊な局であることに留意されたい)。
BSSType どのタイプのBSSを走査するかを示す(ここでは任意のBSSとする)
BSSID どのBSSを走査するかを示す(ここではブロードキャストBSSIDとする)
SSID どのサービス・セットを走査するかを示す(ここではブロードキャストSSIDとする)
ScanType アクティブ・スキャン(STAがプローブ・フレームを送信し、BSSからの応答を待つ)であるかパッシブ・スキャン(STAは、何らかのフレームを検出すべくチャネルをリッスンするだけ)であるかを示す
ProbeDelay アクティブ・スキャン時に、プローブ・フレームを送信する前に遅延(μ秒単位)を行うことを示す
ChannelList 検査するチャネルのリストを示す
MinChannelTime 走査時に各チャネルにかかる最短時間(TU単位)を示す
MaxChannelTime 走査時に各チャネルにかかる最長時間(TU単位)を示す
既存のBSSがないかどうかを調べるすべてのチャネルの走査が終了した後で、アクセス・ポイントは、既存のBSSがないかどうかもう一度所定のチャネルを走査する。AP1が既存のBSSがないかどうかすべてのチャネルを走査しているときに、所定のチャネルの走査を終了して次のチャネルの走査を開始した後で、AP2がAP1よりも高い優先順位で当該所定のチャネルに対する自動チャネル選択を開始する可能性もある。この場合、AP1はAP2を検出せず、すべてのチャネルを走査した後でチャネルの測定を開始する。AP2は、所定のチャネルを走査するときに、AP1がそれより低い優先順位でチャネルの走査を行っていることを知る。しかし、AP2は、すべてのチャネルの走査を終了したときには、AP1が既にチャネルの測定を開始していることを知らない。従って、AP2もチャネルの測定を開始する。こうして、AP1とAP2が同時にチャネルの測定を行うことになり、同じチャネルを選択する可能性が高い。
アクセス・ポイントがチャネルを走査して隣接するBSSの測定動作SSIDを発見した場合には、すなわち、このSSIDが検出されたBSSのアクセス・ポイントがチャネルの測定を行っていることを示す所定のIDを含む場合には、この隣接するBSSの別のアクセス・ポイントがチャネルの測定を行っていることが分かる。従って、アクセス・ポイントは、待機して、隣接するBSSがDFSを終了した後でチャネルの再走査を行わなければならない。
BSSのアクセス・ポイントがチャネルを走査して隣接するBSSの走査動作SSIDを発見したとき、すなわちSSIDがこのアクセス・ポイントがチャネル走査を行っていることを示す所定のIDを含むときには、この隣接するBSSの優先順位が上記BSSと同じ、またはこれより高いと判定された場合には、アクセス・ポイントは待機して、隣接するBSSがDFSを終了した後でチャネルを再走査しなければならない。上記BSSと同じ、またはそれよりも高い優先順位を有する隣接するBSSが存在しないと判定された場合には、前記BSSの優先順位が検出されたすべてのBSSの中で最高であり、最初に走査を完了することができる。
上記プロセスによってすべてのチャネルの走査の終了後は、前記BSSのアクセス・ポイントは、すべての既存の隣接するBSSを把握している。しかし、これらのBSSの一部は、より低い優先順位で同時にチャネル走査を行っているアクセス・ポイントを含む可能性がある。これらのBSSのチャネル情報は時間的な情報であり、チャネルの選択を終了したときに更新される。従って、より低い優先順位で同時にチャネル走査を行っているこれらのBSSは、既存の稼動状態のBSSの結果から除外しなければならない。この既存の稼動状態のBSSのリストは、周波数を測定し選択するための基礎となる。
チャネル走査終了後は、アクセス・ポイントは既存の稼動状態のBSSのリストを入手しており、この既存の稼動状態のBSSのリストに基づいてチャネルの測定を開始できることを知っている。図9を参照すると、チャネルを測定するプロセスは、測定動作SSIDに変更するサブステップと、各既存BSSの受信信号強度表示(RSSI)を測定するサブステップと、クリア・チャネル・アセスメント(CCA)のビジー期間を測定するサブステップとを含む。
アクセス・ポイントは、チャネルの測定を開始するときに、最初にそのSSIDを測定動作SSIDに変更し、この測定動作SSIDを公示して、その他のアクセス・ポイントがこの測定動作SSIDを検出できるようにして、現在のアクセス・ポイントがチャネルの選択を終了するまでチャネル走査を開始しないようにする。あるいは、このアクセス・ポイントは、ネットワーク内でこのSSIDを公示せず、隣接するBSSのその他のアクセス・ポイントがそのSSIDを検出できるようにするだけでもよい。その後、アクセス・ポイントはチャネル状態をさらに分析して、チャネルを選択する。特に、各既存BSSの受信信号がどの程度強いか、サポートされる各チャネルがどの程度ビジーであるかを判定する。
この実施形態では、各既存BSSの干渉レベルを示すために受信信号の強度を用いる。受信信号強度をステップ220で測定する。802.11規格のPHYは、受信信号強度表示(RSSI)と呼ばれる、0からRSSI最大値まで変化するパラメータを規定する。このパラメータは、PHYレイヤで測定され、現在のPLCPプロトコル・データ・ユニット(PPDU)を受信するために使用されるアンテナで得られるエネルギー・レベルを示す。RSSIは、PLCPプリアンブルの受信中に測定される。
その他のBSSによる干渉を測定する以外に、802.11に準拠しない装置からのノイズの測定を行う。例えばBluetooth規格など異なる規格に準拠する別の装置がアクセス・ポイントと同じチャネルで動作している場合には、アクセス・ポイントとそれが関連するSTAとの間の通信が妨害されることになることは周知である。チャネル内に干渉を起こす802.11非準拠の(異質の)装置が存在する場合には、アクセス・ポイントはこの装置からの信号を正しく受信することができなくなる。しかし、この異質装置の信号パワーが閾値(例えば802.11bのPHY MIB dot11EDThresholdまたは802.1aのdot11T1Threshold)より高い場合には、このチャネルは、現行の802.11PHYレイヤ規格のパラメータPHY−CCA.indication(BUSY)により、MACレイヤに対してビジーと示される。従って、特定のチャネルで動作している802.11非準拠の装置は、そのチャネルがビジーである期間をアクセス・ポイントが測定すれば、意味のあるMACフレーム(PHY−RXSTART.indicationおよびPHY−RXEND.indicationによって示される。)を受信することなく検出することができる。
その他の装置(802.11準拠または802.11非準拠)による干渉が最も少ない最適なチャネルをアクセス・ポイントが選択しなければならないことは明らかである。各チャネルごとに、RSSIおよび/またはCCAビジー部分を用いて、干渉レベルを測定することができる。
アクセス・ポイントは、その他の装置との干渉が最適なチャネルを選択した後で、搬送周波数を変化させることによってこの選択したチャネルに切り替える。最後に、このアクセス・ポイントは、図3のステップ100(チャネル走査)およびステップ200(チャネル測定)においてSSIDを変更していれば、元のSSIDを復元しなければならない。
(1)無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)内で主無線装置によって確立された基本サービス・セット(BSS)の動的周波数選択(DFS)方法であって、
前記BSSが使用する新しいチャネルが必要かどうかを判定するステップと、
前記BSSが使用する新しいチャネルが必要と判定されたときにすべてのチャネルを走査するステップと、
複数のチャネルのチャネル品質を測定するステップと、
チャネル品質パラメータに基づいて1つのチャネルを選択するステップと、
を含み、
前記走査ステップが、隣接する他のBSSが存在し、同時にDFSを行っているかどうかを検出するために、無作為な優先順位に基づいて前記主無線装置が走査し、既存の稼動状態のBSSの結果を得て、検出されたすべての既存BSSの中で前記主無線装置の優先順位が最高であるときにのみ完了し、
前記測定ステップが、前記走査ステップが完了した後で既存の稼動状態のBSSの前記結果に基づいて前記主無線装置が測定する、前記方法。
(2)前記BSSを前記選択された新しいチャネルに切り替えるステップをさらに含む、(1)に記載の方法。
(3)前記主無線装置が電源投入される、
前記主無線装置が管理者の手動で起動されてDFSを開始する、
前記主無線装置が隣接する他のBSSと一部重複してチャネルの干渉を引き起こす、および
前記BSS内で他の認可されたオペレータがチャネルの干渉を引き起こしていることが検出される、
以上の状態のうち何れかが起こった場合に、使用される新しいチャネルが必要であると判定される、(1)に記載の方法。
(4)前記走査ステップが、
前記主無線装置を所定のチャネルに切り替えるサブステップと、
前記主無線装置の元のSSIDを、無作為に生成された優先順位情報を含む走査動作SSIDに変更するサブステップと、
隣接する他のBSSが存在し、同時にDFSを実行しているかどうかを検出するためにすべてのチャネルを走査するサブステップと、
隣接する他のBSSが存在し、同時にDFSを実行しているかどうかを検出するために所定のチャネルを走査するサブステップと、
前記検出が完了した後で既存の稼動状態のBSSのリストを得るサブステップとを含む、(1)または(3)に記載の方法。
(5)前記走査ステップが、
他の主無線装置が前記主無線装置より高い優先順位でチャネルの測定または走査を行っていると判定された場合には、前記検出された隣接する他のBSSがDFSを完了した後ですべてのチャネルおよび前記所定のチャネルを再走査するステップ
をさらに含む可能性がある、(4)に記載の方法。
(6)前記走査ステップが、
検出された隣接する他のBSSのその他の主無線装置のいずれか1つが同じ優先順位でチャネルの走査を行っていると判定された場合に、前記主無線装置のSSIDを再設定して、新しい無作為な優先順位情報を含む新しい走査動作SSIDを生成するステップと、
前記主無線装置の再設定された走査動作SSIDが検出されたすべてのBSSの中で最高の優先順位である場合に、隣接する他のBSSが存在し、同時にDFSを実行しているかどうかを検出するために、すべてのチャネルおよび前記所定のチャネルを再走査するステップと
をさらに含む、(4)に記載の方法。
(7)既存の稼動状態のBSSのリストが、前記BSSより低い優先順位で走査している隣接するBSSを含まない、(4)に記載の方法。
(8)前記走査動作SSIDが、前記主無線装置の走査動作状態を識別する第1の部分、および無作為に生成された前記主無線装置の走査動作の優先順位を識別する第2の部分の2つの部分を含む、(4)〜(6)のうちいずれか一項に記載の方法。
(9)前記測定ステップが、
前記走査動作SSIDを測定動作SSIDに変更するサブステップと、
既存の稼動状態のBSSの結果に基づいて複数のチャネルのチャネル品質パラメータを測定するサブステップと、
を含む、(1)から(3)のうちいずれか一項に記載の方法。
(10)前記測定動作SSIDが、前記主無線装置の測定動作状態を識別する少なくとも1つの部分を含む、(9)に記載の方法。
(11)前記チャネル品質パラメータが、受信信号強度表示(RSSI)およびクリア・チャネル・アセスメント(CCA)のビジー期間を含む、(1)〜(10)のいずれか一項に記載の方法。
(12)チャネルを選択する前記ステップが、チャネル品質に対する干渉が最も少ないこと、または無線通信で使用するためのその他の規制要件を満たしていることを基準として行われる、(1)〜(11)のうちいずれか一項に記載の方法。
Claims (12)
- 無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)内で主無線装置によって確立される基本サービス・セット(BSS)の動的周波数選択(DFS)方法であって、
前記主無線装置によって、前記無線ローカル・エリア・ネットワークの複数のチャネルを走査して、他の複数のBSSが存在するかどうか、かつ他の複数のBSSが同時にDFSを実行しているかどうかを検出するステップと、
前記主無線装置の優先順位が、前記検出された全てのBSSのうちで最高位である場合は、前記複数のチャネルのチャネル品質を測定するステップと、
前記測定されたチャネル品質パラメータに基づいてチャネルを選択するステップと、
を含む、前記方法。 - 前記BSSを前記選択されたチャネルに切り替えるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記主無線装置が電源投入される、
前記主無線装置が管理者の手動で起動されてDFSを開始する、
前記主無線装置が隣接する他のBSSと一部重複してチャネルの干渉を引き起こす、および
前記BSS内で他の認可されたオペレータがチャネルの干渉を引き起こしていることが検出される、
以上の状態のうち何れかに基づいて、主無線装置によって前記動的周波数選択が行われる、請求項1に記載の方法。 - 前記走査ステップが、
前記主無線装置を所定のチャネルに切り替えるサブステップと、
前記主無線装置の元のSSIDを、無作為に生成された優先順位情報を含む走査動作SSIDに変更するサブステップと、
前記複数のチャネルを走査して隣接する他の複数のBSSが存在するかどうか、そして隣接する他の複数のBSSが同時にDFSを実行しているかどうかを検出するサブステップと、
前記隣接する他のBSSが存在し、同時にDFSを実行しているかどうかを検出するために所定のチャネルを走査するサブステップと、
前記検出が完了した後で既存の稼動状態のBSSのリストを得るサブステップと、
を含む、請求項1または3に記載の方法。 - 前記走査ステップが、他の主無線装置が前記主無線装置より高い優先順位でチャネルの測定または走査を行っていると判定された場合には、前記検出された隣接する他のBSSがDFSを完了した後ですべてのチャネルおよび前記所定のチャネルを再走査するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
- 前記走査ステップが、
検出された隣接する他のBSSの他の主無線装置のいずれか1つが同じ優先順位でチャネルの走査を行っていると判定された場合に、前記主無線装置のSSIDを再設定して、新しい無作為な優先順位情報を含む新しい走査動作SSIDを生成するステップと、
前記主無線装置の再設定された走査動作SSIDが検出されたすべてのBSSの中で最高の優先順位である場合に、隣接する他のBSSが存在し、同時にDFSを実行しているかどうかを検出するために、すべてのチャネルおよび前記所定のチャネルを再走査するステップと、
をさらに含む、請求項4に記載の方法。 - 前記既存の稼動状態のBSSのリストが、前記BSSより低い優先順位で走査している隣接するBSSを含まない、請求項4に記載の方法。
- 前記走査動作SSIDが、前記主無線装置の走査動作状態を識別する第1の部分、および無作為に生成された前記主無線装置の走査動作の優先順位を識別する第2の部分の2つの部分を含む、請求項4から6のうちいずれか一項に記載の方法。
- 前記測定ステップが、
前記走査動作SSIDを測定動作SSIDに変更するサブステップと、
既存の稼動状態のBSSの結果に基づいて複数のチャネルのチャネル品質パラメータを測定するサブステップと、
を含む、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の方法。 - 前記測定動作SSIDが、前記主無線装置の測定動作状態を識別する少なくとも1つの部分を含む、請求項9に記載の方法。
- 前記チャネル品質パラメータが、受信信号強度表示およびクリア・チャネル・アセスメントのビジー期間を含む、請求項1から10のうちいずれか一項に記載の方法。
- チャネルを選択する前記ステップが、チャネル品質に対する干渉が最も少ないこと、または無線通信で使用するためのその他の規制要件を満たしていることを基準として行われる、請求項1から11のうちいずれか一項に記載の方法。
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