JP5064971B2 - 複合管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧送水管や高圧送油管などの合成樹脂複合管の製造方法に関するものである
従来、合成樹脂複合管の製造には連続押し出し機で合成樹脂管を押し出し、冷却し、補強テープを巻き付け、さらにその外層に防食用の外装を押出し、巻き枠に所定の長さを巻き付けるという方法が使用されおり、この方法によれば長尺の複合管を製造することができる。
このような複合管の製造方法の一例として、2軸押出機によって樹脂管を成形し、樹脂管に補強用のシートを巻き付け、次いでテープの巻き付けられた樹脂間に押出機によって外層を被覆して冷却される複合管の製造装置がある(特許文献1)。
特開2000−291840号公報
しかし、特許文献1の製造装置では、大口径の複合管を製造する場合、ドラムへの巻き付け半径の制約からドラムの径が大きなものになり、複合管の製造場所から敷設場所への運搬が困難になるという問題が生じる。例えば、管径180φ以下なら従来どおりドラム巻きが可能だが、それ以上の管径、例えば250φなどは、管の曲げ半径の問題から、ドラム径を大きくする必要がある。しかし、ドラムの外径も運送上の規制から一定以上大きくすることができない。従って、大口径の複合管の場合は、5〜10m程度の直管の複合管を製造し、これを敷設場所で接続して長尺化し、敷設する必要がある。
この直管の大口径複合管を製造する場合、ドラムへの巻き付けができないため、従来の製造方法では合成樹脂管の押出し工程及び切断工程、テープ巻き付け工程、外装の押出し工程を連続して行うことが困難であるため、それぞれ別の工程で製造する必要があり、3工程が必要となることによる高い製造コスト、長い製造期間が問題なる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、直管の大口径複合管を安いコスト且つ短い期間で簡易に製造できる製造方法、製造装置および複合管を提供することにある。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、管体の両端に端末部材を取り付ける工程(a)と、フィーダにセットされたテープの端部を、前記管体の端部近傍へ固定する工程(b)と、前記端末部材を介して前記管体を回転させるとともに、前記管体の回転に同期させて前記フィーダを前記管体の軸方向へ移動させ、前記管体へ前記テープを所定の巻きピッチで巻きつける工程(c)と、前記管体の所定の範囲にテープが巻き付けられた後、前記テープの端部を前記管体の端部近傍へ固定する工程(d)と、
を具備する複合管の製造方法であって、
前記工程(b)および/または前記工程(d)では、前記テープの端部を前記端末部材へ溶接、溶着または接着のいずれかの方法で固定し、
さらに、前記工程(a)では、前記端末部材の取り付け時に、前記管体の内部を貫通する管体のねじれを防止するための管体より僅かに長いロッドが前記端末部材に固定されて設けられることを特徴とする複合管の製造方法である。
前記工程(c)では、前記管体へ前記テープが巻きつけられる際に、前記テープへ張力が与えられも良い
前記工程(b)から前記工程(d)を繰り返し、前記テープを前記管体へ複数回重ねて巻き付けても良く、この場合、前記工程(c)では、前記フィーダは前記管体に対して一定の方向への移動または往復移動しながら、前記テープを前記管体へ複数回重ねて巻き付けても良い。
第1の発明によれば、管体を端末部材を介して回転させることができ、管体の回転とフィーダの管体軸方向への移動が同期しているため、所定のピッチで管体へテープを巻きつけることができ、テープ端部の管体への固定を溶接、溶着または接着のいずれかの方法で固定するため作業が簡易であり管体内部にロッドを設けることから、管体のねじれを防止することができ、管体の軸方向に対して、一定方向から、または両方向からテープを複数回巻きつけることで、簡易に複合管を製造することが可能な複合管の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、管体のねじれを防止し、さらに管体への補強テープの巻き付けおよび防食用外装テープの巻き付けが可能になり、防食用外装の押し出し工程が不要になり、製造コスト、製造期間の両面で優れた複合管の製造方法提供することができる。
以下、本発明の第1の実施の形態に用いる複合管製造装置20について詳細に説明する。図1は、本発明に用いる複合管製造装置20を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図、図1(c)は平面図である。
架台25は略コの字状の台であり、架台25端部近傍の下部にはモータ33が設けられる。また、架台25の他方の端部近下部には、送りねじ駆動モータ31が設けられる。送りねじ駆動モータ31は送りねじ27と連結されており、送りねじ27は架台25の長手方向へ延長される。送りねじ27の下部には、棒状のガイド29が設けられる。すなわち、送りねじ27とガイド29は、架台25の長手方向に互いに同一軸方向に設けられる。
送りねじ27とガイド29を連結するようにハウジング41が設けられる。ハウジング41はガイド29に沿って、ガイド29の軸方向に移動可能に取り付けられる。ハウジング41の側方にはナット部39が設けられ、ナット部39は送りねじ27と螺合する。ハウジング41とナット部39の上部にはテーブル45が設けられる。
テーブル45上には支持体40が設けられ、支持体40の端部には、軸38を介してドラム状のテープフィーダ21が回転可能に設けられる。また、支持体40には、アーム42が設けられ、アーム42の端部にはテンションロール23が回転可能に設けられる。テンションロール23は、テープフィーダ21よりテープ49が端末処理管10へ巻きつけられる際に、テープ49へ張力を与え、図示しないテープフィーダ21のブレーキとともに、テープ49にたるみやゆるみが生じないようにするためのものである。
架台25の上には、支持ロール43が架台25の両端部近傍にそれぞれ一対ずつ設けられる。支持ロール43上には図1(a)及び図1(b)に示すように、端末処理管10が載せられる。端末処理管10は端部にギア5を有する端末部材3a等が設けられた樹脂管である。なお、端末処理管10、端末部材3a等についての詳細は後述する。
モータ33に設けられたギア35と端末部材3aに設けられたギア5は、架台25に設けられたベルト穴47を貫通するベルト37で連結されている。モータ33が駆動すると、ギア35及びベルト37によって端末部材3aを介して、端末処理管10が支持ロール43上で回転する。
一方、送りねじ駆動モータ31が回転すると、送りねじ駆動モータ31と連結する送りねじ27が回転し、送りねじ27と螺合するナット部39が送りねじ27の回転に応じて軸方向へ移動する。すなわち、送りねじ駆動モータ31の回転に応じて、ハウジング41、ナット部39、テーブル45は一体となって、ガイド29に沿って、軸方向へ移動することができる。
モータ33の回転と送りねじ駆動モータ31の回転とは、同期が取られている。従って、モータ33の回転に伴う端末処理管10の回転と、送りねじ駆動モータ31の回転に伴う、テーブル45上のテープフィーダ21等の移動は同期する。テープフィーダ21には予めテープ49が巻きつけられており、テープフィーダ21は、テープ49を端末処理管10に巻きつけられながら、軸方向へ移動し、一定のピッチでテープ49を端末処理管10の軸方向全長に渡り巻きつけることができる。
なお、モータ33と送りねじ駆動モータ31との同期は、任意に設定でき、巻きつける端末処理管10の外径や、テープ49の幅、テープ49の巻きつけピッチ等に応じて、任意に設定することができる。また、必要に応じて、テープフィーダ21にはフィード角度22を設けることもできるが、フィード角度22を0として、テープフィーダ21を端末処理管10に垂直に向けても、テープ49を端末処理管10へ巻きつけることは可能である。
次に、端末処理管10について説明する。図2は、端末処理管10を示す図で、図2(a)は、端末処理管10の正面図、図2(b)は断面図である。押出機等で製造され、所定長さで切断された樹脂製の管体であるポリエチレン管1の両端に端末部材3a、3bが設けられる。また、図2(b)に示すように、ポリエチレン管1にはロッド11が貫通して設けられる。ロッド11は、ポリエチレン管1のねじれを防止するためのものである。
ここで、端末部材3a、3b及び、ロッド11が設けられたポリエチレン管1を端末処理管10と呼ぶ。
図3は端末部材3aの取り付け状態を示した図である。端末部材3aは、一方が閉じられた筒状部材であり、中心には貫通孔15を有する。また端末部材3aの側面にはボルト穴13が一対設けられる。端末部材3aの端部にはギア5が設けられる。一方、端末部材3bは、端末部材3aとほぼ同様の構造であるが、ギア5が無い点でのみ端末部材3aと異なるものである。従って、端末部材3bについて、端末部材3aと同一の構成には、説明を省略し、同一の付番を用いることとする。
なお、詳細は後述するが、端末処理管10は両端にそれぞれ端末部材3a、3bが設けられ、複合管の製造時において、その一方の端末部材3aのギア5を介して回転させられる。しかし、端末処理管10の両端で回転させる場合は、端末部材3bにもギア5が必要となる。すなわち、端末部材3bは、使用状況および部品管理上の便宜のために、ギア5を有しても良く、この場合、端末部材3aと端末部材3bは全く同一のものを使用することもできる。
端末部材3a、3bはポリエチレン管1の両端にかぶせられ、それぞれのボルト穴13より固定ボルト7によって、ポリエチレン管1に固定される。ポリエチレン管1には予めポリエチレン管1よりもわずかに長いロッド11が貫通しており、ロッド11の両端部が端末部材3a、3bのそれぞれの貫通孔15をより突出するように設けられる。
ロッド11の両端には予めねじ加工が施されており、ナット9により固定される。すなわち、図2(b)に示すように、ロッド11は端末処理管10を貫通し、ロッド11の両端は端末処理管10の両側へ突出しナット9で固定される。なお、端末部材3a、3b、及びロッド11はある程度の強度を有すれば良く、例えば鋼材が使用できる。
次に、第1の実施の形態に係る複合管の製造方法について説明する。図4は、端末処理管10を複合管製造装置20へセットした状態を示す図で、図4(a)は正面図、図4(b)はテープフィーダ21近傍の拡大図、図4(c)は端末部材3a近傍の拡大図である。なお、図4(b)において、支持体40、アーム42等は図示を省略している。
まず、予めテープ49がセットされたテープフィーダ21が、端末処理管10の端部近傍に配置される。次に、テープ49の端部をテープフィーダ21から繰り出し、端末部材3aに溶接部51aで溶接により固定する。テープ49は用途に応じて種々選択できるが、例えば補強用のテープであり、この場合ステンレステープ等の金属テープを使用することができる。図4(a)は、テープ49の端部が端末処理管10の端部近傍である、端末部材3aに固定された状態を示す図である。
なお、テープ49と端末部材3aとは、溶接以外にもテープ49の材質等に応じて、溶着や接着により固定することもできる。例えば、端末部材3a及びテープ49のいずれもが樹脂製である場合は、溶着または接着により固定することもでき、テープ49が布製等である場合には接着により固定することもできる。ここで、溶着、接着、溶接は公知の方法で行うことができる。
例えば、接着の場合、使用条件に応じて所望の接合強度を設計し、所望の接合強度が得られる接着剤を選定すれば良いが、接合強度を満足するものならば、接着剤はいずれの接着剤を用いても良い。また、接着剤は、テープ49と端末部材3aとを接着可能な接着剤ならば、一般的な接着剤の中から適宜選定して使用すればよい。さらに、テープ材料は、剛性樹脂製テープをカーボン繊維などと複合化したものを用いても良く、必要に応じて、剛性樹脂製テープを金属箔でラミネートしたものを用いることも可能である。
なお、以下の説明においては、テープ49と端末部材3aとは溶接により接合されるものとして説明する。
図5は、モータ33及び送りねじ駆動モータ31を駆動させた状態を示す図であり、図5(a)は正面図、図5(b)はテープフィーダ21近傍の拡大図、図5(c)は端末処理管10へのテープ49巻きつけ部近傍の拡大図である。
モータ33を駆動すると、ギア35、ベルト37及びギア5を介して、端末処理管10が支持ロール43上で回転する。端末処理管10が回転すると、端末処理管10端部に固定されたテープ49は、テープフィーダ21より繰り出され、端末処理管10へ巻きつけられる。この際、テンションロール23は、テープ49巻きつけ時のテープ49の張力を検出し、テープフィーダ21に設けられた図示しないブレーキ装置とともに、テープ49に最適な張力を付与するように、テンションロール23のテープ49への押し当て量やテープフィーダ21のブレーキ等を調整することができる。
複合管製造装置20は、モータ33の駆動と同期して、送りねじ駆動モータ31が駆動し、送りねじ27を回転する。従って、送りねじ27と螺合するナット部39と一体化するテーブル45上のテープフィーダ21は、軸方向へ移動する。すなわち、テープ49をテープフィーダ21から繰り出して端末処理管10へテープ49を巻きつけながら、テープフィーダ21は軸方向へ移動し、端末処理管10の全長に渡ってテープ49を巻きつけることができる。
なお、巻きピッチ54は前述の通り、端末処理管10の外径、テープ49の幅によって、モータ33と送りねじ駆動モータ31との同期を調整することで、任意に変更することができ、図5(c)に示すように、隙間53を設けることもできるし、テープ49の端が互いに重なるように隙間53を設けないで巻きつけることもできる。
図6は、テープフィーダ21が端末処理管10の端部まで移動して、端末処理管10の全長に渡ってテープ49が巻き付けられた状態を示す図であり、図6(a)は正面図、図6(b)はテープフィーダ21近傍の拡大図、図6(c)は端末部材3b近傍の拡大図である。テープ49が端末処理管10の所定の範囲に巻き付けられると、モータ33と送りねじ駆動モータ31は停止し、端末処理管10の回転とテープフィーダ21の軸方向への移動が停止する。
次いで、図6(c)に示すように、テープ49を切断して、テープ49の端部を端末部材3bへ溶接部51bに溶接によって固定することにより、テープ49が端末処理管10の端部近傍へ固定される。なお、テープ49と端末部材3bとは、前述の通り、溶接以外にも溶着または接着により固定することもできる。以上により、テープ49が端末処理管10の全長に巻き付けられる。なお、このようにして端末処理管10に直接巻き付けられたテープ49を、テープの一巻き目として、以後、テープ49aとする。
図7は、端末処理管10へテープ49bを複数回巻きつける場合を示す図であり、図7(a)は正面図、図7(b)は端末部材3a近傍の拡大図である。一巻き目のテープ49aと同様に、重ねて巻き付けられる二巻き目のテープ49bの端部も端末部材3aへ溶接部51cで溶接により固定される。この状態で、モータ33及び送りねじ駆動モータ31を同期駆動させて、端末処理管10へテープ49bを巻きつける。テープ49bが端末処理管10全長に巻き付けられた後、一巻き目と同様にして、テープ49bの端部を端末部材3bへ溶接で固定する。以上により、一巻き目に重ねて二巻き目のテープ49bを端末処理管10全長に巻き付けることができる。
なお、二巻き目のテープ49bは、一巻き目のテープ49aの隙間53aを覆うように一巻き目のテープ49aと半ピッチほど巻きつけ開始位置をずらして巻きつけることが望ましい。これにより、テープ49a、49bを端末処理管10の全面に渡り隙間なく巻付けることができる。
以降、同様の操作を繰り返し、必要に応じて、三巻き目、四巻き目と重ねてテープ49c、49dを巻き付けることもできる。また、複数回テープ49を巻きつける場合には、それぞれ巻きつけるテープを変更することもできる。例えば、補強テープを複数回巻きつけた上から更に重ねて防食テープを複数回巻きつけることもできる。通常防食テープは、ブチルゴム系のものを用いる。
参考例1として、図8は、複数回テープ49が巻き付けられた端末処理管10の端末を処理する方法を示す図である。まず、端末処理管10を複合管製造装置20から下ろし、図8(a)に示すように、端末処理管10の両端部近傍で端末部材3a、3bのやや内側にバンド55を設ける。また、ナット9を外して、端末処理管10内部から、ロッド11を撤去する。なお、図8(a)は、ナット9及びロッド11が撤去された後の状態を示す図である。
次に、参考例1の端末処理管10の端末の処理方法において、図8(b)に示すように、端末処理管10をバンド55の両外側で切断する。すなわち、端末処理管10の両端を切断することで、端末部材3a、3bが取り除かれる。テープ49はバンド55により固定されているため、テープ49が巻き戻り、緩むことは無い。なお、バンド55はテープ49を固定できれば良く、ゴム等の弾性体であっても良く、または金属線などであっても良い。
図9は以上の複合管製造方法によって製造された複合管57の一例を示す断面図である。複合管57は、内層がポリエチレン管1であり、その周囲に、補強テープ58及びさらにその外周に防食テープ59を巻きつけたものである。
以上説明してきたように、本実施の形態にかかる複合管の製造方法によれば、簡易に複合管を製造することができる。また、複合管製造装置20は、任意の径のポリエチレン管に対しても、任意のピッチ、テープを巻きつけることができるため、ドラムに巻付けることができないような大口径のポリエチレン管1に対しても、容易にテープ49を巻きつけることができる。また、端末部材3aを介して端末処理管10を回転させるため、テープ49を巻きつける際に確実に端末処理管10を回転させることができるため、端末処理管10の回転すべりやテープ49のピッチずれなどが生じない。
特に、ステンレスや剛性樹脂製の補強テープを巻き付けることで、内圧1MPa程度に耐え得る複合管を容易に製造することができる。この場合、補強テープが主に複合管の強度を受け持つことから、素管であるポリエチレン管1の肉厚を薄くすることができるため、コストを下げることができるとともに、補強テープの巻き数や厚みを変更することで、任意の強度の複合管を容易に得ることができる。また、防食等のその他の機能も同一工程で付与することができる。
また、端末処理管10内にはロッド11が設けられるため、端末処理管10の一方の端部からのみ回転力を加えた場合でも、端末処理管10にねじれが生じることがない。また、テープ49の端部を端末部材3a、3bに溶接、溶着または接着によって固定するため、確実に端末処理管10の端部近傍にテープ49を固定することができ、テープ49の巻きずれ等も生じない。
更に、参考例1に記載のように、端末部材3a、3bを含む端末処理管10の端部の処理の際には、バンド55を用いるため、テープ49が巻き戻り、緩むことが無い。従って、簡易にあらゆるポリエチレン管に対しても、複合管製造装置20によって、必要に応じたテープ49を確実に巻きつけることができ、低コスト、短納期で複合管を製造することができる。
次に第2の実施の形態にかかる複合管製造装置60を用いる製造方法について説明する。第2の実施の形態にかかる複合管の製造方法は、第1の実施の形態にかかる複合管製造装置20を用いる複合管の製造方法と略同様であり、以下の実施の形態において、同一の機能を奏する構成要素については図1〜図8と同一の記号を付し、重複した説明を避ける。
複合管製造装置60を用いる製造方法は、複合管製造装置20と、テープ49を複数回重ねて巻きつける際の、テープフィーダ21の動作が異なる。すなわち、複合管製造装置20を用いる製造方法は、複数回重ねてテープ49を巻きつける際に、テープフィーダ21は、一巻き目のテープ49a巻き始め位置に毎回戻され、繰り返しテープ49を端末処理管10へ巻きつける。従って、テープフィーダ21は、端末処理管10へテープ49を巻きつける際は、一定の軸方向にのみ移動しながらテープ49を端末処理管10へ巻きつける。
しかし、複合管製造装置60を用いる製造方法は、テープフィーダ21は、一巻き目のテープ49aを巻きつけ終えた後、一巻き目の巻き終了位置から、二巻き目のテープ49bの巻き付けを開始する。すなわち、テープフィーダ21は、端末処理管10に対して、軸方向へ往復動作しながら、テープ49を端末処理管10へ巻きつけることができる。
図10は、テープフィーダ21が往復動作しながら、テープ49を端末処理管10へ巻きつける状態を示す図であり、図10(a)は正面図、図10(b)は端末部材3b近傍の拡大図である。複合管製造装置60を用いる製造方法では、第1の実施の形態と同様に、図中向かって左側より右側へ向けて、一巻き目のテープ49aを巻きつける。テープ49aが端末処理管10の端末部近傍まで巻きつけられたら、テープ49aの端部を端末部材3bへ溶接する。
次に、複合管製造装置60を用いる製造方法では、二巻き目に巻きつけるテープ49bをテープフィーダ21より繰り出し、端部を端末部材3bへ溶接部51dで溶接する。モータ33と送りねじ駆動モータ31とは一巻き目とは逆回転で同期し、端末処理管10の回転に伴い、テープフィーダ21は一巻き目のテープ49a巻きつけ時の移動方向とは逆方向に移動しながら、テープ49bを端末処理管10へ巻きつける。すなわち、図10(b)に示すように、テープ49bとテープ49aとはクロスするように巻きつけられる。この際、必要に応じて、フィード角度22をテープ49の巻きつけ方向に応じて調整する。
第2の実施の形態による複合管製造装置60を用いる製造方法によれば、第1の実施の形態に係る複合管製造装置20を用いる製造方法と同様の効果を奏する。また、テープ49を複数回重ねて端末処理管10へ巻きつける際に、テープフィーダ21を軸方向へ往復動作しながら、テープ49を端末処理管10へ巻きつけることができることから毎回もとの位置に戻す必要が無いため、製造効率を高めることができる。
次に参考例2の実施形態にかかる複合管の製造方法について説明する。参考例2の実施の形態にかかる複合管の製造方法は、第1の実施の形態にかかる複合管の製造方法と略同様であるが、第1の実施の形態にかかる複合管の製造方法と、テープ49の端末処理管10への固定方法が異なる。すなわち、第1の実施の形態にかかる複合管の製造方法では、テープ49を溶接、溶着または接着のいずれかの方法により端末部材3a、3bへ固定したが、参考例2の実施の形態にかかる複合管の製造方法では、テープ49の端部は、端末処理管10の端部近傍にバンドで固定される。
図11は、テープ49を端末処理管10へ巻きつけた状態を示す図であり、図11(a)は、テープ49の端末部材3a近傍の拡大図で、図11(b)は、端末部材3b近傍の拡大図である。参考例2の実施形態にかかる複合管の製造方法では、テープ49の巻き始め及び巻き終わりのそれぞれの端末処理管10へのテープ49の端部の固定を、バンド61で行う。バンド61としては、テープ49を固定できれば良く、ゴム等の弾性体であっても良く、または金属線などであっても良い。また、端末処理管10の端末処理の際に使用するバンド55と共用することもできる。
参考例2の実施の形態による複合管の製造方法によれば、第1の実施の形態に係る複合管の製造方法と同様の効果を奏する。また、テープ49の端部をバンド61で固定するため、固定が容易であり、また、溶接、溶着または接着が困難なテープを固定することもでき、更に、端末処理管10の端部を処理する際に、改めてバンド55を設ける必要が無い。
以上、添付図を参照しながら、本発明および参考例の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明における複合管製造装置20は、端末部材3aのギア5とモータ33のギア35とをベルト37により連結して駆動したが、スプロケットとチェーンによって駆動しても良く、また、直接ギア同士を噛み合わせても良い。
また、テープ49を複数回巻き付ける際に、テープの巻き方向をテープの種類に応じて変更しても良い。例えば、補強テープの巻きつけ時は、複合管製造装置60のように往復動作によって補強テープを重ねて巻き付けることで、製造効率を高め、その後防食テープの巻きつけ時には、複合管製造装置20のように一定方向にテープ49を巻き付けて、隙間をなくすことで、強度と耐食性に優れる複合管を効率よく製造することができる。
また、巻きつけるテープ49は、補強テープ、防食テープに限られず、押さえテープ、クッションテープなど様々な用途のテープが使用でき、それぞれの用途において、様々な材質のテープを巻きつけることができる。
本発明に用いる複合管製造装置20を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 端末処理管10を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 端末処理管10への端末部材3aの取り付け状態を示す図である。 端末処理管10へのテープ49の巻き付け始めを示す図であり、(a)は、複合管製造装置20の正面図、(b)はテープフィーダ21近傍の拡大図、(c)は、端末部材3a近傍の拡大図である。 端末処理管10へのテープ49の巻き付けている状態を示す図であり、(a)は、複合管製造装置20の正面図、(b)はテープフィーダ21近傍の拡大図、(c)は、テープ49巻きつけ位置近傍の拡大図である。 端末処理管へのテープの巻き付け終わりを示す図であり、(a)は、複合管製造装置20の正面図、(b)はテープフィーダ21近傍の拡大図、(c)は、端末部材3b近傍の拡大図である。 端末処理管10へテープ49を一定方向へ複数回巻き付ける場合を示す図であり、(a)は複合管製造装置20の正面図、(b)は端末部材3a近傍の拡大図である。 端末処理管10の端末処理方法を示す図であり、(a)は端末処理管10へ巻き付けたテープ49をバンド55で固定した状態を示す図、(b)は端末処理管10の両端を切断した状態を示す図である。 本発明による複合管57を示す図である。 端末処理管へテープを往復移動させて複数回巻き付ける場合を示す図であり、(a)は複合管製造装置60の正面図、(b)は端末部材3b近傍の拡大図である。 テープ49の巻き始め、巻き終わりをバンド61で端末処理管10へ固定した状態を示す図である。
符号の説明
1………ポリエチレン管
3a、3b………端末部材
5………ギア
7………固定ボルト
9………ナット
10………端末処理管
11………ロッド
13………ボルト穴
15………貫通孔
20………複合管製造装置
21………テープフィーダ
22………フィード角度
23………テンションロール
25………架台
27………送りねじ
29………ガイド
31………送りねじ駆動モータ
33………モータ
35………ギア
37………ベルト
38………軸
39………ナット部
40………支持体
41………ハウジング
42………アーム
43………支持ロール
45………テーブル
47………ベルト穴
49a、49b………テープ
51a、51b、51c、51d………溶接部
53………隙間
54………巻き付けピッチ
55………バンド
57………複合管
58………補強テープ
59………防食テープ
60………複合管製造装置
61………バンド

Claims (4)

  1. 管体の両端に端末部材を取り付ける工程(a)と、
    フィーダにセットされたテープの端部を、前記管体の端部近傍へ固定する工程(b)と、
    前記端末部材を介して前記管体を回転させるとともに、前記管体の回転に同期させて前記フィーダを前記管体の軸方向へ移動させ、前記管体へ前記テープを所定の巻きピッチで巻きつける工程(c)と、
    前記管体の所定の範囲にテープが巻き付けられた後、前記テープの端部を前記管体の端部近傍へ固定する工程(d)と、
    を具備する複合管の製造方法であって、
    前記工程(b)および/または前記工程(d)では、前記テープの端部を前記端末部材へ溶接、溶着または接着のいずれかの方法で固定し、
    さらに、前記工程(a)では、前記端末部材の取り付け時に、前記管体の内部を貫通する管体のねじれを防止するための管体より僅かに長いロッドが前記端末部材に固定されて設けられることを特徴とする複合管の製造方法。
  2. 前記工程(c)では、前記管体へ前記テープが巻きつけられる際に、前記テープへ張力が与えられることを特徴とする請求項1に記載の複合管の製造方法。
  3. 前記工程(b)から前記工程(d)を繰り返し、前記テープを前記管体へ複数回重ねて巻きつけることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の複合管の製造方法。
  4. 前記工程(c)では、前記フィーダは前記管体に対して一定の方向への移動または往復移動しながら、前記テープを前記管体へ複数回重ねて巻きつけることを特徴とする請求項3記載の複合管の製造方法。
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