JP5064814B2 - 止水剤塗布用のノズル - Google Patents
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Description
前記高粘度シリコン吐出口は前記低粘度シリコン吐出口より幅方向の両側に延在する長尺幅とし、かつ、該高粘度シリコン吐出口と高粘度シリコン供給口とを連通する供給路は吐出側に向けて断面積を縮小させ、該高粘度シリコン吐出口の面積は高粘度シリコン供給口の面積より小さくしていることを特徴とする止水剤塗布用のノズルを提供している。
例えば、本発明の止水剤塗布用のノズルは、本出願人の出願に係わる特開2001−24358号公報で開示した止水剤塗布装置に付設されるノズルとして用いられる。
また、高粘度シリコン吐出口の面積を高粘度シリコン供給口の面積より小さくしているため、高粘度シリコンの塗布圧を高めることができ、これにより低粘度シリコンを線間に押し込む力も増すため、低粘度シリコンを線間へ深く浸透させることができる。
さらに、高粘度シリコン吐出口を長尺幅としているため、高粘度シリコンの塗布幅が広くなり、これにより低粘度シリコンの浸透幅も広く確保することができる。
これらにより、低粘度シリコンの線間浸透性が向上し、電線間の隙間を低粘度シリコンで確実に埋めることができると共に、止水ポイントが広がるため、止水剤塗布箇所の止水性能を高めることができる。
高粘度シリコン供給路を前記形状とすることにより、高粘度シリコン吐出口を幅方向に広い形状とし、かつ、断面積を供給口よりも狭くすることができるため、高粘度シリコンの塗布幅拡大と塗布圧向上とを両立させることができる。
前記第一高粘度シリコン吐出口と同一面側の幅方向両側に第二、第三高粘度シリコン吐出口を設け、これら第二、第三高粘度シリコン吐出口は前記第一高粘度シリコン吐出口と同一高さ位置あるいは前記低粘度シリコン吐出口側に設け、該第二、第三高粘度シリコン吐出口から吐出する高粘度シリコンを低粘度シリコンの幅方向流れの堰き止め用として用いる構成としていることを特徴とする止水剤塗布用のノズルを提供している。
低粘度シリコンを電線群に直接塗布した後に、該低粘度シリコンの表面を被覆するように高粘度シリコンを塗布するため、高粘度シリコンで低粘度シリコンの垂れ落ちを防止できると共に、第二、第三高粘度シリコン吐出口の配置により、低粘度シリコンの幅方向の流れを効果的に堰き止めることができるため、該低粘度シリコンを逃すことなく防水処理区間内の電線間に深く浸透させることができる。
これらにより、低粘度シリコンの線間浸透性が向上し、電線間の隙間を低粘度シリコンで確実に埋めることができると共に、止水ポイントが広がるため、止水剤塗布箇所の止水性能を高めることができる。
第一高粘度シリコン吐出口の面積が第二、第三高粘度シリコン吐出口よりも大きい場合は、第二、第三高粘度シリコン吐出口の塗布圧が高くなるため、低粘度シリコンの幅方向への広がりをより確実に堰き止めることができる。
第一高粘度シリコン吐出口の面積が第二、第三高粘度シリコン吐出口よりも小さい場合は、第一高粘度シリコン吐出口からの塗布圧が高くなるため、低粘度シリコンを電線間に一層深く浸透させることができる。
なお、第一、第二、第三高粘度シリコン吐出口は、同一面積としてもよい。
これらにより、低粘度シリコンの浸透性が高まり、電線間の隙間を低粘度シリコンで確実に埋めることができるため、止水性能が向上する。
図1乃至図5は、本発明の第1実施形態に係るワイヤハーネスへの止水剤塗布用のノズル10を示す。
ノズル10は矩形状のハウジング11の塗布面側11bには、図3(C)に示すように、幅方向中央部に1つの低粘度シリコン吐出口12を開口し、該低粘度シリコン吐出口12よりも下方側に1つの高粘度シリコン吐出口15を設けている。低粘度シリコン吐出口12は上下方向にやや長い楕円形状とし、高粘度シリコン吐出口15は、低粘度シリコン吐出口12よりも幅方向両側に延在する長尺幅の横長スリット状としている。
また、前記取付側11aには、高粘度シリコン吐出口15と高低差なく高粘度シリコン供給口16を設け、該供給口16から前記吐出口15まで高粘度シリコン供給路17で連通させている。
本実施形態では、高粘度シリコン吐出口15の幅w1を20mm、上下間隔h1を2mm、面積を39mm2とし、高粘度シリコン供給口16の幅w2を18mm、上下間隔h2を35mm、面積を97mm2とし、高粘度シリコン吐出口15の面積を供給口16の面積の40%に設定している。
まず、前記図1(A)に示すように、ワイヤハーネス組立作業台(図示せず)上に立設した布線治具21にワイヤハーネスW/Hを挿通して、電線wの止水区間Xを上下方向に一列に並列した状態で配置する。
前記布線治具21は、ワイヤハーネス組立作業台に着脱自在に取り付ける支持軸22により支持され、ワイヤハーネスW/Hの電線wの布線方向に延在する基部23から所要間隔をあけて一対の電線保持部24、25を突出している。この電線保持部24、25は、上端開口24a、25aから電線wを挿入させると共に、挿入した電線wを一列に並列させる細幅な電線挿入用長穴24b、25bを備えている。
この状態で、グロメット40の筒部内に挿通して、図1(D)に示すように、グロメット40の小径筒部41の内周面に電線wの止水部を密着させる。
該グロメット40は、ワイヤハーネスを自動車に配索する際に、車体パネル43の貫通穴44に係止鍔部42を挿入係止して装着される。
また、高粘度シリコン吐出口15の幅が長尺であることにより、高粘度シリコン32の塗布幅が広くなるため、図5(B)に示すように、低粘度シリコン31の幅方向の流れも堰き止めることができる。従って、低粘度シリコン31を逃すことなく電線wの間に浸透させることができる。
さらにまた、低粘度シリコン供給路14の内周面および高粘度シリコン供給路17の内周面を含むハウジング11の全表面にテフロン18をコーティング加工しているため、低粘度シリコン供給路14内や高粘度シリコン供給路17内、また、シリコン吐出口12、15やシリコン供給口13、16の周縁にシリコンが付着することによる目詰まり等を防止でき、メンテナンスの手間を省くことができる。
変形例1では、高粘度シリコン吐出口15の形状を、幅方向両端部を上方に湾曲させた円弧スリット形状としている。
このように、高粘度シリコン吐出口15を、低粘度シリコン吐出口12の下半側を囲むように配置しているため、低粘度シリコン31の幅方向への流れと、幅方向両端からの垂れ落ちを効果的に防止できる。
第二実施形態では、高粘度シリコン32を3箇所の吐出口15−1、15−2、15−3から吐出する構成としている。
これら第一、第二、第三高粘度シリコン吐出口15−1〜15−3は同一高さ位置に設けられ、いずれも同一形状および同一面積の円形穴としている。
また、ハウジング11の全表面にテフロン18のコーティング加工を施している点も第一実施形態と同一である。
本変形例1では、図9(C)に示すように、第一高粘度シリコン吐出口15−1の面積を第二、第三高粘度シリコン吐出口15−2、5−3の面積よりも小さくしている。
第一高粘度シリコン供給路17−1は、図9(B)に示すように、供給口16−1から吐出口15−1にかけて漏斗状として断面積を連続的に縮小させ、第二、第三高粘度シリコン供給路17−2、17−3は、供給路16−2、16−3から吐出口15−2、15−3にかけて拡径させて断面積を連続的に拡大している。
第三実施形態では、第二、第三高粘度シリコン吐出口15−2、15−3を、低粘度シリコン吐出口12と同一高さで、該低粘度シリコン吐出口12より幅方向両側へ所要間隔をあけた位置に形成している。
その他の構成は前記第二実施形態と同一としている。
該変形例1では、第二、第三高粘度シリコン吐出口15−2、15−3を、低粘度シリコン吐出口12よりも上方位置の幅方向両側に形成している。
該変形例2では、第一高粘度シリコン吐出口15−1の面積を、第二、第三高粘度シリコン吐出口15−2、15−3の面積よりも大きくしている。
これにより、第一高粘度シリコン吐出口15−1と、第二、第三シリコン吐出口15−2、15−3との間隔を狭めることができ、高粘度シリコンの未塗布領域が発生することを防止できる。
11 ハウジング
12 低粘度シリコン吐出口
15 高粘度シリコン吐出口
15−1 第一高粘度シリン吐出口
15−2 第二高粘度シリコン吐出口
15−3 第三高粘度シリコン吐出口
16 高粘度シリコン供給口
17 高粘度シリコン供給路
26 止水剤供給管
W/H ワイヤハーネス
w 電線
X 止水区間
S 発泡シート
T テープ
Claims (7)
- 矩形状のハウジングの一面側の幅方向中央部に開口する1つの低粘度シリコン吐出口と、該低粘度シリコン吐出口より下方側に高粘度シリコン吐出口を設け
前記高粘度シリコン吐出口は前記低粘度シリコン吐出口より幅方向の両側に延在する長尺幅とし、かつ、該高粘度シリコン吐出口と高粘度シリコン供給口とを連通する供給路は吐出側に向けて断面積を縮小させ、該高粘度シリコン吐出口の面積は高粘度シリコン供給口の面積より小さくしていることを特徴とする止水剤塗布用のノズル。 - 前記高粘度シリコンの供給路の幅方向の両側では、高粘度シリコン吐出口に向けて傾斜させて広げ、かつ、上下間隔は高粘度シリコン供給口から前記供給路の中間位置まで傾斜させて断面積を連続的に縮小させると共に、該中間位置から高粘度シリコン吐出口までは同一間隔としている請求項1に記載の止水剤塗布用のノズル。
- 前記低粘度シリコン吐出口と低粘度シリコン供給口とを連通する低粘度シリコン供給路の内周面と、前記高粘度シリコン吐出口と前記高粘度シリコン供給口とを連通する高粘度シリコン供給路の内周面とを含む、前記ハウジングの表面をテフロン(登録商標)コーティングしている請求項1または請求項2に記載の止水剤塗布用のノズル。
- 矩形状のハウジングの一面側の幅方向中央部に開口する1つの低粘度シリコン吐出口と、該低粘度シリコン吐出口より下方の幅方向中央部に1つの第一高粘度シリコン吐出口を設け、
前記第一高粘度シリコン吐出口と同一面側の幅方向両側に第二、第三高粘度シリコン吐出口を設け、これら第二、第三高粘度シリコン吐出口は前記第一高粘度シリコン吐出口と同一高さ位置あるいは前記低粘度シリコン吐出口側に設け、該第二、第三高粘度シリコン吐出口から吐出する高粘度シリコンを低粘度シリコンの幅方向流れの堰き止め用として用いる構成としていることを特徴とする止水剤塗布用のノズル。 - 前記第二、第三高粘度シリコン吐出口は同一形状とすると共に、該第二、第三高粘度シリコン吐出口の面積は前記第一高粘度シリコン吐出口の面積と相違させている請求項4に記載の止水剤塗布用のノズル。
- 前記低粘度シリコン吐出口と低粘度シリコン供給口とを連通する低粘度シリコン供給路の内周面と、前記第一、第二、第三高粘度シリコン吐出口と第一、第二、第三高粘度シリコン供給口とを連通する第一、第二、第三高粘度シリコン供給路の内周面とを含む、前記ハウジングの表面をテフロンコーティングしている請求項4または請求項5に記載の止水剤塗布用のノズル。
- 車体パネルの貫通穴へ装着されるグロメットに挿通するワイヤハーネスの電線群を上下方向に並設した状態で、これら電線群の間に止水剤を充填するために下方から上方に移動させ、前記低粘度シリコンを前記電線群に塗布した後に高粘度シリコンを塗布するものである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の止水剤塗布用のノズル。
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