JP5064464B2 - 屋根上作業用装置および屋根上作業方法 - Google Patents

屋根上作業用装置および屋根上作業方法 Download PDF

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Description

本発明は、屋根上での作業時に用いられて作業時の安全性や容易性を確保するための装置およびこの装置を用いた屋根上での作業方法に関する。
従来より、屋根上での作業時には、作業者や各種部品が下方へ落下するのを防止するための落下防止柵あるいは作業者の屋根上での移動を安全かつ容易にするための手すりとして使用される柵状の装置が用いられる。
例えば、特許文献1には、家屋の軒先の軒先端面と地面等の基盤面との間に複数の伸縮部材を突っ張らせて立設し、この伸縮部材の上端に固定された支柱部材間に横桟を架け渡して固定することで屋根の周囲に横桟からなる柵を配置した装置が開示されている。この装置では、屋根上に前記横桟等が配置されていないため、この装置が屋根上での作業の妨げになるのが回避される。
特開平9−235873号公報
前記特許文献1の装置では、屋根と地面等の基盤面との距離が長い場合には、伸縮部材の組み立て作業に手間がかかるとともにコスト面で不利になる。また、屋根の下に前記伸縮部材等の上下方向に延びる部材を複数設けるのが困難な場合には適用困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題に勘案してなされたものであって、簡単な構成で屋根上での作業の安全性を確保できる、また、屋根上での作業を容易に行うことができる装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、屋根の下縁と略平行な方向に並んだ状態で屋根の上面にそれぞれ着脱可能に固定される3個以上の固定部材と、屋根の下縁と略平行な方向に延びて前記固定部材どうしを連結する連結部材とを備え、前記固定部材は、前記屋根の傾斜方向に沿って延びた状態で当該屋根の上面に着脱可能に固定される揺動部材と、当該揺動部材と相対揺動可能に連結される支持部材と、前記揺動部材と前記支持部材との相対揺動を規制する規制手段とを有し、前記規制手段は、屋根の上面に固定された前記揺動部材に対して前記支持部材が当該揺動部材から上方に延びる状態で固定されるように当該揺動部材と支持部材との相対揺動を規制し、前記連結部材は前記各固定部材のうち前記支持部材どうしを連結し、前記複数の固定部材の少なくとも2つの固定部材は、その各揺動部材が屋根の上面に固定され、かつ、その各規制手段が前記揺動部材と支持部材との相対揺動を規制しているとともに前記連結部材によりその各支持部材が他の固定部材の支持部材と連結された状態で、他の固定部材の揺動部材を、この他の固定部材の規制手段の規制が解除された状態において、前記屋根の傾斜方向に沿って延びて当該屋根の上面に固定される位置と当該屋根の上面から離間する位置との間で揺動可能に支持し、前記固定部材は、それぞれ前記連結部材に上下方向に移動可能に連結されていることを特徴とする屋根上作業用装置を提供する。
また、本発明は、屋根の下縁と略平行な方向に並んだ状態で屋根の上面にそれぞれ着脱可能に固定される3個以上の固定部材と、屋根の下縁と略平行な方向に延びて前記固定部材どうしを連結する連結部材とを備え、前記固定部材は、前記屋根の傾斜方向に沿って延びた状態で当該屋根の上面に着脱可能に固定される揺動部材と、当該揺動部材と相対揺動可能に連結される支持部材と、前記揺動部材と前記支持部材との相対揺動を規制する規制手段とを有し、前記規制手段は、屋根の上面に固定された前記揺動部材に対して前記支持部材が当該揺動部材から上方に延びる状態で固定されるように当該揺動部材と支持部材との相対揺動を規制し、前記連結部材は前記各固定部材のうち前記支持部材どうしを連結し、前記複数の固定部材の少なくとも2つの固定部材は、その各揺動部材が屋根の上面に固定され、かつ、その各規制手段が前記揺動部材と支持部材との相対揺動を規制しているとともに前記連結部材によりその各支持部材が他の固定部材の支持部材と連結された状態で、他の固定部材の揺動部材を、この他の固定部材の規制手段の規制が解除された状態において、前記屋根の傾斜方向に沿って延びて当該屋根の上面に固定される位置と当該屋根の上面から離間する位置との間で揺動可能に支持し、前記固定部材は、それぞれ前記連結部材に前記屋根の下縁と略平行な方向に沿って移動可能に連結されていることを特徴とする屋根上作業用装置を提供する。
この装置によれば、屋根の上面に固定された複数の固定部材に屋根の下縁と略平行な方向に延びた状態で連結部材が連結されており、地面等から屋根まで延びる支柱等を設けることなく簡単な構成で作業員等の落下を防止可能な柵あるいは手すりとして利用可能な連結部材を屋根上に配置することができる。
しかも、屋根の上面に固定される前記揺動部材は、この揺動部材に連結された支持部材が前記連結部材を介して他の固定部材と連結されることで屋根の上面との固定が解除された状態でも他の固定部材により屋根上に支持され、この支持状態において屋根の上面に固定される位置と屋根の上面から離間する位置との間で揺動可能であり、この揺動部材が作業の妨げになるのを回避することができる。すなわち、前記揺動部材が固定される部分に対して所定の作業を行う場合には、この揺動部材を前記屋根の上面から離間する位置に揺動させるという簡単な作業で容易にこの揺動部材を作業領域から排除することができ、揺動部材により妨害されることなく容易に作業を行うことができる。
しかも、前記揺動部材を屋根の上面から離間する位置に揺動させた状態で所定の作業を行った後、再度揺動部材を屋根の上面に固定する際に、前記作業に応じて屋根の高さ等の形状が変化していたとしても、揺動部材の位置を屋根の形状変化に合わせて容易に変更することができ、この揺動部材の再固定を容易に行うことができる。
また、本発明において、前記揺動部材は、それぞれ前記屋根の上面に固定された状態で前記屋根の上面から当該屋根の下縁よりも外側に延びる形状を有し、かつ、その揺動中心がこの屋根の下縁よりも外側となるように前記支持部材に連結されているとともに、前記少なくとも2つの他の固定部材により前記屋根の上面に固定される位置と当該屋根の上面から上方に離間する位置との間で上下方向に揺動可能に支持されているのが好ましい。
このようにすれば、揺動部材を上方に揺動させて屋根の上面から離間させた状態において、この揺動部材全体を屋根の上面から上方に所定量離間させることができ、揺動部材が作業を妨害するのをより確実に回避することができる。
また、前記揺動部材は、前記屋根の上面から上方に突出する突起部が挿入可能な被係止孔を有し、当該被係止孔に前記突起部が挿入されて当該被係止孔の内周面と当該突起部とが当接することにより前記屋根の上面に固定されるのが好ましい。
このようにすれば、屋根の上面に設けられた突起部を揺動部材の被係止孔に挿入させるという簡単な操作で、揺動部材ひいては固定部材を屋根の上面に容易に固定することができる。
また、前記屋根の上面に固定される被屋根固定部と、当該被屋根固定部から上方に突出して前記被係止孔に挿入可能な被固定部側突起部とを有する被固定部材を有し、前記揺動部材は、前記被屋根固定部が屋根の上面に固定された前記被固定部材の被固定部側突起部が前記被係止孔に挿入されて当該被係止孔の内周面と前記被固定部側突起部とが当接することにより前記屋根の上面に固定されるのが好ましい。
このようにすれば、屋根の上面に前記被固定部材を固定してこの被固定部材の被固定部側突起部を揺動部材の被係止孔に挿入させるという簡単な操作で揺動部材ひいては固定部材を屋根の上面に固定することができる。
また、本発明において、前記連結部材に固定される小物落下防止部材を有し、前記小物落下防止部材は、前記屋根の下縁と略平行な方向に沿って延びるとともに前記連結部材から下方に延びて前記屋根の下縁を外方から囲む形状を有するシート状のシート部材を有するのが好ましい。
このようにすれば、屋根の上面を転がり屋根の下縁から滑落する工具等を前記シート部材により受け止めることができ、これら工具等の落下を防止することができる。
また、前記屋根上作業用装置を用いて屋根上で所定の作業を行う屋根上作業方法としては、屋根の上面に設定された作業領域に前記複数の固定部材のうちの1つの固定部材を配置しつつ、前記複数の固定部材の各揺動部材を、前記規制手段により前記支持部材との相対揺動が規制された状態で、屋根の上面に固定して前記屋根上作業用装置を屋根の上面に固定する準備工程と、前記作業領域に配置された固定部材において、前記規制手段による前記揺動部材の相対揺動の規制を解除して、この揺動部材を前記屋根の上面から取り外すとともにこの揺動部材を揺動させて前記作業領域における屋根の上面から離間させる揺動部材離間工程と、前記作業領域における屋根の上面に対して所定の作業を行う作業工程と、前記屋根の上面から離間した位置に配置された揺動部材を揺動させて当該揺動部材を前記作業後の前記作業領域における屋根の上面に沿う位置に配置して当該揺動部材を前記作業領域における屋根の上面に固定するとともに前記規制手段により当該揺動部材と前記支持部材との相対揺動を規制する揺動部材再固定工程とを含むのが好ましい。
この方法によれば、揺動部材離間工程にて、屋根の上面に固定された揺動部材を揺動させて屋根の上面から離間させることでこの揺動部材が固定されていた作業領域から揺動部材を排除して、作業工程にて、この作業領域において揺動部材により妨害されることなく容易に作業を行うことができるとともに、揺動部材再固定工程にて、この揺動部材を再び屋根の上面に固定するとともに前記規制手段によりこの揺動部材と支持部材との相対揺動を再び規制することで、支持部材を再びこの屋根の上面に固定される揺動部材により支持することができる。従って、これら工程を順次複数の作業領域に適用することで、揺動部材が配置されている全ての作業領域に対して容易に作業を行うことができる。
この方法において、前記揺動部材再固定工程は、前記作業領域に配置された固定部材を上下あるいは屋根の下縁と略平行な方向に移動させた後、この固定部材の前記揺動部材を屋根の上面に固定する工程を含むのが好ましい。
このようにすれば、前記揺動部材を屋根の上面から離間する位置に揺動させた状態で所定の作業を行った後、再度揺動部材を屋根の上面に固定する際に、前記作業に応じて屋根の高さ等の形状が変化した場合であっても、揺動部材の位置を屋根の形状変化に合わせて容易に変更することができ、この揺動部材の再固定を容易に行うことができる。
前記方法において、前記作業工程で実施される作業としては、例えば、屋根の葺き替え作業が挙げられ、この葺き替え作業を行う場合には、前記揺動部材再固定工程は、葺き替え後の新たな屋根の上面に前記揺動部材を固定する工程を含む。
以上説明したように、本発明によれば、屋根上に容易に設置可能であるとともに作業者等の転落等を防止しつつ屋根の葺き替え等の所定の作業を容易に行うことができる。
本発明の屋根上作業用装置が屋根に取り付けられた状態の概略斜視図である。 本発明の屋根上作業用装置が屋根に取り付けられた状態の概略斜視図である。 図2の側面図である。 揺動部材の固定構造を説明するための概略断面図である。 図2の部分拡大図である。 シート取り付け金具の概略側面図である。 図5に対して、揺動部材が離間位置に揺動した状態を示す図である。 図7に対して、作業領域の屋根を取り外した状態を示す図である。 本発明の他の実施形態における屋根上作業用装置が適用される屋根の概略斜視図である。 ジョイント金具の構成を示す概略斜視図である。 図9の概略断面図である。 本発明の他の実施形態に係る揺動部材固定工程を説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係るジョイント金具の構成を示す概略上面図である。 図13の概略側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2は、本発明に係る屋根上作業用装置10が所定の屋根1の上面2に固定された状態を示す概略斜視図である。ここでは、屋根材として、図4に示すように、屋根の傾斜方向と直交する方向すなわち屋根1の下縁1cと平行な方向に凸部1aと凹部1bとが交互に現れるスレート波板が用いられたスレート波板葺き屋根1に、この屋根上作業用装置10が適用された場合について説明する。このスレート波板葺き屋根1は、通常、ボルト(突起部、以下、屋根取り付けボルトという)4とナット5とにより屋根1の下方に配置されたもや3に固定されている。具体的には、屋根1の表裏を貫通する貫通孔にこの屋根取り付けボルト4が挿通されており、この屋根取り付けボルト4の下部がもや3に引っ掛けられるとともにこの屋根取り付けボルト4のうち屋根1から上方に突出した部分にナット(以下屋根取り付けナットという)5が締結されることで、屋根1がもや3に固定されている。この状態において、屋根取り付けボルト4は屋根取り付けナット5よりも上方に突出している。これら屋根取り付けボルト4は、もや3に沿って屋根1の下縁1cと略平行な方向に複数の位置で取り付けられているとともに、傾斜方向に並ぶ複数のもや3に取り付けられており、これら複数の位置で屋根1の上面から上方に突出している。
前記屋根上作業用装置10は、複数のスタンション(固定部材)20と、上側連結部材32(連結部材)および下側連結部材(連結部材)34と、小物落下防止部材40と、ネット50とを有している。図1では、前記スタンション20が3つ設けられている図を示しているが、スタンション20の数は3つ以上であればよい。
前記スタンション20は、揺動部材22と、支持部材24と、規制手段26とをそれぞれ有している。
前記揺動部材22は、屋根1の上面2に着脱可能に固定されるものである。この揺動部材22は、所定の方向に延びるパイプ部材からなる揺動部材本体22aと、この揺動部材本体22aの一方端に設けられて揺動部材本体22aの表側面から上方に突出する連結部22bと、この連結部22bから他方端側に離間した位置に設けられてこの揺動部材本体22aの表面から上方に突出する揺動部材側固定ブラケット22cとを有している。この揺動部材22は、前記連結部22bが下端となるように屋根1の上面2に固定される。
前記揺動部材本体22aは、図4に示すように、屋根1の凸部1aに沿うようにこの凸部1aと同等の曲率に設定された円弧状の断面を有しており、この屋根1の凸部1aの表側面を覆い屋根1の傾斜方向に沿って延びた状態で屋根1の上面2に配置される。この揺動部材本体22aには、その長手方向にほぼ等間隔に、その表裏を貫通する複数の被係止孔22dがそれぞれ形成されている。本実施形態では、各揺動部材22にそれぞれ3つの被係止孔22dが形成されている。これら被係止孔22dは、前記屋根取り付けボルト4が挿通可能な大きさを有しており、この揺動部材本体22aは、前記被係止孔22dに屋根取り付けボルト4が挿通されて被係止孔22dの内周面と屋根取り付けボルト4とが当接することで屋根1の上面2に固定される。すなわち、前記被係止孔22dの内周面と屋根取り付けボルト4とが当接することで揺動部材22がその自重で屋根1の傾斜方向に沿って滑落するのが回避され、この揺動部材本体22aひいては揺動部材22さらにはスタンション20が屋根1の上面2に固定される。一方、この揺動部材本体22aを上方に移動させ、前記被係止孔22dから屋根取り付けボルト4を引き抜くことで、揺動部材22は屋根1の上面2から容易に取り外される。
図3に示すように、前記揺動部材本体22aの長さおよび前記被係止孔22dの位置は、被係止孔22dと屋根取り付けボルト4が当接して揺動部材本体22aが屋根1の上面2に固定された状態において、揺動部材本体22aが屋根1の上面から屋根1の下縁1cよりも外側に延びるように設定されている。
前記連結部22bは前記支持部材24が連結される部分であり、この連結部22bにはその表裏を貫通する貫通孔が形成されている。前記揺動部材側固定ブラケット22cは前記規制手段26が固定される部分であり、この揺動部材側固定ブラケット22cにはその表裏を貫通する貫通孔が形成されている。
前記支持部材24は、軸方向に延びる円筒状のパイプ部材からなる支持部材本体24aと、この支持部材本体24aの長手方向略中間部分に設けられてこの支持部材本体24aの表面から外方に突出する支持部材側固定ブラケット24cとを有している。前記支持部材本体24aひいては支持部材24は、前記揺動部材22に揺動可能に連結されている。具体的には、この支持部材24の一方端に形成された貫通孔と揺動部材22の前記連結部22bの貫通孔とに共通の連結ボルト27が挿通、固定されており、この連結ボルト27により支持部材24および揺動部材22はこのボルト27を揺動中心として相対揺動可能に連結されている。
前記支持部材側固定ブラケット24cは前記規制手段26が固定される部分であり、この支持部材側固定ブラケット24cにはその表裏を貫通する貫通孔が形成されている。
前記規制手段26は、前記揺動部材22と前記支持部材24との相対揺動を規制するものである。この規制手段26は、前記揺動部材側固定ブラケット22cと支持部材側固定ブラケット24cとに、これらブラケット22c,24c間にわたって延びた状態でそれぞれ固定されており、揺動部材22と支持部材24との相対移動を規制してこれらを所定の角度で固定している。この規制により、前記支持部材24は、前記揺動部材22が屋根1の上面2に固定された状態において、この揺動部材22に対して、鉛直方向上方に延びた状態で固定される。本実施形態では、この規制手段26として、図5に示すように、2本のねじ部材26a、26aとこれらねじ部材26a,26aと螺合するナット部26bとを有するいわゆるターンバックルを用いており、ねじ部材26a、26aとナット部26bとの螺合位置の調整により前記揺動部材22と支持部材24との角度が調整可能となっている。このように揺動部材22と支持部材24の角度が調整可能であることにより、屋根の種々の傾斜角度に対応することができ、前記支持部材24は、屋根1の傾斜角度によらず屋根1の傾斜方向に沿って固定された揺動部材22に対して鉛直方向上方に延びた状態で固定される。
前記規制手段すなわちターンバックル26は、前記支持部材24に着脱可能に固定されている。従って、このターンバックル26が支持部材24に固定された状態において揺動部材22と支持部材24とは前述のように相対揺動不能となる一方、このターンバックル26が支持部材24から取り外されることで揺動部材22と支持部材24とは相対揺動可能となる。具体的には、前記ターンバックル26の一方端に設けられたブラケットに形成された貫通孔と前記支持部材側固定ブラケット24cに形成された貫通孔とに共通のジョイントピン28が差し込まれることで、ターンバックル26は前記支持部材24に固定される一方、このジョイントピン28が引き抜かれることでターンバックル26と支持部材24との固定が解除される。
また、前記ターンバックル26は、前記揺動部材22に対して揺動可能に固定されている。具体的には、前記ターンバックル26の他方端に設けられたブラケットに形成された貫通孔と前記揺動部材側固定ブラケット22cに形成された貫通孔とに共通のボルト29が挿通、固定されており、このボルト29によりターンバックル26はこのボルト29を揺動中心として揺動可能に前記揺動部材22に固定されている。
以上のように構成された各スタンション20は、屋根1の上面2に屋根1の傾斜方向と直交し屋根1の下縁1cと平行な方向に沿って等間隔に固定される。
前記上側連結部材32および下側連結部材34は、軸方向に沿って延びる円筒状のパイプ部材である。これら連結部材32,34は、屋根1の下縁1cに沿って水平方向に延びて屋根1の上面2に固定された各スタンション20の支持部材24どうしをそれぞれ連結する。上側連結部材32は、屋根1の上面2において上下方向に延びた状態で固定されている各支持部材26の上端付近どうしを連結する。一方、下側連結部材34は、前記上下方向に延びた状態で固定されている各支持部材26の下端付近どうしを連結する。これら連結部材32,34により支持部材30どうしが連結されることで、各スタンション20は互いに一体に固定される。前記連結部材30,32のうち特に上側連結部材32は、支持部材24の上端付近であって屋根1の上面2から所定距離上方の位置において屋根1の下縁1cと平行な方向に沿って延びており、作業員等の転落を防止する柵として機能する。
前記各支持部材26は、前記連結部材32,34に対して上下方向および水平方向に移動可能に連結されている。本実施形態では、2本のパイプに各パイプを抱き込んだ状態で締結されることによりこれらパイプどうしを結合するいわゆるクランプ(直交クランプあるいは自在クランプ)33を用いて各連結部材32,34と支持部材26とを連結しており、このクランプ33の締結を緩めることで、連結部材32,34に対して各支持部材26は連結部材32,34に沿って上下方向および水平方向に容易に移動可能となる。
前記小物落下防止部材40は、主にねじや工具等が屋根1の上面2を滑り屋根1から下方に落下するのを防止するためのものである。この落下物防止部材40は、前記ねじ等のような比較的小さい部品が通過できないような十分に目の細かいシート(シート部材)44と複数のシート取り付け金具42とを有している。本実施形態では、シート44として、いわゆる養生シートを用いている。このシート44は、所定の方向に延びるシート本体44aと、シート本体44aの幅方向両縁に固定された取り付け紐44bとを有している。
前記シート取り付け金具42は、前記シート44を前記連結部材32に固定するためのものである。このシート取り付け金具42は、図6に示すように、所定の方向に延びた後垂直に折れ曲がるL字型の棒状部材からなる。このネット取り付け金具42の両端には、前記シート44の取り付け紐44bが固定される環状のシート取り付け部42aが設けられている。これらシート取り付け部42aに前記取り付け紐44bが括りつけられることで、シート44はシート取り付け金具42に固定される。
このネット取り付け金具42の一方端には、前記下側連結部材34に締結される締結部42bが設けられている。この締結部42bが下側連結部材34に締結されることで、シート取り付け金具42およびシート44は下側連結部材34に固定される。具体的には、シート取り付け金具42は、前記下側連結部材34から下方に延びた後屋根1側に折れ曲がるような姿勢で下側連結部材34に固定される。また、各シート取り付け金具42は、下側連結部材34にこの下側連結部材34の軸方向に沿って互いに離間した位置にそれぞれ固定される。これにより、シート44は、下側連結部材34から下方に延びた後屋根1側に折れ曲がった状態で、かつ、下側連結部材34の軸方向すなわち屋根1の下縁1cに沿う方向に延びた状態で張設される。ここで、下側連結部材34が前記支持部材24に連結される連結位置およびシート取り付け金具42の長さは、この下側連結部材34に固定されたシート取り付け金具42が屋根1の下縁1cの外側(屋根と反対側)においてこの下縁1cよりも下方に延びた後、側面視で屋根1の下縁1cよりも内側(屋根側)まで延びるように設定されており、図3に示すように、シート44は屋根1の下縁1cを外方から囲むように広がり、屋根1の上面2を滑落した部品等を受け止める。
前記ネット50は、前記上側連結部材32とともに作業員等の落下を防止するためのものである。このネット50は、前記シート44よりも目が粗い一方シート44よりも変形が容易であり、作業員等の荷重が加えられても破損することなく作業員等を確実に受け止めれるように構成されている。このネット50は、所定の方向に延びるネット本体52と、ネット本体52の外縁に取り付けられた取り付け紐54とを有しており、取り付け紐54が前記連結部材32,34および前記支持部材24にそれぞれ括りつけられることで、連結部材32,34間および支持部材24間にわたって張設される。
以上のように構成された屋根上作業用装置10を用いて、屋根上で所定の作業を実施する手順すなわち作業方法を次に説明する。ここでは、屋根の葺き替え作業を行う場合について説明する。この方法は以下の工程を含んでいる。
1)準備工程
この工程は、前記屋根上作業用装置10を屋根1の上面2に設置する工程である。
この工程では、まず、各スタンション20の揺動部材22の各被係止孔22dにそれぞれ屋根取り付けボルト4を挿入して、3つのスタンション20を屋根1の上面2に屋根1の下縁1cと平行に等間隔に固定する。本実施形態では、その後、前記被係止孔22dにそれぞれ挿入された屋根取り付けボルト4のうち揺動部材22よりも上方に突出している部分に、抜け止め用ナット82を螺合する。この抜け止め用ナット82はその外径が前記被係止孔22dの孔径より大きく設定されており、この抜け止め用ナット82の螺合により揺動部材22が上方に抜けるのが防止される。この状態において、揺動部材22の下端の連結部22bひいては揺動部材22の揺動中心である連結ボルト27は屋根1の下縁1cよりも外側に位置している。
次に、前記ターンバックル26のナット部26bを回転操作して、前記支持部材24が揺動部材22から鉛直方向上方に延びるように支持部材24と揺動部材22との角度を調整する。この角度調整は、前記揺動部材22を屋根1に固定する前に予め行っておいてもよい。
次に、クランプ33を用いて前記上側連結部材32および下側連結部材34を各スタンション20の支持部材24に固定して、これら支持部材24どうしを連結する。
次に、前記ネット50の取り付け紐54を上側連結部材32と下側連結部材34および支持部材24に括りつけて、上側連結部材32と下側連結部材34との間および支持部材24間にネット本体52を張設する。また、下側連結部材34にその軸方向に沿って前記シート44が予め括りつけられた複数の前記シート取り付け金具42を取り付けていき、シート44を、下側連結部材34から下方に延びた後屋根1側に延びるとともに屋根1の下縁1cに沿って広がり屋根1の下縁1cを外側から囲むように張設する。
以上のようにして、屋根1の下縁1cに沿って連結部材32,34が延びるとともにネット本体52及びシート44が延びて、これらにより作業員および各種部品の屋根から下方への落下を防止可能な落下防止構造が屋根1上に構築され、屋根1上での作業の安全性が確保される。
2)揺動部材離間工程
この工程は、屋根1のうち張り替え対象領域A(作業領域)に配置されたスタンション20の揺動部材22をこの張り替え対象領域Aにおける屋根1の上面2から排除する工程である。
この工程では、まず、前記張り替え対象領域Aに配置されたスタンション20の揺動部材22の被係止孔22dに挿入された前記屋根取り付けボルト4に螺合している抜け止め用ナット82を取り外す。そして、前記ターンバックル26と支持部材側固定部ラケット24cひいては支持部材24とを連結しているジョイントピン28を引き抜き、ターンバックル26と支持部材24との連結を解除してターンバックル26による揺動部材22と支持部材24との相対揺動の規制を解除する。
このとき、このターンバックル26による相対揺動の規制が解除されることで、前記支持部材22はターンバックル26による揺動部材22に対する支持を失う。しかしながら、この支持部材22は前記上側連結部材32および下側連結部材34により他の支持部材22ひいては他のスタンション20に連結されており、これら屋根1の上面2に固定されているスタンション20により支持されることで、ターンバックル26の連結解除前の姿勢に維持される。ここで、このターンバックル26の連結が解除された支持部材22を連結解除前の姿勢で安定して支持するためには少なくとも2つのスタンション20によってこの支持部材22を支持する必要がある。そのため、スタンション20は前述のように3つ以上配置する必要がある。本実施形態では、スタンション20を3つ設けており、2つのスタンション20により他の1つのスタンション20の支持部材22が安定して支持される。
その後、前記揺動部材22の各被係止孔22dから屋根取り付けボルト4を引き抜きつつ揺動部材22を上方に揺動させ、図7に示すように、揺動部材22を屋根1の上面2から離間した位置に移動させる。そして、揺動部材22をこの離間位置にて固定する。例えば、揺動部材本体22を番線84により支持部材22に括りつけることで固定する。このとき、揺動部材側固定ブラケット22cとターンバックル26とに固定された前記ボルト29を中心としてターンバックル26を揺動部材22側に揺動させてこの揺動部材22に沿う状態としておけば、ターンバックル26が揺動部材22の揺動を妨げることなく容易にこの揺動を行うことができる。
前述のように、揺動部材22の揺動中心である連結ボルト27は屋根1の下縁1cよりも外側に配置されている。そのため、揺動部材22は、前記離間位置においてその全体が屋根1の上面2と接触することなく屋根1の上面2から十分上方に位置する。
このようにして、この揺動部材離間工程では、揺動部材22を屋根1の上面2から上方に離間させ、張り替え対象領域Aの外側に移動させる。
3)葺き替え作業工程(作業工程)
この工程は、前記揺動部材22が取り除かれた張り替え対象領域Aに対して屋根の葺き替えを行う工程である。
この工程では、まず、図8に示すように、古い屋根1を取り外す。具体的には、前記屋根取り付けボルト4に締結されている前記屋根取り付けナット5を取り外し、屋根取り付けボルト4とともに屋根1をもや3から取り外す。ここで、屋根1を取り外す場合、屋根1を上方向に所定量持ち上げる必要がある。これに対して、前述のように、揺動部材22は屋根1の上面から上方に十分な距離離間しており、容易に屋根1を取り外すことができる。
次に、屋根1が取り除かれたに張り替え対象領域Aに新たな屋根1を取り付ける。具体的には、新たな屋根取り付けボルト4と屋根取り付けナット5とを用いて、この屋根取り付けボルト4が新たな屋根1の上面2から上方に突出した状態で新たな屋根1をもや3に固定する。
4)揺動部材固定工程
この工程は、前記葺き替え作業が終了した張り替え対象領域Aにおいて、前記揺動部材22を新たな屋根1に固定する工程である。
この工程では、前記番線84を解いて前記離間位置に揺動されていたすなわち跳ね上げられていた揺動部材22を下方に揺動させ、屋根1の上面2に当接させる。そして、揺動部材22の被係止孔22dに新たな屋根1の上面2から上方に突出する新たな屋根取り付けボルト4を挿通し、この屋根取り付けボルト4と被係止孔22dの内周面とを当接させて、揺動部材22を屋根1の上面2に固定する。
その後、揺動部材22の上方への抜けを防止するべく、抜け止め用ナット82を屋根取り付けボルト4のうちの揺動部材22から上方に突出している部分に締結する。そして、前記ターンバックル26と前記支持部材側固定ブラケット24cとにジョイントピン28を取り付けターンバックル26と支持部材24とを連結して支持部材24と揺動部材22との相対揺動を規制する。これにより、支持部材24は揺動部材22に支持される。
以上の揺動部材離間工程、作業工程および揺動部材固定工程を順次、他の作業領域に対しても行っていき、屋根1の例えば全体を葺き替える。すなわち、葺き替えが終了した領域と異なる作業領域、例えば、葺き替えが終了した領域と隣接する未作業の作業領域において、この未作業の作業領域に配置されたスタンション20の揺動部材22を前記離間位置に跳ね上げて作業領域から排除した後、屋根の葺き替え作業を実施し、この葺き替え作業後の新たな屋根に揺動部材22を固定するという工程を順次行っていく。
以上のように、本屋根上作業用装置10によれば、屋根上作業用装置10全体が屋根1上に固定されており、地上から支柱等を立設することなく作業員等の落下を防止可能な落下防止構造を屋根1上に実現することができるととともに、この落下防止構造を維持しつつ揺動部材22を揺動させるすなわち跳ね上げるという簡単な作業でこの揺動部材22ひいては屋根上作業用装置10が屋根1上での作業を妨害するのを回避することができる。
次に、本発明の第2の実施形態にかかる屋根上作業用装置について説明する。屋根に用いられる屋根材の種類によっては、前記のように屋根1の上面2から上方に屋根取り付けボルト4が突出しない場合がある。例えば、図9に示すように、屋根材として金属板111が用いられて瓦棒葺きが行われた場合には、金属板111ともや3とが吊子(不図示)により固定されこの吊子が配置された金属板111,111の継ぎ目がキャップ112で覆われており、屋根1の上面2にはボルト等が突出しない。本第2の実施形態にかかる屋根上作業用装置10は、このような場合に対応したものであって、前記スタンション20、連結部材30、ネット50および落下物防止部40に加えて、図10および図11に示すような、ジョイント金具(被固定部材)70を有している。前記キャップ112は、屋根1の傾斜方向に沿って延びて前記継ぎ目の上方を覆う上壁112aと、この上壁112aの幅方向両縁すなわち屋根1の傾斜方向と垂直な方向の両縁から下方に延びる側壁112b,112bとを有している。
前記ジョイント金具70は、屋根1に取り付けられた状態でこの屋根1の傾斜方向に延びる形状を有し、一対のキャップ固定部材(被屋根固定部)72,72と、ボルト板74とを有している。
前記キャップ固定部材72,72の下端には前記キャップ112に圧接される圧接部72a,72aがそれぞれ設けられている。この圧接部72aは、略コ字状の断面を有しており、2つの圧接部72a,72aが対向した状態で前記キャップ112がこれら圧接部72a,72aにより囲まれるような形状を有している。これら圧接部72a,72aの各上端にはそれぞれ上方に延びる立壁72b,72bが設けられており、これら立壁72b,72bにはその表裏を貫通するボルト孔72cがそれぞれ形成されている。本実施形態では各立壁72bに2つのボルト孔72c,72cがそれぞれ形成されている。これら立壁72bの上端には屋根1の上面2と平行に延びる上壁72d,72dがそれぞれ設けられている。
前記ボルト板74は、板状のプレート部74aと、このプレート部74aの上縁の略中央に設けられてこのプレート部74aから上方に突出するジョイントボルト(被固定部側突起部)74bとを有している。このジョイントボルト74bは、前記屋根取り付けボルト4のうち屋根1の上面から突出する部分と同じ形状を有している。
以上のように構成されたジョイント金具70は、前記ジョイントボルト74bが前記上壁72d,72dから上方に突出するように前記キャップ固定部材72,72の立壁72b,72b間に前記ボルト板74のプレート部74aが挟み込まれるとともに前記圧接部72a,72aが前記キャップ112を囲んだ状態で、前記ボルト孔72cに挿通されたボルト86にナット88が締結されることにより前記圧接部72a,72aが前記キャップ112に圧接され、この圧接によりキャップ112に固定される。この状態において、前記ジョイントボルト74bは屋根1の上面2から上方に突出しており、前記屋根取り付けボルト4に対応する突起部が屋根1の上面2に構築される。そして、前記揺動部材22は、前記被係止孔22d内にこのジョイントボルト74bが挿入されることで、屋根1の上面2に固定可能となる。前記被係止孔22d内にジョイントボルト74bが挿入された状態において、揺動部材22の揺動部材本体22aは、前記上壁72dに当接しこの上壁72dにより安定して支持される。
次に、このジョイント金具70を用いて、屋根上作業を実施する方法を説明する。ここでは、屋根の葺き替え作業を行う場合であって、前記スレート波板で構成され前記屋根取り付けボルト4が屋根1の上面2から上方に突出している屋根1を前記金属板111で構成された屋根1に葺き替える場合について説明する。
まず、前記第1の実施形態と同様に屋根上作業用装置10を屋根1の上面2に設置する準備工程を実施する。すなわち、各スタンション20の揺動部材22の各被係止孔22dにそれぞれ屋根取り付けボルト4を挿入するとともに、この屋根取り付けボルト4に抜け止め用ナット82を螺合し、揺動部材22を屋根1の上面に固定する。そして、前記連結部材30、ネット50および小物落下防止部材40を取り付ける。
次に、前記第1の実施形態と同様に揺動部材離間工程を実施し、揺動部材22を前記離間位置に跳ね上げて張り替え対象領域から排除する。
次に、屋根1の上面2に対して屋根の葺き替えを行う葺き替え作業工程を実施する。本第2の実施形態では、前記第1の実施形態と異なり、新たな屋根として前記金属板を用い、もや3に吊子を用いて金属板111を固定するとともに金属板の継ぎ目にキャップ112を取り付ける。
次に、揺動部材22を新たな屋根1に固定する揺動部材固定工程を実施する。本第2の実施形態では、前記第1の実施形態と異なり、揺動部材22を屋根1の上面2側に戻す前に、前記キャップ112に複数の前記ジョイント金具70を取り付ける。具体的には、前記ジョイントボルト74bが屋根1の上方に突出するように前記ボルト板74を前記立壁72b,72b間には挟み込んだ状態で前記キャップ固定部材72,72の圧接部72a,72aをキャップ112に圧接してジョイント金具70をキャップ112に固定する。このとき、揺動部材22の各被係止孔22dが挿入されていた屋根取り付け金具4が固定されていたもや3付近にジョイント金具70をそれぞれ固定する。
その後、図12に示すように、前記離間位置に跳ね上げられていた揺動部材22を下方に揺動させ、揺動部材22をジョイント金具70のキャップ固定部材72の上壁72dに当接させつつ各被係止孔22dに前記ジョイントボルト74bをそれぞれ挿通する。ここで、葺き替え前後において屋根材が変化したことに伴い屋根取り付けボルト4の位置とジョイントボルト74bの位置が異なる場合がある。この場合には、前記クランプ33の締結を緩め、スタンション20を屋根1の下縁1cと平行な方向あるいは上下方向に移動させて(例えば、図11の破線で示す位置から実線で示す位置に移動させて)、揺動部材22の被係止孔22dにジョイントボルト74bが挿通可能となる位置に調整し、揺動部材22を屋根1の上面に固定する。その後、抜け止め用ナット82をジョイントボルト74bに締結する。
これら揺動部材離間工程、作業工程および揺動部材固定工程を順次、他の作業領域に対しても行っていき、屋根1の例えば全体を金属板111からなる屋根1に葺き替える。
以上のように、本第2の実施形態に係る屋根上作業用装置10によれば、ジョイント金具70を用いることで、屋根取り付けボルト4が屋根1の上面2から上方に突出していない場合であっても、揺動部材22ひいては屋根上作業用装置10を屋根1の上面2に固定することができ、屋根材の種類によらず多様な形態の屋根に対応することができる。特に、前記ジョイントボルト74bが屋根取り付けボルト4と同様の形状を有しており、屋根取り付けボルト4を有する屋根に使用される揺動部材22とジョイント金具70を用いる必要のある屋根に使用される揺動部材22とを共通化することができ、前述のように、屋根取り付けボルト4を有する屋根と有しない屋根との葺き替えを行う場合にも、前記揺動部材22を揺動させるという簡単な作業で、揺動部材22によって作業が妨害されるのを回避しつつ屋根の葺き替えを広範囲にわたって行うことができる。
ここで、前記スタンション20の各部材の材質や寸法等については特に限定されないが、例えば、前記固定部材22として直径89.1mmの鋼管を1/3にカットした長さ3mのものを用い、支持部材24および連結部材32,34として単管パイプ(JIS G3444 一般構造用炭素鋼管)を用いた場合には、柵として機能する上側連結部材32に80kg程度の荷重を約10km/hの速度で衝突させてもこの上側連結部材32の変形、損傷が生じないことがわかっており、これらの材質および寸法を用いるのが好ましい。また、上側連結部材32の高さを作業員等の転落を防止するのに好ましい90cm以上とするべく前記支持部材24の長さを110cmとするのが好ましい。また、スタンション20間の距離を3mとすれば所定の揺動部材22を屋根1から取り外した状態においても残りの2つのスタンション20によりこの揺動部材に連結されている支持部材24および連結部材32,34をより確実に安定して支持することができることがわかっており、前記距離を3m以下とするのが好ましい。
また、前記スタンション20の数や連結部材の数は前記に限らない。例えば、上側連結部材32と下側連結部材34との間にさらに連結部材を追加してもよい。
また、前記上側連結部材30で全ての支持部材30を連結する必要はなく、複数本の連結部材30を用いて支持部材30を互いに連結してもよい。同様に、下側連結部材32として複数本の連結部材32を用い、支持部材30の下端どうしを複数の下側連結部材32で連結してもよい。
また、屋根1の一部について作業を行う場合には、揺動部材20の下端が屋根1の下縁1cよりも屋根側になるように配置してもよい。
また、前記揺動部材22と支持部材24との相対揺動を規制するための具体的手段は前記ターンバックル26に限らない。ただし、ターンバックル26を用いれば、簡単な構造で揺動部材22と支持部材24との相対揺動を規制および解除することができるとともにこれら揺動部材22と支持部材24の角度を容易に調整することができる。
また、前記支持部材24と前記連結部材32,34とを連結するための手段は前記クランプに限らない。
また、前記準備工程における屋根上作業用装置10を屋根1に設置する具体的手順は前記に限らない。例えば、複数のスタンション20に連結部材30,32を予め連結したものを屋根1の上面2に設置してもよい。
また、前記小物落下防止部材40は省略可能である。ただし、この小物落下防止部材40を設け、前記シート44を屋根1の下縁1cを囲むように張設すれば、ボルトやナットといった小物が屋根1から転落するのを防止することができる。
また、前記屋根上作業用装置10の利用方法は、作業者等の落下を防止するための落下防止構造物としての利用に限らず、例えば手すり等として利用してもよい。
1 屋根
4 屋根取り付けボルト(突起部)
10 屋根上作業用装置
20 スタンション(固定部材)
22 揺動部材
22d 被係止孔
24 支持部材
26 ターンバックル(規制手段)
32 上側連結部材(連結部材)
34 下側連結部材(連結部材)
40 小物落下防止部材
42 シート取り付け金具
44 シート(シート部材)
50 ネット
70 ジョイント金具(被固定部材)
72 キャップ固定部材(被屋根固定部)
74b ジョイントボルト(被固定部側突起部)

Claims (9)

  1. 屋根の下縁と略平行な方向に並んだ状態で屋根の上面にそれぞれ着脱可能に固定される3個以上の固定部材と、
    屋根の下縁と略平行な方向に延びて前記固定部材どうしを連結する連結部材とを備え、
    前記固定部材は、前記屋根の傾斜方向に沿って延びた状態で当該屋根の上面に着脱可能に固定される揺動部材と、当該揺動部材と相対揺動可能に連結される支持部材と、前記揺動部材と前記支持部材との相対揺動を規制する規制手段とを有し、
    前記規制手段は、屋根の上面に固定された前記揺動部材に対して前記支持部材が当該揺動部材から上方に延びる状態で固定されるように当該揺動部材と支持部材との相対揺動を規制し、
    前記連結部材は前記各固定部材のうち前記支持部材どうしを連結し、
    前記複数の固定部材の少なくとも2つの固定部材は、その各揺動部材が屋根の上面に固定され、かつ、その各規制手段が前記揺動部材と支持部材との相対揺動を規制しているとともに前記連結部材によりその各支持部材が他の固定部材の支持部材と連結された状態で、他の固定部材の揺動部材を、この他の固定部材の規制手段の規制が解除された状態において、前記屋根の傾斜方向に沿って延びて当該屋根の上面に固定される位置と当該屋根の上面から離間する位置との間で揺動可能に支持し、
    前記固定部材は、それぞれ前記連結部材に上下方向に移動可能に連結されていることを特徴とする屋根上作業用装置。
  2. 屋根の下縁と略平行な方向に並んだ状態で屋根の上面にそれぞれ着脱可能に固定される3個以上の固定部材と、
    屋根の下縁と略平行な方向に延びて前記固定部材どうしを連結する連結部材とを備え、
    前記固定部材は、前記屋根の傾斜方向に沿って延びた状態で当該屋根の上面に着脱可能に固定される揺動部材と、当該揺動部材と相対揺動可能に連結される支持部材と、前記揺動部材と前記支持部材との相対揺動を規制する規制手段とを有し、
    前記規制手段は、屋根の上面に固定された前記揺動部材に対して前記支持部材が当該揺動部材から上方に延びる状態で固定されるように当該揺動部材と支持部材との相対揺動を規制し、
    前記連結部材は前記各固定部材のうち前記支持部材どうしを連結し、
    前記複数の固定部材の少なくとも2つの固定部材は、その各揺動部材が屋根の上面に固定され、かつ、その各規制手段が前記揺動部材と支持部材との相対揺動を規制しているとともに前記連結部材によりその各支持部材が他の固定部材の支持部材と連結された状態で、他の固定部材の揺動部材を、この他の固定部材の規制手段の規制が解除された状態において、前記屋根の傾斜方向に沿って延びて当該屋根の上面に固定される位置と当該屋根の上面から離間する位置との間で揺動可能に支持し、
    前記固定部材は、それぞれ前記連結部材に前記屋根の下縁と略平行な方向に沿って移動可能に連結されていることを特徴とする屋根上作業用装置。
  3. 請求項1または2に記載の屋根上作業用装置であって、
    前記揺動部材は、それぞれ前記屋根の上面に固定された状態で前記屋根の上面から当該屋根の下縁よりも外側に延びる形状を有し、かつ、その揺動中心がこの屋根の下縁よりも外側となるように前記支持部材に連結されているとともに、前記少なくとも2つの他の固定部材により前記屋根の上面に固定される位置と当該屋根の上面から上方に離間する位置との間で上下方向に揺動可能に支持されていることを特徴とする屋根上作業用装置。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の屋根上作業用装置であって、
    前記揺動部材は、前記屋根の上面から上方に突出する突起部が挿入可能な被係止孔を有し、当該被係止孔に前記突起部が挿入されて当該被係止孔の内周面と当該突起部とが当接することにより前記屋根の上面に固定されることを特徴とする屋根上作業用装置。
  5. 請求項に記載の屋根上作業用装置であって、
    前記屋根の上面に固定される被屋根固定部と、当該被屋根固定部から上方に突出して前記被係止孔に挿入可能な被固定部側突起部とを有する被固定部材を有し、
    前記揺動部材は、前記被屋根固定部が屋根の上面に固定された前記被固定部材の被固定部側突起部が前記被係止孔に挿入されて当該被係止孔の内周面と前記被固定部側突起部とが当接することにより前記屋根の上面に固定されることを特徴とする屋根上作業用装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の屋根上作業用装置であって、
    前記連結部材に固定される小物落下防止部材を有し、
    前記小物落下防止部材は、前記屋根の下縁と略平行な方向に沿って延びるとともに前記連結部材から下方に延びて前記屋根の下縁を外方から囲む形状を有するシート状のシート部材を有することを特徴とする屋根上作業用装置。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の屋根上作業用装置を用いて屋根上で所定の作業を行う屋根上作業方法であって、
    屋根の上面に設定された作業領域に前記複数の固定部材のうちの1つの固定部材を配置しつつ、前記複数の固定部材の各揺動部材を、前記規制手段により前記支持部材との相対揺動が規制された状態で、屋根の上面に固定して前記屋根上作業用装置を屋根の上面に固定する準備工程と、
    前記作業領域に配置された固定部材の前記揺動部材の前記規制手段による相対揺動の規制を解除して、この揺動部材を前記屋根の上面から取り外すとともにこの揺動部材を揺動させて前記作業領域における屋根の上面から離間させる揺動部材離間工程と、
    前記作業領域における屋根の上面に対して所定の作業を行う作業工程と、
    前記屋根の上面から離間した位置に配置された揺動部材を揺動させて当該揺動部材を前記作業後の前記作業領域における屋根の上面に沿う位置に配置して当該揺動部材を前記作業領域における屋根の上面に固定するとともに前記規制手段により当該揺動部材と前記支持部材との相対揺動を規制する揺動部材再固定工程とを含むことを特徴とする屋根上作業方法。
  8. 請求項に記載の屋根上作業方法であって、
    前記揺動部材再固定工程は、前記作業領域に配置された固定部材を上下あるいは屋根の下縁と略平行な方向に移動させた後、この固定部材の前記揺動部材を屋根の上面に固定する工程を含むことを特徴とする屋根上作業方法。
  9. 請求項またはに記載の屋根上作業方法であって、
    前記作業工程は、前記屋根の葺き替え作業を行う工程を含み、
    前記揺動部材再固定工程は、葺き替え後の新たな屋根の上面に前記揺動部材を固定する工程を含むことを特徴とする屋根上作業方法。
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