JP5063494B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、実鏡映像結像光学系を利用して、2つの異なる被観察物の実像と虚像を組み合わせて見ることができるようにした表示装置に関するものである。
3次元又は2次元の物体又は映像などを空中に実像として結像する技術として、例えばマイクロレンズアレイを利用した空中映像の表示装置が開発されている(例えば特許文献1参照)。これは、2次元像に対する正立等倍の結像系を利用したものであり、2次元像を表示する表示面と同じ大きさの光学デバイスによって、歪み無しに2次元像の空間的な平行移動を可能とするものである。このようなものであれば、通常のレンズに比較して光学デバイスの小型化及び薄型化を図ることができ、ディスプレイ装置のコンパクト化にも資する。しかしながら、このような表示装置では、立体映像に見える2次元の実像が得られるが、これでは実際に3次元物体の実像を得ることはできない。また、この表示装置では、マイクロレンズアレイによる光の屈折を利用して結像する実像を観察するものであるために、観察者は、マイクロレンズアレイの正面からしか像を見ることができない。
それに対して本発明者の一人は、被観察物の実像を鏡映像と同じ面対称位置に結像させて、その対称面に対する斜め方向からこの実像(実鏡映像)を観察できるようにする実鏡映像結像光学系を案出している。実鏡映像結像光学系の1つとしては、直交する2つの小さな鏡を1組の2面コーナーリフレクタとし、それを平面的に多数配置した2面コーナーリフレクタアレイを案出している(例えば、特許文献2参照)。この2面コーナーリフレクタアレイによれば、被観察物の実像は、素子面を対称面として被観察物の面対称となる位置に鏡映像として歪み無く結像することから、被観察物が2次元であれば2次元の実像を、被観察物が3次元であれば3次元の実像を、素子面を挟んで被観察物とは反対側の空間において素子面に対して斜め方向の視点から観察することを可能とするものである。
もう一つの本発明者により案出された実鏡映像結像光学系は、再帰反射機能を備えたレトロリフレクタアレイとハーフミラーとを利用するものである(特許文献3参照)。この実鏡映像結像光学系は、被観察物から出てハーフミラーで反射した光をレトロリフレクタアレイにより再帰反射させ、ハーフミラーを透過させることにより、ハーフミラー面を対称面として、被観察物の実像を鏡映像として面対象位置に鏡映像として歪み無く結像させるものであり、2面コーナーリフレクタアレイと同様に、2次元の被観察物であれば2次元の実像を、被観察物が3次元であれば3次元の実像を、ハーフミラー面に対して斜め方向から被観察物の実鏡映像の観察を可能とするものである。
このような斜め方向から被観察物の実像を見ることができるようにした実鏡映像結像光学系を利用して、本発明者らは、電子ディスプレイのような画像表示面や、自動車の計器盤(インパネ;インストルメンタルパネルの略)のような装置類の表示面の手前(すなわち観察者側)の空間に被観察物の実像を空中映像として表示することができる表示装置を提案している(特許文献4参照)。この表示装置では、一例として、自動車を運転中の運転者(観察者)が目を向ける計器盤の手前の空間に、被観察物として適用される電子ディスプレイの表示面に表示される画像の実像を結像させることで、本来何もないはずの計器盤の手前の空間に注意を喚起するような表示を浮かび上がらせて、運転者の注意を喚起するような構成を実施の例としたものである。
特開2001−255493号公報 WO2007/116639国際公開公報 特願2007−163323号出願明細書 特願2008−070415号出願明細書
上述の特許文献4に開示した表示装置では、例えば自動車等に適用した場合には、運転者の視線方向に計器盤の表示と、その手前の空中に浮いた像とが見え、さらにその像を動いて見えるようにもできるため、運転者の注意を引くことができるものではあるが、より多くの情報をより大きなインパクトを以て観察者に与えることが要望されている。
そこで本発明は、斜め方向からの観察ができる実鏡映像結像光学系を利用して、2種類の被観察物を実鏡映像結像光学系の異なる2つの機能によって実鏡映像及び鏡映像として観察者に見せることで、さらに大きなインパクトで多様な情報を与えることができる表示装置を提供しようとするものである。
すなわち本発明に係る表示装置は、鏡面反射機能を有する反射面と、所定位置に配置される観察対象物の実像である実鏡映像を所定の対称面に対してこの観察対象物の面対称位置に結像させる実鏡映像結像光学系と、反射面における鏡面反射による虚像である鏡映像を対称面に対して実像と同じ側から観察し得る位置に配置される第1被観察物と、対称面を挟んで第1被観察物とは反対側の空間に配置される前記観察対象物である第2被観察物と、を具備していることを特徴とするものである。
このような本発明の表示装置であれば、観察対象物の実像を面対称位置に結像させる実鏡映像結像光学系を用いて、当該観察対象物として設けられる第2被観察物の実鏡映像を対称面に対して斜め方向から観察することができるうえに、第1被観察物を反射面で鏡面反射させることでその鏡映像をも観察することができ、これら第1被観察物の鏡映像と第2被観察物の実鏡映像とを同じ観察位置から同時に観察することも可能となる。このように、本発明では、実鏡映像結像光学系による結像と鏡面反射というの2つの機能を利用して、2つの被観察物の像を同時に観察可能なインパクトがあり情報量の多い表示をなすことができる。なお、実鏡映像結像光学系は、反射面を一部に有するものとしてもよいし、実鏡映像結像光学系と反射面とを別部材により構成してもよい。
本発明の具体的に好適な構成としては、奥壁と、この奥壁と対面する観察者側に向けて設けられる表示部と、奥壁よりも観察者側に配置される壁部とをさらに具備し、壁部の一部に沿って第1被観察物を配置するとともに、壁部の背面側に第2被観察物を配置し、第1被観察物と第2被観察物との間における壁部に露出する位置に実鏡映像結像光学系の対称面と反射面とを配置した表示装置を挙げることができる。この場合、反射面が対称面に対する第2被観察物の結像の障害とならないようにするには、実鏡映像結像光学系における反射面は、第2被観察物から対称面に到達するまでの光線又は第2被観察物から発して対称面を透過し且つ屈曲した光線を、透過又は通過させるものとすることが好ましい。
ここで、表示部には、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の画像表示装置の表示部や、機械装置等の計器盤等の表示部など、適宜のものを適用することができ、この表示部を本発明の表示装置において奥まった位置に設けられる奥壁に配置すればよい。また、本発明の表示装置には、奥壁よりも観察者側に位置付けられる壁部を、上下左右の何れかを向けて配置していればよく、この壁部の一部に実鏡映像結像光学系における対称面と反射面が設けられ、この反射面で鏡面反射した像を観察できるように、壁部の一部に沿って第1被観察物が設けられる。さらに対称面を設けた壁部の背面側には、実鏡映像結像光学系により実鏡映像を結像させるための第2被観察物が設けられる。第1被観察物及び第2被観察物には、2次元又は3次元の物体又は映像を適用することができる。
このような表示装置であれば、表示部と第1被観察物及び第2被観察物とを空間的に離れた位置に配置しつつ、観察者の視線上に表示部における表示と実鏡映像結像光学系による2つの被観察物の各像と同時に存在させることが可能となる。すなわち観察者は、奥壁にある表示部を観察しながらも、表示部の手前に結像する第2被観察物の実像と第1被観察物の鏡映像を同時に観察することができるようになる。このように、表示部の手前に2つの像が観察されるため、従来の表示装置(特許文献4)よりも多様な情報を観察者に与えることができ、さらに2つの像を組み合わせて同時に観察可能とすれば、観察者に与えるインパクトもより大きくなる。
本発明の表示装置において、第1被観察物は、実鏡映像結像光学系の対称面に対して観察者と同じ側の空間に配置されるため、観察者から第1被観察物が見えると、第1被観察とその鏡面反射による像の両方が観察されてしまうため、第1被観察物は、鏡映像及び実鏡映像の観察位置から直接視認できない位置に配置することが好ましい。
また、第1被観察物又は前記第2被観察物の少なくとも一方を、電子ディスプレイの表示面に表示される画像とすれば、第1又は第2被観察物の一方又は両方の変更が容易となり、観察者が見ることができる像のバリエーションを容易に多様化することができる。
また、本発明に適用される実鏡映像結像光学系は、観察対象物が2次元であれば2次元の像を結像し、3次元であれば3次元の像を結像するという特徴を有していることから、特に第2被観察物を、3次元画像を表示し得る電子ディスプレイの表示面に表示される立体画像とすれば、観察者にさらにインパクトの大きい像を観察させることができる。
さらに、第1被観察物又は第2被観察物の少なくとも一方を経時的に動的に変化させれば、表示部の手前に観察される鏡映像と実鏡映像のどちらか一方又は両方を動く像として観察者に見せることができる。各被観察物の経時的、動的変化は電子ディスプレイを用いれば容易に作り出すことができるが、各被観察物には、時間の経過と共に動作する実体物を適用することも可能である。
ここで、本発明において実鏡映像結像光学系とは、対称面に対して斜め方向からの視点から観察対象物である第2被観察物の実像を観察することができるものであり、その一つの具体例としては、2面コーナーリフレクタアレイからなる実鏡映像結像光学系を挙げることができる。2面コーナーリフレクタアレイは、2つの直交する鏡面により構成される2面コーナーリフレクタを複数、平面的に集合させたものであり、全ての鏡面に対して垂直となる平面を、第2被観察物と実像との対称面となる素子面としたものである。この2面コーナーリフレクタアレイは、第2被観察物から発せられる光を各2面コーナーリフレクタの2つの鏡面で1回ずつ反射させ且つその素子面を透過させることにより、2面コーナーリフレクタアレイの素子面を対称面として第2被観察物の面対称位置に、その被観察物の実鏡映像を結像させる作用を有している。2面コーナーリフレクタアレイの素子面の実像側の面(例えば上面)に鏡面を配置すれば、第1被観察物からの光を反射してその鏡映像を観察者に見せる反射面として作用する。その際、この反射面により素子面を透過し且つ屈曲する第2被観察物からの光線が妨げられないようにすることが肝心である。
次に、2面コーナーリフレクタアレイと反射面を一体形成することを考える。2面コーナーリフレクタアレイについて考察すると、光線を各2面コーナーリフレクタにおいて適切に屈曲させつつ素子平面を透過させるには、2面コーナーリフレクタを、素子面を貫通する方向に想定される光学的な穴の内壁を鏡面として利用するものと考えればよい。従って、実像の結像を可能としつつ素子上面に反射面を形成するには、この2面コーナーリフレクタアレイの上面全面を第1被観察物を反射するハーフミラーとしたものとすればよい。あるいは、素子面には各2面コーナーリフレクタが設けられている前記穴が離散的に形成されているため、この穴以外の2面コーナーリフレクタアレイ上面に鏡面を形成することができる。
2面コーナーリフレクタアレイの構造を単純に述べれば、素子面にほぼ垂直な鏡面を、素子面上に多数並べたものである。構造として問題となるのは、この鏡面をどのように素子面に支持固定するかということになる。鏡面形成のより具体的な方法としては、例えば2面コーナーリフレクタアレイを、所定の空間を区画する基盤を具備するものとして、当該基盤を通る1つの平面を素子面としてとして規定し、各2面コーナーリフレクタを、素子面を貫通する方向に想定される光学的な穴として、基盤に形成された穴の内壁を鏡面として利用するものとすることができる。この基盤に形成された穴は、光が透過するように透明でありさえすればよく、例えば内部が真空もしくは透明な気体もしくは液体で満たしたものでもよい。また穴の形状についても、その内壁に単位光学素子として働くための1枚もしくは複数の同一平面に含まれない鏡面を具備し、かつ鏡面で反射した光が穴を透過できる限り、任意の形状を取ることが可能であり、各穴が連結していたり、一部が欠損している複雑な形状であってもよい。例えば、基盤の表面に個々の独立した鏡面が林立する態様などは、基盤に形成された穴が連結しているものと理解できる。
あるいは2面コーナーリフレクタは、光学的な穴として、透明なガラスや樹脂のような固体によって形成された筒状体を利用するものであってもよい。なお、固体によって個々の筒状体が形成されている場合、これらの筒状体は、相互に密着させて素子の支持部材として働かせてもよく、基盤を具備するものとして当該基盤の表面から突出した態様をとってもよい。また筒状体の形状についても、その内壁に2面コーナーリフレクタとして働くための1枚もしくは複数の同一平面に含まれない鏡面を具備し、かつ鏡面で反射した光が筒状体を透過できる限り、任意の形状を取ることが可能であり、筒状体と称してはいるが各筒状体が連結していたり、一部が欠損している複雑な形状であってもよい。
ここで、前記光学的な穴として、立方体もしくは直方体のように隣接する内壁面が全て直交する形状を考えることができる。この場合、2面コーナーリフレクタ相互の間隔を最小化することができ、高密度な配置が可能となる。ただし、第2被観察物の方向を向く2面コーナーリフレクタ以外の面は、反射を抑制することが望ましい。ただし、第2被観察物の実像が結像する側の面には、第1被観察物を鏡面反射させる反射面を形成する。
2面コーナーリフレクタ内に複数の鏡面が存在する場合には、想定された回数以上の反射を起こす多重反射の透過光が存在する可能性がある。この多重反射対策として、光学的な穴の内壁に相互に直交する2つの鏡面を形成する場合は、これら2鏡面以外の面を、非鏡面として光が反射しないようにしたり、素子面に対して垂直とならないように角度を付けて設けたり曲面としたりすることで、3回以上の反射を起こす多重反射光を軽減もしくは除去できる。非鏡面とするには、その面を反射防止用の塗料や薄膜で覆う構成や、面粗さを粗くして乱反射を生じさせる構成を採用することができる。なお、透明で平坦な基盤の存在は光学素子の働きを阻害するものではないので、基盤を任意に支持部材・保護部材として用いることが可能である。
さらに、映像の実鏡映像の高輝度化を図るには、複数の2面コーナーリフレクタを、素子面上においてできるだけ間隔を空けずに配置することが望ましく、例えば格子状に配置することが有効である。またこの場合、製造も容易になるという利点がある。2面コーナーリフレクタにおける鏡面としては、固体であるか液体であるかに関わらず金属や樹脂等の光沢のある物質によって形成された平坦面で反射するもの、あるいは異なる屈折率を持つ透明媒質同士の平坦な境界面において反射もしくは全反射するものなどを利用することができる。また、鏡面を全反射によって構成した場合には、複数の鏡面による望まない多重反射は、全反射の臨界角を超える可能性が高くなることから、自然に抑制されることが期待できる。また鏡面は、機能的に問題ない限り、光学的な穴の内壁のごく一部分に形成されていてもよく、平行に配置される複数の単位鏡面により構成されても構わない。後者の態様を換言すれば、1つの鏡面が複数の単位鏡面に分割されても構わないことを意味する。またこの場合、各単位鏡面は、必ずしも同一平面に存在していなくてもよく、それぞれが平行であればよい。さらに、各単位鏡面は、当接している態様、離れている態様のいずれもが許容される。
本発明において実鏡映像結像光学系として適用可能な他の具体例としては、光線を再帰反射させるレトロリフレクタアレイと光線を反射及び透過させるハーフミラー面を有するハーフミラーとを具備する実鏡映像結像光学系である。この実鏡映像結像光学系においては、ハーフミラー面を壁部に露出して設定される対称面とし、被観察物から出た光線のうちハーフミラーで反射又は透過した光線を再帰反射し得る位置にレトロリフレクタアレイを配置しているものを挙げることができる。なお、レトロリフレクタアレイは、壁部の奥側に奥壁及び表示部が存在することを考慮すれば、ハーフミラーに対して第2被観察物と同じ側の空間にのみ配置され、ハーフミラーで反射した光を再帰反射する位置に設けられる。ここでレトロリフレクタの作用である「再帰反射」とは、反射光を入射光が入射してきた方向へ反射(逆反射)する現象をいい、入射光と反射光とは平行であり且つ逆向きとなる。このようなレトロリフレクタをアレイ状に配置したものがレトロリフレクタアレイであり、個々のレトロリフレクタが十分に小さい場合は、入射光と反射光の経路は重なると見なすことができる。このレトロリフレクタアレイにおいてレトロリフレクタは平面上に存在している必要はなく、曲面上にあってもよく、さらには同一面上に存在している必要はなく、各レトロリフレクタは3次元的に散在していても構わない。また、ハーフミラーは、光線を透過させる機能と反射させる機能の両方を備えているものをいい、好ましくは透過率と反射率がほぼ1:1のものが理想的である。さらに、この実鏡映像結像光学系の対称面であるハーフミラー面は、第1被観察物からの光を反射する反射面としても作用する。
レトロリフレクタには、3つの隣接する鏡面から構成されるもの(広義には「コーナーリフレクタ」と呼ぶことができる)や、キャッツアイレトロリフレクタを利用することができる。コーナーリフレクタには、相互に直交する3つの鏡面から構成されるコーナーリフレクタ、3つの隣接する鏡面がなす角度のうち2つが90度であり、且つ他の1つの角度が90/N度(ただしNは整数)をなすもの、3つの鏡面がなす角度が90度、60度及び45度となる鋭角レトロリフレクタ等を採用することができる。
このようなレトロリフレクタアレイとハーフミラーを利用する実鏡映像結像光学系の場合、第2被観察物から出た光はハーフミラー面で反射し、さらにレトロリフレクタアレイで再帰反射して必ず元の方向に戻り、ハーフミラー面を透過して結像するため、ハーフミラーからの反射光を受けられる位置にある限りレトロリフレクタアレイの形状や位置は限定されない。そして、第2被観察物の結像した実鏡映像と第1被観察物の鏡映像の観察は、ハーフミラー面を透過する光線に対向する方向から行うことができる。
本発明の表示装置によれば、電子ディスプレイや装置類の表示面を奥壁に設けるとともに、それよりも観察者側に設けられる壁部に実鏡映像結像光学系を設け、この実鏡映像結像光学系における対称面を設けた壁部内側に第2被観察物を配置することで、表示面よりも手前側の空間に、第2被観察物の実像である鏡映像を空中映像として観察できるようにし、さらに壁部に沿って第1被観察物を配置することで、壁部の一部に設けられた実鏡映像結像光学系の反射面で鏡面反射した第1被観察物の鏡映像を観察できるようにしているため、実鏡映像結像光学系を用いて第1被観察物の鏡映像と第2被観察物の実鏡映像の両方を同時に見ることが可能な、インパクトがあり多くの情報を表示できる新しい表示装置を提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1、図2は、本発明が適用される表示装置1の一実施形態を示す概観図である。この表示装置1は、自動車等の輸送機器の運転台に設けられる計器盤とその周囲の部分に本発明を適用したものである。具体的に表示装置1は、観察者である運転者の視点Vから最も遠い部分に奥壁2を配置し、この奥壁2に連続する運転者側から見て手前の空間の四方を囲むように底壁3、左右の側壁4,4、上壁5を備えており、奥壁2の背面側に計器盤の一種(計器類)の表示部を設けている。表示部21は、手前側を透明なプラスティック製のカバー22で覆われている。なお、奥壁2に設けられる表示部21には、図示例のような速度計だけでなく、種々の計器類を搭載できることはいうまでもない。
本実施形態では、本発明における壁部の一部として機能する底壁3に、実鏡映像結像光学系として2面コーナーリフレクタアレイ6を設け、この2面コーナーリフレクタアレイ6を通じて奥壁2の手前側に空中映像を投影するために、底壁3の内部(すなわち下面側の空間)に観察者である運転者の視線からは見えないように、空中映像の元となる第2被観察物72を配置している。第2被観察物72としては、本実施形態では小型液晶ディスプレイ7の表示面71に表示される画像を適用している。図示例では、液晶ディスプレイ7の画像面71に表示される被観察物である画像72を上下逆にした画像72とすることで、奥壁2の手前側且つ底壁3の上方の空間に、その画像72の実鏡映像Pとして浮かび上がらせるようにしている。なお、ディスプレイ7は、その表示面71が後述する素子面6Sと90°よりもやや小さい角度で鋭角をなすように傾けている。
さらに、本発明における壁部の一部として機能する上壁5の表面に沿って、第1被観察物82を配置している。第1被観察物82としては、上壁5に埋め込んだディスプレイ8の表示面81に表示される画像を適用しており、表示面81が上壁5に露出するようになされている。この第1被観察物82は、2面コーナーリフレクタアレイ6の表面に形成される反射面62において鏡面反射することにより、運転者には画像82の左右が反転した虚像が鏡映像Qとして反射面62に映って見えることとなる。ただし、ディスプレイ8自体は運転者から見えないように上壁5に設けられている。なお、2面コーナーリフレクタアレイ6(反射面62を含む)の底壁3における位置や、ディスプレイ7,8の位置、壁部の構成は適宜に設定することができる。例えば、底壁3を観察者(運転者)側に向けて斜め下方に傾けて形成し、この底壁3に2面コーナーリフレクタアレイ6(及び反射面62)を設ける場合には、2面コーナーリフレクタアレイ6(及び反射面62)は図1等に示したものよりも奥側(奥壁2に近い位置)に配置することができる。
本実施形態では、ディスプレイ7,8をカーナビゲーションシステムの構成要素とし、ディスプレイ8の表示面81には第1被観察物である画像82として例えば予めカーナビゲーションソフトウェアに記憶させてある地図が自動車の走行に従ってリアルタイムで表示され、ディスプレイ7の表示面71には例えば地図上での進行方向を示す矢印等のその時々で変化する第2被観察物である画像72が表示される。なお、画像72の実鏡映像Pと画像82の鏡映像Qは共に運転者に正しい方向で観察させる必要があるため、上述の通り、画像72は本来の方向とは上下を逆にした姿勢で表示され、画像82は本来の方向とは上下左右を逆にした姿勢で表示される。
ここで、本実施形態に適用される2面コーナーリフレクタアレイ6の構成及び作用について説明する。2面コーナーリフレクタアレイ6は、図3に模式的に示すように、2つの相互に直交する鏡面61a,61bから構成される2面コーナーリフレクタ61の多数の集合であり、全2面コーナーリフレクタ61を構成するそれぞれ2つの鏡面61a,61bに対してほぼ垂直な平面を素子面6Sとして、この素子面6Sを対称面とする面対称位置に第2被観察物である画像72の実鏡映像Pを結像させることで、観察者である運転者により立体空中映像が観察されるようにしたものである。また、2面コーナーリフレクタアレイ6の実鏡映像P側となる上面は鏡面加工され、反射面62として機能する。なお、本実施形態において2面コーナーリフレクタ61は2面コーナーリフレクタアレイ6の全体と比べて非常に微小であるので、図3では2面コーナーリフレクタ61の集合全体をグレーで表し、その内角の向きをV字形状で表してある。
2面コーナーリフレクタアレイ6は、例えば平板状のベースに、平らなベース表面に対して垂直に肉厚を貫通する物理的・光学的な穴を多数形成し、各穴の内壁面を2面コーナーリフレクタ61として利用するために、穴の内壁面のうち直交する2つにそれぞれ鏡面61a,61bを形成したものを採用することができる。このような2面コーナーリフレクタアレイ6としては、例えば図4(a)に模式的な平面図、同(b)に部分的な斜視図を示すように、2面コーナーリフレクタアレイ6は、薄い平板状のベースに平面視ほぼ矩形状(例えば正方形状)の光線が透過する物理的・光学的な穴(例えば一辺が例えば50〜200μm)を多数形成し、各穴のうち隣接して直交する2つの内壁面に平滑鏡面処理を施して鏡面61a,61bとすれば、これら2つの鏡面61a,61bを反射面として機能する2面コーナーリフレクタ61を得ることができる。さらに、各鏡面61a,61bの上端を含むベースの上面にも同様に平滑鏡面処理を施すことで、微細な穴が多数空けられた鏡面として反射面62が得られる。但し、図4では、2面コーナーリフレクタアレイ6の全体に比して、2面コーナーリフレクタ61及び鏡面61a,61bを大きく誇張して表している。なお、穴の内壁面のうち2面コーナーリフレクタ61を構成しない部分には鏡面処理を施さず光が反射不能な面とするか、もしくは角度をつけるなどして多重反射光を抑制することが好ましい。また、各2面コーナーリフレクタ61は、ベース上において鏡面61a,61bがなす内角が全て同じ向きとなるように、規則的な格子点上に整列させて形成することが好ましい。以下、この鏡面61a,61bの内角の向きを、2面コーナーリフレクタ61の向き(方向)と称することがある。鏡面61a,61bの形成にあたっては、例えば金属製の金型をまず作成し、鏡面61a,61bを形成すべき内壁面をナノスケールの切削加工処理や、金型を用いたプレス工法をナノスケールに応用したナノインプリント工法又は電鋳工法による処理をすることによって鏡面形成を行い、これらの面粗さを10nm以下とし、可視光スペクトル域に対して一様に鏡面となるようにするとよい。なお、電鋳工法によりアルミやニッケル等の金属でベースを形成した場合、鏡面61a,61bは、金型の面粗さが十分小さければ、それによって自然に鏡面となるが、ナノインプリント工法を用いて、ベースを樹脂製などとした場合には、鏡面61a,61bを作成するには、スパッタリング等によって、鏡面コーティングを施す必要がある。また、隣り合う2面コーナーリフレクタ6同士の離間寸法を極力小さく設定することで、透過率を向上させることができる。但し、2面コーナーリフレクタアレイ6の構成は上述のものに限定されず、直交する2つの鏡面61a,61bにより2面コーナーリフレクタ61が多数形成され、且つ各2面コーナーリフレクタ61が光学的な穴として光を透過し、さらに上面を反射面62とするものであれば、適宜の構成及び製造方法を採用することができる。
そして、2面コーナーリフレクタアレイ6では、各2面コーナーリフレクタ61は、裏面側から穴に入った光を一方の鏡面61a(又は61b)で反射させ、さらにその反射光を他方の鏡面61b(又は61a)で反射させて表面側へと通過させる機能を有し、この光の進入経路と射出経路とが素子面6Sを挟んで面対称をなすこととなる。すなわち、2面コーナーリフレクタアレイ6の素子面6S(各鏡面の高さ方向中央部を通り且つ各鏡面と直交する面を仮定)は、底壁3の内部にある第2被観察物72の実像を、底壁3の上方空間における面対称位置に鏡像(実鏡映像)として結像させる対称面となる。
ここで、2面コーナーリフレクタアレイ6による結像様式について、被観察物として点光源oから発せられた光の経路とともに簡単に説明する。図5に平面的な模式図で、図6に模式的な側面図でそれぞれ示すように、点光源oから発せられる光(一点鎖線矢印で示す。図5において3次元的には紙面奥側から紙面手前側へ進行する)は、2面コーナーリフレクタアレイ6を通過する際に、2面コーナーリフレクタ61を構成する一方の鏡面61a(又は61b)で反射して更に他方の鏡面61b(又は61a)で反射した後に素子面6Sを通過し、2面コーナーリフレクタアレイ6の素子面6Sに対して点光源oの面対称位置を広がりながら通過する。図5では入射光と反射光とが平行をなすように表されているが、これは同図では点光源oに対して2面コーナーリフレクタ61を誇張して大きく記載しているためであり、実際には各2面コーナーリフレクタ61は極めて微小なものであるため、同図のように2面コーナーリフレクタアレイ6を上方から見た場合には、入射光と反射光とは殆ど重なってみえる。すなわち、結局は点光源oの素子面6Sに対する面対称位置に透過光が集まり、図5、図6においてpの位置に実鏡映像として結像することになる。
このように、被観察物72の実像Pを素子面6Sに対して面対称位置に鏡映像として結像させる機能を有する2面コーナーリフレクタアレイ6を底壁3に組み込んでいるため、図1に示したように、奥壁2に設けられた表示部21の手前側(観察者である運転者から見て)の空中に、第2被観察物である画像72の実鏡映像Pを投影することができる。すなわち、本来は何もないはずの空中に本例のような注意表示が現れるため、観察者に対する注意喚起を促しやすくなる。また、計器類の表示部21の手前側に画像72の実鏡映像Pが浮かび上がるので、観察者(運転者)が表示部21を見る視線を他の箇所に外さなくても注意表示を見ることができるので、安全運転にも役立つといえる。
ここで、観察者が見ることになる実鏡映像Pは、上記のように空中の一箇所に固定して現れるようにしてもよいが、ディスプレイ7を動作させたり、表示面71に表示される画像72を動かすなどして、奥壁2の手前側及び底壁3の上方で動くようにすることも、観察者の注意を引きやすくするためには極めて有用である。
また、2面コーナーリフレクタアレイ6の上面に形成された反射面62は、第1被観察物である画像82を鏡面反射させる機能も有しているため、図6に示すように、素子面6Sを挟んで点光源oとは反対側(実鏡映像pと同じ側)において表示部21に近い位置に配置される点光源o’から発した光は、反射面62で反射して虚像である鏡映像qとなり、実鏡映像pと同時に観察可能となる。
このように、本実施形態の表示装置1では、自動車の計器盤に本発明を適用したものとして、奥壁2に計器類の表示部21を設け、奥壁よりも運転手側に突出している底壁3に2面コーナーリフレクタアレイ6を設け、上壁5に沿って第1被観察物としてディスプレイ8の表示面81に表示される画像82を適用し、さらに底壁3の内部に第2被観察物として液晶ディスプレイ7の画像面71に表示される画像72を適用したものである。このため、表示装置1によれば、運転者の表示部21を見る視線上であり且つ表示部21よりも手前の空間に、画像72の実鏡映像Pとして空中映像を浮かび上がるとともに、その同じ視線上に、反射面62に対する面対称位置にできた画像82の虚像である鏡映像Qが見え、これらの連動してカーナビゲーションの画像として機能する鏡映像Qと実鏡映像Pを同時に観察することができる。したがって、表示部21の手前の空間に実鏡映像Pのみを観察できるようにした従来の表示装置と比べて、より多くの情報を運転者にインパクトをもって提示することが可能である。
なお、第2被観察物は2次元の画像に限らず、3次元の立体画像としたり、3次元の物体とすることも可能であり、それに応じて観察される実鏡映像Pも立体とすることができる。ただし、2面コーナーリフレクタアレイ6を利用する場合、第2被観察物と実鏡映像Pの奥行きは反転したものとなるため、第2被観察物を奥行きが予め反転した状態のものとすることで、正しい奥行きの実鏡映像を運転者に見せることができるようになる。
また、ディスプレイ8は、上述した実施形態のようにその表示面81が上壁5の表面に露出するものだけでなく、その変形例として図7に示すように、上壁5の奥壁2側の一部に開口51を形成して内部にディスプレイ8を配置して、開口51を通じて表示面81の画像82が反射面62で反射するように構成しても構わない。このようにすれば、ディスプレイ8を運転者の視線から完全に隠すことができる。その他、本実施形態においては、2面コーナーリフレクタアレイ6の上面に鏡面加工を施して反射面62とするもの以外にも、2面コーナーリフレクタアレイ6の上面に薄い反射膜を貼り付ける等の方法によりハーフミラーを形成した構成として、このハーフミラーを第1被観察物を鏡面反射する反射面として機能させるようにすることも可能である。その他、ハーフミラーの下面側に直交する2つの鏡面から構成される2面コーナーリフレクタを多数形成することで、2面コーナーリフレクタアレイと反射面とを形成することができる。
図8は、本発明が適用される表示装置1’の他の実施形態を示す側方から見た概観図である。表示装置1’を正面から見た概観図は図1と同様である。この表示装置1’は、実鏡映像結像光学系のみが上述した実施形態の表示装置1と異なる。したがって、表示装置1と同一の構成については同一の名称及び符号を用いて説明するものとする。
本実施形態で適用される実鏡映像結像光学系9は、図8及び図9に示すように、ハーフミラー91とレトロリフレクタアレイ92とを組み合わせたものである。そして、壁部として機能する底壁3に、ハーフミラー91を設けるとともに、上記実施形態の表示装置1と同様に、底壁3の内部に、空中映像の元となる第2被観察物として画像72を表示するディスプレイ7を配置し、さらにディスプレイ7と対向させてレトロリフレクタアレイ92を配置し、また上壁5に沿って表示面81が露出するようにディスプレイ8を設けている。さらに、第1被観察物82にはディスプレイ8の表示面81に表示される画像を適用している。なお、本実施形態でも、ディスプレイ7,8は画像72,82を連動させて表示するカーナビゲーションシステムの構成要素である。
ハーフミラー91は、例えば透明樹脂やガラス等の透明薄板の一方の面(下面)側に薄い反射膜をコーティングしたものを利用することができる。この透明薄板の反対側の面(上面)側には、無反射処理(ARコート)を施すことで、観察される実鏡映像8が2重になるのを防止することができる。
一方、レトロリフレクタアレイ92には、入射光を厳密に逆反射させるものであればあらゆる種類のものを適用することができ、素材表面への再帰反射膜や再帰反射塗料のコーティングなども考えられる。また、その形状も曲面としてもよいし、平面とすることもできる。例えば、図10(a)に正面図の一部を拡大して示すレトロリフレクタアレイ92は、立方体内角の1つの角を利用するコーナーキューブの集合であるコーナーキューブアレイである。個々のレトロリフレクタ92Aは、3つの同形同大の直角二等辺三角形をなす鏡面92Aa,92Ab,92Acを1点に集合させて正面視した場合に正三角形を形成するものであり、これら3つの鏡面92Aa,92Ab,92Acは互いに直交してコーナーキューブを構成している。また、図11(a)に正面図の一部を拡大して示すレトロリフレクタアレイ92も、立方体内角の1つの角を利用するコーナーキューブの集合であるコーナーキューブアレイである。個々のレトロリフレクタ92Bは、3つの同形同大の正方形をなす鏡面92Ba,92Bb,92Bcを1点に集合させて正面視した場合に正六角形を形成するものであり、これら3つの鏡面92Ba,92Bb,92Bcは互いに直交している。このレトロリフレクタアレイ92は、図10(a)のレトロリフレクタアレイ6とは形状が異なるだけで再帰反射の原理は同じである。図10(b)及び図11(b)に、図10(a)及び図11(a)にそれぞれ示したレトロリフレクタアレイ92を例にして説明すると、各レトロリフレクタ92A,92Bの鏡面のうちの一つ(例えば92Aa,92Ba)に入射した光は、他の鏡面(92Ab,92Bb)、さらに他の鏡面(92Ac,92Bc)で順次反射することで、レトロリフレクタ92A,92Bへ光が入射してきた元の方向へ反射する。なおレトロリフレクタアレイ92に対する入射光と出射光の経路は、厳密には重ならず平行であるが、レトロリフレクタ92A,92Bがレトロリフレクタアレイ92と比べて十分小さい場合には、入射光と出射光の経路が重なっているとみなしてもよい。これら2種類のコーナーキューブアレイの違いは、鏡面が二等辺三角形のものは比較的作成しやすいが反射率が若干低くなり、鏡面が正方形のものは二等辺三角形のものと比較して作成がやや難しい反面、反射率が高い、ということである。
なお、レトロリフレクタアレイ92には、上述したコーナーキューブアレイの他にも、3つの鏡面により光線を再帰反射させるもの(広義には「コーナーリフレクタ」)を採用することができる。図示しないが、例えば、単位再帰反射素子として、3つの鏡面のうち2つの鏡面同士が直交し、且つ他の1つの鏡面が他の2つの鏡面に対して90/N度(ただしNは整数とする)をなすものや、3つの鏡面がそれぞれ隣接する鏡面となす角度が90度、60度及び45度となる鋭角レトロリフレクタが、本実施形態に適用される再帰反射素子3として適している。その他にも、キャッツアイレトロリフレクタ等も単位再帰反射素子として利用することができる。これらのレトロリフレクタアレイは、平面的なものであっても、屈曲又は湾曲していてもよい。また、レトロリフレクタアレイの配置位置も、画像72から発してハーフミラー91で反射した光を再帰反射することができるのであれば、適宜に設定することができる。
このようなハーフミラー91とレトロリフレクタアレイ92を備えた実鏡映像結像光学系9を適用したこの実施形態の表示装置1’では、図8及び図9に示すように、ディスプレイ7の画像面71に表示される画像72は、片面に無反射処理が施されたハーフミラー91のハーフミラー面91Sで反射し、レトロリフレクタアレイ92で再帰反射した後、ハーフミラー91を透過して、ハーフミラー面91に対して面対称位置に結像する。すなわち、ハーフミラー面91が第2被観察物である画像72と実鏡映像Pの対称面として機能する。したがって、2面コーナーリフレクタアレイ6を適用した表示装置1と同様に、ハーフミラー面91に対して斜め方向から見る観察者(運転者)の視点からは、奥壁2の手前側に実鏡映像Pが浮かんで見えることになる。さらに、ハーフミラー面91は、ディスプレイ8の表示面81に表示された画像82を映す反射面としても機能するので、画像82のハーフミラー面91に対する面対称位置にできる虚像が、ハーフミラー面91に映った鏡映像Qとして運転者の視点から見えることになる。すなわちこの表示装置1’においても、上述した実施形態の表示装置1の場合と同様に、運転者には、画像82の鏡映像Qと画像72の実鏡映像Pが同時に連動して観察されることとなる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で表示装置を構成する各部の具体的構成は適宜に変更することができ、表示装置の適用例としても、自動車の計器盤以外にも、奥まった部分に表示部が設けられる種々の装置に対してその表示部の手前に空中映像を浮かび上がらせる表示装置など、2つの被観察物の実鏡映像と鏡映像を共に観察できる表示装置として本発明を適宜構成することが可能である。さらに、この奥壁は必ずしも必要ではなく、実鏡映像結像光学系と、鏡面反射機能を有する反射面と、前記反射面における鏡面反射による虚像である鏡映像を前記対称面に対して前記実像と同じ側から観察し得る位置に配置される第1被観察物と、前記対称面を挟んで前記第1被観察物とは反対側の空間に配置される前記観察対象物である第2被観察物とを具備していれば本発明の効果を発揮できる表示装置を得ることができる。
本発明の一実施形態を正面側から見た状態を示す概観図。 同実施形態を側方から見た状態を示す概観図。 同実施形態に適用される2面コーナーリフレクタアレイの結像様式を模式的に示す斜視図。 同2面コーナーリフレクタの具体的構成例を示す図。 同2面コーナーリフレクタアレイによる結像様式を模式的に示す平面図。 同2面コーナーリフレクタアレイによる結像様式を模式的に示す側面図。 同実施形態の変形例を側方から見た状態で示す概観図。 本発明の他の実施形態を側方から見た状態を示す概観図。 同実施形態に適用される実鏡映像結像光学系の結像様式を模式的に示す図。 同実鏡映像結像光学系に適用されるレトロリフレクタアレイ及びレトロリフレクタの一例による光線の再帰反射の態様を模式的に示す図。 同実鏡映像結像光学系に適用されるレトロリフレクタアレイ及びレトロリフレクタの他の例による光線の再帰反射の態様を模式的に示す図。
符号の説明
1,1’…表示装置
2…奥壁
3…壁部(底壁)
4…側壁
5…上壁
6…2面コーナーリフレクタアレイ(実鏡映像結像光学系)
6S…素子面(対称面)
7…ディスプレイ
8…ディスプレイ
9…実鏡映像結像光学系
21…表示部
22…カバー
6S…素子面
61…2面コーナーリフレクタ
61a,61b…鏡面
62…反射面
71…表示面
72…第2被観察物(画像)
81…表示面
82…第1被観察物(画像)
91…ハーフミラー
91S…ハーフミラー面(対称面,反射面)
92…レトロリフレクタアレイ
92A,92B…レトロリフレクタ
92Aa,92Ab,92Ac,92Ba,92Bb,92bc…鏡面
P…実鏡映像
Q…鏡映像

Claims (8)

  1. 所定位置に配置される観察対象物の実像である実鏡映像を所定の対称面に対して当該観察対象物の面対称位置に結像させる実鏡映像結像光学系と、
    鏡面反射機能を有する反射面と、
    前記反射面における鏡面反射による虚像である鏡映像を前記対称面に対して前記実像と同じ側から観察し得る位置に配置される第1被観察物と、
    前記対称面を挟んで前記第1被観察物とは反対側の空間に配置される前記観察対象物である第2被観察物と、を具備していることを特徴とする表示装置。
  2. 前記実鏡映像結像光学系は、前記反射面を一部に有するものである請求項1に記載の表示装置。
  3. 奥壁と、当該奥壁と対面する観察者側に向けて設けられる表示部と、前記奥壁よりも観察者側に配置される壁部と、をさらに具備し、
    前記壁部の一部に沿って前記第1被観察物を配置するとともに、
    前記壁部の背面側に前記第2被観察物を配置し、
    前記第1被観察物と前記第2被観察物との間における前記壁部に露出する位置に前記実鏡映像結像光学系の対称面及び前記反射面とを配置している請求項1又は2の何れかに記載の表示装置。
  4. 前記実鏡映像結像光学系における前記反射面は、前記第2被観察物から前記対称面に到達するまでの光線又は前記第2被観察物から発して前記対称面を透過し且つ屈曲した光線を、透過又は通過させるものである請求項1乃至3の何れかに記載の表示装置。
  5. 前記第1被観察物を、前記鏡映像及び前記実鏡映像の観察位置から直接視認できない位置に配置している請求項1乃至4の何れかに記載の表示装置。
  6. 前記第1被観察物又は前記第2被観察物の少なくとも一方は、電子ディスプレイの表示面に表示される画像である請求項1乃至5の何れかに記載の表示装置。
  7. 前記第2被観察物は、3次元画像を表示し得る電子ディスプレイの表示面に表示される立体画像である請求項1乃至6の何れかに記載の表示装置。
  8. 前記第1被観察物又は前記第2被観察物の少なくとも一方は、経時的に動的に変化する画像である請求項1乃至7の何れかに記載の表示装置。
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