JP5061628B2 - 浴室空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は浴室空調装置に関する。詳細には、スピーカ収容部をフロントパネルの外側に取り付けることで、天井面にスピーカ用の開口部を形成することなくスピーカの取り付けを可能とすると共に、スピーカ装置の天井裏面への音漏れ防止を図った浴室空調装置に関する。
従来から、浴室には、浴室内の換気を行う換気モードを備えた浴室空調装置が設置されている。さらには、浴室内を温める暖房モード、浴室内に送風を供給する涼風モードや浴室内に吊るした衣類等を乾燥する乾燥モードを備えた浴室空調装置も広く普及している。
また、近年、浴室内に防水加工されたスピーカ装置を取り付けることにより、入浴中に音楽を視聴して楽しむことを可能とするオーディオシステムが提案されている(特許文献1)。例えば、特許文献2には、音声出力用の2個のスピーカ装置と音声信号を増幅してスピーカ装置に出力する増幅器とを備えるオーディオシステムと浴室空調装置とが一体化された装置が開示されている。
特開2001−157642号公報 特開2004−301438号公報
しかしながら、特許文献1に開示される浴室音響装置では、天井面にスピーカ装置用の開口孔を形成し、この開口孔にスピーカ装置を挿入することにより天井面にスピーカ装置を取り付けている。そのため、浴室空調装置用の開口孔とは別にスピーカ装置用の開口孔を浴室の側壁や天井に施工しなければならない。これにより、作業工程が増えてしまい、作業者の負担が増大してしまうという問題がある。
また、スピーカ装置を天井面に直接取り付ける場合には、スピーカ装置から発生する音が天井裏に漏れてしまうため、特にマンション等の集合住宅では騒音の問題が発生する可能性がある。さらに、特許文献2には浴室空調装置内にスピーカが設けられており、装置が大型化してしまうと共にスピーカの裏面から出る音によって本体ボックスが共振を起こしてしまい、スピーカの裏面から出る音の音質が低下してしまうおそれがある。
本願発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、浴室空調装置本体を大型化せずに、スピーカ装置を簡易に設置することが可能であり、かつ、スピーカ装置から出力される音声が天井裏面へ漏れ出すことによる騒音を防止した浴室空調装置を提供することにある。
本発明の浴室空調装置は、浴室内の空気を吸い込む吸込部と、浴室内に空気を吹き出す吹出部とが設けられた浴室空調装置本体と、前記浴室空調装置本体の前記浴室に露出する面を覆うフロントパネルと、スピーカ装置を収容するための空間部を有するスピーカ収容部とを備え、前記スピーカ収容部は、前記浴室空調装置本体または前記フロントパネルの外側に連結手段を介して取り付けられ、前記連結手段は、前記浴室空調装置本体に設けられた第1のフランジと、前記スピーカ収容部に設けられた第2のフランジと、前記1のフランジと前記第2のフランジとを互いに連結するL字形状の第3のフランジとから構成され、前記浴室空調装置本体が取り付けられる天井面と前記第3のフランジとの間隙に前記スピーカ収容部の前記第2のフランジが介挿された状態で前記スピーカ収容部が前記第1のフランジに連結され、前記スピーカ収容部は、前記フロントパネルに一体的に設けられていることを特徴とするものである。
本願発明においてスピーカ装置とは、スピーカ単体、スピーカに増幅器等の電子機器を接続した複合体のいずれかを言うものとする。
連結手段は、前記浴室空調装置本体に設けられた第1のフランジと、前記スピーカ収容部に設けられた第2のフランジと、前記1のフランジと前記第2のフランジとを互いに連結する第3のフランジとから構成され、前記浴室空調装置本体が取り付けられる天井面と前記第3のフランジとの間隙に前記スピーカ収容部の前記第2のフランジが介挿された状態で上記スピーカ収容部が上記第1のフランジに連結されている。
スピーカ装置が収容されるスピーカ収容部は、連結手段を介してフロントパネルの外側に取り付けられるため、スピーカ装置を浴室内に取り付ける場合には、天井に浴室空調装置用の開口孔のみを施工すれば良く、別途スピーカ装置用の開口孔を天井に新たに施工する必要がない。
スピーカ収容部を構成する筐体の側面部と前記フロントパネルの側面部には、前記スピーカ収容部に収容される前記スピーカ装置に接続されるケーブル線を前記フロントパネル側に引き出すための引出部がそれぞれ形成され、前記ケーブル線は、封止部材を介して前記引出部に装着される。この封止部材によってスピーカ収容部は密閉される。
このスピーカ収容部を構成する筐体を介して天井パネルにスピーカ装置が取り付けられる。そのため、スピーカ装置から出力される音楽等の音声の音漏れが低減される。これにより、天井パネル裏面への音漏れを防止でき、スピーカ装置を直接天井パネルに取り付ける場合と比較して、騒音等の問題を確実に回避できる。特にマンション等の集合住宅においてその効果が大きい。
本発明によれば、スピーカ装置を浴室内に取り付ける場合には、別途スピーカ装置を配線するための開口孔を天井面に新たに施工する必要がない。従って、スピーカ装置の取り付け作業において、施工性の向上を図ることができ、従来と比較して作業者の負担軽減を図ることができる。さらに、浴室空調装置を大型化することなくスピーカから出る音の音質低減を防止または抑制することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
図1(a)は本実施の形態に係る浴室空調装置1Aの構成を示す断面図であり、図1(b)は領域Cの拡大断面図である。図2は、浴室空調装置1Aの構成を示す斜視図である。図3は、浴室空調装置1Aの組立て構成例を示す分解斜視図である。図4は、中継用ケーブル線10を使用する場合の挿通孔36,37の拡大図であり、図4(a)は図1に示す領域Aの要部拡大図であり、図4(b)は図1に示す領域Bの要部拡大図である。図5は、図4に示す挿通孔36部分の構成を示す分解斜視図である。図6は、中継用ケーブル線10を使用しない場合の挿通孔36,37の拡大図であり、図6(a)は図1に示す領域Aの要部拡大図であり、図6(b)は図1に示す領域Bの要部拡大図である。図7は、図6に示す挿通孔36部分の構成を示す分解斜視図である。
(浴室空調装置の構成)
本実施形態に係る浴室空調装置1Aは、浴室の天井パネルに設置される浴室空調装置本体2と、この浴室空調装置本体2を浴室の天井パネルに取り付けた際に浴室に露出する面(下面)を覆うフロントパネル4と、スピーカ装置を収容するための空間部を有するスピーカ収容部32とを備える。本例では、スピーカ装置がスピーカ31のみで構成されている場合を示す。
浴室空調装置1Aは、浴室内の空気を吸い込んで、温風を吹き出す暖房モードや吸い込んだ空気を屋外に排出する換気モードを備える。
浴室空調装置本体2は、その下面にファン吸込口20aと吹出口20bを有するファン部21を備える。
ファン部21は、回転駆動される多翼のファン22と、ファン22を回転駆動するファンモータ22aと、ファン22の軸方向から空気を吸い込んで、ファン22の接線方向に吹き出す風路を形成するファンケース23とを備える。
ファン吸込口20aは、浴室内の空気を吸い込む吸込部として機能し、ファン22の軸方向に沿うようにファンケース23の下面に形成される。ファン22が回転駆動されると、ファン吸込口20aから空気が吸い込まれる。
吹出口20bは、ファン吸込口20aから吸い込んだ空気を浴室内に吹き出す吹出部として機能し、ファン22の接線方向に沿った風路を形成するファンケース23の下端面に形成される。ファン22が回転駆動されると、ファン吸込口20aから吸い込まれた空気が浴室内に吹き出される。
ファン部21には、ファン22の接線方向に沿った風路を形成するファンケース23の一の側面に排出口20cが形成される。さらに、このファン部21には、ファン吸込口20aから吸い込まれた空気を、吹出口20bから浴室に吹き出すか、排出口20cから屋外に排出するかを切り替える風路切換ダンパ24が設けられる。排出口20cは、ファン吸込口20aから吸い込んだ空気を浴室外に排出する排気部として機能する。
風路切換ダンパ24は、図示しないダンパモータの駆動力がカム24aを介して伝達され、ダンパ軸24bを支点に回動して開閉動作が行われる。風路切換ダンパ24を図1に実線で示す循環位置に切り換えると、排出口20cへの風路が遮断され、ファン吸込口20aから吹出口20bへ連通した循環風路25aが形成される。
また、風路切換ダンパ24を図1に二点鎖線で示す換気位置に切り換えると、吹出口20bへの風路が遮断され、ファン吸込口20aから排出口20cへ連通した換気風路25bが形成される。
さらに、風路切換ダンパ24を図1に破線で示す分流位置に切り換えると、ファン吸込口20aから吹出口20bへ連通した循環風路25aと、ファン吸込口20aから排出口20cへ連通した換気風路25bの双方が形成される。
ここで、上述した浴室空調装置本体2としては、循環ファン部と換気ファン部とを一体化した構成を説明したが、循環ファン部と換気ファン部を別々に設けて循環風路と換気風路を独立した構成にしても良い。
浴室空調装置本体2は、図1(a)に示すように、吹出口20bに設置されたヒータ26とヒータ26の下方に設置された電動ルーバ27とを備える。ヒータ26は、吹出口20bにPTCヒータ等の電気ヒータが使用される。電動ルーバ27は、図示しない複数枚の整流板がルーバモータで駆動されて、整流板の向きを変えることで、空気の吹き出し方向が切り換えられる。
浴室空調装置本体2は、ファンケース23を覆う本体ケース28を備える。本体ケース28は、ファンケース23のファン吸込口20aと吹出口20bが形成された下面を除く4側面と上面を覆う形状で、ファンケース23の排出口20cと対向する位置に形成された開口部には排出ダクトジョイント28aが取り付けられる。
フロントパネル4は、図1に示すように、一方の面が開口され、浴室空調装置本体2の底面全体を覆うように形成された筐体であり、開口側を天井面に当接させるようにして、図示しないねじや両面テープ等の固着部材によって浴室空調装置本体2や天井面に取り付け固定される。フロントパネル4には、浴室内の空気を吸い込むための吸込口グリル40aと浴室空調装置本体2から浴室内に空気を吹き出す吹出口グリル40bとが形成される。吸込口グリル40aは浴室内の空気を吸い込む吸込部として機能し、フロントパネル4が浴室空調装置本体2に取り付けられると、ファン吸込口20aと連通される。また、吹出口グリル40bは浴室内に空気を吹き出す吹出部として機能し、フロントパネル4が浴室空調装置本体2に取り付けられると、吹出口20bと連通される。また、フロントパネル4には、吸込口グリル40aの裏側にフィルタ40cが交換可能に取り付けられる。フロントパネル4の側板12aには、後述するスピーカ収容部32の内部に設置されるスピーカ31のケーブル線30をフロントパネル4側に引き出すための引出部として機能する通過孔106が穿設される。スピーカ収容部32をフロントパネル4に取り付けない場合には、この通過孔106をゴムパッキン等の封止部材によって閉塞することが好ましい。
スピーカ収容部32は、図1〜図3に示すように、浴室空調装置1Aの短手方向の長さを有する略直方体状をなす筐体である。なお、以下の説明では、左右の各スピーカ収容部32,32、およびこれらの内部に収容される各スピーカ31,31は左右同一構成であるため、左側のスピーカ収容部32およびスピーカ31についてのみ説明する。スピーカ収容部32の底面の略中央部には、図1(b)、図2に示すように、スピーカ31を底面側から嵌め込んで取り付けるための開口部41が穿設される。さらに、スピーカ収容部32の側面部32aには、スピーカ収容部32の内部に設置されるスピーカ31のケーブル線30をフロントパネル4側に引き出すための引出部として機能する取出孔33が穿設される。
スピーカ収容部32に取り付けられるスピーカ31がコーン型スピーカである場合には、図1(b)に示すように、ラッパ状のコーン部31aと、このコーン部31aの下端縁に設けられた外方向に突出するスピーカ取付フランジ14を有する。スピーカ取付フランジ14は、コーン部31aと一体形成でも良いし、別体形成でも良い。
また、スピーカ31は、スピーカ取付フランジ14および開口部41周縁の切り欠き部のそれぞれに穿設された連結孔にねじ15等を挿通することで、スピーカ収容部32に取り付け固定される。スピーカ31のコーン部31a表面は、防水、防湿処理されている。スピーカ収容部32は外部に露出し、浴室内の湿気に直接触れるためである。
このように、スピーカ収容部32は、図1(b)に示すように、上述した開口部41および取出孔33を除いては筐体に覆われた防水、防湿構造とした密閉構造となっており、開口部41にスピーカ31が装着され、取出孔33にケーブル線30が封止部材110を介して装着されることで、スピーカ収容部32の内部が完全に密閉された空間となる。
スピーカ収容部32をフロントパネル4の外側に取り付けるための連結手段は、図1〜図3に示すように、浴室空調装置本体2に設けられた第1のフランジとして機能する本体フランジ39と、スピーカ収容部32に設けられた第2のフランジとして機能する収容部フランジ90と、本体フランジ39と収容部フランジ90とを互いに連結する第3のフランジとして機能する外付けフランジ94とから構成される。
本体フランジ39は、図1に示すように、浴室空調装置本体2を構成する筐体の下端部に取り付けられた外方向に延出する板状部材であって、浴室空調装置本体2を図示しないねじ等の取り付け部材で天井パネルに取り付け固定する部材として機能する他、スピーカ収容部32をフロントパネル4の両端部のそれぞれに取り付けるための部材としても機能する。
収容部フランジ90は、扁平な箱状をなすスピーカ収容部32をフロントパネル4の両側(外側)に密着させた状態でこのフロントパネル4を介して本体フランジ39に合体させるため、フロントパネル4と接触するスピーカ収容部32の底板をフロントパネル4側に延在するようにして構成される。この収容部フランジ90は図1(b)に示すように、フロントパネル4の開口端面側の間隙Mに挿入した状態で固定される。スピーカ収容部32を本体フランジ39に取り付け固定するため、外付けフランジ94が用いられる。
図1(b)および図3に示すようにこの外付けフランジ94は、例えばフロントパネル4と同一の樹脂材料から構成されるL字状をなす板状部材であって、外付けフランジ94の垂直部94aをフロントパネル4の側板内に内在させた状態で、外付けフランジ94の水平部94bが本体フランジ39の下面に連結ねじ96,99を介して取り付けられる。連結ねじ96,99は図3に示す連結孔29,95,97,98を介して取り付けられる。
このように、収容部フランジ90は天井パネル102と外付けフランジ94の各面に狭持された状態でフロントパネル4に連結される。一方、連結ねじ99を取り外すことで、フロントパネル4からスピーカ収容部32のみを取り外すことができる。従って、本実施の形態では、スピーカ収容部32をフロントパネル4(外付けフランジ94)に対して着脱自在に連結することができる。
一方、フロントパネル4の側板12aは、上述したようにスピーカ収容部32の側面部32aと外付けフランジ94の垂直部94aとの間隙内に介在された状態で一体化される。そのため、この例では側板12aと当接する側面部32aのうちスピーカ取付フランジ14側の端面が被さるような端片(フランジ)12bが側面12aと一体形成され、この端片12bと側面部32aとが図示しないねじによって固定される。これで、フロントパネル4とスピーカ収容部32とを機械的に一体化できる。
スピーカ収容部32の内部に収容されるスピーカ31用のケーブル線30は、図1および図3に示すように、スピーカ収容部32の側面部32aに穿設された取出孔33とこれに対向するフロントパネル4の側面部12aに穿設された通過孔106を介してスピーカ収容部32の内部から外部(フロントパネル4の内部)に引き出される。このときケーブル線30は、防水、防湿処理されたゴムパッキン等の封止部材110によって被覆された状態で取出孔33、通過孔106内に装着される。これにより、スピーカ収容部32内部の防水性(密閉性)が確保される。
また浴室空調装置本体2は、図1の領域Aを拡大して示す図4(a)および図4(b)から明らかなように、浴室内に取り付けられるスピーカ31に対するケーブル線を本体ケース28の内部を介して敷設させるための挿通孔36,37と、このケーブル線を敷設するための専用の領域となる空間部100(図1参照)とを備える。
空間部100は、本体ケース28の内周面28bとファンケース23の外周面23bとによって囲まれた空間領域であり、浴室内から吸い込んだ空気や吐き出す空気の流れを乱さないようにファン吸込口20a、吹出口20bおよび排出口20cが形成されていない空間領域が空間部100として設定される。本例では図1にも示すように、ファンケース23の外周面23bと本体ケース28の内周面28bとの間の風路が形成されていない装置本体内部の端部領域が空間部100として設定される。
挿通孔36は、図4(a)に示すように、この例では空間部100を構成する本体ケース28の上面部に穿設される。他方の挿通孔37は、図4(b)に示すように、この例では空間部100を構成するファンケース23の底面部に穿設される。これらの挿通孔36,37は、ケーブル線や後述するコネクタおよびゴムパッキンに対応した形状に穿設されており、本例では平面視矩形状に穿設される(図5参照)。挿通孔36,37の形状は、ケーブル線やコネクタを挿通できるような形状であれば良く、図示の矩形状に限定されることはない。例えば円形状等の形状であっても良い。
本体ケース28外面の挿通孔36の周縁部には、図4(a)および図5に示すように、挿通孔36の外径よりも若干径大の切り欠き部(段部)86が形成される。この切り欠き部86は、封止部材として機能する後述のシール蓋84を着脱自在に装着するための凹部として機能する。一方、挿通孔36aの本体ケース28内面側には、この周縁を囲繞する下方向に突出した突出部87が形成される。突出部87は挿通孔36内に装着固定される後述のコネクタ34aを確実に固定するための支持領域として機能する。図4(b)に示すように、ファンケース23の底面部側に穿設された挿通孔37の周縁部にも同様な切り欠き部86および突出部87が形成されている。
また浴室空調装置本体2は、図1に示すように、空間部100に敷設された中継用ケーブル線10を備える。中継用ケーブル線10は、上述したスピーカ31に対して配線されたケーブル線の一例であり、浴室内の天井面に取り付けられるスピーカ31のケーブル線と浴室外の天井裏に設置される増幅器等のケーブル線とを浴室空調装置本体2内部を介して接続するために予め敷設された中継線である。後述するように、本例では、チューナ等から出力される音声出力を2個のスピーカ31を用いてステレオ再生するため、これに対応して2本の中継用ケーブル線10が敷設されている。図4(a),(b)に示すように、2本の中継用ケーブル線10の両端部のそれぞれにはスピーカ31のケーブル線30と増幅器等のケーブル線48とを接続するための一端にはオス型コネクタ34aが,他端にはメス型コネクタ35aが取り付けられる。
中継用ケーブル線10のオス型コネクタ34aは、挿通孔36の孔周面とオス型コネクタ34aの外周面との間に介挿された支持部材38を介して、挿通孔36の所定位置に装着固定される。同様に、他端部のメス型コネクタ35aも挿通孔37の位置に支持部材38を介して装着固定される。支持部材としては、例えば、これらの間隙を埋めるために伸縮自在な弾性材料であって、天井裏に浴室内の湿気が漏れ出さないような防水、防湿処理された材料が用いられる。本例では防水、防湿処理されたゴムパッキン38が用いられている。浴室内から浴室空調装置本体2の内部に吸い込まれた空気(湿気)が挿通孔36,37から天井裏に漏れ出すことを防止できるので、カビ等の発生を抑制できる。ゴムパッキン38によってオス型コネクタ34a,メス型コネクタ35aを挿通孔36,37の位置で固定することで、中継用ケーブル線10を予め空間部100の所定位置に設置(敷設)できる。
次に、上述した浴室空調装置本体2の空間部100に敷設された中継用ケーブル線10を介して、スピーカ31のケーブル線30と増幅器のケーブル線48とを互いに接続する場合について説明する。図4(b)に示すように、挿通孔37の所定位置に装着固定されたメス型コネクタ35aに、スピーカ31に接続されたケーブル線30の一端に取り付けられたオス型コネクタ30aを接続(装着)する。スピーカ31に接続されるケーブル線30は、図1および後述する図11に示すように、ファン吸込口20aや吹出口20bを避けたファンケース23の下面に沿った経路に敷設し、図示しない固定部材でケーブル線30の撓み部分をファンケース23に固定することが好ましい。同様に、図4(a)に示すように、挿通孔36の位置に固着されたオス型コネクタ34aに、増幅器に接続されたケーブル線48の一端に取り付けられたメス型コネクタ48aを接続する。これにより、例えば浴室内の天井面に取り付けられるスピーカ31と、浴室外の天井裏に設置される増幅器等とを、ケーブル線30,48を用いて浴室空調装置本体2内部に配設された中継用ケーブル線10を介して電気的に接続できる。
中継用ケーブル線10は、浴室空調装置本体2の空間部100に常時敷設されているものであるから、スピーカ31を備えていない浴室空調装置本体2を使用する場合であっても中継用ケーブル線10は取り外されることはない。従って、中継用ケーブル線10を使用しない場合には、図6(a),(b)および図7に示すように、本体ケース28の外側からコネクタ保護用のシール蓋84を切り欠き部86に装着して挿通孔36,37の外面側を被覆する。シール蓋84は、切り欠き部86と挿通孔36を隙間無く閉塞可能な形状であって、防水、防湿処理がされた弾性部材が使用される。これにより、ゴムパッキン38と共に挿通孔36,37が封止され、浴室内から吸い込まれる水分を含む空気(湿気)が挿通孔36,37から天井裏に漏れ出すことを防止できる。中継用ケーブル線10を使用するときにはシール蓋84を外すのはもちろんである。
(浴室空調装置の設置例)
次に、上述した浴室空調装置1Aの設置例について、図8を参照して説明する。図8は、浴室空調装置1Aを浴室101の天井パネル102に取り付けた状態を示す図である。
浴室空調装置本体2は、図8に示す浴室101の天井パネル102に形成された開口部に挿入されて、天井パネル102に固定される形態で、または、図示しない吊り下げ金具で天井裏に吊り下げられる形態で設置される。図8に示すように、この例では浴室空調装置本体2が、浴槽101aの上方に位置する天井パネル102に固定される。
浴室空調装置本体2には、スピーカ収容部32が一体に形成されたフロントパネル4が図示しないねじ等の取付部材によって取り付けられ、浴室空調装置本体2がフロントパネル4によってマスクされている。
天井パネル102に取り付けられた浴室空調装置本体2の側面部2aには排出ダクトジョイント28a(図1(a)参照)を介して排気ダクト103が連結され、その先端部が外壁104を貫通して屋外に突出している。排気ダクト103の先端部には、外壁104に取り付けられた屋外グリル103aが連結される。これにより、浴室101等から吸い込んだ空気は、排出ダクトジョイント28aおよび排気ダクト103を介して屋外グリル103aから屋外に排気される。
浴室空調装置1Aは、本体用制御部56と本体用操作パネル58とを備える。本体用制御部56は、浴室空調装置本体2の内部に設けられ、浴室空調装置本体2全体の制御を行う。本体用操作パネル58は、洗面脱衣所52の壁面に設置されると共にケーブル線を介して本体用制御部56に接続される。本体用操作パネル58には、例えば、モード切替ボタン、温度設定ボタン、時間設定ボタン、表示部等が設けられる。本体用操作パネル58の所定のボタンが押下されると、これに対応した操作信号が本体用制御部56に供給され、この操作信号に基づいて、浴室空調装置本体2の換気モードや暖房モードなどの切り替え処理が行われる。
また浴室空調装置1Aは、図示しないラジオ、TVチューナやCDプレーヤ等のオーディオ音源とオーディオ用操作パネル66とオーディオ用制御部64と増幅器62とを備える。オーディオ用操作パネル66は、洗面脱衣所52の壁面に上述した本体用操作パネル58に隣接して設置され、ケーブル線を介して増幅器62に接続される。オーディオ用操作パネル66には、例えば、音源切り替えボタン、選局ボタンや音量ボタンが設けられる。また、オーディオ用操作パネル66は、図示しない入力端子を有しており、テレビ、ラジオチューナやCDプレーヤ等の音声出力装置が接続される。オーディオ用制御部64と増幅器62とは一体化された状態で、この例では天井パネル102裏面に設置される。増幅器62と、上述した浴室空調装置本体2内部に配設される中継用ケーブル線10とはケーブル線48によって連結される。この中継用ケーブル線10によっても増幅器62は左右のスピーカ31,31に接続される。オーディオ用操作パネル66の所定のボタンが押下されると、例えばTV、ラジオチューナやCDプレーヤの切り替え、または放送番組や曲の選局が行われ、これに対応した音声信号が増幅器62に供給される。増幅器62では供給された音声信号が増幅されて左右のスピーカ31,31に供給され、スピーカ31,31から浴室内に音楽等の音声が出力される。
(浴室空調装置の動作)
次に、上述した浴室空調装置1Aの動作例について、図1〜図8を参照して説明する。浴室空調装置1Aでは、ファンモータ22aによりファン22が回転駆動されると、フロントパネル4の吸込口グリル40aからファン吸込口20aに浴室101の空気RAが吸い込まれる。
風路切換ダンパ24の位置が、図1に実線で示す循環位置であると、ファン吸込口20aから吹出口20bへの循環風路25aが形成されるので、吸込口グリル40aから吸い込まれた空気RAは、循環風路25aを通ってフロントパネル4の吹出口グリル40bから吹き出される。
ヒータ26は、循環風路25aの吹出口20bに配置されるので、ヒータ26が通電されることで、循環風路25aを通る空気が温められて、温風HAが吹出口グリル40bから吹き出す。
これにより、暖房運転モードでは、風路切換ダンパ24を循環位置に移動させて、ファン部21を駆動すると共に、ヒータ26に通電することで、浴室101の空気を循環させながら、浴室101内に温風HAが吹き出される。
また、涼風運転モードでは、風路切換ダンパ24を循環位置に移動させて、ヒータ26は非通電でファン部21を駆動することで、浴室101の空気を循環させながら、浴室101内に室温に応じた送風が吹き出される。
風路切換ダンパ24の位置が、図1に二点鎖線で示す換気位置であると、ファン吸込口20aから排出口20cへの換気風路25bが形成されるので、フロントパネル4の吸込口グリル40aから吸い込まれた空気は、換気風路25bを通って排出口20cから排気される。
これにより、換気運転モードでは、風路切換ダンパ24を換気位置に移動させて、ファン部21を駆動することで、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
風路切換ダンパ24の位置が、図1に破線で示す分流位置であると、ファン吸込口20aから吹出口20bへの循環風路25aと、ファン吸込口20aから排出口20cへの換気風路25bの双方が形成されるので、フロントパネル4の吸込口グリル40aから吸い込まれた空気は、一部は循環風路25aを通って吹出口グリル40bから浴室101内に吹き出される。
また、吸込口グリル40aから吸い込まれた空気の残部は、換気風路25bを通って排出口20cから排気される。
これにより、乾燥運転モードでは、風路切換ダンパ24を分流位置に移動させて、ファン部21を駆動すると共に、ヒータ26に通電することで、浴室101の空気の一部を循環させて浴室101内に温風HAを吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
なお、涼風運転モードとして、風路切換ダンパ24を分流位置に移動させ、ヒータ26は非通電でファン部21を駆動することで、浴室101の空気の一部を循環させて浴室101内に室温に応じた送風を吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気されるようにしても良い。これらの運転モードとは独立してオーディオ系の動作が、オーディオ用操作パネル66の指示にしたがって実行される。この指示は入浴する前に行われることが多い。
本実施の形態によれば、スピーカ31が収容されるスピーカ収容部32は、連結手段(本体フランジ39、収容部フランジ90および外付けフランジ94)を介してフロントパネル4の外側に取り付けられるため、スピーカ31を浴室101内に取り付ける場合には、天井パネル102に浴室空調装置用の開口孔のみを施工すれば良く、別途スピーカ31用の開口孔を天井パネル102に新たに施工する必要がない。従って、スピーカ31の取り付け作業において、施工性の向上を図ることができ、従来と比較して作業者の負担軽減を図ることができる。
また、本実施の形態では、スピーカ収容部32の内部が、筐体に囲まれた密閉された空間であって、このスピーカ収容部32を介して天井パネル102にスピーカ31が取り付けられる。そのため、スピーカ31から出力される音楽等の天井パネル102裏面への音漏れが効果的に低減される。これにより、スピーカ31を直接天井パネル102に取り付ける場合と比較して、騒音等の問題を確実に回避できる。特にマンション等の集合住宅において効果的に適用できる。
また、浴室空調装置1Aの設置当初は浴室101内にスピーカ31を設置していない場合でも、設置当初の既存のフロントパネル4に上述した連結手段を介してスピーカ収容部32を取り付ければ、浴室101内にスピーカ31を後付けで設置できる。このとき、別途スピーカ収容部32用の開口孔を天井パネル102に形成する必要がないため、追加工事(拡張工事)等を省略できる。これにより、スピーカ収容部32やスピーカ31の備え付け作業が簡単になる。
さらに、本実施の形態によれば、フロントパネル4の外側に連結手段を介して密着した状態でスピーカ収容部32が取り付けられるため、デザインやインテリア面でも統一が図られたフロントパネル4を提供でき、快適な浴室空間を実現できる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、浴室空調装置本体2の構成は、上述した実施の形態と同一であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9は、本発明の一実施形態に係る浴室空調装置1Aの構成を示す断面図である。図10は、浴室空調装置の構成を示す斜視図である。図11は、浴室空調装置1Aにおいてフロントパネル4を外した状態を示す平面図である。
スピーカ収容部32は、図9および図10に示すように、その内部に収容されるスピーカ31の浴室101側に露出する(剥き出しとなる)面を保護するためのカバー部材116を有する。カバー部材116は、樹脂材料からなる平板部材であって、図9(b)に示すように、スピーカ収容部32の開口部41よりも下端に穿設されたカバー部材用孔117にねじ15を介して装着される。カバー部材116のスピーカ31と対向する位置には複数の音声出力孔118がグリル状に穿設される。フロントパネル4とカバー部材116との浴室101側の表面は、図9および図10に示すように、同一平面(面一)上に設けられ、平坦面を形成している。なお、カバー部材116とフロントパネル4とは同一部材で構成しても良いし、異なる部材で構成しても良い。
スピーカ31に接続されるケーブル線30は、図11に示すように、ファン吸込口20aや吹出口20bを避けた経路でファンケース23の下面に沿うようにして、固定部材34でファンケース23に固定される。そして、ケーブル線30は、図9および図11に示すように、挿通孔37のコネクタ35aに接続され(図2(b)参照)、空間部100の中継用ケーブル線10を介して挿通孔36のコネクタ34aに接続された増幅器62に接続される(図2(a)参照)。
また、スピーカ収容部32は、スピーカ31を露出させる部位以外が囲われた密閉型で、ケーブル線30は、防水、防湿処理されたゴムパッキン等の封止部材110によって被覆された状態で取出孔33、通過孔106内に装着される。これにより、スピーカ収容部32の内部に湿気等の浸入を回避できる。
[第3の実施の形態]
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、浴室空調装置本体2の構成は、上述した実施の形態と同一であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図12は、本発明の一実施形態に係る浴室空調装置1Aの構成を示す断面図である。図13は、図12に示す浴室空調装置1Aの構成を示す斜視図である。
図12に示すように、スピーカ収容部32に設けられた収容部フランジ90は、外付けフランジ94を介して浴室空調装置本体2に設けられた本体フランジ39に連結される。これにより、スピーカ収容部32は、連結手段として機能する収容部フランジ90、外付けフランジ94および本体フランジ39を介して浴室空調装置本体2の外側に連結される。
フロントパネル4は、図12および図13に示すように、互いに連結されたスピーカ収容部32と浴室空調装置本体2とを覆うような形状であって、図示しないねじなどを介して浴室空調装置本体2に取り付けられる。フロントパネル4のスピーカ31と対向する位置には複数の音声出力孔118がグリル状に穿設される。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、フロントパネル4の両端部のそれぞれにスピーカ31を設けていたが、一端部に2個のスピーカ31を併設しても良い。さらに、スピーカ31の個数は2個に限定されず、例えば、モノラル再生の場合には1個でも良いし、5.1チャンネル再生の場合には6個のスピーカ31を取り付けても良い。さらに、浴槽の形状や浴槽に入浴する入浴者の位置等に合わせてスピーカ31の取付位置を設定することが好ましい。
また、上述した実施の形態では、スピーカ31をスピーカ収容部32に形成した開口部41から嵌め込んで取り付けていたが、スピーカ収容部32の一部に開閉蓋を設け、この開閉蓋を開閉することでスピーカ31をスピーカ収容部32の内部に収容しても良い。
また、スピーカ31を制御するオーディオ用制御部64および増幅器62等の電子機器をスピーカ31と共にスピーカ収容部32内部に設置しても良い。これにより、スピーカ31と増幅器62等との距離が近接するため、音声信号の減衰が抑えられ、音質の向上を図ることができる。
さらに、フロントパネル4の側板12aに形成するスピーカ31のケーブル30をスピーカ収容部32から外部(フロントパネル4側)に引き出すための引出部としては、上述した通過孔106に限定されることはなく、例えば切り欠き部であっても良い。
本発明の一実施形態に係る浴室空調装置の構成を示す断面図である。 浴室空調装置の構成を示す斜視図である。 浴室空調装置の構成を示す分解斜視図である。 浴室空調装置の空間部に形成された挿通孔部分の要部拡大図である。 挿通孔部分の構成を示す分解斜視図である。 浴室空調装置の空間部に形成された挿通孔部分の要部拡大図である。 挿通孔部分の構成を示す分解斜視図である。 浴室空調装置を浴室の天井パネルに取り付けた状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る浴室空調装置1Aの構成を示す断面図である。 浴室空調装置の構成を示す斜視図である。 浴室空調装置においてフロントパネルを外した状態を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る浴室空調装置の構成を示す断面図である。 浴室空調装置の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1A…浴室空調装置、 2…浴室空調装置本体、 4…フロントパネル、 10…中継用ケーブル線、 14…スピーカ取付フランジ、 20a…吸込口、 20b…吹出口、 20c…排出口、 28…本体ケース、 30…ケーブル線、 31…スピーカ、 32…スピーカ収容部、 32b…フランジ、 38…ゴムパッキン、 39…本体フランジ、 48…ケーブル線、 84…シール蓋、 90…収容部フランジ、 94…外付けフランジ、 100…空間部、 101…浴室、 110…封止部材、 116…カバー部材、 118…音声出力孔

Claims (3)

  1. 浴室内の空気を吸い込む吸込部と、浴室内に空気を吹き出す吹出部とが設けられた浴室空調装置本体と、前記浴室空調装置本体の前記浴室に露出する面を覆うフロントパネルと、スピーカ装置を収容するための空間部を有するスピーカ収容部とを備え、
    前記スピーカ収容部は、前記浴室空調装置本体または前記フロントパネルの外側に連結手段を介して取り付けられ
    前記連結手段は、
    前記浴室空調装置本体に設けられた第1のフランジと、
    前記スピーカ収容部に設けられた第2のフランジと、
    前記1のフランジと前記第2のフランジとを互いに連結するL字形状の第3のフランジとから構成され、
    前記浴室空調装置本体が取り付けられる天井面と前記第3のフランジとの間隙に前記スピーカ収容部の前記第2のフランジが介挿された状態で前記スピーカ収容部が前記第1のフランジに連結され、前記スピーカ収容部は、前記フロントパネルに一体的に設けられている
    ことを特徴とする浴室空調装置。
  2. 前記スピーカ収容部を構成する筐体の側面部と前記フロントパネルの側面部には、前記スピーカ収容部に収容される前記スピーカ装置に接続されるケーブル線を前記フロントパネル側に引き出すための引出部がそれぞれ形成され、
    前記ケーブル線は、封止部材を介して前記引出部に装着されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の浴室空調装置。
  3. 前記スピーカ収容部は前記封止部材によって密閉されていること
    を特徴とする請求項2に記載の浴室空調装置。
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