JP5061509B2 - 接着剤組成物並びにこれを用いた接続体及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤組成物並びにこれを用いた接続体及び半導体装置に関する。
半導体デバイス、液晶ディスプレイ等の分野では種々の電子部品を固定し、回路を接続するために各種の接着剤が使用されている。近年、これらの分野ではますます高密度化、高精細化が進み、接着剤には優れた接着力及び接着力の長期信頼性が求められている。一方、被着体としては、プリント配線板、ポリイミド等の耐熱性高分子からなる有機基板や銅、鉄、ニッケル、アルミニウム等の金属及びITO、Si、SiO等の様々な表面状態を有する基材が用いられている。接着剤には、これら各被着体との接着性をはじめ、耐熱性や高温高湿下での信頼性等が要求されている。また、液晶ディスプレイとTCPとの接続、FPCとTCPとの接続、FPCとプリント配線板との接続に用いられる接続剤は、電極間に介在し電気的な接続を行うために、接着剤の中に導電性粒子を分散させる場合がある。
従来、半導体素子や液晶表示素子用の接着剤には、高接着性且つ高信頼性を有するエポキシ樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂が用いられている(特許文献1参照)。熱潜在性触媒を用いた一液型エポキシ樹脂系接着剤は、主剤と硬化剤との混合が不必要であり使用が簡便なことから、フィルム状、ペースト状または粉体状の形態で使用されている。このような接着剤は、硬化のために170〜250℃の温度条件で1〜3時間程度の高温で長時間の加熱が必要とされる。ところが近年、工程時間の短縮による低コスト化及び基材のダメージを低減するために、より低温でかつ短時間で硬化して接着することが求められている。
低温及び短時間で硬化可能であることから、アクリレート誘導体、メタアクリレート誘導体などのラジカル重合性化合物と過酸化物ラジカル重合開始剤を併用したラジカル硬化型接着剤が注目を集めている。ラジカル硬化は、反応活性種のラジカルが反応性に富むため、低温短時間化が可能である(特許文献2参照)。しかし、ラジカル硬化型接着剤は硬化収縮が大きいため、十分な接着強度が得られないことがある。そこで、ラジカル硬化型接着剤の接着強度を向上させるために、シランカップリング剤に代表される接着助剤が用いられる。特許文献3には、リン酸エステルとエポキシシランカップリング剤とを併用した、高接着性を有するラジカル硬化型接着剤が記載されている。
特開平01−113480号公報 特開2002−203427号公報 特開2000−044905号公報
しかしながら、従来のラジカル硬化型接着剤組成物は、被着体がSi等のような表面が不活性な無機基材であるときに、強い接着強度を有することは困難であり、また、接着力の高温高湿環境下での長期信頼性にも劣る傾向があることが、本発明者らの検討の結果明らかとなった。
そこで、本発明は、ラジカル硬化型接着剤組成物でありながら、Si等のような無機基材に対しても十分に強い接着強度を有し、接着力の高温高湿環境下での長期信頼性にも優れる接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明の接着剤組成物は、(A)熱可塑性樹脂と、(B)ラジカル重合性化合物と、(C)ラジカル発生剤と、(D)溶解度パラメーターが9.0以上であるシランカップリング剤とを含む。
シランカップリング剤は、一般にアルコキシシリル基を有する。アルコキシシリル基が無機基材表面に吸着された水分等により加水分解されて無機基材と化学結合を形成することにより、シランカップリング剤による接着力向上の効果が得られる。本発明の場合、溶解度パラメーターが9.0以上であるシランカップリング剤を用いることにより、シランカップリング剤と熱可塑性樹脂及びラジカル重合性化合物の相溶性が向上し、シランカップリング剤同士の凝集が抑制されて、接着剤組成物中に良く分散される。その結果、被着体との界面近傍におけるシランカップリング剤の濃度が高められて、接着剤と無機基材との接着強度向上や接着力の高温高湿下での長期信頼性向上の効果が得られたと考えられる。
シランカップリング剤は塩基性官能基を有することが好ましい。塩基性官能基としては下記一般式(1)又は(2)で表される基が挙げられる。

式(1)中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ベンジル基又はハロゲン原子を示す。

式(2)中、Rは水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ベンジル基又はハロゲン原子を示す。
上記一般式(1)又は(2)で示される官能基を有するシランカップリング剤は、分子内の塩基性基の効果によりアルコキシシランの反応を促進させ、低温及び短時間での接続においてもシランカップリング剤の効果を十分に発揮することができる。
本発明の接着剤組成物は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、導電性粒子を0.5〜30質量部含むことが好ましい。これにより、接着剤組成物を回路接続材料として用いたときに、低い接続抵抗で回路部材を接続することが可能になり、接続抵抗の点でも長期信頼性が改善される。
本発明の接着剤組成物は、回路部材同士を接着するとともにそれぞれの回路部材が有する回路電極同士を電気的に接続するために用いられたときに特に有用なものである。
本発明の接着体は、対向配置された一対の回路部材と、接着剤組成物の硬化物からなり、一対の回路部材の間に介在しそれぞれの回路部材が有する回路電極同士が電気的に接続されるように回路部材同士を接続する接続部とを備える。
本発明の半導体装置は、基板及び該基板上に形成された回路電極を有する半導体素子搭載用基板と、回路電極と電気的に接続された半導体素子と、接着剤組成物の硬化物からなり、半導体素子搭載用基板及び前記半導体素子の間に介在してこれらを接着している接着層とを備える。
本発明によればラジカル硬化型接着剤組成物でありながら、Si等のような無機基材に対しても十分に強い接着強度を有し、接着力の高温高湿環境下での長期信頼性にも優れる接着剤組成物が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
本実施形態の接着剤組成物は、(A)熱可塑性樹脂と、(B)ラジカル重合性化合物と、(C)ラジカル発生剤と、(D)溶解度パラメーターが9.0(cal/cm1/2以上のシランカップリング剤とを含む。
熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有するものであれば特に制限されなく、公知のものを用いることができる。具体的には、ポリイミド、ポリアミド、フェノキシ樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリビニルブチラート等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、溶解度パラメーター(以下、SP値という)が9.5〜14.0(cal/cm1/2の範囲にあるポリマーが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂にはシロキサン結合やフッ素置換基が含まれていてもよい。これらの熱可塑性樹脂は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることが可能である。混合する樹脂同士は、完全に相溶するか又はミクロ相分離が生じて白濁する状態であれば好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂の分子量は大きいほどフィルム形成性に優れ、流動性に影響する溶融粘度を広範囲に設定することができる。熱可塑性樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、一般的に5000〜150000であることが好ましく、10000〜80000であることが特に好ましい。この値が、5000未満ではフィルム形成性が劣る傾向があり、150000を超えると他の成分との相溶性が低下する傾向がある。
ラジカル重合性化合物としては特に制限されなく、従来公知のものを用いることができる。ラジカル重合性化合物の具体例としては、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等のオリゴマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性2官能(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性3官能(メタ)アクリレート、2,2’−ジ(メタ)アクリロイロキシジエチルホスフェート、2−アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらの化合物は、必要に応じて単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
流動性を向上させる目的で、低粘度の単官能(メタ)アクリレートを併用してもよい。具体的には、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
ラジカル発生剤としては、過酸化物、アゾ化合物等の熱又は光により分解してラジカルを発生するものであればよく、接続温度、接続時間及び保存安定性等を考慮して適宜選択される。高反応性と保存安定性の観点から、半減期10時間の温度が40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が50℃以上かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物が特に好ましい。
接続時間を10秒程度の短時間で十分な反応率を得るためには、ラジカル発生剤の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05〜30質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましい。この配合量が0.05質量部未満では接着剤組成物の硬化が不十分となる傾向があり、30質量部を超えると接着剤組成物の放置安定性が低下する傾向がある。
本実施形態に用いられる有機過酸化物の具体的な化合物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。このうち、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドは、開始剤中の塩素イオンや有機酸が5000ppm以下であり、加熱分解後に発生する有機酸が少なく、回路部材の接続端子の腐食を抑えることができるため特に好ましい。
また、ジアシルパーオキサイド類としては、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネート類としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート等が挙げられる。
パーオキシケタール類としては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類としては、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類としては、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
シリルパーオキサイド類としては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
回路部材の接続端子の腐食を抑えるためには、ラジカル発生剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、また、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものが好ましい。また、作製した回路接続材料の安定性を向上させる観点から、室温及び常圧下で24時間の開放放置した後の重量保持率は20質量%以上であることが好ましい。これらは適宜混合して用いることができる。
これらのラジカル発生剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができ、分解促進剤、抑制剤を混合して用いてもよい。また、ラジカル発生剤の使用時間を延長させる観点から、ラジカル発生剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆し、マイクロカプセル化したものを用いるのが好ましい。
シランカップリング剤としては、溶解度パラメーター(SP値)が9.0以上であれば特に制限されなく公知のものを使用することができる。シランカップリング剤のSP値は9.0〜12.0であることが好ましい。シランカップリング剤のSP値が9.0未満であると、熱可塑性樹脂とラジカル重合性化合物との相溶性が低下して、シランカップリング剤同士が凝集する傾向がある。所望の場所にシランカップリング剤が分散されないと、シランカップリング剤の効力を効果的に発揮することができない。シランカップリング剤のSP値が9.0以上であると、熱可塑性樹脂及びラジカル重合性化合物との相溶性が向上し、接着剤組成物の中に均一に分散することができ、SiOやSi等の無機機材との高い接着力が発現される。
SP値の計算方法については各種文献等で紹介されているが、本発明におけるSP値はFedorsが報告した手法により計算した値を用いたものである。Fedorsが報告した手法の詳細はR.T.Fedors,polymer Engineering and Science,14,147(1974)に記載されている。
溶解度パラメーターが9.0以上であるシランカップリング剤は市販品として入手可能である。溶解度パラメータが9.0以上であるシランカップリング剤の市販品としては、例えば、日興マテリアルズ(株)製の「IM1000」(商品名)、信越化学(株)製の「KBE9007」(商品名)、東レ・ダウコーニング(株)製の「AY43−031」が挙げられる。
また、シランカップリング剤は塩基性官能基を有することが好ましい。その塩基性官能基として、例えば、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、アニリン等から誘導されるアミノ基が挙げられる。

式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ベンジル基又はハロゲン原子を示す。

式中、Rは水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ベンジル基又はハロゲン原子を示す。
上記一般式(1)又は(2)で表される官能基を有するシランカップリング剤は、分子内の塩基性基の効果によりアルコキシシランの反応を促進させ、低温及び短時間での接続においてもシランカップリング剤の効果を十分に発揮することができる。
<添加剤>
本実施形態の接着剤組成物は架橋率を向上させる観点から、ラジカル重合性化合物の他に、活性ラジカルによって重合するアリル基、マレイミド基、ビニル基等の官能基を有する化合物を適宜添加してもよい。具体的には、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム4,4’−ビニリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等が挙げられる。
接着剤組成物は流動性を向上させる観点から、単官能(メタ)アクリレートを併用してもよい。具体的には、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる
応力緩和性及び接着性を向上させる観点からゴム成分を併用してもよい。具体的には、ポリイソプレン、ポリブタジエン、カルボキシル基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、カルボキシル基末端1,2−ポリブタジエン、水酸基末端1,2−ポリブタジエン、アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水酸基末端スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基またはモルホリン基をポリマー末端に含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水酸基末端ポリ(オキシプロピレン)、アルコキシシリル基末端ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリオレフィングリコール、ポリ−ε−カプロラクトン等が挙げられる。
なお、ゴム系の材料は接着性向上の観点から極性が高い官能基であるシアノ基、カルボキシル基を側鎖あるいは末端に含むことが好ましく、更に流動性向上の観点から液状であることがより好ましい。具体的には、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基またはモルホリン基をポリマー末端に含有する液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状カルボキシル化ニトリルゴム等が挙げられる。極性基であるアクリロニトリルの含有量はこれらのゴム系材料全体質量の10〜60質量%であることが更に好ましい。なお、これらのゴム系材料は単独で又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
接着剤組成物には貯蔵安定性付与を目的に、t−ブチルピロカテコール、t−ブチルフェノール、p−メトキシフェノール等に代表される重合禁止剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
他に、接着剤組成物には、密着向上剤、レベリング剤等の接着助剤を適宜添加してもよく、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤等を適宜添加してもよい。これらの化合物は単独で又は2種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。また、接着剤組成物は、硬化したときのTg(ガラス転移温度)が5℃以上異なる2種類以上の層からなる多層構成となってもよい。
<導電性粒子>
本実施形態の導電性粒子はそれを介して電極を電気的に接続させるものであれば特に制限されない。その導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、Co、はんだ等の金属粒子やカーボン等が挙げられる。また、非導電性のガラス、セラミックス、プラスチック等を上記金属の導電物質で被覆したものも使用できる。このとき、十分な導電性を得る観点から、被覆する金属層の厚さは100Å以上であることが好ましい。
導電性粒子の平均粒径は、分散性、導電性の点から1〜18μmの範囲であることが好ましい。
導電性粒子の含有量は、接着剤組成物全体量100体積%に対して0.1〜30体積%とすることが好ましく、0.1〜20体積%とすることがより好ましく、0.1〜10体積%とすることが更に好ましい。導電性粒子の含有量が、0.1体積%未満であると導電性が劣る傾向があり、30体積%を超えると回路の短絡が起こる傾向がある。
なお、上記含有量(体積%)は、23℃で硬化前の各成分の体積をもとに決定される。各成分の体積は、比重を利用して質量から体積に換算することができる。また、メスシリンダーなどにその成分を溶解したり膨潤させたりせず、その成分をよくぬらす適当な溶媒(水、アルコール等)を入れたものに、その成分を投入し増加した体積をその体積として求めることもできる。
接着剤組成物は、常温で液状である場合にはペースト状で使用することができる。室温で固体である場合には加熱して使用するほか、溶剤を使用してペースト化してもよい。使用できる溶剤としては、接着剤組成物及び添加剤と反応性がなく、かつ十分な溶解性を示すものであれば特に制限されなく、常圧での沸点が50〜150℃であるものが好ましい。沸点が50℃未満の場合室温で放置すると揮発するおそれがあり、開放系での使用が制限される。沸点が150℃を超えると溶剤を揮発させることが難しく、接着後の信頼性に悪影響を及ぼすおそれがある。
接着剤組成物はフィルム状にして用いることもできる。フィルムの形成方法としては、接着剤組成物に必要な溶剤等を加え、その溶液をフッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離形紙等の剥離性基材上に塗布した後、溶剤等を除去する。他に、不織布等の基材を前記溶液の中に含浸させてから剥離性基材上に載置し、溶剤等を除去してフィルムを形成する方法もある。取り扱い性の観点から、接着剤組成物はフィルムの形状で用いることが一層便利である。
本実施形態に係る接着剤組成物は、熱膨張係数の異なる異種の被着体の接着剤として用いることも可能である。具体的には、例えば、異方導電接着剤、銀ペースト、銀フィルム等に体表される回路接続材料又はCSP用エラストマー、CSP用アンダーフィルム材、LOCテープ等に体表される半導体素子接着材料として用いられる。
(接続体)
以下、図1を参照しながら接続体について説明する。接続体1は相互に対向する第1の回路部材20及び第2の回路部材30を備えており、第1の回路部材20と第2の回路部材30との間には、これらを接続する接続部10が設けられている。
第1の回路部材20は、第1の回路基板21と、第1の回路基板21の主面21a上に形成された第1の回路電極22とを有する。第2の回路部材30は、第2の回路基板31と、第2の回路基板31の主面31a上に形成された第2の回路電極32とを有する。第1の回路基板21の主面21a上、及び第2の回路基板31の主面31a上には、場合により絶縁層(図示せず)が形成されていてもよい。
第1及び第2の回路基板21,31としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機物;TCP、FPC、COFに体表されるポリイミド基材、ポリカーボネート、ポリエステルスルホン等の有機物;これらの無機物や有機物を複合化した材料からなる基板が挙げられる。特に、第1及び第2の回路基板21,31の表面がSi等の不活性な材料から形成されている場合に、本実施形態は有用である。
第1及び第2の回路部材20,30は、電気的接続を必要とする電極が形成されているものであれば特に制限はない。その具体例としては、液晶ディスプレイに用いられているITO等で回路電極が形成されたガラス基板又はプラスチック基板や、プリント配線板、セラミック配線板、フレキシブル配線板、半導体シリコンチップ等が挙げられる。これらは必要に応じて組み合わせて使用される。
接続部10は、導電性を有する上記接着剤組成物からなる回路接続材料の硬化物から形成されている。接続部10は、主としてエポキシ化合物の架橋体から形成される絶縁層11と、絶縁層11内に分散している導電性粒子7とから構成される。導電性粒子7は、対向する第1の回路電極22と第2の回路電極32との間のみならず、主面21a,31a同士間にも配置されている。接続体1においては、導電性粒子7が第1及び第2の回路電極22、32の双方に直接接触している。これにより、第1及び第2の回路電極22,32が、導電性粒子7を介して電気的に接続されている。このため、第1の回路電極22及び第2の回路電極32間の接続抵抗が十分に低減される。従って、第1及び第2の回路電極22,32の間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を十分に発揮することができる。なお、接続部10が導電性粒子7を含有していない場合には、第1の回路電極22と第2の回路電極32とが直接接触することで、電気的に接続される。
接続部10は、後述するように上記接着剤組成物からなる回路接続材料の硬化物により構成されていることから、第1の回路部材20及び第2の回路部材30に対する接続部10の接着強度が十分に高くなる。また、接続体1では接着強度が十分に高い状態が高温高湿環境下であっても長期間にわたって維持される。
(接続方法)
図2は、回路部材の接続方法の一実施形態を概略断面図により示す工程図である。
本実施形態では、先ず、上述した第1の回路部材20と、フィルム状の回路接続材料40を用意する。回路接続材料40は、導電性粒子7を含有する上記接着剤組成物からなる。
なお、導電性粒子7を含有しない接着剤組成物を回路接続材料として用いることもできる。この場合、回路接続材料40はNCP(Non-Conductive Paste)と呼ばれることもある。導電性粒子7を含有する回路接続材料40はACP(AnisotropicConductive Paste)と呼ばれることもある。
回路接続材料40の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。回路接続材料40の厚さが5μm未満では、第1及び第2の回路電極22,32間に回路接続材料40が充填不足となる傾向がある。他方、50μmを超えると、第1及び第2の回路電極22,32間の導通の確保が困難となる傾向がある。
次に、回路接続材料40を第1の回路部材20の回路電極22が形成されている面上に載せる。そして、回路接続材料40を、図2(a)の矢印A及びB方向に加圧し、回路接続材料40を第1の回路部材20に仮接続する(図2(b)参照)。
次いで、図2(c)に示すように、第2の回路部材30を、第2の回路電極32を第1の回路部材20の側に向けるようにして回路接続材料40上に載せる。そして、回路接続材料40を加熱しながら、図2(c)の矢印A及びB方向に全体を加圧する。
この時の加熱温度は、本発明の接着剤組成物が実質的に硬化可能な温度とする。加熱温度は90〜250℃であり、加熱時間は1秒〜600秒であるのが好ましい。また、加熱加圧時の圧力は、被着体に損傷を与えない範囲であれば特に制限されないが、一般的には0.1〜10MPaとすることが好ましい。
回路接続材料40の加熱により、第1の回路電極22と第2の回路電極32との間の距離を十分に小さくした状態で回路接続材料40が硬化して、第1の回路部材20と第2の回路部材30とが接続部10を介して強固に接続される。接続部10が上記接着剤組成物からなる回路接続材料の硬化物により構成されていることから、第1及び第2の回路部材20又は30に対する接続部10の接着力が十分に高くなり、特に高温高湿条件下において接着力が高くなる。また、接続体1は、第1及び第2の回路電極22,32間の距離の経時的変化が十分に防止され、第1及び第2の回路電極22,32間の電気特性の長期信頼性に優れる。
本実施形態では、接着剤組成物の硬化が加熱加圧条件下で行われているが、必要に応じて熱エネルギー以外の光、超音波、電磁波等のエネルギーを用いて硬化されてもよい。
こうして、回路接続材料40が硬化処理され、図1に示すような接続体が得られる。なお、接続の条件は、用途、接着剤組成物、回路部材によって適宜選択される。上記接続方法により得られた接続体は、導電性粒子7を介して第1及び第2の回路電極22,32を接続させることが可能となり、その接続抵抗を十分に低減することができる。
(半導体装置)
図3は、本発明に係る半導体装置の一実施形態を示す概略断面図である。
図3に示すように、本実施形態の半導体装置2は、基板60及び基板60上に形成された回路電極61を有する半導体素子搭載用基板62と、回路電極61と電気的に接続された半導体素子50と、半導体素子搭載用基板62及び半導体素子50の間に介在してこれらを接着している接着層40とから主として構成される。回路電極61は、基板60の主面60a上で接着層40を介して又は直接に半導体素子50と電気的に接続されている。そして、これらが封止層70により封止され、半導体装置2が形成される。
半導体素子50の材料は特に制限されないが、シリコン、ゲルマニウムの4族の半導体素子、GaAs、InP、GaP、InGaAs、InGaAsP、AlGaAs、InAs、GaInP、AlInP、AlGaInP、GaNAs、GaNP、GaInNAs、GaInNP、GaSb、InSb、GaN、AlN、InGaN、InNAsPなどのIII-V族化合物半導体素子、HgTe、HgCdTe、CdMnTe、CdS、CdSe、MgSe、MgS、ZnSe、ZeTe等のII-VI族化合物半導体素子、そして、CuInSe(ClS)等が挙げられる。
接着層40は、絶縁層11及び導電性粒子7を有する。導電性粒子7は、半導体素子50と回路電極61との間のみならず、半導体素子50と主面60aとの間にも配置され、半導体素子50と回路電極61とを電気的に接続する。このため、半導体素子50及び回路電極61間の接続抵抗が十分に低減される。また、この導電性粒子7を上述した配合割合とすることによって電気的な接続の異方性を示すことも可能である。
接着層40は上記接着剤組成物の硬化物により構成されていることから、半導体素子50及び基板60の間の接着強度が十分に高くなり、この状態を長期間にわたって維持させることができる。したがって、半導体素子50及び基板60間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることが可能となる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれに制限するものではない。
(実施例1〜3)
熱可塑性樹脂としてポリウレタン樹脂ミラクトロンP22M(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名)又はフェノキシ樹脂PKHC(ユニオンカーバイト社製、商品名、平均分子量45,000)を30g用い、これをメチルエチルケトン170gに溶解して、固形分15質量%の溶液とした。ラジカル重合性化合物として、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレートM−215(東亜合成(株)製、商品名)、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェートであるライトエステルP−2M(共栄社(株)製、商品名)及びウレタンアクリレートU−2PPA(新中村化学社製、商品名)を用いた。ラジカル発生剤として、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネートの50質量%DOP溶液(日本油脂(株)製、商品名:パーキュアHO)を用いた。
シランカップリング剤として、IM1000(日鉱マテリアルズ(株)製、商品名)、KBE9007(信越化学(株)製、商品名)、AY43−031(東レ・ダウコーニング(株)、商品名)、又はTMSI(Gelest社製、商品名)を用いた。
また、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚さが0.20μmのニッケル層を被覆させた後、このニッケル層の外側に厚さが0.02μmの金層を被覆させて、平均粒径が4μm、比重が2.5の導電性粒子を作製した。
導電性粒子以外の上記材料は固形質量比で表1に示す割合で配合させ、さらに導電性粒子を1.5体積%配合分散させて接着剤組成物を得た。次いで、塗工装置を用いてこの接着剤組成物を厚さが80μmのフッ素樹脂フィルム上に塗布し、70℃で10分間熱風乾燥し、厚さが15μmのフィルム状の接続材料を得た。
(比較例1〜3)
シランカップリング剤として、比較例ではKBE903(信越化学(株)製、商品名)又はKBE403(信越化学(株)製、商品名)を用いた以外は、実施例1〜3と同様の材料を使用し、同様の工程を経てフィルム状の接続材料を得た。なお、その使用量を表1に示す。
また、熱可塑性樹脂、ラジカル重合性化合物及びシランカップリング剤のSP値(Fedors法を用いて計算した値である)を表2に示す。
<接着強度(接着力)の測定>
得られたフィルム状の接続材料を用いて、フレキシブル回路板(FPC)と0.2μmの酸化インジウム(ITO)の薄層を形成したガラスとの接続、及びFPCと0.5μmの窒化珪素(Si)の薄層を形成したガラス基板との接着を行った。FPCは、ライン幅が25μm、ピッチが50μm、厚さが18μmの銅回路を500本有する。また、ITOの薄層を形成したガラス基板の厚さは1.1mm、表面抵抗は20Ω/□であり、Siの薄層を形成したガラス基板の厚さは0.7mmである。
先ず、ガラス基板のITO又はSiの薄層が形成されたガラス面上に、フィルム状接続材料の剥離性PETフィルムの反対面を仮接着させた。仮接着は、剥離性PETフィルム側を3秒間70℃で加熱しながら1MPaの圧力を加えて行った。その後、剥離性PETフィルムをフィルム状接続材料から剥離して、ITO又はSiの薄層を形成したガラス面上へのフィルム状接続材料の転写を行った。
次いで、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジニアリング(株)製)を用いて、175℃、3MPaの条件下で15秒間加熱加圧しながら、半導体素子と幅2mmの基板とを接着し、接続体を作製した。初期及び信頼性試験後の接着力は、この試料を作製した直後と、85℃、85%RHの高温高湿槽中で120時間保持した後に、JIS−Z0237に準じて90度剥離法で測定した。その結果を表3に示す。ここで、接着強度の測定装置は、東洋ボールドウイン(株)製のテンシロンUTM−4(剥離速度50mm/min、25℃)を用いた。
<接続抵抗の測定>
ITOの薄層を形成したガラス基板を用いた上記接続体について、接着直後と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に120時間保持した後の接続抵抗を、マルチメータを用いて測定した。隣接回路間の抵抗150点の平均(x+3σ)値を接続抵抗として求めた。その結果を表3に示す。
SP値が9.0以上であるシランカップリング剤を用いた実施例の接着剤組成物は、ITOだけでなく、Siに対しても初期及び信頼性試験後に高い接着力を示した。これに対して、SP値が9.0未満であるシランカップリング剤を用いた比較例の接着剤組成物はSiに対する接着力が初期及び信頼性試験後において低かった。
本発明の接続体の一実施形態を示す概略断面図である。 回路部材の接続方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明の半導体装置の一実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1…接続体、2…半導体装置、5…接続剤組成物、7…導電性粒子、10…接続部、11…絶縁層、20…第1の回路部材、21…第1の回路基板、22…第1の回路電極、30…第2の回路部材、31…第2の回路基板、32…第2の回路電極、40…接着層、50…半導体素子、60…基板、61…回路電極、62…半導体素子搭載用基板、70…封止層、80…半導体素子接続部材。

Claims (6)

  1. (A)熱可塑性樹脂と、
    (B)ラジカル重合性化合物と、
    (C)ラジカル発生剤と、
    (D)溶解度パラメーターが9.0以上であるシランカップリング剤と、
    を含み、
    前記熱可塑性樹脂の溶解度パラメーターが9.5〜14.0の範囲にあり、
    前記シランカップリング剤は塩基性官能基を有し、前記塩基性官能基は下記一般式(1)又は(2)で表される基である、接着剤組成物。

    [式(1)中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ベンジル基又はハロゲン原子を示す。]

    [式(2)中、Rは水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ベンジル基又はハロゲン原子を示す。]
  2. 前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、導電性粒子を0.5〜30質量部含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、フェノキシ樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル及びポリビニルブチラートから選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 回路部材同士を接着するとともにそれぞれの回路部材が有する回路電極同士を電気的に接続するために用いられる、請求項1〜のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  5. 対向配置された一対の回路部材と、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の接着剤組成物の硬化物からなり、前記一対の回路部材の間に介在しそれぞれの回路部材が有する回路電極同士が電気的に接続されるように前記回路部材同士を接続する接続部と、
    を備える接続体。
  6. 基板及び該基板上に形成された回路電極を有する半導体素子搭載用基板と、
    前記回路電極と電気的に接続された半導体素子と、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の接着剤組成物の硬化物からなり、前記半導体素子搭載用基板及び前記半導体素子の間に介在してこれらを接着している接着層と、
    を備える半導体装置。
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