JP5061501B2 - 撮像光学系 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像素子に対して光を導くことのできる撮像光学系に関し、特にデジタルカメラや携帯電話に適した撮像光学系に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータの普及に伴い、手軽に画像を取り込めるデジタルカメラが普及している。また、モバイルコンピュータ、携帯電話、情報携帯端末(PDA:Parsonal Digital Assistant)等の情報処理機器にデジタルカメラを組み込むことも一般化している。このような状況のもと、より小型のデジタルカメラが求められるようになっており、撮像光学系にもより一層の小型化が要望されている。
撮像光学系を小型にする方法として、撮像素子を小型にする方法がある。この方法は、撮像素子の個々の受光部を小さくすることが必要である。そのため、撮像光学系は、小さい受光部に光線を集光させなくてはならず、高性能の撮像光学系が要求されるようになっている。
一方、撮像素子の大きさをそのままにして、撮像光学系を小型にする方法がある。この方法は、撮像光学系の全長を短くすることができるが、撮像光学系の射出瞳位置も像面に近づく。射出瞳位置が像面に近づくと、撮像光学系から射出された軸外光束が像面に対して斜めに入射する。すると、撮像素子の受光部の前面に設けられているマイクロレンズに、大きく傾斜した光線が入射することとなり、撮像素子の周辺部の光量が低下する。その結果、像面の光量が、像面の中央部と周辺部とで極端な差異があるという問題が生じる。小型であるともに、像面の光量を均一にした高性能の撮像光学系が要求されている。
以上のような問題や実情を鑑みて、コンパクトな3枚構成から成る撮像光学系が、特許文献1で提案されている。
特開2004−37960号公報
しかし、特許文献1では、コンパクトな構成ではあるが、撮像光学系の全長に対して射出瞳位置が像面に近くなり、像面の中央部と周辺部の光量の差異があるという問題を有している。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、小型でありながら、良好に収差補正された撮像光学系を提供することにある。
上記の課題は、次の構成により解決される。
1.
複数のレンズを有し、撮像対象からの光を撮像素子上に結像させる撮像光学系において、
撮像対象から順に、第1レンズ、開口絞り、第2レンズ、第3レンズとからなり、
前記第1レンズは、撮像対象側に凸面を向けるとともに、正の屈折力を有し、
前記第2レンズは、像面側に凸面を向けるとともに、正の屈折力を有し、
前記第3レンズは、像面側に凸面を向けるメニスカス形状であるとともに、負の屈折力を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
<f23/f<25
但し、
f23:第2レンズと第3レンズの合成焦点距離
f:全系の焦点距離
2.
前記第1レンズは、撮像対象側に凸面を向けるメニスカス形状であることを特徴とする1に記載の撮像光学系。
3.
前記第2レンズは、像面側に凸面を向けるメニスカス形状であることを特徴とする1又は2に記載の撮像光学系。
4.
前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズは、それぞれ少なくとも1面の非球面を有することを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の撮像光学系。
5.
以下の条件式を満足することを特徴とする1乃至4の何れか1項に記載の撮像光学系。
−5<(r31+r32)/(r31−r32)<−1
但し、
r31:第3レンズの撮像対象側の曲率半径
r32:第3レンズの像面側の曲率半径
本発明は、撮像対象側から順に、第1の正屈折力レンズ、開口絞り、第2の正屈折力レンズ、第3の負屈折力レンズと配置し、第2の正屈折力レンズと第3の負屈折力レンズの合成焦点距離を適切な範囲に設定することにより、撮像光学系全長を短くすることができ、また、光学性能の劣化を抑制することができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1〜3は、本発明に係る撮像光学系CLの第1〜第3の実施形態のレンズ配置を表す断面図である。
図1〜図3において、撮像光学系CLは、撮像対象側から順に、撮像対象側に凸面を向けた正メニスカスレンズの第1レンズFL1、開口絞りA、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズの第2レンズFL2、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第3レンズFL3、ガラスフィルタGFから成る。
次に、各実施形態の撮影光学系CLが満足すべき条件式を説明する。尚、各実施形態の撮影光学系CLは、以下に示す各条件式をすべて、同時に満足する必要はなく、個々の条件式をそれぞれ単独に満足することによって対応する作用効果を達成することが可能である。もちろん、複数の条件式を満足している方が光学性能、小型化あるいは組立の観点からより望ましいことはいうまでもない。
3.6<f23/f<50 (1)
ここで、f23:第2レンズと第3レンズの合成焦点距離、f:全系の焦点距離である。
条件式(1)の上限を越えると、コマ収差が悪化し、更にペッツバール和が補正過剰になり、解像度が不足する。条件式(1)の下限を越えると、ペッツバール和が補正不足となり、像面湾曲を補正することが困難となる。
以下の条件式(1A)、(1B)を満足することが更に望ましい。
4<f23/f<30 (1A)
5<f23/f<25 (1B)
−5<(r31+r32)/(r31−r32)<−1 (2)
ここで、r31:第3レンズの撮像対象側の曲率半径、r32:第3レンズの像面側の曲率半径である。
条件式(2)の上限を越えると、コマ収差が悪化し、更にペッツバール和が補正過剰になり、解像度が不足する。条件式(2)の下限を越えると、ペッツバール和が補正不足となり、像面湾曲を補正することが困難となる。
以下の条件式(2A)、(2B)を満足することが更に望ましい。
−2<(r31+r32)/(r31−r32)<−1.06 (2A)
−1.5<(r31+r32)/(r31−r32)<−1.1 (2B)
−1.52<(r11+r12)/(r11−r12)<−1 (3)
ここで、r11:第1レンズの撮像対象側の曲率半径、r12:第1レンズの像面側の曲率半径である。
条件式(3)の上限を越えると、ペッツバール和が補正不足となり、像面湾曲を補正することが困難となる。条件式(3)の下限を越えると、コマ収差が悪化し、更にペッツバール和が補正過剰になり、解像度が不足する。
以下の条件式(3A)、(3B)を満足することが更に望ましい。
−1.51<(r11+r12)/(r11−r12)<−1 (3A)
−1.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−1 (3B)
本発明の撮像光学系の前記第1レンズ、第2レンズ、第3レンズは、それぞれ少なくとも1面の非球面を有することが望ましい。これは、球面収差や、コマ収差、歪曲収差の補正に大きな効果がある。
以下、本発明に係る実施例に関し、コンストラクションデータ、収差図等を挙げて、更に具体例を示す。
以下に挙げる実施例1〜3は、前述した第1から第3の実施形態にそれぞれ対応しており、実施形態を表すレンズ配置図は、対応する実施例1〜3のレンズ構成を、それぞれ示している。
各実施例において、ri(i=1,2,3・・)は撮像対象側から数えてi番目の面の曲率半径、di(i=1,2,3,...)は撮像対象側から数えてi番目の軸上面間隔を示し、Ni(i=1,2,3・・)、νi(i=1,2,3・・)は、撮像対象側から数えてi番目のレンズのd線に対する屈折率、アッベ数を示す。また、fは全系の焦点距離、FNOはFナンバーを表す。
さらに、各実施例中、曲率半径riに*印を付した面は非球面形状の屈折光学面あるいは非球面と等価な屈折作用を有する面であることを示し、非球面の面形状を表す以下の式で定義するものとする。
X(H)=C・H2/{1+√(1−ε・C2・H2)}+ΣAi・Hi (AS)
ここで、Hは光軸に対して垂直な方向の高さ、X(H)は高さHの位置での光軸方向の変位量(面頂点基準)、Cは近軸曲率、εは2次曲面パラメータ、Aiはi次の非球面係数、HiはHのi乗である。
(実施例1)
撮像光学系CLの構成を図1に示す。f=4.37mm、FNO=4.0である。撮像光学系CLのコンストラクションデータを表1に示す。
Figure 0005061501
また、非球面面係数を以下に示す。
第1面(r1)の非球面係数
ε=0.18518×10
A4=−0.61806×10-2
A6=−0.83936×10-2
A8=0.12016×10-1
A10=−0.86799×10-2
A12=0.17054×10-2
第2面(r2)の非球面係数
ε=−0.90000×10
A4=0.14467×10-3
A6=−0.40101×10-1
A8=0.13473
A10=−0.17543
第4面(r4)の非球面係数
ε=−0.14116
A4=−0.71999×10-1
A6=0.24417×10-2
A8=0.10224
A10=−0.44325×10-1
第5面(r5)の非球面係数
ε=−0.17379×10
A4=−0.15069
A6=0.82394×10-1
A8=−0.17004×10-1
A10=0.43581×10-2
A12=0.66133×10-3
第6面(r6)の非球面係数
ε=−0.40000×10
A4=0.47924×10-1
A6=−0.58460×10-2
A8=−0.29127×10-2
A10=0.75237×10-3
A12=−0.47556×10-4
第7面(r7)の非球面係数
ε=0.80000×10
A4=0.18840×10-1
A6=−0.49565×10-2
A8=0.16100×10-3
A10=−0.10249×10-4
A10=0.11536×10-5
(実施例2)
撮像光学系CLの構成を図2に示す。f=4.51mm、FNO=2.9である。撮像光学系CLのコンストラクションデータを表2に示す。
Figure 0005061501
また、非球面面係数を以下に示す。
第1面(r1)の非球面係数
ε=0.17389×10
A4=−0.96357×10-2
A6=−0.84693×10-2
A8=0.86320×10-2
A10=−0.36530×10-2
A12=−0.21348×10-3
第2面(r2)の非球面係数
ε=−0.69944×10
A4=−0.16766×10-2
A6=−0.28183×10-1
A8=0.89564×10-1
A10=−0.79855×10-1
第4面(r4)の非球面係数
ε=0.94304
A4=−0.10224
A6=−0.19790×10-1
A8=0.10404
A10=−0.18595×10-1
第5面(r5)の非球面係数
ε=−0.13968×10
A4=−0.17577
A6=0.71061×10-1
A8=−0.15956×10-1
A10=0.87997×10-2
A12=0.55219×10-3
第6面(r6)の非球面係数
ε=−0.40000×10
A4=0.60689×10-1
A6=−0.73649×10-2
A8=−0.32892×10-2
A10=0.69648×10-3
A12=−0.23032×10-4
第7面(r7)の非球面係数
ε=0.80000×10
A4=0.11548×10-1
A6=−0.21917×10-2
A8=−0.53916×10-4
A10=−0.10261×10-3
A12=0.13151×10-4
(実施例3)
撮像光学系CLの構成を図1に示す。f=5.15mm、FNO=3.0である。撮像光学系CLのコンストラクションデータを表3に示す。
Figure 0005061501
また、非球面面係数を以下に示す。
第1面(r1)の非球面係数
ε=0.19167×10
A4=−0.31011×10-2
A6=−0.52787×10-2
A8=0.53224×10-2
A10=−0.22782×10-3
A12=−0.61464×10-3
第2面(r2)の非球面係数
ε=−0.90000×10
A4=0.13730×10-1
A6=−0.12404×10-1
A8=0.56050×10-1
A10=−0.41881×10-1
第4面(r4)の非球面係数
ε=0.14978×10
A4=−0.64390×10-1
A6=−0.36198×10-1
A8=0.48717×10-1
A10=−0.59089×10-2
第5面(r5)の非球面係数
ε=−0.13992×10
A4=−0.11340
A6=0.32472×10-1
A8=−0.88880×10-2
A10=0.17284×10-2
A12=0.84375×10-3
第6面(r6)の非球面係数
ε=−0.30948×10
A4=0.38243×10-1
A6=−0.34987×10-2
A8=−0.18222×10-2
A10=0.18528×10-3
A12=0.11897×10-4
第7面(r7)の非球面係数
ε=0.26375×10
A4=0.12418×10-1
A6=−0.30271×10-2
A8=0.40981×10-4
A10=−0.53462×10-6
A12=0.26078×10-6
また、各実施例の条件式(1)、(2)、(3)で規定されるパラメータに対応する値を併せて表4示す。
Figure 0005061501
図4〜図6は、実施例1〜実施例3に対応する収差図である。各収差図は、左側から順に、球面収差図、非点収差図、歪曲収差図を表している。
各球面収差図おいて、実線dはd線、一点鎖線gはg線、二点鎖線cはc線それぞれに対する球面収差量、SCは正弦条件不満足量を表す。また、各非点収差図において、実線DSはサジタル面、点線DMはメリディオナル面をそれぞれ表す。また、球面収差図の縦軸は光線のFナンバーを表し、非点収差図及び歪曲収差図の縦軸は、最大像高Y’を表す。
以上のように、本発明の撮像光学系によれば、光学性能が良好でコンパクトな固体撮像素子用撮像光学系を提供することが可能である。
したがって、本発明に係る撮像光学系を、デジタルカメラ等の撮像光学系に適用した場合、当該カメラの高機能化とコンパクト化に寄与することができる。
第1実施形態(実施例1)の撮像光学系のレンズ構成図。 第2実施形態(実施例2)の撮像光学系のレンズ構成図。 第3実施形態(実施例3)の撮像光学系のレンズ構成図。 実施例1の撮像光学系の収差図。 実施例2の撮像光学系の収差図。 実施例3の撮像光学系の収差図。
符号の説明
CL 撮像光学系
FL1 第1レンズ
FL2 第2レンズ
FL3 第3レンズ
A 絞り
GF ガラスフィルター
r1〜r9 面

Claims (5)

  1. 複数のレンズを有し、撮像対象からの光を撮像素子上に結像させる撮像光学系において、
    撮像対象から順に、第1レンズ、開口絞り、第2レンズ、第3レンズとからなり、
    前記第1レンズは、撮像対象側に凸面を向けるとともに、正の屈折力を有し、
    前記第2レンズは、像面側に凸面を向けるとともに、正の屈折力を有し、
    前記第3レンズは、像面側に凸面を向けるメニスカス形状であるとともに、負の屈折力を有し、
    以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
    <f23/f<25
    但し、
    f23:第2レンズと第3レンズの合成焦点距離
    f:全系の焦点距離
  2. 前記第1レンズは、撮像対象側に凸面を向けるメニスカス形状であることを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
  3. 前記第2レンズは、像面側に凸面を向けるメニスカス形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学系。
  4. 前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズは、それぞれ少なくとも1面の非球面を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像光学系。
  5. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像光学系。
    −5<(r31+r32)/(r31−r32)<−1
    但し、
    r31:第3レンズの撮像対象側の曲率半径
    r32:第3レンズの像面側の曲率半径
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