JP5060526B2 - 燃料電池の発電制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の発電制御方法に係り、特に、燃料電池と過渡応答対応電気エネルギバッファとを備えるいわゆるハイブリッド型の燃料電池電源システムにおける燃料電池の発電制御方法に関する。
近年、燃料電池を搭載したいわゆる燃料電池電気自動車の開発が盛んになってきている。この燃料電池電気自動車の一つとして、電源として燃料電池とバッテリなどの過渡応答対応電気エネルギバッファを搭載したいわゆるハイブリッド型の燃料電池電気自動車が知られている。このハイブリッド型の燃料電池電気自動車においては、燃料電池応答速度範囲内の時は燃料電池によって電流を供給する。また、加速時などの過渡時であって、燃料電池のみでは電流を十分に供給できない、あるいは燃料供給系の遅れによって要求速度に追従できないような場合には、過渡応答対応電気エネルギバッファより電流を供給する出力電流制御が行われる。
しかし、この出力電流制御では、燃料電池からは一定の電流が供給されているため、外部負荷が小さい場合には、別途設けた抵抗負荷などによって、余剰電力を消費しており、その分無駄な電流を生じるものであった。
このような無駄を防止するため、特許文献1においては、燃料電池の出力電流を制御している燃料電池電源システムが開示されている。図5に示すように、この燃料電池電源システムM′は、燃料電池51、DC/DCコンバータ52、および過渡応答対応電気エネルギバッファであるバッテリ53を備えている。さらに、要求される外部負荷(要求負荷)54に応じて燃料電池51の電流供給量およびDC/DCコンバータ52の出力制限値を制御する制御装置55が設けられている。また、燃料電池51の出力電流を測定する電流計56およびバッテリ53の出力電流を測定する電流計57が設けられている。さらには、DC/DCコンバータ52の出力回路には、出力電圧を測定するための電圧計58が設けられている。
この燃料電池電源システムM′においては、電流計56によって燃料電池51に出力電流を測定するとともに、電流計57によってバッテリ53の出力電流を測定している。また、電圧計58の測定値およびバッテリ53に設けられた図示しない温度計の測定値に基づいて、DC/DCコンバータ52の出力電圧を制御している。
そして、外部負荷54が急増した際、これらの電流計56,57の測定値に基づいて、DC/DCコンバータ52において電流の出力制限を行い、燃料電池51の出力電流の制限を燃料電池51が追従できる速度で変化させている。一方、外部負荷54に対して不足する分の電流については、バッテリ53から供給するようにしている。このようにして、外部負荷54が急増した際にも、安定して電流を供給できるように制御している。また、これらの制御は、すべて制御装置55において行われている。
特開平5−151983号公報
ところが、前記従来技術においては、ハイブリッド型の燃料電池電気自動車が急減速したり、あるいは急停止するなど、外部負荷が急激に減少する場合、あるいはそこから電力が回生する場合についてはなんら対処していない。このように、外部負荷が急激に減少した場合に、燃料電池の発生電流をその外部負荷の減少に対応させて減少させると、図示しない水素吸蔵合金から燃料電池に供給される水素の供給量も当然に減少させなけばならない。
しかし、水素の供給量を減少させる際には一定の遅れが避けられないものである。そのため、余分な水素を燃料電池に供給してしまうことになり、燃料電池の内部に圧力が掛かった水素が残留することになる。その結果、酸素系との圧力バランスが崩れ、圧力平衡がとれなくなって燃料電池が非常停止してしまうことがある。さらには、燃料電池の反応膜が破損してしまうおそれもある。
そこで、本発明の課題は、外部負荷が急激に減少しまたは回生した場合に、燃料電池内部の残留水素を安全に消費しかつ非常停止することなく、常に安定した電力を外部負荷に対して供給できるように燃料電池の発電制御を行うことにある。
上記課題を解決した本発明は、水素供給源から供給される水素とエアポンプより供給される空気中の酸素とを用いて発電する燃料電池と、前記燃料電池の発電電力を蓄電可能な電気エネルギバッファと、制御装置とを備え、前記燃料電池及び前記電気エネルギバッファから外部負荷に電力供給可能、かつ、前記外部負荷からの回生電力による前記電気エネルギバッファへの回生充電可能に構成される燃料電池電源システムであって、前記制御装置が、前記燃料電池電源システムの要求負荷に応じて燃料電池出力電流目標値を決定し、かつ前記燃料電池出力電流目標値に応じて燃料電池出力電流指令値を定め、前記燃料電池出力電流指令値に応じた電流が前記燃料電池から出力される燃料電池システムにおける燃料電池の発電制御方法において、前記制御装置は、前記燃料電池出力電流目標値が減少して回生側の負の範囲となる回生充電状態である場合に、当該回生充電状態にある前記燃料電池出力電流目標値にかかわらず、前記燃料電池出力電流指令値を、発電側の正の範囲に維持することで前記燃料電池に発電させて余剰水素を処理させ、前記余剰水素を処理した際の発電電力を、前記電気エネルギバッファに蓄電させることを特徴とする燃料電池の発電制御方法である。

本発明においては、燃料電池出力電流目標値が回生充電状態である場合に、燃料電池出力電流指令値を所定の減少率で低下させることで燃料電池に多く発電させて余剰水素を処理させ、余剰水素を処理した際の発電電力を電気エネルギバッファに蓄電させることにより、燃料電池内における圧力がかかった水素の残存を抑制することができる。
なお、ここでいう「所定の減少率」とは、この減少に追従させて燃料電池出力電流指令値を減少させると、余剰水素が発生する程の急激な減少を意味する。
また、請求項2に係る発明は、前記制御装置は、前記燃料電池出力電流目標値が0未満である場合に前記回生充電状態であると判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の発電制御方法である。
請求項2に係る発明により、燃料電池出力電流目標値から回生充電状態であることを判断できる。
さらに、請求項3に係る発明は、前記制御装置は、前記燃料電池出力電流目標値が減少する場合に、当該燃料電池出力電流目標値の減少に応じて減少される前記燃料電池出力電流指令値の減少率を、前記燃料電池出力電流目標値の減少率よりも小さくすることで前記燃料電池に多く発電させて余剰水素を処理させ、前記余剰水素を処理した際の発電電力を、前記電気エネルギバッファに蓄電させることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池の発電制御方法である。
ここでいう「燃料電池出力電流目標値の減少率に応じて減少される減少率」は、燃料電池に余剰水素が残存しない範囲内における減少率を意味する。
本発明によれば、外部負荷が急激に減少しまたは回生した場合に、燃料電池内部の残留水素を安全に消費しかつ非常停止することなく、常に安定した電力を外部負荷に対して供給するように、燃料電池の発電制御を行うことが可能となる。
本発明に係る発電制御が行われる燃料電池電源システムの電気系システムのブロック図である。 本発明に係る発電制御が行われる燃料電池電源システムの燃料系システムのブロック図である。 本発明における発電制御を行った際の電流値の変化の例を示すグラフである。 本発明に係る発電制御を行う手順を示すフローチャートである。 従来のハイブリッド型燃料電池電源システムのブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に説明する。図1は、本発明に係る発電制御が行われる燃料電池電源システムにおける電気系システムのブロック図、図2は、その燃料供給系システムのブロック図である。燃料電池電源システムMは、たとえば燃料電池電気自動車に搭載して使用されるため、ここでは燃料電池電源システムMを図示しない燃料電池電気自動車に搭載して使用する例について説明する。
図1に示すように、燃料電池電源システムMにおける電気系システムM1は燃料電池1を備えている。燃料電池1は、DC/DCコンバータ2を介して過渡応答対応電気エネルギバッファであるバッテリ3に接続されている。また、図示しない主モータや各補機の要求負荷からなる外部負荷4に応じて要求される電流を燃料電池1およびバッテリ3から図示しない主モータや各補機に対して供給している。この外部負荷4は、電流計8により検出された電流値に基づいて算出などする。
さらに、燃料電池1の電流供給量を制御するとともに、DC/DCコンバータ2の出力制限値を制御する制御装置5が設けられている。そして、燃料電池1およびバッテリ3からの出力電流を測定する電流計6,7および外部負荷電流を測定する電流計8が設けられている。また、DC/DCコンバータ2からの出力電圧を測定するための電圧計9が設けられている。そして、これらの電流計6,7,8および電圧計9によって測定された各電流値および電圧値は制御装置5に送られる。制御装置5においては、これらの電流値および電圧値に基づいて、燃料電池1の出力電流値とDC/DCコンバータ2の出力制限値、およびDC/DCコンバータ2の出力電圧値を制御している。
また、図2に示すように、燃料供給系システムM2において、燃料電池1に対しては、たとえば吸蔵水素合金からなる水素供給源11からレギュレータ12およびイジェクタ13を介して水素が供給される。レギュレータ12においては、供給される水素の供給量を制御しており、イジェクタ13によって直接燃料電池1に水素を噴出している。
さらに、燃料電池1に対しては、酸素リッチである空気が供給される。空気は、エアポンプ14の作用により、燃料電池1へと供給されるが、エアポンプ14によって空気を吸引する前に、エアフィルタ15で塵埃などを捕捉し、エアポンプ14から排出された後は熱交換器16によって空気を冷却する。その後の空気は、フィルタ17を介して、燃料電池1へと供給される。
燃料電池1には、水素と空気(酸素)とがそれぞれ水素極および酸素極に供給され、燃料電池1内を加湿器18で加湿して、水素と空気中の酸素の電気化学的反応を促進する。そして、燃料電池1において、水素と空気中の酸素が電気化学的に反応して電流が発生する。電気化学的反応によって電流が発生するとともに余剰水が発生するが、ここで発生した余剰水は、デミスタ19を介して除去される。また、余剰水には不純物が混合した水素が混在するが、この水素は、デミスタ19およびパージバルブ20を介して大気中に放出される。
さらに、燃料電池1内は、水素極と酸素極の極間差圧の圧力バランスが崩れないように、エア調圧弁21によって圧力バランスが適正に保たれている。燃料電池1内の圧力バランスが崩れそうなときには、適宜空気をエア調圧弁21を開放するなどして圧力調整を行う。
次に、本発明に係る燃料電池の発電制御方法について説明する。図3は、本発明における発電制御を行った際の電流値の変化の例を示すグラフである。ここでは、図3に実線で示すように、外部負荷4に応じた燃料電池出力電流目標値(以下「目標値」という。)ICMDが変動する場合の制御について説明する。この目標値ICMDは、外部負荷4を検出する電流計8の電流値に基づいて制御装置5において算出される。
燃料電池電気自動車の走行開始前であるアイドリング状態(領域A)では目標値ICMDは0である。次に、アクセルが踏まれ、燃料電池電気自動車が走行を開始すると、外部負荷4が急増して目標値ICMDが瞬時に高まり、その後一定の値I1で安定し(領域B)、要求負荷安定状態となる。
続いて、たとえば燃料電池電気自動車が急減速して外部負荷4が急減すると目標値ICMDは所定の減少率を超えた減少率で急激に減少し(領域C)、やがて負の領域に突入して回生状態となる(領域D)。その後、アクセルを踏み直して外部負荷4が再び高まると目標値ICMDが増加して回生状態を脱し(領域E)、走行速度が一定になると、外部負荷4は安定し、目標値ICMDも一定の値I2で安定する。そして、目標値ICMDが一定の値I2を維持する状態となる(領域F)。
このように、外部負荷4が変動する場合において、まず、燃料電池出力電流限界値(以下「限界値」という。)ILMTの制御について説明する。ここで算出された限界値ILMTはDC/DCコンバータ2に送信され、この限界値ILMTがDC/DCコンバータ2の電流制限値とされる。
目標値ICMDが0である領域Aにおいては、限界値ILMTは、少しの余裕をもたせるために目標値ICMDより若干高めの値I3に設定される。次に、アクセルが踏まれて目標値ICMDが瞬時に増加すると、続く領域Bでは、燃料電池1からの発生電流の遅れを考慮して、限界値ILMTを増加させる。このとき、目標値ICMDと同様に限界値ILMTを瞬時に増加させられればよいが、限界値ILMTの増加率は、水素供給源11の性能などにより制限される。したがって、限界値ILMTを瞬時に増加させることはできず、水素供給源11の性能における最大限の大きさをもって限界値ILMTを増加させる。この最大限の大きさの増加率をもって限界値ILMTを目標値ICMDよりも若干高めの値まで増加させてその値I4に維持する。
その後、外部負荷4が急激に減少する領域Cでは、目標値ICMDの減少に応じて限界値ILMTも減少させる。ここで、目標値ICMDを減少させる際の減少率の大きさは、特に水素供給源11の性能に左右されることはない。さらに、外部負荷4が回生する領域Dでは、目標値ICMDの減少に応じて限界値ILMTも減少させるとともに、目標値ICMDの増加に応じて限界値ILMTも増加させる。そして、回生状態を脱してから外部負荷4が安定して目標値ICMDも一定の値I2となるまでの領域Eでは、目標値ICMDの増加に応じて限界値ILMTも増加させ、目標値ICMDが一定の値I2で安定した領域Fでは、限界値ILMTは目標値ICMDの一定の値I2よりも若干大きい値I5で安定させる。
このように目標値ICMDおよび限界値ILMTが設定される状況における燃料電池出力電流指令値(以下「指令値」という。)IREFの制御について説明する。この指令値IREFは、燃料電池1に送信され、燃料電池1では指令値IREFによって与えられた値の電流が出力される。
目標値ICMDが0である領域Aにおいては、指令値IREFも0に設定しておく。次に、目標値ICMDが瞬時に増加した後の領域Bでは、指令値IREFを最大限上昇させるのが望ましいが、指令値IREFが限界値ILMTを超えると余剰水素が発生するなどの弊害が生じる。その一方で、指令値IREFを限界値ILMTに一致させながら増加させると、指令値IREFが限界値ILMTを超えることが懸念される。そこで、指令値IREFが限界値ILMTから規定値αを差し引いた値と一致したら、指令値IREFを限界値ILMTから規定値αを差し引いた値に一致させたまま増加させる。なお、規定値αは、指令値IREFが燃料電池出力電流値を超えないように与えられるマージンであり、具体的には、たとえば1A程度に設定することができ、たとえば1Aとすることができる。この領域Bにおいて、指令値IREFを増加させてやがて目標値ICMDである値I1に到達するまでは限界値ILMTから規定値αを差し引いた値と一致した状態で増加を続ける(領域B1)。この領域B1では、指令値IREFが目標値ILMTよりも小さいので、燃料電池1のみでは、外部負荷4が要求する電流を供給することができない。このときに不足する電流については、バッテリ3からの持ち出しによってまかなうことができる。
それから、指令値IREFが目標値ICMDである値I1に到達してから以降は、指令値IREFが目標値ICMDである値I1に一致した状態を維持する(領域B2)。指令値IREFが目標値ICMDである値I1に一致した状態では、外部負荷4が要求する電流を燃料電池1のみから供給することができる。
その後、外部負荷4が急激に減少する領域Cでは、目標値ICMDの減少に伴い、指令値IREFも減少させる。このとき、目標値ICMDと同じ割合で指令値IREFを減少させると、燃料電池1に水素供給手段11から供給される水素ガスの制御遅れなどに起因して、燃料電池1内に余剰水素が残存してしまうことになる。この余剰水素の残存を防止すべく、目標値ICMDの減少率よりも小さく、目標値ICMDに応じて決定される減少率で指令値IREFを減少させる(領域C1)。このように、指令値IREFの減少率を小さくすることによって、制御遅れに伴う余剰水素の残存を大幅に減少し、またはなくすことができる。
この減少率で指令値IREFを減少させていくと、限界値ILMTの方が減少率が大きいので、やがて指令値IREFと限界値ILMTとが出会うことになる。このままの減少で指令値IREFを減少させると、指令値IREFが限界値ILMTを超えてしまい、やはり余剰水素が燃料電池1内に残存する原因となる。そこで、指令値IREFが限界値ILMTとなった時点で指令値IREFを限界値ILMTに一致させることが考えられる。しかし、指令値IREFが限界値ILMTとなった時点で指令値IREFを限界値ILMTに一致させると指令値IREFと限界値ILMTを超えてしまうことが懸念される。そこで、指令値IREFが限界値ILMTから規定値αを差し引いた値となった時点で指令値IREFを限界値ILMTから規定値を差し引いた値に一致させながら減少させる(領域C2)。このようにして、余剰水素の残存を防止することができる。
その後、外部負荷4が回生する領域Dのうち、目標値ICMDが減少している領域D1では限界値ILMTも減少している。ここで、指令値IREFは限界値ILMTと一致しているので、引き続き限界値ILMTと一致させた状態で指令値IREFを減少させる。続いて、回生状態において、加速を生じるなどして目標値ICMDが上昇する場合には、限界値ILMTもこれに応じて増加する(領域D2)。このときには、再び領域C1における指令値IREFの減少率と同じ減少率で指令値IREFを減少させる。
その後、車両は再び要求負荷安定状態となるが(領域E)、この要求負荷安定状態にあっても指令値IREFは目標値ICMDに一致しておらず、未だ指令値IREFの方が目標値ICMDよりも大きい。ここでは、指令値IREFが目標値ICMDに到達するまで領域C1における指令値IREFの減少率と同じ減少率で指令値IREFを減少させる。そして、指令値IREFが目標値ICMDに出会った時点で、指令値IREFを目標値ICMDに一致させる(領域F)。
なお、領域Cから領域Eにおいては、指令値IREFが目標値ICMDを上回っている。したがって、外部負荷4に要求される電流に対して余分な電流を発生していることになるが、この余分な電流については、バッテリ3に充電しておくことができる。
続いて、ここまでの発電制御の手順を、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。この発電制御は制御装置5において行われる。まず、発電制御を開始すると(S1)、目標値ICMDが急激に減少しているか否かを判断すべく、今回の目標値ICMDと前回の目標値ICMDOLDとの差が所定の規程値βより小さいか否かを判断する(S2)。このときの規定値βは、たとえばおよそ−700A/sec〜−1300A/secの範囲に設定することができる。ここで、規定値βの絶対値が大きすぎると、圧力の補償ができず、燃料電池のイオン交換膜が破損するおそれがある。また、規定値βの絶対値が小さすぎると、システム全体としての効率が低下してしまう。ここで、今回の目標値ICMDと前回の目標値ICMDOLDとの差が所定の規程値βより小さいと判断された場合には、目標値ICMDが急激に減少している状態にあるので、後述するステップS6に進む。一方、今回の目標値ICMDと前回の目標値ICMDOLDとの差が所定の規程値βより小さくないと判断された場合には、目標値ICMDが急激に減少している状態にはない。この場合には、いわゆるエンジンブレーキを掛けていたり、急な坂を下りているなどの回生充電状態にあるか否かを判断すべく、目標値ICMDが0未満であるか否かを判断する(S3)。
ここで、目標値ICMDが0未満であると判断された場合には、回生充電状態にあるので、後述するステップS6に進む。一方、目標値ICMDが0未満ではないと判断された場合には、回生充電状態にはない。この場合には、余剰水素処理が行われているか否かを判断すべく、指令値IREFが目標値ICMDよりも大きいか否かを判断する(S4)。そして、指令値IREFが目標値ICMDよりも大きいと判断された場合には、余剰水素処理が行われているので、後述するステップS6に進む。一方、指令値IREFが目標値ICMDよりも大きくないと判断された場合には、減少過渡の状態にはなく、要求負荷安定状態または上昇過渡のいずれかの状態にある。
ここで、要求負荷安定状態と上昇過渡のいずれの状態にあるかを判断すべく、限界値ILMTが目標値ICMDより大きいか否かを判断する(S5)。そして、限界値ILMTが目標値ICMDよりも大きい場合には、要求負荷安定状態にあるので、目標値ICMDを指令値IREFとして設定する(S5−1)。一方、限界値ILMTが目標値ICMDよりも大きくないと判断された場合には、加速時などの上昇過渡の状態にあるので、限界値ILMTから規定値αを差し引いた値を指令値IREFに設定する(S5−2)。
さて、ステップS2において、今回の目標値ICMDと前回の目標値ICMDOLDとの差が所定の規程値βより小さい、ステップS3において、目標値ICMDが0未満である、ステップS4において、指令値IREFが目標値ICMDよりも大きいとそれぞれ判断された場合に進んだステップS6では減少過渡の状態にある。この減少過渡の状態にある場合において、指令値IREFを急激に減少させると、燃料電池1内に余剰水素を残存させることになる。したがって、指令値IREFは所定の減少率で減少させなければならない。その一方において、目標値ICMDの急激な減少に伴って、限界値ILMTも急激に減少する。このとき、指令値ICMDの減少率を低くすると、ともすれば指令値ICMDが限界値ILMTを超えてしまうことになる。指令値ICMDが限界値ILMTを超えると、燃料電池1内に過剰な水素が送り込まれ、余剰水素の原因となる。そこで、限界値ILMTが指令値ICMD以下であるか否かを判断する(S6)。
そして、ステップS6において、限界値ILMTから規定値αを差し引いた値が指令値ICMD以下の場合には、指令値ICMDが限界値ILMTを超えないようにするために、限界値ILMTから規定値αを差し引いた値を指令値ICMDとして設定する(S6−1)。一方、限界値ILMTが指令値ICMD以下でない場合には、前回の指令値ICMDOLDから所定の規定値γを減じた値を指令値ICMDとして設定する(S6−2)。ここで、規定値γとしては、−300A/sec〜−100A/secの範囲内、たとえば−200A/secに設定することができる。規定値γの絶対値が大きすぎると、圧力の補償ができず、燃料電池1のイオン交換膜が破損するおそれがある。一方、規定値γの絶対値が小さすぎると、システム全体としての効率が低下する不具合が生じるものである。
このようにして、各ステップS5−1,S5−2,S6−1,S6−2において、指令値ICMDが設定された後、運転が継続されているか否かを判断する(S7)。そして、運転が継続されている場合には、ステップS2に戻って同様の制御が繰り返される。一方、運転が継続されておらず、停止した場合には制御は終了する(S8)。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、たとえば、燃料電池電気自動車が停止し、回生しない場合などにおいても適用できるものである。
1 燃料電池
2 DC/DCコンバータ
3 バッテリ(過渡応答対応電気エネルギバッファ)
4 外部負荷(要求負荷)
5 制御装置
6,7,8 電流計
9 電圧計
M 燃料電池電源システム

Claims (3)

  1. 水素供給源から供給される水素とエアポンプより供給される空気中の酸素とを用いて発電する燃料電池と、前記燃料電池の発電電力を蓄電可能な電気エネルギバッファと、制御装置とを備え、前記燃料電池及び前記電気エネルギバッファから外部負荷に電力供給可能、かつ、前記外部負荷からの回生電力による前記電気エネルギバッファへの回生充電可能に構成される燃料電池電源システムであって、
    前記制御装置が、前記燃料電池電源システムの要求負荷に応じて燃料電池出力電流目標値を決定し、かつ前記燃料電池出力電流目標値に応じて燃料電池出力電流指令値を定め、
    前記燃料電池出力電流指令値に応じた電流が前記燃料電池から出力される燃料電池システムにおける燃料電池の発電制御方法において、
    前記制御装置は、
    前記燃料電池出力電流目標値が減少して回生側の負の範囲となる回生充電状態である場合に、当該回生充電状態にある前記燃料電池出力電流目標値にかかわらず、前記燃料電池出力電流指令値を、発電側の正の範囲に維持することで前記燃料電池に発電させて余剰水素を処理させ、
    前記余剰水素を処理した際の発電電力を、前記電気エネルギバッファに蓄電させること
    を特徴とする燃料電池の発電制御方法。
  2. 前記制御装置は、前記燃料電池出力電流目標値が0未満である場合に前記回生充電状態であると判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の発電制御方法。
  3. 前記制御装置は、前記燃料電池出力電流目標値が減少する場合に、当該燃料電池出力電流目標値の減少に応じて減少される前記燃料電池出力電流指令値の減少率を、前記燃料電池出力電流目標値の減少率よりも小さくすることで前記燃料電池に多く発電させて余剰水素を処理させ、
    前記余剰水素を処理した際の発電電力を、前記電気エネルギバッファに蓄電させることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池の発電制御方法。
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