JP5060471B2 - 湿式電解コンデンサ - Google Patents

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Description

電解コンデンサは、その体積効率、信頼性、プロセス適合性によって、回路の設計にますます用いられるようになっている。典型的には、電解コンデンサは、他のある種類のコンデンサよりも単位体積あたりの静電容量が大きく、比較的大電流且つ低周波数の電気回路において有用である。開発されているコンデンサの種類の1つは、アノード、カソード及び液体の、すなわち「湿式の」電解質を含む湿式電解コンデンサである。湿式電解コンデンサは、低い漏れ電流での高い静電容量と低い散逸率との良好な組み合わせを提供する傾向にある。特定の状況では、湿式電解コンデンサは、電解質が固体である電解コンデンサを上回る利点を示すことができる。例えば、特定の状況において、湿式電解コンデンサは、固体電解コンデンサよりも高い使用電圧で動作することができる。これに加えて、一例として、湿式電解コンデンサは、固体電解コンデンサよりもサイズが非常に大きいことがあり、これによりそのような大きな湿式電解コンデンサの大きな静電容量を生み出すことができる。
従来の湿式電解コンデンサにおいては、アノードは、金属箔、例えばタンタル箔とすることができる。アノードは又、金属「スラグ(slug)」、例えば粉末状タンタル材料の「スラグ」とすることができる。当技術分野において知られるように、用語「スラグ」は、コンデンサのアノード体部分をいうことができる。タンタルスラグは、粉末状タンタル粒子と適切なバインダ/潤滑剤を混合することにより形成され、アノードを形成するためにプレスされた時に粒子が互いに接着するようにすることができる。粉末状タンタルは、タンタル線の周囲で高圧下で圧縮され、真空下の高温において焼結され、非常に丈夫且つ高密度であるが又高多孔質であるスポンジ状構造を形成する、得られたタンタルスラグの多孔性によって、内部表面積の大きいスラグとなる。
特定の湿式電解コンデンサにおいては、カソードは、液体電解質で満たされた容器である。例えば、カソードは、電解コンデンサの負端子の働きをするタンタルの又はタンタルめっきされた円筒状の容器とすることができる。これらの湿式電解コンデンサにおいては、液体電解質及び多孔質の焼結されたアノードは、カソード容器内に配置される。湿式電解質は、アノード及びカソードに電気的に接続されるので、特定の伝導率を有しなければならない。多くの典型的な湿式電解コンデンサにおいては、液体電解質は、硫酸の水溶液である。
いくつかの従来の湿式電解コンデンサは、Evans他の米国特許第5,369,547号及び第6,594,140号に説明されており、その両方の内容全体をあらゆるの目的のために引用により本明細書に組み入れる。Evans他の‘547特許において、内部表面及び外部表面を有する金属容器は、コンデンサのカソードとして機能し、多孔質の被膜が、容器と電気的に接続されて容器の内部表面に配置される。同様に、Evans他の‘140特許において、湿式電解コンデンサのカソードは被膜を含み、電気化学型コンデンサ電極と記述されている。これに加えて、Evans他の米国特許第6,721,170号においては、実装された(packaged)ハイブリッドコンデンサが説明され、そのようなハイブリッドコンデンサのカソードは、多孔質の金属酸化物被膜、好ましくはルテニウムの金属酸化物カソード層を含むとされている。
Evans他の特許に記載されたような被膜は、様々な技術を用いて、湿式電解コンデンサのカソードとして使用するための金属基体に施すことができる。その様々な技術としては、例えば、‘547及び‘140Evans他の特許に記載された方法並びにShah他の米国特許第6,224,985号に記載された基体被覆プロセスがあり、その内容全体をあらゆる目的のために引用により本明細書に組み入れる。
特定の改善された性質を有する、被膜されたカソードを有する、様々な湿式電解コンデンサが開発されたにもかかわらず、増加した実効カソード静電容量を示す、改良された湿式電解コンデンサの必要性が、現在存在する。具体的には、改善された体積効率を示す湿式電解コンデンサを可能とする極めて大きなカソード静電容量を有する湿式電解コンデンサの必要性が、現在存在する。本発明の湿式電解コンデンサ及びそのようなコンデンサにおいて用いられるカソードは、これらの及び他の必要性に対処するものである。
本発明の1つの実施形態により、アノード、カソード及びカソードとアノードとの間に配置された液体電解質を含む湿式電解コンデンサが開示される。カソードは、金属基体及び金属基体を被覆する酸化物被膜を含む。酸化物被膜は、ニオブと酸素の原子比率が1:2.5未満のニオブ酸化物を含む。
本発明の別の実施形態により、湿式電解コンデンサを形成するための方法が開示される。その方法は、アノードの表面を陽極酸化して誘電体膜を形成するステップ、カソードの金属基体に粒子懸濁液を塗布するステップ、懸濁液を焼結して、ニオブと酸素の原子比率が1:2.5未満の酸化物被膜を形成するステップ、アノードとカソードとの間に液体電解質を配置するステップを含む。
本発明の更に別の実施形態により、アノード、カソード及びカソードとアノードとの間に配置された液体電解質を含む湿式電解コンデンサが開示される。カソードは、金属基体、金属酸化物被膜、保護被膜、及び導電性ポリマー被膜を含む。
本発明の他の特徴及び態様は、以下により詳細に説明される。
当業者に向けられた最良の形態を含む本発明の全面的且つ実施可能な開示が、添付の図面を参照して、明細書の残りの部分で更に具体的に説明される。
本明細書及び図面で繰り返し用いられる参照番号は、本発明の同じ又は同様の特徴又は要素を表すよう意図されている。
本議論は例示的な実施形態を説明するのみであって、本発明の広範な態様を制限することを意図するものではなく、本例示的な構成において広範な態様が具体化されていることを当業者は理解すべきである。
本発明は、一般に、アノード、カソード及びそれらの間に配置された液体電解質を含む改良された湿式電解コンデンサに向けられている。より具体的には、カソードは、コンデンサに改善された特性を与える他の任意の被膜と共に、ニオブ酸化物といった金属酸化物被膜を含む。例えば、本発明の結果として、従来の湿式電解コンデンサと比較した場合に高いレベルのカソード静電容量を示す湿式電解コンデンサが形成されることができる。そのような高いレベルのカソード静電容量によって、湿式電解コンデンサの体積効率を改善することができる。これに加えて、ここに記述されたカソードを含む湿式電解コンデンサは、特定の従来の湿式電解コンデンサよりも幅広い範囲のpH値にわたって機能すると考えられている。幅広い範囲のpH値にわたって機能するということは、ここに記述されたアノードを含む湿式電解コンデンサは、幅広い様々なアノード及び筐体構成要素といった他の構成要素を含むことができることを意味する。
図1Aを参照すると、例えば、本発明により形成された湿式電解コンデンサ10の1つの実施形態が示されている。コンデンサ10は、アノード20を含む。必須ではないが、本実施形態においてアノード20は、カソード容器12内につり下げられた材料の多孔質の「スラグ」として示されている。アノード20は、一般に、金属、金属酸化物、金属窒化物又はそれらの組合せとすることができる。例えば、アノード20は、タンタル、アルミニウム、チタン、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、これらの金属の合金又はそれらの組合せ、並びにそれらの材料の酸化物及び/又は窒化物を含むことができる。例えば、アノード20は、一般的に半導体材料又は高伝導材料と考えられている金属酸化物又は窒化物(例えば、一酸化ニオブ、酸化チタン、窒化タンタル、窒化ニオブ等)から形成することができる。そのような金属酸化物の例は、Fife他の米国特許第6,322,912号に説明されており、その内容全体をあらゆる目的のために引用により本明細書に組み入れる。そのような金属窒化物の例は、T.Tripp氏による「窒化タンタル:固体電解コンデンサのための新基体」(CARTS 2000の議事録:第20回コンデンサ及び抵抗器技術シンポジウム、2000年3月6から20日)において同様に説明されている。
選択された金属からアノード20を形成するために、一般に、様々な従来の加工手法を用いることができる。1つの実施形態において、まず、特定の粒径のタンタル粉末が選択される。選択される粒径は、所望の得られるコンデンサの電圧に応じて変えることができる。例えば、比較的大きい粒径(例えば、約10マイクロメートル)の粉末は高電圧コンデンサを製造するために用いられることが多く、一方、比較的小さい粒径(例えば、約0.5マイクロメートル)の粉末は低電圧コンデンサを製造するために用いられることが多い。
所望の伝導性金属粉末が選択されると、次いで、典型的には、アノードを形成するためにプレスするときに粉末同士が十分に接着するように、その伝導性金属粉末は、バインダ/潤滑剤と混合される。例えば、いくつかの実施形態において、タンタル粉末は、少量(例えば、重量で5%)のステアリン酸のバインダ/潤滑剤と混合されることができる。いくつかの実施形態において、バインダ/潤滑剤との混合後、金属粉末は、金属線又は金属棒の周囲で圧縮され、一般に得られるアノード要素をいう「スラグ」を形成する。例えば、タンタル粉末は、タンタル線の周囲で圧縮され、タンタルスラグを形成する。次いで、バインダ/潤滑剤は、真空下で約150℃の温度で数分間加熱することにより取り除かれる。これに代えて、バインダ/潤滑剤は又、Bishop他の米国特許第6,197,252号に説明されているようにスラグを水溶液に接触させることによっても取り除くことができ、その開示内容全体をあらゆる目的のために引用により本明細書に組み入れる。
その後、得られたスラグは焼結され、多孔質の一体化された塊を形成する。例えば、1つの実施形態において、タンタルから形成されたスラグは、真空下で約1500℃から約2000℃の温度で焼結することができる。上述の技術に加えて、アノード20を形成するための任意の他の技術も又、本発明により用いることができる。例えば、アノード20を形成するための他の技術は又、Galvagniの米国特許第4,085,435号、Sturmer他の米国特許第4,945,452号、Galvagniの米国特許第5,198,968号、Salisburyの米国特許第5,357,399号、Galvagni他の米国特許第5,394,295号、Kulkamiの米国特許第5,495,386号、Fifeの米国特許第6,322,912号に説明されており、その内容全体をあらゆる目的のために引用により本明細書に組み入れる。
アノード20が形成された後、次いで誘電体膜21が形成される。1つの実施形態において、多孔質のアノード20上及び内部に誘電体膜21が形成されるように、アノード20が陽極酸化される。陽極酸化は、陽極金属を酸化させて比較的高い誘電率の物質を形成する電気化学プロセスである。例えば、タンタルアノードは、陽極酸化され、誘電率「k」が約27の五酸化タンタル(Ta25)を形成することができる。具体的には、タンタルスラグは、制御された電圧量及び電流量が供給される弱酸性溶液(例えばリン酸)に、高温(例えば約85℃)で浸漬され、特定の厚さの五酸化タンタル被膜を形成する。まず、必要な化成電圧に到達するまで、電力供給が定電流に保たれる。その後、所望の厚さの誘電体がタンタルスラグの表面上に形成されるように、電力供給が定電圧に保たれる。タンタルスラグの表面に形成されるだけでなく、誘電体膜21の一部は、図1Aに示されるように、アノード20の金属の孔の表面にも形成される。
下記の化学反応式は、タンタルの陽極酸化プロセスを一般的に説明する。
アノード: 2Ta → 2Ta5+10e
2Ta5+10OH- → Ta25+5H2

カソード: 10H2O+10e → 5H2+10OH-
しかしながら、上述の誘電体膜21は、本発明において用いることができる誘電体膜の一例に過ぎないことが理解されるべきである。特に、誘電体膜は、他の種類の材料から異なる技術を用いて形成することができる。例えば、必要に応じて、ポリイミド膜といった高分子誘電体膜を用いることができる。そのような被膜の例が、Kudoh他の米国特許第5,812,367号に説明されている。誘電体膜は又、高温で酸素(O2)又は水にさらすことにより熱的に形成することができる。
図1Aに示されるように、アノード20は、陽極酸化されないか、又は誘電体膜21によって覆われない部分22を含むことができる。これに加えて、アノード20の一部は、ガラス金属封着部23によって取り囲まれ、アノード20をカソード容器12に接続し、封止することができる。コンデンサ10は又、カソード容器内にアノード20をしっかりと固定するスペーサ(図示されない)を含むことができる。例えば、スペーサは、プラスチック製でワッシャ状とすることができる。
又図1Aに示されるように、液体電解質24は、アノード20及びカソードの間に且つアノード20及びカソードに接して配置される(以下でより詳細に説明される)。一般に、液体電解質24は、アノードとカソード間の接続経路を提供する電気的に活性な物質である。特定の実施形態において、特にアノードがタンタルを含む場合には、硫酸H2SO4の水溶液が電解質24として用いられる。しかしながら、液体電解質24は、任意の数の他の従来の電解質(例えば、アノードがアルミニウムである場合には、グリコール又はグリコール状の溶媒に溶解したアンモニウム塩といった)とすることができる。液体電解質24は又、中性の電解質とすることができる。様々な他の電解質は、Evans他の米国特許第5,369,547号及び第6,594,140号に説明されており、その内容全体をあらゆる目的のために引用により本明細書に組み入れる。
コンデンサ10は、カソード容器すなわちカソード基体12を更に含む。図1Aの実施形態において、カソード容器すなわちカソード基体12は、蓋付きの円筒形の「缶」である。カソード容器12は、金属を含む。一般に、任意の様々な金属がコンデンサ10のカソード容器12を形成するために用いられる。例えば、カソード容器12は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、及びこれらの金属の合金等といったバルブ金属を含むことができる。これに加えて、カソード容器12は、銅又は銀といった非バルブ金属、又は非バルブ金属の組合せを含むことができる。
コンデンサ10は又、カソード容器12を被覆する酸化物被膜14を含む。必須ではないが、酸化物被膜14の抵抗率は比較的低く(例えば比較的伝導的であり)、コンデンサ10に所望の電気的特性を与えることができる。例えば、酸化物被膜14の抵抗率は約1×105オーム・cm未満であり、いくつかの実施形態においては、約1×103ないし約1×104オーム・cmとすることができる。様々な酸化物を被膜14に一般に用いることができる。例えば、好適な酸化物は、ニオブ、タンタル、アルミニウム、チタン、ルテニウム等、並びにこれらの金属の組合せからなる群から選択される金属を含むことができる。もちろん、金属及び酸素に加えて、酸化物は又、他の原子又は元素を含むことができる。
本発明の具体的な実施形態において、酸化物被膜14は、ニオブと酸素の原子比率が1:2.5未満、特に、1:1.5未満、特に、1:1.1未満、特に、1:0.5±0.2のニオブ酸化物を含むことができる。例えば、ニオブ酸化物は、Nb 0.7、NbO1.0、NbO1.1及びNbO2とすることができる。好ましい実施形態において、酸化物被膜14は、NbO2を含む。NbO2は、通常の状態の下では陽極酸化しない、比較的伝導性を有するニオブ酸化物である。NbO2は又、H2SO4又は他の液体電解質において安定であり、容易に溶解しない。更には、NbO2は、高温での焼結後も化学的に安定である。すなわち、NbO2被覆されたカソードは、NbO2としての化学的構造を維持しつつ、NbO2がカソード基体(例えば、タンタル缶又はタンタル箔)とよく結合するように、十分に高温で焼結されることができる。例えば、高温での焼結後、NbO2はタンタル基体としっかりと結合してカソードを形成するが、NbO2としての化学的構造を維持することが、X線回折試験によって示される。NbO2は又、典型的には、非常に小さな表面積の粒子を含む均質な被覆を用いた場合よりも多くの場所で液体電解質がカソードと接することができるような大きな表面積を有する。これに加えて、NbO2被覆されたカソードは、湿式電解コンデンサに用いられる従来のカソードよりも幅広いpH範囲にわたって効率的に動作することができると考えられている。例を示すだけであるが、RuO2被覆されたカソードを用いて形成された湿式電解コンデンサといった、特定の従来の湿式電解コンデンサは、正しい動作のために非常に特定されたpH範囲を必要とすると考えられている。しかしながら、本発明の特定の実施形態によって形成されたNbO2を含む被覆カソードは、幅広いpH範囲にわたって動作することができ、それによって、これらのカソードで形成されたコンデンサにおいて、幅広い範囲のアノードを用いることができる。
本発明での使用に適したNbO2の1つの粉末形態は、Pennsylvania州、RobesoniaにあるReading Alloys社から市販されている。この粉末は、B.E.T.表面積が約3m2/グラムないし約7m2/グラムであって、平均粒径が約0.2μmないし約5μmである。別の好適なNbO2の粉末形態は、Alfa Aesar、a Johnson Matthey社から製品番号89692として市販されている。また別の好適なNbO2の粉末形態は、Sigma−Aldrich Chemicalsから製品番号383163として市販されている。
酸化物粒子の懸濁液が、それを形成する物質にかかわらず、カソード基体12に酸化物被膜14を施すために一般に用いられる。例えば、懸濁液は、ニオブと酸素の原子比率が1:2.5未満のニオブ酸化物を含むことができる。これに代えて、懸濁液は又、焼結に当たって所望のレベルに還元される酸素を含むことができる(以下に詳細に説明される)。例えば、Nb25は、引き続いて行われる焼結中のNbO2への還元のために懸濁液において用いることができる。必須ではないが、懸濁液中の粒子は、典型的には、大きな表面積及び小さな粒径を有し、得られるコンデンサに改善された性質を与える。例えば、粒子のB.E.T.表面積は、約0.5m2/グラムないし約40m2/グラム、且つ/又は平均粒径は、約0.1μmないし約5μm、いくつかの実施形態においては、約0.5μmないし約2μmとすることができる。
酸化物被膜14の厚さは、得られるカソードの静電容量に影響を与えることができる。従って、いくつかの実施形態において、所定の金属基体12の大きさ、所定のアノード20の大きさ、及びカソードが用いられる所定のコンデンサの構成について、被膜14の厚さを選択的に制御することにより、静電容量を最適化(例えば最大化)することができる。被膜14の厚さは又、カソードでの電圧降下を減少させるために、大きくすることができる。図1Aの実施形態において、例えば、酸化物被膜14の厚さは、約100μm未満とすることができる。一例として、被膜14を形成するために粒径が約0.1μmの小さなニオブ酸化物粒子が用いられた場合には、ニオブ酸化物粒子の1つの単層の厚さは約0.1μmであり、ニオブ酸化物粒子の1つの単層は、カソード基体12上に1回で形成されることができる。従って、コンデンサの構成及び構成要素の大きさ(例えば、及びカソード基体の大きさ)が、被膜14の厚さが約50μm未満であることを要求する場合において、これらの小さなニオブ酸化物粒子を含む約500未満の単層を形成することにより、約50μm未満の厚さのニオブ酸化物からなる被膜14が設けられる。厚さに加えて、被膜14に存在する酸素の総重量は又、酸素粒子の各々が特定の静電容量/グラムを有するので、選択的に制御することができる。
酸化物被膜14がカソード基体12を被覆する程度は又、意図されるコンデンサ10の大きさ及び構成に応じて変えることができる。例えば、図示された実施形態において、酸化物被膜14は、カソード缶基体12の内部表面の全部を被覆していない。一例として、特定の実施形態において、被膜14は、カソード缶基体12の内部表面の約25%ないし約75%を被覆することができ、いくつかの実施形態において、カソード缶基体12の内部表面の約50%を被覆することができる。酸化物被膜14がカソード缶基体12の内部表面の全部を被覆していない実施形態においては、蓋、栓又は他の構成要素がカソード缶基体12の内部表面の一部に備えるための場所が残っている。
酸化物被膜14は、任意の数の技術によって、カソード缶基体12の内部表面上に形成される。例えば、Evans他の米国特許第5,369,547号及び第6,594,140号、並びにShah他の第6,224,985号には、湿式電解コンデンサに用いられるカソードの表面に金属酸化物被膜を形成するための技術が説明されている。熱処理、熱焼結、スパッタリング、スクリーン印刷、浸漬、電着被覆、電子ビーム蒸着、吹付け、ローラー加圧形成、ブラッシング、ドクターブレード成形、及び真空蒸着といった技術を用いて被膜14を形成することができる。
本発明の1つの方法によって、まずカソード缶12を、酸化物粒子及び一又はそれ以上の溶媒を含む懸濁液に浸漬することによって、酸化物被膜14が形成される。いくつかの好適な溶剤は、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、並びに様々なグリコール、例えば、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジ(エチレンアセテート)グリコール等といった非水溶性溶媒を含むことができる。懸濁液の固体含量は、一般に、所望の被膜の厚さが得られるように必要に応じて変えることができる。例えば、酸化物の固体含量は、重量で約20%ないし約80%の範囲、特に、重量で約30%ないし約70%、更に特には、重量で約35%ないし約65%とすることができる。酸化物懸濁液は、塗布された後、溶媒を取り除くために乾燥させることができる。乾燥は、約50℃ないし約150℃の温度で炉において行うこともできる。乾燥が行われると、次いで酸化物被膜14は、それがカソード基板12と強固に接着するのを助けるために焼結することができる。焼結は、約500℃ないし約3000℃、いくつかの実施形態においては、約600℃ないし約2000℃、いくつかの実施形態においては、約800℃ないし約1400℃の温度で行うことができる。酸化物被膜14がカソード基板12に接着するのを促進する以外に、焼結は又、他の利益も提供することができる。例えば、焼結は、Nb25をNbO2に還元するなどによって、被膜そのものに化学変化を起こすことができる。このように、所望の酸化被膜がその場(in situ)で形成される。
必要に応じて、所望の酸化物被膜14の厚さが形成されるまで、カソード基体を酸化物懸濁液に浸漬し、カソード基体を乾燥し、被覆された基体を焼結する工程を繰り返すことができる。いくつかの実施形態において、比較的薄い被膜層のみが1回で形成される。理論によって制限されることを意図するものではないが、被膜が一連の薄い層で施されることにより、酸化物粒子は、カソード基板により良好に接着すると考えられている。従って、その各々の厚さが約150μm未満、いくつかの実施形態においては約100μm未満、いくつかの実施形態においては約75μm未満である薄い層の被膜を付加し焼結し、次いで別の薄い層の被膜を付加し焼結することができる。
再び図1Aを参照すると、コンデンサ10は又、酸化物被膜14を被覆する任意の導電性ポリマー被膜16を含むことができる。例えば、被膜16に用いられることができる好適な導電性ポリマーは、これに限定されるものではないが、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)などのポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びそれらの誘導体を含む。被膜16は又、複数の導電性ポリマー層から形成することができる。例えば、1つの実施形態において、被膜16は、PEDTから形成される1つの層及びポリピロールから形成される別の層を含むことができる。
必須ではないが、導電性ポリマー被膜16は、本発明の特定の実施形態において、コンデンサ10の実効静電容量を増加させるために用いることができる。この実効静電容量の増加は、導電性ポリマーのいくつかの性質に起因する。特に、導電性モノマーが重合する場合には、典型的には、走査型電子顕微鏡の下で見ると幾分クモの巣のように見えるアモルファス非結晶の形態をとる。これは、得られた導電性ポリマー被膜が高い表面積を有するため、その導電性ポリマー被膜が施される被膜された基体の有効表面積を幾分増大させるよう作用することを意味する。理論により限定されることを意図するものではないが、本発明者は、導電性ポリマー被膜の大きな表面積は、本発明により形成されるコンデンサの総静電容量の増加を助けることができると考える。なぜなら、カソードに導電性ポリマーが存在しない場合よりも多くの場所において、液体電解質(例えば、H2SO4溶液)がカソードと実際に接しているからである。
カソード基体12に導電性ポリマー被膜16を施すために様々な方法を用いることができる。例えば、スパッタリング、スクリーン印刷、浸漬、電着塗装、電子熱蒸着、吹付け及び真空蒸着といった技術を用いて被膜16を形成することができる。1つの実施形態において、例えば、導電性ポリマー(例えばPEDT)を形成するために用いられるモノマーは、分散液を作るために、最初に重合触媒と混合することができる。例えば、好適な重合触媒の1つは、鉄(III)トルエンスルホン酸塩及びn−ブタノールであるBAYTRON C(バイエル社)である。BAYTRON Cは、同じくバイエル社から販売されている、3,4−エチレンジオキシチオフェン、PEDTモノマーであるBAYTRON M用の市販触媒である。
分散液が作られると、次いで酸化物被覆されたカソード基体が分散液に浸漬されて、導電性ポリマーがカソードの表面に形成される。これに代えて、触媒及びモノマーは又、別々にカソードに塗布することができる。1つの実施形態において、触媒は溶媒(例えば、ブタノール)で溶解され、次いで浸漬溶液としてカソードに塗布することができる。次いで触媒は乾燥され、溶媒が取り除かれることができる。その後、触媒は、好適なモノマーを含む溶液に浸漬されることができる。モノマーが、触媒を含むカソードの表面に接すると、化学的に重合する。同様に、他の実施形態においては、カソードはまず、モノマーを含む溶液に浸漬され、乾燥されて溶剤が取り除かれ、次いで触媒を含む溶液に浸漬され、それによって導電性ポリマー被膜がカソード上で化学的に重合する。
酸化物被膜14及び導電性ポリマー被膜16の組合せをカソード基体12に施すことによって、同じ大きさ且つ同じ構成の湿式電解コンデンサに用いられる従来のカソードと比べた場合に、予想外にカソードの静電容量が著しく増加する。非常に大きなカソードの静電容量によって、湿式電解コンデンサ内のカソードの制約が減少し、同じ大きさ且つ同じ構成の従来の湿式電解コンデンサと比べた場合にコンデンサの大きな体積効率を生み出す大きなアノードを用いることが可能となる。体積効率は、一般に、静電容量と電圧の積をコンデンサの体積で除したもの、すなわちμF*V/cc(又はクーロン/cc)である。
酸化物及びポリマー被膜14及び16の「装填(loading)」はそれぞれ、非常に幅広く変化することができるために、カソード基体は非常に大きいか、又は非常に小さいものとすることができるので、本発明により形成されたカソードの静電容量は非常に大きく変化することができることに注意すべきである。同様に、そのようなカソードを用いた湿式電解コンデンサは、幅広く構成を変えることができる(例えば、アノードとカソード間の距離を変えたり、アノードの大きさを変えたりする等)。しかしながら、本発明のある実施形態により形成されたカソード(例えば、NbO2を含む被膜14及びPEDTを含む被膜16を含む)において、NbO2及びPEDTは相乗的に作用し、同じ大きさ及び形状の、このNbO2及びPEDTを含む被膜の組合せなしの従来のカソードと比べた場合に著しく増加した静電容量をカソードに与えると考えられている。そのようなNbO2とPEDTといった導電性ポリマーとの間の相乗的な相互作用は、被膜16の形成において用いられるPEDTの追加的なグラムの各々によって、予想外の大きなグラム当たりの静電容量(μF/g)をカソード全体に実際に与えることを意味することができる。
様々な方法が上で説明されてきたが、本発明においては、導電性ポリマー被膜を含む被膜を施す任意の他の方法を又、用いることができることが理解されるべきである。例えば、一又はそれ以上の導電性ポリマーを含むような被膜を施す他の方法が、Sakata他の米国特許第5,457,862号、Sakata他の米国特許第5,473,503号、Sakata他の米国特許第5,729,428号及びKudoh他の米国特許第5,812,367号に説明されており、その内容全体をあらゆる目的のために引用により本明細書に組み入れる。これに加えて、様々な量の導電性ポリマーが被膜16に存在することができる。本発明の特定の実施形態において、被膜16の厚さ又は被膜16に存在する導電性ポリマーの総重量の増加によって、得られるカソードの静電容量が増加する。
更に本発明による湿式電解コンデンサの他の具体的な実施形態において、酸化物被膜14と導電性ポリマー被膜16との間に保護被膜(図示されない)を形成することができる。保護被膜は、導電性ポリマー被膜16と酸化物被膜14との間の接触面の機械的安定性を高めることができると考えられている。保護被膜として有用な特定の高分子材料は、例えば、酸素、熱等といった硬化剤にさらされると一般に固化(cure)又は硬化(hardened)することができる天然樹脂又は合成樹脂を含む。保護皮膜に用いられるいくつかの樹脂材料は、これに限定されるものではないが、ポリウレタン、ポリスチレン及びそれらの組合せ等を含む。これに加えて、不飽和又は飽和脂肪酸エステル(例えば、グリセリド)を保護被膜に用いることができる。いくつかの好適な脂肪酸エステルは、これに限定されるものではないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アレウリチン酸、シェロール酸等のエステルを含む。これらの脂肪酸エステルは、得られる被膜を早く安定層に重合させる「乾性油」を形成するため比較的複雑な組み合わせで用いられるときに特に有用であることが分かっている。そのような乾性油は、エステル化された脂肪酸アシル残留物がそれぞれ1つ、2つ、3つ付いたグリセリン骨格を有するモノ−、ジ−及び/又はトリ−グリセリドを含むことができる。
保護被膜に用いることができるいくつかの好適な乾性油は、これに限定されるものではないが、以下を含む:オリーブオイル(オレイン酸84%、パルミチン酸7%、リノール酸5%、及びステアリン酸2%のエステルを含むと考えられている)、アマニ油(リノレン酸47%、リノール酸24%、オレイン酸19%、パルミチン酸6%、及びステアリン酸2%のエステルを含むと考えられている)、キリ油(エレオステアリン酸96%及びオレイン酸4%のエステルを含むと考えられている)、ヒマシ油(リシノール酸87%、オレイン酸7%、リノール酸3%、パルミチン酸2%、及びステアリン酸1%のエステルを含むと考えられている)、大豆油(オレイン酸26%、リノール酸49%、リノレン酸11%、及び飽和脂肪酸14%を含むと考えられている)及びセラック(アレウリチン酸及びシェロール酸といった様々な脂肪族ヒドロキシ酸及び脂環式ヒドロキシ酸のエステルを含むと考えられている)。
保護被膜に用いられる場合には、上述のような脂肪酸エステルは、天然に存在し、又は天然材料から精製されるものとすることができる。例えば、大豆油は、石油炭化水素を用いた溶媒抽出法による精製を通して、又は連続ねじプレスを用いて、大豆から得られることが多い。抽出されると、得られた大豆油は主に、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸のトリグリセリドからなる。一方、キリ油は、そのような精製が必要でないことが多い乾性油である。
場合によっては、脂肪酸を、アルコールと反応させることによって更にエステル化させることが望ましいとすることができる。そのような脂肪酸/アルコールエステル誘導体は、一般に、脂肪酸と反応することができる任意の知られたアルコールを用いて得ることができる。例えば、いくつかの実施形態において、8炭素原子未満の一価及び/又は多価アルコール、また、いくつかの実施形態において、5炭素原子未満の一価及び/又は多価アルコールが、本発明において用いることができる。本発明の具体的な実施形態は、メタノール、エタノール、ブタノール、並びにプロピレングリコール、ヘキシレングリコール等といった様々なグリコールの使用を含む。1つの具体的な実施形態において、セラックは、上述のようにアルコールとの混合によってエステル化することができる。具体的には、セラックは、ある程度エステル化された脂肪酸の複合混合体と考えられている昆虫の樹脂性の分泌物である。従って、アルコールと混合されると、セラックの脂肪酸群は、アルコールとの反応によって更にエステル化される。
保護被膜は、一般に、様々な異なる仕方で施すことができる。例えば、1つの実施形態において、カソード基体は、所望の保護被膜物質の溶液に浸漬することができる。浸漬溶液は、選択された保護被膜物質を、水又は非水溶性溶媒といった溶媒に溶解させることによって形成することができる。いくつかの好適な非水溶性溶媒は、これに限定されるものではないが、メタノール、エタノール、ブタノール、並びにプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジ(エチレンアセテート)グリコール等といった様々なグリコールを含むことができる。特に望ましい非水溶性溶媒は、沸点が約80℃、いくつかの実施形態においては約120℃、いくつかの実施形態においては約150℃を超えるものである。上述のように、そのような樹脂材料が用いられる場合には、非水溶性溶媒を用いた浸漬溶液の形成によって又、更に脂肪酸をエステル化することができる。
カソード基体は、保護被膜の所望の厚さに応じて、1回又はそれ以上溶液に浸漬することができる。例えば、保護被膜を形成する保護層の数は、いくつかの実施形態においては、約2層ないし約10層、いくつかの実施形態においては約3層ないし約7層とすることができる。浸漬に加えて、スパッタリング、スクリーン印刷、電着塗装、電子ビーム蒸着、真空蒸着、吹付けといった従来の被膜を施す方法も又、保護被膜の付着に用いることができることも又、理解されるべきである。
保護被膜の形成後、カソードは加熱されるか、又は他に硬化されることが望ましいことが多い。加熱は、被膜形成中用いられる任意の溶媒の蒸着を促進し、樹脂材料のエステル化及び/又は重合を又助けることができる。加熱時間及び加熱温度は、用いられる特定の樹脂材料に応じて一般的に変わる。典型的には、保護層の各々を乾燥する温度は、約30℃ないし約300℃、いくつかの実施形態においては約50℃ないし約150℃の範囲で、時間は、約1分ないし約60分、いくつかの実施形態においては約15分ないし約30分の範囲である。加熱は、保護被膜層の各々が施された後に用いる必要はなく、その代わりに前保護被膜の形成後にのみ用いることができることが又理解されるべきである。
エステル化及び重合を促進するために、1又はそれ以上の「ドープ」剤が又、保護被膜に添加されることができる。例えば、用いることができるドープ剤の一例は、セラックの重合の触媒として作用する硫酸である。「ドープ」は、導電性ポリマーを含む被膜の分子及び/又は保護被膜の分子を伝導性にすることを含む。そのようなドープは、保護被膜及び/又は導電性ポリマーを含む被膜の重合反応の触媒作用中に生じることができる。従って、特定のドープ剤は、本発明の様々な実施形態において用いられる特定の触媒中に見出されることができる。ドープの程度を制御することは、本発明によるカソード及びコンデンサの特定の用途において有益である。例えば、ドープ量の制御(例えば、保護被膜及び/又は導電性ポリマーを含む被膜の伝導性の程度の制御)によって、コンデンサの蓄積容量の最適化といった、得られるコンデンサの特定の特性を調整することができると考えられている。
カソードが保護被膜を含む本発明のいくつかの実施形態において、導電性モノマー(例えばBAYTRON M)の触媒(例えば上述のBAYTRON C)は、保護被膜を形成するために用いる材料と混合してもよい。そのような例において、カソードはまず、触媒及び保護被膜材料を含む溶液中に浸漬され、次いでカソードは、導電性モノマーを含む溶液に浸漬されることができる。その結果、導電性モノマーは、保護被膜の表面中及び/又は表面上で触媒と接触し、反応し、導電性ポリマーを含む被膜を形成することができる。
本発明による湿式電解コンデンサの別の実施形態が図1B及び1Cに示される。これらの図において、コンデンサ10は、タンタルといった金属の多孔質のスラグとすることができるアノード20を含む。しかしながら、本実施形態においては、カソード基体12は、図1Aの円筒形の容器又は缶ではなく、矩形の金属箔又は金属クーポンである。金属クーポンは、バルブ金属(例えばタンタル)又は非バルブ金属(例えば銅又は銀)とすることができる金属を含む。図1B及び1Cのカソードは、酸化物被膜14並びに任意の導電性ポリマー被膜16及び保護被膜(図示されない)を含む。本実施形態において、そのような被膜は、矩形の金属クーポン又は金属箔の側面を覆って延びる。
図1B及び1Cの実施形態において、アノード20及びカソードは共に、電圧源30に取り付けられ、互いに接触しないようにガラスビーカー32内につり下げられる。具体的には、図1B及び1Cにおいて、アノード20とカソードは、約1ミリメートルの距離だけ離間され、アノード20は、その表面を覆って延びる誘電体膜を有する。カソードは、スポット溶接によって金属線34、特にタンタル線に取り付けられ、電圧源30までの電気的導通を提供する。図1B及び1Cに示されるように、アノード20は、カソードよりも幾分小さいものとすることができる。
図1A−1Cは、本発明の湿式電解コンデンサを具体化することができる様々な構成を示すが、本発明のコンデンサは又、2枚のカソードとその間のアノードを含む角柱状の(prismatic)構成を有することができる。約言すれば、本発明により形成されたカソードを用いて、湿式電解コンデンサの技術分野において公知の任意の従来の構成を用いることができる。
本発明の結果、卓越した電気的特性を示す湿式電解コンデンサを形成することができる。例えば、ここに記述されたカソードを用いて形成された湿式電解コンデンサは、同様の一般的な大きさ及び構成の湿式電解コンデンサと比較した場合に、高いレベルのカソード静電容量を示すことができる。そのような高いレベルのカソード静電容量は、改善された体積効率の本発明の湿式電解コンデンサをもたらすことができる。例えば、体積効率は、約10,000μF*V/cc、いくつかの実施形態においては約20,000μF*V/cc、いくつかの実施形態においては約40,000μF*V/ccよりも大きいものとすることができる。更には、本発明の湿式電解コンデンサの散逸率は又、比較的低い。例えば、湿式電解コンデンサの散逸率は、約50%、いくつかの実施形態においては約30%、いくつかの実施形態においては約15%よりも小さいものとすることができる。
本発明の湿式電解コンデンサは、これに限定されるものではないが、除細動器等といった医学的用途、並びにRADARシステム等といった軍事的用途を含む様々な用途に用いることができる。本発明の湿式電解コンデンサは又、ラジオ及びテレビ等を含む家庭用電化製品に用いることができる。
本発明は、以下の実施例を参照することによって更によく理解されることができる。
実施例
以下の実施例において、コンデンサは、本発明のいくつかの実施形態により形成された。静電容量及び散逸率は、Agilent社製16089Bケルビン・クリップ・リードを用いてAgilent社製4284A Precision LCRメータを使用して、120ヘルツで2ボルト・バイアス及び1ボルト信号で測定された。
以下のいくつかの実施例においては、タンタル缶を用いて本発明によるカソードを形成した。これらの具体的な実施例において、直径が9.89mm及び高さが26.32mmのタンタル缶を用いた。カソードは、まずタンタル缶をビーカーに置き、十分なイソプロパノール(IPA)を加えてタンタル缶を覆うことによって作られる。ビーカーは換気フードの下に置かれ、5分間放置された。引き続いて、IPAがタンタル缶から移され、IPAの形跡がなくなるまで空気乾燥された。次いで、タンタル缶は、乾燥炉の中に85℃で15分間置かれた。
次に、NbO2の懸濁液を形成するために、NbO2粉末が約9.0グラム量られて、20mLのプラスチック容器に入れられ、8mLのIPAが、NbO2粉末が入ったプラスチック容器に注入された。これらの実施例において使用されたNbO2粉末は、Pennsylvania州、RobesoniaにあるReading Alloys社から市販ており、非常に大きな表面積を有する。例えば、このNbO2粉末のいくつかのサンプルのBET表面積は、約3.4m2/グラムないし約6.7m2/グラムの間であることが測定により分かった。これに加えて、これらの粉末サンプルのNbO2粒子の粒径は、約0.75μmないし約2μmであった。
容器内の圧力が増大しないようにする一方、材料が容器から逃げないようにするために、蓋はプラスチック容器の上に緩く置かれた。容器は、40mLの印まで水で満たされた100mLのビーカーに置かれた。次いで、ビーカーは超音波槽につり下げられ、30分間超音波が印加(ultrasonicate)された。ビーカーが超音波槽から取り出され、プラスチック容器がビーカーから取り出された。懸濁液が濃すぎるように見えた場合には、IPAが更に加えられ、超音波印加の工程が繰り返された。懸濁液が薄すぎるように見えた場合には、IPAをいくらか蒸発させるように容器から蓋が外された。
NbO2懸濁液ができると、使い捨てのピペットを用いてタンタル缶を完全に満たした。具体的には、缶は水平に保持され、人手でゆっくりと回転させられ、缶の壁面がNbO2懸濁液で均一に被覆された。次いで、缶は垂直に置かれ、被膜が乾燥したように見えるまで大気中で乾燥させられた。次いで、缶は乾燥炉の中に80℃で15分間置かれた。次いで、1つのNbO2被膜を有する缶は、10分間真空焼結された。この真空焼結の典型的な温度は1150℃であった。しかしながら、以下のいくつかの実施例においては、焼結温度がカソードの電気的特性にどのような影響を与えることができるかを明らかにするために、様々な焼結温度が用いられた。所望の数のNbO2被膜が施されるまで、1つの更なるNbO2被膜を施し、缶を乾燥させ、缶を高温で真空焼結させる工程が繰り返された。
これに加えて、以下のいくつかの実施例においては、タンタル缶ではなく、一般に「クーポン(coupons)」と呼ばれるタンタル箔部が、本発明によるカソードを形成するために用いられた。NbO2被膜カソードを形成するためにタンタルクーポンが用いられた実施例においては、NbO2懸濁液をタンタルクーポンに塗布する時に、懸濁液を3、4滴だけクーポンに落とすことによって懸濁液を塗布し、次いでクーポンをあらゆる方向に傾けて、懸濁液をクーポンの1つの平らな表面にわたって均一に拡げる以外は、被覆の手順は上に詳細に述べたのと同様である。被覆されたクーポンは、その表面が床に対して立てたり、並行にしたりできるように乾燥させられることができ、もう一方の表面は同様に被覆されることができる。
更には、以下の別の実施例において、本発明によるカソードを形成するために銅箔又は銅クーポンが用いられた。この実施例において、銅箔はNbO2及びPEDTで被覆され、NbO2は、バインダにより銅金属に接着された。
本実施例においては、カソード静電容量の増加及び体積効率が改善された湿式電解コンデンサの製造におけるNbO2の有効性を明らかにするために実験が行われた。実験は又、NbO2被覆カソードの形成に適切な焼結温度を明らかにするために行われた。
3つの1cm2のタンタル箔部又はタンタルクーポンが、コンデンサのアノード部として動作するために25ボルトで陽極酸化された。これに加えて、陽極酸化されていない1cm2のタンタル箔クーポンが、コンデンサのアノード部として動作するために両面においてNbO2で被覆された。NbO2被覆手順は、上で詳細に述べられたものである。
具体的には、本実施例において、3つの異なるNbO2被膜厚さについて実験が行われた。5つの異なる焼結温度について実験を行うことができるように、5つのタンタルクーポンが、3つのNbO2被膜厚さの各々で被覆された。本実験で形成されたカソード部の物理的寸法及び被膜厚さを、以下の表Iに示す。
表I
Figure 0005060471
処理された箔の両面のNbO2被膜の総厚さを明らかにするために、未処理の箔の厚さ及びNbO2被覆された箔の厚さを測定するのにマイクロメーターが用いられた。
NbO2被覆されたタンタル箔を各々10分間真空焼結するために5つの異なる焼結温度を用い、カソードとして3つのNbO2被覆された箔の各々、及びアノードとして陽極酸化されたタンタルを用いて、コンデンサが形成された。次いで、コンデンサは、静電容量及び散逸率について試験された。具体的には、120ヘルツで2ボルト・バイアス及び1ボルト信号でAgilent社製16089Bケルビン・クリップ・リードを用いたAgilent社製4284A Precision LCRメータが、そのような試験に用いられた。
電気的データを得るために、コンデンサの各々は、アノード及びカソード箔が互いに並行に、アノード・カソードに約1.0mmの距離をおいて置かれ、18%H2SO4(液体電解質)のビーカーにおいて試験された。
表IIは、様々なNbO2被膜厚さを有し、様々な焼結温度で焼結された、これらのコンデンサの実効静電容量値及び散逸率値を示す。
表II
Figure 0005060471
比較のために、カソードとして表Iに挙げた標準タンタルスラグを、アノードとして陽極酸化されたタンタル箔を用いて、コンデンサが形成された。本コンデンサの実効静電容量及び散逸率の値が得られ、本電気的試験は、湿式(wet)試験機で行われた。データを以下の表3に示す。
表III
Figure 0005060471
更に比較のために、カソードとして表Iに挙げたNbO2被膜なしのタンタル箔を、アノードとして陽極酸化されたタンタル箔を用いて、コンデンサが形成された。上の表IIに列挙したデータの取得手順と同じ手順を用いて、本コンデンサの実効静電容量及び散逸率の値が得られた。本試験の結果を以下の表IVに示す。
表IV
Figure 0005060471
上の表II、III及びIVで報告された結果は、本発明の実施形態により形成されたコンデンサ、例えば、NbO2被膜を含み焼結されたカソードを有するよう形成されたコンデンサは、対照コンデンサを比較した場合に、高い静電容量値及び低い散逸率を示すことを示す。例えば、1200℃で焼結された、3つのNbO2被覆されたカソードを含むコンデンサは、NbO2被膜なしのタンタル箔カソードを用いて形成されたコンデンサ及びNbO2被膜なしの標準タンタルスラグカソードを用いて形成されたコンデンサの両方と比較した場合に、高い静電容量値及び低い散逸率を示す。
本実施例においては、上の実施例Iで用いられた陽極酸化されたアノードではなく、Y100タンタルアノード(公称100μFタンタルアノード)を用いて、いくつかのコンデンサが形成された。第1の「対照」コンデンサは、Y100タンタルアノード及び上の実施例1に記述された標準タンタルスラグカソードを用いて形成された。第2の「対照」コンデンサは、Y100タンタルアノード及び上の実施例1に記述されたNbO2被膜のまったくないタンタル箔を用いて形成された。本発明によるコンデンサは又、Y100タンタルアノード及びカソードとしてNbO2被覆されたタンタル箔を用いて形成された。具体的には、本コンデンサにおいてカソードとして用いられたNbO2被覆されたタンタル箔は、1200℃で真空焼結された実施例1のグループ(3)の中の1つ(例えば、総厚さが23μmのNbO2を含む被膜を含むカソード)であった。上の表IVに列挙したデータの取得手順と同じ手順を用いて、これら3つのコンデンサの実効静電容量及び散逸率の値が得られた。本試験の結果を以下の表Vに示す。
表V
Figure 0005060471
上の表Vで報告された結果は、タンタル箔が比較的質の低いカソードであり、一方NbO2被覆されたタンタル箔カソードは、標準セルと比較して、セル全体について非常に大きな測定静電容量及び散逸率をもたらす。
本実施例においては、本発明によっていくつかのコンデンサが形成され、それらの静電容量が試験された。具体的には、本実施例のカソードは、金属基体としてタンタルクーポン又はタンタル箔を用いて形成され、NbO2の被膜はタンタルクーポン又はタンタル箔の各々に施され、続いてPEDT導電性ポリマーを含む被膜が施された。
タンタルクーポンにNbO2を被覆する手順は、上に詳細に記述されており、本実施例においては、タンタルクーポンを被覆するのに用いられたNbO2の量は、静電容量に与える影響を明らかにするために変えられた。従って、カソードセット1のNbO2被覆されたタンタル箔カソードは、タンタル金属上に被覆されたNbO2を0.0056グラム含み、カソードセット2のカソードは、タンタル金属上に被覆されたNbO2を0.0113グラム含み、カソードセット3のカソードは、タンタル金属上に被覆されたNbO2を0.014グラム含んだ。
これに加えて、本実施例においては、NbO2被覆されたカソード上に導電性ポリマー被覆を形成するために、いくつかの異なる量のPEDTが用いられ、その量は、0グラムのPEDTないし約0.0018グラムのPEDTの範囲にわたった。PEDTを含む被膜をNbO2被覆されたカソードに施す際に、カソードは、BAYTRON Cを含む触媒溶液に浸漬され、乾燥され、BAYTRON Mを含むモノマー溶液に浸漬され、引き続いて乾燥された。カソードが形成されると、標準アノードを用いてコンデンサが組み立てられ、コンデンサの各々の静電容量がμFで測定され、記録された。
図2は、本実施例の結果のグラフを含む。具体的には、カソードに被覆されたPEDTの量(グラム)及びカソードに被覆されたNbO2の量(グラム)の両方が、様々なカソードを用いて形成されたコンデンサの各々の静電容量(μF)にどのように影響を与えるのかを示す。具体的には、図2は、コンデンサの各々の静電容量対カソードのNbO2層の一番上に被覆されたPEDTの量を示す。一般に、図2の3つのベストフィット(best-fit)曲線がすべて右上がりに傾斜していることから示されるように、カソードに施されるPEDTの量が増加するにつれて、所定量のNbO2について、静電容量が増加する。
図2の3つの曲線は、3つの次第に厚くなるNbO2層(それぞれカソードセット1、2及び3)を表す。図2は、セル静電容量(μF)対PEDT被覆(グラム)の傾きが、NbO2の量が大きくなるにつれて、大きくなること(例えば、カソードセット3のデータ点をつなぐ曲線の傾きは、カソードセット1のデータ点をつなぐ曲線の傾きよりも大きい)を示す。
本実施例においては、(1)NbO2被覆されたカソード並びに(2)NbO2/PEDT被覆されたカソードを様々なタンタルアノードと共に用いて、本発明によりコンデンサが形成された。
まず、6つのタンタル缶がNbO2で被覆された。NbO2をタンタル缶に被覆する手順は、上に詳細に記述されている。次いで、カソードとしてこれらの6つのNbO2被覆されたタンタル缶、及び標準アノードを用いて、コンデンサが形成された。これらのコンデンサの実効静電容量及び散逸率の値が得られ、以下の表VIにあるように記録された。
表VI
Figure 0005060471
次に、特定のアノードが形成され、4つの70,000mF*V/gのタンタルペレットが、4つのペレットすべてが互いに接触することなく、及びカソード缶に接触することなくカソード缶につり下げられるようにストリップに溶接された。次いで、タンタルペレットのストリップは、12ボルト、18ボルト、27ボルト及び35ボルトの化成電圧で次第に陽極酸化された。4つの化成電圧の各々での陽極酸化後、アノードのストリップは、NbO2被覆されたカソード缶の各々に置かれ、セル静電容量が試験された。これらの実験において、18%のH2SO4溶液が、液体電解質として用いられた。これらの試験の結果は、以下の表VIIにあるように記録された。
表VII
Figure 0005060471
缶2−7についての上に概説した手順とまったく同じ手順が、いくつかの追加的なタンタル缶について繰り返された。しかしながら、これらの実験において、タンタル缶の各々は、先ずNbO2で被覆され、次いで導電性ポリマー、具体的にはPEDTで被覆された。タンタル缶をNbO2で被覆する手順は上に詳細に記述されており、NbO2被覆されたタンタル缶をPEDTで被覆する手順は、一般に、NbO2被覆されたタンタル缶をBAYTRON Cを含む触媒溶液に浸漬し、乾燥し、BAYTRON Mを含むモノマー溶液に浸漬し、及び引き続いて乾燥することを含む。次いで、カソードとしてこれらのNbO2/PEDT被覆されたタンタル缶の各々、及び標準アノードを用いて、コンデンサが形成された。これらのコンデンサの静電容量及び散逸率の値が測定され、以下の表VIIIにあるように記録された。
表VIII
Figure 0005060471
更に、特定のアノードを形成する際に、4つの70,000mF*V/gのタンタルペレットが、4つのペレットすべてが互いに接触することなく、及びカソード缶に接触することなくカソード缶につり下げられるようにストリップに溶接された。次いで、タンタルペレットのストリップは、12ボルト、18ボルト、27ボルト及び35ボルトの化成電圧で次第に陽極酸化された。4つの化成電圧の各々での陽極酸化後、アノードのストリップは、NbO2/PEDT被覆されたカソード缶の各々に置かれ、セル静電容量が試験された。これらの実験において、18%のH2SO4溶液が、液体電解質として用いられた。これらの試験の結果は、以下の表IXにあるように記録された。
表IX
Figure 0005060471
本実施例の本発明のコンデンサの静電容量値がいかに大きいかを示すために、すぐ上の実験において用いられたアノードは又、4つの異なる化成電圧の各々で陽極酸化された後に、静電容量試験のために標準湿式試験セルに置かれた。標準湿式試験セルの液体電解質は又、18%のH2SO4溶液であった。当技術分野において知られているように、標準湿式試験セルは、アノードの静電容量と比較して非常に大きな静電容量を有するカソードを含むので、式1/Cセル=1/Cアノード+1/Cカソードを用いて、セル全体の静電容量はアノードの静電容量と等しい。標準湿式試験セルのアノードの静電容量試験から得られた結果を以下の表Xに示す。
表X
Figure 0005060471
本発明により形成されたコンデンサの2つの組(NbO2被覆されたカソードを含むコンデンサ及びNbO2/PEDT被覆されたカソードを含むコンデンサ)の平均の測定された静電容量値(上の表VII及びIX参照)が、標準湿式試験セルコンデンサの測定された静電容量値(上の表X参照)と比較された。その比較の結果を以下の表XIに示す。
表XI
Figure 0005060471
本発明のカソード(NbO2又はNbO2/PEDTで被覆された)で作られたコンデンサの静電容量が極めて大きいことが明らかである。
すぐ上の表XIのデータがプロットされた。このデータの図示したものを図3に示す。図3の曲線は、NbO2被覆されたカソードを含むコンデンサについて測定された静電容量が、標準湿式試験セルコンデンサの静電容量に近づくことを明らかにする。
これに加えて、NbO2及びPEDT導電性ポリマーの両方で被覆されたカソードを含むコンデンサについて測定された静電容量値は、標準湿式試験セルコンデンサの静電容量を実際に上回っている。このような高い静電容量は、NbO2及びPEDTといった導電性ポリマーが相乗的に働き、非常に望ましい著しく高いカソード静電容量をカソードに与えることを示唆する。
本実施例においては、上の実施例4の中の12番の缶が、更なる静電容量試験をするために選択された。実施例4において議論したように、タンタル缶である12番の缶は、NbO2及びPEDTの両方で被覆されていた。より具体的には、12番の缶は、総重量0.0893グラムのNbO2及び総重量0.0124グラムのPEDTで被覆されていた。BAYTRON C触媒及びBAYTRON Mモノマーを用いた浸漬プロセスに関して上に述べたように、BAYTRON C溶液への浸漬、乾燥、BAYTRON M溶液への浸漬、及びそれに引き続く乾燥を含む、約4つの浸漬サイクルが、0.0124グラムのPEDTをNbO2被覆されたタンタル缶に被覆するために必要とされた。12番の缶は又、NbO2/PEDT被膜のタンタル缶への接着を引き起こすために、1150℃で10分間真空焼結された。
次に、12番の缶のカソード静電容量の大きさを明らかにするために、12番の缶に、次第に大きな(progressively larger)アノードが置かれた。具体的には、そのような次第に大きなアノードを作るために、より大きなアノードが必要とされたときに、標準製造タンタルスラグアノードが並行に溶接された。次第に大きなアノードの各々のアノード静電容量(Cアノード)は既知であった。
次第に大きなアノードの各々について、全コンデンサ(カソードとして12番の缶、及び次第に大きなアノードの各々を含む)のセル静電容量が測定された(Cセル)。このデータを図示したものを図4に示す。具体的には、図4のy軸は、全静電容量(Cセル)について測定されたセル静電容量の逆数を表し、一方図4のx軸は、12番の缶において試験された次第に大きなアノードの各々の既知のアノード静電容量(Cアノード)の逆数を表す。データ点(大きなアノードの各々についての特定の1/Cアノードでの1/Cセル)は、図4の真ん中の線に示されるように、ベストフィットの右上がりの傾斜の直線でつながれた。これに加えて、±95%の信頼度曲線(confidence curve)が、2本の外側の直線として図4に含まれている。
次いで、図4に含まれるデータ点をつなぐ曲線のy切片が、12番の缶のカソード静電容量(例えば、1/Cセル=1/Cアノード+1/Cカソード、ここで、1/Cアノードは図4のグラフのy切片においてゼロに等しく、1/Cセルは、1/Cカソードの値のみを表しているはずである)を得るために検討された。図4に含まれるデータ点をつなぐ曲線のy切片は正であることが注目に値する。
図5は、図4に含まれるデータ点をつなぐ曲線のy切片の詳細図を示す。データ点にフィットした曲線(真ん中の直線)の約0.000011のy切片は、12番の缶のカソード静電容量の最も確からしい値が約90,000μFであることを明らかにする。更に、± 95%信頼度曲線が、2本の外側の直線として図5に含まれており、これは、12番の缶のカソード静電容量の下限が約59,000μFであり、12番の缶のカソード静電容量の上限が200,000μFであることを示す。12番の缶の面積は約8cm2であったので、12番の缶の単位面積当たりの静電容量は、約90,000/8すなわち約11,250μF/cm2とすることができる。
本発明によるカソードについて得られる、このような高い単位面積当たりの静電容量は、改善された体積効率すなわちμF*V/ccを有するコンデンサをもたらす。具体的には、本発明により作られたカソードのμF/cm2値が高いので、任意の所定の缶において薄いカソードを用いることができる。このことは、アノードのためによりたくさんの余裕が缶に残っており、それによって同じ缶において、より大きなアノードを用いることを容易にすることを意味する。
本実施例においては、いくつかのコンデンサが本発明によって形成され、それらの静電容量を明らかにするために試験が行われた。具体的には、これらの実施例において、使用されたカソード基体は銅箔であり、これらの銅箔は、各々にNbO2を含む被膜及びPEDTを含む被膜が施され、いくつかのカソードが作られた。
本実施例における銅箔基体には、直径が約0.4ないし約3.0mmのピンホールが穿孔された。ピンホールは、銅箔基体の幾何学的表面積の約1%ないし約20%からなる。銅箔にこのように穿孔がなされるのは、場合によっては、本実施例において用いられるバインダ(以下で議論される)が、金属基体への接着に困難をきたすかもしれないからである。他の実施形態においては、金属基体への接着においてバインダを助けるために、物理的な穿孔ではなく、結合材を用いることができるであろう。
本実施例においては、いくつかの懸濁液が形成され、その各々は、様々な量のNbO2粒子、バインダとして様々な量のポリ二フッ化ビニル(PVDF)、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む。具体的には、本実施例において、PVDFバインダは、NbO2粒子を銅箔基体に接着する(例えば、上の他の実施例において用いられた任意の種類の真空焼結プロセスではなく)。本実施例におけるバインダとしてPVDFが用いられたが、NbO2粒子を銅箔といった金属基体に接着するための他の好適なバインダは、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリコール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース、又はこれらのバインダの組合せを含むことができる。懸濁液におけるバインダの重量パーセントは、典型的には、用いられる具体的なバインダに応じて、約1%ないし約25%とすることができる。これらの実施例において、銅箔基体を被覆するために用いられたNbO2懸濁液の各々におけるPVDFバインダの重量パーセントを以下の表XIIに挙げる。
上述のように、本実施例において銅箔に塗布されるNbO2懸濁液を作る際の溶媒として、NMPが用いられた。しかしながら、そのようなプロセスのための他の好適な溶媒は、水、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトン、ジ(エチレングリコール)、エチルエーテルアセテート、又はこれらの溶媒の組合せを含むことができる。
以下の表XIIは、本発明によって形成された4つのカソード条件を示し、どのバインダがNbO2粒子を銅箔に接着するためのNbO2懸濁液に含まれるか、NbO2懸濁液の作製において用いられた溶媒、並びにNbO2及びPEDTを含む得られた被膜の厚さを示す。
表XII
Figure 0005060471
NbO2被膜を、上の表XIIの4番の銅箔カソードに形成するためのNbO2懸濁液に含まれる成分(例えば、バインダ、溶媒、NbO2粒子)に加えて、微量の導電性物質、具体的には、グラファイトがNbO2懸濁液に含まれ、グラファイトは、4番の銅箔カソードをNbO2を含む被膜で被覆するために用いられた懸濁液の約1重量パーセント未満を構成した。
本実施例において、NbO2を含む被膜がまず、銅箔の各々に施され、乾燥され、次いで、PEDTを含む被覆がNbO2被覆された銅金属基体に形成されたことに留意すべきである。PEDT被膜は、まずNbO2被覆された銅基体をBAYTRON Mを含むモノマー溶液に浸漬し、引き続いて基体を乾燥し、次いで基体をBAYTRON Cを含む触媒溶液に浸漬することによって形成された。
コンデンサは、上述の被覆された銅箔の各々及びアノードを用いて形成された。具体的には、本実施例においては、アノードは、25ボルトで陽極酸化され、重量が0.39グラムのNbOのスラグであった。本実施例において形成されたコンデンサの各々の液体電解質は、5.0MのH2SO4溶液であった。
上述の銅ベースのカソードの各々は、約4.0cm2の被覆表面領域(銅箔+NbO2/PEDTで被覆された両面)を有した。これらのコンデンサの各々におけるアノードとカソードの距離は、約0.5cmであった。これらのコンデンサのセル静電容量値は、Agilent社製16089Bケルビン・クリップ・リードを用いてAgilent社製4284A Precision LCRメータを使用して120ヘルツで2ボルト・バイアス及び1ボルト信号で測定された。これらの静電容量値を以下の表XIIIに報告する。
表XIII
Figure 0005060471
上の表XIIIに挙げられたセル静電容量を得た後、1番の銅箔カソードのカソード静電容量が、式1/Cセル=1/Cアノード+1/Cカソードを用いて推定された。具体的には、H.C.Starck社から市販された、本実施例においてアノードを形成するために用いられたNbO粉末には、所与のμF*V/g値120,000が与えられた。カソードの静電容量について解くと、1番の銅箔カソードのカソード静電容量は、26,000μFよりも大きいようであった。従って、本発明によりNbO2及びPEDTで被覆された本実施例における銅箔カソードは、湿式電解コンデンサのカソードとして非常に良く働くことが分かった。
比較例
本比較例においては、導電性ポリマーPEDTで被覆されたタンタル片又はタンタル箔のみを含むカソード(例えば、二酸化ニオブといった金属酸化物の被膜なしのカソード)を用いて形成されたコンデンサの静電容量を明らかにするために、実験が行われた。具体的には、本比較例においては、タンタルクーポンを用意し、0グラムないし約0.0012グラムの範囲の様々な量のPEDTでタンタルクーポンを被覆することのみによって、いくつかのカソードが形成された。PEDT被覆されたカソードの各々及び標準アノードを用いて、コンデンサが形成され、コンデンサの各々のセル静電容量がμFで測定され、記録された。
図6は、本比較例の結果のグラフを示す。具体的には、図6は、μFでのセル静電容量対グラムでのタンタル箔カソードの各々の被膜として用いられたPEDTの量をグラフで示したものである。図6は、PEDTといった導電性ポリマーで被覆された基本的なタンタル基体(例えば、NbO2被膜といった金属酸化物被膜が何らない)のみを含むカソードを用いてコンデンサが形成された場合に、タンタル基体を被覆するために用いられたPEDTの量が増加するにつれて、セル静電容量が実際に減少することを示す。
本発明のこれらの及び他の修正及び変形は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、当業者によって実施されることができる。これに加えて、様々な実施形態の態様が、全部又は一部の両方において取り替えられることができることが理解されるべきである。更に、上述の説明は例を示すのみであって、付属の特許請求の範囲に記載された以上に本発明を制限することは意図されていないことを当業者は分かるであろう。
本発明によるコンデンサの一実施形態の断面図である。 本発明によるコンデンサの別の実施形態の斜視図である。 図1Bのコンデンサの側面図である。 本発明の一実施形態によるカソードの、カソード静電容量(μF)対導電性ポリマーの量(グラム)のグラフである。 本発明の一実施形態によるいくつかのコンデンサの平均静電容量(μF)対これらのコンデンサの化成電圧のグラフである。 本発明の一実施形態によるいくつかのコンデンサの測定された静電容量(μF)の逆数対それらのコンデンサに用いられた次第に大きなアノードの静電容量(μF)の逆数のグラフである。 図4に示されたグラフの原点の拡大図である。 従来技術によるカソードの、カソード静電容量(μF)対導電性ポリマーの量(グラム)のグラフである。

Claims (35)

  1. 湿式電解コンデンサであって、
    アノードと、
    金属基体、及び該金属基体を被覆する酸化物被膜を含むカソードと、
    前記カソードとアノードとの間に配置された液体電解質と、
    導電性ポリマーを含む被膜と、
    を含み、
    前記導電性ポリマー被膜は、前記酸化物被膜を被覆し、
    前記酸化物被膜は、ニオブと酸素の原子比率が1:2.5未満のニオブ酸化物を含み、 前記金属基体は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、及びそれらの組合せからなる群から選択される金属を含む、ことを特徴とする湿式電解コンデンサ。
  2. 前記ニオブ酸化物は、ニオブと酸素の原子比率が1:1.5未満であること特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  3. 前記ニオブ酸化物は、NbO0.7、NbO1.0、NbO1.1及びNbO2からなる群から選択されること特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  4. 前記ニオブ酸化物は、ニオブと酸素の原子比率が1:0.5±0.2であること特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  5. 前記ニオブ酸化物は、NbO2であること特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  6. 前記導電性ポリマーは、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、及びそれらの組合せからなる群から選択されること特徴とする請求項に記載の湿式電解コンデンサ。
  7. 前記導電性ポリマーは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であること特徴とする請求項に記載の湿式電解コンデンサ。
  8. 前記酸化物被膜と前記導電性ポリマーとの間に配置された保護被膜を更に含むこと特徴とする請求項に記載の湿式電解コンデンサ。
  9. 前記金属基体は、銅、銀、及びそれらの組合せからなる群から選択される金属を含むこと特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  10. 前記液体電解質は、硫酸水溶液であること特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  11. 前記アノードは、タンタル、アルミニウム、チタン、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される金属を含むこと特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  12. 前記アノードは、前記金属の酸化物又は窒化物を含むこと特徴とする請求項11に記載の湿式電解コンデンサ。
  13. 前記ニオブ酸化物のB.E.T.表面積は、約0.5m2/グラムないし約40m2/グラムであること特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  14. 前記ニオブ酸化物の粒径は、約0.1μmないし約5μmであること特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  15. 前記コンデンサの散逸率は、約50%未満であること特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  16. 前記コンデンサの体積効率は、約10,000μF*V/ccよりも大きいこと特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  17. 前記コンデンサの体積効率は、約20,000μF*V/ccよりも大きいこと特徴とする請求項1に記載の湿式電解コンデンサ。
  18. 湿式電解コンデンサを形成するための方法であって、
    アノードの表面を陽極酸化して誘電体膜を形成するステップと、
    カソードの金属基体に粒子懸濁液を塗布するステップと、
    前記懸濁液を焼結して酸化物被膜を形成するステップと、
    前記アノードと前記カソードとの間に液体電解質を配置するステップと、
    を含み、
    前記酸化物被膜は、ニオブと酸素の原子比率が1:2.5未満のニオブ酸化物を含むことを特徴とする方法。
  19. 前記懸濁液は、ニオブと酸素の原子比率が1:2.5未満のニオブ酸化物を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記懸濁液は、NbO2を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  21. 前記懸濁液は、Nb25を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  22. 前記懸濁液の固体含量は、重量で約20%ないし約80%であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  23. 前記金属基体は、前記懸濁液に浸漬されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  24. 前記酸化物被膜は、前記懸濁液の複数の層から形成されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  25. 前記層の各々の厚さは、約150μm未満であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 前記懸濁液は、約800℃ないし約1400℃の温度で焼結されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  27. 導電性ポリマー被膜、保護被膜、又はその両方を前記酸化物被膜上に施すステップを更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  28. 前記液体電解質は、硫酸水溶液であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  29. 湿式電解コンデンサであって、
    アノードと、
    金属基体、金属酸化物被膜、保護被膜、及び導電性ポリマー被膜を含むカソードと、
    前記カソードとアノードとの間に、且つ前記カソードとアノードに接触して配置された液体電解質と、
    を含むことを特徴とする湿式電解コンデンサ。
  30. 前記カソードは、ニオブ、タンタル、アルミニウム、チタン、ルテニウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される金属を含むこと特徴とする請求項29に記載の湿式電解コンデンサ。
  31. 前記保護被膜は、前記金属酸化物被膜を被覆し、前記導電性ポリマー被膜は前記保護被膜を被覆すること特徴とする請求項29に記載の湿式電解コンデンサ。
  32. 前記コンデンサの散逸率は、約50%未満であること特徴とする請求項29に記載の湿式電解コンデンサ。
  33. 前記コンデンサの体積効率は、約10,000μF*V/ccよりも大きいこと特徴とする請求項29に記載の湿式電解コンデンサ。
  34. 前記コンデンサの体積効率は、約20,000μF*V/ccよりも大きいこと特徴とする請求項29に記載の湿式電解コンデンサ。
  35. 請求項18〜28のいずれか1項に記載の方法により製造された湿式電解コンデンサ。
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