前記問題点に鑑み、本発明は、カバーレンズのスラントの度合いが異なる車両用前照灯に対してランプユニットおよびブラケットを流用することができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
更に、本発明は、車両中心側ランプユニットの半導体発光素子光源と車両側面側ランプユニットの半導体発光素子光源とを近接して配置することができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、ブラケット(11)によって支持されている車両中心側ランプユニット(10a)と車両側面側ランプユニット(10b)とを、車両用前照灯ハウジング(101)とカバーレンズ(102)とによって画定される灯室(103)内に配置し、カバーレンズ(102)が車両の前面から車両の側面側に回り込むようにスラントして構成されている車両用前照灯(100)において、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)を実装するためのベース部材(4a)の車両側面側の側面部(4a5)に、車両用前照灯(100)の前後方向に延びている凹状または凸状のスライドガイドレール(4a5a)を設け、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)を実装するためのベース部材(4b)の車両中心側の側面部(4b4)に、車両中心側ランプユニット(10a)のスライドガイドレール(4a5a)と相補形状であって、車両用前照灯(100)の前後方向に延びている凸状または凹状のスライドガイドレール(4b4a)を設け、車両中心側ランプユニット(10a)のスライドガイドレール(4a5a)と車両側面側ランプユニット(10b)のスライドガイドレール(4b4a)とを嵌合させ、かつ、カバーレンズ(102)のスラントの度合いに応じて車両側面側ランプユニット(10b)を車両中心側ランプユニット(10a)に対して車両用前照灯(100)の前後方向にオフセットさせた状態で、車両中心側ランプユニット(10a)および車両側面側ランプユニット(10b)をブラケット(11)に固定したことを特徴とする車両用前照灯(100)が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両側面側の側面部(4a5)の凹状のスライドガイドレール(4a5a)を蟻溝形状に形成し、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の車両中心側の側面部(4b4)の凸状のスライドガイドレール(4b4a)を蟻ほぞ形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)として同一形状のものを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)が発生した熱を放熱するための放熱フィン部(5a2)を車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)に設け、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)が発生した熱を放熱するための放熱フィン部(5b2)を車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)に設け、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)を金属によって形成し、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)のスライドガイドレール(4a5a)と車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)のスライドガイドレール(4b4a)との間の隙間に熱伝導性部材(20)を充填したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)を実装するための前面部(4a1)と、車両中心側の側面部(4a4)と、車両側面側の側面部(4a5)とを車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)に設け、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の前面部(4a1)の後側であって、車両中心側の側面部(4a4)と車両側面側の側面部(4a5)との間に凹部(4a6)を形成し、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の凹部(4a6)内に放熱フィン部(5a2)を配置し、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)を実装するための前面部(4b1)と、車両中心側の側面部(4b4)と、車両側面側の側面部(4b5)とを車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)に設け、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の前面部(4b1)の後側であって、車両中心側の側面部(4b4)と車両側面側の側面部(4b5)との間に凹部(4b6)を形成し、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の凹部(4b6)内に放熱フィン部(5b2)を配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)からの光を投影するための投影レンズ(3a)を設け、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)からの光を投影するための投影レンズ(3b)を設け、車両中心側ランプユニット(10a)の投影レンズ(3a)を保持すると共に車両側面側ランプユニット(10b)の投影レンズ(3b)を保持するためのレンズホルダ(6ab)を設け、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の一方にレンズホルダ(6ab)を固定し、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の他方を車両用前照灯(100)の前後方向に移動させるための移動手段(12)を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側の側面部(4a4)に車両用前照灯(100)の前後方向に延びている凸状または凹状のスライドガイドレール(4a4a)を設け、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)が発生した熱を放熱するための放熱用ブロック(13b)を車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側に配置し、放熱用ブロック(13b)の車両側面側に、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側のスライドガイドレール(4a4a)と相補形状であって、車両用前照灯(100)の前後方向に延びている凹状または凸状のスライドガイドレール(13b1)を設け、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側のスライドガイドレール(4a4a)と放熱用ブロック(13b)のスライドガイドレール(13b1)とを嵌合させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、ブラケット(11)によって支持されている車両中心側ランプユニット(10a)と車両側面側ランプユニット(10b)とが、車両用前照灯ハウジング(101)とカバーレンズ(102)とによって画定される灯室(103)内に配置されている。更に、カバーレンズ(102)が、車両の前面から車両の側面側に回り込むようにスラントして構成されている。
更に、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)を実装するためのベース部材(4a)の車両側面側の側面部(4a5)に、車両用前照灯(100)の前後方向に延びている凹状または凸状のスライドガイドレール(4a5a)が設けられている。
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)を実装するためのベース部材(4b)の車両中心側の側面部(4b4)に、車両中心側ランプユニット(10a)のスライドガイドレール(4a5a)と相補形状であって、車両用前照灯(100)の前後方向に延びている凸状または凹状のスライドガイドレール(4b4a)が設けられている。
更に、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)のスライドガイドレール(4a5a)と車両側面側ランプユニット(10b)のスライドガイドレール(4b4a)とを嵌合させ、かつ、カバーレンズ(102)のスラントの度合いに応じて車両側面側ランプユニット(10b)を車両中心側ランプユニット(10a)に対して車両用前照灯(100)の前後方向にオフセットさせた状態で、車両中心側ランプユニット(10a)および車両側面側ランプユニット(10b)がブラケット(11)に固定されている。
詳細には、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、カバーレンズ(102)が車両の前面から車両の側面側に回り込む度合い、つまり、カバーレンズ(102)のスラントの度合いが比較的大きい場合、車両中心側ランプユニット(10a)に対する車両用前照灯(100)の前後方向の車両側面側ランプユニット(10b)のオフセット量を大きくした状態で、車両中心側ランプユニット(10a)および車両側面側ランプユニット(10b)がブラケット(11)に固定される。
一方、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、カバーレンズ(102)が車両の前面から車両の側面側に回り込む度合い、つまり、カバーレンズ(102)のスラントの度合いが比較的小さい場合、車両中心側ランプユニット(10a)に対する車両用前照灯(100)の前後方向の車両側面側ランプユニット(10b)のオフセット量を小さくした状態で、車両中心側ランプユニット(10a)および車両側面側ランプユニット(10b)がブラケット(11)に固定される。
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、カバーレンズ(102)のスラントの度合いが異なる車両用前照灯(100)に対してランプユニット(10a,10b)およびブラケット(11)を流用することができる。
換言すれば、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)を実装するためのベース部材(4a)の車両側面側の側面部(4a5)と、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)を実装するためのベース部材(4b)の車両中心側の側面部(4b4)とが、近接して配置されている。
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)と車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)とを近接して配置することができる。
請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両側面側の側面部(4a5)の凹状のスライドガイドレール(4a5a)が、蟻溝形状に形成されている。更に、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の車両中心側の側面部(4b4)の凸状のスライドガイドレール(4b4a)が、蟻ほぞ形状に形成されている。
そのため、請求項2に記載の車両用前照灯(100)によれば、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)と車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)とが車両用前照灯(100)の左右方向に分離してしまうのを回避することができる。
請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)として同一形状のものが用いられている。そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)として異なる形状のものが用いられる場合よりも車両用前照灯(100)全体の製造コストを抑制することができる。
請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)が発生した熱を放熱するための放熱フィン部(5a2)が、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)に設けられている。また、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)が発生した熱を放熱するための放熱フィン部(5b2)が、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)に設けられている。
更に、請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)が金属によって形成されている。また、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)のスライドガイドレール(4a5a)と車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)のスライドガイドレール(4b4a)との間の隙間に熱伝導性部材(20)が充填されている。
詳細には、請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)の点灯時であって、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)の消灯時には、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)が発生した熱の一部が、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)のスライドガイドレール(4a5a)、熱伝導性部材(20)、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)のスライドガイドレール(4b4a)、および、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)を介して、車両側面側ランプユニット(10b)の放熱フィン部(5b2)に伝熱され、車両側面側ランプユニット(10b)の放熱フィン部(5b2)から放熱される。
また、請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)の消灯時であって、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)の点灯時には、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)が発生した熱の一部が、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)のスライドガイドレール(4b4a)、熱伝導性部材(20)、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)のスライドガイドレール(4a5a)、および、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)を介して、車両中心側ランプユニット(10a)の放熱フィン部(5a2)に伝熱され、車両中心側ランプユニット(10a)の放熱フィン部(5a2)から放熱される。
そのため、請求項4に記載の車両用前照灯(100)によれば、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)が発生した熱が車両中心側ランプユニット(10a)の放熱フィン部(5a2)のみから放熱される場合や、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)が発生した熱が車両側面側ランプユニット(10b)の放熱フィン部(5b2)のみから放熱される場合よりも、半導体発光素子光源(1a,1b)の放熱効率を向上させることができる。
請求項5に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)を実装するための前面部(4a1)と、車両中心側の側面部(4a4)と、車両側面側の側面部(4a5)とが、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)に設けられている。また、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の前面部(4a1)の後側であって、車両中心側の側面部(4a4)と車両側面側の側面部(4a5)との間に凹部(4a6)が形成されている。更に、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の凹部(4a6)内に放熱フィン部(5a2)が配置されている。
換言すれば、請求項5に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の放熱フィン部(5a2)が半導体発光素子光源(1a)の近くに配置されつつ、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両側面側の側面部(4a5)のスライドガイドレール(4a5a)の長さが確保されている。
更に、請求項5に記載の車両用前照灯(100)では、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)を実装するための前面部(4b1)と、車両中心側の側面部(4b4)と、車両側面側の側面部(4b5)とが、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)に設けられている。また、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の前面部(4b1)の後側であって、車両中心側の側面部(4b4)と車両側面側の側面部(4b5)との間に凹部(4b6)が形成されている。更に、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の凹部(4b6)内に放熱フィン部(5b2)が配置されている。
換言すれば、請求項5に記載の車両用前照灯(100)では、車両側面側ランプユニット(10b)の放熱フィン部(5b2)が半導体発光素子光源(1b)の近くに配置されつつ、車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の車両中心側の側面部(4b4)のスライドガイドレール(4b4a)の長さが確保されている。
そのため、請求項5に記載の車両用前照灯(100)によれば、半導体発光素子光源(1a,1b)の放熱効率を向上させつつ、車両中心側ランプユニット(10a)に対する車両用前照灯(100)の前後方向の車両側面側ランプユニット(10b)のオフセット量を大きくすることができる。
請求項6に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)からの光を投影するための投影レンズ(3a)が設けられている。また、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)からの光を投影するための投影レンズ(3b)が設けられている。更に、車両中心側ランプユニット(10a)の投影レンズ(3a)を保持すると共に車両側面側ランプユニット(10b)の投影レンズ(3b)を保持するためのレンズホルダ(6ab)が設けられている。
また、請求項6に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の一方にレンズホルダ(6ab)が固定されている。更に、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)および車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)の他方を車両用前照灯(100)の前後方向に移動させるための移動手段(12)が設けられている。
換言すれば、請求項6に記載の車両用前照灯(100)では、カバーレンズ(102)のスラントの度合いに応じて車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)に対する車両用前照灯(100)の前後方向の車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)のオフセット量を調節するためのスライドガイドレール(4a5a,4b4a)を利用して、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)または車両側面側ランプユニット(10b)のベース部材(4b)が車両用前照灯(100)の前後方向に移動せしめられる。
詳細には、請求項6に記載の車両用前照灯(100)では、投影レンズ(3a,3b)が移動せしめられることなく、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)が実装されているベース部材(4a)、または、車両側面側ランプユニット(10b)の半導体発光素子光源(1b)が実装されているベース部材(4b)が、車両用前照灯(100)の前後方向に移動せしめられる。
そのため、請求項6に記載の車両用前照灯(100)によれば、車両中心側ランプユニット(10a)または車両側面側ランプユニット(10b)の配光パターンを変更することができる。
請求項7に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側の側面部(4a4)に車両用前照灯(100)の前後方向に延びている凸状または凹状のスライドガイドレール(4a4a)が設けられている。また、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)が発生した熱を放熱するための放熱用ブロック(13b)が、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側に配置されている。
更に、請求項7に記載の車両用前照灯(100)では、放熱用ブロック(13b)の車両側面側に、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側のスライドガイドレール(4a4a)と相補形状であって、車両用前照灯(100)の前後方向に延びている凹状または凸状のスライドガイドレール(13b1)が、設けられている。また、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側のスライドガイドレール(4a4a)と、放熱用ブロック(13b)のスライドガイドレール(13b1)とが、嵌合せしめられている。
換言すれば、請求項7に記載の車両用前照灯(100)では、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)が発生した熱の一部が、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)、車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側のスライドガイドレール(4a4a)、および、放熱用ブロック(13b)のスライドガイドレール(13b1)を介して放熱用ブロック(13b)に伝熱され、放熱用ブロック(13b)から放熱される。
そのため、請求項7に記載の車両用前照灯(100)によれば、放熱用ブロック(13b)が車両中心側ランプユニット(10a)のベース部材(4a)の車両中心側に配置されていない場合よりも、車両中心側ランプユニット(10a)の半導体発光素子光源(1a)の放熱効率を向上させることができる。
以下、本発明の車両用前照灯の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の車両用前照灯100を概略的に示した図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態の車両用前照灯を上側から見た概略的な水平断面図、図1(B)は第1の実施形態の車両用前照灯100の正面図である。換言すれば、図1(A)は図1(B)のA−A線に沿った概略的な水平断面図である。
図2〜図4は第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成するランプユニット10a,10b,10cを示した図である。詳細には、図2(A)はランプユニット10a,10b,10cを上側から見た概略的な水平断面図、図2(B)はランプユニット10a,10b,10cの平面図、図2(C)はランプユニット10a,10b,10cの正面図である。図3(A)はランプユニット10a,10b,10cの右側面図、図3(B)はランプユニット10a,10b,10cを右側から見た概略的な鉛直断面図である。図4(A)はランプユニット10a,10b,10cの左側面図、図4(B)はランプユニット10a,10b,10cの底面図である。
第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1に示すように、例えば3個のランプユニット10a,10b,10cが設けられており、図2〜図4に示すように、それらのランプユニット10a,10b,10cとして、同一のものが用いられている。
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)、図1(B)、図2(A)、図2(B)および図3(B)に示すように、例えばLED光源のような半導体発光素子光源1a(1b,1c)が、例えばアルミニウム、銅などのような金属製のベース部材4a(4b,4c)の前面部4a1(4b1,4c1)に実装されている。また、半導体発光素子光源1a(1b,1c)が、レンズホルダ6a(6b,6c)によって保持されている投影レンズ3a(3b,3c)の焦点上あるいはその近傍に配置されている。更に、配光パターンにカットラインを形成するためのシャッター2a(2b,2c)が、半導体発光素子光源1a(1b,1c)に近接して、半導体発光素子光源1a(1b,1c)と投影レンズ3a(3b,3c)との間に配置されている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)、図2(A)および図3(B)に示すように、半導体発光素子光源1a(1b,1c)が発生した熱を放熱するための放熱フィン部材5a(5b,5c)が、ベース部材4a(4b,4c)の前面部4a1(4b1,4c1)の後側(図1(A)および図2(A)の上側、図3(B)の右側)に配置されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図3(B)に示すように、ベース部材4a(4b,4c)の前面部4a1(4b1,4c1)からスカート状に後側(図3(B)の右側)に延びている上面部4a2(4b2,4c2)と下面部4a3(4b3,4c3)とが、ベース部材4a(4b,4c)に設けられている。また、図1(A)および図2(A)に示すように、ベース部材4a(4b,4c)の前面部4a1(4b1,4c1)からスカート状に後側(図1(A)および図2(A)の上側)に延びている右側面部4a4(4b4,4c4)と左側面部4a5(4b5,4c5)とが、ベース部材4a(4b,4c)に設けられている。
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)および図3(B)に示すように、ベース部材4a(4b,4c)の上面部4a2(4b2,4c2)と下面部4a3(4b3,4c3)と右側面部4a4(4b4,4c4)と下面部4a5(4b5,4c5)との間に凹部4a6(4b6,4c6)が形成されている。更に、放熱フィン部材5a(5b,5c)が、その凹部4a6(4b6,4c6)内に配置されている。詳細には、図2(A)に示すように、放熱フィン部材5a(5b,5c)のベース部5a1(5b1,5c1)と、ベース部材4a(4b,4c)の前面部4a1(4b1,4c1)とが、例えば熱伝導性接着剤などによって接合されている。更に、放熱フィン部材5a(5b,5c)のベース部5a1(5b1,5c1)から後側(図2(A)の上側)に放熱フィン部5a2(5b2,5c2)が延びている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(B)および図2(C)に示すように、車両用前照灯100の前後方向(図2(B)の上下方向)に延びている蟻ほぞ形状の凸状のスライドガイドレール4a2a(4b2a,4c2a)が、ベース部材4a(4b,4c)の上面部4a2(4b2,4c2)に形成されている。また、図2(C)および図4(B)に示すように、スライドガイドレール4a2a(4b2a,4c2a)と相補形状であって、車両用前照灯100の前後方向(図4(B)の上下方向)に延びている蟻溝形状の凹状のスライドガイドレール4a3a(4b3a,4c3a)が、ベース部材4a(4b,4c)の下面部4a3(4b3,4c3)に形成されている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(C)および図3(A)に示すように、車両用前照灯100の前後方向(図3(A)の左右方向)に延びている蟻ほぞ形状の凸状のスライドガイドレール4a4a(4b4a,4c4a)が、ベース部材4a(4b,4c)の右側面部4a4(4b4,4c4)に形成されている。更に、図2(C)および図4(A)に示すように、スライドガイドレール4a4a(4b4a,4c4a)と相補形状であって、車両用前照灯100の前後方向(図4(A)の左右方向)に延びている蟻溝形状の凹状のスライドガイドレール4a5a(4b5a,4c5a)が、ベース部材4a(4b,4c)の左側面部4a5(4b5,4c5)に形成されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(B)に示すように、雌ねじ部4a2b(4b2b,4c2b)と、車両用前照灯100の前後方向(図2(B)の上下方向)に延びている長穴4a2c(4b2c,4c2c)とが、ベース部材4a(4b,4c)の上面部4a2(4b2,4c2)に形成されている。また、図4(B)に示すように、雌ねじ部4a3b(4b3b,4c3b)と、車両用前照灯100の前後方向(図4(B)の上下方向)に延びている長穴4a3c(4b3c,4c3c)とが、ベース部材4a(4b,4c)の下面部4a3(4b3,4c3)に形成されている。
詳細には、図2(B)および図4(B)に示すように、上面部4a2(4b2,4c2)の雌ねじ部4a2b(4b2b,4c2b)が、下面部4a3(4b3,4c3)の長穴4a3c(4b3c,4c3c)を含む鉛直面内に配置されている。また、下面部4a3(4b3,4c3)の雌ねじ部4a3b(4b3b,4c3b)が、上面部4a2(4b2,4c2)の長穴4a2c(4b2c,4c2c)を含む鉛直面内に配置されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図3(A)に示すように、雌ねじ部4a4b(4b4b,4c4b)と、車両用前照灯100の前後方向(図3(A)の左右方向)に延びている長穴4a4c(4b4c,4c4c)とが、ベース部材4a(4b,4c)の右側面部4a4(4b4,4c4)に形成されている。また、図4(A)に示すように、雌ねじ部4a5b(4b5b,4c5b)と、車両用前照灯100の前後方向(図4(A)の左右方向)に延びている長穴4a5c(4b5c,4c5c)とが、ベース部材4a(4b,4c)の左側面部4a5(4b5,4c5)に形成されている。
詳細には、図3(A)および図4(A)に示すように、右側面部4a4(4b4,4c4)の雌ねじ部4a4b(4b4b,4c4b)が、左側面部4a5(4b5,4c5)の長穴4a5c(4b5c,4c5c)を含む水平面内に配置されている。また、左側面部4a5(4b5,4c5)の雌ねじ部4a5b(4b5b,4c5b)が、右側面部4a4(4b4,4c4)の長穴4a4c(4b4c,4c4c)を含む水平面内に配置されている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ランプユニット10aのベース部材4aの左側面部4a5の凸状のスライドガイドレール4a5aと、ランプユニット10bのベース部材4bの右側面部4b4の凸状のスライドガイドレール4b4aとが嵌合せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット10bが、ランプユニット10aに対して車両用前照灯100の前後方向(図1(A))の上下方向)にスライド可能に構成されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、車両用前照灯100のカバーレンズ102のスラントの度合いに応じて、つまり、カバーレンズ102が車両の前面(図1(A)の下側)から車両の側面側(図1(A)の左側)に回り込む度合いに応じて、ランプユニット10bをランプユニット10aよりも後側(図1(A)の上側)にオフセットさせた状態で、ランプユニット10aのベース部材4aとランプユニット10bのベース部材4bとがねじ7によって固定されている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ランプユニット10bのベース部材4bの左側面部4b5の凸状のスライドガイドレール4b5aと、ランプユニット10cのベース部材4cの右側面部4c4の凸状のスライドガイドレール4c4aとが嵌合せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット10cが、ランプユニット10bに対して車両用前照灯100の前後方向(図1(A))の上下方向)にスライド可能に構成されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、車両用前照灯100のカバーレンズ102のスラントの度合いに応じて、つまり、カバーレンズ102が車両の前面(図1(A)の下側)から車両の側面側(図1(A)の左側)に回り込む度合いに応じて、ランプユニット10cをランプユニット10bよりも後側(図1(A)の上側)にオフセットさせた状態で、ランプユニット10bのベース部材4bとランプユニット10cのベース部材4cとがねじ7によって固定されている。
その結果、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ランプユニット10aとランプユニット10bとランプユニット10cとからなる組立体が構成されている。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(B)に示すように、その組立体が、例えばねじ14によってブラケット11のフレーム部11aに固定されている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ブラケット11のフランジ部11bに雌ねじ部11b1が形成されている。更に、光軸調整ボルト104が車両用前照灯ハウジング101に回転可能に支持されている。また、光軸調整ボルト104の雄ねじ部104aとブラケット11のフランジ部11bの雌ねじ部11b1とが螺合せしめられ、それにより、ランプユニット10a,10b,10cおよびブラケット11が光軸調整ボルト104によって支持されている。
図5は図1(B)に示したベース部材4aとベース部材4bとの間の隙間を拡大して示した図である。第1の実施形態の車両用前照灯100では、図5に示すように、ベース部材4aとベース部材4bとの間の伝熱効率を向上させるために、例えばシリコーンなどのような熱伝導性グリス20がベース部材4aとベース部材4bとの間に充填されている。詳細には、ベース部材4aの左側面部4a5の凹状のスライドガイドレール4a5aとベース部材4bの右側面部4b4の凸状のスライドガイドレール4b4aとの間の摺動性を向上させるために、潤滑機能も有する熱伝導性グリス20が凹状のスライドガイドレール4a5aと凸状のスライドガイドレール4b4aとの間に充填されている。
同様に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、ベース部材4bとベース部材4cとの間の伝熱効率を向上させるために、熱伝導性グリス20がベース部材4bとベース部材4cとの間に充填されている。詳細には、ベース部材4bの左側面部4b5の凹状のスライドガイドレール4b5aとベース部材4cの右側面部4c4の凸状のスライドガイドレール4c4aとの間の摺動性を向上させるために、潤滑機能も有する熱伝導性グリス20が凹状のスライドガイドレール4b5aと凸状のスライドガイドレール4c4aとの間に充填されている。
第1の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10a,10b,10cおよびブラケット11は、第1の実施形態の車両用前照灯100のカバーレンズ102とはスラントの度合いが異なる車両用前照灯に対しても流用できるように構成されている。
図6は図1に示す第1の実施形態の車両用前照灯100のカバーレンズ102よりもスラントの度合いが小さいカバーレンズ102を有する第2の実施形態の車両用前照灯100を示した図である。詳細には、図6(A)は第2の実施形態の車両用前照灯を上側から見た概略的な水平断面図、図6(B)は第2の実施形態の車両用前照灯100の正面図である。換言すれば、図6(A)は図6(B)のB−B線に沿った概略的な水平断面図である。
図1に示す第1の実施形態の車両用前照灯100のカバーレンズ102よりもスラントの度合いが小さいカバーレンズ102を有する第2の実施形態の車両用前照灯100では、図6(A)に示すように、ランプユニット10aに対するランプユニット10bのオフセット量を第1の実施形態の車両用前照灯100(図1(A)参照)よりも小さくした状態で、ランプユニット10aのベース部材4aとランプユニット10bのベース部材4bとがねじ7によって固定されている。また、ランプユニット10bに対するランプユニット10cのオフセット量を第1の実施形態の車両用前照灯100(図1(A)参照)よりも小さくした状態で、ランプユニット10bのベース部材4bとランプユニット10cのベース部材4cとがねじ7によって固定されている。
その結果、第2の実施形態の車両用前照灯100においても、第1の実施形態の車両用前照灯100と同様に、図6(A)および図6(B)に示すように、ランプユニット10aとランプユニット10bとランプユニット10cとからなる組立体が構成されている。更に、第2の実施形態の車両用前照灯100では、第1の実施形態の車両用前照灯100と同様に、図6(B)に示すように、その組立体が、例えばねじ14によってブラケット11のフレーム部11aに固定されている。
換言すれば、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ブラケット11によって支持されているランプユニット10aとランプユニット10bとが、車両用前照灯ハウジング101とカバーレンズ102とによって画定される灯室103内に配置されている。更に、カバーレンズ102が、車両の前面(図1(A)の下側)から車両の側面側(図1(A)の左側)に回り込むようにスラントして構成されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aを実装するためのベース部材4aの左側面部4a5に、車両用前照灯100の前後方向に延びている凹状のスライドガイドレール4a5aが設けられている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ランプユニット10bの半導体発光素子光源1bを実装するためのベース部材4bの右側面部4b4に、右側のランプユニット10aのスライドガイドレール4a5aと相補形状であって、車両用前照灯100の前後方向に延びている凸状のスライドガイドレール4b4aが設けられている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ランプユニット10aのスライドガイドレール4a5aとランプユニット10bのスライドガイドレール4b4aとを嵌合させ、かつ、カバーレンズ102のスラントの度合いに応じてランプユニット10bをランプユニット10aに対して車両用前照灯100の前後方向にオフセットさせた状態で、ランプユニット10aおよびランプユニット10bがブラケット11に固定されている。
詳細には、カバーレンズ102が車両の前面から車両の側面側に回り込む度合い、つまり、カバーレンズ102のスラントの度合いが比較的大きい第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)に示すように、ランプユニット10aに対する車両用前照灯100の前後方向のランプユニット10bのオフセット量を大きくした状態で、ランプユニット10aおよびランプユニット10bがブラケット11に固定される。
一方、カバーレンズ102が車両の前面から車両の側面側に回り込む度合い、つまり、カバーレンズ102のスラントの度合いが比較的小さい第2の実施形態の車両用前照灯100では、図6(A)に示すように、ランプユニット10aに対する車両用前照灯100の前後方向のランプユニット10bのオフセット量を小さくした状態で、ランプユニット10aおよびランプユニット10bがブラケット11に固定される。
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、カバーレンズ102のスラントの度合いが異なる第2の実施形態の車両用前照灯100に対して第1の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10a,10bおよびブラケット11を流用することができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aを実装するためのベース部材4aの左側面部4a5と、ランプユニット10bの半導体発光素子光源1bを実装するためのベース部材4bの右側面部4b4とが、近接して配置されている。
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aとランプユニット10bの半導体発光素子光源1bとの間隔を15mm以下にすることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(B)に示すように、ランプユニット10aのベース部材4aの左側面部4a5の凹状のスライドガイドレール4a5aが、蟻溝形状に形成されている。更に、ランプユニット10bのベース部材4bの右側面部4b4の凸状のスライドガイドレール4b4aが、蟻ほぞ形状に形成されている。
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット10aのベース部材4aとランプユニット10bのベース部材4bとが例えば組立中に車両用前照灯100の左右方向に分離してしまうのを回避することができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2〜図4に示すように、ランプユニット10aのベース部材4aおよびランプユニット10bのベース部材4bとして同一形状のものが用いられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット10aのベース部材4aおよびランプユニット10bのベース部材4bとして異なる形状のものが用いられる場合よりも車両用前照灯100全体の製造コストを抑制することができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図2(A)に示すように、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aが発生した熱を放熱するための放熱フィン部5a2が、ランプユニット10aのベース部材4aに設けられている。また、ランプユニット10bの半導体発光素子光源1bが発生した熱を放熱するための放熱フィン部5b2が、ランプユニット10bのベース部材4bに設けられている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット10aのベース部材4aおよびランプユニット10bのベース部材4bが金属によって形成されている。また、図5に示すように、ランプユニット10aのベース部材4aのスライドガイドレール4a5aとランプユニット10bのベース部材4bのスライドガイドレール4b4aとの間の隙間に熱伝導性グリス20が充填されている。
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)、図2および図5に示すように、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aの点灯時であって、ランプユニット10bの半導体発光素子光源1bの消灯時には、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aが発生した熱の一部が、ランプユニット10aのベース部材4a、ランプユニット10aのベース部材4aのスライドガイドレール4a5a、熱伝導性グリス20、ランプユニット10bのベース部材4bのスライドガイドレール4b4a、および、ランプユニット10bのベース部材4bを介して、ランプユニット10bの放熱フィン部5b2に伝熱され、ランプユニット10bの放熱フィン部5b2から放熱される。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)、図2および図5に示すように、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aの消灯時であって、ランプユニット10bの半導体発光素子光源1bの点灯時には、ランプユニット10bの半導体発光素子光源1bが発生した熱の一部が、ランプユニット10bのベース部材4b、ランプユニット10bのベース部材4bのスライドガイドレール4b4a、熱伝導性グリス20、ランプユニット10aのベース部材4aのスライドガイドレール4a5a、および、ランプユニット10aのベース部材4aを介して、ランプユニット10aの放熱フィン部5a2に伝熱され、ランプユニット10aの放熱フィン部5a2から放熱される。
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aが発生した熱がランプユニット10aの放熱フィン部5a2のみから放熱される場合や、ランプユニット10bの半導体発光素子光源1bが発生した熱がランプユニット10bの放熱フィン部5b2のみから放熱される場合よりも、半導体発光素子光源1a,1bの放熱効率を向上させることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)に示すように、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aを実装するための前面部4a1と、右側面部4a4と、左側面部4a5とが、ランプユニット10aのベース部材4aに設けられている。また、ランプユニット10aのベース部材4aの前面部4a1の後側(図2(A)の上側)であって、右側面部4a4と左側面部4a5との間に凹部4a6が形成されている。更に、ランプユニット10aのベース部材4aの凹部4a6内に放熱フィン部5a2が配置されている。
換言すれば、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)および図4(A)に示すように、ランプユニット10aの放熱フィン部5a2が半導体発光素子光源1aの近くに配置されつつ、ランプユニット10aのベース部材4aの左側面部4a5のスライドガイドレール4a5aの長さが確保されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)に示すように、ランプユニット10bの半導体発光素子光源1bを実装するための前面部4b1と、右側面部4b4と、左側面部4b5とが、ランプユニット10bのベース部材4bに設けられている。また、ランプユニット10bのベース部材4bの前面部4b1の後側(図2(A)の上側)であって、右側面部4b4と左側面部4b5との間に凹部4b6が形成されている。更に、ランプユニット10bのベース部材4bの凹部4b6内に放熱フィン部5b2が配置されている。
換言すれば、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)および図3(A)に示すように、ランプユニット10bの放熱フィン部5b2が半導体発光素子光源1bの近くに配置されつつ、ランプユニット10bのベース部材4bの右側面部4b4のスライドガイドレール4b4aの長さが確保されている。
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、半導体発光素子光源1a,1bの放熱効率を向上させつつ、ランプユニット10aに対する車両用前照灯100の前後方向のランプユニット10bのオフセット量を大きくすることができる。
第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)に示すように、放熱フィン部材5a(5b,5c)とベース部材4a(4b,4c)とが別部材によって構成され、それらが例えば熱伝導性接着剤などによって接合されているが、第3の実施形態の車両用前照灯100では、それらを一部材によって構成することも可能である。
図7は第4の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10a,10b,10cを示した図である。詳細には、図7(A)は第4の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10a,10b,10cを上側から見た概略的な水平断面図、図7(B)は第4の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10a,10b,10cを右側から見た概略的な水平断面図である。
第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)および図3(B)に示すように、ランプユニット10a(10b,10c)のベース部材4a(4b,4c)に凹部4a6(4b6,4c6)が形成されているが、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図7(A)および図7(B)に示すように、凹部を有さない概略直方体形状にランプユニット10a(10b,10c)のベース部材4a(4b,4c)を形成することも可能である。
図8は第5の実施形態の車両用前照灯100のベース部材4a,4b,4cの斜視図である。第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(C)に示すように、ベース部材4a(4b,4c)に蟻ほぞ形状の凸状のスライドガイドレール4a2a(4b2a,4c2a),4a4a(4b4a,4c4a)および蟻溝形状の凹状のスライドガイドレール4a3a(4b3a,4c3a),4a5a(4b5a,4c5a)が形成されているが、第5の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、半円柱形状の凸状のスライドガイドレール4a2a(4b2a,4c2a),4a4a(4b4a,4c4a)および半円柱形状の凹状のスライドガイドレール4a3a(4b3a,4c3a),4a5a(4b5a,4c5a)をベース部材4a(4b,4c)に形成することも可能である。第5の実施形態の車両用前照灯100によれば、ベース部材4a(4b,4c)を成形によって形成する場合に、ベース部材4a(4b,4c)の型抜き性を向上させることができる。
第1の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット10aのシャッター2aと、ランプユニット10bのシャッター2bと、ランプユニット10cのシャッター2cとが、同一形状に形成されているが、第6の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット10aのシャッター2aの形状と、ランプユニット10bのシャッター2bの形状と、ランプユニット10cのシャッター2cの形状とを互いに異ならせることも可能である。例えばランプユニット10aのシャッター2aによって走行ビーム用配光パターンを形成し、ランプユニット10b,10cのシャッター2b,2cによってすれ違いビーム用配光パターンを形成することも可能である。
図9は第7の実施形態の車両用前照灯100を概略的に示した図である。詳細には、図9(A)は第7の実施形態の車両用前照灯を上側から見た概略的な水平断面図、図9(B)は第7の実施形態の車両用前照灯100の正面図である。換言すれば、図9(A)は図9(B)のC−C線に沿った概略的な水平断面図である。
第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)に示すように、投影レンズ3aがレンズホルダ6aによって保持され、そのレンズホルダ6aがベース部材4aに取り付けられ、投影レンズ3bがレンズホルダ6bによって保持され、そのレンズホルダ6bがベース部材4bに取り付けられているが、第7の実施形態の車両用前照灯100では、図9(A)および図9(B)に示すように、共用のレンズホルダ6abによって投影レンズ3aおよび投影レンズ3bが保持され、そのレンズホルダ6abがベース部材4bに取り付けられている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(A)および図1(B)に示すように、ベース部材4aがベース部材4bに対してねじ7によって固定され、ベース部材4aがブラケット11に対してねじ14によって固定されているが、第7の実施形態の車両用前照灯100では、図9(A)および図9(B)に示すように、ベース部材4aがベース部材4bおよびブラケット11に対して固定されていない。そのため、第7の実施形態の車両用前照灯100では、ベース部材4a、および、それに取り付けられている半導体発光素子光源1a、シャッター2aおよび放熱フィン部材5aが、投影レンズ3aおよびベース部材4bに対して車両用前照灯100の前後方向(図9(A)の上下方向)に移動可能に構成されている。
また、第7の実施形態の車両用前照灯100では、図9(A)に示すように、ベース部材4a、半導体発光素子光源1a、シャッター2aおよび放熱フィン部材5aを、投影レンズ3aおよびベース部材4bに対して車両用前照灯100の前後方向(図9(A)の上下方向)に移動させるための例えばソレノイド12、モータなどのような移動手段が設けられている。
換言すれば、第7の実施形態の車両用前照灯100では、図9(A)に示すように、カバーレンズ102のスラントの度合いに応じてランプユニット10aのベース部材4aに対する車両用前照灯100の前後方向(図9(A)の上下方向)のランプユニット10bのベース部材4bのオフセット量を調節するためのスライドガイドレール4a5a,4b4aを利用して、ランプユニット10aのベース部材4aが、ソレノイド12によって車両用前照灯100の前後方向(図9(A)の上下方向)に移動せしめられる。
詳細には、第7の実施形態の車両用前照灯100では、図9(A)に示すように、ソレノイド12により、投影レンズ3aが移動せしめられることなく、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aが実装されているベース部材4aが、車両用前照灯100の前後方向(図9(A)の上下方向)に移動せしめられる。そのため、第7の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット10aの配光パターンを変更することができる。
図10は第7の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10aによって変更可能な配光パターンを示した図である。詳細には、図10(A)は例えばソレノイド12がONされた状態における配光パターンP1を示しており、図10(B)は例えばソレノイド12がOFFされた状態における配光パターンP2を示している。
第7の実施形態の車両用前照灯100では、図10(A)に示すように、例えばソレノイド12(図9(A)参照)がONされている時に、遠方が照射されるスポットパターンP1が形成される。一方、図10(B)に示すように、例えばソレノイド12(図9(A)参照)がOFFされている時に、照射範囲が広いワイドパターンP2が照射される。
図11は第8の実施形態の車両用前照灯100の要部の正面図である。第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(B)に示すように、3個のランプユニット10a,10b,10cが設けられているが、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、例えば5個のランプユニット10a,10b,10c,10d,10eが設けられている。
詳細には、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10d,10eがランプユニット10a,10b,10cと同様に構成されている。また、半導体発光素子光源が実装されていない放熱用ブロック13a,13bが設けられている。
第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10aのベース部材4aの凸状のスライドガイドレール4a4aと、放熱用ブロック13bの凹状のスライドガイドレール13b1とが嵌合せしめられ、ランプユニット10aのベース部材4aと、放熱用ブロック13bとが連結されている。
更に、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10aのベース部材4aの凹状のスライドガイドレール4a3a(図2(C)参照)と、ランプユニット10dのベース部材4dの凸状のスライドガイドレール4d2aとが嵌合せしめられ、ランプユニット10aのベース部材4aと、ランプユニット10dのベース部材4dとが連結されている。
また、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10aのベース部材4aの凹状のスライドガイドレール4a3a(図2(C)参照)と、ランプユニット10eのベース部材4eの凸状のスライドガイドレール4e2aとが嵌合せしめられ、ランプユニット10aのベース部材4aと、ランプユニット10eのベース部材4eとが連結されている。
更に、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10bのベース部材4bの凹状のスライドガイドレール4b3a(図2(C)参照)と、ランプユニット10eのベース部材4eの凸状のスライドガイドレール4e2aとが嵌合せしめられ、ランプユニット10bのベース部材4bと、ランプユニット10eのベース部材4eとが連結されている。
また、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10dのベース部材4dの凹状のスライドガイドレール4d5aと、ランプユニット10eのベース部材4eの凸状のスライドガイドレール4e4aとが嵌合せしめられ、ランプユニット10dのベース部材4dと、ランプユニット10eのベース部材4eとが連結されている。
更に、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10bのベース部材4bの凹状のスライドガイドレール4b3a(図2(C)参照)と、放熱用ブロック13aの凸状のスライドガイドレール13a1とが嵌合せしめられ、ランプユニット10bのベース部材4bと、放熱用ブロック13aとが連結されている。
また、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10cのベース部材4cの凹状のスライドガイドレール4c3a(図2(C)参照)と、放熱用ブロック13aの凸状のスライドガイドレール13a1とが嵌合せしめられ、ランプユニット10cのベース部材4cと、放熱用ブロック13aとが連結されている。
更に、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10eのベース部材4eの凹状のスライドガイドレール4e5aと、放熱用ブロック13aの凸状のスライドガイドレール13a1とが嵌合せしめられ、ランプユニット10eのベース部材4eと、放熱用ブロック13aとが連結されている。
つまり、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aが発生した熱を放熱するための放熱用ブロック13bが、ランプユニット10aのベース部材4aの右側に配置されている。更に、放熱用ブロック13bの左側面に、ランプユニット10aのベース部材4aの右側面部4a4の凸状のスライドガイドレール4a4aと相補形状であって、車両用前照灯100の前後方向に延びている凹状のスライドガイドレール13b1が、設けられている。また、ランプユニット10aのベース部材4aの右側面部4a4のスライドガイドレール4a4aと、放熱用ブロック13bの左側面のスライドガイドレール13b1とが、嵌合せしめられている。
換言すれば、第8の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aが発生した熱の一部が、ランプユニット10aのベース部材4a、ランプユニット10aのベース部材4aの右側面部4a4のスライドガイドレール4a4a、および、放熱用ブロック13bの左側面のスライドガイドレール13b1を介して放熱用ブロック13bに伝熱され、放熱用ブロック13bから放熱される。
そのため、第8の実施形態の車両用前照灯100によれば、放熱用ブロック13bがランプユニット10aのベース部材4aの右側に配置されていない場合よりも、ランプユニット10aの半導体発光素子光源1aの放熱効率を向上させることができる。
第8の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット10aのシャッター2aと、ランプユニット10bのシャッター2bと、ランプユニット10cのシャッター2cと、ランプユニット10dのシャッター2dと、ランプユニット10eのシャッター2eとが、同一形状に形成されているが、第9の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット10aのシャッター2aの形状と、ランプユニット10bのシャッター2bの形状と、ランプユニット10cのシャッター2cの形状と、ランプユニット10dのシャッター2dと、ランプユニット10eのシャッター2eとを互いに異ならせることも可能である。例えばランプユニット10a,10b,10cのシャッター2a,2b,2cによって走行ビーム用配光パターンを形成し、ランプユニット10d,10eのシャッター2d,2eによってすれ違いビーム用配光パターンを形成することも可能である。
第10の実施形態では、第1から第9の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。