JP5060124B2 - トリハロメタン分析装置 - Google Patents
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Description
図5は、トリハロメタン分析装置の基本構成を示す全体系統図である。
このトリハロメタン分析装置では、送液ポンプ3等のキャリア液送液部と、送液ポンプ7等の試料送液部と、分離・溶解部38等のトリハロメタンガス分離・溶解部と、反応部9と、検出部10とを有している。
送液ポンプ7は、サンプル水電磁弁5を介して導入されるトリハロメタンを含むサンプル水4に、酸性還元剤溶液電磁弁6を介して導入される酸性還元剤溶液(硫酸ヒドラジン溶液)を混合させて分離・溶解部38に供給するように構成されている。この分離・溶解部38と関連して、当該分離・溶解部38内のキャリア液12中にエアを供給するエアポンプ11が設けられている。
分離・溶解部38では、上記サンプル水4は加熱手段13によって70℃程度に加熱される。加熱されたサンプル水4は、内部のガス分離膜8を通ることによりトリハロメタンガス(該トリハロメタンガスの沸点は62.5℃)が分離され、分離されガス化されたトリハロメタンガスは、ニコチン酸アミド溶液と水酸化ナトリウム溶液とが混合されたキャリア液12が内側を流れるガス分離用微孔性チューブからなるガス溶解膜25と接することでキャリア液12に溶解されて、トリハロメタンガス溶解キャリア液となり、反応部9に搬送されることになる。
検出部10は、反応部9における反応生成物の蛍光強度を測定し、そのフォトマルセンサ信号を図示しない分析手段に伝送している。
以上の分析処理が行われた排水は、配管51を通り、分離・溶解部38から排水管52を通って排出されるサンプル水4の排水と共通配管53で合流し、外部に排出されることになる。
このガス溶解膜25は、四フッ化エチレン膜(PTFE)に多孔質処理を施したものであり、孔径0.1μm程度の微細な孔が無数に空けられている。そして、ガス溶解膜25は撥水性を有しているため、ニコチン酸アミド溶液を保持しつつトリハロメタンガスだけを透過させることができる。
ところが、ニコチン酸アミド溶液は水に溶けやすい反面、空気と接触すると短時間にニコチン酸アミドが析出する性質がある。かかるトリハロメタン分析装置においては、トリハロメタン測定終了時に、エアポンプ11からトリハロメタンガスのパージ用空気が流される。そのため、ガス溶解膜25の表面が乾き、ニコチン酸アミドが析出することになる。これを繰り返すことでガス溶解膜25の撥水性が低下し、その寿命が通常2〜3ヶ月程度と短くなり、短期間でガス溶解膜25の交換が必要となってしまう。
このガス分離膜8は、四フッ化エチレン膜(PTFE)に多孔質処理を施したものであり、孔径0.1μm程度の微細な孔が無数に空けられている。そして、ガス分離膜8は撥水性を有しているため、サンプル水4を保持しつつ蒸発したトリハロメタンガスだけを透過させることができる。
ところが、サンプル水4は水道水であるため、微細なゴミや夾雑物を含むことから、長期間使用していると、当該ガス分離膜8は徐々に汚れが表面に付着し、これにより撥水性が低下し、最後には水漏れを誘発することになる。
トリハロメタンが含まれる前記サンプル水から前記トリハロメタンガスを直接分離する直接ガス分離チャンバーと、前記直接ガス分離チャンバーを加熱し一定温度に維持する加熱手段と、ニコチン酸アミド溶液と水酸化ナトリウムとの混合液からなる前記キャリア液を収容し前記トリハロメタンガスを前記キャリア液に溶解させる容器と、該容器と前記直接ガス分離チャンバーとを互いに連結する連結手段とを備えたトリハロメタン分析装置において、
前記直接ガス分離チャンバーを、該直接ガス分離チャンバーの底壁近傍に設置した加熱手段により前記直接ガス分離チャンバーの底部に溜まった前記サンプル水を加熱脱気して前記トリハロメタンガスを分離するように構成するとともに、前記容器を前記直接ガス分離チャンバーとは別個に設置して前記連結手段を介して前記直接ガス分離チャンバーと接続し、前記容器内に前記直接ガス分離チャンバーにて前記サンプル水から分離された前記トリハロメタンガスを前記キャリア液に溶解させるガス溶解室を形成している。
トリハロメタンが含まれる前記サンプル水から前記トリハロメタンガスを直接分離する直接ガス分離チャンバーと、前記直接ガス分離チャンバーを加熱し一定温度に維持する加熱手段と、ニコチン酸アミド溶液と水酸化ナトリウムとの混合液からなる前記キャリア液を収容し前記トリハロメタンガスを前記キャリア液に溶解させる容器と、該容器と前記直接ガス分離チャンバーとを互いに連結する連結手段とを備えたトリハロメタン分析装置において、
1つの共通容器内に前記直接ガス分離チャンバーとガス溶解室とを隔壁に設けた通路を介して連通して設け、前記共通容器の前記直接ガス分離チャンバーの底壁近傍に設置した加熱手段により前記直接ガス分離チャンバーの底部に溜まった前記サンプル水を加熱脱気して前記トリハロメタンガスを分離するように構成し、前記直接ガス分離チャンバーにて前記サンプル水から分離された前記トリハロメタンガスを前記通路を通して前記ガス溶解室に導入して前記キャリア液に溶解させるように構成している。
これにより、上記従来技術において特に問題となっていたサンプル水に含まれる微細なゴミや夾雑物に起因するガス分離膜の劣化、及びガス溶解膜の撥水性の低下が一切無くなり、かつ膜の交換が不要となり、トリハロメタン分析装置の安定機能が保持されるとともに耐久性が向上し、高い信頼性を長期間にわたり維持できる。
このトリハロメタン分析装置では、送液ポンプ3等のキャリア液送液部と、送液ポンプ7等の試料(サンプル水4)送液部と、ガス分離部(ガス分離チャンバー)360と、ガス溶解部370と、反応部9と、検出部10とをそれぞれ有している。
上記送液ポンプ7は、サンプル水電磁弁5を介して導入されるトリハロメタンを含むサンプル水4に、酸性還元剤溶液電磁弁6を介して導入される酸性還元剤溶液(硫酸ヒドラジン溶液)を混合させてガス分離部360のガス分離室36に供給するように構成されている。
加熱されたサンプル水4は、ガス分離室36に臨むガス分離膜8を通ることによって、トリハロメタンガス(該トリハロメタンガスの沸点は62.5℃)が分離されることになる。
このトリハロメタンガス溶解キャリア液は、送液ポンプ22により反応部9に搬送されることになる。
上記検出部10では、反応部9における反応生成物の蛍光強度を測定し、そのフォトマルセンサ信号を図示しない分析手段に伝送している。
以上の分析処理が行われた排水は、配管51を通り、分離・溶解部38から排水管52を通って排出されるサンプル水4の排水と共通配管53で合流し、外部に排出されることになる。
先ず、電磁弁1及び電磁弁2を開き、送液ポンプ3でキャリア液12をガス溶解部370のガス溶解室37へ送る。それと同時に電磁弁6及び電磁弁5を開き送液ポンプ7でサンプル水4をガス分離部360のガス分離室36へ送り、加熱手段13によって当該サンプル水4を70℃程度に加熱する。
加熱されたサンプル水4は、ガス分離室36に臨むガス分離膜8を通ることにより、トリハロメタンガス(該トリハロメタンガスの沸点は62.5℃)が分離される。
しかる後、上記電磁弁40aを、電磁弁38のゼロ校正時に大気開放し、エアポンプ40からの空気によりトリハロメタンガスを空気でパージする。
これにより、上記従来技術において特に問題となっていたガス溶解膜の撥水性の低下が無くなり、トリハロメタン分析装置の安定機能が保持されるとともに耐久性が向上し、高い信頼性が維持できることとなった。
この第2参考例においては、図2に示すように、サンプル水4からトリハロメタンガスを分離するガス分離部(ガス分離チャンバー)33、膜を使用することなくトリハロメタンガスを容器35内で直接溶解するガス溶解部34、ガス溶解部34の容器35内の内圧を制御しガス分離部33からガス溶解部34にトリハロメタンガスを輸送し、あるいは次工程の反応部9へトリハロメタンガス溶解キャリア液を輸送する手段であるエアポンプ21等を備えている。
また、上記大気開放弁15は、ゼロ校正時に容器32内のトリハロメタンガスを空気でパージする際に開き、トリハロメタン分析装置の稼動時には閉じている。
上記ガス分離部33でサンプル水4から分離したトリハロメタンガスは、電磁弁17を備えた通路17aを通ってガス溶解部34に搬送され、ガス溶解部34で送液ポンプ3により送り込まれたキャリア液12に溶解している。
そして、このトリハロメタンガス溶解キャリア液は反応部9に送り込まれ、それ以降は、上記第1参考例と同様の処理が施される。
なお、上記電磁弁18は、これを開いて容器35内のガスを空気によるパージを行うのに使用されている。
先ず、電磁弁1及び電磁弁2を開き、送液ポンプ3でキャリア液12をガス溶解部34のガス溶解室34aへ送る。それと同時に電磁弁6及び電磁弁5を開き、送液ポンプ7でサンプル水4をガス分離部33のガス分離室33aへ送り、加熱手段13によって当該サンプル水4を70℃程度に加熱する。加熱されたサンプル水4は、ガス分離室33aに臨むガス分離膜8を通ることによりトリハロメタンガス(該トリハロメタンガスの沸点は62.5℃)が分離される。
トリハロメタンガスを溶解させたトリハロメタンガス溶解キャリア液を次工程である反応部9に送る際には、電磁弁17及び電磁弁18を閉じ、圧力計19aを目視しながら電磁弁20及び電磁弁19の開度を調整してエアポンプ21を動作させ、ガス溶解室34a内を正圧にして、ガス溶解室34a内のトリハロメタンガス溶解キャリア液を反応部9に圧送する。
その他の構成は、上記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示している。
これにより、上記従来技術において特に問題となっていたガス溶解膜の撥水性の低下が無くなり、トリハロメタン分析装置の安定機能が保持されるとともに耐久性が向上し、高い信頼性が維持できることとなった。
図3は本発明の第1実施形態に係るトリハロメタン分析装置の全体構成を示す系統図である。
この第1施形態においては、図2に示される第2参考例に対して、図3に示すように、ガス分離部の構成を膜を用いない構造に変えたものであり、ガス溶解部の構成は上記第2参考例と同様である。従って、かかる第1実施形態では、ガス分離部、ガス溶解部の双方に膜を用いない構造となる。
図3において、ガス分離部(直接ガス分離チャンバー)43は、内部にガス分離室43bが形成された容器43aと大気開放弁15とにより構成されており、サンプル水4中のトリハロメタンガスを加熱手段13の加熱により脱気分離するように構成されている。
そして、この第1実施形態では、加熱手段13を容器43aの底壁に接して設置し、ガス分離室43bの底部に溜まったサンプル水4を加熱脱気してトリハロメタンガスを分離するように構成されている。
その他の構成は、上記第2参考例(図2)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示している。
先ず、電磁弁1及び電磁弁2を開き、送液ポンプ3でキャリア液12をガス溶解部34のガス溶解室34aへ送る。それと同時に電磁弁6及び電磁弁5を開き、送液ポンプ7でサンプル水4をガス分離部43のガス分離室43bへ送る。
ガス分離室43bの底部に溜まったサンプル水4は、容器43aの底壁に接して設置した加熱手段13によって加熱脱気され、トリハロメタンガスが分離されて、ガス分離室43bの上部に溜まる。
トリハロメタンガスを溶解させたトリハロメタンガス溶解キャリア液を次工程である反応部9に送る際には、電磁弁17及び電磁弁18を閉じ、圧力計19aを目視しながら電磁弁20及び電磁弁19の開度を調整してエアポンプ21を動作させ、ガス溶解室34a内を正圧にして、ガス溶解室34a内のトリハロメタンガス溶解キャリア液を反応部9に圧送する。
図4は本発明の第2実施形態に係るトリハロメタン分析装置の全体構成を示す系統図である。
この第2実施形態においては、図4に示すように、1つの容器400内に、サンプル水4からトリハロメタンガスを直接分離させる2つのガス分離室41,41を連通して設けるとともに、該ガス分離室41,41に挟まれてガス溶解室42を設け、各ガス分離室41,41の外側に該ガス分離室41,41内のサンプル水4を加熱してトリハロメタンガスを分離せしめる加熱手段13,13を設けている。
上記各ガス分離室41,41とガス溶解室42とは、両者を仕切る隔壁41c,41cの上部に穿孔された通路41a,41aを介して連通され、ガス分離室41,41で分離されたトリハロメタンガスが通路41a,41aを通ってガス溶解室42に流入するようになっている。
その他の構成は、上記第1参考例(図1)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示している。
先ず、電磁弁1及び電磁弁2を開き、送液ポンプ3でキャリア液12を容器400内のガス溶解室42へ送る。それと同時に電磁弁6及び電磁弁5を開き、送液ポンプ7でサンプル水4を互いに連通されたガス分離室41,41へ送る。
そして、ガス分離室41,41の底部に溜まったサンプル水4は、容器400の底壁に接して設置した加熱手段13,13によって加熱脱気され、トリハロメタンガスが分離されて、通路41a,41aを通ってガス溶解室42に流入する。
そして、トリハロメタンガスは、ガス溶解室42に供給されているキャリア液12に溶解することになる。
3,7 送液ポンプ
4 サンプル水
8 ガス分離膜
9 反応部
10 検出部
12 キャリア液
13 加熱手段
32 容器
33 ガス分離部(ガス分離チャンバー)
34 ガス溶解部
34a ガス溶解室
35 容器
36 ガス分離室
37 ガス溶解室
39 容器
41 ガス分離室
42 ガス溶解室
43 ガス分離部(直接ガス分離チャンバー)
43a 容器
43b ガス分離室
360 ガス分離部(ガス分離チャンバー)
370 ガス溶解部
400 容器
Claims (3)
- トリハロメタンを含むサンプル水からトリハロメタンガスを分離させてキャリア液に溶解させ、このトリハロメタンガス溶解キャリア液を加熱してトリハロメタンをニコチン酸アミドと反応させるように構成されたトリハロメタン分析装置であって、
トリハロメタンが含まれる前記サンプル水から前記トリハロメタンガスを直接分離する直接ガス分離チャンバーと、前記直接ガス分離チャンバーを加熱し一定温度に維持する加熱手段と、ニコチン酸アミド溶液と水酸化ナトリウムとの混合液からなる前記キャリア液を収容し前記トリハロメタンガスを前記キャリア液に溶解させる容器と、該容器と前記直接ガス分離チャンバーとを互いに連結する連結手段とを備えたトリハロメタン分析装置において、
前記直接ガス分離チャンバーを、該直接ガス分離チャンバーの底壁近傍に設置した加熱手段により前記直接ガス分離チャンバーの底部に溜まった前記サンプル水を加熱脱気して前記トリハロメタンガスを分離するように構成するとともに、前記容器を前記直接ガス分離チャンバーとは別個に設置して前記連結手段を介して前記直接ガス分離チャンバーと接続し、前記容器内に前記直接ガス分離チャンバーにて前記サンプル水から分離された前記トリハロメタンガスを前記キャリア液に溶解させるガス溶解室を形成したことを特徴とするトリハロメタン分析装置。 - トリハロメタンを含むサンプル水からトリハロメタンガスを分離させてキャリア液に溶解させ、このトリハロメタンガス溶解キャリア液を加熱してトリハロメタンをニコチン酸アミドと反応させるように構成されたトリハロメタン分析装置であって、
トリハロメタンが含まれる前記サンプル水から前記トリハロメタンガスを直接分離する直接ガス分離チャンバーと、前記直接ガス分離チャンバーを加熱し一定温度に維持する加熱手段と、ニコチン酸アミド溶液と水酸化ナトリウムとの混合液からなる前記キャリア液を収容し前記トリハロメタンガスを前記キャリア液に溶解させる容器と、該容器と前記直接ガス分離チャンバーとを互いに連結する連結手段とを備えたトリハロメタン分析装置において、
1つの共通容器内に前記直接ガス分離チャンバーとガス溶解室とを隔壁に設けた通路を介して連通して設け、前記共通容器の前記直接ガス分離チャンバーの底壁近傍に設置した加熱手段により前記直接ガス分離チャンバーの底部に溜まった前記サンプル水を加熱脱気して前記トリハロメタンガスを分離するように構成し、前記直接ガス分離チャンバーにて前記サンプル水から分離された前記トリハロメタンガスを前記通路を通して前記ガス溶解室に導入して前記キャリア液に溶解させるように構成したことを特徴とするトリハロメタン分析装置。 - 前記キャリア液を保持するため、前記容器内を真空にする手段と加圧する手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のトリハロメタン分析装置。
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