JP5060065B2 - バイオ燃料電池およびバイオ燃料電池用電極 - Google Patents
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Description
実際に燃料は、天然ガス、メタノール、プロパンなどを改質し、これを水素源として用いるため、燃料である水素を効率よく運搬・分解する技術の開発が急務となっている。
本発明者らは、酸素発生型光合成を細胞膜上で行い、その過程で伝達される電子を細胞膜の電子伝達担体上に保持するバクテリアに着目し、シアノバクテリアを燃料(電子供与体)とするバイオ燃料電池を開発してきた(特許文献1参照)。このバイオ燃料電池は、シアノバクテリアの光合成や代謝の過程で伝達される電子を、導電性高分子を用いて抽出し、発電させるものである。
そして、本発明者らは、まず、この菌により生成される水素を、従来の燃料電池(図4参照)のようにそのまま燃料として利用するのではなく、むしろ、該菌の水素生成機能を抑制することで、細胞(菌体)内に通常よりも多くの電子(還元力)を蓄積させ、その増強した電気エネルギーを抽出できることの知見を得、さらに電極として炭素繊維を用い、この炭素繊維をポリアニリンで処理した低価格のものを使用するだけで、このポリアニリンによる触媒作用が加わって、上記菌が蓄積する電子の放出機能を高めることができるとの知見を得た。
前記水素生成菌として、紅色光合成細菌を使用することができる。この紅色光合成細菌は、遺伝子操作を行った電子蓄積型の変異体とすることができる。
また、本発明のバイオ燃料電池用電極は、前記アノードおよび/または前記カソードが、ポリアニリンで処理された炭素繊維からなることを特徴とする。
紅色光合成細菌21は、従属栄養生物であり、グルコースなどの有機化合物22を吸収して、光エネルギー23を得て光合成を行い、また光合成を行わないときは代謝を行う。この光合成・代謝の過程から水素が生成される(図では、光合成過程をP1で、代謝過程をP2で示す)。
水素(H2)は、酵素nif(Nitrogen fixation)による下式(1)に示される窒素(N2)を細胞内でアンモニア(NH3)へと還元する反応に付随して必然的に生成される。この生成された水素(H2)の一部は、酵素hup(Hydrogen uptake)の下式(2)に示す反応によって細胞内に吸収・分解され、細胞内に還元力として電子(e-)が蓄積される。
→2NH3+H2+16ADP+16Pi (1)
NADP:酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
NAD:酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
このような水素生成機能がコントロールされた水素生成菌を用いることで、より高い発電性能を有し、電子放出能の制御が可能なバイオ燃料電池を実現することができる。
絶縁性イオン交換膜13を介在させることで、導電性多孔質膜11,12間(すなわち、アノードA,カソードK間)の絶縁を行うとともに、導電性多孔質膜11,12間に電気的な勾配を形成することができる。この構成により、プロトン(H+)は導電性多孔質膜11,12を透過し、電子(e-)は導電性多孔質膜11から導電性多孔質膜12に負荷5を介して移動することができる。
したがって、導電性多孔質膜11,12としては、水素生成菌32の細胞膜から直接電子を効率よく抽出するために、炭素繊維をポリアニリンで処理する。具体的には、カーボンペーパーおよび/またはカーボンクロス等をポリアニリンで塗布、あるいはポリアニリン溶液中にディッピングした後、急速乾燥するする。なお、水素生成菌32の細胞径よりも、孔が大きく、その孔率(導電性多孔質膜の体積に対する孔の体積)が高いもの(孔数が多いもの)ほど、得られる電力を高いものとすることができる。
炭素繊維の炭素繊維のポリアニリンで処理する、少なすぎると、均一に塗布等することが困難となり、多すぎると、炭素繊維材料上に厚く積層することになり反応に関与しない分が無駄であるため、0.010〜0.020g/cm2程度とすることが好ましく、0.015g/cm2程度がより好ましい。
また、図2のように、導電性多孔質膜12には、酸化還元物質(図2ではFe(II),Fe(III)で示す)を埋め込んでもよい。
培養槽21には、水素生成機能がコントロールされた水素生成菌32を含む培養液31が封入されており、培養槽21では水素生成菌32による光合成および代謝(呼吸)が行われている。
なお、図2では説明の便宜上、水素生成菌32を拡大して示してある。
まず、ゲノム配列が判明している紅色光合成細菌(Rhodopseudomonas palustris)の通常型(CGA009株)への部位特異的遺伝子欠損を一般的な方法により行う。
37℃以上の条件下では生育が難しいため、25〜37℃(好ましくは30℃程度)、24〜72時間(好ましくは48〜72時間)、一般的な白熱灯などの光照射下において培養すればよい。
バイオ燃料電池への封入後は、水素生成菌32の光合成活動などを考慮したうえ、該菌の高活性状態を維持するために、培養槽21を室温以上、あるいは体温程度(たとえば、25〜37℃程度)に維持し、光照射下に置くことが好ましい。
なお、水素生成菌32は、光合成過程P1においても代謝過程P2においても、同様に機能する。
培養槽21に注入された水素生成菌32が、導電性多孔質膜11に塗布等されたポリアニリンに接触すると、水素生成菌(細胞)内の電子伝達系から電子(e-)が抽出される。この電子(e-)が外部回路5を通じて、カソード極Kへと移動することで、発電が起こる。
酸化還元反応槽22では、電子(e-)、プロトン(H+)、空気中の酸素(O2)が反応し、水(H2O)が生成される。この水は、浸透圧により培養槽21へ移動する際、絶縁性イオン交換膜13のプロトン透過性を維持するため、その保湿に利用される。
水素生成菌32が、紅色光合成細菌のような従属栄養生物である場合、その代謝活動などに必要とされるエネルギー源として供されるものであり、水素生成菌32が、独立栄養生物である場合は、省略することができる。
以上のように、導電性多孔質膜12側では、導電性多孔質膜11側から供給される電子を順次消費することで、安定した電気エネルギーを得ることができる。
図3(A)はバイオ燃料電池100の分解図であり、図3(B)はバイオ燃料電池100の組立図である。
・80℃、3%のH2O2で1時間煮沸
・純水で1時間煮沸
集電板61,62を用いずに導電性多孔質膜11,12から、電子を直接取り出すこともできるが、集電板61,62を用いることで、集電効率を向上させることができる。集電板61,62として、銅板に代えてアルミニウム等の他の導電材料を使用することもできるが、耐腐食性、電気導電率を考慮し銅板とすることが好ましい。
水素生成菌を含む培養液の蒸発を防ぐためと、可能な限り密閉することが重要である。
また、カバー板81,82には、組み付け用の2.6mm径のボルト孔83が四隅(各辺から4mmの位置)に設けてあり、各カバー板81,82には、培養液や水を注入するための2.6mm径の注入孔84を隣接する2辺から15mmの位置に設けてある。
注入後、常温で負荷(100ル)に電流を流したところ、最大電力密度として、10.1・W/cm2(508mA)のエネルギーを得ることができた。
4 水
5 負荷
11,12 導電性多孔質膜
13 絶縁性イオン交換膜
21 培養槽
22 酸化還元反応槽
31 培養液
32 水素生成菌
33 有機化合物
61,62 集電板
63 円形孔
64 端子片
71,72 Oリング
81,82 カバー板
83 ボルト孔
84 注入孔
100 バイオ燃料電池
A アノード
K カソード
Claims (4)
- アノードとカソードとの間に絶縁性イオン交換膜が介在されてなるバイオ燃料電池において、
前記アノード側の培養槽に封入される菌として、水素生成機能がコントロールされた水素生成菌を用いることを特徴とするバイオ燃料電池。 - 前記水素生成菌が、紅色光合成細菌であることを特徴とする請求項1に記載のバイオ燃料電池。
- 前記紅色光合成細菌が、遺伝子操作を行った電子蓄積型の変異体であることを特徴とする請求項2に記載のバイオ燃料電池。
- 前記アノードおよび/または前記カソードが、ポリアニリンで処理された炭素繊維からなる電極を使用することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のバイオ燃料電池。
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