JP5059796B2 - ディジタル/アナログ変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、ディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換器に関する。
近年、光通信システムのさらなる高速・大容量化に向け多値変調や直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術等の導入が検討されており、そのアプローチとしてディジタル信号処理技術の光トランシーバへの適用が有効であることが証明されつつある。
そのような光トランシーバは、図8に示すような構成によって、そのトランスミッタ側を実現することが可能である。図8は、従来の光ディジタル・トランスミッタのブロック構成を示すブロック構成図であり、OFDM信号を構成するI、Q信号(I:同相(In-Phase)成分、Q:直交位相(Quadrature)成分)をディジタル信号処理器(Digital Signal Processor:以下、DSPと略記する場合がある)11によりディジタル信号処理した後、ディジタル/アナログ変換器(Digital-to-Analog Converter:以下、DACと略記する場合がある)12,13にて、アナログ信号に変換して、光IQ変調器14に入力することによって、光IQ信号にアップコンバートして出力する構成を示している。
ただ、線形なシステムが必要条件となる多値変調やOFDM技術等を導入するに当って、光IQ変調器14(光直交変調器、I:同相成分、Q:直交位相成分)を構成するマッハツェンダー型変調器(Mach-Zehnder Modulator、以下、MZMと略記する場合がある)の非線形伝達特性が問題となる。MZMは、一般的に、電界変調器として用いられるが、その伝達特性は、図9に示すように、正弦波(サイン)カーブという非線形な特性として与えられることが知られており、この非線形伝達特性が送信信号に歪みを齎すこととなる。図9は、マッハツェンダー型変調器の一般的な伝達特性を示す特性図であり、駆動電圧に対する光電界の出力特性を示している。
かくのごとき問題への対応策として、比較的線形な領域(図9の特性図にて破線で囲んでいる領域)において、MZMを駆動するという手法やDSPによってMZM特性の逆特性(アークサイン特性)を付加して歪みを補償する手法(例えば、非特許文献1に示すY.Tangらによる“Optimal Design for Coherent Optical OFDM Transmitter Employing Pre-distortion”,33rd European Conference and Exhibition on Optical Communication(ECOC2007))などが考えられている。
Y.Tangら;"Optimal Design for Coherent Optical OFDM Transmitter Employing Pre-distortion",33rd European Conference and Exhibition on Optical Communication(ECOC2007)
前述の通り、マッハツェンダー型変調器(MZM)の非線形伝達特性を補償する手法として、比較的線形な領域でMZMを駆動する手法やディジタル/アナログ変換器(DAC)の前段にディジタル信号処理器(DSP)を配置して該DSPによってMZM特性の逆特性を与えて補償する手法が提案されているが、それぞれに課題が存在する。
まず、MZMを比較的線形な領城で駆動する手法については、図9からも明らかであるが、得られる光パワーが小さく、低透過率であるという点が問題であり、伝送距離を制限してしまう。
また、DSPによりMZM特性の逆特性つまりは逆正弦波(アークサイン)特性を付加する手法を用いれば、最大の透過率が得られる領城でMZMを駆動することができるようにはなるものの、その非線形性の補償効果が、後段のディジタル/アナログ変換器(DAC)の分解能によって大きく制限されることが問題である。
例えば、具体例として、DSPの後段に3ビット構成のDACが用いられる場合について以下に説明する。一般的な従来のDACの出力が取り得るアナログレベルは等間隔(線形)である。つまり、3ビットのDACの場合は、図10に示すように、ディジタル入力コード“000”〜“111”に対して、V1〜V8に示すような2(=8)レベルの線形なアナログ出力信号しか生成することができない。ここに、図10は、従来のDACの一般的な入出力特性を示す特性図であり、ディジタルアナログ変換器DACとして3ビットの場合を示している。
このような3ビット構成のDACが後段に接続されている場合には、DSPにおいて如何に細かくMZM逆特性を表現することができるとしても、MZMを駆動するアナ口グ信号は、DACから出力される等間隔の8レベルのいずれかの値しか取ることができない。
したがって、DSPにおいては、MZM逆特性(アークサイン・カーブ)を付与するためのディジタル信号処理として、後段の3ビットDACの分解能に応じて、例えば、図11に示すような補償コードの割当てを行うこととしても、粗い精度で近似されるMZM逆特性しか再現することができない。図11は、従来のDACの前段に接続したDSPによってMZM逆特性(アークサイン・カーブ)を実現する手法を説明するための特性図であり、DSPからDACへのディジタル入力コードを、破線の枠で囲んで示すような補償コードとして与えることによって、DACにて変換されるアナログ出力信号レベルを、破線のカーブで示すような曲線(アークサイン・カーブ)に近似する信号として出力する例を示している。
図11からも明らかなように、DSPが如何に精度良くディジタル信号処理を行ったとしても、従来のDACにおいては、MZM逆特性(アークサイン・カーブ)を精度良く実現することが難しく、精度を上げるためには、DACの高分解能化を図るしかない。
つまり、DACからのアナログ出力信号としてMZM逆特性(アークサイン・カーブ)のような非線形特性を必要とする場合、従来のDACにおいては、DACを高分解能にする以外に、精度が良い非線形特性を得ることができないという問題がある。かかる問題は、MZM逆特性(アークサイン・カーブ)の出力を得ようとする場合に限るものではなく、バイナリ・コードのディジタル入力信号に対して、如何なる非線形特性であっても、所望する非線形なアナログ出力信号に変換して出力しようとする場合についても、全く同様に発生する問題である。
さらに説明すると、次の通りである。従来のDACは、一般的に、ディジタル入力信号に比例して線形なアナログ出力信号に変換されるという利用目的を前提として構成されている。そのため、線形な出力が求められる一般的な用途においては、低分解能DACであっても、DACから実際に得られる出力と本来必要とされる出力との誤差つまり出力の精度はある程度確保されてきた。
しかしながら、例えば、図8に示した光ディジタル・トランスミッタのように、従来のDACと、MZMで構成された光IQ変調器とを組み合わせた構成において、MZMの非線形の伝達特性を補償しようとする場合のように、入力されるディジタル入力信号に対してDACから高精度の非線形特性を有するアナログ出力信号を得ようとしても、従来のDACでは、たとえ、DSPにより如何に精度良くディジタル振動処理を行ったディジタル信号を当該DACに入力しても、高精度の出力特性を確保することができないという問題を解決することができない。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、入出力特性として、例えばMZM逆特性(アークサイン・カーブ)も含め非線形な特性を精度良く実現することができるディジタル/アナログ変換器を提供することにある。
本発明は、前述の課題を解決するために、ディジタル入力コードに対して非線形な特性(場合によっては線形な特性も含め)を有するアナログ出力信号に高精度に変換するディジタル/アナログ変換器(DAC)を実現する手段を提供している。具体的には、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、Nビットのバイナリ・コードからなるディジタル入力信号を、各ビットの重みがない温度計・コードにデコードするデコーダと、デコードされた前記温度計・コードのビットごとに、それぞれのビットの値に応じて、電流源からの電流を負荷に供給するか否かを切り替える電流スイッチセルとを備えることにより、前記ディジタル入力信号をアナログ出力信号に変換するディジタル/アナログ変換器において、前記電流スイッチセルごとの前記電流源が供給する電流の電流値を、前記アナログ出力信号に非線形出力特性を付与するためにあらかじめ定めた電流値係数によって重み付けした電流値とし、前記デコーダに前記ディジタル入力信号のNビットすべてを入力して、前記デコーダから出力される前記温度計・コードを(2 −1)ビットとし、前記電流スイッチセルの個数を(2 −1)個とし、各前記電流源が供給する電流の電流値の重み付けを行う各前記電流値係数を、C ,C ,…、C −1 とした場合、各前記電流値係数は、次の式
Figure 0005059796
によって与えられることを特徴とする。
の技術手段は、前記第1の技術手段に記載のディジタル/アナログ変換器において、各前記電流源が供給する電流の電流値の重み付けを行う各前記電流値係数を動的に設定することができるレジスタまたは可変抵抗を、当該ディジタル/アナログ変換器内または当該ディジタル/アナログ変換器の外に備えていることを特徴とする。
本発明のディジタル/アナログ変換器(DAC)によれば、以下のごとき効果を奏することができる。
従来のDACでは、例えば、ディジタル信号処理器(DSP)とDACとを組み合わせて非線形特性を有するアナログ出力信号をDACから出力しようとしても、高分解能のDACを用いない限り、高精度の非線形特性を確保することができないという問題があった。
これに対して、本発明のDACにおいては、バイナリ重み付けされたディジタル入力信号を適切なコードにコード変換を施した上で適切な電流値係数を用いて電流源の電流値を制御しているので、必要とする非線形特性に応じたD/A変換を精度良く行うことが可能であり、さらには、前段のDSPにおいて非線形特性実現のための特段の処理を必要とせず、かつ、たとえ低分解能のDACであっても、従来の低分解能のDACと比較して、より精度が良い非線形特性を有するアナログ出力信号を出力することが可能である。
本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)の実施形態の回路構成を示す回路図である。 図1に示すディジタル/アナログ変換器(DAC)のデコーダにおいてコード変換されるバイナリ・コードと温度計・コードとの対応関係の一例を示す変換テーブルである。 図1に示すディジタル/アナログ変換器(DAC)におけるマッハツェンダー型変調器(MZM)の逆特性(アークサイン・カーブ)の実現手法を説明するための特性図である。 ディジタル/アナログ変換器(DAC)の参考例の回路構成を示す回路図である。 図4に示すディジタル/アナログ変換器(DAC)のコード変換部においてコード変換されるバイナリ・コードと変換コードとの対応関係の一例を示す変換テーブルである。 マッハツェンダー型変調器(MZM)により構成される光ディジタル・トランスミッタから送信される送信信号の歪み(ノイズ)の発生状況を説明するための模式図である。 光ディジタル・トランスミッタに利用するディジタル/アナログ変換器(DAC)の分解能と、光ディジタル・トランスミッタから送信される送信信号のノイズ量との関係を示すグラフである。 従来の光ディジタル・トランスミッタのブロック構成を示すブロック構成図である。 マッハツェンダー型変調器の一般的な伝達特性を示す特性図である。 従来のディジタル/アナログ変換器(DAC)の一般的な入出力特性を示す特性図である。 従来のディジタル/アナログ変換器(DAC)の前段に接続したディジタル信号処理器(DSP)によってマッハツェンダー型変調器(MZM)の逆特性(アークサイン・カーブ)を実現する手法を説明するための特性図である。
以下に、本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、ディジタル入力信号に対して高精度の非線形出力特性(場合によっては、線形出力特性も含め)を有するアナログ出力信号に変換して出力することができるディジタル/アナログ変換器(DAC)に関するものである。以下の説明においては、かかる非線形特性の一例として、背景技術において説明した光ディジタル・トランスミッタのマッハツェンダー型変調器(MZM)の非線形伝達特性を補償するためのMZM逆特性(アークサイン・カーブ)のアナログ出力信号を出力するDACを例にとって、詳細に説明することにする。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、ディジタル/アナログ変換器(DAC)として、特に、ディジタル入力信号に対して精度の良い非線形特性を有するアナログ出力信号の出力を可能とするDACを実現していることを特徴とし、たとえ、低分解能のDACであっても、従来技術のDACに比し、より高精度の非線形特性を得ることができる。
具体的には、バイナリ重み付けがなされたバイナリ・コードのディジタル入力信号を各ビットの重みがない温度計・コードの信号にデコードするとともに、電流スイッチセルの電流源から供給される電流値を、所望の非線形出力特性に応じてあらかじめ定めた重み付けをした電流値係数によって各電流スイッチセルごとに変更することによって、デコードされた温度計・コードにしたがって、オンになった各電流スイッチセルから供給される電流の電流値の合計が、所望の非線形特性の電流値に推移するように動作させることを特徴としている。
これにより、低分解能のディジタル/アナログ変換器(DAC)であっても、線形的な入力に対して、精度良く所望の非線形特性例えばアークサイン特性の出力信号に変換することができる。而して、例えば、従来のディジタル/アナログ変換器(DAC)の場合には、高分解能のディジタル/アナログ変換器(DAC)を使用しない限り達成することができなかった高精度の非線形出力特性例えばマッハツェンダー型変調器の非線形伝達特性の補償が可能な非線形出力特性を、本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)においては、低分解能のディジタル/アナログ変換器(DAC)を用いる場合であっても達成することが可能になる。
なお、本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)においては、入力されたバイナリ・コードを各ビットの重みがない温度計・コードに展開して動作しているので、従来技術のように、前段のディジタル信号処理器(DSP)において非線形特性実現のための特段の処理を行うことも不要になる。
一方、温度計・コードに展開して動作する結果として、本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)においては、必要とする電流スイッチセルの個数が、一般的なバイナリウェイト・カレント・ステアリング型のDACの場合よりも多くなる。
そこで、本発明においては、例えばアークサイン特性のように、アナログ出力信号として得ようとしている非線形特性として、ディジタル入力信号のバイナリコードが示す下位側の値と上位側の値とで対称性を有する非線形出力特性の信号にしようとする場合、つまり、デコードした温度計・コードの下位側ビット(最小ビットLSBから中間ビットまで)と、上位側ビット(中間値から最大ビットMSBまで)との間で、出力するアナログ出力信号として対称性を有する信号を得ようとする場合には、該対称性を利用して、下位側と上位側とで折り畳んだ温度計・コードとディジタル入力信号の最上位ビットとからなる変換コードを生成するコード変換部を備えることによって、電流スイッチセルの個数を半分近くにまで削減して構成することも可能としている。かくのごとき構成とすることにより、本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)の回路規模を縮小し、消費電力を抑えるとともに、出力端に見える容量成分を低減することができることから出力帯域の拡大(高速化)を図ることが可能になる。
実施形態
まず、本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)の実施形態の回路構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)の実施形態の回路構成を示す回路図であり、3ビット構成の場合を例にして示している。
図1に示すように、本実施形態のDACは、3ビットのバイナリ・コードからなるディジタル入力信号D,D,DをD/A(Digital-to-Analog)変換して、アナログ出力信号Voutとして出力する回路である。3ビットのディジタル入力信号D,D,Dのバーナリ・コードを7(=(2−1))個の各ビットの重みがない温度計・コードT,T,…,Tにデコードするデコーダ1、7個の温度計・コードT,T,…,Tにデコードされたディジタル入力信号を一旦保持しリタイミングして出力する7(=(2−1))個のDフリップフロップD−FF,D−FF,…,D−FFからなるDフリップフロップ群2、温度計・コードにデコードされたディジタル入力信号に応じて負荷抵抗Rに電流源からの電流を供給するためのスイッチング動作を行う7(=(2−1))個のスイッチS,S,…,Sとあらかじめ定めた電流値係数C,C,…,Cによりそれぞれ重み付けされた電流値の電流を供給する電流源I,I,…,Iとからなる電流スイッチセルCS,CS,…,CSを有する電流スイッチセル群3および負荷抵抗Rから構成されている。
つまり、本実施形態におけるDACは、一般的に、入力されたNビットのバイナリ・コードのデータを(2−1)個の温度計・コードのデータに変換するデコーダ1、温度計・コードに変換した(2−1)個のデータのタイミングを揃えるためのDフリップフロップ群2、あらかじめ定めた電流値係数C〜C −1によりそれぞれ重み付けされた電流値の電流を供給する電流源I〜I −1を含む(2−1)個の電流スイッチセル群3および最終的なアナログ出力電圧を得るための負荷抵抗Rから構成される。
ここで、電流源I〜I −1(図1の場合は、電流源I〜I)それぞれから供給する電流の電流値を重み付けする電流値係数C〜C −1(図1の場合は、電流値係数C〜C)は、当該DACにおいて付与しようとする非線形特性に応じてあらかじめ定めた係数とするものであり、例えば、前述したように、マッハツェンダー型変調器(MZM)の非線形伝達特性を補償するためのMZM逆特性つまりアークサイン・カーブ(逆正弦波カーブ)を得ようとする場合には、次の式(1)に示すような重み付け係数に設定される。
Figure 0005059796
なお、式(1)において、各電流値係数C〜C −1の合計は、次の式(2)
Figure 0005059796
の関係にあり、DACから出力されるアナログ出力信号Voutのフルスケールが(I・R)となるように設定している。Iは、電流値係数C〜C −1によって重み付けされる電流値を示し、Rは、負荷抵抗Rの抵抗値を示している。
次に、本DACのD/A(Digital-to-Analog)変換動作について、図1に示す3ビットDACの例を用いて説明する。
まず、3ビットのバイナリ・コードのディジタル入力信号D,D,DがDACのデコーダ1に入力される。デコーダ1においては、図2に示すように、入力されたディジタル入力信号D,D,Dの3ビットのバイナリ・コードを7(=2−1)個の各ビットの重みがない温度計・コードT,T,…,Tに変換して、対応する7個のDフリップフロップD−FF,D−FF,…,D−FFにそれぞれ一旦保持する。ここで、図2は、図1に示すDACのデコーダ1においてコード変換されるバイナリ・コードと温度計・コードとの対応関係の一例を示す変換テーブルであり、ディジタル入力信号として入力される3ビットのバイナリ・コードD,D,Dが示す個数に応じて、電流スイッチセル群3の各電流スイッチセルCS,CS,…,CSのうち、対応する個数分の電流スイッチセルのスイッチを、下位側から連続して駆動するためのスイッチ駆動信号となるように、‘1’が下位ビット側から連続する温度計・コードT,T,…,Tに変換している例を示している。
7個のDフリップフロップD−FF,D−FF,…,D−FFに一旦保持された7個の温度計・コードT,T,…,Tは、あらかじめ定めたタイミングでリタイミングされて出力され、対応する電流スイッチセルCS,CS,…,CSのスイッチS,S,…,Sをそれぞれ駆動する。
電流スイッチセルCS,CS,…,CSのスイッチS,S,…,Sに7個の温度計・コードT,T,…,TがDフリップフロップD−FF,D−FF,…,D−FFからそれぞれ供給されると、ディジタル入力信号D,D,Dのディジタル・コード状態が1つ上がる(すなわち、バイナリ・コードが示す個数が1つ増加する)につれて、電流スイッチセルCS,CS,…,CSのスイッチS,S,…,Sが、下位ビット側(温度計・コードTが入力されるスイッチS)から上位ビット側に向かって順番にon状態になる。
例えば、ディジタル入力信号D,D,Dが(1、0、1)の場合、図2に示すように、デコーダ1によって、バイナリ・コード(1、0、1)は、下位ビット(温度計・コードT)側から5個の‘1’が連続する温度計・コード(0、0、1、1、1、1、1)に変換され、該温度計・コード信号によって、電流スイッチセル群3の7個の電流スイッチセルCS,CS,…,CSのうち、下位側の5個の電流スイッチセルCS,CS,…,CSのスイッチS,S,…,Sが駆動される。
したがって、このとき、5個の電流スイッチセルCS,CS,…,CSの電流源I,I,…,Iから負荷抵抗Rに供給される電流の総和は、各電流源から供給する電流の電流値Iを重み付けするための電流値係数をC,C,…,Cとすると、(C+C+C+C+C)・Iの電流値となり、該電流値に基づいた最終的なアナログ出力電圧がアナログ出力信号Voutとして生成されることになる。
ここで、図1の場合、7(=2−1)個の各電流スイッチセルCS,CS,…,CS内の電流源I,I,…,Iから供給される電流の電流値には、前述したように、当該DACにおいて付与しようとする非線形特性に応じてあらかじめ定めた電流値係数C,C,…,Cが設定されており、例えば、MZM逆特性つまり逆正弦波関数(アークサイン・カーブ)を実現したい場合には、該MZM逆特性に応じた電流値係数C,C,…,Cが設定されている。
したがって、以上のようなD/A変換動作を行った結果として、例えば、逆正弦波関数(アークサイン・カーブ)を実現しようとする場合であれば、ディジタル入力信号D,D,Dとして入力される各バイナリ・コードに対して、図3に示すような不等間隔のアナログ出力レベルV〜Vが生成され、図11に示した従来のDACの場合に比し、より精度が高いMZM逆特性を実現することができる。図3は、図1に示すディジタル/アナログ変換器(DAC)におけるマッハツェンダー型変調器(MZM)の逆特性(アークサイン・カーブ)の実現手法を説明するための特性図である。
なお、図1に示すような本実施形態の場合の3ビット構成のDACにおいて、非線形特性としてMZM逆特性の変換動作を行う場合には、式(1)に示すように、各電流値係数C,C,…,Cは、次のような値に設定すれば良い。
=C=0.24675、
=C=0.11227、
=C=0.09535、
=0.09126
当然のことながら、MZM逆特性を実現する場合、前述のような電流値係数C,C,…,Cに正確に設定することが望ましいが、或る程度、近似的に、前述の電流値係数に近い値に設定したとしても、従来のDACの場合よりもMZM逆特性をより精度良く実現することができることには変わりはない。
なお、本実施形態におけるDACにおいて、実現しようとする非線形特性は、前述したように、MZM逆特性つまりアークサインの特性に限るものではなく、例えば、
y=1−(1−x1/2
で表されるような、円周の一部を切り取ったカーブを与える非線形出力特性であっても良く、電流スイッチセルCS,CS,…,CSの電流源I,I,…,Iが供給する電流の電流値を重み付ける電流値係数C,C,…,Cの値を変更するだけで、所望する非線形特性を実現することができる。
また、たとえ、低分解能のDACを用いている場合であっても、実現しようとする非線形特性のアナログ出力信号を、従来のDACの場合よりも精度良く出力することが可能である。
また、電流スイッチセルCS,CS,…,CSの電流値係数C,C,…,Cの値は固定されている必要はなく、例えば、状況に応じて、出力特性を変更することを可能とするために、DAC内あるいはDAC外にレジスタや可変抵抗等を配置し、該レジスタや可変抵抗等の値を動的に変更して設定することによって、電流値の重み付けを行う電流値係数C,C,…,Cの値を適宜変更可能とするような構成を採用することも可能である。
なお、動的に電流スイッチセルの電流源I,I,…,Iが供給する電流の電流値の重み付けを行う電流値係数C,C,…,Cの値を変更することが可能な構成が付加されている場合であれば、場合によって、一時的に線形な特性のアナログ出力信号を出力したい場合には、各電流値係数C,C,…,Cを、次のような値に設定すれば良い。
=C=C=C=C=C=C=0.142857(=1/7)
以上のように、一般に、Nビットのディジタル入力信号D〜Dのバイナリ・コードを(2−1)個の温度計・コードにデコードするデコーダと、実現したい非線形特性に応じて電流値係数C〜C −1により適宜重み付けされた電流値の電流を供給する電流源I〜I −1とを備えたディジタル/アナログ変換器(DAC)の回路構成とすることによって、たとえ、低分解能のディジタル/アナログ変換器(DAC)であっても、所望する非線形特性のアナログ出力信号を精度良く出力することができる。また、図11の従来技術のように、ディジタル/アナログ変換器(DAC)の前段のディジタル信号処理器(DSP)において非線形特性実現のための特段の処理を行うことも不要である。
さらには、電流値係数C〜C −1として用いるデータを動的に設定することができるレジスタや可変抵抗等をDAC内あるいはDAC外に備えることによって、状況に応じて、非線形特性のみならず線形特性も含め、ディジタル/アナログ変換器(DAC)の変換特性を動的に適宜変更することもできる。
参考例
次に、ディジタル/アナログ変換器(DAC)の参考例の回路構成について説明する。
実施形態において説明したように、温度計・コードにデコードして動作する結果として、本発明に係るディジタル/アナログ変換器(DAC)においては、必要とする電流スイッチセルCS〜CSの個数が、一般的なバイナリウェイト・カレント・ステアリング型のディジタル/アナログ変換器(DAC)の場合よりも多くなる。
そこで、例えば逆正弦波(アークサイン)特性のように、アナログ出力信号として得ようとしている非線形特性を、ディジタル入力信号のバイナリ・コードD〜Dが示す下位側の値と上位側の値とで対称性を有する非線形特性とする場合、言い換えると、デコードした温度計・コードの中間のビットを中心にして、該温度計・コードの下位側ビット(最小ビットLSBから中間ビットまで)と、該温度計・コードの上位側ビット(中間値から最大ビットMSBまで)との間で、それぞれにおいて出力するアナログ出力信号として対称性を有する信号を得ようとする場合、つまり、電流スイッチセルの電流源I〜I −1が供給する電流の電流値の重み付けを行う電流値係数C〜C −1の値が対称性を有する値に設定しようとする場合には、該対称性を利用して、下位側と上位側とで折り畳んだ温度計・コードとディジタル入力信号の最上位ビットDとからなる変換コードを生成するコード変換部4を、図1に示す実施形態におけるデコーダ1の代わりに備えることによって、電流スイッチセルの個数を半分近くにまで削減して構成することも可能である。
以下に、かかる対称性を有する非線形出力特性を付与するディジタル/アナログ変換器(DAC)の一例としてMZM逆特性つまり逆正弦波(アークサイン)特性のディジタル/アナログ変換器(DAC)を例にとって、本参考例におけるディジタル/アナログ変換器(DAC)の回路構成について図4を用いて以下に説明する。図4は、ディジタル/アナログ変換器(DAC)の参考例の回路構成を示す回路図であり、図1に示すディジタル/アナログ変換器(DAC)よりも回路規模を縮小可能とする構成例を示すものであり、3ビット構成の場合を例にして示している。
逆正弦波(アークサイン)関数の特性上、(2−1)個の温度計・コードT〜T −1(図1の場合、T〜T)の下位側ビットと上位側ビットとの対称性から、式(1)において、中間ビットの(T /2)ビット目(図1の場合Tビット目)を中心にして
=C −x (X=1,2,…,N)
の関係が成立することを利用すると、温度計・コードにデコードするデコーダ1Aと該温度計・コードを折り畳む第1、第2のゲート回路4A,4Bとを組み合わせたコード変換部4を用いることによって、図4に示すような回路構成とすることが可能である。
図4に示すように、図1に示したデコーダ1の代わりにコード変換部4を用いた回路構成とすれば、図1の場合に比して素子数特に電流スイッチセルの個数を4個の電流スイッチセルCS〜CSに略半減したディジタル/アナログ変換器(DAC)においても、非線形特性例えばMZM逆特性の出力を精度良く実現することができる。さらには、回路規模を削減した結果として、アナログ出力ノードに見える容量成分も略半減し、ディジタル/アナログ変換器(DAC)そのものの出力帯城の拡大(高速化)を図ることができる。
また、図4のディジタル/アナログ変換器(DAC)には、前述のように、新たなコード変換部4を導入しており、コード変換部4から出力される変換コードX〜Xによって駆動される電流スイッチセルCS〜CS内の電流値係数C〜Cも、前述した実施形態の場合とは異なる値を設定している。
まず、コード変換部4に関して説明する。本コード変換部4に、Nビットのディジタル入力信号のバイナリ・コードD〜D(図4の場合、バイナリ・コードD,D,D)が入力されると、まず、その最上位ビットD(図4の場合、最上位ビットD)とそれ以外の(N−1)個のビットD〜DN―1(図4の場合、最上位ビットD,D)それぞれとの間で第1のXOR演算(排他的論理和演算)が、第1のゲート回路4Aにおいてなされる。
しかる後、第1のゲート回路4Aにおける第1のXOR演算結果の(N−1)ビットのバイナリ・コードがデコーダ1Aに入力されて、(N−1)ビットのバイナリ・コードから{2(N−1)−1}個の温度計・コードに変換される。
さらに、デコーダ1Aにおいて変換された{2(N−1)−1}個の温度計・コードと入力されたバイナリ・コードの最上位ビットDとの間で第2のゲート回路4Bにおいて再びXOR演算(排他的論理和演算)が第2の演算としてなされることにより、下位側と上位側とで折り畳まれた温度計・データが得られる。つまり、第2の演算結果である第2のゲート回路4BにおけるXOR演算結果の{2(N−1)−1}個の温度計・コードとディジタル入力信号として入力されたバイナリ・コードの最上位ビットDとからなる2(N−1)個の新たな変換コードX〜X (N−1)が得られる。かくのごとく、Nビットのバイナリ・コードからなるディジタル入力信号は、コード変換部4において、2(N−1)個の新たな変換コードX〜X (N−1)に変換される。
一例として、図4に示す3ビットのバイナリ・コードからなるディジタル入力信号の場合においては、図5に示すような変換コードに変換される。ここに、図5は、図4に示すディジタル/アナログ変換器(DAC)のコード変換部4においてコード変換されるバイナリ・コードと変換コードとの対応関係の一例を示す変換テーブルである。
図5に示すように、コード変換部4においてコード変換された変換コードX〜Xは、ディジタル入力信号として入力される3ビットのバイナリ・コードD,D,Dの値が大きくなるにつれ、最上位ビットDが“1”になるまでは、順に、最下位ビットX側から“1”が順次上位ビット側に増加していき、最上位ビットDが“1”になった以降は、大きくなるにつれ、逆に、最上位ビットX側から“1”が順次増加していくという、下位側と上位側とで対称性を有する変化が得られるコードとして生成している例を示している。
次に、電流スイッチセルCS〜CS内の電流値係数C〜Cについて説明する。まず、図4に示す本参考例のディジタル/アナログ変換器(DAC)においては、電流スイッチセルは、コード変換部4から出力される2(N−1)ビットの変換コードX〜X (N−1)の各ビットごとに配置される。したがって、図1に示した実施形態のディジタル/アナログ変換器(DAC)に比べ、前述したように、電流スイッチセルの総数が(2−1)個(図1の3ビット構成の場合は7個)から2(N−1)個(図4の3ビット構成の場合は4個)に減っており、同じく、電流源の総数も、2(N−1)個(図4の3ビット構成の場合は4個)に減っている。
かくのごとく、図1に比して2(N−1)個に減少した電流スイッチセルCS〜CS (N−1)内の電流源I〜I (N−1)から供給する電流の電流値に関して電流値係数C〜C (N−1)が掛かるわけであるが、変換コードX〜X (N−1)のうち、最上位ビットの変換コードX (N−1)を除く残りのビットの変換コードX〜X (N−1) −1がそれぞれ入力される電流スイッチセルCS〜CS (N−1) −1内の電流源I〜I (N−1) −1それぞれについては、各電流値Iに掛かる電流値係数C〜C (N−1) −1は、実施形態における式(1)と全く同じ値の係数として、次の式(3)で与えられる。
Figure 0005059796
一方、最上位ビットの変換コードX (N−1)が入力される電流スイッチセルCS (N−1)内の電流源I (N−1)については、電流値Iに掛かる電流値係数C (N−1)は、次の式(4)で与えられる。
Figure 0005059796
なお、図4に示すような本参考例の場合の3ビット構成のDACにおいて、非線形特性としてMZM逆特性の変換動作を行う場合には、各電流値係数C,C,C,Cは、式(3)、式(4)に示すように、次のような値に設定すれば良い。
=0.24675、
=0.11227、
=0.09535、
=0.54563
当然のことながら、MZM逆特性を実現する場合、前述のような電流値係数C,C,C,Cに正確に設定することが望ましいが、或る程度、近似的に、前述の電流値係数に近い値に設定したとしても、従来のDACの場合よりもMZM逆特性をより精度良く実現することができることには変わりはない。
かくのごとき電流値係数C,C,C,Cが与えられた電流スイッチセルCS,CS,CS,CSを、コード変換部4によって変換された新たな変換コードX,X,X,Xによってそれぞれ駆動することにより、実施形態のディジタル/アナログ変換器(DAC)の場合と同様に、図3に示すようなMZM逆特性(アークサイン・カーブ)を実現することができる。
なお、本参考例におけるDACにおいても、実施形態の場合と同様、実現しようとする非線形特性は、前述したように、MZM逆特性つまりアークサインの特性に限るものではなく、非線形特性として対称性を有するものであれば、如何なる非線形出力特性であっても良く、電流スイッチセルCS,CS,CS,CSの電流源I,I,I,Iが供給する電流の電流値を重み付ける電流値係数C,C,C,Cの値を変更するだけで、所望する非線形特性を実現することができる。
また、たとえ、低分解能のDACを用いている場合であっても、実現しようとする非線形特性のアナログ出力信号を、従来のDACの場合よりも精度良く出力することが可能である。
また、電流スイッチセルCS,CS,C,CSの電流値係数C,C,C,Cの値は固定されている必要はなく、実施形態の場合と同様、例えば、状況に応じて、出力特性を変更することを可能とするために、DAC内あるいはDAC外にレジスタや可変抵抗等を配置し、該レジスタや可変抵抗等の値を動的に変更して設定することによって、電流値の重み付けを行う電流値係数C,C,C,Cの値を適宜変更可能とするような構成を採用することも可能である。
なお、動的に電流スイッチセルの電流源I,I,I,Iが供給する電流の電流値の重み付けを行う電流値係数C,C,C,Cの値を変更することが可能な構成が付加されている場合であれば、場合によって、一時的に線形な特性のアナログ出力信号を出力したい場合には、各電流値係数C,C,C,Cを、次のような値に設定すれば良い。
=C=C=0.142857、
=0.571429
以上のように、一般に、Nビットのディジタル入力信号D〜Dを温度計・コードを一部含む変換コードX〜X (N−1)に変換するコード変換部4と、実現したい非線形特性に応じて電流値係数C〜C (N−1)により適宜重み付けされた電流値の電流を供給する電流源I〜I (N−1)とを備えたディジタル/アナログ変換器(DAC)の回路構成とすることによって、実施形態に比して回路規模を大幅に削減するとともに、たとえ、低分解能のディジタル/アナログ変換器(DAC)であっても、所望する非線形特性のアナログ出力信号を精度良く出力することができる。また、図11の従来技術のように、ディジタル/アナログ変換器(DAC)の前段のディジタル信号処理器(DSP)において非線形特性実現のための特段の処理を行うことも不要である。
さらには、電流値係数C〜C (N−1)として用いるデータを動的に設定することができるレジスタや可変抵抗等をDAC内あるいはDAC外に備えることによって、状況に応じて、非線形特性のみならず線形特性も含め、ディジタル/アナログ変換器(DAC)の変換特性を動的に適宜変更することもできる。
(本発明の実施形態、参考例の効果)
以上の実施形態、参考例によると、各ビットの重みがない温度計・コードごとに対応させて配置した各電流スイッチセルの電流源から供給する電流の電流値を適宜重み付けすることによって、ディジタル/アナログ変換器(DAC)のアナログ出力信号の出力レベルそのものを不等間隔にして、所望の非線形特性例えばアークサイン・カーブ(MZM逆特性)を有する入出力特性を実現することが可能である。したがって、ディジタル信号処理器(DSP)内部で非線形特性例えばアークサイン・カーブ(MZM逆特性)を実現するなどの特段の処理を必要とせず、かつ、従来の非線形特性を付与する手法(つまり、DSPとDACとの組み合わせにより非線形特性を付加する手法)よりも、より精度良く、非線形特性例えばアークサイン・カーブ(MZM逆特性)を実現することができる。
例えば、前述した実施形態、参考例のごときディジタル/アナログ変換器(DAC)を光ディジタル・トランスミッタに適用すれば、低分解能のディジタル/アナログ変換器(DAC)であっても、比較的、精度良く、例えば正弦波(サイン)カーブの出力特性を有するMZMの非線形伝達特性を補償することができ、最大の透過率を得ながらにして、送信信号の歪み(ノイズ)の発生を抑圧することができる。
かかる効果の従来の手法との差分について、以下に、さらに具体的に説明する。
例えばMZMが理想的な特性を示すもの(つまり、伝達特性として理想的な正弦波(サイン)カーブの出力特性を有するもの)であると仮定すると、送信信号に生じるノイズは、ディジタル/アナログ変換器(DAC)の出力信号におけるアークサインカーブからのズレに相当することになる。
すなわち、従来技術のように、線形出力を有する3ビットのディジタル/アナログ変換器(DAC)を利用しながらディジタル信号処理器(DSP)において補償コード(例えばMZM逆特性の補償コード)を生成するという手法の場合には、光ディジタル・トランスミッタの送信信号に生じる総ノイズは、図6(A)に示すハッチング部分(アークサインカーブACとDACから出力されるアナログ出力信号Vout′との差分)の総面積に相当する。一方、本発明の3ビットのディジタル/アナログ変換器(DAC)によって非線形特性(例えばMZM逆特性)を実現するという手法の場合は、光ディジタル・トランスミッタの送信信号に生じる総ノイズは、図6(B)に示すハッチング部分(アークサインカーブACとDACから出力されるアナログ出力信号Voutとの差分)の総面積に相当する。
ここに、図6は、マッハツェンダー型変調器(MZM)により構成される光ディジタル・トランスミッタから送信される送信信号の歪み(ノイズ)の発生状況を説明するための模式図であり、図6(A)が、図8に示すような従来の手法における送信信号の歪み(ノイズ)の発生状況をハッチング表示により示しており、図6(B)が、図1または図4に示すような本発明による手法における送信信号の歪み(ノイズ)の発生状況をハッチング表示により示している。
ここで、図6(A)に示すハッチング部分の総面積つまりはノイズ量を‘1’とすると、図6(B)のハッチング部分の総面積つまりノイズ量は‘0.68’(68%)となっており、本発明による手法においては、従来手法に比して大幅にノイズを低減することができる。
さらに、使用するディジタル/アナログ変換器(DAC)の分解能を向上させれば、当然のことながら、量子化ノイズが減る分だけ、従来の手法であっても、本発明による手法であっても、送信信号の総ノイズ量も削減することができるが、より正確に所望の非線形特性を有するアナログ出力信号を出力することができる本発明のディジタル/アナログ変換器(DAC)を用いる手法の方が、従来の手法よりも総ノイズ量をより多く低減することができる。
例えば、非線形特性としてアークサイン特性(逆MZM特性)を出力する場合、図7に示すように、MZMの非線形伝達特性をより正確に補償することが可能な本発明のディジタル/アナログ変換器(DAC)を用いる手法の方が、従来の手法よりも総ノイズ量をより多く低減することができる。図7は、光ディジタル・トランスミッタに利用するディジタル/アナログ変換器(DAC)の分解能と、光ディジタル・トランスミッタから送信される送信信号のノイズ量との関係を示すグラフであり、3ビット構成の従来のディジタル/アナログ変換器(DAC)を用いる場合に発生するノイズ量を‘1’として規格化したノイズ量を示している。
1…デコーダ、1A…デコーダ、2…Dフリップフロップ群、3…電流スイッチセル群、4…コード変換部、4A…第1のゲート回路、4B…第2のゲート回路、11…ディジタル信号処理器(DSP)、12,13…ディジタル/アナログ変換器(DAC)、14…光IQ変調器、AC…アークサインカーブ、C,C,〜,C…電流値係数、CS,CS,〜,CS…電流スイッチセル、D,D,D…ディジタル入力信号、D−FF,D−FF,〜,D−FF…Dフリップフロップ、I,I,〜,I…電流源、R…負荷抵抗、S,S,〜,S…スイッチ、T,T,…,T…温度計・コード、X,X,X,X…変換コード、Vout,Vout′…アナログ出力信号。

Claims (2)

  1. Nビットのバイナリ・コードからなるディジタル入力信号を、各ビットの重みがない温度計・コードにデコードするデコーダと、デコードされた前記温度計・コードのビットごとに、それぞれのビットの値に応じて、電流源からの電流を負荷に供給するか否かを切り替える電流スイッチセルとを備えることにより、前記ディジタル入力信号をアナログ出力信号に変換するディジタル/アナログ変換器において、前記電流スイッチセルごとの前記電流源が供給する電流の電流値を、前記アナログ出力信号に非線形出力特性を付与するためにあらかじめ定めた電流値係数によって重み付けした電流値とし、
    前記デコーダに前記ディジタル入力信号のNビットすべてを入力して、前記デコーダから出力される前記温度計・コードを(2 −1)ビットとし、前記電流スイッチセルの個数を(2 −1)個とし、
    各前記電流源が供給する電流の電流値の重み付けを行う各前記電流値係数を、C ,C ,…、C −1 とした場合、各前記電流値係数は、次の式
    Figure 0005059796
    によって与えられる
    ことを特徴とするディジタル/アナログ変換器。
  2. 請求項1に記載のディジタル/アナログ変換器において、各前記電流源が供給する電流の電流値の重み付けを行う各前記電流値係数を動的に設定することができるレジスタまたは可変抵抗を、当該ディジタル/アナログ変換器内または当該ディジタル/アナログ変換器の外に備えていることを特徴とするディジタル/アナログ変換器。
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