JP5059662B2 - 往復動圧縮機のガス漏洩防止システム - Google Patents

往復動圧縮機のガス漏洩防止システム Download PDF

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Description

本発明は、往復動圧縮機の軸封部からの僅かな圧縮ガスの漏れを防止する往復動圧縮機のガス漏洩防止システムに関するものである。
天然ガス、水素等の可燃性・爆発性ガス、一酸化炭素等の有毒ガスあるいは二酸化炭素等の冷媒ガス等の圧縮には、高圧が得られることから工業上往復動圧縮機が多々用いられている。その際、この様な往復動圧縮機の軸封部からの僅かな圧縮ガスの漏れがあると、引火、爆発したり人体に害を与える恐れがあるため、従来より種々の対策(ガス漏洩防止技術)が採られている。
この様な往復動圧縮機の従来例に係るガス漏洩防止技術について、以下図3〜5を参照しながら説明する。図3は従来例に係るガス圧縮機の全体概要説明図、図4は従来例に係るガス圧縮機のジスタンスピース軸封装置の拡大断面図、図5は米国石油学会(API)における石油、化学及びガス工業用往復動圧縮機に係る規格の説明図である。
先ず、従来例に係るガス圧縮機のジスタンスピース軸封装置は、図3,4に示す如く、シリンダ28とクランクケース29との間にシリンダ28に連設してジスタンスピース30を設け、シリンダ28側の隔壁31にシリンダ軸封装置40を設けると共に、ジスタンスピース30のクランクケース29側の隔壁32にジスタンスピース軸封装置50を設けて、クランクケース29側への圧縮ガスの漏洩を防止するものである。そして、前記ジスタンスピース軸封装置50のシール性を向上させるために、オイルシール513,514、V字形パッキンリング55を使用し、ジスタンスピース30内に溜まったガスはクランクケース29側へ漏らさず、ガス圧縮機の吸込ライン側へ戻す様に構成している(特許文献1参照)。
このジスタンスピース軸封装置50によれば、ジスタンスピース30内に漏れ込んだガスを排出するため吸込ラインとジスタンスピース30を連通しているが、吸込圧が高圧(例えば、1MPa以上)の場合には、前記ジスタンスピース軸封装置50の前後差圧が大きくなり過ぎ、その差圧により、V字形パッキンリング55のピストン棒60を押え付ける力が過大となり、V字形パッキンリング55の異常摩耗を引き起こし易くなり、不適切である。また、横型の大型圧縮機の場合、竪型の圧縮機に比べピストン棒60の半径方向の振動が大きくなる結果、前記オイルシール513,514やV字形パッキンリング55の前記振動に対する追従性が不足し、シール性の低下は免れない。
一方、図5に示す様に、シリンダ側71とジスタンスピース側72との間に軸封部70(Pressure Packing)が設けられた石油・化学及びガス工業用往復動圧縮機が知られている。そして、この往復動圧縮機では、軸封部70に接続されたBラインから不活性保護ガス(Inert Buffer gas)を供給しつつ、同時にGラインから系外に放出している(非特許文献1参照)。
この様な軸封部70におけるガス漏洩に対するシステムは、100kWを越える大型圧縮機に一般的に採用され、シリンダで圧縮されるガスの一部は、軸封部70からの漏れにより前記Gラインを介して、大気等系外へ放出される。しかしながら、この様なシステムは、圧縮ガスが有毒ガスや可燃性ガスの場合、それらを大気等系外に放出する前に、希釈化、無毒化等の所定の処理を行なうための設備が必要となる。また、冷媒ガスを閉ループで循環する圧縮機の場合には、その冷媒ガスを補充する頻度が高くなる。
特開2002−339866号公報 「石油、化学及びガス工業用往復動圧縮機」,米国石油学会規格618(米国),米国石油学会,1995年6月,第4版,p.131−132(Reciprocating Compressor for Petroleum,Chemical,and Gas Industry Services,API STANDARD 618(USA),American Petroleum Institute,June 1995,Fourth Edition,p.131-132)
従って、本発明の目的は、横型の大型圧縮機においても軸封部からの僅かな漏れを防止して、大気を汚染したり引火や爆発の危険性なく、また、ガスの補充頻度を低減し得る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムが採用した手段は、往復動圧縮機と、前記往復動圧縮機の軸封部と前記往復動圧縮機の吸込側とを接続する漏れガス回収ラインと、この漏れガス回収ラインに介設され、前記往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスを貯留するバッファタンクと、このバッファタンクに後続する前記漏れガス回収ラインに介設され、前記バッファタンクに貯留された漏れガスを吸込んで昇圧する小型圧縮機とを備え、前記漏れガスを、前記小型圧縮機にて昇圧した上、前記漏れガス回収ラインを介して前記往復動圧縮機の吸込側に戻す様に構成されている。
更に、前記バッファタンクと前記小型圧縮機の吐出側の漏れガス回収ラインとを連通するバイパスラインと、このバイパスラインに介設されたバイパス弁とを備え、前記バッファタンクから前記小型圧縮機に供給されるガス量が過少な場合に前記バイパス弁を開弁して、前記小型圧縮機から吐出されるガスの一部を前記バイパスラインを介してバッファタンクに戻す様に構成されている。
また、本発明の請求項2に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムが採用した手段は、本発明の請求項1に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムの構成に加え、前記バッファタンクの圧力を検出するタンク圧検出手段を備え、前記タンク圧検出手段によって検出された圧力信号が所定圧より低くなった場合に、前記バッファタンクから前記小型圧縮機に供給されるガス量が過少な場合であるとして、前記バイパス弁の開弁を行う様に構成されている。
また更に、本発明の請求項3に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムが採用した手段は、往復動圧縮機と、前記往復動圧縮機の軸封部と前記往復動圧縮機の吸込側とを接続する漏れガス回収ラインと、この漏れガス回収ラインに介設され、前記往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスを貯留するバッファタンクと、このバッファタンクに後続する前記漏れガス回収ラインに介設され、前記バッファタンクに貯留された漏れガスを吸込んで昇圧する小型圧縮機とを備え、前記漏れガスを、前記小型圧縮機にて昇圧したうえ、前記漏れガス回収ラインを介して前記往復動圧縮機の吸込側に戻す様に構成され、前記バッファタンクの圧力を検出するタンク圧検出手段と、前記小型圧縮機の駆動モータの回転数を指令するインバータと、前記タンク圧検出手段によって検出された圧力信号に基づき前記駆動モータの回転数を演算する制御器とを備え、前記制御器からインバータに送信された周波数信号によって、前記小型圧縮機の駆動モータの回転数を制御する様に構成されている。
そして、本発明の請求項4に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムが採用した手段は、本発明の請求項1乃至3に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムの構成に加え、前記小型圧縮機の軸封部と前記小型圧縮機の吸込側の漏れガス回収ラインとを連通する軸封部連通ラインを備えている。
また、本発明の請求項5に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムが採用した手段は、本発明の請求項1乃至3に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムの構成に加え、前記小型圧縮機が密閉型圧縮機である。
本発明の請求項1に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムによれば、往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスを確実に往復動圧縮機の吸込側に戻すことができるので、往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスをその往復動圧縮機を含むシステムの外部に放出すること(圧縮ガスの漏洩)を防止できる。特に密閉構造とするのが難しい大型の往復動圧縮機においても、圧縮ガスの漏洩を防止することが出来る。
また、バッファタンクから小型圧縮機に供給されるガス量が過少な場合に、往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスの一部を往復動圧縮機の吸込側に戻し、他の一部をバッファタンクに戻すことができるので、過多に漏れガスを往復動圧縮機の吸込側に戻すことや、往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスを小型圧縮機が過多に吸い込むことを回避できる。
更に、本発明の請求項2に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムによれば、バッファタンクの圧力を検出するタンク圧検出手段によって検出された圧力信号に基づいて、適切に前記バッファタンクから小型圧縮機に供給されるガス量が過少な場合であることを判断でき、漏れガスを往復動圧縮機の吸込側に過多に戻すことや、漏れガスを小型圧縮機が過多に吸い込むことの回避をより確実なものとすることができる。
また更に、本発明の請求項3に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムによれば、往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスの量に応じて、再昇圧する小型圧縮機の負荷(処理量)を最適化し得る。
本発明の請求項4に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムによれば、往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスのみならず、小型圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスも確実に往復動圧縮機の吸込側に戻すことができるので、圧縮ガスの漏洩を防止をより強固なものとすることが出来る。
また、本発明の請求項5に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムによれば、圧縮ガスの漏洩の防止を更に強固なものとすることが出来る。
先ず、本発明の実施の形態1に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムについて、以下図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムを、ヒートポンプに適用した態様例として示した模式的系統図である。本発明の実施の形態1に係る往復動圧縮機1は、駆動モータM1による回転運動を往復運動に変換するクランク機構2と、このクランク機構2に一端を連結されたピストン棒3と、このピストン棒3の他端に連結されたピストン4とを備えている。
また、前記クランク機構2はクランクケース2aに収納設置されると共に、前記ピストン4は、シリンダ4aの内壁に摺動しながら往復動可能に収納されている。そして、前記クランクケース2aとシリンダ4aとが、ジスタンスピース5を介して連結されている。更に、前記シリンダ4aとジスタンスピース5とを隔てた隔壁6aには、ピストン棒3を貫通させるための貫通孔が設けられると共に、この貫通孔には、シリンダ4a内で圧縮された圧縮ガスの漏れを防止するための軸封部6が設けられている。
この軸封部6には、シールリングやV字形パッキンリング等からなるシール構造が採用されている。そして、前記クランク機構2によりピストン4をシリンダ4a内で往復動させ、吸込口1aからこのシリンダ4a内に供給された高圧の吸込ガス(例えば、1MPa以上)を前記ピストン4で圧縮して、更に高圧の圧縮ガスが吐出口1bにおいて得られる様に構成されている。
前記往復動圧縮機1を用いたヒートポンプにおいては、この往復動圧縮機1、高圧吐出ライン18a、凝縮器19、膨張弁20、蒸発器21及び高圧吸込ライン18bを閉ループ状に連結して、循環ライン18が形成されている。そして、加熱運転の場合は、蒸発器21において、膨張弁20により膨張されたガスが熱源側ブラインと熱交換してブラインから吸熱すると共に、凝縮器19において負荷側の温水に熱を付与する。一方、冷却運転の場合は、蒸発器21において、膨張弁20により膨張されたガスが負荷側の冷水と熱交換して除熱すると共に、凝縮器19においてブラインと熱交換してブラインに放熱する。
尚、前記膨張弁20は、高圧吐出ライン18aに取り付けられた圧力計22の検出値、即ち、いわゆる凝縮圧力P2が一定の圧力範囲となる様、制御器21bにより開度制御される。但し、前記膨張弁20の開度制御はこれに限らず、例えば、蒸発器21の出口側に感温筒を設け、前記膨張弁20の開度を前記感温筒で検知された温度(蒸発温度)に応じて制御したり、蒸発器21の入口・出口側に温度計を設け、入口・出口側に温度差に応じて制御したり、圧力計22に替えて温度計を設け、往復動圧縮機1の吐出側の過熱度に応じて制御する等の形態も良く用いられる。
この様なヒートポンプにおいて、前記循環ライン18に循環されるガスは、HCFC系やHFC系の冷媒、あるいはアンモニア、プロパン及び二酸化炭素等のいわゆる自然冷媒(以下これらを総称して、冷媒ガスまたは単にガスともいう)が用いられる。そして、前記往復動圧縮機1において、この様な冷媒ガスを圧縮する際、圧縮される冷媒ガスが高圧になる程、前記軸封部6からのガス漏れは避けられない。
従って、本発明の実施の形態1に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムは次の通り構成される。即ち、この往復動圧縮機1のガス漏洩防止システムには、前記軸封部6からの漏れガスを回収するベントライン7a、バッファタンク8、低圧吸込ライン7b及び小型圧縮機11の吸込口11aとを連結する流路と、この小型圧縮機11の吐出口11b、低圧吐出ライン7c、逆止弁17及び前記往復動圧縮機1の高圧吸込ライン18b(もしくは吸込口1a)とを連通する流路とからなる漏れガス回収ライン7が設けられている。
即ち、漏れガス回収ライン7は、バッファタンク8等の諸々の設備を介して、往復動圧縮機1の軸封部6と吸込口1a(吸込側)とを接続している。この漏れガス回収ライン7は、後述する様に、往復動圧縮機1の軸封部6からの漏れガスを回収し、吸込口1a(吸込側)に戻す機能を担う。
前記小型圧縮機11は、前記往復動圧縮機1と同様に、駆動モータM2による回転運動を往復運動に変換するクランク機構12と、このクランク機構12に一端を連結されたピストン棒13と、このピストン棒13の他端に連結されたピストン14とを備えている。
また、前記クランク機構12はクランクケース12aに収納設置されると共に、前記ピストン14は、シリンダ14aの内壁に摺動しながら往復動可能に収納されている。そして、前記クランクケース12aとシリンダ14aとが、ジスタンスピース15を介して連結されている。更に、前記シリンダ14aとジスタンスピース15とを隔てた隔壁16aには、ピストン棒13を貫通させるための貫通孔が設けられると共に、この貫通孔には、シリンダ14a内で圧縮された圧縮ガスの漏れを防止するための軸封部16が設けられている。
この軸封部16にも、シールリングやV字形パッキンリング等からなるシール構造が採用されている。そして、前記クランク機構12によりピストン14をシリンダ14a内で往復動させ、吸込口11aからこのシリンダ4a内に供給されたガスを前記ピストン14で圧縮して、圧縮ガスが吐出口11bにおいて得られる様に構成されている。更に、前記低圧吸込ライン7bには軸封部連通ライン9が接続され、小型圧縮機11の軸封部16と連通されている。一方、前記低圧吐出ライン7cにはバイパスライン10が接続され、このバイパスライン10にはバイパス弁10aが介設されている。
この様な往復動圧縮機のガス漏洩防止システムにおいて、前記往復動圧縮機1の軸封部6から漏出した漏れガスは、ベントライン7aからバッファタンク8に導入して貯留される。このバッファタンク8に貯留された漏れガスは、低圧吸込ライン7bを介して小型圧縮機11の吸込口11aに吸込まれ、圧縮された後に低圧吐出ライン7cに吐出される。この際、前記軸封部6から漏出する漏れガスの量、ひいてはベントライン7aを介してバッファタンク8へ導入されるガスの量(以下、ベント量とも称す)は一定ではない。従って、小型圧縮機11は、通常想定される最大のベント量を処理できるものであるのが望ましい。
前記低圧吸込ライン7bを介して小型圧縮機11に供給されるベント量が、小型圧縮機11の処理容量より少ない、即ち、ベント量(ガス量)が過少(小型圧縮機11の処理容量が過大)な場合は、前記バイパス流路10に介設されたバイパス弁10aを開弁して、前記小型圧縮機11の吐出口11bから吐出されるガスの一部を、前記バッファタンク8に戻す様に構成されている。残りのガスについては、逆止弁17を介して往復動圧縮機1の高圧吸込ライン18bに戻されるのである。前記軸封部連通ライン9は、小型圧縮機11のシリンダ14aと軸封部16の内圧をバランスさせて、前記シリンダ14aから前記軸封部16へのガス漏れを防止する役目を果たしている。
前記バイパス弁10aとしては、圧空等の作用により開度の調整可能なグローブ弁やダイヤフラム弁が好適である。また、前記バッファタンク8には、このタンク8内のガス圧を検出するためのタンク圧力計(タンク圧検出手段)8aが取り付けられ、このタンク圧力計8aによって検出された検出圧力P1が、制御器21aに入力される様に構成されている。
そして、この制御器21aによって、上述した「小型圧縮機11に供給されるベント量が小型圧縮機の処理容量より少ない、即ち、ベント量(ガス量)が過少(小型圧縮機11の処理容量が過大)な場合」であるか否か、またその程度が前記検出圧力P1に基づいて判定される。前記制御器21aは、入力された検出圧力P1の値に応じて、その検出圧力P1の値が予め設定された所定の範囲に収まる様に、前記バイパス弁10aの所定の開度を演算し、前記バイパス弁10aの開度を制御する。
例えば、制御器21aは、前記検知圧力P1が予め定められた圧力値より低くなれば、「小型圧縮機11に供給されるベント量が少ない、すなわちベント量(ガス量)が過少(小型圧縮機11の処理容量が過大)な場合」であると判定する。その際、予め定められた圧力値とその圧力値より低い検知圧力P1との差分が大きくなるほど、前記バイパス弁10aの開度も大きくなるよう制御される。また、制御器21aは、前記検知圧力P1が予め定められた圧力値以上であれば、「小型圧縮機11に供給されるベント量が少ない、すなわちベント量(ガス量)が過少(小型圧縮機11の処理容量が過大)な場合」ではないと判定し、前記バイパス弁10aを閉じる。
尚、前記バイパス弁10aには、その開度を任意に制御可能な弁が望ましい。但し、それに限るものではなく、前記バイパス弁10aは、全閉もしくは全開のいずれかに切り替え可能な開閉弁であっても良い。その場合、予め定められた圧力値とその圧力値より低い検知圧力P1との差分が大きくなるほど、所定の単位時間あたりの前記バイパス弁10aを開弁する時間を長くする様に制御するのが好ましい。
また、前記バイパス弁10aが、その開度を任意に制御可能な弁、あるいは、全閉もしくは全開の何れかに切り替え可能な開閉弁のどちらであっても、前記検知圧力P1が予め定められた圧力値以上の際に、常に、前記バイパス弁10aを閉じるよう構成しなくとも良い。例えば、前記バイパス弁10aが、その開度を任意に制御可能な弁である場合、予め定められた圧力値より検知圧力P1が低い場合には、圧力の差分が大きくなるほど、前記バイパス弁10aの開度も大きくし、逆に予め定められた圧力値より検知圧力P1が高い場合には、圧力の差分が大きくなるほど、前記バイパス弁10aの開度を小さくする様に構成するのみでも良い。また、バイパス弁10aの開度の制御には、いわゆるPID制御などが好適である。
更に、前記小型圧縮機11は密閉型圧縮機であるのが好ましい。密閉型圧縮機は、前記駆動モータM2がクランクケース12a内に収納されると共に、このクランクケース12a、シリンダ14a及びジスタンスピースの接合面にシール性が確保されるため、前記軸封部16からシリンダ14a内の圧縮ガスが漏れたとしても、前記ジスタンスピース15やクランクケース12aより外側に漏れ出すことがない。あるいは、クリアランスケース12aのクランクシャフト貫通部をシールし、クランクケース12a及びジスタンスピース15を密閉構造とすることでも、同様な効果が期待できる。
以上の通り、本発明の実施の形態1に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムによれば、前記往復動圧縮機1の軸封部6からの漏れガスを回収し前記往復動圧縮機1の吸込側1aに戻す漏れガス回収ライン7が設けられ、この漏れガス回収ライン7の一部をなすベントライン7aの後端に接続されたバッファタンク8と、このバッファタンク8に後続する低圧吸込ライン7bの後端に接続された小型圧縮機11と、この小型圧縮機11の軸封部16と前記小型圧縮機11の低圧吸込ライン7bとを連通する軸封部連通ライン9と、前記バッファタンク8と低圧吐出ライン7cとを連通するバイパスライン10と、このバスパスライン10に介設されたバイパス弁10aとを備えている。
そして、前記バッファタンク8に貯留された漏れガスが、前記低圧吸込ライン7bを介して小型圧縮機11に吸込まれ、圧縮された後に低圧吐出ライン7cに吐出されると共に、前記バッファタンク8から小型圧縮機11に供給されるガス量が、小型圧縮機11の処理容量より少ない、即ち、ガス量が過少(小型圧縮機11の処理容量が過大)な場合は、前記バイパス弁10aを開弁して前記小型圧縮機11から吐出されるガスの一部を、前記バイパスライン10を介してバッファタンク8に戻す様に構成されたので、特に密閉構造とするのが難しい大型の往復動圧縮機1においても、圧縮ガスの漏洩を防止することが出来る。
次に、本発明の実施の形態2に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムを、添付図2を参照しながら前図1も併用して説明する。図2は本発明の実施の形態2に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムを、ヒートポンプに適用した態様例として示した模式的系統図である。但し、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、小型圧縮機に供給されるガス量の調整機構の構成に相違があり、これ以外は上記実施の形態1と全く同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、以下その相違する点について説明する。
即ち、上記実施の形態1の小型圧縮機11に供給されるガス量の調整機構が、バッファタンク8と低圧吐出ライン7cとを連通するバイパスライン10と、このバイパスライン10に介設されたバイパス弁10aと、バッファタンク8の圧力を検出するタンク圧力計8aと、前記バイパス弁10aの開度を制御する制御器21aとを備え、前記低圧吸込ライン7bを介して小型圧縮機11に供給されるベント量が、小型圧縮機11の処理容量より少ない、即ち、バッファタンク8から小型圧縮機11に供給されるガス量が過少(小型圧縮機11の処理容量が過大)な場合は、前記バイパス流路10に介設されたバイパス弁10aを開弁して、前記小型圧縮機11の吐出口11bから吐出されるガスの一部を、前記バッファタンク8に戻す様に構成された。
それに対し、本実施の形態2の小型圧縮機11に供給されるガス量の調整機構は、前記バッファタンク8の圧力を検出するタンク圧力計8aと、前記小型圧縮機11の駆動モータM2の回転数を指令するインバータ23と、前記タンク圧力計8aにより検出された圧力信号によって前記駆動モータM2の回転数を演算制御する制御器24とを備えている。そして、前記タンク圧力計8aによって検出された圧力信号P1に基づき、前記制御器24からインバータ23に送信された周波数信号により前記小型圧縮機11の駆動モータM2の回転数を制御する様に構成されている。
以上、本発明の実施の形態2に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムによれば、前記タンク圧力計8aによって検出された圧力信号P1に基づき、前記制御器24からインバータ23に送信された周波数信号により前記小型圧縮機11の駆動モータM2の回転数を制御する様に構成されたので、前記往復動圧縮機1の軸封部6aからの漏れガス量に応じて、再昇圧する小型圧縮機11の負荷を最適化し得る。
即ち、検出圧力P1が高くなれば、小型圧縮機11の回転数を上げて小型圧縮機11の処理容量を増やし、逆に、検出圧力P1が低くなれば、小型圧縮機11の回転数を下げて小型圧縮機11の処理容量を減らし、検出圧力P1が予め設定された範囲に収まる様に制御する。
尚、本発明の実施の形態においては、本発明に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムを、態様例としてヒートポンプに適用した場合を説明したが、本発明に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムは、この往復動圧縮機の吸込口と吐出口とを連通する循環ラインが形成されたヒートポンプへの適用に限定されることはない。即ち、本発明に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムは、吸込口から吸込んだガスを圧縮して吐出口から高圧ガスとして供給する圧縮機単独のガス漏洩防止システムとしても有効なものである。
また、実施の形態1においては、図1に示す如く、制御器21a,21bを個別の制御器として図示して説明したが、同一の制御器内に夫々の機能を収納しても良い。同様に、実施の形態2においても、図2に示す如く、制御器21b,24を個別の制御器として図示して説明したが、同一の制御器内に夫々の機能を収納しても良い。
本発明の実施の形態1に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムを、ヒートポンプに適用した態様例として示した模式的系統図である。 本発明の実施の形態2に係る往復動圧縮機のガス漏洩防止システムを、ヒートポンプに適用した態様例として示した模式的系統図である。 従来例に係るガス圧縮機の全体概要説明図である。 従来例に係るガス圧縮機のジスタンスピース軸封装置の拡大断面図である。 米国石油学会(API)における石油、化学及びガス工業用往復動圧縮機に係る規格の説明図である。
符号の説明
M1,M2:駆動モータ,
P1:タンク検出圧力, P2:凝縮圧力,
1:往復動圧縮機, 11:小型圧縮機,
1a,11a:吸込口, 1b,11b:吐出口,
2,12:クランク機構, 2a,12a:クランクケース,
3,13:ピストン棒,
4,14:ピストン, 4a,14a:シリンダ,
5,15:ジスタンスピース,
6,16:軸封部, 6a,16a;隔壁,
7:漏れガス回収ライン, 7a:ベントライン,
7b:低圧吸込ライン, 7c:低圧吐出ライン,
8:バッファタンク, 8a:タンク圧力計(タンク圧検出手段),
9:軸封部連通ライン,
10:バイパスライン, 10a:バイパス弁,
17:逆止弁,
18:循環ライン, 18a:高圧吐出ライン, 18b:高圧吸込ライン,
19:凝縮器, 20:膨張弁, 21:蒸発器,
21a,21b:制御器,
22:圧力計, 23:インバータ, 24:制御器

Claims (5)

  1. 往復動圧縮機と、
    前記往復動圧縮機の軸封部と前記往復動圧縮機の吸込側とを接続する漏れガス回収ラインと、
    この漏れガス回収ラインに介設され、前記往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスを貯留するバッファタンクと、
    このバッファタンクに後続する前記漏れガス回収ラインに介設され、前記バッファタンクに貯留された漏れガスを吸込んで昇圧する小型圧縮機とを備え、
    前記漏れガスを、前記小型圧縮機にて昇圧した上、前記漏れガス回収ラインを介して前記往復動圧縮機の吸込側に戻す様に構成され、
    前記バッファタンクと前記小型圧縮機の吐出側の漏れガス回収ラインとを連通するバイパスラインと、
    このバイパスラインに介設されたバイパス弁とを備え、
    前記バッファタンクから前記小型圧縮機に供給されるガス量が過少な場合に前記バイパス弁を開弁して、前記小型圧縮機から吐出されるガスの一部を前記バイパスラインを介してバッファタンクに戻す様に構成されたことを特徴とする往復動圧縮機のガス漏洩防止システム。
  2. 前記バッファタンクの圧力を検出するタンク圧検出手段を備え、
    前記タンク圧検出手段によって検出された圧力信号が所定圧より低くなった場合に、前記バッファタンクから前記小型圧縮機に供給されるガス量が過少な場合であるとして、前記バイパス弁の開弁を行う様に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の往復動圧縮機のガス漏洩防止システム。
  3. 往復動圧縮機と、
    前記往復動圧縮機の軸封部と前記往復動圧縮機の吸込側とを接続する漏れガス回収ラインと、
    この漏れガス回収ラインに介設され、前記往復動圧縮機の軸封部から漏れた漏れガスを貯留するバッファタンクと、
    このバッファタンクに後続する前記漏れガス回収ラインに介設され、前記バッファタンクに貯留された漏れガスを吸込んで昇圧する小型圧縮機とを備え、
    前記漏れガスを、前記小型圧縮機にて昇圧した上、前記漏れガス回収ラインを介して前記往復動圧縮機の吸込側に戻す様に構成され、
    前記バッファタンクの圧力を検出するタンク圧検出手段と、
    前記小型圧縮機の駆動モータの回転数を指令するインバータと、
    前記タンク圧検出手段によって検出された圧力信号に基づき前記駆動モータの回転数を演算する制御器とを備え、
    前記制御器からインバータに送信された周波数信号によって、前記小型圧縮機の駆動モータの回転数を制御する様に構成されたことを特徴とする往復動圧縮機のガス漏洩防止システム。
  4. 前記小型圧縮機の軸封部と前記小型圧縮機の吸込側の漏れガス回収ラインとを連通する軸封部連通ラインを備えてなることを特徴とする請求項1乃至3に記載の往復動圧縮機のガス漏洩防止システム。
  5. 前記小型圧縮機が密閉型圧縮機であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の往復動圧縮機のガス漏洩防止システム。
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