本発明の一実施形態について図1〜図24に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の実施形態で説明すること以外の構成は、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の実施形態で説明する構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、携帯電話等のモバイル型の装置に備えられる透過型の液晶表示装置であって、RGBの各色を6ビットで表現した画像データに基づいて表示を行う表示装置における、ソースライン(データライン)の延伸方向に平行な方向のスジ状ムラ(ライン状補正領域)を補正する場合の例について主に説明する。ただし、本発明の適用対象はこれに限るものではない。
図2は、本実施形態にかかる補正データ作成装置10の構成を示すブロック図である。この図に示すように、補正データ作成装置10は、表示データ生成部11、撮像部12、輝度データ抽出部13、移動平均化処理部14、輝度ムラ検出部15、補正データ生成部16、解像度特定部17、および基準補正データ保持部18を備えている。
表示データ生成部11は、表示パネル(所定の表示画面,基準解像度の表示画面)21における輝度ムラの有無の検査を行う際に、この表示パネルに表示させる表示データを生成し、表示パネル21の駆動制御部22に出力する。一般に、輝度ムラは中間調の画像を同一階調で全面均一表示をさせた場合に視認されやすい。このため、本実施形態では、表示データ生成部11は、輝度ムラを検出するために表示パネルの全画素に中間調の同一階調の画像を表示させるための画像データである検査用画像データを生成する。
撮像部12は、表示データ生成部11によって生成された検査用画像データに応じた画像が表示されている表示パネル21の表示面を撮像して撮像データを取得する。撮像部12としては、例えばCCD(charge-coupled device)カメラや、CMOS(complementary metal-oxide semiconductor)イメージセンサなどを用いることができる。
輝度データ抽出部13は、撮像部12の取得した撮像データから輝度データを抽出する。
移動平均化処理部14は、輝度データ抽出部13の抽出した輝度データにおける表示パネル21のソースラインに対応する領域(あるいはソースラインの延伸方向に平行な所定幅の領域)の画素の集合であるライン画素群について、当該ライン画素群に含まれる各画素の輝度の平均値を当該ライン画素群の輝度値として算出する。また、移動平均化処理部14は、上記各ライン画素群の輝度値を、そのライン画素群を含む所定範囲の周辺領域(例えば当該ライン画素群を中心とする当該ライン画素群の延伸方向に垂直な方向の3mmの幅の領域)に含まれる各画素の輝度値で平均化した移動平均化データを算出する移動平均化処理を行う。
図3の実線は輝度データ抽出部13の抽出した輝度データに基づいて算出した各ライン画素群の輝度値を示すグラフであり、破線は上記の各ライン画素群の輝度値の移動平均値を示すグラフである。上記移動平均値は、バックライトに起因する輝度ムラなどの緩やかな輝度ムラを除去し、ムラと認識されやすい局所的な輝度ムラを抽出するために求めるもので、ムラのない状態の輝度を示す。また、図4の実線は、図3における各ライン画素群の輝度値から上記移動平均値を引いた値にパネル輝度の平均値(表示画面全体の輝度の平均値)を加えたもので、バックライトに起因する輝度ムラ等の緩やかに変化する輝度ムラの影響を除去した後の各ライン画素群の輝度値を示すグラフであり、破線はパネル輝度の平均値を示すグラフである。なお、これら各グラフにおける横軸は各ライン画素群の位置を示しており、縦軸は各ライン画素群の輝度値(各ライン画素群に属する画素の輝度値の平均値)示している。
輝度ムラ検出部15は、輝度データ抽出部13が撮像データから抽出した各ライン画素群の輝度値と、その移動平均値とに基づいて輝度ムラが生じている領域を検出する。
具体的には、輝度ムラ検出部15は、輝度データ抽出部13が撮像データから抽出した輝度データにおける各ライン画素群の輝度値と、その移動平均値との差を算出し、算出した差の絶対値が所定の閾値以上であるライン画素群の集合からなる領域を輝度ムラとして検出する。つまり、各ライン画素群の輝度値の移動平均値を当該各ライン画素群についての輝度ムラが生じていない場合の適正輝度値とみなして各ライン画素群の輝度値と比較することにより、輝度ムラが生じている領域を検出する。これにより、バックライトの影響等を除去して輝度ムラを適切に検出することができる。
すなわち、透過型の液晶表示装置では、一般にバックライトからの照射光を表示パネルに均一に照射するために拡散板等が備えられるものの、完全に均一化することは困難なため、バックライトに対する相対位置に応じてバックライトからの照射光の輝度に差が生じる場合がある。ただし、バックライトに対する相対位置に起因する輝度分布は表示パネルの広範囲にわたって比較的なだらかに変化するので(図3における破線部の傾き参照)、輝度ムラとして視認されることは少ない。つまり、人間の目に輝度ムラと認識されるのは、局所的に大きく輝度が変化している場合であり、空間的に大きな周期で輝度が連続的に変化している場合は、ムラと認識されにくい。このため、バックライトからの照射光の輝度分布に起因する輝度の差は輝度ムラとして視認されることは少ない。
一方で、バックライトの影響を考慮せずに、輝度ムラが生じていない適正領域の輝度値を表示画面の全領域について一定値とみなすと、輝度ムラとして視認されない領域が輝度ムラとして検出されたり、輝度ムラとして視認される領域が適正領域として検出されたりする場合が生じる。つまり、輝度ムラが生じていない適正領域の輝度値(適正輝度値)は表示パネル上の位置に応じて異なっている。
そこで、本実施形態では、輝度データ抽出部13の抽出した輝度データに対して移動平均化処理部14が移動平均化処理を施し、各ライン画素群の輝度値の移動平均値を当該各ライン画素群が適正領域である場合の輝度値(適正輝度値)とみなす。これにより、バックライトからの照射光の輝度分布の影響を除去し、輝度ムラとして視認されやすい、隣接領域の輝度との差が急激に変化している領域を輝度ムラとして適切かつ容易に検出することができる。
なお、移動平均化処理において平均化する範囲(ライン画素群の延伸方向に垂直な方向の範囲)は、スジ状の輝度ムラ領域の幅よりも十分に広く、当該範囲内の各位置におけるバックライトからの照射光の輝度値の差が輝度ムラ領域における輝度値の適正輝度値からのずれに対して十分に小さくなる範囲に設定することが好ましい。具体的には、携帯電話等のモバイル機器に備えられる数百画素×数百画素程度の表示パネルの場合、1mm以上5mm以下の範囲に設定することが好ましい。例えば、360画素×480画素の表示パネル21の場合、上記範囲は3mmである。
解像度特定部17は、図示しない入力装置を介してユーザ入力した表示パネル21の解像度を特定する。
本実施形態では、表示パネル21の解像度の範囲は、150ppi(pixel per inch)〜400ppiの範囲を想定しており、以下で説明する基準解像度の範囲は、150ppi〜200ppiの範囲を想定しているが、解像度の範囲は、このような範囲に限られない。
補正データ生成部16は、輝度ムラ検出部15の検出した輝度ムラの情報に基づいて、輝度ムラを視認されにくくするための補正データを生成し、生成した補正データに圧縮処理を施して駆動制御部22に出力する。なお、輝度ムラ領域に含まれるライン画素群の輝度値のピーク値と適正輝度値との差が所定の基準値未満の場合にはスジ状の輝度ムラは存在しないものみなし、補正データを作成しないようにしてもよい。
ここで、補正データ生成部16は、予め特定の基準解像度(150ppi〜200ppi)の表示パネル(表示画面)に対する補正データを、所定のアルゴリズム(以下、基準補正データ生成アルゴリズムという)で生成し、当該補正データを基準補正データとして、後述する基準補正データ保持部18に記録しているものとする。なお、本実施形態では、表示パネル21の解像度は、基準解像度のn×n(nは、2以上の整数)倍であるとし、表示パネル21の解像度が基準解像度よりも高い(高精細)場合について説明するが、逆に、表示パネル21の解像度が、基準解像度よりも低い(低精細)場合を排除する趣旨ではない。
次に、表示パネル21の解像度が、基準解像度の場合には、補正データ生成部16は、基準補正データ保持部18に記録されている基準補正データを読み出して、そのまま補正データとする。
一方、表示パネル21の解像度が、基準解像度と異なる解像度の場合には、所定のアルゴリズム(以下、補正データ生成アルゴリズムという)で改めて補正データを生成する。
但し、このとき補正データ生成アルゴリズムで生成される補正データには、基準補正データの他、当該基準補正データから所定解像度の表示パネル21に対する補正データを生成するための補正データ拡張用情報が含まれている。
ここで、「補正データ拡張用情報」は、補正率を固定して、基準補正データから所定解像度の表示パネル21に対する補正データを生成するための情報である。なお、「補正率」は、基準解像度の表示パネルに検査用画像データに応じた画像を表示させた際の輝度値と当該検査用画像データに対応する適正輝度値との差分である輝度差の、基準解像度の表示パネルに表示用画像データに応じた画像を表示する際の1階調に相当する輝度値に対する比の大きさに応じて算出される、補正領域に含まれる画素の数に対する、当該補正領域に含まれる画素の中から少なくとも階調値を変化させるために選択すべき調整補正画素の数の割合である。また、「補正領域」は、検査用画像データに対応する適正輝度値と異なる輝度値の画像が表示される領域である輝度ムラ領域のうちの少なくとも一部の輝度ムラ領域、または当該一部の輝度ムラ領域とその周辺領域を含む領域である。
より具体的には、「補正データ拡張用情報」としては、所定解像度の表示パネル21に対する補正領域に含まれる各画素をn×n画素単位で纏めて1つの単位画素として基準補正データを適用する(各調整補正画素の数および調整補正画素でない各画素の数をモザイク的にn×n倍増加させる)アルゴリズムを実行するソフトウェアを例示することができる。このソフトウェアは、基準補正データ保持部18に予め記録されているものとする(図11の(c)および(d)参照)。なお、その他の補正データ生成アルゴリズムについては、後述する。
次に、本実施形態では、上述したように、RGBの各色を6ビットで表現した画像データに基づいて表示を行う表示装置20を用いている。この種の低階調パネルでは、輝度ムラの検出結果に基づいて単純に表示用画像データの階調を調節するだけでは、輝度ムラを適切に補正できない場合がある。これは、輝度ムラとして認識される輝度値のずれの最小値は、6ビット階調のパネルなら表示用画像データにおける1階調分に相当する輝度値未満であるため、例えば暗い輝度ムラを補正しようとしてデータを1階調上げるように補正すると補正量が大きくなりすぎて明るい輝度ムラとして視認されてしまったり、逆に明るい輝度ムラを補正しようとしてデータを1階調下げるように補正すると暗い輝度ムラとして視認されてしまったりするためである。
そこで、補正データ生成部16は、適正輝度値に対する輝度のずれが画像データの1階調分に相当する輝度値未満であってもこの輝度のずれに起因する輝度ムラが視認されにくくするための補正データを生成する。
図5は、補正パターンの生成方法を説明するための説明図である。より具体的には、図5は、各画素に対して階調値9,10,11の検査用画像データをそれぞれ表示させ、これら各階調値に応じた画像を表示した状態の表示パネル21を撮像した撮像データに基づいて抽出した各ライン画素群の輝度値、およびパネル輝度の平均値を示すグラフである。なお、図5では、図4と同様の処理を施し、バックライトに起因する輝度ムラ等の緩やかに変化する輝度ムラの影響を除去した後の各ライン画素群の輝度値を示している。
輝度ムラ検出部15は、撮像データから抽出した輝度データにおける適正輝度値に対する輝度値の差の絶対値が所定の閾値以上である部分を輝度ムラとして検出する。具体的には、上記差が正の値であって絶対値が閾値以上である部分を明るいムラとして検出し、上記差が負の値であって絶対値が閾値以上である部分を暗いムラとして検出する。図5の例では、C1,C2で示した部分が明るい輝度ムラとして検出され、D1,D2で示した部分が暗い輝度ムラとして検出される。
次に、補正データ生成部16は、各輝度ムラ部分の値と適正輝度値との差を検出する。図5の例では、輝度ムラC1,C2,D1,D2について差c1,c2,d1,d2がそれぞれ検出される。
また、補正データ生成部16は、基準階調値よりも1階調高い画像データに対する適正部分の輝度値と基準階調値の画像データに対する適正部分の輝度値との差A、および基準階調値の画像データに対する適正部分の輝度値と基準階調値よりも1階調低い画像データに対する適正部分の輝度値との差Bとを検出する。
そして、補正データ生成部16は、明るい輝度ムラC1,C2については当該輝度ムラについての上記差c1,c2と上記差Bとの比c1/B,c2/Bをそれぞれ算出し、暗い輝度ムラD1,D2については当該輝度ムラについての上記差d1,d2と上記差Aとの比d1/A,d2/Aをそれぞれ算出する。
そして、明るい輝度ムラについての上記比(c1/B、c2/B、など)が1以下の場合は、補正データ生成部16は、明るい輝度ムラに対応するライン画素群に属する画素のうち当該輝度ムラについての上記比に応じた割合の画素(調整補正画素)に対する表示用画像データを1階調低くするための補正データを生成する。
また、上記比(c1/B、c2/B、など)が1を超える場合、補正データ生成部16は、明るい輝度ムラに対応するライン画素群に属する画素に対する表示用画像データを上記比の整数部分に応じた階調値だけ低くするための補正データ、および、上記比の小数部分に応じた割合の画素(調整補正画素)に対する表示用画像データをさらに1階調低くするための補正データを生成する。
図6は、明るい輝度ムラが生じている位置と当該各輝度ムラについての上記比の値との関係の一例を示すグラフである。
補正データ生成部16は、各輝度ムラ領域を上記比の値に応じてグループ分けする。例えば、図6に示したように、上記比が0.125以上0.375未満の輝度ムラ領域を補正強度1、上記比が0.375以上0.625未満の輝度ムラ領域を補正強度2、上記比が0.625以上0.875未満の輝度ムラ領域を補正強度3、上記比が0.875以上1.125未満の輝度ムラ領域を補正強度4、上記比が1.125以上1.375未満の輝度ムラ領域を補正強度5に分類する。
そして、補正強度1の輝度ムラ領域については上記比が0.25であるものとみなし、4画素に1画素の割合(ピッチ情報)で階調値を1階調下げるための補正データを作成する。例えば、図6に示したckに対応する位置ではck/Bの値が0.19であることから、補正強度1に分類され、4画素に1画素の割合(ピッチ情報)で階調値を1階調下げるための補正データが作成される。
また、補正強度2の輝度ムラ領域については上記比が0.5であるものとみなし、2画素に1画素の割合(ピッチ情報)で階調値を1階調下げるための補正データを作成する。例えば、図6に示したcnに対応する位置ではcn/Bの値が0.44であることから、補正強度2に分類され、2画素に1画素の割合(ピッチ情報)で階調値を1階調下げるための補正データが作成される。
また、補正強度3の輝度ムラ領域については上記比が0.75であるものとみなし、4画素に3画素の割合(ピッチ情報)で階調値を1階調下げるための補正データを作成する。例えば、図6に示したclに対応する位置ではcl/Bの値が0.80であることから、補正強度3に分類され、4画素に3画素の割合(ピッチ情報)で階調値を1階調下げるための補正データが作成される。
また、補正強度4の輝度ムラ領域については上記比が1であるものとみなし、各画素について(ピッチ情報;ピッチ=0)階調値を1階調下げるための補正データを作成する。
また、補正強度5の輝度ムラ領域については上記比が1.25であるものとみなし、各画素の階調値を1階調下げ、4画素に1画素の割合(ピッチ情報)の画素については階調値をさらに1階調下げる(合計2階調下げる)ための補正データを作成する。例えば、図6に示したcmに対応する位置ではcm/Bの値が1.29であることから、補正強度5に分類され、各画素の階調値を1階調下げるとともに、4画素に1画素の割合(ピッチ情報)で階調値をさらに1階調下げるための補正データが作成される。
また、上記比(c1/B、c2/B、など)が1を超える場合、補正データ生成部16は、上記比を除算した場合の除算結果が1以下となる2以上の数nで上記比を除算し、この除算結果に応じた割合の画素(調整補正画素)に対する表示用画像データをn階調低くするための補正データを作成してもよい。例えば、図6に示した補正強度5に属する輝度ムラ領域の場合、上記比が1.25(=5/4)であるものとみなし、n=2で除算した値(5/4÷2=5/8)を算出し、この除算結果に応じて8画素に5画素の割合(ピッチ情報)で2階調下げるための補正データを作成すればよい。
また、暗い輝度ムラについての上記比(d1/A、d2/A、など)が1以下の場合は、補正データ生成部16は、暗い輝度ムラに対応するライン画素群に属する画素のうち当該輝度ムラについての上記比に応じた割合の画素に対する表示用画像データを1階調高くするための補正データを生成する。
また、上記比(d1/A、d2/A、など)が1を超える場合、補正データ生成部16は、暗い輝度ムラに対応するライン画素群に属する画素に対する表示用画像データを上記比の整数部分に応じた階調値だけ高くするための補正データ、および、上記比の小数部分に応じた割合の画素(調整補正画素)に対する表示用画像データをさらに1階調高くするための補正データを生成する。
また、上記比(d1/A、d2/A、など)が1を超える場合、補正データ生成部16は、上記比を除算した場合の除算結果1以下となる2以上の数nで上記比を除算し、この除算結果に応じた割合の画素に対する表示用画像データをn階調高くするための補正データを作成してもよい。
なお、図6では上記比が1.375以上の場合については図示していないが、1.375以上の場合にも上述した方法と同様にして各輝度ムラ領域のグループ分けおよび各輝度ムラ領域に対応する補正データの作成を行えばよい。また、各グループに対応する上記比の幅は図6に示した例に限られるものではない。
したがって、例えば上記比が1以下であった場合、適正輝度値に対する差(適正輝度値からのずれ)が大きい輝度ムラ領域については表示用画像データを1階調補正する画素の割合は大きくなり(表示用画像データを1階調補正する画素が密になり)、適正輝度値に対する差が比較的小さい輝度ムラ領域については表示用画像データを1階調補正する画素の割合は小さくなる(表示用画像データを1階調補正する画素が疎になる)。図7は、補正データにおける上記比が1以下である場合に表示用画像データの階調を1階調補正する画素の例を示す説明図である。
例えば、c1/B=1/3の場合、表示用画像データにおける輝度ムラC1に対応するソースライン上の画素に対する画像データを、ソースラインの延伸方向に沿って3画素毎に1画素だけ(ピッチ情報)1階調低く補正させるための補正データ(補正対象のソースラインに接続された全画素数に対する調整補正画素の割合を示す画像データ)を生成する。また、d1/A=1/3の場合、表示用画像データにおける輝度ムラD1に対応するソースライン上の画素に対する画像データを、ソースラインの延伸方向に沿って3画素毎に1画素だけ(ピッチ情報)1階調高く補正させるための補正データを生成する。
なお、上記比ci/B(iは輝度ムラの位置を示す1以上の整数)または上記比dj/A(jは輝度ムラの位置を示す1以上の整数)の大きさに応じて、各輝度ムラ領域における輝度ムラの程度(適正輝度値に対するずれの程度)が予め設定された複数のグループのうちのいずれのグループに属するかを判断し、この判断結果と各グループに対して予め設定された値とに基づいて表示用画像データにおける調整補正画素の割合(あるいは調整補正画素同士の間隔)を設定するようにしてもよい。
また、上記の例では、ci/Bあるいはdj/Aの値と調整補正画素の割合とを同値にする場合について説明したが、これに限らず、例えばci/Bあるいはdj/Aの値に予め定められた補正係数を乗じた値に基づいて調整補正画素の割合を設定するようにしてもよい。また、上記補正係数を表示画像データの階調値に応じて設定してもよい。例えば、上述したように輝度ムラは中間調において視認されやすく、黒および白に近い表示の場合には視認されにくいことから、中間調における上記補正係数を黒および白に近い階調における上記補正係数よりも大きく設定してもよい。
このように、上記補正データは、例えば、輝度ムラに対応するソースライン(補正領域の位置)と、当該ソースラインにおける調整補正画素の割合(調整補正画素間隔;ピッチ情報)と、上記調整補正画素について1階調高くするか低くするかを示す情報とからなる。なお、上記比が1を超える輝度ムラがある場合には、これらの情報に加えて当該輝度ムラに対応する領域に含まれる各画素に対する階調値の補正量(調整補正画素以外の画素に対する補正量)が含まれる。あるいは、上記比が1を超える輝度ムラがある場合には、上記調整補正画素について1階調高くするか低くするかを示す情報に代えて、上記調整補正画素の階調値の補正量(上述したnの値)、および当該調整補正画素の階調値を高くするか低くするかを示す情報とを含めてもよい。
なお、上記の説明では、補正データ生成部16が、検出された輝度ムラ領域内の画素のみを補正対象としているが、これに限らず、輝度ムラ領域とその周辺領域(例えば輝度ムラ領域から数画素あるいは数mm程度の範囲)とを含む領域の画素を補正対象としてもよい。すなわち、輝度ムラ領域を補正領域としてもよく、輝度ムラ領域とその周辺領域とを含む領域を補正領域としてもよい。このように、周辺領域を補正領域に含めることにより、輝度ムラ領域の輪郭をぼかして輝度ムラ領域をより視認されにくくすることができる。
また、必ずしも検出された全ての輝度ムラ領域を補正する必要はなく、検出された輝度ムラ領域のうちの一部の輝度ムラ領域のみを補正するようにしてもよい。例えば、輝度ムラ領域のサイズや適正輝度値からのずれの程度などに応じて視認されやすい輝度ムラ領域のみを抽出して補正するようにしてもよい。
また、補正データ生成部16は、上記の補正データの作成を、R,G,Bの各副画素についてそれぞれ算出する。
なお、R,G,Bのうちの1色(例えばG)についての補正データを生成し、それを他の色について共用してもよい。スジ状の輝度ムラは所定範囲の領域内において連続的に発生する場合が多いので、R,G,Bのうちの1色について生成した補正データを、両隣の他の色の副画素に適用しても、R,G,Bの各色についてそれぞれ補正データを個別に生成する場合と比較して画質の程度はほとんど変わらない。また、R,G,Bの各色について共通の補正データを用いることにより、これら各色について個別の補正データを生成する場合に比べて、後述する表示装置20に備えられる補正データを格納するための補正データ記憶部31に要求される記憶容量を低減できる。
その後、補正データ生成部16は、生成した補正データに圧縮処理を施し、圧縮処理後の補正データを表示装置20の駆動制御部22に出力する。なお、圧縮処理の方法および圧縮後の補正データのサイズは特に限定されるものではなく、表示装置20に備えられる補正データ記憶部31の記憶容量などに応じて適宜設定すればよい。例えば、ランレングス符号化などの従来から公知の方法を用いて圧縮処理を行ってもよい。ランレングス符号化では、例えば、圧縮前の補正データが0010000000011・・・である場合、符号化後のデータは[0,2][1,1][0,8][1,2]となる。あるいは、0の値を省略して[2][1,1][8][1,2]と表現することもできる。
このように補正データを圧縮することにより、圧縮処理の方法にもよるが、例えば360画素×480画素の表示パネルを有する表示装置に対する補正データを例えば1kbit程度の非常に少ない記憶容量で記憶させることができる。したがって、これらの表示装置に備えられる既存のメモリの空き領域を補正データ記憶部31として用いることができる。
基準補正データ保持部18には、基準解像度、基準補正データ、補正データ拡張用情報、基準補正データ生成アルゴリズムを実行するソフトウェア、補正データ生成アルゴリズムを実行するソフトウェア(補正データ拡張用情報)等が予め記録される。
なお、基準補正データ保持部18は、容量に余裕がある場合には、基準補正データから特定の解像度を有する表示パネルに対する新たな補正データを生成した場合、解像度毎に新たな補正データを記録しても良い。すなわち、このようにして新たに生成された補正データは、新たな基準補正データとして記録する。
次に、図11(a)〜(g)に基づき、補正データ生成部16が、基準補正データから補正データを生成する補正データ生成アルゴリズムについて説明する。
まず、図11(a)は、基準解像度の表示パネルの一例を示す模式図であり、図11(b)は、基準解像度と異なる解像度の表示画面の一例を示す模式図である。
ここで、図11(a)に示す表示パネルの解像度(基準解像度)は、176ppiであり、これまで使用されてきた表示パネルである。一方、図11(b)に示す表示パネルの解像度(所定解像度)は、300〜350ppiであり、これから使用されることが予想される表示パネルである。
本発明では、表示ムラを視認するのは人間の目であり、精細度にかかわらず、共通の補正パターンを適用することが原理的に可能であるという観点に基づき、精細度の異なるパネルに対して共通の基準補正データを用いた補正データ生成アルゴリズムを適用する。これにより、精細度に応じて補正データの適用パターンをわずかに変更するだけで、様々な用途のパネルに幅広く適用することが可能となる。
次に、図11の(c)および(d)に基づき、スジ状ムラを補正するための基準補正データから補正データを生成するアルゴリズムの一例について説明する。
図11の(c)に示す基準補正データから、図11(d)に示す補正データを生成するアルゴリズムでは、基準解像度の2倍の解像度の表示パネル21に対する補正領域に含まれる各画素を4画素単位で纏めて1つの単位画素として基準補正データを適用すれば良い。
これにより実質的に各調整補正画素(黒丸の画素)の数および調整補正画素でない各画素(白丸の画素)の数をモザイク的に4倍増加させることができるので、簡単に、2倍の解像度の表示パネル21に対する補正データを作成することができる。
このアルゴリズムでは、スジ状ムラがn本のソースラインからなる場合でも、1本のソースラインにおける補正データを記憶しておけば良いので、必要記憶容量が1/nになる。
次に、図11の(e)〜(g)に基づき、スジ状ムラを補正するための基準補正データから補正データを生成するアルゴリズムの他の一例について説明する。
図11の(e)に示す基準補正データから、図11(f)に示す補正データを生成するアルゴリズムでは、図11の(c)および(d)と同様のアルゴリズムを用いれば良い。
次に、図11の(e)に示す基準補正データから、図11の(g)に示す補正データを生成するアルゴリズムでは、スジ状ムラの補正領域を、単一の調整補正画素を含むように分割した分割領域に含まれる最近接の調整補正画素同士の間隔を示すピッチ情報を用いる。
図11の(e)の例では、単一の調整補正画素(斜線を付した画素)と、4つの調整補正画素でない各画素(斜線を付していない画素)からなる領域が、分割領域である。
また、最近接の調整補正画素同士の間隔は、5画素毎に1画素の間隔(ピッチ情報)である。
図11の(g)に示すように、このアルゴリズムによって生成される補正データは、表示パネル21のスジ状ムラの延伸方向に沿って5画素毎に1画素の間隔をそのまま適用すれば良いことが分かる。
また、図11の(f)の例と、図11の(g)の例を比較して分かるように、どちらのアルゴリズムを適用しても5画素毎に1画素の割合(結果として補正領域に含まれる画素の数に対する選択すべき調整補正画素の数の割合である補正率)は、変化しないことがわかる。
このアルゴリズムでは、スジ状ムラに含まれる調整補正画素の全ての位置を特定する基準補正データを生成する場合と比較して、基準補正データ自体の情報量を大幅に低減させることができる。
なお、補正データには、ピッチ情報の他に、通常、スジ状ムラに含まれる画素のうちのいずれの画素を、ピッチのスタート位置の調整補正画素とするかというオフセット情報(図11の(g)参照)が必要となるが、補正データ生成の際に、ピッチのスタート位置を自動発生させるように構成すれば、このようなオフセット情報も不要である。
よって、例えば、低解像度の表示画面におけるピッチ情報をそのまま高解像度の表示パネル21に用いれば良いので、直接高解像度の表示パネル21に対する補正データを生成する場合と比較して、高解像度の補正データを生成するための情報量を全体として大幅に低減させることができる。
次に、図8は、表示装置20に備えられる駆動制御部22の構成を示すブロック図である。この図に示すように、駆動制御部22は、補正データ記憶部31、復号部(補正データ生成部)32、空間分散処理部(補正データ生成部)33、時間分散処理部(補正データ生成部)34、加算処理部(画像データ補正部)35、第1ラッチ部36、第2ラッチ部37、およびD/A変換部38を備えている。
補正データ記憶部31は、表示装置20の製造時に補正データ作成装置10から入力される補正データを記憶する不揮発性のメモリである。なお、本実施形態では、補正データ記憶部31に、補正データ作成装置10によって圧縮処理が施された補正データを格納するようになっている。
ところで、上述した補正データを用いて表示用画像データを補正する手法では、表示パネル21の解像度が、高精細になればなる程、画素数が著しく増えるため、輝度ムラを補正するための補正データの情報量が著しく増大してしまい、当該補正データの情報量が不揮発性メモリの容量を超えてしまうという副次的な問題点が生じる。
そこで、このような副次的な問題点を解決するために、補正データ記憶部31は、基準解像度の表示パネルについて予め定めた補正データである基準補正データ、および当該基準補正データから所定解像度の表示パネル21に対する補正データを生成するための補正データ拡張用情報が記憶される。
これにより、基準解像度の表示パネルと異なる解像度を有する表示パネル21であっても、基準解像度の表示パネルに対する基準補正データから、所定解像度の表示パネル21に対する補正データを生成することができる。
また、予め基準解像度の表示パネルについて基準補正データを生成しておけば、表示パネル21の解像度に関わらず(すなわち、高精細か否かに関わらず)補正データを生成することができるので、解像度の異なる表示画面毎に、補正データを生成するためのアルゴリズムを作成する必要が無くなる。
また、例えば、基準解像度に対して所定解像度が高い場合、情報量の少ない基準補正データを用いて高い解像度の表示パネル21に対する補正データを生成することができる。
さらに、上述した手法では、基準補正データの他に、補正データ拡張用情報が必要となるが、その情報量は、基準補正データから補正データを生成するアルゴリズムを工夫することにより、高解像度の表示パネル21に対する補正データを直接生成する場合と比較して大幅に低減させることが可能である。
復号部32は、表示装置20において表示用画像データに応じた画像を表示パネル21に表示させる際、補正データ記憶部31に記憶されている補正データを読み出し、この補正データを復号して空間分散処理部33に出力する。なお、補正データ記憶部31の記憶容量に余裕がある場合は、補正データ生成部16が補正データを圧縮せずに補正データ記憶部31に記憶させるようにしてもよく、その場合、復号部32を省略してもよい。
空間分散処理部33は、復号部32から入力された補正データに基づいて、輝度ムラ領域に対応する各ソースラインにおける調整補正画素の位置を設定し、この設定結果を示す補正データを時間分散処理部34に出力する。具体的には、ソースラインの端部から何画素目の画素を調整補正画素とするか(オフセット量)を決定するとともに、当該画素および当該画素から所定間隔毎の画素を調整補正画素として設定する。
なお、このとき、空間分散処理部33は、オフセット量を自動発生させ、補正データに含まれるピッチ情報(何画素毎に調整補正画素を設定するかを示す情報)のみから、補正が必要なソースラインにおける所定間隔毎(ピッチ情報)の調整補正画素の位置を設定しても良い。この場合、補正データからオフセット量に関するデータを省けるので、補正データの情報量をより低減させることができる。
また、オフセット量をランダムに自動発生させれば、表示パネル21のソースライン方向の走査毎に異なるオフセット量が与えられるので、調整補正画素を目立たなくすることができる。
また、隣接する複数のソースラインにまたがって輝度ムラが生じている場合には、これら各ソースラインにおける調整補正画素同士のソースラインの延伸方向についての位置を隣接するソースライン間で異ならせて分散させるように各調整補正画素の位置を設定してもよい。図9は、この場合の補正データの一例を示す説明図である。
時間分散処理部34は、空間分散処理部33から入力される補正データに基づいて、各ソースラインにおける調整補正画素の位置を、所定期間毎(例えば1フレーム毎)に変更するように設定し、この設定結果を示す補正データを加算処理部35に出力する。図1は、時間分散処理部34によって設定された補正データの一例を示す説明図である。この図に示す例では、時間分散処理部34は、調整補正画素の割合(調整補正画素同士のピッチ)を一定に保ったままで調整補正画素の位置(オフセット量)を1フレーム毎にソースラインの延伸方向に変化させている。
なお、空間分散処理部33と時間分散処理部34の順番は逆であってもよい。すなわち、復号部32から時間分散処理部34に補正データが入力され、時間分散処理部34から空間分散処理部33に補正データが入力される構成であってもよい。
加算処理部35は、表示装置20に入力される表示用画像データに、時間分散処理部34から入力される補正データを加算することにより表示用画像データを補正し、補正後の表示用画像データを第1ラッチ部36に出力する。つまり、表示用画像データにおける各画素のうち、補正データによって示される調整補正画素に対して、表示用画像データの階調値を少なくとも1階調変化させる(補正データに応じて少なくとも1階調高くするか低くする)補正処理を行う。
具体的には、上記比が1以下である輝度ムラ領域については調整補正画素の階調値を1階調変化させる一方、その他の画素については補正しない。また、上記比が1を超える輝度ムラ領域については、当該各画素の階調値を上記比の整数部分に応じた階調値だけ変化させるとともに、調整補正画素の階調値をさらに1階調変化させる。あるいは、上記比が1を超える輝度ムラ領域については、調整補正画素の階調値を上記nの値に応じた階調値だけ変化させる一方、その他の画素については補正しないようにしてもよい。
以上の手法では、表示用画像データの補正領域に含まれる調整補正画素毎の階調値の補正量と、調整補正画素以外の画素毎の階調値の補正量とを、単純に当該補正領域に含まれる各画素の輝度値に加算すれば良いので、乗算器や積算回路等を備える必要は無く回路の構成を簡単にすることができる。
第1ラッチ部36は、加算処理部35から出力された補正後の表示用画像データをクロック信号に基づいて生成されるサンプリングパルスに同期して順次サンプリングし、1ライン(1ゲートライン)分の画像データをラッチする。第2ラッチ部37は、第1ラッチ部36にラッチされた1ライン分の画像データを再ラッチする。
D/A変換部(デジタル/アナログ変換部)38は、第2ラッチ部37にラッチされた1ライン分の画像データをアナログ信号に変換し、表示パネル21の各ソースラインに所定のタイミングで出力する。
表示パネル21は、多数のゲートライン(走査信号線)と多数のソースライン(データ信号線)とを備え、これらゲートラインおよびソースラインによって区画されて成るマトリクス状の各領域にそれぞれ画素が設けられている(いずれも図示せず)。
各画素は、スイッチング用トランジスタと画素容量とからなり、画素容量は液晶容量と必要に応じて付加される補助容量とから構成されている(いずれも図示せず)。スイッチング用トランジスタは、ゲートがゲートラインに接続され、ソースがソースラインに接続され、ドレインが画素容量の一方の電極に接続されている。なお、画素容量の他方の電極は、全画素に共通の共通電極線に接続されている。
これにより、ゲートドライバ(図示せず)によってゲートラインが選択されると、選択されたゲートラインに接続されている各画素のスイッチング用トランジスタが導通し、それと同期して駆動制御部22のD/A変換部38から各ソースラインに印加された電圧が対応する画素容量に印加される。
なお、ゲートラインの選択期間が終了して、スイッチング用トランジスタが遮断されている間、画素容量は該遮断時の電圧を保持し続ける。液晶の透過率または反射率は、液晶容量に印加される電圧によって変化するので、ゲートラインを選択し、ソースラインに画像データに応じた電圧を印加することで、画素の表示状態を画像データに合わせて変化させることができる。
以上のように、本実施形態にかかる補正データ作成装置10は、表示パネル21の全画素に同一階調の検査用画像データに応じた画像を表示させてその表示画面を撮像し、撮像データから輝度データを抽出し、抽出した輝度データからスジ状の輝度ムラを抽出する。そして、表示用画像データにおける輝度ムラ領域あるいは輝度ムラ領域とその周辺領域とを含む領域である補正領域に対応するソースラインに接続された各画素のうち、輝度ムラの程度に応じた割合の画素を調整補正画素として選択し、調整補正画素に対する階調値の補正量を当該補正領域に含まれる調整補正画素以外の画素に対する階調値の補正量と異ならせるための補正データを生成して表示装置20に備えられる補正データ記憶部31に記憶させる。
そして、表示装置20は、いわゆるハーフトーン処理の手法を拡張して、表示用画像データに応じた画像を表示パネル21に表示させる際、補正データ記憶部31に記憶されている補正データに基づいて調整補正画素を選択し、選択した調整補正画素の階調値の補正量を他の画素に対する階調値の補正量と異ならせる。
このように、補正領域に含まれる画素のうち調整補正画素の補正量を他の画素の補正量と異ならせることにより、当該補正領域の全画素の輝度値を表示用画像データの1階調分に相当する輝度値未満(あるいは表示用画像データの小数部分が0でない階調値に相当する輝度値)だけ一律に補正した場合と略同様に視認させることができる。すなわち、補正領域の全画素の輝度値を擬似的に表示用画像データの1階調分に相当する輝度値未満(あるいは表示用画像データの小数部分が0でない階調値に相当する輝度値)の中間調で補正することができる。したがって、輝度ムラを精度よく補正し、輝度ムラ視認されることをより適切に防止することができる。
以上より、高精細か否かに関わらず、簡単な回路で表示装置20の輝度ムラを適切に補正することができる。
図10は、補正処理を行っていない検査用画像データに応じた画像を表示させた状態の表示パネル21を撮像した撮像データから得られた輝度データと、補正処理を施した検査用画像データに応じた画像を表示させた表示パネル21を撮像した撮像データから得られた輝度データの輝度データとを示すグラフである。なお、横軸は各ライン画素群の位置を示しており、縦軸は各ライン画素群の輝度値(上記各ライン画素群に属する画素の輝度値の平均値)を示している。これらのグラフからも明らかなように、本実施形態にかかる補正方法により、スジ状の輝度ムラが視認されないように画像データを補正することができる。
また、本実施形態では、調整補正画素の位置を1フレーム毎に変化させる。つまり、調整補正画素の位置を輝度ムラ領域内において空間的かつ時間的に分散させる。
これにより、視認される画像を、輝度ムラ領域内の全画素の輝度値を表示用画像データの1階調分に相当する輝度値未満(あるいは小数部分が0でない階調値)で一律に変化させた場合の画像により近づけることができる。したがって、輝度ムラが視認されることをより適切に防止することができる。
なお、本実施形態では、表示装置20に備えられる補正データ記憶部31に、輝度ムラ領域の位置を示す情報と、当該輝度ムラ領域に対する調整補正画素の割合(調整補正画素間隔:ピッチ情報)と、上記調整補正画素について少なくとも1階調高くするか低くするかを示す情報とを記憶させておき、表示装置20に備えられる空間分散処理部33および時間分散処理部34が、表示用画像データに応じた画像を表示させる際に、輝度ムラ領域における調整補正画素の位置を空間的かつ時間的に分散させるように決定している。これにより、補正データのデータサイズを小さくし、補正データ記憶部31に要求される記憶容量を低減することができる。
ただし、これに限らず、表示用画像データを表示させる際の調整補正画素の補正データ作成装置10において予め設定し、各調整補正画素の位置と、各調整補正画素について1階調高くするのか低くするのかを示す情報とを補正データ記憶部31に記憶させるようにしてもよい。すなわち、空間分散処理部33および時間分散処理部34を表示装置20ではなく補正データ作成装置10に備えてもよい。この場合、表示装置20の回路構成を簡略化するとともに、表示用画像データの補正処理にかかる処理速度を高速化することができる。
また、本実施形態では、ソースラインの延伸方向に平行なスジ状の輝度ムラを補正する場合について説明したが、これに限らず、ゲートラインの延伸方向に平行なスジ状の輝度ムラ(ライン状補正領域)を補正することもできる。この場合、例えば、撮像データから抽出した輝度データに基づいて各ゲートラインの延伸方向に対応するライン画素群についての輝度値の平均値を検出し、この検出結果に対してライン画素群に垂直な方向について移動平均化処理を行い、これらの処理結果に基づいて輝度ムラの検出を行えばよい。また、輝度ムラの検出結果に基づいて、輝度ムラ領域に対応するゲートラインにおける所定間隔毎の画素を調整補正画素として選択し、選択した調整補正画素の階調値を少なくとも1階調変化させるように画像データを補正すればよい。
また、本実施形態では、各輝度ムラ領域における適正輝度値に対する輝度値のずれを算出する際、ライン画素群の輝度値の移動平均値を適正輝度値とみなして上記の輝度値のずれを算出する。これにより、例えばバックライトからの照射光の輝度分布などによって表示画面上の位置に応じて適正輝度値が異なる場合であっても、各輝度ムラ領域における適正輝度値に対する輝度値のずれの程度を容易かつ適切に算出することができる。なお、例えば表示画面上の位置に応じた適正輝度値が予めわかっているような場合には、その適正輝度値に基づいて各輝度ムラ領域における輝度値のずれを算出してもよい。
〔実施形態2〕
次に、本発明の他の実施形態について説明する。実施形態1ではスジ状のムラを補正する構成について説明したが、本実施形態では局所的な斑点状のムラ(斑点状ムラ;マトリクス状補正領域)を補正する場合の構成例について説明する。
図12は、本実施形態にかかる補正データ作成装置10bの構成を示すブロック図である。この図に示すように、補正データ作成装置10bは、実施形態1における補正データ作成装置の移動平均化処理部14、輝度ムラ検出部15、および補正データ生成部16に代えて、移動平均化処理部14b、輝度ムラ検出部15b、および補正データ生成部16bを備えている。表示データ生成部11、撮像部12、輝度データ抽出部13、解像度特定部17および基準補正データ保持部18の機能は実施形態1と略同様である。
移動平均化処理部14bは、表示データ生成部11が表示パネル21の全域に同一階調(基準階調値。例えば階調値10)の画像データに対応する画像を表示させ、撮像部12がそれを撮像した撮像データから輝度データ抽出部13が抽出した輝度データに対して、各画素の輝度値を、当該各画素を中心とする所定サイズのブロック(分割領域)に含まれる各画素の輝度値の平均値に置き換える移動平均化処理を行う。なお、以下では、移動平均化処理後の各画素の輝度値を移動平均値と称する。
なお、上記所定サイズは、斑点状の輝度ムラ領域の幅よりも十分に広く、当該所定サイズ内の各位置におけるバックライトからの照射光の輝度値の差が輝度ムラ領域における輝度値の適正輝度値からのずれに対して十分に小さくなる範囲に設定することが好ましい。具体的には、携帯電話等のモバイル機器に備えられる数百画素×数百画素程度の表示パネルの場合、2mm×2mm〜10mm×10mmの範囲に設定することが好ましい。例えば、表示パネル21が、360画素×480画素である場合、上記範囲を5mm×5mmとすれば良い。なお、上記所定サイズにおける縦方向の長さと横方向の長さとは必ずしも同じでなくてもよい。
解像度特定部17は、図示しない入力装置を介してユーザ入力した表示パネル21の解像度を特定する。
本実施形態では、表示パネル21の解像度の範囲は、150ppi(pixel per inch)〜400ppiの範囲を想定しており、以下で説明する基準解像度の範囲は、150ppi〜200ppiの範囲を想定しているが、解像度の範囲は、このような範囲に限られない。
輝度ムラ検出部15bは、輝度データ抽出部13が抽出した各画素の輝度値と当該各画素についての移動平均値輝度値との差を算出し、この差の絶対値が所定の閾値以上である画素が所定数以上連続している領域を斑点状の輝度ムラとして検出する。なお、上記差が所定の基準値未満の場合には斑点状の輝度ムラは存在しないものみなし、補正データを作成しないようにしてもよい。また、上記所定数は、輝度ムラが視認されることを防止できるように表示装置のサイズや用途等に応じて適宜設定すればよい。
また、輝度ムラ検出部15bは、図13に示すように、検出した斑点状の各輝度ムラ領域を円形領域に近似しても良いし、図14に示すように、検出した斑点状の各輝度ムラ領域を矩形領域に近似しても良い。円形領域および矩形領域への近似方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の種々の方法を用いることができる。
なお、図14では、輝度ムラ領域No1〜No5までの合計5つの輝度ムラ領域が検出された例を示している。また、輝度ムラ領域No1〜No5は、検出した斑点状ムラのサイズに応じて輝度ムラ領域のサイズが異なっている。また、同図のNo1:(X1,Y1;パターンA)における(X1,Y1)は、輝度ムラ領域No1の中心の座標を示し、パターン(補正パターン情報,基準補正データ)Aは、輝度ムラ領域No1において所定の補正パターン情報のうち、輝度ムラ領域のサイズに応じたパターンAが選択されていることを示している。同図に示すパターン(補正パターン情報,基準補正データ)A〜Cについては後述する。
なお、斑点状ムラのサイズは、通常、パネルの精細度によらず、ほぼ一定であり、例えば1.5mm〜3.0mm程度である。よって、輝度ムラ領域No1〜No5のサイズもほぼ、1.5mm〜3.0mm程度となる。
補正データ生成部16bは、輝度ムラ検出部15bの検出結果に基づいて、斑点状の輝度ムラを視認されにくくするための補正データを生成し、生成した補正データに圧縮処理を施して表示装置20bに備えられる駆動制御部22bに出力する。
ここで、補正データ生成部16は、予め特定の基準解像度(150ppi〜200ppi)の表示パネル(表示画面)に対する補正データを、所定のアルゴリズム(以下、基準補正データ生成アルゴリズムという)で生成し、当該補正データを基準補正データとして、上述した基準補正データ保持部18に記録しているものとする。なお、本実施形態では、表示パネル21の解像度は、基準解像度のn×n(nは、2以上の整数)倍であるとし、表示パネル21の解像度が基準解像度よりも高い(高精細)場合について説明するが、逆に、表示パネル21の解像度が、基準解像度よりも低い(低精細)場合を排除する趣旨ではない。
次に、表示パネル21の解像度が、基準解像度の場合には、補正データ生成部16は、基準補正データ保持部18に記録されている基準補正データを読み出して、そのまま補正データとする。
一方、表示パネル21の解像度が、基準解像度と異なる解像度の場合には、所定のアルゴリズム(以下、補正データ生成アルゴリズムという)で改めて補正データを生成する。
但し、このとき補正データ生成アルゴリズムで生成される補正データには、基準補正データの他、当該基準補正データから所定解像度の表示パネル21に対する補正データを生成するための補正データ拡張用情報が含まれている。
ここで、「補正データ拡張用情報」は、補正率を固定して、基準補正データから所定解像度の表示パネル21に対する補正データを生成するための情報である。なお、「補正率」は、基準解像度の表示パネルに検査用画像データに応じた画像を表示させた際の輝度値と当該検査用画像データに対応する適正輝度値との差分である輝度差の、基準解像度の表示パネルに表示用画像データに応じた画像を表示する際の1階調に相当する輝度値に対する比の大きさに応じて算出される、補正領域に含まれる画素の数に対する、当該補正領域に含まれる画素の中から少なくとも階調値を変化させるために選択すべき調整補正画素の数の割合である。また、「補正領域」は、検査用画像データに対応する適正輝度値と異なる輝度値の画像が表示される領域である輝度ムラ領域のうちの少なくとも一部の輝度ムラ領域、または当該一部の輝度ムラ領域とその周辺領域を含む領域である。
より具体的には、「補正データ拡張用情報」としては、所定解像度の表示パネル21に対する補正領域に含まれる各画素をn×n画素単位で纏めて1つの単位画素として基準補正データを適用する(各調整補正画素の数および調整補正画素でない各画素の数をモザイク的にn×n倍増加させる)アルゴリズムを実行するソフトウェアを例示することができる。このソフトウェアは、基準補正データ保持部18に予め記録されているものとする(図20の(a)および(b)参照)。なお、その他の補正データ生成アルゴリズムについては、後述する。
また、より具体的には、補正データ生成部16bは、輝度ムラ検出部15bによって輝度ムラとして抽出された円形に近似された領域または矩形に近似された領域について、当該領域内の各画素の平均輝度と、当該領域内の輝度ムラが生じていない適正輝度値(例えば各画素の移動平均値)との差を算出する。なお、後に説明する補正データ記憶部31bに記憶させる容量を少なくするために、以下では、主として斑点状の輝度ムラ領域を円形に近似し、さらに、近似した領域について同一補正強度で補正を行う場合について説明するが、このような補正方法に限られない。なお、斑点状の輝度ムラ領域を矩形に近似し、さらに、近似した領域について特定の補正パターン情報を用いて補正を行う場合については、後ほど詳細に説明する。また、以下の説明では、上記差がe(e>0)である場合(明るい輝度ムラが生じている場合)、およびf(f<0)である場合(暗い輝度ムラが生じている場合)について説明する。
また、補正データ生成部16bは、表示データ生成部11が表示パネル21の全域に基準階調値よりも1階調高い画像データに対応する画像を表示させ、撮像部12がそれを撮像した撮像データから輝度データ抽出部13が抽出した輝度データに基づいて、基準階調値よりも1階調高い画像データに対する適正輝度値と基準階調値の画像データに対する適正輝度値との差Aを算出する。また、補正データ生成部16bは、表示データ生成部11が表示パネル21の全域に基準階調値よりも1階調低い画像データに対応する画像を表示させ、撮像部12がそれを撮像した撮像データから輝度データ抽出部13が抽出した輝度データに基づいて、基準階調値の画像データに対する適正輝度値と基準階調値よりも1階調低い画像データに対する適輝度値との差Bを算出する。
そして、明るい輝度ムラが生じている各領域ついて、上記eの絶対値|e|と上記Bとの比|e|/Bを算出する。そして、上記比|e|/Bが1以下の場合、この輝度ムラを補正するために画像データの階調値を1階調低くするように補正する調整補正画素の数を、上記各領域に含まれる画素の上記比|e|/Bに応じた割合に設定する。例えば、上記比|e|/Bの値が1/3である領域については、その領域に含まれる画素のうち3画素に1つの画素を1階調低くするように補正データを生成する。
同様に、暗い輝度ムラが生じている各領域について、上記fの絶対値|f|と上記Aとの比|f|/Aを算出する。そして、上記比|f|/Aが1以下の場合、この輝度ムラを補正するために画像データの階調値を1階調高くするように補正する調整補正画素の数を、上記各領域に含まれる画素の上記比|f|/Aに応じた割合に設定する。例えば、上記比|f|/Aの値が1/3である領域については、その領域に含まれる画素のうち3画素に1つの画素を1階調高くするように補正データを生成する。
なお、上記比(|e|/B、|f|/Aなど)が1を超える場合、実施形態1と同様、その比に対応する領域における各画素を上記比の整数部分に応じた階調値だけ補正し、上記比の小数部分に応じた割合の画素(調整補正画素)に対する表示用画像データをさらに1階調補正するための補正データを生成する。あるいは、上記比(|e|/B、|f|/Aなど)が1を超える場合、上記比を除算した場合の除算結果が1以下となる2以上の数nで上記比を除算し、この除算結果に応じた割合の画素に対する表示用画像データをn階調高くするための補正データを作成するようにしてもよい。
また、上記比A/|e|または上記比B/|f|の大きさに応じて、各ブロックの輝度ムラの程度(適正輝度値に対する輝度値のずれの程度。補正強度。)が予め設定された複数のグループ(例えば図16に示す補正強度1〜8の8つのグループ)のうちのいずれのグループに属するかを判断し、この判断結果と各グループに対して予め設定された値とに基づいて調整補正画素の割合を設定するようにしてもよい。あるいは、グループの分類結果を示す情報を上記割合に代えて補正データに含めるようにしてもよい。
なお、上記の説明では、補正データ生成部16bが、検出された輝度ムラ領域内の画素のみを補正対象としているが、これに限らず、輝度ムラ領域とその周辺領域(例えば輝度ムラ領域から数画素あるいは数mm程度の範囲)とを含む領域の画素を補正対象としてもよい。すなわち、輝度ムラ領域を補正領域としてもよく、輝度ムラ領域とその周辺領域とを含む領域を補正領域としてもよい。このように、周辺領域を補正領域に含めることにより、輝度ムラ領域の輪郭をぼかして輝度ムラ領域をより視認されにくくすることができる。
また、必ずしも検出された全ての輝度ムラ領域を補正する必要はなく、検出された輝度ムラ領域のうちの一部の輝度ムラ領域のみを補正するようにしてもよい。例えば、輝度ムラ領域のサイズや適正輝度値からのずれの程度などに応じて視認されやすい輝度ムラ領域のみを抽出して補正するようにしてもよい。
また、補正データ生成部16bは、上記の補正データの作成を、R,G,Bの各副画素についてそれぞれ算出する。
なお、R,G,Bのうちの1色(例えばG)についての補正データを生成し、それを他の色について共用してもよい。斑点状の輝度ムラは所定範囲の領域内において連続的に発生する場合が多いので、R,G,Bのうちの1色について生成した補正データを、両隣の他の色の副画素に適用しても、R,G,Bの各色についてそれぞれ補正データを生成する場合と比較して画質の程度はほとんど変わらない。また、R,G,Bの各色について共通の補正データを用いることにより、これら各色について個別の補正データを生成する場合に比べて、後述する表示装置20bに備えられる補正データを格納するための補正データ記憶部31bに要求される記憶容量を低減できる。
なお、本実施形態では、補正データ生成部16bが、斑点状の輝度ムラが生じている各輝度ムラ領域を当該輝度ムラ領域のサイズに応じた円形領域または矩形領域に近似し、当該各円形領域または各矩形領域の中心座標(あるいは中心座標に対応する画素)および半径またはサイズと、当該各円形領域または各矩形領域についての調整補正画素の割合と、上記調整補正画素について1階調高くするか低くするかを示す情報とを含む補正データを生成する。なお、上記比が1を超える輝度ムラがある場合には、これらの情報に加えて当該輝度ムラに対応する領域に含まれる各画素に対する階調値の補正量(調整補正画素以外の画素に対する補正量)が含まれる。あるいは、上記比が1を超える輝度ムラがある場合には、上記調整補正画素について1階調高くするか低くするかを示す情報に代えて、上記調整補正画素の階調値の補正量(上述したnの値)、および当該調整補正画素の階調値を高くするか低くするかを示す情報とを含めてもよい。
その後、補正データ生成部16bは、生成した補正データに圧縮処理を施し、圧縮処理後の補正データを表示装置20bの駆動制御部22bに出力する。なお、圧縮処理の方法および圧縮後の補正データのサイズは特に限定されるものではなく、表示装置20bに備えられる補正データ記憶部31bの記憶容量などに応じて適宜設定すればよい。
基準補正データ保持部18には、基準解像度、基準補正データ、補正データ拡張用情報、基準補正データ生成アルゴリズムを実行するソフトウェア、補正データ生成アルゴリズムを実行するソフトウェア(補正データ拡張用情報)等が予め記録される。
なお、基準補正データ保持部18は、容量に余裕がある場合には、基準補正データから特定の解像度を有する表示パネルに対する新たな補正データを生成した場合、解像度毎に新たな補正データを記録しても良い。すなわち、このようにして新たに生成された補正データは、新たな基準補正データとして記録する。
次に、図20(a)〜(d)に基づき、補正データ生成部16が、基準補正データから補正データを生成する補正データ生成アルゴリズムについて説明する。
本発明では、表示ムラを視認するのは人間の目であり、精細度にかかわらず、共通の補正パターンを適用することが原理的に可能であるという観点に基づき、精細度の異なるパネルに対して共通の基準補正データを用いた補正データ生成アルゴリズムを適用する。これにより、精細度に応じて補正データの適用パターンをわずかに変更するだけで、様々な用途のパネルに幅広く適用することが可能となる。
ここで、図20の(a)および(b)に基づき、斑点状ムラを補正するための基準補正データから補正データを生成するアルゴリズムの一例について説明する。
図20の(a)に示す基準補正データから、図20(b)に示す補正データを生成するアルゴリズムでは、基準解像度の2倍の解像度の表示パネル21に対する補正領域に含まれる各画素を4画素単位で纏めて1つの単位画素として基準補正データを適用すれば良い。
これにより実質的に各調整補正画素(黒丸の画素)の数および調整補正画素でない各画素(白丸の画素)の数をモザイク的に4倍増加させることができるので、簡単に、2倍の解像度の表示パネル21に対する補正データを作成することができる。なお、このアルゴリズムは、後述する図16〜19に示す輝度ムラ補正方法に適している。
このアルゴリズムでは、n×n画素のそれぞれの位置情報を、1つの位置情報で代表させることができるので、補正データの情報量を大幅に削減することができる。
次に、図20の(c)および(d)に基づき、斑点状ムラを補正するための基準補正データの他の一例について説明する。本実施形態では、基準解像度が、176ppiであり、矩形領域のサイズが、1.5mm×1.5mmであり、全画素数が16×16画素程度となる場合について説明するが、矩形領域のサイズは、斑点状ムラのサイズに合わせて約1.5mm×1.5mm〜約3.0mm×3.0mmの範囲の任意のサイズに設定することが可能である。
ここで、矩形領域を4×4個の分割領域に分割すれば、各分割領域に含まれる画素の数は、4×4画素程度となる。また、この分割領域に含まれる調整補正画素の数を、補正強度と呼ぶ。
図20の(c)は、このような分割領域に対応する補正パターン情報の例であり、整補正画素の数が2つのときを「強度1」は、整補正画素の数が4つのときを「強度2」、整補正画素の数が6つのときを「強度3」、整補正画素の数が8つのときを「強度4」とし、補正強度を4段階に分類している。しかしながら、補正強度の分類は、4段階に限られず、必要に応じて5段階以上に分類しても良い。但し、プラス補正か、マイナス補正かにより、全部で8種類の補正パターン情報が存在することになる。
なお、補正データの情報量を節約するために、各分割領域に対応する補正パターン情報における調整補正画素の配置に関する情報を省略し、補正強度を示す情報のみを記録し、補正強度を示す情報から対応する補正パターン情報を呼び出すようにしても良い。
このような補正パターン情報を設定するのは、表示パネルによってムラの濃さが異なり、ムラの程度に合わせて表示パネル毎に補正強度を設定する必要があるからである。
なお、図20の(c)に示す各補正パターン情報では、調整補正画素が空間的に分散配置されているが、このような補正パターン情報は、0〜15までの数字がマトリクス状に分散配列されたディザマトリクスを用いて簡単に生成することができる。具体的には、「強度n(nは自然数)」であれば、ディザマトリクスの中から数字「n」とディザマトリクスの中の数値を比較しディザマトリクスの中のn以下の数値の位置にある画素を調整補正画素とすればよい。なお、R、G、B毎に異なるディザマトリクスを用意しても良い。
次に、図20の(d)は、1.5mm×1.5mmの矩形領域に含まれる各分割領域に、補正パターン情報を適用した補正マトリクス(補正パターン情報)の例である。
なお、図20の(d)に示す各補正マトリクスでは、補正マトリクスの中心に近いほど、補正強度の大きい補正パターン情報を適用している。また、パターン(基準補正データ,補正パターン情報)A〜Dの順に補正マトリクスのサイズが大きくなっている。
本実施形態では、不揮発性メモリ容量削減のため、補正マトリクスは、大きさ、プラス補正か、マイナス補正かにより、図20の(d)に示すパターンA〜Dの8種類程度を用いている。このとき、補正データのデータ形式は、図14に示すように(矩形領域の位置座標;補正マトリクスの種類を示す情報)=(X1,Y1;パターンA)、(X2,Y2;パターンA)・・・となる。
次に、図21の(a)および(c)に基づき、斑点状ムラを補正するための基準補正データから補正データを生成するアルゴリズムの他の一例について説明する。
まず、図21の(a)に示すパターン(基準補正データ)Aから、図21の(b)に示すパターン(補正データ)A−1を生成するアルゴリズムでは、基準解像度の2倍の解像度の表示パネル21に対する補正領域に含まれる各分割領域を4つ単位で纏めて1つの単位分割領域としてパターンAを適用し、各単位分割領域に含まれる4つの分割領域について補正強度が同一の補正パターン情報を適用すれば良い。
次に、図21の(c)に基づき、パターンA−1のデータの削減方法について説明する。図21の(c)に示すように、パターンA−1に含まれる各分割領域を4つづつに纏めたときに、補正パターン情報が同一である4つの分割領域のうち、「左上」に位置する補正パターン情報のみを残し、「左下」、「右上」および「右下」位置する補正パターン情報を削除する。こうして補正データ生成の際に、4つの分割領域のうち、「左上」に位置する補正パターン情報に基づき、「左下」、「右上」および「右下」に位置する分割領域の補正パターン情報として「左上」に位置する補正パターン情報と同一の補正パターン情報を適用するようにすれば良い。
ここで、パターンAでは、分割領域毎に16個の補正パターン情報が存在し、パターンA−1では、分割領域毎に64個の補正パターン情報が存在する。
しかしながら、パターンA−1のデータを削減したパターン(補正データ拡張用情報,基準補正データ)A−2を用いれば、16個の補正パターン情報を記録しておけば良い。よって、これにより、大幅に補正データの情報量を削減することができる。
また、このアルゴリズムでは、同一の補正パターン情報を有する分割領域の数をモザイク的に増加させることで、簡単に高解像度の表示パネル21に対する補正データを生成することができる。よって、直接高解像度の表示パネル21に対する補正データを生成する場合と比較して、高解像度の補正データを生成するための情報量を全体として大幅に低減させることができる。
次に、図15は、表示装置20bに備えられる駆動制御部22bの構成を示すブロック図である。この図に示すように、駆動制御部22bは、補正データ記憶部31b、復号部(補正データ生成部)32b、空間分散処理部(補正データ生成部)33b、時間分散処理部(補正データ生成部)34b、加算処理部(画像データ補正部)35、第1ラッチ部36、第2ラッチ部37、およびD/A変換部38を備えている。
また、駆動制御部22bは、補正データに含まれている調整補正画素の割合(あるいは輝度ムラの程度に応じたグループの分類結果)に応じた、上記ブロック内における調整補正画素の位置を示すパターンを予め記憶した補正パターン記憶部(図示せず)を備えている。図16(a)は、輝度ムラの程度を補正強度1〜8の8つのグループに分類する場合の上記ブロック内における調整補正画素の配置パターン(補正パターン情報)の一例を示している(図中の黒丸が調整補正画素を示している)。
補正データ記憶部31bは、表示装置20bの製造時に補正データ作成装置10bから入力される補正データを記憶する不揮発性のメモリである。なお、本実施形態では、補正データ記憶部31bに、補正データ作成装置10bによって圧縮処理が施された補正データを格納するようになっている。
ところで、上述した補正データを用いて表示用画像データを補正する手法では、表示パネル21の解像度が、高精細になればなる程、画素数が著しく増えるため、輝度ムラを補正するための補正データの情報量が著しく増大してしまい、当該補正データの情報量が不揮発性メモリの容量を超えてしまうという副次的な問題点が生じる。
そこで、このような副次的な問題点を解決するために、補正データ記憶部31bは、基準解像度の表示パネルについて予め定めた補正データである基準補正データ、および当該基準補正データから所定解像度の表示パネル21に対する補正データを生成するための補正データ拡張用情報が記憶される。
これにより、基準解像度の表示パネルと異なる解像度を有する表示パネル21であっても、基準解像度の表示パネルに対する基準補正データから、所定解像度の表示パネル21に対する補正データを生成することができる。
また、予め基準解像度の表示パネルについて基準補正データを生成しておけば、表示パネル21の解像度に関わらず(すなわち、高精細か否かに関わらず)補正データを生成することができるので、解像度の異なる表示画面毎に、補正データを生成するためのアルゴリズムを作成する必要が無くなる。
また、例えば、基準解像度に対して所定解像度が高い場合、情報量の少ない基準補正データを用いて高い解像度の表示パネル21に対する補正データを生成することができる。
さらに、上述した手法では、基準補正データの他に、補正データ拡張用情報が必要となるが、その情報量は、基準補正データから補正データを生成するアルゴリズムを工夫することにより、高解像度の表示パネル21に対する補正データを直接生成する場合と比較して大幅に低減させることが可能である。
復号部32bは、表示装置20bにおいて画像データに応じた画像を表示パネル21に表示させる際、補正データ記憶部31bに記憶されている補正データを読み出し、この補正データを復号して空間分散処理部33bに出力する。なお、補正データ記憶部31bの記憶容量に余裕がある場合は、補正データ生成部16bが補正データを圧縮せずに補正データ記憶部31bに記憶させるようにしてもよく、その場合、復号部32bを省略してもよい。
空間分散処理部33bは、復号部32bから入力された補正データに基づいて、各輝度ムラ領域における調整補正画素の位置を設定し、この設定結果を示す補正データを時間分散処理部34bに出力する。
具体的には、空間分散処理部33bは、復号部32bから入力された補正データから調整補正画素の割合(あるいは輝度ムラの程度に応じたグループの分類結果)を検出し、この検出結果に対応する補正位置のパターンを補正パターン記憶部から抽出することで調整補正画素を決定する。
図17(a)および図17(b)は、復号部32bから入力された補正データ(半径またはサイズ、調整補正画素の割合などの情報)に基づいて、空間分散処理部33bが決定した調整補正画素の配置パターンの一例を示す説明図である。具体的には、図17(a)は輝度ムラ領域に対応する円形領域の半径が6(6画素)、この輝度ムラ領域が補正強度3のグループに分類される場合の例を示している。また、図17(b)は、輝度ムラ領域に対応する円形領域の半径が9(9画素)、この輝度ムラ領域が補正強度4のグループに分類される場合の例を示している。
なお、図16(a)および図16(b)に示したように、調整補正画素の各割合(あるいは輝度ムラの程度に応じた各グループ)に対して、複数の調整補正画素の配置パターンを予め設定しておき、隣接するブロックにおいて異なる配置パターンを適用することにより、調整補正画素同士が隣り合わないようにしてもよい。
なお、上記の説明では補正パターン情報を補正パターン記憶部に予め記憶させておくものとしたが、これに限らず、例えばブロック内における調整補正画素の割合(あるいは輝度ムラの程度に応じたグループの分類結果)をパラメータとする所定の演算式に基づいて調整補正画素の位置を算出するようにしてもよい。
また、上記の説明では、R,G,Bの各副画素について共通の配置パターンを用いて調整補正画素の位置を決定するものとしているが、これに限らず、色毎に配置パターンを設定するようにしてもよい。例えば、図18に示すように、輝度ムラの程度に応じた各グループ(あるいは調整補正画素の割合)に対して、Gの副画素に対する補正パターンと,RおよびBの副画素に対する補正パターンとを設定しておき、これら両補正パターンを用いて補正対象の各副画素を選択するようにしてもよい。あるいは、これら両補正パターンを交互に用いるようにしてもよい。
時間分散処理部34bは、空間分散処理部33bから入力される補正データに基づいて、上記の各ブロックにおける調整補正画素の位置を、所定期間毎(本実施形態では1フレーム毎)に変更するように設定し、この設定結果を示す補正データを加算処理部35に出力する。
加算処理部35は、表示装置20bに入力される表示用画像データに、時間分散処理部34bから入力される補正データを加算することにより表示用画像データを補正し、補正後の表示用画像データを第1ラッチ部36に出力する。つまり、表示用画像データにおける各画素のうち、補正データによって示される調整補正画素に対して、表示用画像データの階調値を少なくとも1階調変化させる(補正データに応じて少なくとも1階調高くするか低くする)補正処理を行う。
具体的には、上記比が1以下である輝度ムラ領域については調整補正画素の階調値を1階調変化させる一方、その他の画素については補正しない。また、上記比が1を超える輝度ムラ領域については、当該各画素の階調値を上記比の整数部分に応じた階調値だけ変化させるとともに、調整補正画素の階調値をさらに1階調変化させる。あるいは、上記比が1を超える輝度ムラ領域については、調整補正画素の階調値を上記nの値に応じた階調値だけ変化させる一方、その他の画素については補正しないようにしてもよい。
以上の手法では、表示用画像データの補正領域に含まれる調整補正画素毎の階調値の補正量と、調整補正画素以外の画素毎の階調値の補正量とを、単純に当該補正領域に含まれる各画素の輝度値に加算すれば良いので、乗算器や積算回路等を備える必要は無く回路の構成を簡単にすることができる。
次に、図16(a)および図16(b)に示したように、補正データに含まれている調整補正画素の各割合(あるいは輝度ムラの程度に応じた各グループ)に対して複数の調整補正画素の配置パターンを予め設定しておき、フレーム毎に適用する配置パターンを切り替えてもよい。あるいは、図19に示すように、配置パターンの適用位置をフレーム毎にずらすことにより、調整補正画素の位置を1フレーム毎に変更するようにしてもよい。
なお、空間分散処理部33bと時間分散処理部34bの順番は逆であってもよい。すなわち、復号部32bから時間分散処理部34bに補正データが入力され、時間分散処理部34bから空間分散処理部33bに補正データが入力される構成であってもよい。
第1ラッチ部36、第2ラッチ部37、およびD/A変換部38の機能は実施形態1と略同様である。
以上のように、本実施形態にかかる補正データ作成装置10bは、表示パネル21の全画素に同一階調の検査用画像データに応じた画像を表示させてその表示画面を撮像し、撮像データから輝度データを抽出し、抽出した輝度データから斑点状の輝度ムラを抽出する。そして、表示用画像データにおける輝度ムラ領域あるいは輝度ムラ領域とその周辺領域とを含む領域である補正領域に含まれる画素のうち、輝度ムラの程度に応じた割合の画素を調整補正画素として選択し、調整補正画素に対する階調値の補正量を当該補正領域に含まれる調整補正画素以外の画素に対する階調値の補正量と異ならせるための補正データを生成して表示装置20bに備えられる補正データ記憶部31bに記憶させる。
そして、表示装置20bは、いわゆるハーフトーン処理の手法を拡張して、画像データに応じた画像を表示パネル21に表示させる際、補正データ記憶部31bに記憶されている補正データに基づいて補正領域に含まれる画素のうち上記割合に応じた数の画素を調整補正画素として選択し、選択した調整補正画素の階調値の補正量を他の画素に対する階調値の補正量と異ならせる。
このように、補正領域に含まれる画素のうち、調整補正画素の補正量を他の画素の補正量と異ならせることにより、当該補正領域の全画素の輝度値を表示用画像データの1階調分に相当する輝度値未満(あるいは表示用画像データの小数部分が0でない階調値に相当する輝度値)だけ一律に補正した場合と略同様に視認させることができる。すなわち、補正領域の全画素の輝度値を擬似的に表示用画像データの1階調分に相当する輝度値未満(あるいは表示用画像データの小数部分が0でない階調値に相当する輝度値)の中間調で補正することができる。したがって、輝度ムラを精度よく補正し、輝度ムラ視認されることをより適切に防止することができる。
以上より、高精細か否かに関わらず、簡単な回路で表示装置20の輝度ムラを適切に補正することができる。
また、本実施形態では、各輝度ムラ領域における調整補正画素の位置を所定期間毎(フレーム毎)に変化させる。つまり、調整補正画素を輝度ムラ領域内において空間的かつ時間的に分散させる。
これにより、視認される画像を、当該輝度ムラ領域の全画素の輝度値を画像データの1階調分に相当する輝度値未満で一律に変化させた場合の画像により近づけることができる。したがって、輝度ムラが視認されることをより適切に防止することができる。
また、本実施形態では、斑点状の輝度ムラが生じる領域を円形領域または矩形領域に近似し、この円形領域または矩形領域の中心座標と半径またはサイズとを輝度ムラ領域の位置を示す情報として補正データに含める。これにより、補正データには、各輝度ムラ領域の中心座標、半径またはサイズ、各輝度ムラ領域における調整補正画素数の割合(あるいは輝度ムラの程度に応じて分類されたグループを示す情報)、および調整補正画素の階調値を1階調高くするのか低くするのかを示す情報の4つのパラメータを含めるだけでよいので、補正データのデータ量を低減して表示装置20bに備えられる補正データ記憶部31bに要求される記憶容量を低減することができる。
なお、補正領域を円形領域または矩形領域に近似する構成に限らず、例えば多角形に近似してもよい。その場合、補正領域の位置および範囲を示す情報として、例えば、上記多角形の各頂点の位置を補正データに含めるようにしてもよく、上記多角形が正多角形である場合には当該多角形の外接円または内接円の中心位置および半径を補正データに含めるようにしてもよい。
また、調整補正画素の位置を空間的かつ時間的に分散させるためのデータを補正データ作成装置10bにおいて予め作成し、このデータを補正データ記憶部31bに記憶させるようにしてもよい。すなわち、空間分散処理部33bおよび時間分散処理部34bを表示装置20bではなく補正データ作成装置10bに備えてもよい。この場合、表示装置20bの回路構成および画像データの補正処理を簡略化するとともに、処理速度を高速化することができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。実施形態1ではスジ状の輝度ムラを補正する構成について説明し、実施形態2では斑点状の輝度ムラを補正する構成について説明したが、本実施形態ではスジ状の輝度ムラおよび斑点状の輝度ムラの両方を補正する場合の構成例について説明する。
図22は、本実施形態にかかる補正データ作成装置10cの構成を示すブロック図である。この図に示すように、補正データ作成装置10cは、実施形態1における補正データ作成装置10の構成に加えて、移動平均化処理部14b、輝度ムラ検出部15b、および補正データ生成部16bを備えている。そして、これにより、補正データ生成部16がスジ状の輝度ムラを補正するための補正データを生成して表示装置20cの駆動制御部22cに出力し、補正データ生成部16bが斑点状の輝度ムラを補正するための補正データを生成して表示装置20cの駆動制御部22cに出力するようになっている。これら各補正データの生成方法は実施形態1,2と同様である。
図23は、本実施形態にかかる表示装置20cに備えられる駆動制御部22cの構成を示すブロック図である。この図に示すように、駆動制御部22cは、実施形態1における駆動制御部22に加えて、補正データ記憶部31b、復号部32b、空間分散処理部33b、および時間分散処理部34bを備えている。なお、補正データ記憶部31、復号部32、空間分散処理部33、および時間分散処理部34によってスジ状の輝度ムラを補正するための第1補正部が構成され、補正データ記憶部31b、復号部32b、空間分散処理部33b、および時間分散処理部34bによって斑点状の輝度ムラを補正するための第2補正部が構成されている。
そして、加算処理部35は、時間分散処理部34から入力されるスジ状の輝度ムラを補正するための補正データと、時間分散処理部34bから入力される斑点状の輝度ムラを補正するための補正データとに基づいて画像データを補正する。
なお、スジ状の輝度ムラを補正するための補正データおよび斑点状の輝度ムラを補正するための補正データの両方において調整補正画素として選択されている画素については、階調値の最大補正量を1階調に設定してもよく、2階調に設定してもよい。例えば、明るいスジ状の輝度ムラ領域かつ明るい斑点状の輝度ムラ領域に該当する領域の調整補正画素の場合、当該調整補正画素の階調値を2階調低くするようにしてもよく、1階調だけ低くするようにしてもよい。
本実施形態では、上記の構成により、スジ状の輝度ムラと斑点状の輝度ムラの両方について、輝度ムラとして視認されにくいように補正することができる。
また、本実施形態では、スジ状の輝度ムラを補正するための処理部(補正データ記憶部31、復号部32、空間分散処理部33、および時間分散処理部34)と、斑点状の輝度ムラを補正するための処理部(補正データ記憶部31b、復号部32b、空間分散処理部33b、および時間分散処理部34b)とを別々に設けている。これにより、例えば、スジ状の輝度ムラを補正するための補正データの圧縮方法と、斑点状の輝度ムラを補正するための補正データの圧縮方法とが異なる場合であっても、これら両補正データに基づく補正処理を効率よく行うことができる。
(各補正データ作成装置の動作)
次に、上記各実施形態で説明した補正データ作成装置10,10b,10cの動作フローの一例(補正データ生成/記録プロセス)について、図24に示すフローチャートに基づき説明する。
なお、ここで説明する動作フローは、補正データ作成装置10,10b,10cでほぼ共通の動作なので、ここでは、図2に示す補正データ作成装置10についてのみ説明する。
まず、図2に示す表示データ生成部11は、表示パネル21における輝度ムラの有無の検査を行う際に、この表示パネルに表示させる表示データ(検査用画像データ)を生成し、表示パネル21の駆動制御部22に出力する。
次に、撮像部12は、表示データ生成部11によって生成された検査用画像データに応じた画像が表示されている表示パネル21の表示面を撮像して撮像データを取得する。
続いて、輝度データ抽出部13は、撮像部12の取得した撮像データから輝度データを抽出する。
次に、移動平均化処理部14は、輝度データ抽出部13の抽出した輝度データにおける表示パネル21のソースラインに対応する領域(あるいはソースラインの延伸方向に平行な所定幅の領域)の画素の集合であるライン画素群について、当該ライン画素群に含まれる各画素の輝度の平均値を当該ライン画素群の輝度値として算出する。また、移動平均化処理部14は、上記各ライン画素群の輝度値を、そのライン画素群を含む所定範囲の周辺領域(例えば当該ライン画素群を中心とする当該ライン画素群の延伸方向に垂直な方向の3mmの幅の領域)に含まれる各画素の輝度値で平均化した移動平均化データを算出する移動平均化処理を行う。
続いて、輝度ムラ検出部15は、輝度データ抽出部13が撮像データから抽出した各ライン画素群の輝度値と、その移動平均値とに基づいて輝度ムラが生じている領域を検出する。
具体的には、輝度ムラ検出部15は、輝度データ抽出部13が撮像データから抽出した輝度データにおける各ライン画素群の輝度値と、その移動平均値との差を算出し、算出した差の絶対値が所定の閾値以上であるライン画素群の集合からなる領域を輝度ムラとして検出してステップS(以下「ステップ」を省略する)101に進む。
S101では、解像度特定部17は、図示しない入力装置を介してユーザが入力した入力情報から表示パネル21の解像度および補正データ記憶部(不揮発性メモリ)31の記録容量を特定して、解像度を示す情報及び記録容量を示す情報を基準補正データ保持部18に記録してS102に進む。
S102では、補正データ生成部16が、基準補正データ保持部18に記録された解像度を示す情報を読出し、表示パネル21の解像度が、予め記録されている基準解像度と同一か否かを判別する。
このとき、表示パネル21の解像度が基準解像度と同一であれば、S103に進み、表示パネル21の解像度が基準解像度と異なっていれば、S104に進む。
S103では、補正データ生成部16が、基準補正データ保持部18に予め記録されている基準補正データを読出し、読み出した基準補正データをそのまま補正データとしてS105に進む。
一方、S104では、補正データ生成部16が、基準補正データ保持部18に予め記録されている基準解像度の補正データから基準解像度と異なる解像度の補正データを生成する補正データ生成アルゴリズムを実行するソフトウェアを起動し、当該補正データ生成アルゴリズムを適用して補正データを生成してS105に進む。なおこのときの補正データには、基準補正データおよび補正データ拡張用情報が含まれる。
S105では、補正データ生成部16が、生成した補正データの全情報量を算出し、基準補正データ保持部18に記録された補正データ記憶部31の記録容量と比較して、補正データの全情報量が、補正データ記憶部31の記録容量以下であれば、S107に進み、一方、補正データの全情報量が、補正データ記憶部31の記録容量を超えていれば、S106に進む。
S106では、補正データ生成部16が、画像データの2×2画素を1画素としてS102に進む。
S107では、補正データ生成部16が、生成した補正データを表示装置20に送り、補正データ記憶部31に記録させる。
(高階調表示への適用)
なお、表示ムラを視認するのは人間の目であり、階調にかかわらず、共通の補正パターンを適用することが可能という観点に基づき、階調の異なる表示パネルに対して共通の補正アルゴリズムを適用しても良い。ここで、これまでの表示パネルは、6ビット階調であり、今後使用を予定している表示パネルは、8ビット階調であるとする。なお、これまでの表示パネルの中でもテキスト表示を6ビット階調表示し、映像表示を8ビット階調表示するというように、コンテンツに応じて階調を切り替える表示パネルもある。
例えば、6ビット階調の特定の画素の階調値の映像信号が、「110110 (54)」であるときに、補正信号「000001 (+1)」で補正した場合、表示信号は、「110111 (55)」となる。一方、この補正アルゴリズムを8ビット階調の特定の画素の階調値に適用する手法としては、6ビット階調信号の2進数表示の終わりの桁の末尾に「00」を追加する方法が考えられる。
このとき、例えば、映像信号は、「11011000 (216)」となり、補正信号は、「00000100 ( +4)」とする。また、このときの表示信号は、「11011100 (220)」となる。
このように、階調に応じて補正の適用パターンをわずかに変更するだけで、様々な表示モード(用途)のパネルへ幅広く適用することが原理的に可能である。
なお、上記各実施形態では、補正データ作成装置10,10b,10cが表示装置20,20b,20cとは別に備えられているものとしたが、これに限るものではなく、補正データ作成装置10,10b,10cの一部または全部が表示装置20,20b,20cに備えられている構成としてもよい。補正データ作成装置10,10b,10cのうち、撮像部12を除く各部を表示装置20,20b,20cに設け、撮像部12によって表示パネル21の表示画面を撮像して取得した撮像データを表示装置20,20b,20c内に設けられた補正データ作成装置10,10b,10cに入力するようにしてもよい。
また、上記各実施形態において、補正データ作成装置10,10b,10cあるいは駆動制御部22,22b,22cに備えられる各部(各ブロック)を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、これら各ブロックは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである上記各ブロックの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、補正データ作成装置10,10b,10cあるいは駆動制御部22,22b,22cに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU:micro processing unit)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO(magneto-optic)/MD(magnetic disk)/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM(Erasable Programmable ROM)/EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
また、補正データ作成装置10,10b,10cあるいは駆動制御部22,22b,22cを通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(cable television service)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB(universal serial bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
また、本発明は、コンピュータ読取可能媒体内に符号化されたコンピュータプログラムであって、補正データ作成装置10,10b,10cあるいは駆動制御部22,22b,22cが、上記読取可能媒体を備え、コンピュータによって実行されるときに、補正データ作成装置10,10b,10cあるいは駆動制御部22,22b,22cにおける上記各構成の機能を実現するコンピュータプログラムとして実現することもできる。
また、補正データ作成装置10,10b,10cあるいは駆動制御部22,22b,22cの各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
また、上記の各実施形態では、本発明を液晶表示装置に適用する場合について説明したが、本発明の適用対象はこれに限るものではなく、例えばプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、表面伝導型電子放出素子(SED:Surface-conduction Electron-emitter Display)等の表示装置にも適用できる。
また、本発明は、以下のように表現することもできる。
すなわち、本発明の表示装置は、上記補正データには、上記補正領域の位置、または位置および範囲を示す情報と、上記輝度差の上記表示用画像データの1階調に相当する輝度値に対する比を示す情報または上記補正領域に含まれる画素の数に対する上記調整補正画素の数の割合を示す情報または比の大きさに応じて上記補正領域を複数のグループのうちのいずれかに分類した分類結果を示す情報とが含まれており、上記画像データ補正部は、上記補正領域に含まれる画素のうち上記補正データに含まれる上記比または上記割合または上記分類結果に応じた数の画素を上記調整補正画素として選択する構成としてもよい。
上記構成によれば、補正領域に対応する輝度ムラ領域の輝度値のずれの程度に応じた数の調整補正画素を選択することができるので、輝度ムラが視認されることをより適切に防止することができる。
また、本発明の表示装置は、上記補正データには、上記補正領域の位置、または位置および範囲を示す情報と、上記輝度差の上記表示用画像データの1階調に相当する輝度値に対する比の大きさに応じて上記補正領域を複数のグループのうちのいずれかに分類した分類結果を示す情報とが含まれており、上記画像データ補正部は、上記補正データと、上記各グループに対応して予め定められた上記調整補正画素の配置パターンとに基づいて上記調整補正画素を選択する構成としてもよい。
上記構成によれば、補正領域に対応する輝度ムラ領域の輝度値のずれの程度に応じた数の調整補正画素を選択することができるので、輝度ムラが視認されることをより適切に防止することができる。
また、本発明の表示装置は、上記画像データ補正部は、上記表示画面において垂直方向または水平方向に延伸するように存在するスジ状(またはライン状補正領域)の輝度ムラを補正するための第1補正部と、上記表示画面において局所的に存在する斑点状(またはマトリクス状補正領域)の輝度ムラを補正するための第2補正部とを備えている構成としてもよい。
上記構成によれば、スジ状の輝度ムラと斑点状の輝度ムラの両方について、輝度ムラとして視認されにくいように補正することができる。また、例えば、スジ状の輝度ムラを補正するための補正データのデータ形式や補正画素の決定アルゴリズムと、斑点状の輝度ムラを補正するための補正データのデータ形式や補正画素の決定アルゴリズムとが異なる場合であっても、これら両補正データに基づく補正処理を効率よく行うことができる。
また、本発明の補正データ作成装置は、上記撮像データにおける注目画素または注目画素群を含む所定範囲の領域に含まれる画素の輝度値の平均値を上記注目画素または注目画素群の輝度値に置き換えた上記注目画素または上記注目画素群の移動平均値を算出する処理を、注目画素または注目画素群を移動させながら表示画面全体について順次行う移動平均化処理部を備え、上記輝度ムラ検出部は、上記撮像データにおける各画素または各画素群についての上記移動平均値を当該各画素または各画素群の適正輝度値とみなして輝度ムラ領域の検出を行う構成としてもよい。
上記構成によれば、表示画面上の位置によって適正輝度値が異なる場合であっても、各画素あるいは各画素群が輝度ムラ領域に属するか否かを適切に判定することができる。
また、上記輝度ムラ検出部は、上記撮像データの各画素を所定方向に並ぶ画素の集合からなる複数のライン画素群に分類し、各ライン画素群に含まれる各画素の輝度値の平均値を当該ライン画素群の輝度値とし、上記撮像データにおける各ライン画素群の輝度値と当該各ライン画素群についての上記適正輝度値との差の大きさが予め定められた閾値以上であるライン画素群の集合からなる領域を輝度ムラ領域として検出する構成としてもよい。
上記構成によれば、ライン画素群毎に輝度ムラ領域に属するか否かを判定することができるので、スジ状の輝度ムラを適切に検出することができる。
また、上記表示画面は多数の走査信号線とこれら各走査信号線に交差する多数のデータ信号線とを備え、上記走査信号線および上記データ信号線によって区画される各領域に画素が形成された表示パネルの表示画面であり、上記ライン画素群は、上記走査信号線の延伸方向または上記データ信号線の延伸方向に並ぶ画素の集合からなる構成としてもよい。
上記構成によれば、表示パネルにおける走査信号線の延伸方向またはデータ信号線の延伸方向に平行なスジ状の輝度ムラを適切に検出することができる。
また、上記補正データ生成部は、上記表示画面において局所的に存在する斑点状の輝度ムラに対応する上記補正領域の形状を円形または多角形に近似し、当該補正領域の位置および範囲を示す情報を上記補正データに含める構成としてもよい。
上記構成によれば、斑点状の輝度ムラに対応する補正領域の形状を円形または多角形に近似し、その位置と範囲を示す情報を上記補正データに含めることにより、補正データのデータサイズを小さくし、表示装置の補正データ記憶部に要求される記憶容量を低減することができる。例えば、補正領域を円形領域に近似する場合には、その円形領域の中心位置および半径を示す情報を補正データに含めればよい。また、補正領域を多角形に近似する場合には、上記多角形の各頂点の位置を補正データに含めるようにしてもよく、上記多角形が正多角形である場合には当該多角形の外接円または内接円の中心位置および半径を補正データに含めるようにしてもよい。
また、上記補正データ生成部は、上記補正領域に含まれる上記調整補正画素に対する階調値の補正量と当該補正領域に含まれる上記調整補正画素以外の画素に対する階調値の補正量を示す情報とを上記補正データに含める構成としてもよい。
上記の構成によれば、補正データに上記補正領域に含まれる上記調整補正画素に対する階調値の補正量と当該補正領域に含まれる上記調整補正画素以外の画素に対する階調値の補正量を示す情報とを含む補正データを作成するので、表示装置において上記各補正量を算出する必要がなくなるため、表示装置の構成を簡略化できる。
また、上記補正データ生成部は、上記補正領域を複数のブロックに分割し、上記撮像データにおける上記各ブロックの輝度値と適正輝度値との差、および上記差の上記表示用画像データの1階調に相当する輝度値に対する比を算出し、上記比、上記割合、および上記分類結果のうちの少なくとも1つを示す情報を、上記ブロック毎に生成して上記補正データに含める構成としてもよい。
上記の構成によれば、補正領域をさらに複数のブロックに分割したブロック毎に補正の程度を設定することができる。
また、本発明の輝度ムラ補正方法は、表示用画像データに応じた画像を表示するための表示画面を備えた表示装置における上記表示画面の輝度ムラを補正する輝度ムラ補正方法であって、上記表示画面に検査用画像データに応じた画像を表示させた際に上記検査用画像データに対応する適正輝度値と異なる輝度値の画像が表示された領域である輝度ムラ領域のうちの少なくとも一部の輝度ムラ領域について、上記表示用画像データに応じた画像を表示する際の輝度値と当該表示用画像データに対応する適正輝度値との差を小さくするように、上記表示用画像データにおける上記少なくとも一部の輝度ムラ領域に対応する領域または当該輝度ムラ領域とその周辺領域を含む領域である補正領域に含まれる画素のデータを補正するための上記検査用画像データに基づいて作成された補正データを記憶する補正データ記憶工程と、上記表示用画像データに応じた画像を上記表示画面に表示させる際に、上記補正データ記憶工程で記憶した補正データに基づいて上記補正領域に含まれる画素のうちの少なくとも一部の画素の階調値を変化させるように上記表示用画像データを補正する画像データ補正工程と、上記画像データ補正工程によって補正された表示用画像データに応じた画像を表示させるように上記各画素の表示状態を制御する駆動制御工程とを含み、上記画像データ補正工程では、上記補正領域に含まれる画素に対する階調値の補正量を、注目画素と同一線上に隣接するn画素のグループに属する各画素の階調値の補正量の平均値としても良い(注目画素を含む上下n画素を同じ階調値補正量のグループとしてもよい)。これにより、グループ内で補正量が平均化されて滑らかになる。
また、本発明の輝度ムラ補正方法は、上記画像データ補正工程では、上記補正領域に含まれる画素に対する階調値の補正量を、注目画素を含む上下n画素、左右m画素の矩形領域のグループに属する各画素の階調値の補正量の平均値としても良い。
なお、上記階調値の補正量の値として、以下の手法を用いても良い。
すなわち、上記補正領域に含まれる画素に対する階調値の補正量を、注目画素の値を代表値としても良い。これにより、他の画素の値を用いないので、回路を小型化できる。
また、上記補正領域に含まれる画素に対する階調値の補正量を、グループ画素全体の四隅、または上端と下端の平均値としても良い。これによりさらに回路を小型化できる。
また、上記補正領域に含まれる画素に対する階調値の補正量を、グループ画素の最大値としても良い。これにより、極端な低輝度不良があるものの、その数が少ない場合に有効となる。
また、上記補正領域に含まれる画素に対する階調値の補正量を、グループ画素の最小値としても良い。これにより、極端な高輝度不良があるものの、その数が少ない場合に有効となる。
また、上記補正領域に含まれる画素に対する階調値の補正量を、グループ画素の最大値と最小値の平均値としても良い。これにより、グループ内で補正量が平均化されて滑らかになる。
以上より、補正データの記憶容量の削減(ハードウェアの制限内で記憶すること)が可能となる。また、高精細パネルへの対応(記憶容量を増やさないこと)が可能となる。
また、補正データのスムージング(補正を目立たせないこと)が可能となる。
また、縦横比の大きな画素への対応(処理単位を正方形に近づけること:見た目に自然)が可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。