JP5057953B2 - 分岐接続箱およびその取り付け方法 - Google Patents
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Description
図4の分岐接続箱30は、全体が上下に長い四角立体形状の筐体からなり、その背面が線路沿いに設けられた脇側壁に取り付けられ、外部から幹線である電力ケーブルをその内部に引き込んで、さらにそれを分岐させて分岐線として外部に引き出すためのケーブルの分岐接続装置である。
ここで、正面扉31は右側の上下方向の端部にヒンジ機構を備えて、図4の矢印の方向に開閉自在に構成されていて「扉右側開き」となっている。
これらの寸法については、6600V−CVTケーブル用の分岐接続箱30では、「高さh=1220mm、横幅x=560mm、奥行きy=560mm」が標準規格となっている。
ところが、この分岐接続箱30を設置するにあたって、最近新たに設置条件が追加されて、高架橋への設置が要求されたことにより、これまで標準とされていた奥行き560mmでは、設置後に列車との安全距離が確保出来なくなってしまった。
通過電車と設置機器との建築限界は、列車D1およびトロリー線t1の中心位置から1.9mと定められている。従来型の形状で奥行き寸法560mmの分岐接続箱30を設置するときには、建築限界近傍まで分岐接続箱30が接近することとなるので、通路の確保が困難となる。
また、分岐接続箱30の正面扉31の開閉を行うとき、正面扉31は建築限界内に入ってしまうので、分岐接続箱30の設置そのものができなくなる。
とりわけ高架橋がある場合には、その側壁S1に密着して設置することとなって、設置個所が限定されるために、安全距離の確保が大きな問題となる。
分岐接続箱50は、それぞれが四角形の正面部51、天蓋部52、右側面部53a、左側面部53b、底面開口部54、背面部55を有する四角立体形状の筐体として構成されて、高さ寸法(H)/横幅寸法(X)/奥行き寸法(Y)の各寸法を有し、
奥行き寸法(Y)は、天蓋部52、右側面部53a、左側面部53bおよび底面開口部54の各寸法によって決定され、
高さ寸法(H)は、正面部51、右側面部53a、左側面部53bおよび背面部54の各寸法によって決定され、
横幅寸法(X)は、正面部51、天蓋部52、底面開口部54および背面部55の各寸法によって決定され、
奥行き寸法(Y)は高さ寸法(H)および横幅寸法(X)よりも小さく設定されて、分岐接続箱50は全体が板状形状の筐体として構成され、
分岐接続箱50の正面部51は、四角形の扉を横幅方向に上下に分割した構成からなる上部扉51aと下部カバー体(51b、51c)とを備え、
上部扉51aは、天蓋部52に近接した位置に横幅方向のヒンジ部51hを有して、正面部の手前から上方向に開かれて開閉自在となるように構成され、
下部カバー体(51b、51c)は、取り付け取り外しが自在な部材から構成される。
上部扉51aは、上方向に開かれたとき、上部扉51aの所定部位が天蓋部52の所定部位に相対するように配置され、
上部扉51aをその配置された位置に保持するための上部扉ロック装置(L1、L2)を備える、
分岐接続箱には、(1)または(2)の分岐接続箱が適用され、
列車線路と分岐接続箱との間には建築限界距離が設定され、
分岐接続箱の上部扉を開いたときに、建築限界距離の中に上部扉が入らないように、分岐接続箱と列車線路との距離を確保して、分岐接続箱を所定の位置に取り付ける、ことを特徴とする分岐接続箱の取り付け方法。
本願発明の分岐接続箱は、奥行き寸法(Y)を高さ寸法(H)および横幅寸法(X)よりもかなり小さく設定して、全体として薄厚で幅広のマッチ箱のような、板状の形状の筐体として構成される。
また、設置作業上、正面に扉を設けることにし、扉を上下2分割構造にして、「上部扉」については接続箱の横幅方向に手前から上方向に開閉する「跳ね上げ扉構造」とし、「下部扉」についてはボルト固定としている。
また、本願発明では、薄型タイプにして上部扉を跳ね上げ扉方式にしたことにより、上部扉の開閉時にも列車との安全距離を十分確保することができ、ケーブル保守作業の危険要因の排除に貢献することができる。
そして、ケーブルなどの接続作業時に上部扉を上方向に開いたとき、閉まるのを防止するロック装置を接続箱の両端部に設けているので、跳ね上げた扉を垂直状態に保持することができ、風圧などで倒れて閉まったり、破損したりする虞もなく安全な作業が出来る。
図1の分岐接続箱50は、それぞれが四角形の正面部51、天蓋部52、右側面部53a、左側面部53b、底面開口部54、背面部55を有する四角立体形状の筐体として構成されて、「高さ寸法(H)/横幅寸法(X)/奥行き寸法(Y)」の各寸法を有する。
なお、この底面開口部54はケーブルを通せる開口部を有する底面であるが、底面板を全く設けずに全面が開放(開口)されているものでもよいし、底面板を配設しておいてそこにケーブルを挿通するための穴部(開口部)を設けたものでもよい。
したがって、分岐接続箱50は、幅広で奥行きがあまりない薄型タイプとなっており、全体が板状形状の筐体として構成されていて、外観形状としては幅広で薄厚のマッチ箱の形状と呼んでもよい。
本発明の分岐接続箱50では、奥行きが250mmに縮小された薄型タイプとすることができ、大きさや収納容量についても従来の分岐接続箱のままで、内部収納品の保守点検が容易に可能な最小寸法として、設計することが可能である。
下部カバー体はさらに横幅(水平)方向に上下に分割されていて、第1下部カバー体51bと第2下部カバー体51cとからなっている。2つの下部カバー体(51b、51c)は、コーナーにはボルトやナット、ビスなどの締結部材を備えて、取り付け取り外しが自在な構成となっている。
なお、背面側55には、取り付け部(57a、57b)を設けておくと、高架橋などへの取り付けに便利である。
上部扉のロック手段については、上部扉51a側のロック装置L1(L1’)と、天蓋部52側のロック装置L2(L2’)という、分岐接続箱50の左右上方のコーナーに配設された2対の扉固定機構から構成されているもので、その機構の説明については、図3に記載している。
ここで、開閉される上部扉51aの上下の高さ(幅)は「220mm」とし、高さ1220mmの2割弱の寸法とすることにより開閉時に上部扉51aが突出する距離を小さくしている。
通過電車と機器との建築限界は、図5と同様に、列車D1およびトロリー線t1を中心から1.9mである。
本発明の分岐接続箱50は奥行きが250mmの薄型接続箱であって、開閉する上部扉51aの上下の高さは220mmと設定してあり、いずれの寸法も従来の分岐接続箱30に比べてかなり小さく設計することができる。
また、分岐接続箱30の正面扉51aについては、正面扉51aの水平方向を軸とするビンジ部によって、下から上へと回動する形態となっており、しかも高さは220mmと大変小さく設定されているので、正面扉51aの開閉を行ったときにも、正面扉51aは建築限界内に入ってしまうということはなくなる。
図3(1)において、正面扉51a側のロック装置L1は、T形状をなす扉固定棒20と扉固定棒のスライド用ボックス10とから構成されている。
ここでの扉固定棒20は、上下(垂直)方向に延在される下主軸21aと上主軸21bとが一本化された主軸21と、水平方向のピン部22とを組み合わせてT字の形状としたものであり、主軸21によって上下方向に移動可能であり、ピン部22によって水平方向に回動可能に構成されている。
図3(1)の右の図は側面図であり、ピン22bが回動しないよう拘束された状態が示されており、正面扉51aが閉じている時には、扉固定棒20の自重によって溝m2にピン22が落ち込んできて、回動が防止された構造が形成される。
ここで、天蓋部52のロック装置L2の上部端部52aは、扉固定棒20の主軸21bを差し込むための差込口52bの端部として構成されており、正面扉51aを180度上方に開いたときに、扉固定棒20のピン22を正面扉51aに平行な位置から90度回転させれば、ピン22の拘束が外れて、扉固定棒20の主軸21bが自重で天蓋部52の貫通穴部52bの中に落ち込むように設定されている。
51 正面部
52 天蓋部
53a 右側面部
53b 左側面部
54 底面開口部
55 背面部
H 高さ寸法
X 横幅寸法
Y 奥行き寸法
51a 上部扉
51b、51c 下部カバー体
51h 上部扉の開閉用のヒンジ部
L1、L2 上部扉のロック装置
Claims (2)
- 列車線路の近傍において、ケーブルを内部に引き込んで分岐線を外部に引き出すための分岐接続箱であって、
前記分岐接続箱は、それぞれが四角形の正面部、天蓋部、右側面部、左側面部、底面開口部、背面部を有する四角立体形状の筐体として構成されて、高さ寸法/横幅寸法/奥行き寸法の各寸法を有し、
前記奥行き寸法は前記高さ寸法および横幅寸法よりも小さく設定されて、前記分岐接続箱は全体が板状形状の筐体として構成され、
前記分岐接続箱の正面部は、四角形の扉を横幅方向に上下に分割した構成からなる上部扉と下部カバー体とを備え、
前記上部扉は、前記天蓋部に近接した位置に横幅方向のヒンジ部を有して、前記正面部の手前から上方向に開かれて開閉自在となるように構成され、
前記下部カバー体は、取り付け取り外しが自在な部材から構成され、
前記上部扉が上方向に開かれたとき、前記上部扉の所定部位と、前記天蓋部の所定部位とが相対し、その相対部位において前記上部扉を保持する上部扉ロック手段を備え、
前記上部扉ロック手段は、前記上部扉の所定部位に取り付けられた第1の上部扉ロック装置と、前記天蓋部の所定部位に取り付けられた第2の上部扉ロック装置とを具備し、
前記第1の上部扉ロック装置は、扉固定棒と、扉固定棒のスライド用ボックスとを有し、
前記扉固定棒は、上下方向に移動する主軸と、前記主軸に接続されてT字形状をなし前記主軸を回動可能とするピン部とを有し、
前記スライド用ボックスは、前記主軸が垂直方向に自在に移動できる第1の溝と、前記ピンの回動を防止する水平方向の第2の溝とを有し、
前記第2の上部扉ロック装置は、前記主軸が垂直方向に移動して差し込まれる貫通穴部を有することを特徴とする分岐接続箱。 - 列車線路の近傍に分岐接続箱を取り付け方法であって、
前記分岐接続箱には、請求項1または2に記載の分岐接続箱が適用され、
前記列車線路と分岐接続箱との間には建築限界距離が設定され、
前記分岐接続箱の上部扉を開いたときに、前記建築限界距離の中に前記上部扉が入らないように前記分岐接続箱と前記列車線路との距離を確保して、前記分岐接続箱を所定の位置に取り付ける、ことを特徴とする分岐接続箱の取り付け方法。
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