JP5057920B2 - カバーおよび被覆材除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の面または鉄骨の表面に付着させられた耐火被覆材等の被覆材を覆って被覆材を除去するためのカバー、およびこのカバーを用いて被覆材を除去する被覆材除去方法に関する。
建物の壁面や、梁等に使用される鉄骨の表面に被覆材を付着させ、壁面または鉄骨の耐熱性(耐火性)等を向上させることが行われている。
このような被覆材は、アスベストのように建物の完成後に人体に有害であることが判明すると、周囲への粉塵の発散を防止しつつ被覆材を鉄骨等から除去しなければならない事態を生じさせることになる。
このような事態に対処するために、被覆材の飛散防止のため解体現場全体をビニールシート等で隔離した状態で被覆材を壁面や鉄骨から剥がして廃棄するという手法が採られている(特許文献1)。
特開2004−305904号公報(段落番号0014)
しかしながら、上記手法では、解体現場をビニールシート等で囲い込むという大がかりな作業が必要となるため、この手法には費用および手間がかさむという問題があった。また、隔離した解体現場内部に作業者が入って被覆材の除去作業を行うため、作業者の防塵装備が厳重となり、作業がしにくくなるという問題があった。
このような問題は、アスベストに限らず、他の被覆材、例えばロックウールを鉄骨に付着させた場合にも生じる可能性がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、作業者が外部から建物の面または鉄骨の被覆材を除去することができるようにする閉鎖作業空間を建物の面または鉄骨の周囲に形成しつつ、簡単に被覆材の除去作業を行うことができるカバーを提供することを目的とする。
また、本発明は、上述したようなカバーを使用して面または鉄骨から被覆材を除去する被覆材除去方法を提供することも目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のカバーは、被覆材が付着させられた建物の面または鉄骨を覆うカバーであって、透明材料で形成され、面または鉄骨を覆うカバー部と、カバー部に取り付けられ、その開口端がカバー部に形成された開口に接続され、カバー部内面からカバー部で覆われた空間に向かって突出するように配置される袋状の作業部と、カバー部に接続され、面または鉄骨から除去された被覆材を内部に収納する袋状の収納部と、カバー部で覆われた空間と収納部の内部とを連通させる連通部と、を備え、連通部は、空間と収納部との間に細長い通路を形成するように構成されている、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、カバー部で、被覆材が付着させられた面または鉄骨を覆い、カバー部に形成された作業部に手を挿入して、カバー部で覆われた空間内の工具を作業部越しに掴み、この工具を使って、面または鉄骨から被覆材を除去する。除去された被覆材は、連通部を通って、収納部に収納される。
カバー部によって面または鉄骨を覆うことにより、所望の部位のみを隔離して被覆材からの粉塵の発散を防止することができる。したがって、従来、建物全体を覆っていた場合に比べて、作業の手間と費用を大幅に削減することができる。また、カバー部に作業部が取り付けられているので、面または鉄骨から被覆材を除去する際には、作業部に手を挿入して面または鉄骨の被覆材を除去できる。したがって、作業者は、カバー部で隔離した空間の外側から被覆材の除去作業を行うことができるから、被覆材の除去作業を簡単に行えると共に、作業者の装備も簡易にすることができる。このとき、カバー部が透明部材で形成されているので、被覆材の除去作業時にも、カバー部から内部の面または鉄骨を視認可能となるから、被覆材の除去作業が容易になる。
さらに、カバーが収納部と連通部とを備え、連通部が、空間と収納部との間に細長い通路を形成するように構成されているので、収納部に収納された被覆材からの粉塵が空間に戻りにくくなる。したがって、空間内での被覆材からの粉塵の発散が効果的に防止され、除去作業がしやすくなるとともに、除去された被覆材を収納部に収納しやすくなる。
なお、本発明において、面は、建物の任意の面を意味し、壁面や天井、床面等を含む。
本発明において、好ましくは、収納部は、複数設けられている。
このように構成された本発明においては、収納部が複数設けられているので、面または鉄骨から除去された被覆材を、複数設けられた収納部のうち最も近い収納部に収納することができる。したがって、除去した被覆材を速やかに収納部に収納することができ、被覆材の収納作業の効率が良好となる。また、収納部が複数設けられているので、カバー全体での被覆材の収納容量が大きくなる。また、除去した被覆材を複数の収納部に小分けして収納することができるので、除去した被覆材の搬送及び廃棄が容易になる。
本発明において、好ましくは、連通部には、該連通部を開口状態に維持する剛性部材が設けられている。
このように構成された本発明においては、面または鉄骨から除去された被覆材を収納部に収納する際に、被覆材は、剛性部材によって開口状態を維持された連通部を通って、収納部に収納される。したがって、剛性部材によって、空間から収納部への通路が確実に確保されるから、除去された被覆材が連通部に引っかかったり、連通部を通らず空間に蓄積されるなどの不都合を回避することができ、除去された被覆材を速やかに空間から排除して収納部に収納することができる。
本発明において、好ましくは、剛性部材は、環状部材である。
このように構成された本発明においては、面または鉄骨から除去された被覆材は、空間から環状部材が設けられた連通部を通って収納部に収納される。剛性部材が環状部材であるので、面または鉄骨から除去された被覆材の形状に関わりなく連通部を通りやすくなる。よって、除去された被覆材が連通部で引っかかったり、連通部を通らずに空間に蓄積されるなどの不都合を回避することができ、除去された被覆材を容易に収納部に収納することができる。
本発明において、好ましくは、カバー部に形成され、被覆材除去用の工具を空間内に導入可能な工具導入部を更に備えている。
このように構成された本発明においては、カバー部に工具導入部が形成されているので、カバー部の外側から工具導入部を介して空間に工具を導入し、作業部に挿入した手で工具を受け取れば、空間内部の工具をカバー部越しに、隔離された空間の外側から掴むことができる。したがって、被覆材で覆われた面または鉄骨を作業者のいる空間から隔離しながら、工具を用いて空間内部の被覆材を除去することができるので、被覆材の除去作業を安全且つ効率よく行うことができる。
本発明において、好ましくは、工具導入部は、カバー部の外部に露出した膜で閉鎖された外側導入口と、カバー部内部の空間に露出した膜で閉鎖された内側導入口とを備えた二重構造になっている。
このように構成された本発明においては、工具導入部が、外側導入口及び内側導入口を備えた二重構造になっているので、カバー部で覆われた空間に飛散した被覆材が工具導入部から漏れるのを防止しながら空間内に工具を導入することができる。つまり、例えば、内側導入口を封止した状態で、カバー外部から外側導入口を通して外側導入口及び内側導入口の間に工具を導入し、外側導入口を封止した後に内側導入口からカバー部で覆われた空間に工具を導入すれば、カバー部の内部の空間と外部の空間とを連通させずに工具をカバー部の内部に導入することができる。
本発明においては、好ましくは、作業部は、カバー部と別体に作られ、カバー部に取付可能に構成される。
このように構成された本発明においては、作業部がカバー部と別体に作られ、カバー部に取付可能に構成されるので、カバー部で面または鉄骨を覆った後に、面または鉄骨の形状や被覆材の被覆状態等に応じて、カバー部の所望の位置に作業部を取り付けることができる。したがって、様々な作業現場の状況に応じて作業部を配置することができるカバーを提供することができる。よって、異なる状況の作業現場であっても、カバー部の外部から面または鉄骨に手の届く位置に作業部を配置することができ、被覆材の除去作業が容易になる。
本発明においては、好ましくは、収納部には、収納部内部の空気を吸引するための空気吸引口が設けられている。
このように構成された本発明においては、収納部に空気吸引口が設けられているので、被覆材が収納された収納部を廃棄する際、空気吸入口から空気を吸引すれば、被覆材の飛散を防止しながら収納部の内部を脱気してコンパクトにすることができ、搬送、廃棄を容易に行うことができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の被覆材除去方法は、前述のカバーを用いて被覆材が付着させられた建物の面または鉄骨を覆い且つ被覆材を除去する被覆材除去方法であって、カバー部の端部を、面または鉄骨に取り付けられたカバー取付用部材に取り付け、面または鉄骨をカバー部で覆うステップと、カバー部に取り付けられた作業部にカバー部の外側から手を挿入し、面または鉄骨に付着させられている被覆材を除去するステップと、除去した被覆材を空間から連通部を通して収納部に収納するステップと、連通部を閉鎖して収納部を封止するステップと、連通部の閉鎖部分よりカバー部側を切り離すことにより、収納部をカバー部から切り離すステップと、を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、カバー部が面または鉄骨を覆うので、所望の部位のみを隔離して被覆材からの粉塵の発散を防止することができる。したがって、従来、建物全体を覆っていた場合に比べて、作業の手間と費用を大幅に削減することができる。また、カバー部に作業部が取り付けられているので、面または鉄骨から被覆材を除去するステップでは、作業部に手を挿入して、面または鉄骨の被覆材を除去することができる。したがって、カバー部によって隔離された空間の外側から被覆材の除去作業を行うことができ、除去作業を簡単に行えると共に、作業者の装備も簡易にすることができる。このとき、カバー部が透明部材で形成されているので、被覆材の除去作業時にも、カバー部から内部の面または鉄骨を視認可能となるから、被覆材の除去作業が容易になる。そして、除去された被覆材を収納部に収納するステップで、被覆材を、空間から細長い通路を形成する連通部を通して収納部に収納するので、収納部に収納された被覆材からの粉塵が空間に戻りにくくなる。したがって、除去した被覆材を空間から収納部に収納するステップ中またはステップ後には、空間内での被覆材からの粉塵の発散が効果的に防止される。また、収納部を封止した状態でカバー部から切り離すので、収納部を封止したまま廃棄することができる。よって、収納部に収納された被覆材が外部に発散する可能性をより小さくできる。また、収納部を封止する際には、空間と収納部との間に細長く形成された連通部を閉鎖するので、封止作業が容易となる。
本発明の実施の形態では、連通部の閉鎖が、連通部の二箇所で行われ、切り離しが、二箇所の閉鎖部分の間で行われる。
このように構成された本発明においては、連通部を二箇所で閉鎖することにより、一方の閉鎖部分はカバー部を封止し、他方の閉鎖部分は収納部を封止する。その後、これらの二箇所の閉鎖部分の間を切り離すことによって、収納部をカバー部から切り離す。連通部を二箇所で閉鎖し、これらの閉鎖部分の間を切り離すので、収納部とカバー部の両方が各閉鎖部分によって封止されるから、この切り離し作業の際に、収納部からだけでなくカバー部からの被覆材の発散を防止することができる。
本発明において、好ましくは、面または鉄骨をカバー部で覆うステップの後、カバー部の外面に作業部を取り付け、作業部の開口端に対応するカバー部の位置に開口を形成し、作業部を開口からカバー部内部に挿入することにより、作業部を空間に向かって突出させるステップを更に備えている。
このように構成された本発明においては、面または鉄骨をカバー部で覆った後、作業部をカバー部に取り付け、作業部の開口端に対応する位置において、カバー部に開口を形成する。すると袋状の作業部の内部とカバー部の内部の空間とが開口によって連通する。その後、作業部を開口からカバー部内部に挿入して裏返し、空間に向かって突出させることによって作業部を形成する。
カバー部で面または鉄骨を覆った後に作業部を取り付けるので、面または鉄骨の形状や被覆材の被覆状態等に応じて、カバー部の所望の位置に作業部を取り付けることができる。したがって、様々な作業現場の状況に応じて作業部を配置することができる。よって、異なる状況の作業現場であっても、カバー部の外部から面または鉄骨に手の届く位置に作業部を配置することができ、被覆材の除去作業が容易になる。
本発明において、好ましくは、収納部をカバー部から切り離すステップの後、収納部の内部の空気を吸引するステップを更に備えている。
このように構成された本発明においては、収納部をカバー部から切り離した後、収納部の内部の空気を吸引するので、被覆材を収納部ごと廃棄する際に、収納部をコンパクトにして容易に搬送、廃棄することができ、また、被覆材を含んだ空気が収納部から漏れるのを防止することができる。
本発明の実施形態について説明する。なお、第2実施形態以降の実施形態では、第1実施形態と同様の機能、構成を有する部材については、第1実施形態と同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して本発明の第1実施形態のカバー1について説明する。
図1は、本実施形態のカバー1を、建物の天井Cに梁として取り付けられアスベスト等の耐火被覆材Tが付着させられた鉄骨(H鋼)2を覆った状態を示す一部を破断した概略的な斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿った模式的な縦断面図である。
カバー1は、鉄骨2を覆う上方のカバー部4と、このカバー部4に形成され、被覆材除去用の工具H(図2)をカバー部4の内部に導入可能な工具導入部6と、カバー部4に取り付けられ、カバー部4の外側から手を挿入して被覆材Tの除去を行うための作業部8と、カバー部4の下方に接続され、鉄骨2から除去された被覆材Tを内部に収納するための袋状部材10と、を備えている。
カバー部4は、細長い略矩形のシート状材料から形成され、その両側端が、鉄骨2の両側の外方位置で天井Cに取付けられることによって、鉄骨2の周囲を鉄骨2の外形に沿って下方から略U字状に覆う。
梁として使用される鉄骨2は、両端が上下方向に延びる柱等に接続されて終端しているので、カバー部4の長手方向両端の開口している部分を、この柱に接続することにより、カバー部4によって囲まれた空間S1が閉鎖空間となる。
カバー部4の長さは、鉄骨2の長さに応じて設定され、鉄骨2の全長とほぼ同一に設定される。また、カバー部4の幅は、カバー部4が鉄骨2から所定の間隔をあけて鉄骨2の周囲を覆うように設定されている。
なお、本実施形態において、「鉄骨の外形に沿って該鉄骨を覆う」とは、上述したように、カバー1のカバー部4が鉄骨2の輪郭を覆うことを指し、図1および図2に示されているように鉄骨2の周囲を所定間隔をあけて矩形状に覆う状態もこれに含まれる。
カバー部4は、透明部材で構成されている。ここで、カバー部4の材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂系フィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、その他の合成樹脂系フィルム、塩化ビニル樹脂系をポリエステル繊維布にコーティングした材料、ポリオレフィン系樹脂をポリオレフィン繊維布にコーティングした材料等が挙げられる。
図3は、本発明の第1実施形態によるカバー1の鉄骨への取付構造を示す。また、図4は、本発明の第1実施形態によるカバー1の取付に使用する固定用スプリング16を示す。
カバー部4は、図3に示すように、上端部(両側端)が、鉄骨2の両側端に沿って延びるように配置されたカバー取付用部材である取付金具12に接続されることによって天井Cに取り付けられる。
取付金具12は、天井Cにねじ止めされ、下方に断面略C字状のレール14を有している。このレール14の内部に、カバー部4の上端を係合させた状態で、レール14の内部に固定用弾性部材である固定用スプリング16を配置することによって、カバー部4の上端がレール14に固定され、カバー部4が天井Cに取り付けられることになる。
ここで、固定用スプリング16は、図4に示すように、蛇行した形状を有するスプリングであり、蛇行の幅wが、レール14の内部の寸法より若干大きく設定され、レール14内に配置したとき、固定用スプリング16とレール14との間にカバー部4の上端を挟持できるように構成されている。
図1及び図2に戻って、工具導入部6は、カバー部4の長さ方向に沿って所定間隔をあけて複数設けられ、カバー部4の外側からカバー部4に覆われた空間S1の内部へ工具Hを導入することができるようになっている。工具導入部6は、気密性を有する透明の膜で作られ、一方の端面が開口となった袋状の有底円筒状部材から構成され、その一方の開口端面はカバー部4の内面に取り付けられ、カバー部4の膜材料によって閉鎖されている。工具導入部6の開口端面を覆うこのカバー部4の膜材料は、工具導入部6とカバー1の外部とを区切る外側導入口18を形成している。また、工具導入部6の他方の端面(先端面)は、空間S1内に配置され、工具導入部6とカバー1の内部の空間S1とを区切る内側導入口20を形成している。したがって、カバー1の初期状態では、外側導入口18及び内側導入口20は、いずれも、それぞれカバー部4の膜材料及び工具導入部6の膜材料によって閉鎖されている。また、工具導入部6は、外側導入口18から内側導入口20へ、空間S1内方に向かって突出している。そして、工具導入部6は、外側導入口18及び内側導入口20を有することにより、空間S1とカバー1の外部とを内外2つの導入口で区切る、二重構造となっている。
作業部8は、カバー部4と同様の透明なシート状材料で形成され、有底の筒状(袋状)形状を備えている。作業部8は、一方の開口端8Aが、カバー部4に形成された開口4Aの縁に接合され、他方の端部(先端)8Bは閉じられ、カバー部4内面から空間S1内に向かって内方に突出(侵入)して配置される。
作業部8は、カバー部4の外側から作業者が腕を差し込み、先端8Bに手を配置できるような寸法形状を有している。本実施形態では、作業部8の長さは、例えば、作業者が腕を肩付近まで入れることができる長さである約900mmに設定されている。また、本実施形態では、作業部8は、開口端8Aから閉じられた先端8Bに向かって先細りする形状とされている。
本実施形態では、作業部8は、複数設けられ、互いに所定間隔、例えばカバー1が覆う鉄骨2の長手方向に沿って約1m間隔で配置されている。隣接する作業部8の間隔は、ある作業部8に入れられた手から隣接する作業部8に入れられた手に空間S1内で工具Hを手渡しできる程度の距離に設定されているのが好ましい。なお、作業部8は、鉄骨2の下面にも手が届きやすいように、上下方向に沿って複数配置されていてもよい。
図5は、袋状部材10の斜視図である。図5に示すように、袋状部材10は、略矩形状のシート22Aの一辺の一部に細長い矩形状のシート22Bが一体的に形成された、全体として略L字形の一対の略矩形のシート22で形成されている。つまり、袋状部材10は、一対のシート22を対向させて配置し、これらのシート22の辺のうち、シート22Bとの連結部分を除いた縁部を封止することによって形成されている。したがって、袋状部材10は、シート22Bの一辺が開口端24となった袋状に形成される。
ここで、袋状部材10は、不透明材料で構成されており、例えば塩化ビニル系樹脂をポリエステル繊維布にコーティングした材料、ポリオレフィン樹脂をポリオレフィン繊維布にコーティングした材料、フッ素系樹脂をポリエステル繊維布にコーティングした材料、フッ素系樹脂をガラス繊維布にコーティングした材料、ガラス繊維等が採用できる。
この袋状部材10は、カバー部4が鉄骨2を覆った状態での略U字形の下端部中央、すなわちカバー部4の幅方向ほぼ中央に形成された略円形の孔26にシュート27を介して接続されている。すなわち、袋状部材10の開口端24は、孔26に連結され、これにより、袋状部材10の内部は、空間S1と連通する。なお、孔26の直径D1は、カバー部4のU字の底部の幅W1よりも小さく、またカバー部4の底部の長さ方向の寸法L1(図1)よりも小さく設定されており、長さ方向に沿って所定間隔を有して複数配置されている。したがって、袋状部材10も、孔26の数に対応して複数配置されている。
このような構成により、袋状部材10は、シート22Aによって形成された略矩形の袋状の部分が、鉄骨2から除去した被覆材Tを収納する袋状の空間である収納部28となり、また、シート22Bとシュート27によって形成された細長い通路状部分が、空間S1と収納部28の内部とを連通する細長い連通部30となっている。
ここで、連通部30の直径D2は、孔26の直径D1と等しく設定されている。また、直径D2は、収納部28の長さ方向の寸法L2よりも小さく設定されている。このため空間S1と収納部28の間の連通部30は、空間S1と収納部28の間の狭められた通路となっている。
連通部30の途中には、連通部30を開口状態に維持する環状部材32が取り付けられている。環状部材32の材料としては、金属、プラスチック、紙等のある程度の剛性を有する剛性材料が使用される。環状部材32は、シュート27の下端と連通部30の上端の間の内面に接着、テープ止め等により固定され、環状部分32が設けられた部分の連通部30の断面形状は、略円形となる。
袋状部材10には、収納部28内部の空気を吸引するための空気吸引口34が設けられている。空気吸引口34は、収納部28のシート22Aの外面から外方に突出するように取り付けられた袋状部材である。収納部28の外面に接続される一端には、円形の封止部材36が設けられており、封止部材36の略中央には他の部分よりも厚みの薄い膜部分38が形成されている。また、空気吸引口34の他端(先端)は、初期状態では封止されている。
次に、本発明の第1実施形態に係るカバー1を用いて、鉄骨2に付着させられた被覆材Tを鉄骨2から除去する被覆材除去方法について説明する。
まず、建物の天井Cの鉄骨2にカバー1を取り付ける。
この取付ステップでは、図3に示すように、天井Cに取付金具12をねじ止めし、取付金具12の下方のレール14内にカバー部4の上端部を配置した状態で、カバー部4の内方側に固定用スプリング16を配置することにより、固定用スプリング16とレール14との間にカバー部4の先端部を挟持し、カバー1を取付金具12を介して、天井Cに取り付ける。
次いで、カバー部4内部の空間S1に連通するように負圧発生装置(図示せず)を接続し、空間S1の空気を吸引して空間S1を常に負圧に維持する。
次いで、工具導入部6から柄の付いた工具Hを空間S1内に差し込む。
図6及び図7は、本発明の第1実施形態によるカバー1に工具Hを導入する作業を示す。まず、図6に示すように、外側導入口18をカッター17等で切断して外側導入口18に開口を形成する。そして、工具Hを、外側導入口18から、工具導入部6の内部、即ち、外側導入口18及び内側導入口20の間に導入する。このとき、外側導入口18を切断したカッター17も工具導入部6の内部に導入する。次に、図7に示すように、外側導入口18をテープ19等で閉じた後、作業部8から手を挿入し、内部に導入された工具Hまたは工具Hとともに外側導入口18と内側導入口20の間に残されたカッター17等を作業部8越しに工具導入部6の外側から掴み、内側導入口20を切断して開口を形成する。そして工具Hを内側導入口20から空間S1に導入する。
なお、このとき、空間S1は負圧発生装置によって負圧になっているので、仮に外側導入口18及び内側導入口20の両方が開口しても、空気は外側導入口18から空間S1に向かってのみ移動するため、被覆材Tが外部に漏れることがない。
次に、図2に示すように、作業部8に腕を挿入し、カバー1の外側から工具Hを掴む。このとき、作業部8は、先細りの筒形状となっているので、先端8Bで作業部8が過剰に余らず、工具Hを把持しやすい。そして、掴んだ工具Hで鉄骨2の表面に付着させられている被覆材Tを掻き取り、掻き取った被覆材T’を空間S1の底部に落とす。なお、作業部8は複数設けられているので、除去すべき被覆材Tの位置に最も近い作業部8から手を挿入して作業する。なお、作業位置を移動する場合には、隣接する作業部8に挿入したもう一方の手に空間S1の内部で工具Hを受け渡せばよい。
その後、空間S1の底部に落下した被覆材T’を、連通部30に集め、連通部30を介して収納部28に収納する収納ステップを行う。
鉄骨2からの被覆材Tの掻き落とし作業が終了すると、図8に示すように、連通部30の環状部材32よりも収納部28に近い側において、連通部30を2箇所で縛って連通部30を第1の閉鎖部40及び第2の閉鎖部42で閉鎖する。その後、環状部材32に近い方の第1の閉鎖部40と収納部28に近い方の第2の閉鎖部42との間の位置(図8に一点鎖線で示す)で連通部30を切り離す事によって、収納部28をカバー部4から切り離す。このとき、切り離し作業の前に、第1の閉鎖部40と第2の閉鎖部42との間の連結部30にシリコンを充填して、切り離し時の被覆材T’の飛散を防止するのが好ましい。収納部28を切り離した状態では、第1の閉鎖部40によってカバー部4が封止され、第2の閉鎖部42によって収納部28が封止される。
次に、収納部28を切り離した後、図9に示すように、空気吸引口34から収納部28内の空気を吸引する。空気吸引口34の先端を切って筒状に開口させ、吸引器の吸引ノズル44を空気吸入口34に挿入して、空気吸引口34と吸引ノズル44の外周を縛って閉鎖部45を形成し、これらの間の隙間を塞ぐ。吸引ノズル44の先端を膜部分38に接触させて空気を吸引すると、その吸引力によって膜部分38が破れ、吸引ノズル44の内部と収納部28の内部とが連通する。吸引器で収納部28から空気を吸引し、容積を小さくした状態で収納部28を廃棄する。また、カバー部4も、取付金具12から取り外して廃棄する。
このような第1実施形態によれば、次のような効果が得られる。
被覆材Tが付着させられた鉄骨2をカバー部4で覆うことができるので、被覆材Tの除去が必要な部位のみをカバー1で覆って隔離することができる。したがって、従来現場全体を隔離していた場合に比べて、大がかりな装置を必要とせず、隔離作業を大幅に簡略化することができる。
作業部8に手を挿入して、カバー1の外側から被覆材Tの除去作業を行うことができるので、従来隔離した現場に作業員が入って除去作業を行っていた場合に比べて、作業環境を格段に改善することができ、作業者の装備も簡易にすることができる。
連通部30が、空間S1と収納部28との間に細長い通路を形成するように構成されているので、空間S1に落下した被覆材T’を、連通部30を通して収納部28に収納する際に、被覆材T’からの粉塵が収納部28から飛散して空間S1に充満するのを防止できる。したがって、被覆材Tの除去作業を容易に行うことができる。また、連通部30が細長い通路を形成しているので、連通部30を閉鎖して収納部28を封止する際に、その封止作業を簡単に行うことができる。
収納部28が複数設けられているので、除去した被覆材T’を最も近い収納部28に収納することができるから、除去作業を効率よく行うことができる。また、除去した被覆材T’を収納部28に小分けにして収納することができるから、収納部28の搬送及び廃棄を簡単に行うことができる。
カバー部4に工具導入部6を設けたので、鉄骨2をカバー部4で覆った後に、空間S1内に工具Hを導入することができる。また、工具導入部6が外側導入口18及び内側導入口20を備えた二重構造になっているので、カバー部4の内部の空間S1とカバー部4の外部の空間とを連通させることなく工具Hをカバー部4に導入することができる。したがって、被覆材Tが外部に漏れるのを防止することができ、安全に作業を行うことができる。
連通部30に環状部材32を設けたので、連通部30を開口状態にして開口面積を確保し、空間S1と収納部28との間を確実に連通状態に維持することができる。したがって、除去された被覆材T’を連通部30に投入して収納部28に収納しやすくなるので、被覆材T’の収納作業を容易かつ迅速に行うことができる。
収納部28に被覆材T’を収納した後、連通部30を第1の閉鎖部40及び第2の閉鎖部42で閉鎖することにより、カバー部4及び収納部28を封止することができる。したがって、収納部28をカバー部4から切り離す際に、カバー部4及び収納部28の両方からの被覆材T’の飛散を防止することができる。
収納部28が空気吸引口34を備えているので、被覆材T’を収納した後、空気吸引口34から空気を吸引することにより、収納部28から被覆材T’を飛散させずに、内部の空気を抜くことができる。よって、収納部28をコンパクトにして廃棄することができるので、収納部28の搬送及び廃棄処理を簡単に行うことができる。
カバー部4が透明部材で形成されているので、内部の鉄骨2をカバー部4の外部から確認することができ、被覆材Tの除去作業を容易に行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態のカバーについて説明する。第2実施形態に係るカバーは、天井Cを覆うカバーである。
図10は、本発明の第2実施形態に係るカバー50が、表面に被覆材Tが付着させられている天井Cに取り付けられた状態を模式的に示した図である。カバー50の上方のカバー部52は、天井Cに沿って略平らに延び、天井Cのほぼ全面を覆うことにより、天井Cとカバー部52との間に閉鎖された空間S2を形成している。
なお、カバー50は、第1実施形態と同様に、カバー50の端部を取付金具12に取り付けることによって天井Cに取り付けられている。
カバー部52の下面側(空間S2の外側)には、カバー部52を支持する支持材54が配置されている。支持材54は、天井Cから下方に所定距離を隔てた位置で、その両端が天井Cまたは天井Cの両側の壁面に取り付けられ、天井Cに沿って互いに平行に所定間隔を隔てて複数配置されている。カバー部52は、支持材54と接触する位置で、ひもで支持材54に縛り付ける等することにより、支持材54に固定されている。このような構造により、カバー部52は、これらの支持材54に下面側から支持されることにより、隣接する支持材54の間に、下方に垂れ下がって断面略U字形に配置された各作業領域53を形成する。
また、カバー部52の下部には、空間S2内を負圧に維持するための空気吸引装置55が接続されている。
図11は、図10の一部を拡大して示した図である。作業部56は、各作業領域53の略U字形の両側に配置され、作業領域53の長手方向に沿って所定間隔で複数配置されている。また、工具導入部58も、各作業領域53の略U字形の両側に配置され、作業領域53の長手方向に沿って所定間隔を有して複数配置されている。作業部56及び工具導入部58の構造は、第1実施形態の作業部8及び工具導入部6の構造と同様であるが、これらの作業部56及び工具導入部58の設置数、配置等は、天井Cの大きさなどを考慮して適宜設定することができる。
袋状部材60は、各作業領域53の略U字形の最下部に所定間隔を有して複数配置されている。袋状部材60は、第1実施形態の袋状部材10と同様の構造の収納部62を有し、空間S2と収納部62の間にはこれらを連通する連通部64が形成されている。なお、袋状部材60の数、配置、形状等は、天井Cの大きさやカバー50の重量、作業のし易さなどを考慮して適宜設定できる。また、この第2実施形態において、連通部64は、空間S2と収納部62の内部との間の通路を狭めるように構成されている。具体的には、連通部64の直径D3は、各作業領域53の長手方向(図10の紙面に垂直な方向)の寸法よりも小さく、また、隣接する支持材54の距離L3よりも小さい。
このような第2実施形態においては、カバー50を取り付ける際には、カバー部52の端部を第1実施形態の取付金具12を用いて天井Cに取り付ける。そしてカバー部52の下方に支持材54を配置して各作業領域53を形成する。そして、第1実施形態と同様に、工具導入部58から工具Hを導入し、作業部56に腕を挿入して被覆材Tの除去を行う。
そして、除去した被覆材T’を、連通部64を通して収納部62の内部に収納する。被覆材Tの除去後は、袋状部材60の連通部64を二箇所で閉鎖して収納部62を封止し、それらの閉鎖部の間で連通部64を切断することにより、収納部62をカバー部52から切り離す。切り離した収納部62を、第1実施形態と同様に空気吸引口から内部の空気を吸引した後、廃棄する。
このような第2実施形態によれば、構成は多少異なるものの、第1実施形態と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
天井Cに支持材54を配置したので、シート状のカバー部52が中央部で大きくたるむのを防止することができ、カバー部52を天井Cに近接させて所定間隔に配置することができる。これにより、面積の大きな天井Cであっても、その全面をカバー部52で覆うことができる。
また、カバー部52の下方に支持材54を配置してカバー部52を支持材54に固定したので、負圧発生装置によって空間S2内の空気を吸引したとき、カバー部52が天井Cに張り付いてしまうのを防止することができる。したがって、カバー部52と天井Cとの間の空間S2を維持することができ、被覆材Tの除去作業空間を確保することができる。このとき、支持材54がカバー部52の下方、すなわち空間S2の外側に配置されるので、支持材54に被覆材Tが付着するのを防止することができる。これにより、支持材54として工事現場等で使用される仮設資材等を使用することが可能になり、資材の調達、取扱いを簡単に行うことができる。
さらに、隣接する支持材54の間に配置されたカバー部52に、それぞれ作業部56、工具導入部58、及び袋状部材60を設けたので、被覆材Tの除去作業時には、支持材54間の各作業領域53毎に行うことができるから、効率よく除去作業を行うことができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態のカバーについて説明する。第3実施形態に係るカバーは、壁部Wを覆うカバーである。
図12は、本発明の第3実施形態に係るカバー70が、表面に被覆材Tが付着させられている壁部Wに取り付けられた状態を模式的に示した図である。カバー70は、第2実施形態と同様に、壁部Wとカバー部72との間に所定距離を有して配置され、カバー部72が壁部Wのほぼ全面を覆うことにより、内部に空間S3を形成している。第3実施形態では、壁部Wの上下端に取付金具12が取り付けられ、これらの取付金具12にカバー部72の両端が接続されることによって、カバー70が壁部Wに取り付けられている。
また、カバー部72の外側には、カバー部72と壁部Wとの距離を維持するための、支持材74が取り付けられている。支持材74は、壁部Wから所定距離のところに水平方向に複数設けられ、各支持材74は上下方向に所定距離隔てて配置されている。これらの支持材74の両端部は、壁部Wの両側の壁や、上下方向に配置された枠材等に固定されている。カバー部72は、複数箇所でひもで支持材74に縛り付ける等して、支持材74に固定されている。
カバー部72には、第1実施形態と同様の構造の工具導入部76及び作業部77が、カバー部72に複数取り付けられている。また、カバー70は、第1実施態様と同様に収納部78を有する袋状部材80と、空間S3と収納部78とを連通する連通部79とを有し、カバー部72を壁部Wに取り付けられたとき、収納部78の最下端が床に接するように、カバー部72の下部に取り付けられ、水平方向(図12の紙面に直交する方向)に所定間隔を有して複数配置されている。この第3実施形態においても、連通部79の直径D4は、カバー部72の最下部における水平方向に沿った寸法よりも小さく設定されている。したがって、連通部79は、空間S3と収納部78内部との間の通路を狭めるように構成され、これらの間の細長い通路を形成している。
第3実施形態では、作業部77は、カバー部72を壁部Wに取り付けた後に、カバー部72の所望の位置に取り付ける。
図13乃至図15は、本発明の第3実施形態による作業部77の取付作業を示す。壁部Wにカバー部72を取り付けた後、作業部77の開口端77Aを、図13に示すように、被覆材Tの被覆部位に応じてカバー部72の任意の位置に、テープ等によって取り付け、作業部77の開口端77Aをカバー部72の外面に密着させる。このとき、作業部77の内部にカッター等の切断具84を入れておく。その後、この切断具84を作業部77の外部から掴み、作業部77の開口端77Aで囲まれたカバー部72の領域を切断し、図14に示すように、カバー部72に開口86を形成する。そして、図15に示すように、作業部77を開口86から空間S3内部に挿入しながら作業部77を裏返す。このようにして、作業部77をカバー部72の任意の位置に取り付ける。
このような構造のカバー70で壁部Wを覆い、カバー70の外側から工具Hを用いて壁部Wの被覆材Tを除去する。
このような第3実施形態によれば、構成は多少異なるものの、第1実施形態及び第2実施形態の効果と同様の効果を得ることができる他、次のような効果を得ることができる。
作業部77が、カバー部72に取付可能に構成されているので、カバー部72を壁部Wに取り付けた後、現場の作業領域の状況や被覆材Tの付着具合等に応じて、所望の位置に作業部77を取り付けることができる。したがって、様々な現場状況に対しても、被覆材Tの除去作業を容易に行うことができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、カバー部を面または鉄骨へ固定する方法は、レール、スプリング等を使用した上記実施形態の方法に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。
収納部は、前述の各実施形態ではカバー部の長さ方向に沿って所定間隔を有して複数設けられていたが、これに限らず、収納部は一つ設けられていてもよく、カバー部の大きさや被覆材の量等に応じて任意の数設けることができる。この場合でも、連通部が空間と収納部との間に狭まった細長い通路を形成するように構成されていれば、収納部に収納された被覆材が空間に戻りにくくなり、本発明の目的を達成できる。
また、工具導入部及び作業部の設置数も、カバーの大きさや、カバーで覆う建物の面または鉄骨の大きさ、被覆材の量等に応じて任意に設定することができる。
収納部の形状は、略矩形のシート材料を対向させて形成された袋状の形状に限らず、例えば直方体の袋状形状や円筒形の袋状形状など、任意の形状を採用できる。これらの場合であっても、連通路が、カバー部で覆われた空間と収納部との間に細長い通路を形成していれば、本発明の目的を達成できる。
環状部材は必ずしも設けられていなくてもよい。例えば連結部が短い場合や、連結部の直径が比較的大きい場合など、連結部の開口を維持する必要がない場合には、環状部材を取り付けなくてもよい。また、連結部の開口状態を維持することができる程度の剛性を有する剛性部材であればよく、その形は断面円形のものに限られず、矩形、三角形等任意の形状を採用することができる。
収納部の空気吸入口は、必ずしも設けられていなくてもよい。
工具導入部は、前述の各実施形態では工具を空間内部に導入するための導入口として使用していたが、これに限らず、例えば図16に示すように、外側導入口92と内側導入口94にそれぞれ孔を形成して、工具に接続されるコード96や、作業用のワイヤを通す部材挿通孔として使用してもよい。この場合であっても、空間S4を負圧発生装置によって負圧に維持しておけば、空間S4内の空気が外部に漏れることがない。
また、上述のように工具導入部を部材挿通孔として使用する他、例えば外側導入口及び内側導入口の両方に孔を形成して、負圧発生装置による空気吸引時の空間内の圧力を調整するために使用してもよい。このような場合でも、空間が負圧に維持されることにより、空間内の空気がカバーの外部に漏れることはない。
さらに、工具導入部は、外側導入口及び内側導入口を有する二重構造になっているものに限らず、例えばカバー部との接合部分が開口になっており、カバー部との接合部分から空間内方に突出し、先端が封止された、袋状の部材で構成してもよい。
カバーは、建物の面または鉄骨を全て覆う一枚のカバー部を有しているものに限らず、例えば、複数のカバーをテープ等でつなげることにより、面または鉄骨を覆うようにしてもよい。このようにすれば、標準サイズのカバーを複数作製しておき、面または鉄骨の大きさに応じて任意の数のカバーを接合すればよいから、様々な大きさ、形状の面または鉄骨に柔軟に対応することができる。
本発明の第1実施形態によるカバーの斜視図。 本発明の第1実施形態によるカバーの側断面図。 本発明の第1実施形態によるカバーの取付構造を示す側断面図。 本発明の第1実施形態によるカバーの固定用スプリングを示す図。 本発明の第1実施形態による連通部および収納部を示す斜視図。 本発明の第1実施形態による工具導入部を示す斜視図。 本発明の第1実施形態による工具導入部を示す斜視図。 本発明の第1実施形態による収納部をカバー部から切り離す状態を示す図。 本発明の第1実施形態による収納部の内部の空気を吸引する作業を示す図。 本発明の第2実施形態によるカバーの側断面図。 本発明の第2実施形態によるカバーの一部を示す側断面図。 本発明の第3実施形態によるカバーの側断面図。 本発明の第3実施形態によるカバーの正面図。 本発明の第3実施形態による作業部の取付作業を示す図。 本発明の第3実施形態による作業部の取付作業を示す図。 本発明の工具導入部の変形例を示す図。
符号の説明
1,50,60…カバー
2…鉄骨
4…カバー部
6…工具導入部
8…作業部
10…袋状部材
12…取付金具(カバー取付用部材)
28…収納部
30…連通部
32…環状部材
40…第1の閉鎖部
42…第2の閉鎖部
C…天井
H…工具
S…空間
T…被覆材
W…壁部

Claims (10)

  1. 被覆材が付着させられた建物の面または鉄骨を覆うカバーであって、
    透明材料で形成され、前記面または前記鉄骨を覆うカバー部と、
    前記カバー部に取り付けられ、その開口端が前記カバー部に形成された開口に接続され、前記カバー部内面から前記カバー部で覆われた空間に向かって突出するように配置される袋状の作業部と、
    前記カバー部に接続され、前記面または前記鉄骨から除去された被覆材を内部に収納する袋状の収納部と、
    前記カバー部で覆われた空間と前記収納部の内部とを連通させる連通部と、を備え、
    前記連通部は、前記空間と前記収納部との間に細長い通路を形成するように構成されており
    前記連通部には、該連通部を開口状態に維持する剛性部材が設けられている、
    ことを特徴とするカバー。
  2. 前記収納部は、複数設けられている、
    請求項1に記載のカバー。
  3. 前記剛性部材は、環状部材である、
    請求項1または請求項2に記載のカバー。
  4. 前記カバー部に形成され、被覆材除去用の工具を前記空間内に導入可能な工具導入部を更に備えている、
    請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のカバー。
  5. 前記工具導入部は、前記カバー部の外部に露出した膜で閉鎖された外側導入口と、前記カバー部内部の前記空間に露出した膜で閉鎖された内側導入口とを備えた二重構造になっている、
    請求項4に記載のカバー。
  6. 前記作業部は、前記カバー部と別体に作られ、前記カバー部に取付可能に構成される、 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のカバー。
  7. 前記収納部には、前記収納部内部の空気を吸引するための空気吸引口が設けられている、
    請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載のカバー。
  8. カバーを用いて被覆材が付着させられた建物の面または鉄骨を覆い且つ前記被覆材を除去する被覆材除去方法であって、
    前記カバーは、透明材料で形成され、前記面または前記鉄骨を覆うカバー部と、前記カバー部に取り付けられ、その開口端が前記カバー部に形成された開口に接続され、前記カバー部内面から前記カバー部で覆われた空間に向かって突出するように配置される袋状の作業部と、前記カバー部に接続され、前記面または前記鉄骨から除去された被覆材を内部に収納する袋状の収納部と、前記カバー部で覆われた空間と前記収納部の内部とを連通させる連通部と、を備え、前記連通部は、前記空間と前記収納部との間に細長い通路を形成するように構成されており、
    前記被覆材除去方法は、
    前記カバー部の端部を、前記面または前記鉄骨に取り付けられたカバー取付用部材に取り付け、前記面または前記鉄骨を前記カバー部で覆うステップと、
    前記カバー部に取り付けられた前記作業部に前記カバー部の外側から手を挿入し、前記面または鉄骨に付着させられている被覆材を除去するステップと、
    除去した前記被覆材を前記空間から前記連通部を通して前記収納部に収納するステップと、
    前記連通部を閉鎖して前記収納部を封止するステップと、
    前記連通部の閉鎖部分より前記カバー部側を切り離すことにより、前記収納部を前記カバー部から切り離すステップと、を備え
    前記連通部の閉鎖が、前記連通部の二箇所で行われ、
    前記切り離しが、前記二箇所の閉鎖部分の間で行われる、
    ことを特徴とする被覆材除去方法。
  9. 前記面または鉄骨を前記カバー部で覆うステップの後、前記カバー部の外面に前記作業部を取り付け、前記作業部の開口端に対応する前記カバー部の位置に開口を形成し、前記作業部を前記開口から前記カバー部内部に挿入することにより、前記作業部を前記空間に向かって突出させるステップを更に備えている、
    請求項8に記載の被覆材除去方法。
  10. 前記収納部を前記カバー部から切り離すステップの後、前記収納部の内部の空気を吸引するステップを更に備えている、
    請求項8または請求項9に記載の被覆材除去方法。
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