以下、図面を参照して、上記説明した基本形体および応用形態に対する具体的な実施形態を説明する。
図1は、上述した電子機器の具体的な第1実施形態であるパーソナルコンピュータ10の外観図である。
パーソナルコンピュータ10は、本体ユニット20と表示ユニット30とを備えており、表示ユニット30は、ヒンジ部40によって本体ユニット20に対して開閉自在に連結されている。本体ユニット20は、本実施形態における本体部の一例にあたり、表示ユニット30は、本実施形態における表示部の一例にあたり、ヒンジ部40は、本実施形態における連結部の一例に相当する。図1には、表示ユニット30が開かれた状態のパーソナルコンピュータ10を前方から見た図が示されている。
本体ユニット20は、各種情報処理を実行するためのものであり、本体筐体28の内部にCPUやハードディスクなどが収容されている。本体筐体28は、高強度な金属製の上部ケース28Aと下部ケース28Bとで構成されている。上部ケース28Aの上面には、複数のキー21が並んだキーボード、トラックパッド22、左クリックボタン23、および右クリックボタン24等が備えられており、さらに、上部ケース28Aの前方には、指先がなぞられることによって指紋認証を行う指紋センサ25と、小型記録媒体が装填される媒体装填口26が設けられている。
表示ユニット30は、本体ユニット20で実行された情報処理結果を表示するためのものであり、表示筐体32の内部に、薄型の液晶パネルや、液晶パネル用の制御回路や、通信用のアンテナなどが収容されている。表示筐体32は、前方カバー32Aおよび後方カバー32B(図2参照)によって構成されており、液晶パネルは、表示画面31を前側にして前方カバー32Aおよび後方カバー32Bによって前後から挟まれている。尚、表示ユニット30は、各種電子部品を、液晶パネルの脇ではなく裏側に配置することによって、表示筐体32の側面付近にまで表示画面31が広げられたワイド型の表示装置である。
図2は、パーソナルコンピュータ10の一側面側を示す図である。
本体ユニット20の一側面には、ワイヤケーブル付きロック用のセキュリティスロット26a、電源モジュール用のコネクタ26b、外付けモニタ用のコネクタ26c、LANケーブル用のコネクタ26d、USB用のコネクタ26e,26f、オーディオジャック用のコネクタ26g、マイク用のコネクタ26h、およびヘッドフォン用のコネクタ26iなどが設けられている。
図3は、パーソナルコンピュータ10の、図2とは逆側の側面を示す図である。
本体ユニット20の、図2とは逆側の側面には、LANカードなどといった機能拡張用の拡張カードを装填するための拡張カード装填口27a、CDやDVD等の光ディスクを装填するための光ディスク装填口27b、USB用のコネクタ27c、およびモデム用のコネクタ27dが設けられている。
図4は、パーソナルコンピュータ10の背面図である。
パーソナルコンピュータ10の背面には、電子部品で発生した熱を放熱する冷却機構を構成する吸気口29aと排気口29bが設けられている。吸気口29aが排気口29bよりも上側に設けられることによって、パーソナルコンピュータ10の底付近に溜まった熱が吸気口29aから取り込まれてしまう不具合を軽減することができ、パーソナルコンピュータ10を使用し続けても放熱効率を維持することができる。また、本体ユニット20には、電力供給用の電池パック50が嵌め込まれている。電池パック50は、本実施形態における電池パックの一例に相当する。
図5は、パーソナルコンピュータ10の底面図である。
本実施形態のパーソナルコンピュータ10には、プリンタ等の周辺機器と接続するためのコネクタや拡張用のハードディスク装置が搭載され、パーソナルコンピュータ10の機能を拡張するためのポートリプリケータが接続される。パーソナルコンピュータ10の底面には、図4にも示す電池パック50が露出しており、本体筐体28に設けられた貫通孔61からは、ポートリプリケータのコネクタと接続される拡張用コネクタ60が露出している。
続いて、パーソナルコンピュータ10の内部構成について説明する。
図6は、パーソナルコンピュータ10の内部構成図である。
パーソナルコンピュータ10には、図6に示すように、各種プログラムを実行するCPU101、ハードディスク装置103に格納されたプログラムが読み出されCPU101での実行のために展開される主メモリ102、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置103、マイクやスピーカなどが搭載されたオーディオデバイス104、外部装置からデータを入力する入力インタフェース105、キーボードやトラックパッド22などを含む操作子106、表示画面21上に情報を表示に関する表示装置107、図1にも示す指紋センサ25、小型記録媒体61が装填され、装填された小型記録媒体61をアクセスする小型メモリドライブ109、CD−ROM62やDVDが装填され、その装填されたCD−ROM62やDVDをアクセスする光ディスクドライブ110、拡張カード63を使って通信を行う通信インタフェース111、および外部装置へデータを出力する出力インタフェース112、前述の拡張用コネクタ60などが内蔵されており、これらの各種要素は、バス113を介して相互に接続されている。
ここで、本実施形態のパーソナルコンピュータ10は、装置の小型・軽量化と耐衝撃性の向上とを実現するための数々の工夫が施されている。まずは、本体ユニット20における小型・軽量化の工夫について説明する。
図7は、電池パック50を外したときのパーソナルコンピュータ10の底面を示す図である。
本体筐体28の下部ケース28Bには、パーソナルコンピュータ10の側面から底面に亘った切り欠き28aが設けられている。電池パック50が本体筐体28から外された状態では、上面に複数のキー21が並んだキーボードなどが搭載される仕切り板75が表面に露出している。切り欠き28aによって形成された空間は、本実施形態における収容部の一例に相当する。
電池パック50は、本体筐体28と対向する面に長手方向に延びる溝51が設けられており、側面には突起52が設けられている。溝51は、本実施形態における「電池パックの溝部」の一例に相当する。
また、本体筐体28は、仕切り板75の下面に電池パック50の溝51と嵌合する突起部74が設けられており、切り欠き28aの一側面側に、電池パック50から電力を入力するための電力入力端子71と、電池パック50の突起52が挿入される凹部72が設けられており、切り欠き28aの他側面側には、電池パック50に設けられた爪54(図10参照)が嵌め込まれる凹部73が設けられている。本体筐体28の突起部74が電池パック50の溝51に嵌め込まれることによって、電池パック50を本体筐体28に対して容易に位置決めすることができ、電池パック50の誤装着を防止することができるとともに、電池パック50のガタツキを軽減することができる。突起部74は、本実施形態における「電池パックの溝部と嵌合する突起部」の一例に相当する。
図8は、電池パック50を外した状態における下部ケース28Bの底面図である。
下部ケース28Bには切り欠き28aが設けられており、電池パック50は、この切り欠き28aに嵌め込まれることによって、底面と1側面がパーソナルコンピュータ10の外面に露出する。このように、電池パック50の一部をパーソナルコンピュータ10の外面に露出させることによって、切り欠き28aに相当する分の本体筐体28の壁を省くことができ、装置の小型・軽量化を図ることができる。
図9は、電池パックの透過図である。
図9に示すように、電池パック50には、円筒形状を有する複数のセル53が中心軸を矢印A方向に揃えて並べて収容されている。セル53は、本実施形態におけるセルの一例に相当する。電池パック50の内部では、隣接するセル53間に隙間が生じており、電池パック50の外面には、その隙間に対して窪んだ溝51が設けられている。本実施形態においては、複数のセル53間に生じた隙間を利用して溝51が形成されているため、装置を大型化せずに十分に深く長い溝51を設けることができ、電池パック50のガタツキを確実に防止することができる。また、溝51は、一端側が電池パック50の面内で途切れており、その一端側の内部空間Pには、電力出力端子55(図10参照)や基板などといった電子部品が収容されている。一方、溝51の他端側は電池パック50の側面まで延び、溝51の長さは図7に示す突起部74よりも長い。溝51が電池パック50の縁まで延びることによって、電池パック50を本体筐体28に装着しやすくなるとともに、電池パック50と本体筐体28との嵌合面積が増加し、電池パック50のガタツキを確実に抑えることができる。
図10は、電池パックの一側面を示す図であり、図11は、電池パックの、図10とは逆側の側面を示す図である。
図10に示すように、電池パック50の一側面には、図7に示す凹部73に嵌め込まれる爪54が設けられており、図11に示すように、電池パック50の、図10とは逆側の側面には、図7に示す電力入力端子71と接続され、パーソナルコンピュータ10に電力を出力するための電力出力端子55と、本体筐体28の凹部72に挿入される突起52が設けられている。電力出力端子55は、本実施形態における電力出力端子の一例にあたり、突起52は、本実施形態における「電池パックに設けられた突起部」の一例にあたり、爪54は、本実施形態における付勢係止爪の一例に相当する。電池パック50の、相対的に面積が小さい側面に爪54や突起52が設けられ、電池パック50が長手方向の両端側で本体筐体28に対して固定されることによって、電池パック50を本体筐体28に確実に固定することができる。
以上のように、本実施形態によると、装置の大型化や重量の増加を抑えて、電池パック50を正しく装着することができるとともに、装着後の電池パック50のガタツキや抜けを確実に抑えることができる。
続いて、図7に示す仕切り板75の上面側における装置の小型・軽量化の工夫について説明する。
図12は、仕切り板75の上面に設置されるキーボードと操作子ボードを示す図である。
仕切り板75の上面には、複数のキー21が並んだキーボード90や、各種ボタンが並んだ操作子ボード80が配置される。操作子ボード80およびキーボード90は、本実施形態における第1電子部品の一例にあたるとともに、キーボード90は、本実施形態におけるキーボードの一例にも相当する。
図13は、パーソナルコンピュータ10から操作子ボード80を取り外した状態を示す図であり、図14は、パーソナルコンピュータ10から操作子ボード80とキーボード90とを取り外した状態を示す図である。
パーソナルコンピュータ10から操作子ボード80やキーボード90を取り外すと、仕切り板75の上面が露出する。仕切り板75の上面には、スピーカ210が設置されており、スピーカ210はケーブル211によって制御回路(図示しない)に接続されている。スピーカ210は、本実施形態における第2電子部品の一例にあたるとともに、本実施形態におけるスピーカの一例に相当する。また、図7に示す突起部74は、仕切り板75の上面側から内部が刳り貫かれており、仕切り板75の上面側に凹部74´が形成されている。凹部74´は、本実施形態における「内部空間を形成する凹部」の一例に相当する。
図15は、凹部74´付近の拡大図である。
図15に示すように、凹部74´には、スピーカ210に接続されたケーブル211が配設されており、テープ211´によってケーブル211が凹部74´に固定されている。また、図13および図14に示すように、ケーブル211は、操作子ボード80およびキーボード90によって覆われて、凹部74´に固定されることとなる。このように、電池パック50を装着するための突起74の内部空間が刳り貫かれた凹部74´を利用することによって、ケーブル211を配線するためのスペースを確実に確保することができる。また、突起74の、電池パック50と対向する面の裏面側が刳り貫かれてケーブル211が配線されることによって、電池パック50の着脱時にケーブル211が傷つけられてしまう不具合を防止することができる。
以上のように、電池パック50の位置決めを行うための突起74の内部空間を利用することによって、装置の大型化や重量の増加を抑えて、ケーブル211を配線するためのスペースを確実に確保することができる。
また、図14に示すように、仕切り板75の、電池パック50が収容されている部分には、複数の弾性片214と穴213が設けられており、複数の穴213の間に形成される筐体部分215と弾性片214とは交互に配置されている。弾性片214は、本実施形態にいう弾性片の一例にあたり、筐体部分215は、本実施形態にいう「穴間に存在する筐体の部分」の一例に相当する。
図16は、仕切り板75の、電池パック50と対向する下面側を示す図であり、図17は、電池パック50が収容された状態における仕切り板75の上面側を示す図である。
図16に示すように、弾性片214および筐体部分215には、電池パック50に向けて延出した突起214´,215´が設けられており、弾性片214の突起214´は、筐体部分215の突起215´よりも延出量が大きい。弾性片214の突起214´は、本実施形態における第1の突起部の一例にあたり、筐体部分215の突起215´は、本実施形態における第2の突起部の一例に相当する。
図17に示すように、弾性片214および筐体部分215はそれぞれから電池パック50に向けて延出した突起214´,215´を備えており、突起214´,215´は電池パック50が収容された状態において電池パック50とそれぞれ所定の間隙を生じるように設計されている。すなわち、弾性片214の突起214´は、筐体部分215の突起215´よりも延出量が大きいため、電池パック50との間に形成される間隙が筐体部分215の突起215´と電池パック50間に形成される間隙より狭くなるよう設計されている。
電池パック50は、製造バラツキによりその外形サイズが仕様と異なってしまう。このような製造バラツキにより電池パック50の外形サイズが仕様より若干大きい場合、本実施形態においては、弾性片214の突起214´のみが電池パック50に接触し、電池パック50のサイズ誤差を吸収した状態で適切に電池パック50を保持する。このように、筐体部分215と電池パック50が接触しないため、電池パック50が筐体部分215と接触することにより発生する電池パック50の破損やパーソナルコンピュータ10の故障を防止することができる。また、本実施形態によると、弾性片214の突起214´が電池パック50を付勢することで、電池パック50のガタツキを確実に抑えることができる。
弾性片214および筐体部分215の上部には、図12に示すキーボード90が配置される。本実施形態によると、筐体部分215に電池パック50が接触しない状態で弾性片214のみで電池パック50のサイズ誤差を吸収することで、筐体部分215上に搭載されるキーボード90を操作するユーザに違和感のないキーの打鍵感覚を提供するようにしている。また、このキーボードは弾性片214が際限なく押し曲げられることを防止するよう機能する。
また、電池パック50の外形サイズが設計仕様より更に大きい場合、本実施形態においては、電池パック50は弾性片214と筐体部分215の双方に接触することになる。この弾性片214は仕切り板75から延出されその一端のみが仕切り板75につながったものであり、それに対し、筐体部分215はその両端が仕切り板75につながったものとなる。従って、弾性片が筐体部分と同幅であると、弾性片が生じる弾性力は小さいものとなる。本実施形態においては、図15に示すように、弾性片214の幅W1は、筐体部分215の幅W2よりも広く形成されている。これにより、弾性片214と筐体部分215が均等に変形して両者が生じる弾性力が均等になるようにしている。その結果、均等な力で電池パック50のガタツキを抑えることができる。また、弾性片214および筐体部分215は、キー21を下部から支持することとなり、各キー21を押したときに同様なクリック感を与えることができる。
このように本実施形態は、電池パックのサイズ誤差が小さい場合には、仕切り板75(筐体)とは独立して変形される弾性片214の突起214´のみが電池パック50に接触してそのサイズ誤差を吸収することで、キーボードの操作時にユーザが感じる違和感を排除している。また、電池パック50のサイズ誤差が大きい場合には、弾性片214の突起214´および筐体部分215の突起215´の双方が電池パック50に接触することで強い弾性力でもって電池パック50に対抗するよう機能し、サイズ誤差を吸収するようにしている。
ここで、図14に示すように、仕切り板75には、キーボード90のキー21に相当する位置に、八角形の穴212が複数設けられている。穴212は、本実施形態における「筐体の穴」の一例に相当する。
図18は、キー21と穴212との位置関係を示す図である。
図18に示すように、キーボード90を構成する複数のキー21は、四角形を有しており、穴212は、八角形の上下2辺を各キー21の上下2辺と合わせ、各キー21の左右2辺が八角形の中心部分を通るように配置されている。その結果、隣接する穴212間に存在する筐体部分の上部にキー21の中心が位置することとなり、強度を維持して仕切り板75を軽量化することができるとともに、キー21を押したときのクリック感を維持しキーボード90が撓むことを防止できる。
このように、本実施形態によると、キーボード90を固定する強度を維持し、装置を軽量化することができる。
また、図16に示すように、仕切り板75は、この八角形の穴212に続き電池パック50と対向する下面側に穴212と同形状の八角形の枠を備える。この八角形の枠は、筐体をさらに強度にし、キーボード90を固定する強度の増加に寄与する。
続いて、図7に示す仕切り板75の下面側における各種工夫について説明する。
仕切り板75の、キーボード90が搭載される上面側の裏面である下面側には、電池パック50が搭載されるとともに、CPU101やハードディスク装置103などといった各種電子部品が搭載される。
図19は、仕切り板75の下面側を示す図である。
仕切り板75の下面は、リブなどによって電子部品を嵌め込むためのスペースが区切られており、仕切り板75の下面に電子部品が固定されて、図8に示す下部ケース28Bが装着されることによって電子部品が収容される。仕切り板75と上部ケース28Aとを合わせたものは、本実施形態における筐体フレームの一例にあたり、下部ケース28Bは、本実施形態における筐体カバーの一例に相当する。仕切り板75には、マザーボード300Aがネジ止めされており、マザーボード300Aには、補助基板300Bが重ねられている。また、マザーボード300Aには、冷却ファン320、ハードディスク310(図6に示すハードディスク装置103を構成する)、制御回路340、ICチップ330などが搭載されており、補助基板300Bからは、図5にも示す拡張用コネクタ60が突出している。さらに、ハードディスク310と制御回路340は、折り曲げられたフレキシブルプリント基板350によって接続されており、マザーボード300A上の電子部品と補助基板300B上の電子部品もフレキシブルプリント基板430によって接続されている。
図20は、フレキシブルプリント基板350付近の拡大図である。
フレキシブルプリント基板350は、ハードディスク310のコネクタ(図示しない)に接続される第1コネクタ(図示しない)を有しており、さらに、第1コネクタがハードディスク310に接続された状態でパーソナルコンピュータ10の背面側に折り曲げられた幅広部351と、幅広部351からハードディスク310との接続方向に向けて折り曲げられ、幅広部351に重なって制御回路340に向けて延びた延在部352と、制御回路340のコネクタと接続される第2コネクタ353と、幅広部351から延在部352とは交わる方向に延びた補強板354とを有している。ハードディスク310とフレキシブルプリント基板350は、緩衝材312が設けられた箱状のプラスチックケース311に収容されている。フレキシブルプリント基板350の補強板354および延在部352は、プラスチックケース311の上面と側面との境界線上に設けられた切り込みを介してプラスチックケース311の外側に露出し、制御回路340などに接続されている。プラスチックケース311については、後で詳しく説明する。フレキシブルプリント基板350は、本実施形態におけるフレキシブルプリント基板の一例にあたり、補強板354は、本実施形態における補強板の一例に相当する。
図21は、フレキシブルプリント基板350の補強板354をめくった状態を示す図である。
マザーボード300Aには、同じモデルのパーソナルコンピュータに標準的に搭載されるICチップ330に加えて、セキュリティ機能を追加する場合にのみ選択的に追加される追加ICチップ360も搭載されている。フレキシブルプリント基板350の補強板354には、マザーボード300Aに実装されたコネクタ370に接続される第3コネクタ356が設けられており、補強板354は、第3コネクタ356が設けられた位置よりもさらに長く延びて追加ICチップ360上に覆いかぶさる。したがって、ネジやはんだを使って追加ICチップ360を固定しなくても、追加ICチップ360の脱落を防止することができる。マザーボード300Aに実装されたコネクタ370は、本実施形態における第1接続部の一例にあたり、フレキシブルプリント基板350の第3コネクタ356は、本実施形態における第2接続部の一例にあたり、追加ICチップ360は、本実施形態における「基板に選択的に搭載される部品」の一例に相当する。
図22は、図8に示す下部ケース28Bの上面図である。
下部ケース28Bの上面には、上部ケース28Aに装着されたときに、マザーボード300Aのコネクタ370に対応する位置に設けられた第2突起382と、追加ICチップ360の搭載位置に対応する位置に設けられた第1突起381とが設けられている。第1突起381および第2突起382は、本実施形態における「補強板に当接する突起部」の一例に相当する。
図19に示すマザーボード300Aや補助基板300Bは、下部ケース28Bの上面に設けられたビスなどによって押圧されており、各種ICチップ330はそれらマザーボード300Aや補助基板300Bにはんだ付けされている。オプションの機能を追加するときには、追加ICチップ360がマザーボード300Aに接続され、フレキシブルプリント基板350の補強板354が覆いかぶされた状態で下部ケース28Bが装着される。その結果、下部ケース28Bの第1突起381が補強板354を介してマザーボード300Aのコネクタ370とフレキシブルプリント基板350の第3コネクタ356とを押圧し、下部ケース28Bの第2突起382が補強板354を介して追加ICチップ360を押圧する。このように、本実施形態によると、下部ケース28Bを装着するだけで、容易にかつ確実に追加ICチップの脱落を防止することができる。
また、図21にも示すように、ハードディスク310は、緩衝材312が設けられた箱状のプラスチックケース311に収容されている。プラスチックケース311は、本実施形態における箱状ケースの一例に相当する。
図23は、フレキシブルプリント基板350が接続されたハードディスク310の、下部ケース28Bと対向する下面側を示す図であり、図24は、ハードディスク310の、上面側を示す図である。
上述したように、ハードディスク310には、折り曲げられたフレキシブルプリント基板350が接続されている。フレキシブルプリント基板350は、ハードディスク310の、下部ケース28Bと対向する面に幅広部351が広がり、延在部352が折り曲げられて幅広部351と重なっており、補強板354が延在部352とは交わる方向に突出している。幅広部351は、本実施形態における第1部位の一例にあたり、延在部352は、本実施形態における第2部位の一例にあたり、補強板354は、本実施形態における第3部位の一例に相当する。
また、プラスチックケース311には、ハードディスク310の下面、上面それぞれと対向する面に複数の緩衝材312,314が設けられており、下面側に、ハードディスクの、コネクタが設けられた一側面401側から、一側面401とは逆側の他側面402側に向けてめくり上げるための切り込み313が設けられている。切り込み313が設けられることによって、フレキシブルプリント基板350を容易にプラスチックケース311内に収容することができる。下部カバー32Bと接触する緩衝材312は、本実施形態における第2緩衝材の一例にあたり、仕切り板75と対向する緩衝材314は、本実施形態における第1緩衝材の一例に相当する。
本実施形態によると、ハードディスク310接続されたフレキシブルプリント基板350がハードディスク310と下部カバー32Bとの間に折り曲げられた状態で介在するため、パーソナルコンピュータ10が落下したときなどには、フレキシブルプリント基板350がクッションとなって衝撃を吸収する。このため、大量の緩衝材などを設けることなく、ハードディスク310にかかる衝撃を軽減することができ、ハードディスク310の故障や破損といった事故を防止することができる。
続いて、図19に示す拡張用コネクタ60について詳しく説明する。
図19に示すように、マザーボード300Aには補助基板300Bが重ねられており、補助基板300Bから拡張用コネクタ60が突出し、図5に示すように、本体筐体28の貫通孔61から露出している。
図25は、拡張用コネクタ60付近の拡大図である。
図25に示すように、マザーボード300Aと補助基板300Bとの間には段差が設けられており、補助基板300Bは、マザーボード300Aに比べて下部ケース28Bに近い側に突き出している。
図26は、補助基板300Bの、下部ケース28Bと対向する下面側を示す図であり、図27は、補助基板300Bの上面側を示す図である。
補助基板300Bには、下面側に拡張用コネクタ60が実装されており、上面側に補助基板300Bを挟んで拡張用コネクタ60と重畳する連結用コネクタ410が実装されている。拡張用コネクタ60は、本実施形態における第3コネクタの一例にあたり、連結用コネクタ410は、本実施形態における第2コネクタの一例にあたり、補助基板300Bは、本実施形態における第2基板の一例に相当する。
図28は、マザーボード300Aの、補助基板300Bを外した状態を示す図である。
マザーボード300Aの、下部ケース28Bと対向する下面側には、図27に示す補助基板300Bの連結用コネクタ410が接続される本体側コネクタ420が実装されている。本体側コネクタ420は、本実施形態における第1コネクタの一例にあたり、マザーボード300Aは、本実施形態における第1基板の一例に相当する。
マザーボード300Aに補助基板300Bが接続されるときには、マザーボード300Aの本体側コネクタ420に補助基板300Bの連結用コネクタ410が装着されることによって、本体側コネクタ420、補助基板300B、および拡張用コネクタ60が重なって結合されることとなり、マザーボード300Aとポートリプリケータとを直接に接続できる長いコネクタを特別に製造する必要がなく、コストを抑えてポートリプリケータを確実に接続することができる。
図29は、拡張用コネクタ60付近の拡大図である。
図29に示すように、マザーボード300Aと補助基板300Bには、本体側コネクタ420、補助基板300B、および拡張用コネクタ60に加えて、フレキシブルプリント基板430を使って、それぞれの基板上に実装された電子部品を相互に接続するためのコネクタ431,432が設けられている。フレキシブルプリント基板430は、本実施形態における信号線の一例に相当する。
マザーボード300Aおよび補助基板300Bそれぞれに搭載された電子部品間がフレキシブルプリント基板430で接続されることによって、段差によって形成される空間を有効的に利用することができ、装置を小型化することができる。
図30は、ポートリプリケータ500の外観図であり、図31は、ポートリプリケータ500にパーソナルコンピュータ10が装着された状態を示す図である。
図30に示すように、ポートリプリケータ500の上面には、パーソナルコンピュータ10が装着されたときにパーソナルコンピュータ10の拡張用コネクタ60と結合されるコネクタ510が突出している。コネクタ510は、本実施形態における外部機器側コネクタの一例に相当する。ポートリプリケータ500に対してパーソナルコンピュータ10を着脱する際には、拡張用コネクタ60が強い力で押し引きされるが、本実施形態によると、本体側コネクタ420、補助基板300B、および拡張用コネクタ60が重なって結合されているために強度が高められており、繰り返しパーソナルコンピュータ10を着脱することによる拡張用コネクタ60のガタツキや破損を防止することもできる。
続いて、表示ユニット30における小型・軽量化の工夫について説明する。
図32は、表示ユニット30の側面図である。
表示ユニット30は、前方カバー32Aと後方カバー32Bとの間に液晶パネル610が収容されている。前方カバー32Aは、本実施形態における前カバーの一例にあたり、後方カバー32Bは、本実施形態における後カバーの一例にあたり、液晶パネル610は、本実施形態における表示パネルの一例に相当する。
前方カバー32Aは、液晶パネル610の前面側の周縁を覆う前枠部610Aと、液晶パネル610の側面側に回り込んだ前リブ部610Bとで構成されており、前リブ部610Bの、後カバー32Bと対面する後端面には、相互に距離をあけて複数の突起630が設けられている。前枠部610Aは、本実施形態における前枠の一例にあたり、前リブ部610Bは、本実施形態における前リブの一例に相当し、突起630は、本実施形態における「窪み部に入り込む突部」の一例に相当する。また、この例では、前リブ部610Bが本実施形態における第2のリブの一例にあたるとともに、前方カバー32Aの後端面は、本実施形態における第2の端面の一例に相当する。
後カバー32Bは、前リブ部610Bと嵌り合うことによって液晶パネル610の側面および背面を覆っている。前リブ部610Bと対面する前端面は、液晶パネル610に近い内側が高い段差に形成されており、段差の上段部分640に、下段部分よりも窪んで前リブ部610Bの突起630が挿入される窪み650が設けられている。窪み650は、本実施形態における窪み部の一例に相当する。また、この例では、後カバー32Bの、液晶パネル610の側面を覆う部分が、本実施形態における第1のリブの一例にあたるとともに、後カバー32Bの前端面は、本実施形態における第1の端面の一例に相当する。
図33は、後カバー32Bに取り付けられた液晶パネル610を示す図である。
図33に示すように、後カバー32Bの窪み650は、後カバー32Bの側辺に沿って間隔をもって複数設けられており、前端面および内面の双方に開口している。
図34は、前カバー32Aと後カバー32Bとの嵌合部分の拡大図である。
図32にも示す前カバー32Aの突起630には、中央部分に線状突起631が形成されており、窪み650の寸法誤差を吸収している。前カバー32Aは、枠部分660が後カバー32Bの前端面に形成された段差の下段部分に当接され、枠部分660の内側に後カバー32Bの上段部分640が入り込む。上段部分640には、外方に突出する凸部641が設けられており、枠部分660に設けられた凸部661(図37参照)と嵌り合う。さらに、前カバー32Aの突起630は、後カバー32Bの窪み650に挿入される。図34に示すように、窪み650の幅W3は上段部分640の幅W4よりも狭いため、表示筐体32の強度を維持することができる。
図35は、後カバー32Bの上段部分640に凸部641が設けられていない第1の領域における表示ユニット30の断面図である。
図35に示す第1の領域では、前カバー32Aの枠部分660が後カバー32Bの段差の下段部分に当接され、さらに、後カバー32Bの上段部分640が前カバー32Aの枠部分660よりも内側に入り込んで重なっている。
図36は、前カバー32Aの突起630が設けられた第2の領域における表示ユニット30の断面図である。
図36に示す第2の領域では、前カバー32Aの枠部分660が後カバー32Bの段差の下段部分に当接されるとともに、後カバー32Bの内側に下段部分よりもさらに窪んだ窪み650が設けられており、その窪み650に、前カバー32Aの枠部分660よりも内側に設けられた突起630が挿入されている。その結果、前カバー32Aの突起630が後カバー32Bの窪み650の内側に入り込んで重なっている。
このように、本実施形態によると、図35に示す第1の領域では、後カバー32Bを内側にして前カバー32Aと後カバー32Bとが重なっており、図36に示す第2の領域では、前カバー32Aを内側にして前カバー32Aと後カバー32Bとが重なっている。したがって、前カバー32Aと後カバー32Bが相互に重なり方向の移動を規制し合うため、別部材のリブを用いずに前カバー32Aと後カバー32Bを固定することができ、装置の小型・軽量化と、表示画面の大型化とを両立することができる。
図37は、後カバー32Bの上段部分640に凸部641が設けられた第3の領域における表示ユニット30の断面図である。
図37に示すように、第3の領域では、図35に示す第1の領域と比較して、後カバー32Bの上段部分640に外側に突出する凸部641が設けられており、前カバー32Aの枠部分660には内側に突出する凸部661が設けられている。それら凸部641,661が噛み合うことによって、前カバー32Aと後カバー32Bとを確実に固定することができる。後カバー32Bの凸部641は、本実施形態における係合突部の一例にあたり、前カバー32Aの凸部661は、本実施形態における嵌入突部の一例に相当する。
以上のように、本実施形態によると、表示筐体32の、液晶パネル610の縁を取り囲む部分の幅を狭めることができ、装置の小型・軽量化と、表示画面の大型化とを両立することができる。
ここで、上記では、「課題を解決するための手段」で説明した電子機器の一例としてパーソナルコンピュータが示されているが、この電子機器は、ノートブック型コンピュータ、PDA、ゲーム機、テレビ、および携帯電話機などであってもよい。
また、上記では、表示パネルとして液晶パネルを例にしたが、液晶パネルに限らず、プラズマディスプレイや電界放出ディスプレイ、有機ELディスプレイなどその表示パネルの種類を問うものではない。
また、上記では、キーボードを支持する仕切り板の、複数のキーそれぞれに対応する位置に八角形の穴をあける例について説明したが、例えば、円形の穴を設けても良い。しかし、パーソナルコンピュータに設けられたキーボードでは、キーの形状が四角形であることが一般的であり、仕切り板に八角形の穴が設けられることによって、8つの穴の縁のうちの4つの縁がキーを構成する4つの辺それぞれに平行となるため、強度を維持して効率良く筐体を軽量化することができる。
また、上記では、フレキシブルプリント基板を折り曲げてハードディスクの破損を防止する例について説明したが、本実施形態にいう第1電子部品は、ハードディスク以外の機械駆動式電子部品であってもよく、例えば、記録媒体用のドライブなどであってもよい。
また、上記では、パーソナルコンピュータがポートリプリケータに接続される例について説明したが、本実施形態にいう機能拡張装置としては、ポートリプリケータだけではなく、光ディスクドライブや拡張バッテリ等を内蔵する拡張ステーションやドッキングステーション、パーソナルコンピュータに通信機能を付加する外付けアダプタなどであってもよい。