JP5056212B2 - パスワード入力装置 - Google Patents

Description

本発明は、パスワード入力装置に関し、特にパスワードの漏洩防止技術に関する。

近年、ネットワークに接続可能なコンピュータが普及している。このコンピュータが、ネットワーク上のセキュリティを有するサイトに接続するとき、ユーザにパスワードの入力を促すことがある。ユーザによってパスワードが入力されると、コンピュータはユーザによって入力されたパスワードを上記サイトのサーバに送信する。そして、サーバは、受信したパスワードと予め登録されたパスワードとを照合して、一致していた場合、このサイトの情報を上記コンピュータに送信する。

この種のコンピュータは、このコンピュータに接続されたディスプレイ上に、各文字が配列されたソフトウェアキーボードと、ユーザによる操作に連動したカーソルとを表示する。ユーザは、カーソルを操作することにより、ソフトウェアキーボード上の文字を選択してパスワードの入力を行う。この入力方法では、第三者の目に触れやすい場所にディスプレイが設置されている場合、第三者がカーソルの位置を視認することにより、パスワードが漏洩してしまうことがあるという問題がある。

これに対して、特許文献１には、ソフトウェアキーボード上に表示する各数字キーの配列を入れ替える方法が開示されている。しかし、この方法では、パスワードに文字が含まれる場合、ユーザにとって目的の文字のキーを探す手間が掛かるという問題がある。

また、特許文献２及び特許文献３には、ディスプレイ上に表示された所定文字の表示位置をパスワードとして記憶し、所定文字の表示位置を指示することによりパスワードを入力する方法が開示されている。また、特許文献４には、所定の領域にカーソルを位置させた状態で、所定の操作キーを操作することにより、パスワード情報を入力できるパスワード入力方法が開示されている。しかし、これらの方法では、第三者が入力操作の相対的な動きを注意深く観察すれば入力されたパスワードを推測することができるので、上記問題を解決できない。

また、特許文献５には、パスワード入力時に、ソフトウェアキーボードと、本物のカーソルと、ダミーカーソルとを表示するパスワード入力方法が開示されている。しかし、この方法では、ソフトウェアキーボードの各キーの配置が固定されているので、第三者が本物のカーソルの位置を視認することにより、パスワードが漏洩してしまうことがある。
特開平９−２７４５３１号公報 実登録３０８６７０１号公報 特開２００４−１２６９７３号公報 特開平９−１９０２３７号公報 特開２００６−３４３８７３号公報

本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、第三者の目に触れる状態においてパスワードを入力する場合であっても、第三者によるパスワードの視認が困難であり、パスワードの漏洩を防止することができるパスワード入力装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために請求項１の発明は、パスワード文字をＭ行Ｎ列に並べたパスワード文字配列と、この配列のＭ個の行方向見出し情報及びＮ個の列方向見出し情報とを含むパスワード文字選択入力用のテーブルを生成するテーブル生成手段と、前記テーブル生成手段によって生成された前記パスワード文字選択入力用のテーブルを表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記Ｍ個の行方向見出し情報及び前記Ｎ個の列方向見出し情報を選択するための複数の操作キーを有する選択手段と、前記複数の操作キーによって選択された前記行方向見出し情報及び前記列方向見出し情報に対応する前記パスワード文字配列内のパスワード文字を選択入力するように制御する制御手段とを備え、前記Ｍ個の行方向見出し情報のそれぞれ、及び前記Ｎ個の列方向見出し情報のそれぞれは、前記複数の操作キーのいずれかに対応しているパスワード入力装置である。

請求項２に記載の発明は、請求項１に記載のパスワード入力装置において、前記テーブル生成手段は、前記行方向見出し情報及び前記列方向見出し情報をランダムに編集するものである。

請求項１の発明によれば、行方向見出し情報及び列方向見出し情報に対応するパスワード文字配列内のパスワード文字を入力するので、従来と異なり、カーソルが位置する文字をパスワードとして入力しない。そのため、第三者の目に触れる状態においてパスワードを入力する場合であっても、第三者によるパスワードの視認が困難であり、パスワードの漏洩を防止することができる。

請求項２の発明によれば、第三者によって行方向見出し情報及び列方向見出し情報が第三者の目に触れる状態であっても、行方向見出し情報及び列方向見出し情報がランダムに編集されるので、第三者によるパスワードの視認が困難であり、パスワードの漏洩を防止することができる。

以下、本発明の一実施形態に係るテレビ（パスワード入力装置）について、図１及び図２を参照して説明する。図１は、テレビ２と、テレビ２を操作するためのリモコン３とを含むテレビジョンシステム１の外観を示し、図２は、テレビ２の内部構成を示すブロック図であり、図３は、リモコン３の内部構成を示すブロック図である。

テレビ２は、図２に示すように、テレビジョン番組（以下、ＴＶ番組）や各種メッセージ等を表示するためのディスプレイ２２と、ＴＶ番組の音声等を出力するためのスピーカ２３と、ＴＶ番組を受信するチューナ２６と、リモコン３から送信された赤外線信号を受信するための赤外線信号受信部２７とを備える。

また、テレビ２は、ネットワークケーブル４が接続され、インターネット等のネットワークに接続するためのネットワークインタフェース２４と、各部を制御する制御用マイコン（制御手段）２１と、制御用マイコン２１を動作させるためのプログラムやデータ等を記憶するためのメモリ２５とをさらに備える。

テレビ２は、ネットワークに接続可能であり、ネットワークを介して取得した情報をディスプレイ２２に表示することができる。また、テレビ２は、パスワード等の文字入力に用いるためのパスワードテーブルをディスプレイ２２上に表示可能である。パスワードテーブルの詳細については後述する。

制御用マイコン２１は、請求項におけるテーブル生成手段として機能する。

リモコン３は、図３に示すように、ユーザによって操作され、テレビ２を指示操作するための操作部３２と、操作部３２によって与えられた指示操作に基づく赤外線信号を送信する赤外線信号送信部３４と、リモコン３の各部を制御するための制御用マイコン３１と、制御用マイコン３１を制御するプログラムや赤外線信号のコード等のデータが記憶されたメモリ３３とを備える。

操作部３２は、テレビ２のディスプレイ２２に表示されるカーソルの操作等を行うための十字キー３２ａ（図１参照）と、ＴＶ番組の切替え等の各種操作を行うためのテンキー（操作キー）３２ｂ（図１参照）と、パスワード等の入力決定を指示するための決定キー３２ｃ（図１参照）とを有する。テンキー３２ｂは、「０」〜「９」までの数字キーを有する。

次に、テレビ２におけるパスワードの入力方法について、図４を参照して説明する。図４は、ディスプレイ２２に表示されるパスワードテーブル（テーブル）５の一例を示す。

パスワードテーブル５は、Ｍ（Ｍは１以上の自然数）行Ｎ（Ｎは１以上の自然数）列にセルを並べたパスワード文字配列７１と、この配列７１の行方向におけるＭ個の行方向見出し情報６１及び列方向におけるＮ個の列方向見出し情報６２とを有する。

パスワード文字配列７１の各セルには、数字、文字、及び記号を含むパスワード文字が割当てられている。なお、図４においては、説明の便宜上、パスワード文字配列７１にアルファベット文字が割当てられている例を示す。また、パスワード文字は、数字、文字、又は記号のいずれかを含むものであってもよい。

行方向見出し情報６１及び列方向見出し情報６２の各セルには、それぞれ数字が割当てられている。行方向見出し情報６１の各セルに割当てられている数字は重複して割当てられていない。列方向見出し情報６２の各セルに割当てられている数字も重複して割当てられていない。行方向見出し情報６１及び列方向見出し情報６２の各セルに割当てられている数字はランダムに編集し直すことが可能である。

次に、パスワード文字である「ｗ」７１ａを選択入力する手順について、上記図４を参照して説明する。まず、ユーザはテンキー３２ｂを操作して、行方向見出し情報６１の「１」６１ａに対応するキーを操作後、決定キー３２ｃを押下する。そして、ユーザはテンキー３２ｂを操作して、列方向見出し情報６２の「９」６２ａに対応するキーを操作後、決定キー３２ｃを押下する。これにより、行方向見出し情報６１の「１」６１ａと、列方向見出し情報６２の「９」６２ａに対応する、パスワード文字配列７１内のパスワード文字「ｗ」７１ａが選択入力される。

次に、行方向見出し情報及び列方向見出し情報の各セルに割当てられている数字がランダムに編集し直された例について、図５を参照して説明する。図５は、パスワードテーブル５の一例を示す。

図５に示されるパスワードテーブル５は、行方向見出し情報８１及び列方向見出し情報８２の各セルに割当てられている数字が異なること以外は、図４に示したものと同様である。行方向見出し情報８１は、Ｍ個の数字を図４に示した行方向見出し情報６１とは異なる並び方で並べたものである。列方向見出し情報８２は、Ｎ個の数字を図４に示した列方向見出し情報６２とは異なる並び方で並べたものである。

次に、図５に示すパスワードテーブル５を用いて、パスワード文字「ｗ」７１ａを選択入力する手順について説明する。まず、ユーザはテンキー３２ｂを操作して、行方向見出し情報８１の「９」８１ａに対応するキーを操作後、決定キー３２ｃを押下する。そして、ユーザはテンキー３２ｂを操作して、列方向見出し情報８２の「７」８２ａに対応するキーを操作後、決定キー３２ｃを押下する。これにより、行方向見出し情報８１の「９」８１ａと、列方向見出し情報８２の「７」８２ａに対応する、パスワード文字配列７１内のパスワード文字「ｗ」７１ａが選択入力される。

上記のように、本実施形態に係るテレビ２によれば、行方向見出し情報６１、８１及び列方向見出し情報６２、８２に対応する、パスワード文字配列７１内のパスワード文字を入力するので、従来と異なり、カーソルＣが位置する文字をパスワード文字として選択入力しない。そのため、ディスプレイ２２が第三者の目に触れる場所に設置されている場合であっても、第三者によるパスワードの視認が困難であり、パスワードの漏洩を防止することができる。

また、第三者によって行方向見出し情報６１、８１及び列方向見出し情報６２、８２が視認される場合であっても、行方向見出し情報６１、８１及び列方向見出し情報６２、８２の各セルに割当てられている文字がランダムに編集し直されるので、第三者の目に触れる状態においてパスワードを入力する場合であっても、第三者によるパスワード自体の視認が困難であり、パスワードの漏洩を防止することができる。

なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、インターネットに接続可能であるコンピュータと、このコンピュータに接続されたディスプレイとを備え、ユーザがコンピュータを操作することにより、ディスプレイに表示されたパスワードテーブルを選択入力するものであってもよい。

本発明の一実施形態に係るテレビとリモコンを含むテレビジョンシステムの斜視図。 上記テレビの内部構成を示すブロック図。 上記リモコンの内部構成を示すブロック図。 上記パスワード選択入力画面の一例を示す説明図。 上記パスワード選択入力画面の一例を示す説明図。

符号の説明

２ テレビ（パスワード入力装置）
３ リモコン（選択手段）
５ パスワードテーブル（テーブル）
２１ 制御用マイコン（制御手段）
２６ 操作部（選択手段）
３２ｂ テンキー（操作キー）
６１ 行方向見出し情報
６２ 列方向見出し情報
７１ パスワード文字配列
８１ 行方向見出し情報
８２ 列方向見出し情報

Claims (2)

1. パスワード文字をＭ行Ｎ列に並べたパスワード文字配列と、この配列のＭ個の行方向見出し情報及びＮ個の列方向見出し情報とを含むパスワード文字選択入力用のテーブルを生成するテーブル生成手段と、
   前記テーブル生成手段によって生成された前記パスワード文字選択入力用のテーブルを表示する表示手段と、
   前記表示手段に表示された前記Ｍ個の行方向見出し情報及び前記Ｎ個の列方向見出し情報を選択するための複数の操作キーを有する選択手段と、
   前記複数の操作キーによって選択された前記行方向見出し情報及び前記列方向見出し情報に対応する前記パスワード文字配列内のパスワード文字を選択入力するように制御する制御手段とを備え、
   前記Ｍ個の行方向見出し情報のそれぞれ、及び前記Ｎ個の列方向見出し情報のそれぞれは、前記複数の操作キーのいずれかに対応していることを特徴とするパスワード入力装置。
2. 前記テーブル生成手段は、前記行方向見出し情報及び前記列方向見出し情報をランダムに編集することを特徴とする請求項１に記載のパスワード入力装置。