JP5055782B2 - 交流電動機のインバータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータ駆動による交流電動機の制御装置に関する。
インバータにより交流電動機を駆動する場合においてその減速時に負荷の持つ機械的なエネルギがインバータ側に回生されたり、負荷が回生負荷の場合などは、その回生エネルギがインバータ側へ流れ込み、その直流母線に接続されている平滑用コンデンサにたまることで直流電圧が上昇する。この電圧がインバータ素子の耐電圧を越えると素子が破壊されるため、直流電圧が所定値を超えた場合には、強制的にインバータの運転を停止したり、運転を継続させる場合には直流母線に制動抵抗を取り付け、この抵抗に電流を流すことでインバータに回生するエネルギを消費させるか、減速に限ればその減速時間を大幅に長くする必要がある。従来のインバータ駆動による交流電動機の制動抵抗無しで減速時間を短縮する方法は、誘導電動機の減速時にすべりが−(二次抵抗/一次抵抗)となる周波数より低い周波数成分の出力電圧を元の周波数の出力電圧値に重畳して運転しながら減速させている(例えば特許文献1参照)。
図13において、101は交流を直流に変換するコンバータ、103はコンバータ101で変換された直流電圧をオン・オフ制御することにより任意の電圧を出力するインバータ、104は運転する対象の交流電動機であり、速度指令ω*に応じた出力電圧値および電圧位相をV/fパターン回路107および位相演算回路108で演算し、ベクトル演算回路109で三相の出力電圧指令値を演算し、ゲートドライブ回路102でインバータ103のオン・オフ制御のための信号に変換し、インバータ103を制御して所定の電圧を出力し、交流電動機104を駆動する。減速時には減速時加算電圧演算器114により前記すべりが−(二次抵抗/一次抵抗)となる成分の電圧指令成分を演算し、ベクトル演算回路109からの電圧指令値に加算した値を電圧指令値とし、これに基づいて運転する。電動機は元の運転周波数成分に基づいて回転しているので減速時加算電圧演算器114からの電圧指令により流れる電流は損失となり、減速時に発生する回生エネルギを消費するため、制動抵抗に代わる働きをするので減速時間を短縮できるというものである。また、重畳する電圧成分により発生するトルクリプルを抑制するために二つの周波数成分の平均値が駆動用の出力周波数となるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−282838号公報(第6−7頁、図3) 特開2004−88943号公報(第3−4頁、図1)
従来の特許文献1に開示されている方法では、重畳する周波数成分をすべりが−(二次抵抗/一次抵抗)となるよりも低い周波数とし、回生エネルギを損失として効果的に消費することだけを考慮しているので,重畳成分によって大きなトルクリプルが発生するという問題があった。また、特許文献2の場合はトルクリプルの低減を重視しこれを実現できる成分の周波数の決定方法に関するものであり制動抵抗無しでの減速時間を短縮するための条件としては不十分であるという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、制動抵抗無しでの減速時間の短縮を可能とするとともに重畳する周波数成分により発生するトルクリプルを抑制し、減速時間の短縮とトルクリプルの低減を実現する制御装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のようにしたものである。
請求項1に記載の発明は、速度指令もしくは周波数指令に応じて所定の周波数−電圧の関数に基づいて出力電圧指令を出力するV/fパターン演算器10と、速度指令もしくは周波数指令に応じて出力位相を出力する位相演算器11と、電圧指令と出力位相に基づき三相の各相の電圧指令値を演算するベクトル演算器12と、インバータ3の直流母線の直流電圧を検出する直流電圧検出器13とを有し、V/f制御により交流電動機を駆動する交流電動機のインバータ制御装置において、
前記速度指令と前記直流電圧値に基づいて所定の電圧指令を加算するための電圧加算用V/fパターン演算器18と、所定の周波数を持つ電圧成分を演算する重畳電圧演算器17を備え、
前記交流電動機の減速中に、前記直流電圧および前記直流電圧の上昇率が第1の所定条件を満足したとき、V/fパターンを別途設定した所定量だけ加算し、以後これを繰り返し、前記第1の所定条件が満足されなくなったとき、V/fパターンを前記所定量だけ減算し、以後加算開始前のV/fパターンにもどるまでこれを繰り返し、
前記所定量加算の繰り返し中、出力電圧指令、前記直流電圧および前記直流電圧の上昇率が第2の所定条件を満足すると、前記各相の電圧指令に前記重畳電圧演算器17から出力される速度指令周波数よりも高い周波数の電圧重畳成分を加算して前記交流電動機の減速を継続させ、前記第2の所定条件が満足されなくなった場合、前記電圧重畳成分の加算をやめるものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第1の所定条件は、前記直流電圧が第1の所定レベル以上の場合または前記直流電圧の上昇率が第1の所定値以上の場合のいずれかであり、前記第2の所定条件は、前記出力電圧指令がリミットにかかっている場合、または前記直流電圧が前記第1の所定レベルよりも高い第2の所定レベル以上の場合、または前記直流電圧の上昇率が前記第1の所定値より大きい第2の所定以上の場合のいずれかとしたものである。
請求項3に記載の発明は、速度指令もしくは周波数指令に応じて所定の周波数−電圧の関数に基づいて出力電圧指令を出力するV/fパターン演算器10と、速度指令もしくは周波数指令に応じて出力位相を出力する位相演算器11と、電圧指令と出力位相に基づき三相の各相の電圧指令値を演算するベクトル演算器12と、インバータ3の直流母線の直流電圧を検出する直流電圧検出器13と、前記直流電圧値が変動した場合にも出力電圧が一定となるように電圧指令値を調整するための係数を演算する出力電圧調整係数演算器14と、V/f制御により交流電動機を駆動する交流電動機のインバータ制御装置において、
前記出力電圧調整係数演算器14の出力値、前記出力値に更にローパスフィルタを通した値あるいは前記係数を1.0に固定した値もしくは減速開始直前の前記係数を保持した値のいずれかに切り替えて出力する出力電圧調整係数切替器19と、所定の周波数を持つ電圧成分を演算する重畳電圧演算器17を備え、
前記交流電動機の減速中、前記出力電圧調整係数切替器19は前記係数を1.0に固定した値に常時切り替え、
出力電圧指令、前記直流電圧および前記直流電圧の上昇率が第2の所定条件を満足すると前記各相の電圧指令に前記重畳電圧演算器17から出力される速度指令周波数よりも高い周波数の電圧重畳成分を加算して前記交流電動機の減速を継続させ、前記第2の所定条件が満足されなくなったとき、前記電圧重畳成分の加算を止めるものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3において前記第2の所定条件は、直流電圧が第1の所定のレベルよりも高くインバータ3の過電圧検出レベルよりも低い値に設定された第2の所定レベル以上の場合または直流電圧の上昇率が第3の所定値以上の場合のいずれかとしたものである。
請求項5に記載の発明は、速度指令もしくは周波数指令に応じて出力位相を出力する位相演算器11と、電圧指令と出力位相に基づき三相の各相の電圧指令値を演算するベクトル演算器12と、インバータ3の直流母線の直流電圧を検出する直流電圧検出器13と、磁束成分の座標軸(d軸)とそれに直交するトルク成分の座標軸(q軸)からなる座標系を設定し、電流演算器8の出力を前記座標軸上に変換する座標変換器20と、前記座標系に基づいて運転指令どおりに交流電動機を駆動するための電流指令および周波数指令を出力する電流指令・出力周波数演算器23と、前記電流指令と電流検出値が一致するように出力電圧指令を演算する電流制御演算器24を有する前記交流電動機のインバータ制御装置において、
前記インバータ3の直流電圧が上昇した場合に所定の磁束電流補正量を加算するための磁束電流補正量演算器25と、所定の周波数を持つ電圧成分を演算する重畳電圧演算器17と、電流基本成分抽出フィルタ(21、22)とを備え、
前記交流電動機の減速中、前記直流電圧と前記直流電圧の上昇率が第1の所定条件を満足したとき、磁束電流を別途設定した所定量だけ加算し、以後これを繰り返し、前記第1の所定条件が満足されなくなったとき、前記磁束電流を前記所定量だけ減算し、以後加算開始前の磁束電流にもどるまでこれを繰り返し、
前記所定量加算の繰り返し中、前記磁束電流、前記直流電圧および前記直流電圧の上昇率が第の所定条件を満足すると、前記各相の電圧指令に前記重畳電圧演算器17から出力される速度指令周波数よりも高い周波数の電圧重畳成分を加算して前記交流電動機の減速を継続させ、前記第の所定条件が満足されなくなった場合、前記電圧重畳成分の加算を止めるものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5において前記第1の所定条件は、前記直流電圧が第1の所定レベル以上の場合または前記直流電圧の上昇率が第1の所定値以上の場合のいずれかであり、
前記第の所定条件は、前記磁束電流がリミットにかかっている場合または前記直流電圧が前記第1の所定レベルよりも高い第2の所定レベル以上の場合または前記直流電圧の上昇率が前記第1の所定値より大きい第2の所定値以上の場合のいずれかとしたものである。
請求項1から6に記載の発明によると、電動機におけるエネルギの損失を増加させることができ、交流電動機の駆動中に負荷からの回生エネルギによりインバータの直流電圧が上昇する場合に、この回生エネルギを電動機内で損失として消費させることでインバータへのエネルギの回生を制限することができる。その結果、インバータの直流電圧の上昇を防止できるので、制動抵抗を取り付けることなく減速時間を短縮でき、また回生負荷がかかった状態での駆動においても、運転指令どおりに交流電動機を駆動することができる。
以下、本発明の方法の具体的実施例について、図に基づいて説明する。
図1は、従来のV/f制御により交流電動機を駆動する場合のインバータ装置に本発明を適用した構成を示すブロック図である。実際の装置では性能向上のため電圧指令や位相等にさまざまな補正が施されているが、ここでは本発明の実施の説明に必要な基本構成だけを抜粋して記述している。図1において1は三相電源の交流を直流に変換するコンバータ、2は直流電圧のリプルを低減させるための平滑コンデンサ、3は直流電圧をオン・オフ制御することで任意の電圧振幅の交流電圧に変換して出力するインバータ、4は駆動対象の交流電動機、5は電動機に取り付けられた負荷である。6、7は電流検出器であり任意の2相の出力線に流れる電流を検出するように取り付けられている。8は電流演算器であり、電流検出器6、7で検出した電流を後述のそれぞれの演算器で取り扱う信号形態および単位に換算する。9は出力電流の各相の瞬時値からその大きさを示す合成値として出力電流ioutdetを求める出力電流演算器である。出力電圧を印加する負荷の交流電動機は三相平衡回路であり、理想的には外部に漏れる電流が無いので、インバータから電動機に流れる方向を正、電動機からインバータへ流れる方向を負で表した場合に各相の電流値の和は零となるので、任意の2相の電流値を検出すれば残りの1相の電流がわかる。
また、前記の電流の合成値の大きさは、実効値、平均値(交流であるので絶対値を取った後に平均したもの)や振幅の最大値などのいずれでも良いが、ここでは交流電流の大きさの表現として一般的に用いられる実効値で説明する。10は速度指令ω*に応じて出力電圧指令v*を出力するV/fパターン演算器である。V/fパターンは出力周波数と出力電圧の関係を示す関数であり、電動機の特性によって定まる固有の周波数と電圧の関係に基づいて出力電圧指令v*を決定する。11は速度指令ω*に応じて出力位相θoutを出力する位相演算器である。12は電圧指令v*と出力位相θoutに基づき三相の各相の電圧指令値を演算するベクトル演算器である。13はインバータの直流母線の直流電圧を検出する直流電圧検出器である。14は直流電圧値が変動した場合にも出力電圧が一定となるように電圧指令値を調整するための係数vdc_adj_kを演算する出力電圧調整係数演算器である。基準となる直流電圧値をVdc_base、検出した直流電圧をvdcとすると補正係数= Vdc_base/vdcで求めている。vdc_adj_kは前記補正係数をそのまま用いるか所定のローパスフィルタを通した値を用いている。
15はベクトル演算器12からの各相の電圧指令値に基づきインバータ3のスイッチング素子のオン・オフのパルス幅を演算するPWM演算器である。PWM演算器15では、前述の出力電圧調整係数vdc_adj_kを用いて直流電圧の大きさに基づいてパルス幅を調整する演算も合わせて行っている。16はPWM演算器15の出力をインバータ3のスイッチング素子のオン・オフを行うために必要な信号形態に変換するためのゲートドライブ回路である。17は後述する本発明の重畳電圧成分を出力する重畳電圧演算器である。加速時及び定速運転時は、重畳電圧演算器の出力を全て零とすることで、従来の駆動方法と同じ動作で運転する。18は出力電圧を増加させるために、通常のV/fパターンに加算する量を演算する電圧加算用V/fパターン演算器である。電圧加算用V/fパターン演算器の出力は通常は零であり、減速時などの条件で出力電圧を増加させるための補正量を出力する。
図2は図1の本発明の構成において交流電動機を減速運転する場合の処理を示すフローチャートである。図2に基づいて本発明の処理手順を説明する。電動機の回転中に減速開始の指令が与えられると(STEP101)従来と同様に別途設定されている減速率に応じて出力周波数を下げる(STEP102)。同時に、電圧加算用V/fパターン演算器の出力Δkの初期値は0であり、直流電圧の上昇がない場合には作用しない。次に、減速が完了したかどうかを判定し(STEP103)、減速中であればSTEP104で直流電圧vdcが第1の所定レベルV1より小さいかどうか判別する。第1の所定レベルV1の値は、コンバータ1、平滑コンデンサ2およびインバータ3を構成する部品の耐圧を考慮し、過電圧による破壊となるレベルもしくは過電圧による破壊から保護するために直流電圧が上昇した場合に強制的に運転停止するような過電圧保護が設けられている場合には過電圧保護レベルよりも低いレベルで、かつ、インバータ装置の運転停止状態で通電中の直流電圧よりも高いレベルの範囲に設定する。
直流電圧のレベルによる切替だけでは切替が断続的に発生し過渡的な変動の影響が大きくなるため、電圧上昇率による判定条件を併用し滑らかに状態が推移するようにしている。この第1の所定値ΔV1は誤動作しないように直流電圧検出値のリプルよりも大きい値に設定し、かつ直流電圧レベルV1による動作よりも先に作用する程度の大きさに設定する。直流電圧が第1の所定レベルV1以上または直流電圧vdcの上昇率が第1の所定値ΔV1以上であれば、V/fパターンを別途指定したΔkだけ上げる(STEP105)。Δkの大きさは演算器の処理周期と電動機の定格電圧に応じて、調整が間に合わずに過電圧に至るあるいは調整幅が大きすぎて振動が激しくならない範囲で適当な値に定める。
STEP106ではV/fパターンによって持ち上げた電圧値が出力電圧のリミットにかかっているかどうかおよび直流電圧が第2の所定レベルV2以上かどうかまたは直流電圧の上昇率が所定値ΔV2以上かどうかを判定する。第2の所定のレベルV2および第2の所定値ΔV2は、第1の所定のレベルV1および第1の所定値ΔV1と同様に定め、この値は前記V1またはΔV1と同じ値かこれらよりも大きい値とする。リミットにかかっていない場合、直流電圧が第2の所定値V2より小さい場合および直流電圧の上昇が第2の所定値ΔV2よりも小さい場合は、STEP102の処理に戻り出力周波数を低下させていく。
また、フローでは記載を省略しているが、STEP104の判定処理で、直流電圧の上昇がない場合には、V/fパターンを元のレベルにΔkずつ戻す処理を実行する。STEP106の判定でV/fパターンがリミットにかかっているあるいは直流電圧値が第2の所定値V2以上もしくは直流電圧の上昇率が第2の所定値ΔV2以上と判定された場合は、STEP107で所定の電圧指令に所定の電圧成分を重畳して出力する。重畳する成分vu_b*、vv_b*、vw_b*は、重畳電圧演算器17で計算している。
ここで、Vaddは重畳する電圧の振幅の波高値、faddは重畳する成分の周波数、tは時間である。2π/3の前の複合は、U相、V相、W相の相回転(あるいは相順という)の方向を示すものであり、上同士、下同士の符号の組合せで用いる(複合同順)。Vaddは、交流電動機駆動中において直流電圧の上昇の程度と発生するリプルの大きさを考慮して適切な値を設定しておく。あるいはSTEP106、STEP107の処理において直流電圧が増加している間は少しずつ増加させるようにして、調整する。ωaddは運転用の速度指令に対して任意の倍率となるようにしたり、運転周波数に対して固定した値をオフセットとして加えたものとしたりするなど、どの方法でもよいので、調整要素とし、いくつかの設定を準備しておき、それぞれの用途において、直流電圧の上昇の制限および電動機に発生する回転速度リプル・トルクリプルを考慮して最適な条件を適宜選択する。
また、ここで直流電圧が上昇していない場合は、重畳成分は前記の増加量分ずつ逆に減少させていく。重畳成分がリミットに到達していな場合(STEP108)はSTEP102の処理に戻り、これまでに説明した減速処理を繰り返す。リミットに到達している場合は、減速率を小さくするもしくは出力周波数の低下を一時的に止める(STEP109)ことにより、直流電圧の上昇を抑制する。そして直流電圧が減少した場合は前述のように重畳成分を減少させる処理により、再びリミットにかかる前と同じ処理となり、減速を継続する。STEP109の出力周波数を制限する処理は従来の方法であるが、STEP105およびSTEP107の処理と併用しているので、従来よりも設定された減速率に近い時間での減速が可能である。
以上に述べたように、電動機の減速時に負荷からの回生エネルギにより直流電圧が上昇した場合には、出力電圧を上昇させかつ運転成分とは別の成分の電圧を印加することにより電動機における損失を増加させることで回生エネルギを減少させて直流電圧の上昇を抑制するので、電動機の減速時間を短縮することができる。また、まず始めに出力電圧を上昇させることによる損失成分を発生させ、これで不足の場合に、電圧の重畳を行うようにしているので、重畳成分による電動機のトルクリプルを最小限に押さえることができる。
図3〜4は本発明を適用した場合の動作及びその効果を説明するためのシミュレーションにより出力した波形である。ここでは、インバータとして定格電圧200V、定格電流8.0Aを用い、交流電動機は定格電圧180V,定格電流6.6A、極数4極、定格周波数60Hz、回転子のイナーシャ0.008kgm2の誘導電動機を用い、負荷には0.016kgm2のイナーシャを持つ機械を取り付けている。また、インバータの直流電圧値が各素子の耐圧を超えることにより破壊することを防ぐために強制的に出力を遮断する動作を実行する電圧値(ここでは過電圧レベルという)を設けており、実施例で用いたインバータでは400Vに設定している。
図3は本発明を実施せずに減速した場合の動作を示すタイムチャートである。(a)は速度指令、(b)はモータの回転速度、(c)はインバータの直流電圧であり、1150min-1の速度から減速させたときの波形である。減速を開始すると負荷の回生エネルギにより直流電圧vdcが上昇しており、この電圧値が各過電圧レベルを超えないように減速時間を定めると図3のようになる。ここでは減速時間は約1.4秒かかっている。
一方、図4は本発明の図2に示すフローチャートに基づく運転時の動作を示すタイムチャートである。この例では、前記のV1=V2,ΔV1=ΔV2とし直流電圧値の上昇と同時にV/fパターンを上げる処理と電圧成分の重畳処理が同時に実行されるようにしている。この実施例では、直流電圧vdcの大きさに関係なく電圧加算用V/fパターン演算器18の出力ΔkをV/fパターン演算器10の出力の20%の比率となるようにしている。また重畳電圧演算器17の出力vu_b*、vv_b*、vw_b*は周波数faddが(運転周波数+60Hz)、振幅の波高値Vaddが(V/fパターン演算器10の出力の5%+4(V))としている。この4(V)は重畳成分の効果をより高めるためにオフセットとして加算している。過電圧にならないように減速した場合の減速時間が約0.7秒であり、約2分の1の時間で減速できている。運転周波数とは異なる周波数成分を重畳することにより発生するリプルはモータ回転速度の波形を見て判別できない程度の微小なものであり、実用上問題ない特性が得られている。
図5は図2のフローで減速中に、減速を中断したときの処理である。減速中(STEP151)に目的の速度まで出力周波数が低下し減速が完了したあるいは出力中の周波数よりも大きい周波数指令が与えられ加速に移行したことによる減速指令の解除を検出した(STEP152)
場合は、V/fパターンを元に戻すと同時に重畳成分を0にする(STEP153)。このときの変更方法は、前述の直流電圧の上昇がない場合に元のレベルに戻す方法と同じである。あるいは、V/fパターンを上げるための補正係数または重畳成分の振幅値にローパスフィルタを入れて、徐々に変更しても良い。周波数指令は従来どおり運転指令に応じて操作する(STEP154)。
図6は減速途中に再度加速した場合である。図を見て分かるように、減速から連続的に加速に移行できている。
図7は第2の実施例を示すフロー図である。これは、減速中に限らず、通常の運転中に回生負荷が加わってインバータの直流電圧が上昇するような場合に用いるものである。運転中に直流電圧の上昇を検出する(STEP181)と電圧加算用V/fパターン演算器18の出力Δkを上げ(STEP182)、直流電圧が次の第2の条件も満たす場合(STEP183)は電圧重畳成分を印加する。これらの動作は実施例1の減速中と同じ処理である。重畳成分がリミットに達した場合(STEP185)は、速度指令を下げる(STEP186)などして、直流電圧が上昇しないようにする。STEP186の処理はトルクリミットを下げる方法の以外にも公知の方法で処理を行う。このようにすることで、本来はSTEP186に記載される回転速度を下げるなどの公知の方法で直流電圧の上昇原因である回生エネルギを抑えるために何らかの運転制限を掛ける必要があったが、STEP181からSTEP184の処理を適用することで、そのまま指令どおりの運転を継続することができるようになる。
図8は、V/f制御により交流電動機を駆動する場合のインバータ装置に本発明を適用した第3の実施例の構成を示すブロック図である。図1と共通のブロックは同じ番号で示しており重複する説明は省略する。19は出力電圧調整係数演算器14の出力値、前記出力値に更にローパスフィルタを入れたもの、補正係数を1.0に固定した値、減速開始直前の補正係数を保持した値のいずれかに切り替えてPWM演算器15へ出力する出力電圧調整係数切替器である。
図9は第3の実施例の減速方法についてのフロー図である。減速開始指令を受け付けると(STEP201)、出力電圧調整係数切替器19で出力電圧補正係数vdc_adj_kを減速開始直前の値に固定する(STEP202)。あるいは、時定数の長いローパスフィルタを通したり、係数を1.0に固定した値も選択可能である。次に設定された減速率で出力周波数を低下させる(STEP203)。減速中は(STEP204)、直流電圧が第2の所定レベルV2以上かどうかまたは直流電圧の上昇率が所定値ΔV2以上かどうかを判定する(STEP205)。第2の所定のレベルV2および第2の所定値ΔV2は図2のSTEP206と同一である。
またSTEP206は図2のSTEP107と、STEP207はSTEP108と、STEP208はSTEP109とそれぞれ同じ処理であるので、説明を省略する。減速中は出力電圧補正係数vdc_adj_kの値を固定しているので、負荷からの回生エネルギで直流電圧が上昇した場合、実際の出力電圧が上昇し、第1の実施例で説明したV/fパターン演算器18の出力Δkを上げる場合と同様の作用が得られる。また、従来のV/fパターンに電圧を加算する場合、電圧加算用V/fパターン演算器の出力Δkを加える構成としたが、従来のV/fパターンの諸定数を可変して実現しても良い。
図10は、従来のセンサレスベクトル制御により交流電動機を駆動する場合のインバータ装置に本発明を適用した第4の実施例の構成を示すブロック図である。図1と共通のブロックは同じ番号で示しており重複する説明は省略する。ベクトル制御は磁束成分の座標軸(ここではd軸という)とそれに直交するトルク成分の座標軸(ここではq軸という)からなる座標系を用いて交流電動機を駆動する出力電圧を演算するものである。ベクトル制御については公知の方法であるのでその原理や変換式の説明はここでは省略する。20は検出した各相の電流をd軸座標上の電流iddetとiqdetに変換する座標変換器である。21、22は後述の本発明の適用により重畳する電圧による電流成分を検出電流から除去し、電動機の駆動に関係する基本波成分を取り出すための電流基本成分抽出フィルタである。
電流検出値iddetおよびiqdetは定常状態では直流量となるので、ここではこのフィルタはローパスフィルタを用いており、フィルタのカットオフ周波数は重畳成分を除去するのに十分な値としている。このフィルタのカットオフ周波数は、重畳成分を除去するには低いほど良いが、電動機制御の応答性に関しては高いほうが良いので、両者の特性を考慮して実施条件に応じて適切な値を選択する。23は与えられた速度指令通りに交流電動機を駆動するための電流指令および出力周波数を演算し出力する電流指令・出力周波数演算器であり、交流電動機の回転速度を演算により求める速度推定演算およびこの速度推定演算によって求めた速度推定値と速度指令値ω*が一致するようにトルク電流指令を作成する速度制御演算を含む電流指令・出力周波数演算器である。速度推定演算と速度制御演算は従来の公知技術と同じ方法を用いるので詳細な説明は省略する。
なお電動機に速度センサが付いていてその情報に基づいて運転するセンサ付きベクトル制御の場合には、前記速度推定値の代わりに速度センサで検出した速度を用いる。24は磁束電流指令id*と運転成分の励磁電流検出値iddet_filおよびトルク電流指令iq*と運転成分のトルク電流検出値iqdetがそれぞれ一致するように電圧を出力するための電圧指令を演算する電流制御演算器である。重畳電圧演算器17では、出力周波数指令fout*および出力電流値ioutdetに基づいて重畳する電圧を演算しており、この演算方法および出力電圧への反映方法は前記のV/f制御での実施例の各方法と同じであるので記載を省略する。
25は減速時に磁束電流指令を増加させるための磁束電流補正量演算器である。ベクトル制御では電流指令が基準となるので、前記図1のV/f制御における実施例の電圧指令を上乗せする電圧加算用V/fパターン演算器18に替えて磁束電流指令を調整する磁束電流補正演算器25を用いて磁束電流を増加させるもので、V/f制御と対比した場合には電圧加算用V/fパターン演算器18と等価的な機能を有するものである。減速時には、磁束電流補正量演算器25の出力に基づいて、電流指令・出力周波数演算器23の出力である磁束電流指令を調整している。磁束電流指令は所定の磁束を発生させるものであり、磁束は電流に比例する関係があるので、前記説明の磁束電流指令の調整に替えて磁束指令を調整しても同じ効果がある。
図11は第4の実施例の処理を示すフロー図である。STEP301からSTEP304の処理は図2のSTEP101からSTEP104の処理と同じであるので説明を省略する。V/f制御では電圧指令v*を与えているのに対し、ベクトル制御では図9に示したように磁束電流指令id*を調整する。直流電圧が第1の所定レベルV1以上または直流電圧vdcの上昇率が第1の所定値ΔV1以上であれば、図10の磁束電流補正量演算器25により磁束電流指令をΔk2だけ増加させる(STEP305)。Δk2の大きさは演算器の処理周期と電動機の定格電圧に応じて、調整が間に合わずに過電圧に至るあるいは調整幅が大きすぎて振動が激しくならない範囲で適当な値に定める。ここで、直流電圧の上昇がない場合は、増加させて磁束電流指令を増加させるときの増分値と同じ量ずつ減少させて元の電流指令値に戻すようにしている。
STEP306で磁束電流指令がリミットに到達していない場合、直流電圧が第2の所定値V2より小さい場合および直流電圧の上昇が第2の所定値ΔV2よりも小さい場合はSTEP302の処理に戻って再び周波数を低下させる。磁束電流指令がリミットに到達している場合、直流電圧値が第2の所定値V2以上もしくは直流電圧の上昇率が第2の所定値ΔV2以上と判定された場合は、STEP307で所定の電圧指令に所定の電圧成分を重畳して出力する。STEP308,STEP309の処理はそれぞれ図2のSTEP108,STEP109の処理と同一であるので説明を省略する。
図12は第5の実施例を示すフロー図である。これは、第4の実施例の方法を減速中に限らず、通常の運転中に回生負荷が加わってインバータの直流電圧が上昇するような場合に用いるものである。運転中に直流電圧の上昇を検出する(STEP351)と磁束電流指令を増加させ(STEP352)、直流電圧が次の第2の条件も満たす場合(STEP353)は電圧重畳成分を印加する(STEP354)。これらの動作は実施例1の減速中と同じ処理である。重畳成分がリミットに達した場合(STEP355)は、トルクリミットを下げる(STEP356)などして、直流電圧が上昇しないようにする。STEP356の処理はトルクリミットを下げる方法の以外にも公知の方法で処理を行う。このようにすることで、本来はSTEP356に記載されるトルクリミットを下げるなどの公知の方法で直流電圧の上昇原因である回生エネルギを抑えるために何らかの運転制限を掛ける必要があったが、STEP351からSTEP354の処理を適用することで、そのまま指令どおりの運転を継続することができるようになる。
以上のようにベクトル制御の場合は、V/f制御におけるV/fパターンの操作に替えて磁束電流指令値を操作することでV/f制御と同様に電動機での損失を増加させることで回生エネルギを消費させて直流電圧の上昇を制限し、減速時間の短縮を実現できる。また、加速時や定速運転時にも適用することで、同様に回生エネルギを消費させることができ、従来はトルクリミットを下げるなど運転を制限していた回生負荷の条件でも、指令どおりの運転を継続させることができる。また、始めに出力周波数指令に基づく出力電圧成分もしくは磁束電流を増加させ、その不足分を重畳電圧成分を増加して補うことにより、それぞれ単体で使用するよりもより効果的でかつ、重畳成分によるリプル発生の影響を最小限に抑えることができる。
本発明を交流電動機のV/f制御に適用する場合の第1の実施例のインバータ装置の構成を示すブロック図 本発明の第1の実施例の処理手順を示すフローチャート 本発明を適用しないときの減速時の特性を示すタイムチャート 本発明を第1の実施例の処理を適用した減速時の特性を示すタイムチャート 本発明を第1の実施例の減速時に減速を中断し再加速するときの処理を示すフローチャート 本発明を第1の実施例の減速時に減速を中断して再加速させたときの特性を示すタイムチャート 本発明の第2の実施例の処理手順を示すフローチャート 本発明を交流電動機のV/f制御に適用する場合の第2の実施例のインバータ装置の構成を示すブロック図 本発明の第3の実施例の処理手順を示すフローチャート 本発明を交流電動機のセンサレスベクトル制御に適用する場合の第4の実施例のインバータ装置の構成を示すブロック図 本発明の第4の実施例の処理手順を示すフローチャート 本発明の第5の実施例の処理手順を示すフローチャート 従来の方法のインバータ装置の構成を示すブロック図
符号の説明
1 コンバータ
2 平滑コンデンサ
3 インバータ
4 交流電動機
5 負荷、
6、7 電流検出器
8 電流演算器
9 出力電流演算器、
10 V/fパターン演算器
11 位相演算器
12 ベクトル演算器
13 直流電圧検出器
14 出力電圧調整係数演算器
15 PWM演算器
16 ゲートドライブ回路
17 重畳電圧演算器
18 電圧加算用V/fパターン演算器
19 出力電圧調整係数切替器
20 座標変換器
21、22 電流基本成分抽出フィルタ
23 電流制御演算器
24 電流指令・出力周波数演算器
25 磁束電流補正量演算器

Claims (6)

  1. 速度指令もしくは周波数指令に応じて所定の周波数−電圧の関数に基づいて出力電圧指令を出力するV/fパターン演算器10と、速度指令もしくは周波数指令に応じて出力位相を出力する位相演算器11と、電圧指令と出力位相に基づき三相の各相の電圧指令値を演算するベクトル演算器12と、インバータ3の直流母線の直流電圧を検出する直流電圧検出器13とを有し、V/f制御により交流電動機を駆動する交流電動機のインバータ制御装置において、
    前記速度指令と前記直流電圧値に基づいて所定の電圧指令を加算するための電圧加算用V/fパターン演算器18と、所定の周波数を持つ電圧成分を演算する重畳電圧演算器17を備え、
    前記交流電動機の減速中に、前記直流電圧および前記直流電圧の上昇率が第1の所定条件を満足したとき、V/fパターンを別途設定した所定量だけ加算し、以後これを繰り返し、前記第1の所定条件が満足されなくなったとき、V/fパターンを前記所定量だけ減算し、以後加算開始前のV/fパターンにもどるまでこれを繰り返し、
    前記所定量加算の繰り返し中、出力電圧指令、前記直流電圧および前記直流電圧の上昇率が第2の所定条件を満足すると、前記各相の電圧指令に前記重畳電圧演算器17から出力される速度指令周波数よりも高い周波数の電圧重畳成分を加算して前記交流電動機の減速を継続させ、前記第2の所定条件が満足されなくなった場合、前記電圧重畳成分の加算をやめることを特徴とする交流電動機のインバータ制御装置。
  2. 前記第1の所定条件は、前記直流電圧が第1の所定レベル以上の場合または前記直流電圧の上昇率が第1の所定値以上の場合のいずれかであり、前記第2の所定条件は、前記出力電圧指令がリミットにかかっている場合、または前記直流電圧が前記第1の所定レベルよりも高い第2の所定レベル以上の場合、または前記直流電圧の上昇率が前記第1の所定値より大きい第2の所定以上の場合のいずれかである請求項1記載のインバータ制御装置。
  3. 速度指令もしくは周波数指令に応じて所定の周波数−電圧の関数に基づいて出力電圧指令を出力するV/fパターン演算器10と、速度指令もしくは周波数指令に応じて出力位相を出力する位相演算器11と、電圧指令と出力位相に基づき三相の各相の電圧指令値を演算するベクトル演算器12と、インバータ3の直流母線の直流電圧を検出する直流電圧検出器13と、前記直流電圧値が変動した場合にも出力電圧が一定となるように電圧指令値を調整するための係数を演算する出力電圧調整係数演算器14と、V/f制御により交流電動機を駆動する交流電動機のインバータ制御装置において、
    前記出力電圧調整係数演算器14の出力値、前記出力値に更にローパスフィルタを通した値あるいは前記係数を1.0に固定した値もしくは減速開始直前の前記係数を保持した値のいずれかに切り替えて出力する出力電圧調整係数切替器19と、所定の周波数を持つ電圧成分を演算する重畳電圧演算器17を備え、
    前記交流電動機の減速中、前記出力電圧調整係数切替器19は前記係数を1.0に固定した値に常時切り替え、
    出力電圧指令、前記直流電圧および前記直流電圧の上昇率が第2の所定条件を満足すると前記各相の電圧指令に前記重畳電圧演算器17から出力される速度指令周波数よりも高い周波数の電圧重畳成分を加算して前記交流電動機の減速を継続させ、前記第2の所定条件が満足されなくなったとき、前記電圧重畳成分の加算を止めることを特徴とする交流電動機のインバータ制御装置。
  4. 前記第2の所定条件は、直流電圧が第1の所定のレベルよりも高くインバータ3の過電圧検出レベルよりも低い値に設定された第2の所定レベル以上の場合または直流電圧の上昇率が第3の所定値以上の場合のいずれかである請求項3記載のインバータ制御装置。
  5. 速度指令もしくは周波数指令に応じて出力位相を出力する位相演算器11と、電圧指令と出力位相に基づき三相の各相の電圧指令値を演算するベクトル演算器12と、インバータ3の直流母線の直流電圧を検出する直流電圧検出器13と、磁束成分の座標軸(d軸)とそれに直交するトルク成分の座標軸(q軸)からなる座標系を設定し、電流演算器8の出力を前記座標軸上に変換する座標変換器20と、前記座標系に基づいて運転指令どおりに交流電動機を駆動するための電流指令および周波数指令を出力する電流指令・出力周波数演算器23と、前記電流指令と電流検出値が一致するように出力電圧指令を演算する電流制御演算器24を有する前記交流電動機のインバータ制御装置において、
    前記インバータ3の直流電圧が上昇した場合に所定の磁束電流補正量を加算するための磁束電流補正量演算器25と、所定の周波数を持つ電圧成分を演算する重畳電圧演算器17と、電流基本成分抽出フィルタ(21、22)とを備え、
    前記交流電動機の減速中、前記直流電圧と前記直流電圧の上昇率が第1の所定条件を満足したとき、磁束電流を別途設定した所定量だけ加算し、以後これを繰り返し、前記第1の所定条件が満足されなくなったとき、前記磁束電流を前記所定量だけ減算し、以後加算開始前の磁束電流にもどるまでこれを繰り返し、
    前記所定量加算の繰り返し中、前記磁束電流、前記直流電圧および前記直流電圧の上昇率が第の所定条件を満足すると、前記各相の電圧指令に前記重畳電圧演算器17から出力される速度指令周波数よりも高い周波数の電圧重畳成分を加算して前記交流電動機の減速を継続させ、前記第の所定条件が満足されなくなった場合、前記電圧重畳成分の加算を止めることを特徴とする交流電動機のインバータ制御装置。
  6. 前記第1の所定条件は、前記直流電圧が第1の所定レベル以上の場合または前記直流電圧の上昇率が第1の所定値以上の場合のいずれかであり、
    前記第の所定条件は、前記磁束電流がリミットにかかっている場合または前記直流電圧が前記第1の所定レベルよりも高い第2の所定レベル以上の場合または前記直流電圧の上昇率が前記第1の所定値より大きい第2の所定値以上の場合のいずれかである請求項5記載のインバータ制御装置。
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