JP5055641B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
この情報記録再生装置としては、ボイスコイルモータ(VCM)等によってピボットベアリング軸を中心にして角揺動可能な駆動アーム(キャリッジ)を備え、駆動アームの先端部に、近接場光ヘッドを備えたスライダが取り付けられている構成が知られている。このスライダは、例えば特許文献1に示すように、スライダのABS側の面(浮上面)とは反対側の面、つまりスライダの上面に接着されたユニット基板と、このユニット基板に設けられた光源と、ユニット基板の素子形成面上に設けられ、光源から放射された光の光路を含む伝播層と、この伝播層に設けられ、光源から放射された光の伝播を調整するためのレンズ部とを備えている。
また、光源から出射された光束をスライダに導く際に、光源からスライダまでの間で、光導波路を屈曲させながら引き回すと、光導波路内を通過する光束の導光損失が大きくなり、光伝播効率が低下するという問題がある。
本発明に係る情報記録再生装置は、一定方向に回転する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を加熱するため光束を出射する光源と、前記磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸と、前記ピボット軸のまわりを回動可能に形成されたキャリッジと、前記キャリッジの先端側において前記磁気記録媒体の表面と対向するように支持されたスライダと、前記スライダの動作を制御する制御部と、を備え、前記スライダは、前記光源から出射された光束を集光する光学系と、集光された前記光束からスポット光を発生させるスポット光発生素子と、を備え、前記スポット光により前記磁気記録媒体を加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えることで磁化反転を生じさせ、前記磁気記録媒体に情報を記録させる情報記録再生装置であって、前記光源から出射された光束を前記スライダに導入する光導波路と、前記スライダと前記制御部とを電気的に接続する複数の電気配線とが、一体的に形成された光電気複合配線を備え、前記光電気複合配線の先端側は前記光導波路と前記複数の電気配線とが分岐して前記スライダへ引き回されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る情報記録再生装置は、前記光導波路は、前記光源から出射された前記光束を伝播させるコアと、前記コアを封止するクラッドとを有し、前記電気配線は、前記コアとともに前記クラッドに一体的に封止されることを特徴とするものである。
そして磁気記録媒体は、このスポット光によって局所的に加熱されて一時的に保磁力が低下する。その結果、スライダを用いて記録媒体に各種の情報を記録再生することができる。
そして、光電気複合配線を先端側で再び分岐させることで、光導波路と電気配線とをそれぞれ異なる経路でスライダに引き回すことができるため、スライダへの引き回し経路が制限されることがない。つまり、光導波路と電気配線とを一体形成した状態でスライダに引き回す構成に比べて、光導波路と電気配線の引き回しの自由度を向上させることができるため、各配線に対して最適な引き回し経路を選択することができる。この場合、特に光導波路を可能な限り屈曲させずにスライダへ引き回すことができるため、光導波路内を通過する光束の導光損失を低減することができ、光伝搬効率を維持することができる。
また、光導波路と電気配線とを分岐させてスライダに引き回すことで、光導波路と電気配線とからスライダに作用する力が集中しないため、スライダの姿勢制御の妨げになることを防ぎ、スライダの浮上特性やトラッキングの精度等に与える影響が少ない。
ものである。
(情報記録再生装置)
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図7を参照して説明する。図1は、本発明に係る情報記録再生装置1の第1実施形態を示す構成図である。なお、本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、垂直記録方式で書き込みを行う装置である。
また、このハウジング9には、ハウジング9の開口を塞ぐように図示しない蓋が着脱可能に固定されるようになっている。底部9aの略中心には、上記スピンドルモータ7が取り付けられており、該スピンドルモータ7に中心孔を嵌め込むことでディスクDが着脱自在に固定される。
このキャリッジ11は、基端部から先端部に向けてディスク面D1に沿って延設されたアーム部14と、アーム部14を基端部を介して片持ち状に支持する基部15とが、削り出し加工等により一体形成されたものである。
基部15は、直方体形状に形成されたものであり、ピボット軸10まわりを回動可能に支持されている。つまり、基部15はピボット軸10を介してアクチュエータ6に連結されており、このピボット軸10がキャリッジ11の回転中心となっている。
図2から図4に示すように、本実施形態のヘッドジンバルアセンブリ12は、上記スライダ2をディスクDから浮上させるサスペンションとして機能するものであり、スライダ2と、金属性材料により薄い板状に形成され、ディスク面D1に平行なXY方向に移動可能なサスペンション3と、スライダ2を、ディスク面D1に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在な状態、即ち、2軸を中心として捻れることができるようにサスペンション3の下面に固定させるジンバル手段16とを備えている。
スライダ2は、この浮上面2aによってディスク面D1から浮上する力を受けているとともに、サスペンション3によってディスクD側に押さえ付けられる力を受けている。そしてスライダ2は、この両者の力のバランスによって、ディスク面D1から浮上するようになっている。
ロードビーム24は、ベースプレート22と同様にステンレス等の厚みの薄い金属材料によって構成されており、その基端がベースプレート22の先端との間に間隙を有した状態でヒンジ板23に連結されている。これにより、サスペンション3はベースプレート22とロードビーム24との間を中心に屈曲して、ディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓み易くなっている。
また、この浮いた状態のジンバル17の先端側には、周囲がコ形状に刳り貫かれた切欠き部26が形成されており、この切欠き部26に囲まれた部分には連結部17aによって片持ち状に支持されたパッド部(舌片部)17bが形成されている。つまり、このパッド部17bは、連結部17aによってジンバル17の先端側から基端側に向けて張出し形成されており、その周囲に切欠き部26を備えている。これにより、パッド部17bはジンバル17の厚さ方向に撓みやすくなっており、このパッド部17bのみがサスペンション3の下面と平行になるように角度調整されている。そして、このパッド部17b上に上記スライダ2が載置固定されている。つまり、スライダ2は、パッド部17bを介してロードビーム24にぶら下がった状態となっている。
図1,5に示すように、キャリッジ11の基部15における側面15cには、ターミナル基板30が配置されている。このターミナル基板30は、ハウジング9に設けられた制御部5とスライダ2とを電気的に接続する際の中継点となるものであり、その表面には、各種制御回路(不図示)が形成されている。制御部5とターミナル基板30とは可撓性を有するフラットケーブル4により電気的に接続されている一方、ターミナル基板30とスライダ2とは、電気配線31により接続されている。電気配線31は、各キャリッジ11毎に設けられたスライダ2の数に対応して3組設けられており、フラットケーブル4を介して制御部5から出力された信号が、電気配線31を介してスライダ2に出力されるようになっている。
図3及び図5から図7に示すように、各スライダ2に対応する1本の光導波路32と1組の電気配線31とは、レーザ光源20とスライダ2との間において、その基端側から先端に至るまで一体的に形成された光電気複合配線33として構成されている。この光電気複合配線33は、ターミナル基板30の表面からアーム部14の側面を通って、アーム部14上に引き回されている。具体的には、光電気複合配線33は、アーム部14及びサスペンション3上において、フレクシャ25の上述した支持体18(図2参照)上に配置されており、支持体18を間に挟んだ状態でサスペンション3の先端まで引き回されている。このように、光電気複合配線33が撓み変形可能な支持体18上に配置されているため、スライダ2の姿勢変化時やサスペンション3の変形時等には、支持体18の姿勢変化に追従するように光電気複合配線33も追従するように変形する。これにより、光電気複合配線33の断線等を防ぐことができる。
これに対して本実施形態では、切欠き部26を跨いでジンバル17の基端側から光導波路32をスライダ2に引き回すことで、パッド部17b上に設けられたスライダ2に光導波路32を直接接続することができる。これにより、光電気複合配線33の分岐地点Cからスライダ2まで最短距離で引き回すことが可能になり、光導波路32を可能な限り屈曲させずにスライダ2へ引き回すことができる。一方、電気配線31は屈曲しても問題ないので、切欠き部26の外側から電気配線31をスライダ2に引き回すことで、電気配線31をスライダ2の記録素子および再生素子に対して直接接続することができる。
そして、スライダ2の配置領域及び切欠き部26の形成領域に形成された犠牲層をエッチング等により除去した後、プレス加工等によりフレクシャ25の形状に打ち抜く。この時、切欠き部26の形成領域も打ち抜くことで、切欠き部26とパッド部17bとの間で光導波路32が浮いた状態となる。その後、光電気複合配線33が形成されたフレクシャ25をサスペンション3及びキャリッジ11に取り付ける。
まず、スピンドルモータ7を駆動させてディスクDを所定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ6を作動させて、ピボット軸10を回転中心としてキャリッジ11を回動させ、キャリッジ11を介してヘッドジンバルアセンブリ12をXY方向にスキャンさせる。これにより、ディスクD上の所望する位置にスライダ2を位置させることができる。
これに対して、ディスクDに記録された情報を再生する場合には、記録素子に隣接して固定されている再生素子が、ディスクDから漏れ出ている磁界を受けて、その大きさに応じて電気抵抗が変化する。よって、再生素子の電圧が変化する。これにより制御部5は、ディスクDから漏れ出た磁界の変化を電圧の変化として検出することができる。そして制御部5は、この電圧の変化から信号の再生を行うことで、情報の再生を行うことができる。
このように、スライダ2を利用してディスクDに対して各種の情報を記録再生することができる。
この際スライダ2は、風圧を受けてサスペンション3側に押されるので、スライダ2を固定するジンバル17のパッド部17bとサスペンション3に形成された突起部19とが、点接触した状態となる。そして、この浮上する力は、突起部19を介してサスペンション3に伝わり、該サスペンション3をディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓ませるように作用する。これにより、上述したようにスライダ2は浮上する。なお、サスペンション3には、ベースプレート22とロードビーム24とがヒンジ板23を介して連結されているため、ベースプレート22とロードビーム24との間を中心に撓み易くなっている。
この構成によれば、光導波路32と電気配線31とが光電気複合配線33として一体的に形成されているため、光導波路32及び電気配線31を同時に取り付けることができ、製造効率の低下を防止することができる。つまり、スライダ2から離れた位置にレーザ光源20を配置した場合でも、光電気複合配線33をスライダ2へ容易に引き回すことができる。
また、光導波路32と電気配線31とを一体的に形成しているため、従来のように各配線毎の引き回しのレイアウトを考慮する必要がなく、光電気複合配線33の取り付けの自由度を向上させることができる。よって、光電気複合配線33のレイアウト性を向上させることができるため、スライダ2から離れた位置、上述したようにターミナル基板30上にレーザ光源20を配置した場合でも、光電気複合配線33をスライダ2へ容易に引き回すことができる。
これにより、光束の供給時にレーザ光源20から発生する熱がスライダ2まで伝達する虞が極めて少なく、レーザ光源20から発生する熱の影響を抑えることができる。
さらに、本実施形態においては、上述したように光電気複合配線33のレイアウト性を向上することができるため、光電気複合配線33の屈曲が小さい。これにより、光電気複合配線33の光導波路32内を通過する光束の導光損失を低減することができ、光伝搬効率を維持することができる。
この構成によれば、光電気複合配線33を先端側で再び分岐させることで、光導波路32と電気配線31とをそれぞれ異なる経路でスライダ2に引き回すことができるため、スライダ2への引き回し経路が制限されることがない。つまり、光導波路32と電気配線31とを一体形成した状態でスライダ2に引き回す構成に比べて、光導波路32と電気配線31の引き回しの自由度を向上させることができるため、各配線(光導波路32及び電気配線31)に対して最適な引き回し経路を選択することができる。この場合、光導波路32の曲率半径を電気配線31の曲率半径よりも大きく設定することで、光導波路32を可能な限り屈曲させずにスライダ2へ引き回すことができる。そのため、光導波路32内を通過する光束の導光損失を低減することができ、光伝搬効率を維持することができる。
さらに、クラッド34の断面における略中心にコア35を配置するとともに、コア35を中心として電気配線31を対称に配置することで、複数の電気配線31がコア35の両側方に分散することになる。これにより、コア35の片側のみに電気配線31をまとめた場合に比べて、電気配線31の引き回しスペースを確保することができるため、各電器配線31間のレイアウト性を向上させることができる。したがって、コア35と電気配線31とのスライダ2への接続が容易になるとともに、光電気複合配線33からスライダ2に作用する力が均等になる。
また、光導波路32と電気配線31とを分岐させてスライダ2に引き回すことで、光導波路32と電気配線31とからスライダ2に作用する力が集中しない。
したがって、光電気複合配線33(光導波路32及び電気配線31)がスライダ2の姿勢制御の妨げになることを防ぎ、スライダ2の浮上特性やトラッキングの精度等に与える影響が少ない。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、光電気複合配線の分岐地点からスライダまでの間における光導波路32の引き回し経路について、上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
図8は、第2実施形態におけるジンバルの平面図であり、図9は図8のF−F’線に沿う断面図である。
このように、本実施形態によれば、貫通孔101,102に光導波路132を通すことで、スライダ2の先端側に光導波路132を直接引き回すことが可能になり、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上述の実施形態では、図11に示すように、光導波路32を中心として電気配線31を対称に配置する場合について説明したが、電気配線31と光導波路32とのレイアウトは適宜設計変更が可能である。例えば、図9に示すように、クラッド34の幅方向(YZ平面)における一端側から光導波路32と電気配線31とが順に並ぶように配置することも可能である。
また、上述した実施形態では、光電気複合配線33の分岐地点Cから2本の電気配線31を分岐させる構成について説明したが、これに限らず電気配線31を1本や3本以上分岐させてもよい。
Claims (4)
- 一定方向に回転する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を加熱するため光束を出射する光源と、前記磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸と、前記ピボット軸のまわりを回動可能に形成されたキャリッジと、前記キャリッジの先端側において前記磁気記録媒体の表面と対向するように支持されたスライダと、前記スライダの動作を制御する制御部と、を備え、
前記スライダは、前記光源から出射された光束を集光する光学系と、集光された前記光束からスポット光を発生させるスポット光発生素子と、を備え、
前記スポット光により前記磁気記録媒体を加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えることで磁化反転を生じさせ、前記磁気記録媒体に情報を記録させる情報記録再生装置であって、
前記光源から出射された光束を前記スライダに導入する光導波路と、前記スライダと前記制御部とを電気的に接続する複数の電気配線とが、一体的に形成された光電気複合配線を備え、前記光電気複合配線の先端側は前記光導波路と前記複数の電気配線とが分岐して前記スライダへ引き回されていることを特徴とする情報記録再生装置。 - 前記光導波路は、前記光源から出射された前記光束を伝播させるコアと、前記コアを封止するクラッドとを有し、
前記電気配線は、前記コアとともに前記クラッドに一体的に封止されることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。 - 前記光電気複合配線の先端側から前記スライダに至るまでの前記光導波路の曲率半径が、前記電気配線の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報記録再生装置。
- 前記キャリッジには、前記スライダを、前記磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに回動自在な状態で支持するジンバル手段が設けられ、前記ジンバル手段には、前記キャリッジの先端側から基端側に向けて張出し形成され周囲に切欠き部を備えた舌片部が設けられ、前記舌片部上に前記スライダが設けられており、前記スライダは前記キャリッジの先端側に記録素子および再生素子を備え、
前記電気配線は、前記キャリッジの表面に沿って先端側から前記スライダに引き回され、前記光導波路は、前記切欠き部を跨いで前記キャリッジの基端側から前記スライダに引き回されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報記録再生装置。
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