JP5055475B2 - レンズの補正処方度数表示方法 - Google Patents

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Description

本発明はそり角の大きな眼鏡フレームに対してレンズを枠入れする際に変化する処方度数の値を補正して表示するためのレンズの補正処方度数表示方法に関するものである。
近年、顔に沿って湾曲させた眼鏡フレームが主としてファッション性の高いインポートフレームやスポーツ用のサングラス等で広く用いられるようになってきている(以下、便宜上そのような眼鏡フレームを湾曲眼鏡フレームという)。このような湾曲眼鏡フレームの湾曲度合いは一般に図9に示すように視軸Lに対して直交する線分mに対する湾曲眼鏡フレームの傾斜角度θがどのくらいかということで評価されている。この傾斜角度θを一般にそり角θと呼称している。
そり角θが大きくなると湾曲眼鏡フレームと認識されるのであるが、実際にはどの程度のそり角θ以上の眼鏡フレームを湾曲眼鏡フレームとするというような明確な基準があるわけではない。一般的にはそり角10度でやや湾曲している湾曲眼鏡フレーム、そり角20度以上で比較的大きく湾曲している湾曲眼鏡フレームであると認識されている。
湾曲眼鏡フレームにレンズを装着する際の問題点はそり角があることによって視軸がレンズの光軸とずれることである。通常眼鏡店では視軸と光軸が一致した状態でレンズ度数を処方するわけであるが、そのような状態で処方したレンズをそり角の分だけ傾けて装用すると傾けた方向の度数を強く感じるようになることから、通常のそり角のフレームで処方レンズを装用した場合に比べて、レンズ度数が過矯正(過補正)になり余分なC度数も発生することになる。また、視軸と光軸が傾くことにより余分なプリズム効果が発生することになる。そのため、眼鏡店では経験的にそり角による装用度数の過矯正を見越してS度数を下げたりプリズムを付加して対応している。
そり角の影響を補正する技術として特許文献1を挙げる。特許文献1には湾曲眼鏡フレームにレンズを装着する際の非点収差(乱視)とプリズム誤差を補正する技術が開示されている(尚、この特許文献1のそり角200°は上記そり角の定義によれば10°となる)。
特開2005−284059号公報
上記のような現状においてレンズメーカーでは眼鏡店で処方したレンズ度数のデータとそり角データの両方の提供を受けることで、眼鏡店に湾曲眼鏡フレームに装着した段階でちょうど眼鏡店で処方した処方と同じ装用感となるような補正を加えたレンズを提供するというサービスを行うことが求められているが、その場合に次のようないくつかの課題があった。
1)レンズメーカーで施される度数補正の量は、注文された処方度数とそり角をもとに複雑な計算を経て決定されることから、眼鏡店がレンズ発注時に出来上がりのレンズの度数を知ることが困難である。
2)注文の処方度数とそり角の条件ではどの程度の割合で補正が加わっているか、すなわち、どの程度そり角の影響による度数誤差とプリズム誤差が発生し、補正後はどの程度の度数誤差とプリズム誤差が残った状態になっているかを眼鏡店にて把握することが難しい。そのため、そり角に応じて度数補正やプリズム補正をするにしても、その補正量がどの程度必須なものであるかの判断を眼鏡店の検眼時にすることが困難である。
3)ユーザーごとに度数誤差やプリズム誤差に対する眼の許容量や使用目的が異なることから、検眼時に眼の許容量や使用目的にあわせて処方度数の補正量を変更することが望ましいが、レンズメーカーによる理論値を元にした一律の補正では、ユーザーごとの対応が出来ない。例えば、湾曲眼鏡フレームにレンズを装着すると装用した状態でS度数は強くなるため、S度数については弱くするような補正を施すこととなるが、主として遠方距離をはっきり見たいと言う要望を持つユーザーであれば、補正の割合を減らすというようなユーザーに対する個別対応が出来ない。
4)湾曲眼鏡フレームと通常眼鏡フレームをかけかえる場合、かけかえを考慮してなるべく必要最小限の補正量にしたいと言う要望がある。例えば、プリズム補正を加えることは例え理論的に正しくても、かけかえ時のプリズム差異により不具合が起こることもあるため、ユーザーの検眼時の状況によって補正を全くしないことが有効なときもある。また、通常眼鏡フレームの度数でC度数が加わっていない時には、同様に、湾曲眼鏡フレームで理論的計算により必要であってもC度数をなくして処方することが有効な時もある。このような時は、ユーザーの眼の状態や湾曲眼鏡の使用目的、通常眼鏡フレームの度数などに応じて眼鏡店の検眼時に個別対応をすることが必要である。
これらのことから眼鏡店側ではレンズメーカーでそり角に応じたレンズへの処方度数の補正サービスをするのであれば、その際にレンズメーカーの一方的な補正ではなく、レンズメーカーでどのように補正されるかの情報の開示や、眼鏡店側でユーザーの個人差を考慮した補正を検討する機会が与えられることを要望するはずである。
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、そり角の大きな湾曲眼鏡フレームに対してレンズを枠入れする際に発生する処方度数の変化に応じたレンズの補正量を検証させることが可能なレンズの補正処方度数表示方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明では、そり角のある眼鏡フレームに対して視軸に対して光軸が傾いた状態でレンズを枠入れする際に、視軸に対して光軸が一致する状態で度数を処方したレンズのそり角のない状態での装用感に近い装用感を得ることを目的に光軸がずれることに伴う処方度数の変化を補正した当該レンズのシミュレーション度数を表示するためのレンズのシミュレーション度数表示方法であって、視軸に対して光軸が一致した状態の当該レンズの処方度数(以下、この状態を正対状態とする)とそり角の角度のデータを依頼者に入力させるためにモニター上に所定の入力部を表示させるとともに、入力された当該レンズの処方度数データ及びそり角の角度データに基づいて補正した当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数を算出して前記モニターに表示させるようにし、前記モニター上には処方度数の変化量に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、前記モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることをその要旨とする。
また、請求項2の発明では請求項1に記載の発明の構成に加え、入力された当該レンズの処方度数データ及びそり角の角度データに基づいて入力されたそり角の角度で補正前の当該レンズを装用した際の変化した当該レンズのシミュレーション度数と、入力されたそり角の角度で補正処理を行った後の当該レンズを装用した際のシミュレーション度数との少なくともいずれか一方を算出し前記モニターに表示させるようにしたことをその要旨とする。
また、請求項3の発明では請求項に記載の発明の構成に加え、前記モニター上には処方度数の変化量に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数及び補正処理を行った後の入力されたそり角の角度で当該レンズを装用した際のシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることをその要旨とする。
また、請求項4の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、 前記処方度数とはS度数、C度数、乱視軸及びプリズム度であることをその要旨とする。
また、請求項5の発明では請求項4に記載の発明の構成に加え、前記モニター上にはS度数及びC度数に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることをその要旨とする。
また、請求項6の発明では請求項に記載の発明の構成に加え、前記モニター上にはS度数及びC度数に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数及び補正処理を行った後の入力されたそり角の角度で当該レンズを装用した際のシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることをその要旨とする。
また、請求項7の発明では請求項のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記モニター上にはプリズム度に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることをその要旨とする。
また、請求項8の発明では請求項のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記モニター上にはプリズム度に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数及び補正処理を行った後の入力されたそり角の角度で当該レンズを装用した際のシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることをその要旨とする。
また、請求項9の発明では請求項のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記モニター上には度数補正をさせるためのシミュレーション用のレンズが依頼者に選択可能に表示され、選択されたレンズについて中心部と周辺部のシミュレーション度数をそれぞれ計算し、両シミュレーション度数を比較することで得られた値に基づいて所定の修正割合を算出し、前記補正割合にこの修正割合を反映させて補正割合を修正することをその要旨とする。
また、請求項10の発明では請求項〜9のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記所定の入力部はWEBページ上に公開され、前記処方度数及び角度のデータは通信回線を通じて同WEBページ上の同入力部に入力されるとともに、前記算出されたシミュレーション度数は同WEBページ上に表示されるようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、ある所定の処方度数のレンズについて所望の湾曲眼鏡フレームに装着しようとする場合に、依頼者(例えば眼鏡販売店)はそのレンズの処方度数と当該湾曲眼鏡フレームのそり角の角度のそれぞれのデータをモニター上に表示される所定の入力部に入力するようにする。
そして、入力されたデータを補正度数算出プログラムに適用して以下の3つのシミュレーション度数を算出する。尚、基本的に球面レンズ及び非球面レンズの処方度数はレンズ中心付近を基準として設定されるため、これらレンズではシミュレーション度数もレンズ中心付近の算出値である。
1)当該レンズを入力されたそり角の角度で装用した際のシミュレーション度数
2)補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数
3)補正処理を行った後の当該そり角の角度で装用した際のシミュレーション度数
1)は視軸と光軸が一致した所定の処方度数のレンズをそり角のように傾けると装用感がどのくらい異なるかを数値として表示して示すものである。処方度数としては具体的にはS度数、C度数、乱視軸及びプリズム度が挙げられるが、これらの要素の変化からどの程度見え方が変わってくるかが理解できる。尚、これらの要素すべてを表示する必要はない。
2)はもともと「このように見えてほしい」という要請でもある正対状態の処方度数と同等の見え方とするためにこのようなそり角のフレームに傾けて装着する際にはどのようなレンズ度数とすればよいかを表示して示すものである。
3)は2)のようなシミュレーション度数で実際にそり角のフレームに傾けて装用するとどのように見えるかを数値として表示して示すものである。基本的には1)と同等の装用感にすることが目的であるので、1)と同じ数値にすることが目標となる。
本発明ではモニター上に表示される1)〜3)のシミュレーション度数では2)のシミュレーション度数は必須である。1)又は/及び3)のシミュレーション度数は選択的な表示とされる。
但し、依頼者によってはこのようにそり角の大きなフレームを使用する場合に100%の補正を望まない場合がある。
例えばレンズ全体としてS度数が弱めの設定となってしまうことを嫌うユーザーやそり角がそれほど大きくなければ処方度数に対する許容量が大きなユーザーであれば必ずしも100%の補正を望まないケースもあり得るからである。また、プリズムについてはこれを補正するとかえって違和感となるユーザもあり得るからである。そのためモニター上の処方度数の変化量に対する所望の補正割合の入力を促す所定の入力部に100%の補正を望まないための入力、具体的には所望の補正割合の入力や補正対象とする要素を選択することで依頼者の意思に基づく割合での算出が可能となる。尚、ここでの所望の補正割合はまったく補正しないという選択も含める意である。つまり、所望の補正割合として100%か0%かの選択をするケースも含まれるものとする。
尚、「そり角」の角度のデータとは角度に応じて相関的に変化する値(例えばフレームカーブ)に置き換えて取得できるようなデータも含み、そり角による度数誤差やプリズム誤差に対して影響を与える値(例えば、PDや前傾角)も含むものとする。PDが広くなればレンズ前面の接線の傾きが大きくなりそり角の影響が大きく、PDが狭くなればそり角の影響は小さくなる。また、そり角のある場合はレンズが横に傾いた状態であるが、前傾角も合わさるとレンズが斜めに傾いた状態になるためである。
更に、100%の補正をしない場合はこのようなユーザー側の理由による以外に、レンズの特性による場合もあり得る。例えば、レンズの種類(例えば球面レンズと非球面レンズ等)によってはそり角を与えた場合にレンズ中心とレンズ周辺で変化量が大きく異なり、100%の補正をするとレンズ中心はよいがレンズ周辺での度数が得られずレンズとして好ましくない場合が生じる場合がある。
そのため、レンズについて中心部と周辺部のシミュレーション度数をそれぞれ計算し、両者を比較することで得られた値に基づいて所定の修正割合を算出し、前記補正割合にこの修正割合を反映させて補正割合を修正するようにしてもよい。反映させるとは例えば設定された補正割合に修正割合としての所定の倍率を掛け合わせることが想定される。また、設定された補正割合から比較した値に応じた修正割合を減算することが想定される。
上記各項目が入力される入力部は例えば眼鏡販売店において保有する補正度数算出プログラムがインストールされたコンピュータに併設されたモニター上に表示されることが想定される。ここでは入力部に入力した内容に基づいて依頼者側自身のコンピュータ内で上記1)〜3)のシミュレーション度数が補正度数算出プログラムに従って算出されることとなる。
また、入力部は例えばメーカーのWEBページ上に公開され、依頼者側のコンピュータを操作して通信回線を通じて当該WEBページにアクセスすることでモニター上に表示させることが想定される。この場合では補正度数算出プログラムはレンズメーカー側のサーバに格納されており、クライアント側となる依頼者側のコンピュータからのWEBページ要求に応じてサーバはクライアント側にWEBページを返信し、更にクライアント側からのデータ送信に基づいてサーバ側では上記1)〜3)のシミュレーション度数を算出し、算出されたシミュレーション度数をWEBページ上に公開させる。
上記各請求項の発明では、依頼者は視軸に対して光軸が一致する状態で処方したレンズをそり角のある眼鏡フレームに装着するとどのような度数に変化するかをシミュレーションでき、更にユーザーの所望のそり角のある眼鏡フレームにユーザーの眼の許容度や使用状況を考慮して、そのそり角に応じて補正を加えた好適な度数のレンズをメーカーに注文することが可能となる。
以下、本発明のレンズの補正処方度数表示方法を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
本実施例1では主として眼鏡販売店で測定した値をインターネットを介してメーカー側のホームページにアクセスすることで補正度数を算出する場合を想定している。
図1に示すように、インターネットは複数のLAN(Local Area Network)10が電話回線等の通信回線を通じて大規模に接続された通信網である。
眼鏡販売店は端末コンピュータ11を備えている。端末コンピュータ11はインターネットに接続されたWWW(World Wide Web)クライアントとされる。端末コンピュータ11は、ユーザーの入力に応じてプログラム実行可能な通常のハードウエア構成を有する情報処理装置であり、その内蔵ハードディスクには、WWWを利用するために必要なブラウザや、OS(Operation System)等の各種プログラムがあらかじめインストールされている。各プログラムの制御は端末コンピュータ11内のCPU(Central Processing Unit:中央制御装置)が実行する。端末コンピュータ11には入力装置12(マウス、キーボード等)、及びモニター13が接続されている。
図1に示すように、メーカー側はインターネットに接続されたサーバ15を備えている。サーバ15は、外部からの指示に応じて、メモリ上にプログラムをロードし、それを実行することができる通常のハードウエア構成を有する情報処理装置であり、その内蔵ハードディスクには、ブラウザを介してリクエストを受け付けると利用可能なファイルをブラウザに与えるhttpd(Hyper Text Transfer Protocol Daemon)、httpdからのデータを処理するCGI(Common Gateway Interface)スクリプト、CGIスクリプトによって起動される補正度数算出プログラム、OS、等のソフトウエアがインストールされている。各プログラムの制御はサーバ15内のCPU(中央制御装置)が実行する。
眼鏡販売店側では端末コンピュータ11を操作してモニター13上でブラウザを起動させメーカー側の所定のサイトのURL(Uniform Resource Locators)を入力し、メーカー側のWEBページを呼び出しモニター13上に表示させる。
図2に示すように、メーカー側のWEBページには眼鏡販売店側で入力すべきデータの値を入力するための入力及び補正結果表示フォーム17が用意されている。尚、このフォーム17のレイアウトは一例であって、変更した態様での表示は自由である。
入力及び補正結果表示フォーム17の上半分の領域は入力領域17Aとされている。入力領域17Aにはレンズの条件データの入力としてレンズを選択して入力する入力欄18、レンズの径を入力する入力欄19、レンズの中心厚を入力する入力欄20が設けられている。
処方度数としてのS度数を入力する入力欄21、C(乱視)度数を入力する入力欄22、乱視軸を入力する入力欄23、プリズム度を入力する入力欄24、プリズムのベース(基底方向)を入力する入力欄25、レンズのベースカーブを入力する入力欄26が設けられている。
また、入力領域17Aにはそり角に関する入力欄として、前傾角を入力する入力欄27、そり角の角度を入力する入力欄28、フレームカーブを入力する入力欄29、瞳孔間距離(PD)を入力する入力欄30が設けられている。本実施例1ではそり角の角度を入力する入力欄28が必須入力項目とされている。
尚、ここで眼鏡販売店側で入力する処方度数は視軸に対して光軸が一致した状態で測定したレンズの処方度数(以下、この状態を正対状態とする)となる。
入力領域17A内であってそり角に関する入力欄の下側には補正割合を選択する選択チェック欄31が設けられている。本実施例1では100%、80%、60%が選択できるようになっている。図2では100%にチェックが入っている。
入力及び補正結果表示フォーム17の下半分の領域は表示領域17Bとされている。表示領域17Bには上記入力された値に基づいてシミュレーションした結果として3種類の度数が表示される表示欄33a〜33cが設けられている。表示欄33a〜33cに表示される度数の要素としてはそれぞれS度数、C度数、乱視軸、プリズム度及びプリズムのベースの5つの小欄が設定されている。
第1の表示欄33aには入力された処方度数データのレンズを入力されたそり角に関するデータに基づいて当該レンズをそのようなそり角のあるフレームに装着した際の変化した当該レンズの処方度数(以下、そり角がある状態での処方度数を装用度数とする)が各小欄に表示される。
第2の表示欄33bには上記フレームにレンズを装着した場合に上記入力された正対状態の度数と同じ装用感を得るためのシミュレーション度数を100%として上記選択チェック欄31で選択したパーセントに応じた補正後のシミュレーション度数が各小欄に表示される。
第3の表示欄33cには第2の表示欄33bのシミュレーション度数のレンズを上記そり角のあるフレームに装着した際の装用度数が各小欄に表示される。
入力及び補正結果表示フォーム17の中央側方位置には計算ボタン36が用意されている。眼鏡販売店は入力欄18〜30の内の少なくとも必須項目に値が入力された状態で計算ボタン36を画面上でクリックして計算を実行させるようにする。
送信ボタン45のクリックに基づいて入力データがサーバ15側に送信される。サーバ15ではこの送信を受けてCGIスクリプトに補正度数算出プログラムを実行させる。サーバ15はこの実行された結果を表示欄33に表示させる。図2は上記入力に基づいて表示欄33に算出結果が表示された状態である。図2では表示欄31のチェックが100%であるため、第3の表示欄33cの表示内容は入力された処方度数と一致している。
CGIスクリプトによって実行される補正度数算出プログラムとして本実施例では上記入力データをパラメータとして第1〜第3の表示欄33a〜33cの各度数の要素であるS度数、C度数、乱視軸AX、プリズム度P及びプリズムのベースBについてそれぞれ算出するようにしている。各要素はそれぞれ固有の計算式に上記パラメータを代入することで求められる。つまり、各要素は下記関数で示される。
D=F{P,Q,R,S,T・・・}
D:各要素の補正度数算出プログラムによって修正される値
P,Q,R,S,T・・・:入力されたレンズ条件データ、度数処方データ、そり角関連データ等
実際の計算式は非常に複雑であるため、以下に算出手法の概略を説明する。
まず、第1の表示欄33aに表示されるシミュレーション度数の算出手法について説明する。第1の表示欄33aに表示されるシミュレーション度数(装用状態の度数)は入力された上記データを考慮して所定のそり角θでレンズを装用した場合に眼に入る光線がどのような度数に感じるかを計算するものである(この計算を透過光装用度数の計算という)。
第1の表示欄33aに表示されるシミュレーション度数の算出手法についていくつかのパラメータを固定化した表に基づいて説明する。このようにパラメータを固定化することで固定化していない2つのパラメータの相関関係が理解しやすいものとなる。
表1は例えばそり角20度に固定した場合の処方されたS度数(入力欄21入力される値)に加算される加算度数ΔS量の相関関係を示す直線である。横軸にS度数+C度数×SIN(AX/180×π)×SIN(AX/180×π)により求めた水平方向度数を配し、縦軸に水平方向度数に応じた加算度数ΔSを配している。このような相関関係は入力されたC度数、乱視軸、プリズム度等のデータが考慮されて補正度数算出プログラムに組み込まれている計算式に基づいて得られたものである。更に、ここでは3種類のベースカーブ(1.523換算)における相関関係を示したが、ベースカーブの設定が異なれば同じそり角であっても直線の傾きが変わる、つまり、パラメータ(ここではベースカーブ)によって処方されたS度数に加算される加算度数ΔS量が変化することが理解できる。
同様に例えば、表2のように同じベースカーブを固定してもパラメータ(ここではそり角)が変われば直線の傾きが変わる。
つまり、補正度数算出プログラムでは相関関係にあるS度数と加算度数ΔSについて所定のパラメータの値に基づいて加算度数ΔS量を算出し、これを当該処方されたS度数に加算した結果を第1の表示欄33aのS度数表示欄に表示させることとしている。例えば、表2において、水平方向度数−4.0D、6カーブ、そり角25度の場合の加算度数ΔSを求めると、そり角20度の時ΔS=−0.16D、そり角30度の時ΔS=−0.38Dであることからそり角25度の時、ΔS=−0.25Dとなる。従って、この場合では第1の表示欄33aのS度数表示欄に表示される数値は−4.0にこの加算度数ΔSを加算した−4.25とされる。
S度数以外のC度数、乱視軸、プリズム度及びプリズムのベースについても同様に加算度数を求め、処方度数に加算度数を加算した値を第1の表示欄33aのそれぞれの欄に表示させる。例えば、そり角20度の時の水平方向度数とプリズム変化量Pの関係は表3のようになる。
尚、ここでは、予めマトリックス上に算出しておいたデータ表を用いて透過光装用度数を求めたが、実際には各要素の数が多いため、少なくても処方度数条件(S度数、C度数、AX、プリズム、ベース)、レンズ条件(表カーブ、中心厚、レンズ屈折率)、そり角条件(そり角)を入力値とする補正度数算出プログラムにより計算値を得る。
Figure 0005055475
Figure 0005055475
Figure 0005055475
次に、第2の表示欄33bに表示される補正されたシミュレーション度数の算出手法について説明する。第2の表示欄33bではそり角のある状態でのシミュレーション度数(第1の表示欄33aの表示)を処方度数に余分な度数を付加した状態と考え、その付加した度数を減算し、減算後の処方度数の当該そり角におけるシミュレーション度数がどうなるかを検算していく算出手法を採用している。具体的には次のような算出工程で算出していく。
(1)透過光装用度数の計算
まず、入力されたそり角θ度において、入力された処方度数(S度数S、C度数C、乱視軸AX、プリズム度P、ベースB)のレンズを装用した場合、眼に入る光線がどのような度数に感じるかを計算する。これは要するに上記のように第1の表示欄33aに表示される値を求めることである。
(2)差分度数の計算
(1)の計算で得られたシミュレーション度数(ここではこの度数を透過光装用度数ということとする)から入力された処方度数を引く。つまり、透過光装用度数に対して入力された処方度数を打ち消すようなレンズを合成した度数を求める作業をする。ここで各要素について得られた度数を差分度数(S0、C0、AX0、P0、B0)とする。
(3)目標度数の設定
「入力された処方度数」と「差分度数」から、補正割合およびレンズ周辺部の設計を考慮して目標度数(S度数の目標Sp、C度数の目標Cp、乱視軸の目標AXp、プリズムの目標Pp、ベースの目標Bp)を設定する。例えば、補正割合100%の時は、「目標度数」と「入力された処方度数」は等しくなる。あるいは、補正割合が一律に60%の時、40%の差分度数を許容とすることから、「入力された処方度数」に「差分度数」×(1−0.6)を足した度数を目標度数とする。
(4)補正度数の計算
4−1: 「目標度数」から「差分度数」を引く。ここで得られた度数を仮補正度数とする。すなわち、目標度数(Sp、Cp、AXp、Pp、Bp)に差分度数(S0、C0、AX0、P0、B0)を打ち消すようなレンズを合成して仮補正度数(S1、C1、AX1、P1、B1)を得る。
4―2: 入力されたそり角θ度の時、「仮補正度数」のレンズを装用した場合の透過光装用度数を上記第1の表示欄33aの計算に倣って算出する。この計算で得られた度数を補正後装用度数とする。この「補正後装用度数」について、
(イ)「目標度数」に近似していると判断される場合、4―2で得られた補正後装用度数を結果として第2の表示欄33bに表示させる。
(ロ)「目標度数」との差が大きいと判断される場合には、「補正後装用度数」から「目標度数」を引く。そして、ここで得られた度数を、第2の差分度数とする。
4―3: 「仮補正度数」から「第2の差分度数」を引く。そして、得られた度数を新たな「仮補正度数」として4―2冒頭に戻り透過光装用度数を算出し、(イ)であればその段階で終了し、(ロ)であれば計算が4―2冒頭に戻り(イ)となるまで計算を繰り返す(収束させる)。
上記(1)〜(4)を図2の具体的な度数に基づいた一例で示せば次の通りである。
(1)透過光装用度数の計算
第1の表示欄33aに表示する透過光装用度数は、上記段落0014で説明した計算法により、
R眼 S−4.25D C−1.00D AX90 P0.5 B180
となる。
(2)差分度数の計算
従って、このケースでの差分度数は、
R眼 S−0.25D C−1.00D AX90 P0.5 B180
となり、これは、水平方向度数−1.25D、垂直方向度数−0.25Dであり、更にP0.5のベースアウトプリズムが加わった状態である。
(3)目標度数の設定
ここで、補正割合100%の時には目標度数は処方度数と一致するため、
R眼 S−4.00D C−0.00D AX0 P0 B0
となる。また、補正割合60%の場合には「処方度数+差分度数×(1−0.6)」より
R眼 S−4.10D C−0.40D AX90 P0.2 B180
となる。
(4)補正度数の計算
4−1:補正割合100%の時、目標度数に対して差分度数を打ち消すレンズを合成すると仮補正度数は、
R眼 S−2.75D C−1.00D AX180 P0.5 B0
となる。
4−2:この度数に基づいて透過光装用度数の計算により補正後装用度数を算出すると、
S:−3.625D C:−0.375D AX:180 P0.1 B0
となる。ところが、これでは目標度数(S−4.00D C−0.00D AX0 P0 B0)に対して補正しすぎているため、上記(ロ)の場合であるとして第2の差分度数をとりながら、順次(イ)又は(ロ)の判断を行い、入力された処方度数(目標度数)に近づくまで計算を繰り返すようにする。
このようにして計算結果を収束させると、補正割合100%の時の33bの欄に表示する補正度数は、
R眼 S−3.00D C−0.75D AX180 P0.38 B0
L眼 S―3.13D C−2.25D AX22 P0.38 B180
となる。また、補正割合60%の時の33bの欄に表示する補正度数は、
R眼 S−3.38D C−0.38D AX180 P0.25 B0
L眼 S―3.50D C−2.13D AX25 P0.25 B180
となる。
次に、第3の表示欄33cに表示されるシミュレーション度数の算出手法について説明する。これは第1の表示欄33aと同様の透過光装用度数の計算を第2の表示欄33bに表示される補正後装用度数に基づいて行った結果を表示するものであり、上記目標度数と一致する。上記と説明が重なるため省略する。
以上のように構成することで本実施例1では眼鏡販売店側において通常の視軸に対して光軸が一致する状態で処方したレンズの処方度数を入力すると、所定のそり角のあるフレームに装着した際のシミュレーション度数が得られ、どのように補正すれば処方度数と同じ装用感が得られるかのシミュレーションができ、その補正割合も変更可能であるため、ユーザーの所望のそり角のある眼鏡フレームに好適な設定のレンズをメーカーに注文することが可能となる。
更に、補正度数の結果の表示だけでなく、33a欄にそり角がついた状態の透過光装用度数も表示していることから、眼鏡店側において補正値と補正割合の妥当性を確認することが出来、ユーザーの眼の許容や使用目的に応じてレンズ発注の度数を残存する度数誤差、プリズム誤差の量を把握した上で調整する事ができる。
また、WEB上でデータのやり取りを行うため、例えば補正度数算出プログラムの更新についてはサーバ15側で作業を行うだけでよく、補正度数算出プログラムのメンテナンスが非常に楽にでき、眼鏡店ごとにその眼鏡店の検眼の方法に合わせたサービスを提供できるようになる。例えば、度数補正の割合やプリズム補正の割合等の設定項目を眼鏡店ごとにメーカーのサーバ側で保存するなどして眼鏡店にとって使い勝手の良い仕組みを提供できるようになる。
(実施例2)
上記実施例1に以下のような補正要素を加えるようにしてもよい。
レンズの種類によってそり角のある状態での装用ではレンズ中心に比べて周辺部の度数変化が非常に大きくなってしまう傾向のレンズがある。特に非球面レンズに比べて球面レンズではその傾向が顕著である。このようなレンズをレンズ中心を基準に上記のように処方度数が得られるように補正すると補正後の周辺部の度数が大きく中心の度数とずれるため、眼鏡店側で補正の方針として例えば100%の補正量を設定することに無理が生じる場合がある。
そこで、実施例2では複数のレンズから所定のレンズを選択させた場合において、眼鏡店側の所望の補正割合が入力されても、レンズの種類に応じてその補正割合で補正するとレンズ周辺に所定の度数が得られなくなってしまうと判断した場合には、補正割合を自動的に修正してレンズ周辺を無理のない程度の補正割合に修正するようにしている。
具体的には図3に示すように、選択されたレンズの種類では入力した補正量(ここでは100%)が無理であると判断すると計算ボタン36をクリックした後で、どの程度の補正量で補正したか修正した補正割合が表示欄41に表示されるようになっている。
次に、具体的な修正手法について説明する。
送信ボタン45のクリックに基づいて入力データがサーバ15側に送信され、サーバ15でこの送信を受けてCGIスクリプトに補正度数算出プログラムを実行させることは上記実施例1と同様である。CGIスクリプトによって実行される補正割合の修正倍率を決定するサブルーチンについて図4に基づいて説明する。
ステップS1においてサーバ15のCPUは端末コンピュータ11からの所定のレンズを選択した旨のデータ送信を受け対応するレンズの度数分布データをサーバ15内のメモリから読み出し、入力されたそり角を考慮した透過光装用度数の計算を行う。
ステップS2において得られた補正度数について、レンズ中央とレンズ中央から鼻側に20mm寄った2つの地点P1,P2の度数の比較をする。この比較した度数の差をΔDとする。
ステップS3においてCPUは度数の差ΔDに応じて図5のテーブルの対応するアドレス内のデータを取り出す。例えば、度数の差ΔDが0.8であれば修正倍率を0.5とする。そして、CPUはアドレス内の修正倍率を眼鏡店側が設定した補正割合に対して乗算するとともに、乗算した結果を表示欄41に表示させる。乗算した結果を新たな補正割合として表示欄33a〜33cの計算に使用する。
上記ルーチンによって具体的には次のような修正対応が考えられる。
例えば、図6のような度数分布を示す球面設計レンズでは、レンズ中心部の等価球面度数(S+C/2)は約−5.50Dであり、鼻側20mm地点では等価球面度数=−4.65D、耳側20mm地点では等価球面度数=−4.59Dと中心部に比べて0.9D程度プラスに強くなっている。中心部の度数を100%補正してしまうと約0.50Dプラス方向に弱くなり、すなわち周辺度数が1.4Dプラス方向にずれることになる。そこで、修正割合を0.5とし、結局修正した補正割合を50%として実施例1のような計算を行う。表示欄41には修正した補正割合が50%と表示される。
一方、図7のような度数分布を示す非球面設計レンズでは、レンズ中心部の等価球面度数は約−5.50Dであり、鼻側20mm地点では等価球面度数=−5.60D、耳側20mm地点では等価球面度数=−5.40Dであり、レンズ中心部とレンズ周辺部の度数の差は±0.1Dである。そのため、レンズ中心部を100%補正したとしても問題なく、修正割合=1.0とできる。つまり、眼鏡店で設定した補正割合はそのまま表示欄41に表示される。
また、図8のような度数分布を示す非球面設計レンズでは、レンズ中心部の等価球面度数は約−5.50Dであり、鼻側20mm地点では等価球面度数=−5.05D、耳側20mm地点では等価球面度数=−4.95Dとなっている。レンズ中心に比べて周辺では+0.5D度数が弱くなっているため、補正割合の修正割合は0.9とすると良い。結局修正した補正割合を90%として実施例1のような計算を行う。表示欄41には修正した補正割合が90%と表示される。
尚、発明者の検討によると、中心部の度数に補正を加えた場合における中心度数と20mm地点の周辺度数の差が±1.0Dを超える場合には装用感が悪化しやすいため、それに応じて修正割合を下げることが望ましい。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施例においては、補正割合として、3種類のパーセントから選択するようにしていたが、眼鏡店側で自ら数値を入力し、その数値を計算に用いるようにしてもよい。
・上記実施例では、補正割合をパーセントで示していたが、補正割合を「最大」、「多め」、「標準」、「少なめ」など感覚的に分かりやすい表現としてもよい。
・上記実施例では補正割合は入力したすべての度数について均等に反映されるようにしていたが、入力した度数の要素の1つあるいはいくつかについて選択的に補正割合を設定するようにしてもよい。例えば、プリズム度については補正をするとかえって違和感となる場合があることが知られているため、プリズム度のみを補正しないような設定としたりすることも可能である。
・シミュレーション度数の表記はS度数、C度数、AX、プリズム、ベースとしたが、それぞれの項目を複合して得られる数値を表示してもよい。例えば、S+C/2や水平方向度数、垂直方向度数、垂直方向プリズム、水平方向プリズムとしてもよい。
・プリズムのベース(基底方向)については、実施例では角度で表記したが、イン・アウト・アップ・ダウンなどで表現してもよい。
・補正度数算出プログラムはレンズの設計、例えば球面レンズか非球面レンズかによって計算式を変更することも可能である。
・透過光装用度数のシミュレーション値は、そり角の影響によりどれぐらい処方度数が変化するかを示すための表示であるから、透過光装用度数の変わりに実施例1の差分度数を表記してもよい。これは、度数誤差とプリズム誤差に相当する。また、誤差量が大きいときは赤色、小さいときは青色などで視覚的に分かりやすいグラフィック表記としてもよい。
・目標度数に補正割合を反映させる場合、上記実施例においては差分度数に補正割合を乗じた値を用いたが、このとき、差分度数を透過球面値(S+C/2)とするなどとしてもよい。これは目標度数を透過球面値で設定することにより、C度数の許容量を認める度数決定が出来るためである。例えば、差分度数がS−0.25D C−1.00D AX90のとき、S−0.75D C−0.00Dを差分度数に置き換えて計算を行う。
・上記実施例では、中心部のシミュレーション度数を表示したが、実施例2で計算されるようなレンズ周辺部の装用度数を補足情報として表示するようにしてもよい。レンズ周辺部の装用度数も表示することは、眼鏡店において個々のユーザーのための度数決定を行う際に有用である。
・上記実施例2ではレンズ中心部と周辺部の度数を反映した修正割合をメーカー側で自動的に補正割合に反映させたが、上記修正割合を補正割合の推奨値として眼鏡店に提示してもよい。
・サーバ15側で登録した眼鏡販売店を認識して特定の端末コンピュータ11に対してのみデータを受け付けるようなシステムでもよい。つまり、契約した相手にだけシステムを使わせるようにしてもよい。
・本発明は累進屈折力レンズや二重焦点レンズにも適用することも出来る。その場合、処方度数は遠用度数測定位置の度数などそのレンズを注文する際の度数指定方法に従う。例えば、遠近両用累進屈折力レンズの場合には、幾何中心から4〜12mm上方に施された遠用度数測定位置におけるシミュレーション度数を33a〜33cに表示し、近用度数測定位置のシミュレーション度数を補助的に表示することとなるが、このような表示方法も本発明に含まれる。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
本発明の実施例を説明する端末コンピュータとサーバがインターネット内に組み込まれていることを説明する概念図。 実施例1におけるブラウザによってモニターに表示されるレンズ度数の入力及び補正結果表示フォームの概念図。 実施例2におけるモニターに表示される入力及び補正結果表示フォームの部分拡大図。 実施例2においてCGIスクリプトで実行される補正度数算出プログラムの補正割合の修正倍率を決定するサブルーチンを説明するフローチャート。 サーバのメモリ内に格納されるテーブル。 S:−5.00Dでそり角20°の左側レンズ(球面設計)の度数分布状態をシミュレーションした説明図。 S:−5.00Dでそり角20°の左側レンズ(非球面設計)の度数分布状態をシミュレーションした説明図。 S:−5.00Dでそり角20°の左側レンズ(非球面設計)の度数分布状態をシミュレーションした説明図。 そり角のあるフレームを使用して説明するそり角の定義の解説のための説明図。
符号の説明
13…モニター、18〜31…入力部としての入力欄、15…度数を補正してモニター上に表示させるサーバ。

Claims (10)

  1. そり角のある眼鏡フレームに対して視軸に対して光軸が傾いた状態でレンズを枠入れする際に、視軸に対して光軸が一致する状態で度数を処方したレンズのそり角のない状態での装用感に近い装用感を得ることを目的に光軸がずれることに伴う処方度数の変化を補正した当該レンズのシミュレーション度数を表示するためのレンズのシミュレーション度数表示方法であって、
    視軸に対して光軸が一致した状態の当該レンズの処方度数(以下、この状態を正対状態とする)とそり角の角度のデータを依頼者に入力させるためにモニター上に所定の入力部を表示させるとともに、
    入力された当該レンズの処方度数データ及びそり角の角度データに基づいて補正した当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数を算出して前記モニターに表示させるようにし
    前記モニター上には処方度数の変化量に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、前記モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数がこの補正割合をパラメータとして算出されることを特徴とするレンズのシミュレーション度数表示方法。
  2. 入力された当該レンズの処方度数データ及びそり角の角度データに基づいて入力されたそり角の角度で補正前の当該レンズを装用した際の変化した当該レンズのシミュレーション度数と、入力されたそり角の角度で補正処理を行った後の当該レンズを装用した際のシミュレーション度数との少なくともいずれか一方を算出し前記モニターに表示させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
  3. 前記モニター上には処方度数の変化量に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数及び補正処理を行った後の入力されたそり角の角度で当該レンズを装用した際のシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることを特徴とする請求項2に記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
  4. 前記処方度数とはS度数、C度数、乱視軸及びプリズム度であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
  5. 前記モニター上にはS度数及びC度数に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることを特徴とする請求項に記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
  6. 前記モニター上にはS度数及びC度数に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数及び補正処理を行った後の入力されたそり角の角度で当該レンズを装用した際のシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることを特徴とする請求項に記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
  7. 前記モニター上にはプリズム度に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることを特徴とする請求項のいずれかに記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
  8. 前記モニター上にはプリズム度に対する所望の補正割合の入力をさせるための所定の入力部が表示され、同モニターに表示される補正処理を行った後の当該レンズの正対状態での装用感が得られるシミュレーション度数及び補正処理を行った後の入力されたそり角の角度で当該レンズを装用した際のシミュレーション度数はこの補正割合をパラメータとして算出されることを特徴とする請求項のいずれかに記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
  9. 前記モニター上には度数補正を施すシミュレーション用のレンズが依頼者に選択可能に表示され、選択されたレンズについて中心部と周辺部のシミュレーション度数をそれぞれ計算し、両シミュレーション度数を比較することで得られた値に基づいて所定の修正割合を算出し、前記補正割合にこの修正割合を反映させて補正割合を修正することを特徴とする請求項のいずれかに記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
  10. 前記所定の入力部はWEBページ上に公開され、前記処方度数及び角度のデータは通信回線を通じて同WEBページ上の同入力部に入力されるとともに、前記算出されたシミュレーション度数は同WEBページ上に表示されるようにしたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のレンズのシミュレーション度数表示方法。
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