JP5052920B2 - 立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法 - Google Patents

立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法に係り、特に、小物を収納できる収納部を設けたヘッドレスト、アームレスト、着座部、背もたれ部などに好適に適用できる立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法に関する。
従来、小物類を収納するためのポケットを備えた車両用内装部品、例えば車両用シートのヘッドレストやアームレストが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
特許文献1に記載のヘッドレストでは、ヘッドレストの側面に布製の側面ポケットを縫い付け、小物を出し入れできるようにしている。
特許文献2に記載の車両用シートでは、アームレストの先端部にポケットを設け、アームレストを倒した状態でアームレストの機能を損なうことなくポケットへの小物類の収納、取出しができる構成としている。このポケットは、アームレストの上面表皮と同一のニット材をアームレストの先端に縫製して形成されており、ニット材の弾性により、アームレストを起立状態へ回動させた場合でも、収納されている物品がポケットから落下しないようになっている。
また、特許文献3に記載のアームレストでは、アームレスト本体を覆うカバーを二重構造にして三方を縫製し、肘載せ面の裏側面にポケットを設けている。ポケットには、アームレスト本体のポケットの位置、すなわちポケットの内部に凹部を形成することで収容スペースが設けられ、多少大きな小物を収容してもポケットが大きく膨らまないように構成されている。このポケットの二重構造は、まずポケット内部の凹部にインナーカバーを貼り、さらに凹部を覆うようにアウターカバーを貼って形成されている。
実用新案登録第3046255号公報 特開2003−72471号公報 特開2003−125893号公報
特許文献1に記載のヘッドレストの側面ポケットは、ヘッドレストの側面から突出してポケットを設けているため、シートの外観を劣化させるという不都合があった。特許文献2に記載の車両用シートのアームレストでは、ポケットがアームレスト本体の先端表面から突出しておらず、外観上は問題がないものの、先端表面に平坦な形状でポケットを形成しているため、収納できる物品の大きさや形状が非常に限られてしまうという不都合があった。
そこで、特許文献3のアームレストでは、アームレスト本体に凹部を設けてポケットを形成し、物品の収容スペースを確保している。しかしこのポケットは、開口部上端縁がアームレスト本体の先端部表面または裏側面表面と略当接するように形成されているため、ポケットの開口部が狭く、ポケットへの物品の出し入れがしづらいという不都合があった。
さらに、特許文献3に記載のアームレストを製造するためには、予めアームレストの内部のパッド材に凹部を形成し、その後、凹部の形状に相応した表皮材を貼る必要がある。この凹部を形成するための従来の方法としては、凹部を形成するための凸部を備えた成形型を用意するか、表面が平坦なパッド材を形成後に、凹部の形状に応じてパッド材をくり抜くなどの方法が考えられる。
しかしながら、このような従来の製造方法では、車両用内装部品のポケットを構成する凹部の形状に応じた表皮材を用意する必要があり、表皮材の形状が複雑になり、表皮材のピース数も増えるため、表皮材の製造に手間がかかり、製造コストが上昇するという問題があった。
また、成形型に凸部を形成するため、成形型の形状も複雑になり、ポケットの凹部の形状を変えるためには複数の成形型を用意する必要があり、成形型の製造コストがかかるという問題があった。さらに、所定形状の凸部を有する成形型は汎用性がないという問題があった。
本発明の目的は、車両用内装部品本来の機能を損なうことなく、小物の出し入れがしやすい収納部としての立体形状収納部を備えた車両用内装部品を製造する製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、車両用内装部品を覆う表皮材のピース数を少なく抑えて、車両用内装部品本体に立体形状収納部を備えた車両用内装部品を製造する製造方法を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、車両用内装部品の成形型の形状を複雑にすることなく、車両用内装部品本体に立体形状収納部を備えた車両用内装部品を製造する製造方法を提供することにある。
前記課題は、請求項1の立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法によれば、車両用内装部品本体と、該車両用内装部品本体を覆う表皮と、該表皮の面の少なくとも一部に形成された収納部を有し、該収納部は、前記車両用内装部品本体の表面側に形成された凹部と、該凹部を覆う前記表皮の上面側の一部を覆う収納部カバーからなる、立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法であって、前記車両用内装部品本体を覆う表皮材を袋形状に縫製して表皮とすると共に、該表皮の一部を覆う収納部カバーを縫製して開口部を有する収納部を形成する表皮及び収納部製造工程と、前記表皮及び収納部製造工程で形成された前記収納部の前記開口部から、前記車両用内装部品本体側の表皮材の表面に接する面が凸形状をなし、前記収納部カバーに接する面が略平面をなしている立体形状を有する入れ子型を挿入する入れ子型挿入工程と、前記収納部に前記入れ子型を挿入した前記車両用内装部品の前記表皮を成形型に配置する表皮配置工程と、前記表皮配置工程で前記成形型に配置した前記表皮内に、発泡材料を注入して発泡成形させる発泡成形工程と、を備えること、により解決される。
このように、本発明の請求項1の立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法によると、表皮及び収納部製造工程で表皮材を袋形状に縫製した表皮の一部に開口部を有する収納部を形成した後、入れ子型挿入工程において立体形状を有する入れ子型を収納部の開口部から挿入して、その後に一体発泡成形により立体形状収納部を形成するので、収納部の凹部上面を覆う表皮材を凹部の形状に合わせて新たに用意しておく必要がなく、表皮材のピース数を少なく抑えることができる。また、収納部を形成するための特別の形状の成形型を準備する必要がなく、製造コストを抑えることができる。
また請求項2のように、前記入れ子型挿入工程において、該入れ子型の凸形状をなす面が前記収納部の前記開口部近傍において凸形状を有するように形成されると共に、該凸形状を有する面の略中央部が最も隆起し、該略中央部から外周方向になだらかに下る曲面で形成された入れ子型を用いることにより、前記収納部の凹部の一部が収納部カバーで覆われ、収納部の開口部近傍から奥後方向に向けて、なだらかに車両用内装部品本体内部側に向かった傾斜面を有する立体形状収納部を備えた車両用内装部品を製造することができる。すなわち、携帯電話などの多少奥行きのある小物を収納することができ、また小物をスムーズに出し入れできる収納部を形成することができる。
また請求項3のように、前記入れ子型挿入工程において用いられる入れ子型は、該入れ子型の凸形状を有する面の前記収納部の前記開口部より外側に当接する位置に、少なくとも一つの凹部が形成されているものを用いると、前記収納部の収納部カバーで覆われていない領域の表面側の一部に、少なくとも一つの凸部を有する立体形状収納部を備えた車両用内装部品を製造することができる。このように、収納部の収納部カバーで覆われていない領域の表面側の一部に凸部を設けることで、収納部に収納した小物が凸部に引っかかり、収納部から小物が外部に飛び出して落下することを防止できる収納部を形成することができる。
また請求項4のように、前記入れ子型挿入工程と前記表皮配置工程との間に、前記収納部の前記開口部から前記入れ子型を挿入した後に、前記入れ子型を割り型に固定する入れ子型固定工程をさらに含み、前記表皮配置工程では、前記収納部に前記入れ子型を挿入し前記割り型で固定した前記車両用内装部品の前記表皮を前記成形型に配置することにより、表皮内に樹脂を注入するときに、入れ子型が成形型内の樹脂圧によって可動してずれることを防止することができ、商品外観性を良好に確保した車両用内装部品を製造することが可能となる。
本発明によれば、車両用内装部品本来の機能を損なうことなく、小物の出し入れがしやすい収納部としての立体形状収納部を備えた車両用内装部品を製造することができる。また、車両用内装部品を覆う表皮材のピース数を少なく抑えて、車両用内装部品の成形型の形状を複雑にすることなく、製造コストを抑えて、収納部を設けた車両用内装部品を製造することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができることは勿論である。
図1〜図6は、本発明の一実施形態に係るものであり、図1は車両用シートの斜視図、図2はヘッドレストの斜視図、図3はヘッドレストの説明部分断面図、図4は入れ子型の説明図、図5はヘッドレストの製造方法の入れ子型挿入工程及び表皮配置工程の説明図、図6はヘッドレストの製造方法の発泡成形工程における収納部の要部断面図である。
また、図7は本発明の他の実施形態に係る入れ子型の説明図、図8は本発明の他の実施形態に係るヘッドレストの製造方法の入れ子型固定工程の説明図、図9は本発明の一実施形態に係る製造工程図である。
本実施形態で製造される車両用内装部品は、車両用シートの一部を構成するヘッドレスト、アームレスト、着座部、背もたれ部などであり、車両用シート1は自動車、電車、航空機等の座席に適用することができるものである。この車両用シート1は、図1に示すように、着座部10と、背もたれ部20と、ヘッドレスト30を主要構成要素とする。
本実施形態では、車両用内装部品の製造例として、ヘッドレスト30の製造を例にして説明するが、上述したように車両用内装部品としては、アームレスト、着座部、背もたれ部など、製造される車両用内装部品の限定はされないものである。
ヘッドレスト30は、フレームと、フレームを指示するステーと、クッション材と、全体を覆う表皮から構成されており、着座者の頭部を支えるように背もたれ部20の上方に配置されている。また、ヘッドレスト30は、側面36に携帯電話等の小物類を収納することができる収納部としてのポケット50を備えている。
ヘッドレスト30のヘッドレスト本体31は、布や合成樹脂シート等の表皮材を袋形状に縫製して表皮とし、その内部に不図示の金属製フレームを挿入し、発泡樹脂を充填して一体発泡成形されるものであり、伸縮性のある布カバーを表皮として使用し、クッション材としての発泡ウレタンをその内部に充填して形成されている。
図2に示すように、ヘッドレスト30のヘッドレスト本体31は、表皮Hで覆われており、この表皮Hは、着座者の頭部が当接する当接面32を覆う第1表皮部材32c、背面(当接面と反対の面)34を覆う第2表皮部材34c、側面36及び上面38を覆う第3表皮部材36cによって形成されている。すなわち、ヘッドレスト本体31は、第1表皮部材32cと、第2表皮部材34c,第3表皮部材36cの三枚の表皮材で全体が覆われている。
また、図2に示すように、ヘッドレスト本体31の側面36には、ヘッドレスト本体31の縦方向中ほどからヘッドレスト30の下側に向けて、ポケットカバー51を側面36の第3表皮部材36cに重ねて縫製し、二重構造とすることでポケット50を形成している。ポケットカバー51は、伸縮性のある布などのカバーを使用することにより、ポケット50に入れた小物類がポケットカバー50により押圧され、収納物が容易に落下しないように構成することができる。
さらに、ヘッドレスト本体31の側面36のポケットカバー51が取付けられている位置には、凹部56が形成されている。図3に示すように、凹部56は、ポケット50の開口部54やや上方からポケット50の内部奥方向にかけて、傾斜面がなだらかに下る形状に形成されている。また、ポケットカバー51は、この凹部56の傾斜開始位置56aから一定の距離をあけて凹部56を覆うように、すなわちポケット50の開口部54がある程度開くようにヘッドレスト本体31の側面36に取付けられている。このように、ポケット50の開口部54の開口端と側面36との間にはわずかに隙間が設けられている。なお、このポケット50の開口部54の隙間が携帯電話等の小物を収納した際に収納物が容易に落下しない程度の大きさになるように、ポケットカバー51の取付け位置を設定する。
上述のように、ポケット50は、なだらかな傾斜面からなる凹部56と、その凹部56の一部を覆うポケットカバー51とにより形成されているので、小物類の出し入れがし易く、使い勝手がよい。また、ヘッドレスト30の頭部と接する当接面32以外の面にポケット50を設けたので、ヘッドレスト本来の機能が損なわれることがなくポケット50に小物類の収納が行える。
なお、ヘッドレスト30の着座状態での左側の側面36に収納部としてのポケット50を設けた例を示したが、右側の側面や背面34等、当接面32以外の面であれば同様の効果を得られるものである。
次に、上記構成からなる立体形状収納部を備えた車両用内装部品の例としてのヘッドレストの製造方法について、図4〜6、図9を参照して説明する。
本実施形態の製造方法は、図9で示すように、表皮及び収納部製造工程、入れ子型挿入工程、表皮配置工程、発泡成形工程、取出し工程、を備えている。
表皮及び収納部製造工程は、車両用内装部品本体であるヘッドレスト本体を覆う表皮材を袋形状に縫製して表皮とし、表皮の一部を覆う収納部カバーを縫製して開口部を有する収納部を形成する工程であり、予め所定の形状に形成した表皮材としての第1表皮部材32c,第2表皮部材34c,第3表皮部材36cを所定の袋形状になるように縫製する。また、側面36を覆う第3表皮部材36cの表面に、ポケットカバー51の開口部54の端辺を除く三辺を縫製してポケットカバー51を取付ける。
図3に示すように、ポケットカバー51は側面36を略半分覆う程度の大きさであり、ポケットカバー51を取付けた面は、ポケットカバー51と第3表皮部材36cが二重の構造となっている。また、ポケット50の奥行きが小物類を収納するために適度な深さとなるように、開口部54の開口端からポケット50の奥方向に向かって一定の位置fで、ポケットカバー51と第3表皮部材36cを横方向に縫い合わせている。
なお、表皮及び収納部製造工程で表皮及び収納部を形成する手順としては、先ず表皮材を袋形状に縫製して表皮を形成し、その後第3表皮部材36cの表面にポケットカバー51を縫い付けて収納部を形成してもよいし、第3表皮部材36cの表面にポケットカバー51を縫い付けて収納部を形成した表皮材を予め用意し、その後第1表皮部材32c,第2表皮部材34c,及び収納部を有する第3表皮部材36cを袋状に縫製してもよい。また、第1表皮部材32c,第2表皮部材34c,第3表皮部材36c、及びポケットカバー51を同時に縫製して表皮及び収納部を形成してもよい。
入れ子型挿入工程は、上記表皮及び収納部製造工程で形成された収納部の開口部から、車両用内装部品本体側の表皮材の表面に接する面が凸形状をなし、収納部カバーに接する面が略平面をなしている立体形状を有する入れ子型を挿入するものである。本実施形態では、ポケット50の開口部54からポケットカバー51と第3表皮部材36cの間に入れ子型60を挿入する。
上記入れ子型挿入工程において用いられる入れ子型は、収納部の凹部を形成するためのものであり、収納部の開口部から奥方向に向けて、なだらかに前記車両用内装部品本体内部側に向かった傾斜面の形状に形成されると共に、縦中央線から両側面にかけて曲面状に形成されている。
本実施形態では、入れ子型60は、ヘッドレスト本体31の側面36にポケット50の凹部56を形成するための型である。図4中、図4(a)は入れ子型60を正面から見た状態、図4(b)は入れ子型60のX−X断面図であり、図4(c)は入れ子型60のY−Y断面図である。
入れ子型60は、凹部56の形状を再現するための立体部61と、入れ子型60をポケット50に挿入したときの立体部61の位置を確保するための平面部62で構成されている。なお本実施形態では、立体部61と平面部62とは、プラスチックなどの合成樹脂から形成されているが、金属その他のもので形成することもできる。また、本実施形態の入れ子60は、別部材である立体部61と平面部62を接着剤等で固着して形成しているが、立体部と平面部を一体に形成した入れ子型を用いてもよい。
立体部61の平面部62と接合する平坦面61aは略平面状であり、平坦面61aと反対側の凸状面61bは、傾斜が緩やかな曲面状に形成されている。本実施形態では、凸状面61bの傾斜は、凸状面61bの中央上部が最も盛り上がり、その点から上下左右に緩やかに下る形状に形成されている。
入れ子型60の平面部62の幅w1は、ポケット50に挿入したときのポケット50の幅w2(図2参照)と略同じ長さであり、発泡成形時にポケット50に挿入している入れ子型60の位置にズレが生じないように、この平面部62で固定されるようになっている。また、平面部62の高さh1は、ポケット50の奥行きh2(図2参照)より少し長く、入れ子型60をポケット50に挿入したときに平面部62が多少ポケット50のポケットカバー51から外部に出るように形成されており、発泡形成時に入れ子型60にズレが生じないように形成されている。
入れ子型挿入工程では、図5に示すように、この入れ子型60をポケット50の開口部54から、平面部62の平坦面62aを外向き、すなわちポケットカバー51の内側の面と当接する向きで、平面部62の下端部62bをポケット50の奥側に向けて、ポケット50に挿入する。したがって、立体部61の凸状面61bは内向き、すなわちヘッドレスト本体31の第3表皮部材36cに当接する向きで挿入される。
表皮配置工程は、収納部に入れ子型を挿入した車両用内装部品の表皮を成形型に配置するものであり、本実施形態では、図5に示すように、入れ子型60をポケット50に挿入した状態の袋形状のヘッドレスト30を成形型70のキャビティ72内に挿入して配置する。なお、表皮及び収納部製造工程で表皮材を袋形状に縫製して表皮Hを形成した後、表皮Hを成形型70に配置するまでの工程で、不図示のフレーム及びステーを袋形状の表皮Hの内部に挿入しておく。
発泡成形工程は、表皮配置工程により成形型に配置した表皮内に発泡材料を注入して発泡成形させ、表皮と一体発泡成形するものであり、本実施形態では、成形型70に挿入されたヘッドレスト30の底面に形成されている不図示のステー挿入部分や、その近傍に設けられた不図示の注入孔から、表皮Hとフレームの間に発泡ウレタン等の発泡材料を注入して、型締めし、ヘッドレスト本体31を表皮Hと一体発泡成形する。図6で示すように、発泡ウレタンを注入して一体発泡成形したとき、ウレタン樹脂の発泡圧力により、第3表皮部材36cとポケットカバー51の間に挿入されている立体凸形状をした入れ子型60の形状が表面に再現された発泡体Bが形成される。
取出し工程では、一体発泡成形後、型開きして、成形型70のキャビティ72から成形されたヘッドレスト30を取出し、入れ子型60を外す。これにより、ヘッドレスト本体31の側面36に入れ子型60の形状を再現した凹部56が形成される。このように形成された凹部56とポケットカバー51により、立体的な形状を持つポケット50がヘッドレスト30に形成される。
このように、ポケット50の凹部56の形状に合わせた入れ子型60をポケット50に挿入して一体発泡成形することにより、ヘッドレスト本体31の側面36と一体となった凹部56を形成することができ、その凹部56の一部をポケットカバー51で覆うことで、小物の収納、取出しがしやすいポケット50をヘッドレスト30の所定の面に形成することができる。また、ヘッドレスト30の所定の面と連続した傾斜面を有するように凹部56が形成されているため、外観的に優れたポケット50を形成することができる。
また、表皮Hとして、凹部56を覆うための表皮カバーを凹部56の形状にあわせて新たに用意する必要がなく、ポケットカバー51を追加するだけで立体的なポケット50を形成することができ、表皮Hの製造コストの上昇を抑えることができる。
さらに、凹部56を形成するための入れ子型60を成形型70とは別体としたので、成形型70としては既存のヘッドレスト発泡成形型を使用することができる。また、凹部56の大きさや深さ等の形状を変更したい場合には、入れ子型60を凹部56の形状にあわせて複数用意すればよい。このように、成形型の製造が容易であり、コストを抑えることができる。
図7は、入れ子型挿入工程において用いられる入れ子型の他の例を示すものである。この入れ子型は、収納部の開口部より外側の位置で、車両用内装部品本体に対して少なくとも一つの凹部が形成されているものであり、本実施形態では、入れ子型60の立体部61の凸状面61bの部分で、ポケット50の開口部54より外側(ポケット50と反対側)で、開口部54より所定距離を置いた位置(立体部61ではあるがポケット50にものを入れるのに邪魔にならない位置)に、凹部61cが形成されている。この凹部61cの形状は、ポケット50の開口部54に平行な凹部でもよく、或いは円形、矩形、その他のボタン状の形状の凹部でもよい。また凹部は1箇所でも、多数の凹部を形成してもよい。
このように入れ子型60の立体部61の凸状面61bの部分に凹部61cを形成すると、ポケット50の開口部54より離れた部分(すなわちポケット50のポケットカバー51に覆われていない領域の表面側の一部)に、凸部が形成され、この凸部を形成することで、ポケット50に収納した小物が凸部に引っかかり、ポケット50から外部に飛び出して落下するのを防止することができる。特に車両用内装部品がアームレストのように回動するときには、収納物が不意に飛び出すことを防止できる。
次に、本発明のヘッドレストの製造方法の他の実施形態について説明する。図8は本発明の他の実施形態に係るヘッドレストの製造方法の入れ子型固定工程の説明図であり、入れ子型挿入工程と表皮配置工程型挿入工程の説明図を兼ねるものである。
なお、本実施形態において、上記した実施形態と同様部材・同様配置等には、同一の符号を付してその説明を省略する。
入れ子型固定工程は、前記入れ子型挿入工程の後工程で、前記表皮配置工程の前に行なう工程であり、収納部の開口部から入れ子型を挿入した後に、入れ子型を割り型に固定するものである。その他の工程は、前記した実施形態と同様であるので、入れ子型固定工程について説明する。
本実施形態の入れ子型90は、凹部56の形状を再現するための立体部91と、立体部91のポケット50への挿入方向と反対側端部に形成されている係止部92からなる。この係止部92は、割り型95に入れ子型90を取着するための部材で、本実施形態では2つの突起93を備え、その2つの突起93の間にさらに係止孔94を備える。突起93は、割り型95の内側、すなわち入れ子型90を取着する側の面に設けられている不図示の係止孔と嵌合し、係止孔94は、割り型95の内側に設けられている不図示の突起と嵌合して、入れ子型90が割り型95に固着される構成となっている。
割り型95は、成形型80に形成されたキャビティ82に配設されるものであり、ヘッドレスト30をキャビティ82内に挿入して配置したときにヘッドレスト30のポケット50が位置する周辺の切欠部82aと整合するように形成されている。
入れ子型90の立体部91は、前記した実施形態と同様の形状をしている。この入れ子型90の立体部91をポケットカバー51と第3表皮部材36cの間に挿入し、次に割り型95を、入れ子型90の係止部92に設けられている突起93及び係止孔94と、割り型95の内側に設けられている不図示の係止孔及び突起とを各々嵌合させて、入れ子型90に固着する。
表皮配置工程では、収納部に入れ子型を挿入し、割り型で固定した車両用内装部品の表皮Hを成形型に配置するものであり、本実施形態では、入れ子型90の立体部91をポケット50に挿入し、そして割り型95と入れ子型90とを結合させた状態となった表皮Hを、成形型80のキャビティ82内に配置する。なお、表皮及び収納部製造工程で表皮材を袋形状に縫製して表皮Hを形成した後、表皮Hを成形型80に配置するまでの工程で、不図示のフレーム及びステーを袋形状の表皮Hの内部に挿入しておく。
後工程は、前記した実施形態と同様であるが、取出し工程においては、型開きした後で、前記した入れ子型固定工程と反対の手順によって行なうものである。つまり、型開きの後、成形型のキャビティ82から成形品を取出し、割り型95と入れ子型90との結合を解除し、ポケット50から入れ子型90の立体部91を取り除くものである。
なお、上記実施形態では、車両用内装部品として、ヘッドレストの製造例を説明したが、アームレスト、着座部、背もたれ部の側面などにおいても、本発明の趣旨に反しない限り、同様に適用可能であり、例えば図1に示すような、着座部10の側面のポケット58や、背もたれ部20の側面のポケット59なども同様に製造することができる。
車両用シートの斜視図である。 ヘッドレストの斜視図である。 ヘッドレストの説明部分断面図である。 本発明の車両用内装部品の製造方法で用いる入れ子型の説明図である。 本発明の車両用内装部品の製造方法の入れ子型挿入工程及び表皮配置工程の説明図である。 本発明の車両用内装部品の製造方法の発泡成形工程における収納部の要部断面図である。 本発明の他の実施形態に係る車両用内装部品の製造方法で用いる入れ子型の説明図である。 本発明の他の実施形態に係る車両用内装部品の製造方法の入れ子型固定工程の説明図である。 本発明の車両用内装部品の製造方法の製造工程図である。
符号の説明
1 車両用シート
10 着座部
20 背もたれ部
30 ヘッドレスト(車両用内装部品)
31 ヘッドレスト本体(車両用内装部品本体)
32 当接面
32c 第1表皮部材
34 背面
34c 第2表皮部材
36 側面
36c 第3表皮部材
38 上面
50,58,59 ポケット(収納部)
51 ポケットカバー(収納部カバー)
54 開口部
56 凹部
56a 傾斜開始位置
60,90 入れ子型
61,91 立体部
61a,62a 平坦面
61b 凸状面
61c 凹部
62 平面部
62b 下端部
70,80 成形型
72,82 キャビティ
82a 切欠部
92 係止部
93 突起
94 係止孔
95 割り型
H 表皮
B 発泡体
h1 平面部の高さ
h2 ポケットの奥行き
w1 平面部の幅
w2 ポケットの幅

Claims (4)

  1. 車両用内装部品本体と、該車両用内装部品本体を覆う表皮と、該表皮の面の少なくとも一部に形成された収納部を有し、該収納部は、前記車両用内装部品本体の表面側に形成された凹部と、該凹部を覆う前記表皮の上面側の一部を覆う収納部カバーからなる、立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法であって、
    前記車両用内装部品本体を覆う表皮材を袋形状に縫製して表皮とすると共に、該表皮の一部を覆う収納部カバーを縫製して開口部を有する収納部を形成する表皮及び収納部製造工程と、
    前記表皮及び収納部製造工程で形成された前記収納部の前記開口部から、前記車両用内装部品本体側の表皮材の表面に接する面が凸形状をなし、前記収納部カバーに接する面が略平面をなしている立体形状を有する入れ子型を挿入する入れ子型挿入工程と、
    前記収納部に前記入れ子型を挿入した前記車両用内装部品の前記表皮を成形型に配置する表皮配置工程と、
    前記表皮配置工程で前記成形型に配置した前記表皮内に、発泡材料を注入して発泡成形させる発泡成形工程と、を備えることを特徴とする立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法。
  2. 前記入れ子型挿入工程において用いられる入れ子型は、該入れ子型の凸形状をなす面が前記収納部の前記開口部近傍において凸形状を有するように形成されると共に、該凸形状を有する面の略中央部が最も隆起し、該略中央部から外周方向になだらかに下る曲面で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法。
  3. 前記入れ子型挿入工程において用いられる入れ子型は、該入れ子型の凸形状を有する面の前記収納部の前記開口部より外側に当接する位置に、少なくとも一つの凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法。
  4. 前記入れ子型挿入工程と前記表皮配置工程との間に、前記収納部の前記開口部から前記入れ子型を挿入した後に、前記入れ子型を割り型に固定する入れ子型固定工程をさらに含み、
    前記表皮配置工程では、前記収納部に前記入れ子型を挿入し前記割り型で固定した前記車両用内装部品の前記表皮を前記成形型に配置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の立体形状収納部を備えた車両用内装部品の製造方法。
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