JP5051459B2 - 静電容量式障害物センサ及び当該障害物センサを備えた開閉システム - Google Patents

静電容量式障害物センサ及び当該障害物センサを備えた開閉システム Download PDF

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Description

本発明は、車両の開口部において障害物を検出する静電容量式障害物センサに関する。
従来、車両の自動開閉式の電動スライドドアなどの自動開閉システムが実用化されている。このような自動開閉システムは、ドアとドア枠との間に人体や衣服が挟み込まれて人体に衝撃が加わったり、ドアとドア枠との間にその他の物体が挟み込まれて当該自動開閉システムを損傷したりする可能性を有している。そこで、ドアに接触したり、ドアとドア枠との間に存在したりする人体等の障害物を検出するために、障害物センサを搭載した自動開閉システムが提案されている。障害物センサとしては、下記に出典を示す特許文献1や2に記載された静電容量検出回路を用いた静電容量式障害物センサが知られている。
しかし、静電容量式障害物センサは、閉まる間際でドアとドア枠とが近接して対向する際に、障害物が有る場合と同じ検出結果を出力する可能性がある。この可能性に鑑みて、下記に出典を示す特許文献3には、ドアの位置に応じて障害物センサの感度を変える車両用自動開閉装置が提案されている。具体的には、ドアが閉まる間際で障害物センサの感度が下げられる。
一方、下記に出典を示す特許文献4には、閉まる間際において障害物センサの感度を下げることなく、ドアが閉まる際の全行程において良好に障害物を検出可能な障害物検出装置の技術が記載されている。具体的には、可動するドア側に静電容量センサが備えられ、固定されたドア枠のドアと対向する側に遮蔽電極が備えられる。そして、センサ電極と遮蔽電極とに略同一の電位が印加される。これにより、センサ電極と遮蔽電極との間に形成される静電容量が等価的に打ち消され、ドア枠が障害物として検出されることが抑制される。但し、センサ電極と遮蔽電極とが非常に近接すると両電極による電界が重畳される。この時、両電極が略同電位の印加を受けていると、両電極に挟まれた空間は等電位化され、この空間に障害物が存在しても静電容量に変化が生じなくなる。そこで、センサ電極近傍の電界が所定の設定レベルに保たれるように、遮蔽電極への印加電圧が可変制御される。これにより、両電極に挟まれた空間に電界強度勾配が形成されて、当該空間に存在する障害物の検知感度が確保される。
特開2005−106665(第32〜37段落等) 特開2003−075481(第15〜22段落等) 特開2007−023585(第25〜27段落等) 特開2005−240428(第9〜20、37〜40段落等)
特許文献4に記載された障害物検出装置は、ドアが閉まる際の全行程において良好に障害物を検出可能な優れたものである。しかし、障害物検出装置が、ドアの位置に応じて遮蔽電極の印加電圧を可変制御するには、ドアとドア枠との位置関係、即ちドアの位置を検出する必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたもので、車両の開口部における障害物及び開閉体の位置を良好に検出可能な静電容量式障害物センサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る静電容量式障害物センサの特徴構成は、
車両に設けられた開口部を開閉可能な開閉体の開口側の開閉体端部と、前記開閉体により前記開口部が閉じられる際に当該開閉体端部と当接する枠体端部との何れか一方に設けられ、前記開閉体端部と前記枠体端部との間に存在する障害物との間の静電容量を検出する検出電極と、
前記開閉体端部及び前記枠体端部の他方に設けられ、当該他方の端部を前記検出電極から遮蔽する遮蔽電極と、
第1判定期間において、交流の基準電圧の印加又はスイッチトキャパシタ制御により交流成分を有する電圧に制御される前記検出電極の電圧と略同一の電圧を前記遮蔽電極に印加して、前記開閉体端部と前記枠体端部との間に前記障害物が存在するか否かを判定すると共に、
前記第1判定期間と重複しない第2判定期間において、前記検出電極の電圧に拘わらず一定の直流電圧又は前記検出電極の電圧の逆位相の交流電圧を前記遮蔽電極に印加し、前記検出電極と前記遮蔽電極との間の静電容量に基づいて前記開閉体端部と前記枠体端部との距離を判定する制御部と、
を有する点にある。
この特徴構成によれば、制御部は、第1判定期間において開閉体端部と枠体端部との間に障害物が存在するか否かを判定すると共に、第2判定期間において開閉体端部と枠体端部との距離を判定する。第1判定期間では、遮蔽電極と検出電極との電位を略同一とすることで、遮蔽電極が備えられる側の端部が障害物として誤検出される可能性を大きく抑制させている。また、第2判定期間では、遮蔽電極と検出電極との電位を異ならせることによって、遮蔽電極と検出電極との間に形成される静電容量を精度良く検出できるようにしている。従って、本特徴構成によれば、開閉体端部と枠体端部との間、即ち車両の開口部における障害物の存否、並びに、固定された開閉体端部に対する枠体端部の位置、即ち開閉体の位置を良好に検出することができる。
また、本発明に係る静電容量式障害物センサは、前記制御部が、前記第1判定期間と前記第2判定期間とを交互に繰り返すと好適である。
第1判定期間と第2判定期間とが交互に繰り返されることにより、開閉体が動く全期間に亘って安定的に障害物の有無と距離とが検出される。第2判定期間における判定では、時間の経過と共に開閉体端部と枠体端部との距離が短く検出される。第1判定期間と第2判定期間とが交互に繰り返されることにより、制御部は、断続的に判定される開閉体端部と枠体端部との距離に基づいて開閉体の進行状態を把握することができる。開口部が閉じられる際に障害物が存在しない場合、例えば、開閉体やロック機構を駆動するアクチュエータを制御する任意の制御装置は、開閉体の進行状態や位置に基づいて、閉まり際の制御を実施することができる。ここで、閉まり際の制御とは、開閉体の減速・停止やロック機構の駆動などである。一方、開口部が閉じられる際に障害物が存在する場合には、交互に繰り返される第1判定期間において障害物が検出される。多くの場合、障害物が検出されると上記任意の制御装置は、開閉体を反転させて開口部を開状態にする。従って、閉まり際の制御は実行されず、安全性が確保される。
また、本発明に係る静電容量式障害物センサは、前記制御部が、前記第1判定期間において、前記検出電極の電圧変動に追従する電圧を前記遮蔽電極に印加すると好適である。また、ここで、前記遮蔽電極が、前記第1判定期間において、バッファを介して前記検出電極と接続されると好適である。
検出電極は、交流の基準電圧の印加又はスイッチトキャパシタ制御により交流成分を有する電圧に制御される。遮蔽電極は、検出電極の電圧と略同一の電圧を印加されることによって、枠体端部を静電遮蔽する。ここで、検出電極の電圧変動に追従する電圧を遮蔽電極に印加すると、遮蔽電極には検出電極の電圧と略同一の電圧が印加されることとなり、枠体端部が良好に静電遮蔽される。尚、遮蔽電極が、バッファを介して検出電極と接続されると、遮蔽電極へ印加される電圧は、良好に検出電極の電圧変動に追従する。バッファは、高入力インピーダンス且つ低出力インピーダンスの回路素子であるから、検出電極の電圧にほとんど影響を与えることなく、その電圧変動を遮蔽電極に伝達することが可能である。
また、本発明に係る静電容量式障害物センサは、前記制御部が、前記検出電極を第1電圧と前記第1電圧とは異なる第2電圧とに交互に接続させるスイッチトキャパシタ制御により、前記検出電極を一方の電極とするコンデンサの静電容量を検出するものであるときは、以下のように構成されると好適である。即ち、前記制御部は、前記第1判定期間において、前記検出電極が前記第1電圧と前記第2電圧とに交互に接続されるスイッチングタイミングに同期して、前記第1電圧と前記第2電圧との電位差に略等しい電位差を有する第3電圧と第4電圧とに、前記遮蔽電極を交互に接続させると好適である。
検出電極は、スイッチトキャパシタ制御により交流成分を有する電圧に制御され、遮蔽電極は、検出電極の電圧と略同一の電圧を印加されることによって、枠体端部を静電遮蔽する。ここで、直流成分を除いた交流成分が略同一の電圧であれば問題なく静電遮蔽の効果を得ることができる。上記構成によれば、検出電極に対するスイッチングタイミングに同期して遮蔽電極がスイッチングされるので、交流成分の周波数は略同一となる。また、第1電圧と第2電圧との電位差、第3電圧と第4電圧との電位差が略等しいので、交流成分の波高(peak to peak)は略同一となる。従って、検出電極と遮蔽電極とに略同一の交流成分の電圧が印加されることとなり、枠体端部が良好に静電遮蔽される。
また、本発明に係る車両の開閉システムは、上記何れかの構成の静電容量式障害物センサを備えて構成される。
開閉システムは、当該静電容量式障害物センサを備えることにより、開閉体の進行状態や位置に基づいて、閉まり際の制御など実施することができる。また、開口部が閉じられる際に障害物が存在する場合には、障害物が検出され、例えば、開閉体を反転させて開口部を開状態にすることができる。
〔概要〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の障害物センサ(静電容量式障害物センサ)が搭載される車両1の一例を模式的に示す側面図である。図2は、図1の車両1の開口部2における障害物センサの構成例を模式的に示す説明図である。以下に示す種々の実施形態においては、車両に設けられた開口部として、図1に示すようなスライドドアを例として説明する。しかし、本発明における「車両に設けられた開口部」は、スライドドアに限定されるものではなく、スイングタイプのドア、バックドア、窓、サンルーフ等も含むものである。
図1に示すように、車両1は、スライドドア(開閉体)3とドア枠(枠体)4とを有している。スライドドア3は、車両の乗降口である開口部2を開閉可能な開閉体であり、開口部2が閉状態においては開口部2の側のドア端部(開閉体端部)2aとドア枠4の枠体端部4aとが当接する。
図2に示すように、スライドドア3のドア端部3aには、検出電極5が備えられている。検出電極5は、後述するように、開口部2に存在する人体等の導電性の障害物9との間に形成されるコンデンサ8の検出容量Csを検出する電極である。障害物9が人体のように充分に大きい物体である場合、接地されていなくても交流的にグラウンドとみなすことができる。スライドドア3と検出電極5との間には、絶縁層53を介してガードリング6が設けられている。ガードリング6は、検出電極5の寄生容量を低減するために配置される導電性の電極であり、検出電極5よりも広い電極であると好適である。
開口部2が閉じられる際にドア端部3aと当接するドア枠4の枠体端部4aには、絶縁層54を挟んで遮蔽電極7が設けられている。遮蔽電極7は、開閉部2が閉じられる際に検出電極5に近接する枠体端部4aを検出電極5から静電遮蔽することにより、枠体端部4aが障害物9として検出されることを抑制するために設けられる。尚、図2に示した例では、ドア端部3aに検出電極5が設けられ、枠体端部4aに遮蔽電極7が設けられる場合を例示したが、ドア端部3aに遮蔽電極7が設けられ、枠体端部4aに検出電極5が設けられる構成であってもよい。
〔第1実施形態〕
図3は、第1実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図である。検出電極5には、値Z0が既知のインピーダンス17を介して交流電源18から所定の基準電圧Vinが印加される。上述したように、障害物9は交流的にグラウンドと見なすことができるので、値Z0が既知のインピーダンス17と検出容量Csのコンデンサ8との直列インピーダンスに対して交流の基準電圧Vinが印加される。後述する制御部11は、交流の基準電圧Vinと検出電極5との電圧を比較することにより、検出容量Csを求める。
検出電極5の電圧V1は、ボルテージフォロワなどのバッファ30によりインピーダンス変換されて図3に示すノードAに出力され、ガードリング6に接続される。また、ノードAは、スイッチS5が開状態且つスイッチS4が閉状態において遮蔽電極7に接続される。バッファ30は高入力インピーダンス、低出力インピーダンスの素子である。従って、遮蔽電極7は、検出電極5の電圧V1にほとんど影響を与えることなく、スイッチS4を介して検出電極5の電圧V1と略同一の電圧を印加されることができる。つまり、遮蔽電極7は、後述する第1判定期間において検出電極5の電圧V1の変動に追従する電圧を印加されることができる。
一方、遮蔽電極7は、スイッチS4が開状態且つスイッチS5が閉状態において、検出電極5の電圧V1に拘わらず一定の直流電圧Gを印加されることもできる。つまり、遮蔽電極7は、後述する第2判定期間において、一定の直流電圧Gを印加されることができる。本実施形態では、この一定の直流電圧Gはグラウンドであるが、他の電圧値であってもよい。
制御部11は、コンパレータやマイクロコンピュータ、その他の論理ICなどを有して構成される電子回路により実現される機能部である。制御部11は、スイッチS4とスイッチS5とを排他的に接続状態(閉状態)とすることによって、遮蔽電極7に検出電極5の電圧V1又は直流電圧Gを印加する。スイッチS4及びS5は、アナログスイッチを用いると好適である。制御部11は、スイッチS4を制御する制御信号C4、スイッチS5を制御する制御信号C5を生成し、両スイッチに対して出力して、両スイッチを排他的に接続状態に制御する。尚、スイッチS4とスイッチS5とは、同時に開状態となることはあっても、同時に閉状態となることが無いように、制御部11により制御される。
制御部11は、第1判定期間において、スイッチS4を閉状態に制御し、スイッチS5を開状態に制御する。これによって、交流の基準電圧Vinの印加により交流成分を有する電圧に制御される検出電極5の電圧V1と略同一の電圧が遮蔽電極7に印加される。一方、制御部11は、第1判定期間と重複しない第2判定期間において、スイッチS4を開状態に制御し、スイッチS5を閉状態に制御する。これによって、検出電極5の電圧V1に拘わらず一定の直流電圧Gが遮蔽電極7に印加される。
また、制御部11は、第1判定期間と第2判定期間とにおいて異なる事象を判定する。具体的には、第1判定期間において、ドア端部3aと枠体端部4aとの間に障害物9が存在するか否かを判定する。上述したように、第1判定期間においては、ドア端部3aの検出電極5と、枠体端部4aの遮蔽電極7とは略同一の交流電位を有している。従って、検出電極5から見て枠体端部4aは静電遮蔽される。つまり、制御部11により枠体端部4aが障害物として検出される可能性を抑制して、開閉部2に存在する障害物9を良好に検出することができる。
障害物9は、障害物9と検出電極5との間に形成されるコンデンサ8の検出容量Csに基づいて、その存否が判定される。但し、遮蔽電極7と検出電極5との間にもコンデンサ(不図示)が形成され、このコンデンサは、検出電極5と障害物9との間に形成されるコンデンサ8と並列の関係となる。従って、コンデンサ8の検出容量Csを求める際に誤差を生じる要因となる。しかし、上述したように第1判定期間において、遮蔽電極7と検出電極5との電圧は略同一であるから、遮蔽電極7と検出電極5との間に形成されるコンデンサにおける電荷の移動はほとんど生じない。一方、障害物9はグラウンド電位とほぼ等価であるから、コンデンサ8における電荷の移動が主たる電荷移動となる。従って、コンデンサ8の検出容量Csを求める際に誤差を生じる要因が抑制され、障害物9の検出精度が向上する。
第2判定期間においては、ドア端部3aの検出電極5は交流の基準電圧Vinの印加により交流成分の電圧V1を有しているが、枠体端部4aの遮蔽電極7は検出電極5の電圧V1に拘わらず一定の直流電圧Gを有している。これによって、遮蔽電極7と検出電極5との間に形成される不図示のコンデンサにおける電荷移動が生じる。このコンデンサの静電容量は、遮蔽電極7と検出電極5との距離に依存するから、制御部11は、枠体端部4aとドア端部3aとの距離を良好に検出することができる。
第1判定期間と第2判定期間とは、制御部11によって、所定の周期で繰り返し設けられる。つまり、障害物9を検出する判定期間と、枠体端部4aとドア端部3aとの距離を検出する判定期間との2つの事象を検出する判定期間が交互に設けられる。従って、1つの障害物センサにより複数の事象を良好に検出することができる。尚、この繰り返しは、1周期ごとの繰り返しに限定されるものではない。つまり、第1判定期間と第2判定期間とを、それぞれ1周期ずつ交互に繰り返すことには限定されない。それぞれの判定期間を複数周期ずつ交互に繰り返してもよいし、第1判定期間と第2判定期間とで連続して実施する周期を異ならせてもよい。また、第1判定期間と第2判定期間との周期が異なっていてもよい。
また、制御部11は、各第1判定期間及び各第2判定期間における判定結果を記憶する記憶部を有していると好ましい。記憶部は、メモリやレジスタで構成される。メモリやレジスタは、特に不揮発性である必要はなく一時記憶手段としての機能を有していれば充分である。制御部11は、現判定期間の前の判定期間の検出結果も利用して、障害物9や距離を検出することができる。
例えば、現在の第1判定期間の検出容量Csと、それより前の第1判定期間の検出容量Csとの比較結果も勘案して障害物9の有無を判定すると、より正確な判定が可能となる。また、第2判定期間における判定では、時間の経過と共にドア端部3aと枠体端部4aとの距離が短く検出されるので、距離の算出精度が向上する。第1判定期間と第2判定期間とが交互に繰り返される場合、制御部11は、断続的に判定されるドア端部3aと枠体端部4aとの距離に基づいてスライドドア3の進行状態を把握することもできる。また、一つ前の第2判定期間に検出された距離と現第2判定期間に検出された距離との差を逐次演算し、記憶しておくことで、急激にドア端部3aと枠体端部4aとの距離が変化するような事象も検出することができる。そして、急激に距離が縮まったような場合には、障害物9が開閉部2に出現した可能性が高く、次の第1判定期間に至る前に障害物9の存在を予測、あるいは検出することができる。
制御部11により判定された障害物9の有無の検出結果、及び枠体端部4aとドア端部3aとの距離の検出結果は、結果情報DとしてドアECU19などの任意のドア制御装置に出力される。ドアECU19は、スライドドア3を駆動するモータなどのアクチュエータや、ロック機構を駆動するモータやソレノイドなどのアクチュエータを制御する。即ち、ドアECU19は、スライドドアシステム(開閉システム)の中核となる機能部である。例えば、ドアECU19がスライドドア3を閉じる方向にモータを駆動している際に、障害物9が検出されたとの結果情報Dを受け取ると、ドアECU19はモータを減速あるいは停止、又は反転させる。また、障害物9が検出されることなく、閉まり際に達したとの結果情報Dを受け取ると、ドアECU19はモータを減速あるいは停止させ、ロック機構等を駆動する。
上述したように、第1判定期間と第2判定期間とが繰り返し実施されることにより、スライドドア3が動く全期間に亘って安定的に障害物9の有無又は枠体端部との距離が検出される。開口部2が閉じられる際に障害物9が存在しない場合、ECU19は、上述したように、スライドドア3の進行状態や位置に基づいて、閉まり際の制御を実施することができる。一方、開口部2が閉じられる際に障害物9が存在する場合には、ECU19は、例えばスライドドア3を反転させて開口部2を開状態にする。従って、閉まる動作は実行されず、安全性が確保される。
〔第2実施形態〕
図4は、第2実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図である。制御部11の結果情報Dを受けてドアECU19がスライドドア3を制御する点については第1実施形態と同様であるので、第2実施形態以降、ドアECU19の図示及び説明は省略する。
第2実施形態では、スイッチS1及びスイッチS2と、検出容量Csを有するコンデンサ8からなるスイッチトキャパシタ抵抗により、基準容量C0を充電する際の時定数から検出容量Csを求める。スイッチS1、スイッチS2、及び後述するスイッチS3は、アナログスイッチなどで構成される。スイッチS1〜S3は、それぞれ制御部11が有する制御回路13が生成し、各スイッチへ出力する制御信号C1、C2、C3により開閉制御(スイッチング制御)される。尚、制御回路13は、マイクロコンピュータや論理ICなどによって構成される。スイッチS1〜S3及び制御回路13に関する上記説明は、以下に示す第3実施形態以降においても同様である。
第1判定期間及び第2判定期間の開始時に、制御部11は、スイッチS3を短時間、閉状態に制御して基準容量C0を有するコンデンサ21を放電させる。次に、制御部11は、スイッチS3を開状態として、スイッチトキャパシタ制御を実施する。つまり、制御部11は、スイッチS1とスイッチS2とを排他的に閉状態に制御する。尚、スイッチS1とスイッチS2とは、同時に開状態となることはあっても、同時に閉状態となることが無いように、制御部11により制御される。
コンデンサ8の検出容量Csは、基準容量C0へと充電されていき、スイッチS1の一端に接続されたコンデンサ21の端子の電圧は、放電時の電圧V+から低下していく。この端子の電圧は、制御部11のコンパレータ12の反転入力端子Vin−に入力され、非反転入力端子Vin+に入力される基準電圧refと比較される。そして、反転入力端子Vin−の電圧が基準電圧refに達するまでの経過時間や、スイッチS1及びS2のスイッチング回数(経過時間とほぼ等価)から時定数が演算され、検出容量Csが求められる。尚、遮蔽電極7と検出電極5との間に形成される不図示のコンデンサに形成される静電容量が、第2判定期間に求められるが、この静電容量も同様にして求められる。
上述したようにして静電容量を求める過程において、検出電極5の電圧V1は、交流成分を有して変動する。第1実施形態と同様に、検出電極5の電圧V1は、ボルテージフォロワなどのバッファ30によりインピーダンス変換されて図4に示すノードAに出力され、ガードリング6に接続される。また、ノードAは、スイッチS5が開状態且つスイッチS4が閉状態において遮蔽電極7に接続される。バッファ30は高入力インピーダンス、低出力インピーダンスの素子である。従って、遮蔽電極7は、検出電極5の電圧V1にほとんど影響を与えることなく、スイッチS4を介して検出電極5の電圧V1と略同一の電圧を印加されることができる。つまり、遮蔽電極7は、第1判定期間において検出電極5の電圧V1の変動に追従する電圧を印加されることができる。
一方、遮蔽電極7は、第1実施形態と同様に、スイッチS4が開状態且つスイッチS5が閉状態において、検出電極5の電圧V1に拘わらず一定の直流電圧Gを印加されることもできる。つまり、遮蔽電極7は、第2判定期間において、一定の直流電圧Gを印加されることができる。本実施形態では、この一定の直流電圧Gはグラウンドであるが、他の電圧値であってもよい。
第1実施形態と同様に、制御部11は、第1判定期間において、スイッチS4を閉状態に制御し、スイッチS5を開状態に制御する。これによって、スイッチトキャパシタ制御により交流成分を有する電圧に制御される検出電極5の電圧V1と略同一の電圧が遮蔽電極7に印加される。一方、制御部11は、第1判定期間と重複しない第2判定期間において、スイッチS4を開状態に制御し、スイッチS5を閉状態に制御する。これによって、検出電極5の電圧V1に拘わらず一定の直流電圧Gが遮蔽電極7に印加される。尚、スイッチS4とスイッチS5とは、同時に開状態となることはあっても、同時に閉状態となることが無いように、制御部11により制御される。
第1実施形態と同様に、制御部11は、スイッチS4及びスイッチS5を上記のように制御することによって、第1判定期間と第2判定期間とにおいて異なる事象を判定する。具体的には、第1判定期間において、制御部11は、ドア端部3aと枠体端部4aとの間に障害物9が存在するか否かを判定する。第2判定期間において、制御部11は、枠体端部4aとドア端部3aとの距離を検出することができる。第1判定期間及び第2判定期間における具体的な検出原理については、第1実施形態において説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。また、第1判定期間と第2判定期間とは、交互に繰り返し実施されるが、その詳細についても第1実施形態において説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。
〔第3実施形態〕
図5は、第3実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図である。また、図6は、第3実施形態の障害物センサの動作の一例を示すタイミングチャートである。図6において、時刻t1〜t2の期間、及び時刻t3以降の期間は、第1判定期間に相当する。また、時刻t1までの期間、及び時刻t2〜t3の期間は、第2判定期間に相当する。第2実施形態と同様に、第3実施形態においても、スイッチトキャパシタ制御を用いて検出容量Csを求める。第3実施形態では、スイッチS1及びスイッチS2と、検出容量Csを有するコンデンサ8からなるスイッチトキャパシタ抵抗により、基準容量C0を充電する際の速さから検出容量Csを求める。
第3実施形態において、基準容量C0を有するコンデンサ22は、オペアンプ20の出力端子と反転入力端子との間に接続されている。コンデンサ22に並列して、スイッチS3が備えられている。また、検出電極5は、スイッチS2を介してオペアンプ20の反転入力端子に接続され、スイッチS1を介して直流電圧V+(例えば電源電圧)に接続されている。また、オペアンプ20の非反転入力端子は、直流電圧V2に接続されている。
第1判定期間及び第2判定期間の開始時に、制御部11は、スイッチS3を短時間、閉状態に制御して基準容量C0を有するコンデンサ22を放電させる。次に、制御部11は、スイッチS3を開状態として、スイッチトキャパシタ制御を実施する。つまり、制御部11は、スイッチS1とスイッチS2とを排他的に閉状態に制御する。尚、図6に示すように、スイッチS1とスイッチS2とは、同時に開状態となることはあっても、同時に閉状態となることが無いように、制御部11により制御される。
スイッチS1とスイッチS2とのスイッチングにより、コンデンサ8の検出容量Csは、基準容量C0を有するコンデンサ22へと充電されていく。このスイッチングに伴って、コンデンサ22の制御部11側の端子の電圧、即ち、制御部11のコンパレータ12の反転入力端子に入力される電圧Vin−は、図6に示すように、放電時の電圧V2から低下していく。反転入力端子に入力される電圧Vin−は、コンパレータ12の非反転入力端子に入力される基準電圧V3(ref)と比較される。そして、当該端子の電圧Vin−が基準電圧refに達するまでのスイッチS1及びS2のスイッチング回数(経過時間)から、充電の速さが演算され、検出容量Csが求められる。
図6に示すように、検出電極5の電圧V1は、スイッチS1及びスイッチS2を用いたスイッチトキャパシタ制御により、電圧V+(第1電圧)とV2(第2電圧)との間で交流成分を有して変動する。スイッチS2が閉状態となった場合、検出電極5はオペアンプ(演算増幅器)20の反転入力端子に接続される。当該オペアンプ20の非反転入力端子は電圧V2に固定されているので、バーチュアルショート(virtual short)により反転入力端子の電圧もV2となり、検出電極5の電圧V1もV2となる。一方、スイッチS1が閉状態となった場合には、検出電極5は電圧V+に接続される。従って、排他的にスイッチングされるスイッチS1とスイッチS2とにより、検出電極5は電圧V+とV2との間で交流成分を有して変動する。
一方、上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、第3実施形態では、検出電極5に印加される電圧の交流成分がガードリング6及び遮蔽電極7を介して検出電極5に戻るループが形成されない。但し、電圧V+とV2との間で交流成分を有して変動する検出電極5と同様に、電圧V+とV2との間で交流成分を有して変動する電圧が、ガードリング6及び遮蔽電極7に印加可能に構成される。つまり、互いに排他的に閉状態に制御され、閉状態において電圧V+に接続されるスイッチS6、及び閉状態において電圧V2に接続されるスイッチS7に、ガードリング6及びノードAが接続される。ノードAと遮蔽電極7とは、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、閉状態のスイッチS4を介して接続される。尚、スイッチS6及びスイッチS7も、アナログスイッチで構成され、制御部11(制御回路13)により生成される制御信号C6及びC7によって開閉制御される。以下の実施形態においても同様である。
このように、ガードリング6及び遮蔽電極7は、検出電極5に現れる交流成分と同様の電圧成分、即ち電圧V+とV2との間で振動する電圧成分を有する交流電圧を印加可能に構成される。さらに、スイッチS1の閉から開への遷移動作以後にスイッチS6が閉から開へ遷移し、スイッチS6の閉から開への遷移動作後にスイッチS7が開から閉へ遷移し、スイッチS2の閉から開への遷移動作以後にスイッチS7が閉から開へ遷移し、スイッチS7の閉から開への遷移動作後にスイッチS6が開から閉へ遷移する。つまり、スイッチ6及びスイッチ7は、スイッチS1及びスイッチS2のスイッチングタイミングにほぼ同期してスイッチングする。従って、ノードAに現れる交流電圧は、検出電極5に現れる交流電圧と周波数及び振幅が略同一となる。上述したように、ノードAに現れる交流電圧の電圧成分は、検出電極5に現れる交流電圧と同じ周期で振幅が等しい。従って、ノードAに現れる交流電圧と、検出電極5に現れる交流電圧とは、電圧成分、周波数が略同一となる。つまり、ノードAに現れる交流電圧と、検出電極5に現れる交流電圧とは、略同一の電圧といえる。
ノードAの電圧は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、スイッチS5と排他的に閉状態となるスイッチS4が閉状態となることによって、遮蔽電極7に印加される。ノードAは、検出電極5とは接続されていないので、遮蔽電極7は、検出電極5の電圧V1に影響を与えることなく、スイッチS4を介して検出電極5の電圧V1と略同一の電圧を印加される。
また、遮蔽電極7は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、スイッチS5を介して一定の直流電圧Gを印加されることもできる。第3実施形態においても、この一定の直流電圧Gはグラウンドであるが、他の電圧値であってもよい。
上記両実施形態と同様に、制御部11は、図6に示す時刻t1からt2の第1判定期間において、スイッチS4を閉状態に制御し、スイッチS5を開状態に制御する。これによって、スイッチトキャパシタ制御により交流成分を有する電圧に制御される検出電極5の電圧V1と略同一の電圧が遮蔽電極7に印加される。一方、制御部11は、第1判定期間と重複しない図6に示す時刻t2からt3の第2判定期間において、スイッチS4を開状態に制御し、スイッチS5を閉状態に制御する。これによって、一定の直流電圧Gが遮蔽電極7に印加される。
第1実施形態と同様に、制御部11は、スイッチS4及びスイッチS5を上記のように制御することによって、第1判定期間と第2判定期間とにおいて異なる事象を判定する。具体的には、第1判定期間において、制御部11は、ドア端部3aと枠体端部4aとの間に障害物9が存在するか否かを判定する。第2判定期間において、制御部11は、枠体端部4aとドア端部3aとの距離を検出することができる。第1判定期間及び第2判定期間における具体的な検出原理については、第1実施形態において説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。また、第1判定期間と第2判定期間とは、交互に繰り返し実施されるが、その詳細についても第1実施形態において説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。
〔第4実施形態〕
図7は、第4実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図である。ここでは、図3、図4、図5に示した各回路構成のノードA近傍の回路のみを示している。上記第1実施形態〜第3実施形態においては、第2判定期間において遮蔽電極7に一定の直流電圧Gを印加する例を示した。しかし、これに限らず、ガードリング6に印加される交流電圧の交流成分を反転させた交流電圧が遮蔽電極7に印加されてもよい。図7に示すように、カップリングコンデンサ32及び入力抵抗33を介してノードAの電圧がオペアンプ31の反転入力端子に入力されて反転増幅回路が構成される。符号34は反転増幅回路の帰還抵抗であり、符号Vcは、反転増幅回路の基準電位である。反転増幅回路の出力は、スイッチS5を介して遮蔽電極7に印加される。
これを第1実施形態の構成に適用すれば、第2判定期間における検出電極5を介して流れる交流電流成分が大きくなり、検出電極5と遮蔽電極7との間の静電容量の検出感度が向上する。その結果、ドア枠3aと枠体端部4aとの距離の検出精度が向上する。また、第2実施形態及び第3実施形態の構成に適用すれば、第2判定期間におけるスイッチトキャパシタ抵抗により基準容量C0へ充電される1サイクル当たりの電荷が大きくなる。その結果、検出電極5と遮蔽電極7との間の静電容量の検出感度が向上し、ドア枠3aと枠体端部4aとの距離の検出精度が向上する。
〔第5実施形態〕
図8は、第5実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図である。また、図9は、第5実施形態の障害物センサの動作の一例を示すタイミングチャートである。第5実施形態も、第2実施形態及び第3実施形態と同様に、スイッチトキャパシタ制御を用いて検出容量Csを求めるものである。スイッチS1及びスイッチS2と、検出容量Csを有するコンデンサ8からなるスイッチトキャパシタ抵抗により、基準容量C0を充電する際の速さから検出容量Csが求められる。スイッチトキャパシタの原理は、第3実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
第3実施形態と同様、図9に示すように、検出電極5の電圧V1は、スイッチS1及びスイッチS2を用いたスイッチトキャパシタ制御により、電圧V+(第1電圧)とV2(第2電圧)との間で交流成分を有して変動する。
第5実施形態では、第3実施形態と同様に、上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、検出電極5に印加される電圧の交流成分がガードリング6及び遮蔽電極7を介して検出電極5に戻るループが形成されない。さらに、第3実施形態とは異なり、ノードAの電圧は、検出電極5と同様の電圧である電圧V+とV2との間では変動しない。第5実施形態においては、ノードAの電圧は、電圧V4(第3電圧)とV5(第4電圧)との間で変動する。つまり、互いに排他的に閉状態に制御され、閉状態において電圧V4に接続されるスイッチS6、及び閉状態において電圧V5に接続されるスイッチS7に、ノードA及びガードリング6が接続される。ノードAと遮蔽電極7とは、上記各実施形態と同様に、閉状態のスイッチS4を介して接続される。
スイッチ6及びスイッチ7は、第3実施形態と同様に、スイッチS1の閉から開への遷移動作以後にスイッチS6が閉から開へ遷移し、スイッチS6の閉から開への遷移動作後にスイッチS7が開から閉へ遷移し、スイッチS2の閉から開への遷移動作以後にスイッチS7が閉から開へ遷移し、スイッチS7の閉から開への遷移動作後にスイッチS6が開から閉へ遷移すればよい。つまり、スイッチ6及びスイッチ7は、スイッチS1及びスイッチS2のスイッチングタイミングにほぼ同期してスイッチングする。従って、ノードAに現れる交流電圧は、検出電極5に現れる交流電圧と周波数及び位相が略同一となる。ここで、電圧V4とV5との電位差と、電圧V+とV2との電位差が略同一((V+)−V2≒V4−V5)であれば、ノードAの電圧は、電圧成分、周期を含めて検出電極5と略同一となる。当然ながら、電圧V4は電圧V+と同電位とすることができ、電圧V5は電圧V2と同電位とすることができる。
ノードAの電圧は、第1実施形態〜第3実施形態と同様に、排他的に閉状態となるスイッチS4が閉状態となることによって、遮蔽電極7に印加される。検出電極5に印加される電圧の交流成分がガードリング6及び遮蔽電極7を介して検出電極5に戻るループが形成されないので、遮蔽電極7は、検出電極5の電圧V1に影響を与えることなく、スイッチS4を介して検出電極5の電圧V1と略同一の電圧を印加される。
また、遮蔽電極7は、第1実施形態〜第3実施形態と同様に、スイッチS5を介して一定の直流電圧Gを印加されることもできる。第5実施形態においても、この一定の直流電圧Gはグラウンドであるが、他の電圧値であってもよい。
上記両実施形態と同様に、制御部11は、図9に示す時刻t1からt2の第1判定期間において、スイッチS4を閉状態に制御し、スイッチS5を開状態に制御する。これによって、スイッチトキャパシタ制御により交流成分を有する電圧に制御される検出電極5の電圧V1と略同一の振幅の交流電圧が遮蔽電極7に印加される。一方、制御部11は、第1判定期間と重複しない図9に示す時刻t2からt3の第2判定期間において、スイッチS4を開状態に制御し、スイッチS5を閉状態に制御する。これによって、一定の直流電圧Gが遮蔽電極7に印加される。
第1実施形態と同様に、制御部11は、スイッチS4及びスイッチS5を上記のように制御することによって、第1判定期間と第2判定期間とにおいて異なる事象を判定する。具体的には、第1判定期間において、制御部11は、ドア端部3aと枠体端部4aとの間に障害物9が存在するか否かを判定する。第2判定期間において、制御部11は、枠体端部4aとドア端部3aとの距離を検出することができる。第1判定期間及び第2判定期間における具体的な検出原理については、第1実施形態において説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。また、第1判定期間と第2判定期間とは、交互に繰り返し実施されるが、その詳細についても第1実施形態において説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。
〔第6実施形態〕
図10は、第6実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図である。また、図11は、第6実施形態の障害物センサの動作の一例を示すタイミングチャートである。第6実施形態もまた、スイッチトキャパシタ制御を用いて検出容量Csを求めるものである。
図10に示すように、第6実施形態では、スイッチS1及びスイッチS2と、検出容量Csを有するコンデンサ8からなるスイッチトキャパシタ抵抗を入力抵抗とするオペアンプ20により反転増幅回路が構成される。図10において帰還容量値Cfを有する帰還コンデンサ26は、スイッチS2が開状態から閉状態となる際に発生するパルス状の電流に対して出力を平滑化する。帰還容量Cfは、スイッチS2の開閉周期に対して、帰還容量Cfと帰還抵抗26の抵抗値Rfとの積である時定数が充分長くなるように設定される。
オペアンプ20の出力は、帰還抵抗26の抵抗値RfとスイッチS2の開閉周波数と検出容量Csと電圧V+と電圧V2とによって定められる。ここで、検出容量Cs以外の定数は既知であるので、制御部11はオペアンプ20の出力に基づいて検出容量Csを求めることができる。尚、本第6実施形態においても、スイッチS1とスイッチS2とは同時に閉状態とならないように制御される。
第6実施形態においても、第3実施形態及び第5実施形態と同様に、検出電極5に印加される電圧の交流成分がガードリング6及び遮蔽電極7を介して検出電極5に戻るループが形成されない。さらに、第3実施形態とは異なり、ノードAの電圧は、検出電極5と同様の電圧である電圧V+(第1電圧)とV2(第2電圧)との間では変動しない。第6実施形態においては、第5実施形態と同様に、ノードAの電圧は、電圧V4(第3電圧)とV5(第4電圧)との間で変動する。つまり、互いに排他的に閉状態に制御され、閉状態において電圧V4に接続されるスイッチS6、及び閉状態において電圧V5に接続されるスイッチS7に、ノードA及びガードリング6が接続される。ノードAと遮蔽電極7とは、上記各実施形態と同様に、閉状態のスイッチS4を介して接続される。
スイッチ6及びスイッチ7は、第3実施形態及び第5実施形態と同様に、スイッチS1の閉から開への遷移動作以後にスイッチS6が閉から開へ遷移し、スイッチS6の閉から開への遷移動作後にスイッチS7が開から閉へ遷移し、スイッチS2の閉から開への遷移動作以後にスイッチS7が閉から開へ遷移し、スイッチS7の閉から開への遷移動作後にスイッチS6が開から閉へ遷移する。つまり、スイッチ6及びスイッチ7は、スイッチS1及びスイッチS2のスイッチングタイミングにほぼ同期してスイッチングする。従って、ノードAに現れる交流電圧は、検出電極5に現れる交流電圧と周波数が略同一で位相遅れとなる。ここで、電圧V4とV5との電位差と、電圧V+とV2との電位差が略同一((V+)−V2≒V4−V5)であれば、ノードAの電圧は、電圧振幅、周期を含めて検出電極5と略同一となる。当然ながら、電圧V4は電圧V+と同電位とすることができ、電圧V5は電圧V2と同電位とすることができる。
ノードAの電圧は、上記各実施形態と同様に、排他的に閉状態となるスイッチS4が閉状態となることによって、遮蔽電極7に印加される。検出電極5に印加される電圧の交流成分がガードリング6及び遮蔽電極7を介して検出電極5に戻るループが形成されず安定したセンサ動作が可能となる。
また、遮蔽電極7は、上記各実施形態と同様に、スイッチS5を介して一定の直流電圧Gを印加されることもできる。第6実施形態においても、この一定の直流電圧Gはグラウンドであるが、他の電圧値であってもよい。
上記両実施形態と同様に、制御部11は、図11に示す時刻t1からt2の第1判定期間において、スイッチS4を閉状態に制御し、スイッチS5を開状態に制御する。これによって、スイッチトキャパシタ制御により交流成分を有する電圧に制御される検出電極5の電圧V1と略同一の交流電圧が遮蔽電極7に印加される。一方、制御部11は、第1判定期間と重複しない図11に示す時刻t2からt3の第2判定期間において、スイッチS4を開状態に制御し、スイッチS5を閉状態に制御する。これによって、一定の直流電圧Gが遮蔽電極7に印加される。
第1実施形態と同様に、制御部11は、スイッチS4及びスイッチS5を上記のように制御することによって、第1判定期間と第2判定期間とにおいて異なる事象を判定する。具体的には、第1判定期間において、制御部11は、ドア端部3aと枠体端部4aとの間に障害物9が存在するか否かを判定する。第2判定期間において、制御部11は、枠体端部4aとドア端部3aとの距離を検出することができる。第1判定期間及び第2判定期間における具体的な検出原理については、第1実施形態において説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。また、第1判定期間と第2判定期間とは、交互に繰り返し実施されるが、その詳細についても第1実施形態において説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。
以上説明したように、本発明によって、車両の開口部における障害物及び開閉体の位置を良好に検出可能な静電容量式障害物センサを提供することができる。多くの実施形態を例示して説明したことからも明らかなように、当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能であろう。しかし、そのように改変された実施形態も当然ながら、本発明に含まれるものである。
静電容量式障害物センサが搭載される車両の一例を模式的に示す側面図 図1の車両の開口部における障害物センサの構成例を模式的に示す説明図 第1実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図 第2実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図 第3実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図 図5の障害物センサの動作の一例を示すタイミングチャート 第4実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図 第5実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図 図8の障害物センサの動作の一例を示すタイミングチャート 第6実施形態の障害物センサの構成例を模式的に示すブロック図 図10の障害物センサの動作の一例を示すタイミングチャート
符号の説明
1:車両
2:開口部
3:スライドドア(開閉体)
3a:開閉体端部
4:ドア枠(枠体)
4a:枠体端部
5:検出電極
7:遮蔽電極
8:コンデンサ
9:障害物
10:静電容量式障害物センサ
11:制御部
30:バッファ
Vin:交流の基準電圧
V1:検出電極の電圧
G:グラウンド(一定の直流電圧)
Cs:検出容量

Claims (6)

  1. 車両に設けられた開口部を開閉可能な開閉体の開口側の開閉体端部と、前記開閉体により前記開口部が閉じられる際に当該開閉体端部と当接する枠体端部との何れか一方に設けられ、前記開閉体端部と前記枠体端部との間に存在する障害物との間の静電容量を検出する検出電極と、
    前記開閉体端部及び前記枠体端部の他方に設けられ、当該他方の端部を前記検出電極から遮蔽する遮蔽電極と、
    第1判定期間において、交流の基準電圧の印加又はスイッチトキャパシタ制御により交流成分を有する電圧に制御される前記検出電極の電圧と略同一の電圧を前記遮蔽電極に印加して、前記開閉体端部と前記枠体端部との間に前記障害物が存在するか否かを判定すると共に、
    前記第1判定期間と重複しない第2判定期間において、前記検出電極の電圧に拘わらず一定の直流電圧又は前記検出電極の電圧の逆位相の交流電圧を前記遮蔽電極に印加し、前記検出電極と前記遮蔽電極との間の静電容量に基づいて前記開閉体端部と前記枠体端部との距離を判定する制御部と、
    を有する静電容量式障害物センサ。
  2. 前記制御部は、前記第1判定期間と前記第2判定期間とを交互に繰り返す請求項1に記載の静電容量式障害物センサ。
  3. 前記制御部は、前記第1判定期間において、前記検出電極の電圧変動に追従する電圧を前記遮蔽電極に印加する請求項1又は2に記載の静電容量式障害物センサ。
  4. 前記制御部は、前記検出電極を第1電圧と前記第1電圧とは異なる第2電圧とに交互に接続させるスイッチトキャパシタ制御により、前記検出電極を一方の電極とするコンデンサの静電容量を検出するものであり、
    前記第1判定期間において、前記検出電極が前記第1電圧と前記第2電圧とに交互に接続されるスイッチングタイミングに同期して、前記第1電圧と前記第2電圧との電位差に略等しい電位差を有する第3電圧と第4電圧とに、前記遮蔽電極を交互に接続させる請求項1又は2に記載の静電容量式障害物センサ。
  5. 前記遮蔽電極は、前記第1判定期間において、バッファを介して前記検出電極と接続される請求項3に記載の静電容量式障害物センサ。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の静電容量式障害物センサを備えた車両の開閉システム。
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