JP5050730B2 - 樹脂組成物成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
に製膜性が良く、揮発性の高い溶媒は相分離が生じるために使用できず、特定の溶剤に限定され、溶剤の乾燥に加熱が必要になるなど、透明度の高いフィルムを得るには問題があった。
〔1〕環状オレフィン系重合体、スチレン系重合体および溶媒を含有する樹脂組成物を、押出機に導入し、押出機内で該樹脂組成物中の揮発分を除去した後、フィルム状またはストランド状にダイより溶融押出成形する樹脂組成物成形体の製造方法。
〔2〕前記樹脂組成物が、溶液重合で得られた環状オレフィン系重合体を含む重合反応溶液を含有する〔1〕に記載の樹脂組成物成形体の製造方法。
〔3〕前記環状オレフィン系重合体が、下記式(1)で表される構造単位を含有する重合体である〔1〕または〔2〕に記載の樹脂組成物成形体の製造方法。
たはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R1とR2とは一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R3 とR4とは一体化して2価の炭化水
素基を形成してもよい。R1とR2は互いに結合して単環または多環を形成してもよく、R3とR4とは互いに結合して単環または多環を形成してもよい。Xは、−CH=CH−または−CH2CH2−を表す。複数存在するXは同一でも異なっていてもよい。mは0〜2の整数であり、nは0または1である。)
〔4〕前記スチレン系重合体が、下記式(2−1)で表される構造単位と下記式(2−2)で表される構造単位とを含有する共重合体である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の樹脂組成物成形体の製造方法。
〔5〕前記樹脂組成物中の樹脂成分における環状オレフィン系重合体の含有割合が10〜90重量%、スチレン系重合体の含有割合が90〜10重量%である〔1〕〜〔4〕のい
ずれかに記載の樹脂組成物の成形方法。
[環状オレフィン系重合体]
本発明で用いられる環状オレフィン系重合体としては、下記式(I)で表される化合物(以下、「特定単量体」ともいう。)の(共)重合体が好ましい。
は0または正の整数であり、pは0または正の整数である。)
本発明で用いられる環状オレフィン系重合体としては、特定単量体と、必要に応じてシクロアルケンなどの他のシクロオレフィンとの開環(共)重合体;該開環(共)重合体の水素添加物;特定単量体と、必要に応じて他のシクロオレフィンやα−オレフィンなどとの付加型(共)重合体;該付加型(共)重合体の水素添加物などが挙げられる。これらのうち、光学特性および加工性の点から、開環(共)重合体およびその水素添加物が好ましく、長期耐光性の観点から、開環(共)重合体の水素添加物、すなわち、上記式(1)で表される構造単位を含有する重合体において、Xが−CH2CH2−を表す構造単位を含む重合体が好ましい。
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれら
に限定されない。すなわち、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−イソプロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロイソプロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエンおよび
スピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]
などが挙げられる。
特定単量体のうち好ましいのは、上記一般式(I)中、R1 およびR3が、水素原子ま
たは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜4、特に好ましくは炭素数1〜2の炭化水素基であり、R2 およびR4 が、水素原子または一価の有機基であって、R2 およびR4のうち少なくとも一つは、水素原子および炭化水素基以外の極性基を示し、mは0〜
3の整数、nは0〜3の整数であり、より好ましくはm+n=0〜4、さらに好ましくはm+n=0〜2、特に好ましくはm=1、n=0であるものである。m=1、n=0である特定単量体は、得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が高く、機械的強度も優れたものとなるため好ましい。
極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、得られる環状オレフィン系重合体の吸湿性を低くできる点で好ましい。
素添加することにより得られる。
で0.2〜5dl/g、さらに好ましくは0.3〜3dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲である。
本発明で用いられるスチレン系重合体としては、具体的には、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体、またはそれらの誘導体などが挙げられ、下記式(2−1)で表される構造単位と下記式(2−2)で表される構造単位とを含む共重合体が特に好ましく用いられる。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、たとえば、メチル基、エチル基およびプロピル基などのアルキル基;シクロペンチル基およびシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基およびプロペニル基などのアルケニル基などが挙げられる。
)、アミド結合(−NHCO−、−CONH−)およびシロキサン結合(−OSi(R)−(式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル基))などが挙げられ、これらを複数含む連結基であってもよい。
%以下である。
<スチレン系重合体の製造方法>
本発明で好ましく用いられる、前記式(2−1)および式(2−2)で表される構造単位を含むスチレン系重合体は、下記式(II−1)で表される単量体を少なくとも1種と、下記式(II−2)で表される単量体を少なくとも1種とをラジカル開始剤の存在下で重合反応させた後、OR14基をOH基に変換することにより製造される。
前記式(II−1)および式(II−2)で表される単量体と、さらに必要に応じて下記式(III)で表される単量体とを重合させてもよい。
重合反応
重合反応に用いられるラジカル開始剤としては、フリーラジカルを発生する公知の有機過酸化物およびアゾビス系のラジカル重合開始剤が挙げられる。なお、多官能開始剤また
は水素引き抜き反応を起こし易い開始剤は、得られるポリスチレン系共重合体の線状性が低下するおそれがあるので、好ましくない。
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドおよびアセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイドおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;
t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートおよびt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネートなどのパーオキシモノカーボネート類;
ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートおよびジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;
ましい。
本発明で好ましく用いられるスチレン系重合体は、上記スチレン系単量体を重合させた後、さらに単量体(4)に由来する構造単位中のOR14基を水酸基に変換することにより得られる。これにより、たとえば、式(4)に表されるスチレン系単量体のR14が脱離して、式(2−2)表される構造単位を含むスチレン系重合体形成することとなる。
ボニル基(−COOtBu)、シリル基(SiR15 3)および酸素原子と結合してアセタール基を形成しうるアルコキシアルキル基(−CH(OR15)(R16))などの場合、酸性条件下で加水分解または加アルコール分解を行うことが好ましい。
ル分解を行うことが好ましい。
びt−ブトキシカルボニル基(−COOtBu)などが挙げられ、フッ化物イオンを用い
て変換する場合のR14としては、シリル基(SiR15 3)などが挙げられ、酸性条件下で加熱する場合または加熱のみを行う場合にも好ましく用いられる。
加水分解および加アルコール分解に用いられる酸としては、塩酸および臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸などのカルボン酸類、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸およびトリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸類、硝酸、ならびにフェノール類などのブレンステッド酸、りんタングステン酸およびりんモリブデン酸などのヘテロポリ酸、硫酸化ジルコニアおよびゼオライトなどの固体酸、イオン交換樹脂および高分子電解質などの高分子酸、ハロゲン化、アルキル化およびアルコキシ化の中から選ばれる1種以上の反応がされたアルミニウム、チタン、タングステンおよびホウ素化合物などのルイス酸および公知の固定化ルイス酸が挙げられる。酸の使用量は、式(II−1)および式(II−2)で表されるスチレン系単量体の使用量とのモル比が、通常、酸/式(4)に表されるスチレン系単量体=1/1000〜1/1、好ましくは1/300〜1/5である。
水分解後または加アルコール分解後に酸によって中和する必要がある。中和に用いられる酸としては、前記酸と同様の酸を用いることができる。塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムなどの金属ヒドロキシドのような水溶性塩基を用いる場合には、さらに相関移動触媒として、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、クラウンエーテルおよびポリ(オリゴ)エチレングリコールなどを使用してもよい。
酸性条件下での加熱変換反応に用いられる酸およびその添加量、反応温度、反応時間、溶媒種ならびに溶媒使用量については、上述したものと同様の条件を適用することができる。また、酸を除去するためには、必要に応じて、上述したものと同様な塩基や、カルボン酸塩、フェノール塩などの弱酸塩を用いることもできる。ただし、本方法では水またはアルコールは添加してもよいし、添加しなくてもよい。
式(II−2)で表されるスチレン系単量体のOR14基におけるR14が、熱エネルギーのみによって脱離しうる場合は、重合体鎖が分解する温度を大きく超えない温度条件下にて熱分解をすることにより、スチレン系重合体を得ることができる。かかる温度は通常100〜350℃、好ましくは120〜300℃である。
フッ化物イオンを用いた変換反応に用いられる試剤としては、テトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化水素などが挙げられる。フッ化物イオンの使用量は、フッ化物イオンの使用量と式(II−1)および式(II−2)で表されるスチレン系単量体の使用量とのモル比(フッ化物イオン/式(4)に表されるスチレン系単量体)が通常、1/1〜5/1、好ましくは1/1〜3/1である。
上記変換反応後、精製することによってスチレン系重合体が得られる。精製には、従来公知の方法を用いることができ、たとえば、得られた反応物溶液をトルエンまたはテトラヒドロフランなどの良溶媒で希釈後、メタノール、水またはこれらの混合溶液を添加して重合体を適度に凝集させ、抽出処理する方法が挙げられる。抽出処理の際、反応溶媒として使用した溶媒、および希釈のために添加した溶媒を合計した良溶媒量と重合体との重量比(良溶媒/重合体)は、0.5/1〜6/1、好ましくは0.7/1〜4/1である。
また、抽出に使用するメタノール、水またはこれらの混合溶液などの貧溶媒の使用量は、重量比(貧溶媒/良溶媒)で0.3〜5、好ましくは0.5〜3である。抽出温度として
は、通常40〜120℃、好ましくは50〜100℃である。
ザーやルーダーなどの脱溶媒装置で脱溶媒することができる。脱溶媒時の温度は150〜350℃、好ましくは200〜350℃、真空度は0.1〜50mmHg、好ましくは1〜40mmHgである。また、脱溶媒前に希釈して循環ろ過を実施してもよい。ろ過の際、ろ材の孔径は0.1〜100μmのものを1種単独で使用してもよく、孔径の異なるフィルターを段階的に複数設置してもよい。また、脱溶媒後の溶融ポリマーをろ過することにより精製してもよい。この際のポリマーフィルターの孔径は0.1〜100μmであるのが望ましい。
/g 、さらに好ましくは0.15〜3.00dl/g 、特に好ましくは0.20〜1.50dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は2,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は5,000〜300,000、さらに好ましくは10,000〜250,000、特に好ましくは10,000〜200,000の範囲のものが好適である。固有粘度〔η〕inh 、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲にあると、樹脂組成物の耐熱性、耐薬品性、機械的特性、および成形時の成形加工性が良好になる。
本発明で用いられる溶媒としては、各々の重合体を溶解させるものであれば特に限定されない。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリンおよびノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびクメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルムおよびテトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカンやハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチルおよびジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジメトキシエタンなどのエーテル類などが挙げられ、これらは単独でまたは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましく用いられる。
本発明で用いられる樹脂組成物は、環状オレフィン系重合体、スチレン系重合体および溶媒を含有することを特徴とする。
0〜40重量%であることがより好ましい。
シクロヘキサン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、3,9−ビス−[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキシスピロ[5,5’]ウンデカン、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルフェニルメタン、2,2’ −ジオキシ−3,3’−t−
ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、テトラキス〔メチレ
ン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ートおよび1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのフェノール系酸化防止剤、ヒドロキノン系酸化防止剤、あるいは、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニ
レンジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイトおよびビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤が挙げられ、これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、環状オレフィン系重合体の熱・酸化劣化安定性を向上させることができる。
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ-3'−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール
、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1-メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノンおよび2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノンなどに代表される紫外線吸収剤のほか、離型剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、石油樹脂、可塑剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、シリコーンオイルおよび発泡剤などの公知の添加剤が挙げられ、適宜配合することができる。
減少温度が330℃以上であり、常温常圧での蒸気圧が3×10-9Pa以下であるものがより好ましい。
本発明では、上記樹脂組成物を押出機に導入し、押出機内で該樹脂組成物中の揮発分を除去した後、ダイより押し出してフィルム状またはストランド状に溶融押出成形する。
する。樹脂組成物溶液の押出機への移送方法は、特に限定されるものではなく、公知のポンプなどを用いることができる。なお移送時に、異物や不純物を除去する目的で、樹脂組成物溶液をろ過してもよい。
除去の効率が良くなり好ましい。すなわち、フロントベントのみを有する押出機では、溶媒濃度の高い樹脂溶液を供給した場合に、最初のフロントベントの溶媒負荷が高くなりすぎて、エントレインメントを起こしやすいが、リアベントを有する押出機を用いると各ベントへの溶媒による負荷が軽減され、エントレインメントを起こさないように制御することが容易になる。本発明では、押出機に供給された樹脂溶液中の溶媒の15〜35重量%をリアベントへの溶媒負荷により制御することが好ましい。
本発明の押出機の吐出圧力は、吐出圧力の振れがフィルムの厚みむらの原因となることから、均一な厚みを持ったフィルムを得るためには一定であることが好ましい。
溶融された樹脂組成物をフラットダイから吐出させ、冷却ロールに密着固化させることによりフィルムが得られる。フラットダイの具体例としては、マニホールドダイ(Tダイ)、フィッシュテールダイおよびコートハンガーダイなどが挙げられる。これらのうち、コートハンガーダイおよびマニホールドダイが好ましい。
よびチタンなどのメッキが施されたもの、PVD(Physical Vapor Deposition)法などにより、TiN、TiAlN、TiCN、CrNおよびDLC(ダイアモンド状カーボン)などの被膜が形成されたもの、タングステンカーバイトまたはその他のセラミックが溶射されたもの、表面が窒化処理されたものなどを用いることが好ましい。このような表面処理は、樹脂との摩擦係数が小さいため、均一な樹脂の溶融状態が得られる点で好ましい。
有さない場合、ペレット化、乾燥および溶融などの加熱工程または冷却工程を経ずにこれらの重合体を押出機での溶融混練に供すると、熱履歴による着色などの品質劣化が抑制されたフィルムまたはペレットが得られる。また、本発明では、少ない工程数および熱エネルギーで樹脂組成物からフィルムまたはペレットを製造することができるため、設備の簡略化または省エネの点で経済的である。
以下に実施例などを挙げて本発明を具体的に説明するが、これらに制限されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り、「重量部」および「重量%」を意味する。また、各種測定項目は、次のようにして求めた値である。
JIS K 7121に準じて示差走査熱量計(DSC)により、窒素雰囲気下で、10℃/minの昇温速度で測定した。
500MHz、1H−NMRの炭素−炭素二重結合のプロトンとカルボキシメチル基の
メチルプロトンなどのプロトンとの比から求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム:東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL2本、TSK gel G2000HXLを順次連結、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1mL/min、サンプル濃度:0.7〜0.8重量%、注入量:70μL、測定温度:40℃とし、検出器:RI(40℃)、標準物質:東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレン)を用い、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、Mnは数平均分子量である。
ウッベローデ型粘度計を用いて、クロロホルム中、試料濃度0.5g/dL、温度30
℃での対数粘度を測定した。
超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、Bruker社製、商品名:AVANCE500)を用い、重水素化クロロホルム中で13C−NMRを測定し、共重合組成比およびブトキシ基の水酸基への変換率を算出した。
樹脂組成物をテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム:東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL2本、TSK gel G2000HXLを順次連結、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1mL/min、サンプル濃度:0.7〜0.8重量%、注入量:100μL、測定温度:40℃、検出器:UV(254nm))を用いて得られたスペクトルの面積強度から樹脂組成物中のスチレン系重合体を定量し、ブレンド比を算出した。
スガ試験機(株)製SMカラーコンピューターSM−7−CHを用い、C光2゜視野透過測定を3回行いその平均値を求めた(測定試料:10重量%の樹脂を含むトルエン溶液20g、測定用セル:内径60mm、高さ30mmの円筒型ガラスセル)。
樹脂組成物のトルエンまたは塩化メチレン溶液(濃度:25%)を平滑なガラス板上にキャストした後、乾燥して、厚さ50〜200μm、残留溶媒0.5〜0.8%の無色透明なフィルムを得た。このフィルムのガラス転移温度(Tg)よりも5〜10℃高い温度で、1.2〜3.0倍に自由幅一軸延伸または幅拘束一軸延伸した。この延伸フィルムの位相差を、レターデーション測定器(王子計測機器製、商品名:KOBRA21DH)を用いて測定した。
下記式(1a)で表される単量体12.46kg、下記式(2a)で表される単量体0.14kg、下記式(3a)で表される単量体1.4kg、分子量調節剤として1−へキセン1.214kgおよびトルエン21kgを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6mol/L)のトルエン溶液37.7mLおよびメタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025mol/L)131.44
mLを加え、80℃で1時間反応させることにより開環重合体を得た。次いで、得られた開環重合体溶液をトルエン17.7kgで希釈し、水素添加反応触媒であるRuH(OC
O-Ar-CH2CH2CH2CH2CH3)(CO)[P(C6H5)3]2(式中、Arは
パラフェニレン基を表す。)を4.69g添加し、90℃に昇温した後、水素ガス圧を9〜10MPaとし、さらに160〜165℃まで昇温して3時間反応させて水素添加物(A)の溶液を得た。この溶液をトルエンで希釈して、固形分濃度を20%に調整した。得られた溶液の一部を多量のメタノール中で沈殿させ、乾燥させた後、ガラス転移温度、重量平均分子量、分子量分布、対数粘度および水素添加率を測定した。
Tg:159℃、重量平均分子量(Mw):8.8×104、分子量分布(Mw/Mn)
:3.0、対数粘度(η):0.65dL/g、収量:13kg(収率93%)。
NMR測定により求めた水素添加物(A)の水素添加率は99.0%以上だった。
攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたガラス製フラスコに、スチレン127.87g(1.23mol)、p−t−ブトキシスチレン22.13g(0.136mol)、溶媒としてトルエン75gおよびラジカル開始剤として1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)0.67g(2.7mmol)を加え、90℃に加熱し、15時
間反応させた。この重合液の一部を取り出し、反応率を測定したところ、85%であった。また、分子量および分子量分布を測定したところ、Mwは129,935、Mw/Mnは2.00だった。
0℃に加熱して10時間反応させた。この反応液に水酸化リチウム一水和物1.255g(0.0299mol)を水24gに溶解させた水溶液を添加し、60℃で0.5時間反応させた。この反応液に乳酸0.270g(0.0030mol)を添加し、60℃で0.5時間反応させ、得られた反応液をテトラヒドロフランで希釈し、大量の水中に凝固させることによりスチレン系重合体(B)の回収および精製を行った。この重合体(B)をトルエンに再溶解させることにより、固形分濃度20%の溶液を得た。
Mw:131,910、Mw/Mn:1.88、η:0.44dL/g、収率80%。
水酸基への変換率は99%だった。
合成例1で得られた環状オレフィン系重合体(A)と合成例2で得られたスチレン系重
合体(B)とを、樹脂混合比率が65/35になるように、各々の溶液を混合し、攪拌して、均一な樹脂組成物溶液を得た。この溶液に酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を共重合体100部に対して0.3部添加した後、目開きが5μmと0.2μmのフィルターを直列につないでろ過した。該濃縮液を樹脂換算で流速2kg/hrでリアベントを有する押出機に供給し、溶媒分を除去した。溶媒分を除去した樹脂をギアポンプにて昇圧し、滞留時間0.5hrでダイへ供給することにより、直径1mm、長さ5mmのペレットを作製した。ペレット中の重合体ブレンド比を測定したところ、環状オレフィン系重合体(A)とスチレン系重合体(B)の比は65:35であった。色相は、YI=0.9であった。
[比較例1]
合成例1で得られた環状オレフィン系重合体(A)に酸化防止剤としてイルガノックス
1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を共重合体100部に対して0.3部添加した後、目開きが5μmおよび0.2μmのフィルターを直列につないでろ過し、固形分濃度50%まで濃縮した後に、従来の方法を用いてで減圧下に溶媒を除去し、押出成形により滞留時間0.5hrでペレットを作製した。合成例2で得られたスチレン系重合体(B)についても、同様の方法を用いて、滞留時間0.5hrでペレットを作製した。各々のペレットを樹脂混合比率が65/35になるように混合し、二軸押出機を用いて溶融混練し、押出成形にて滞留時間0.2hrで樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットの色相はYI=1.5であった。
<フィルムの評価>
実施例1および比較例1で得られた樹脂組成物のペレット18gを塩化メチレン162gに溶解させ、減圧ろ過(ろ材:ADVANTEC製GA200)した溶液を平滑な硝子製浴槽(内寸:幅260mm×奥行380mm×深さ5mm)にキャストした。このフィ
ルムを浴槽から剥離後、100℃の真空乾燥機で12時間乾燥して厚さ90μmのフィルムを得た。
たフィルムの膜厚は64μmであり、ヘイズは0.4であった。位相差を測定したところ、R450=77nm、R550=85nm、R650=91nmであった。ここでR450、R550およびR650はそれぞれ波長450nm、550nmおよび650nmにおける位相差を表す。
Claims (4)
- 前記樹脂組成物が、溶液重合で得られた環状オレフィン系重合体を含む重合反応溶液を含有する請求項1に記載の樹脂組成物成形体の製造方法。
- 前記環状オレフィン系重合体が、下記式(1)で表される構造単位を含有する重合体である請求項1または2に記載の樹脂組成物成形体の製造方法。
- 前記樹脂組成物中の樹脂成分における環状オレフィン系重合体の含有割合が10〜90重量%、スチレン系重合体の含有割合が90〜10重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物成形体の製造方法。
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