JP5048360B2 - 歯ブラシ - Google Patents
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Description
特に、このような歯ブラシは、乳幼児の小さな口に差し入れやすい小さなヘッド部や、保護者等が保持しやすい柄部の構造などに特徴がある。
例えば、特許文献1の歯ブラシは、柄の部分の断面を六角形とし、その後ろ側に凹部を配置した構成とされている。
特許文献2の歯ブラシも柄(グリップ)部の断面を多角形としている。
すなわち、歯ブラシのヘッド部には、その植毛状態などに関して、方向性があり、口腔内の歯に対して、ブラシ部が正しく位置決めされていないとうまく歯磨き(仕上げ磨き)をすることはできない。
しかも、前記グリップ部の断面形状が、湾曲している前記ネック部の先端方向が向く方向と反対側にほぼ正三角形の底辺を位置させる形態とされ、このほぼ正三角形の各辺の各辺の一部である平坦部を上記各配置部としているので、歯ブラシのヘッド部の方向性に対応して、ペングリップによる把持が実現できる。これにより、ヘッド部を口腔内に差し入れた時に、口腔内の歯に対して、ブラシ部が正しく位置決めされ、好適に歯磨き(仕上げ磨き)をすることができる。
かくして、柄部を正しくペングリップすることができ、その状態でヘッド部が口腔内で操作しやすく、ブラシ部を正しく位置決めできるようにした仕上げ磨き用歯ブラシを提供することができる。
しかも、前記配置部の表面には滑り止め手段が形成されているので、滑ることなく、把持状態を維持することができる。しかも、前記膨出部の存在により、把持するための指先の位置を決め易く、使い勝手に優れている。
上記構成によれば、歯磨きを介助する人が、グリップ部の3つの各辺、すなわち各配置部に親指、人差し指、中指を添えることができるようにすることに加えて、支持部に人差し指の根元付近が配置されることで、正しいペングリップによる把持が可能となり、安定した保持ができるので、把持状態でのヘッド部の操作性が優れている。
上記構成によれば、グリップ部を握った指が必要以上に乳幼児の口に近づくことが防止される。すなわち、ヘッド部は乳幼児の口の周りで操作されるために、握った指が必要以上に口に近づくと指が濡れて、滑りやすくなったり、衛生上このましくない。このため、膨出部の急な壁部で指のヘッド部への接近を防止し、滑り止めとするとともに、衛生的に使用できるようにされている。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
すなわち、図1は第1の実施形態の歯ブラシを背面側から見た概略斜視図、図2は第1の実施形態の歯ブラシを正面側のやや下から見上げるようにして示した概略斜視図である。
図1、図2において、歯ブラシ10は、ベース部21と、該ベース部21にブラシ要素が植毛されて形成されるブラシ要素22とを有するヘッド部20と、該ヘッド部20から続くネック部11と、該ネック部11から続く長尺の柄部30とを備えている。
柄部30は、図3の断面図に示されているように、本実施形態ではネック部11やベース部21を含めて全体が同じ材料で形成されており、保持の際の握り易さなどの点で、硬質材料としての合成樹脂、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、AS(アクリロニトリル・スチレン樹脂)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、アクリル樹脂などの成形品で形成されている。
具体的には、平行斜線にて示された円形部分は柄部30の断面に相当するものであり、理解の便宜上、鎖線の正三角形の各辺からこの一部が露出するように描かれている。該正三角形の各斜辺に対応する符号31,32,33の部分は、図示と異なり、実際には、平行斜線の円形から切り落とされたような平面34,34,34となっている。この形態は、上記説明および図1、図2に現れた形状から理解される。この符号31,32,33の形態については、当該部分が、平面であることにより作用効果を発揮する旨の後述する説明からも理解される。
図4は柄部30のグリップ部35の箇所で切断した図であり、該グリップ部35の領域を除き、柄部30とネック部11はその断面がほぼ円形である。
また、柄部30はヘッド部20から離れるにしたがって、次第に外形が細くなっており、グリップ部35よりも細い先端側が、後述する支持部36とされている。
また、図3において、ブラシ要素22を構成するために植毛されているブラシ要素は、例えばナイロンで形成されており、太さを例えば0.1ミリ径とすることで、柔らかいブラシ(JIS S 3016)とされている。これにより、乳幼児のデリケートな口腔内を傷つけることがなく、植毛長さh1は、比較的短く、極細でありながら、充分な洗浄機能を果たすようにされている。
比較的太いグリップ部35は、図4に示すように、その断面形状において、ヘッド部20に対して下面(図1で示す手前の面である背面側に対応)となる面を底辺として、ほぼ仮想の正三角形Sの各辺となる平坦部を設けることにより、把持する際に、使用者の指を配置するための配置部31,32,33を有している。
また、柄部30の各配置部31,32,33が形成されたグリップ部35から、ヘッド部20とは反対の方向に位置するように、支持部36が設けられている。該支持部36は、後述するように、使用者が把持する際に、人差し指の基節骨付近が配置される箇所であり、その断面は、この実施形態では円形である。
柄部30において、支持部36よりもさらに先端部には、図3に示されているように、貫通孔15が形成されており、歯ブラシ10を逆さに掛止する等の際に利用できるようになっている。
また、各配置部31,32,33のヘッド側端部に、僅かに膨らむ膨出部34,34,34が形成されている。膨出部34は図4から理解されるように、各配置部が平坦に切除された結果、配置部が形成されない領域にできる急な傾斜もしくは垂直に近い傾斜を持つようにされた壁部である。
このような膨出部34の存在により、把持するための指先の位置を決め易く、使い勝手に優れている。また、グリップ部35を握った指が必要以上に乳幼児の口に近づくことが防止される。
すなわち、ヘッド部20は乳幼児の口の周りで操作されるために、握った指が必要以上に口に近づくと指が濡れて、滑りやすくなったり、衛生上このましくない。このため、膨出部の急な壁部で指のヘッド部20への接近を防止し、滑り止めとするとともに、衛生的に使用できるようにされている。
図において、使用者(介助者)は、乳幼児である子供の頭を膝にのせて、上からかがみこむようにして、右手Hで歯ブラシ10を把持し、そのヘッド部20を子供の口腔K内に差し入れて、仕上げ磨きをしている。
この状態においては、歯ブラシ10のグリップ部35が、ほぼ正三角形の各辺となる平坦部を有し、この平坦部が、図示のように把持する際に、右手Hの指の配置部とされている。つまり、正三角形の3つの各辺に相当する各配置部31,32,33(図4参照)に、右手Hの親指F1、人差し指F2、中指(図示せず)を添えることができ、加えて、支持部36に人差し指F1の根元付近が配置される。ここで、人差し指の根元付近が配置されるとは、詳しくは、例えば、人差し指の基節骨付近が配置されることを意味する。
このようにすることで、正しいペングリップによる把持が可能となり、安定した保持ができるので、図5のような把持状態でのヘッド部20の操作性が優れている。
また、グリップ部35からヘッド部20の先端までの寸法l1が43mmに設定されている。これにより、グリップ部35から奥歯までは届くが、喉を突く危険がないようにされている。
かくして、本実施形態によれば、柄部30を正しくペングリップすることができ、その状態でヘッド部20が口腔K内で操作しやすく、ブラシ要素22を正しく位置決めできるようにした仕上げ磨き用歯ブラシ10を提供することができる。
これにより、ネック部11が細くベース部21の厚み寸法もこれと同等である。例えば、ベース部21は、幅11.2mm、高さ8.3mm、厚み6.0mmというコンパクトなサイズであるため、介助者の視界を可能な限りさえぎることなく、口腔K内を視認しながら、磨くことができ、この場合、ネック部の延びる方向とブラシ要素22の延びる方向が一致しているので、乳幼児の生え初めた歯を対象にして、特に細かい箇所で、小刻みな往復動をさせるなどしての清掃が要求される際に、介助者は自己の指先の感覚に近い感覚で作業をすることができる。
また、細いネック部11がY方向に沿って湾曲しているので、歯列の頂部を回りこんで歯の裏側や、奥歯やその歯間を磨き易い。
図6の歯ブラシ10−1において、第1の実施形態と同一の構成には共通する符号を付して、重複する説明は省略し、以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
ブラシ要素22−1は、ネック部11−1と一体のベース部21−1から垂直な方向に延びている。このベース部21−1の大きさは、第1の実施形態のベース部よりも大きく、例えば、幅8.7mm、高さ14.5mm、厚み4.5mm程度とすることができる。
このベース部21−1に植毛されるブラシ要素は、第1の実施形態と同じ材料であり、柔らかい材質であるが、ブラシ径がやや太く、例えば、0.127mm程度である。したがって、ブラシ要素22−1は第1の実施形態よりもややコシが強く、部分磨きよりも全体磨きに適している。
グリップ部35からヘッド部20の先端までの長さl2は、52mm程度である。
つまり、図5で説明したように介助者は、歯ブラシ10−1を利用して仕上げ磨きをすることができるが、その場合、ヘッド部20を小刻みに動かすだけでなく、長さ方向に、あるいはこれと垂直な方向に比較的大きく往復させて、歯列全体を磨くのに適しており、特に虫歯になり易い奥歯の歯列磨きに適している。
グリップ部35からヘッド部20の先端までの長さl2は、52mm程度で、ヘッド部20を口腔内に差し入れた場合に、奥歯の歯列に到達することはできても、喉を突く危険がない寸法とされている。
Claims (3)
- ベース部と、該ベース部にブラシ要素が植毛されて形成されるブラシ部とを有するヘッド部と、該ヘッド部から続くネック部と、該ネック部から続く長尺の柄部と
を備えており、
前記柄部は、歯磨きを介助する者が把持するためのグリップ部を有していて、
前記ネック部が前記柄部に対して湾曲しており、
前記グリップ部の断面形状が、湾曲している前記ネック部の先端方向が向く方向と反対側にほぼ正三角形の底辺を位置させる形態とされていて、
前記正三角形の各辺の一部である平坦部が設けられることにより、該平坦部は、把持する際に、指先を配置するために利用される配置部とされ、
前記配置部の表面には滑り止め手段が形成されており、かつ該滑り止め手段が形成された前記配置部の前記ヘッド部側端部に膨出部が形成されている
ことを特徴とする歯ブラシ。 - 前記柄部は、前記ヘッド部側から見て、該グリップ部より離れる方向に位置し、人差し指が配置される支持部を有していて、該支持部は、歯磨きを介助する者が前記グリップ部を把持する際に、人差し指の根元付近が配置される位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
- 前記配置部の前記膨出部は、該配置部の前記ヘッド部側の端部に設けられた急な傾斜を持つ壁部でなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の歯ブラシ。
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